01/11/02 第3回小児慢性特定疾患治療研究事業検討会議事録      第3回小児慢性特定疾患治療研究事業の今後         のあり方と実施に関する検討会 議 事 録 厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課 第3回小児慢性特定疾患治療研究事業の今後のあり方と実施に関する検討会議事次第                日 時:平成13年11月2日(金) 14:00〜16:00                場 所:経済産業省別館10階T−28会議室                1 開  会                2 議  事                  (1)資料説明(委員要求資料を含む)等                  (2)自由討議                  (3)その他                3 閉  会 ○森本補佐  傍聴の皆様にお知らせします。傍聴に当たりましては、既にお配りしている注意事項 をお守りくださるようにお願い申し上げます。  なお、本日の委員の出欠でございますが、神谷齊委員及び高松鶴吉委員が御欠席でご ざいます。なお、雪下國雄委員が、しばらく遅れられるという御連絡をいただいている ところでございます。 事務局から続けて連絡事項ですが、本検討会の第1回の議事録は厚生労働省ホームペー ジに掲載されましたので、ごらんいただければ幸いでございます。 なお、本日の検討 会につきましては、テレビ局の撮影がございますので、よろしく御理解願います。  それから、マイクの関係ですが、本日は会議室が別でございますので、御発言になら れたい方は挙手を願います。マイクを担当の者がお持ちいたします。  では、座長、よろしくお願いいたします。 ○鴨下座長  それでは、定刻になりましたので、ただいまから第3回小児慢性特定疾患治療研究事 業の今後のあり方と実施に関する検討会を開催いたします。 委員の皆様には、御多忙の中お集まりいただき、ありがとうございました。 まず、事務局から配付資料の確認と簡単な御説明をお願いいたします。 ○森本補佐  まず、資料として「第3回小児慢性特定疾患治療研究事業の今後のあり方と実施に関 する検討会議事次第」とございまして、以下めくっていただきますと右肩上に資料1、 資料2、資料3とございます。以下、右肩上に更に細かい目次として資料1、資料2と 以下続いている次第でございます。  それから、本日は桃色の冊子がお手元にあると思います。これは小林委員の方からい ただいたものでございまして『小児難病親の会ハンドブック2002年』という、できたば かりものでございますが、この冊子のうち、めくっていただいて2ページからあります 親の会の共同アピールにつきましては、その部分だけ先ほどの資料に入れさせていただ きまして、後ほど小林委員の方から御説明いただくことになっております。  本日配付させていただいた資料は以上でございます。 あと、第1回、第2回の検討会資料につきましては、御参考までにお手元に御準備させ ていただきました。適時御利用いただければ幸いでございます。 ○鴨下座長  ありがとうございました。  それでは、早速議論に入りたいと思いますが、本題に入る前に、今回、山城委員が初 めて御参加いただきましたので、自己紹介とこの検討会に関するコメントがございまし たら、どうぞよろしくお願いします。 ○山城委員  ただいま御指名いただきました順天堂大学小児科の山城でございます。  過去2回どうしてもこの席に出席できなくて大変失礼いたしました。それから、いろ いろな方に御迷惑をお掛けしましたことをこの席を借りておわびいたしたいと思いま す。幸いにも厚生労働省の方々から、私の欠席したときの議事録等の説明を御丁寧にし ていただきまして、完全とは言いませんけれども、皆様方委員の過去の御討論は、多少 なりとも私なりに理解したつもりでございまして、できるだけ早く皆様方のレベルにキ ャッチアップしてこの委員会の討論に加わりたいと思いますので、よろしくお願いいた します。  それから、この検討会に対するコメントということでございますけれども、昨今いろ いろな医療費の抑制というのが言われておりますが、せめてこの小児に関しては、その 抑制幅をできるだけ小さくしていただきたい。これは、私は小児科医として日ごろ患者 さんの親御さんと接しておりまして、親御さんが非常に若いし経済的にもまだ十分基盤 ができていない。そこに慢性のお子さんを持った場合の精神的な苦しみは勿論のこと、 経済的にも大変悩んでいらっしゃる。そういう点で、時代の流れとしてはやむを得ない ときもありますけれども、そこはできるだけ少なくしたい。もう一つは、全部に同じよ うな負担というよりも、多少の格差といいますか誤解を恐れずに申しますと、私ども医 者の側から見ていますと、疾患の軽重がございます。その場合に、全部一律というわけ にはいかないのかもしれません。その辺、私が今までに仕入れた範囲内で御論議させて いただきたいと思います。どうもありがとうございました。 ○鴨下座長  ありがとうございました。  それでは、小児慢性特定疾患治療研究事業の現在の課題の検討ということにつきまし て検討をいただくわけですが、本日は、前回のまとめと各委員から御提出いただきまし た資料についての説明、そして、その質疑を最初に行います。その後、資料5にありま す事業の対象疾患と対象者見直しの主要課題を中心に、御自由に御議論いただきたいと 思っております。特に、資料2は小林委員、それから、資料4は永井委員から御説明を お願いしたいと思います。  では、まず、最初に資料1につきまして、宮本補佐からお願いいたします。 ○宮本補佐  1ページ目にあります「第2回小児慢性特定疾患治療研究事業の今後のあり方と実施 に関する検討会主要議論点」というところにつきまして御説明いたします。  これは、前回検討いただきました内容をやや羅列的ではありますけれども、こういっ た内容があったというのを取りまとめたものであります。  上からまいりますと、資料説明関係としましては治療頻度、その中でも特に成長ホル モンの使用について地域差が大きいのではないか。  それから、地域におけるサービスにおいては、対応が異なる点があるのではないかと いった意見がございました。  続きまして、対象疾病・対象者の見直し関係としましては、何を目的として対象疾 患・対象者を見直すのか明確にしていかないと今後の検討というのは十分にできないの ではないか。  それから、対象者の選定には、疾病と病状の両方を考慮するということが必要であ り、医療費補助については基準というのを明確にしていく必要があるのではないか。  それから、対象の見直しに当たり、家族の負担度、医療費以外の費用、QOL等総合 的に勘案して、負担度というような視点で選定できないか。  それから、その負担度を示すような指標というものが示させないか、そういった御意 見が出されました。  続きまして、研究の推進関係については、研究利用がプライバシー保護や同意書を取 る関係で、利用が難しくなっている。これは、現在の事業の中でデータを集める仕組み がございますけれども、そのデータの利用に関しての御意見ということであります。  それから、今後のスケジュールということで、これは事務局及び座長で話し合った結 果ということでお示ししたものでありますけれども、次の4つの事項を早急的に検討し ていくべきということで、1つ目は対象疾患、対象者の在り方、2番目は調査研究の在 り方、3番目は福祉サービスの在り方、4番目は自己負担の在り方ということで、こう いう点を早急に検討すべきということでありました。なお、就学については、必要に応 じて意見を文部科学省に伝えるのが適当である。それから、就労に関しましては、これ らの4つの事項を優先して議論した結果、後ほど検討したいといった方向性でありまし た。  そのほかの御意見としましては、未熟児医療の治療を受けた結果、重症で寝たきりと なり、そういった場合に家族で看護する場合の負担が大きいのではないか。それから、 これはその制度の内容についての啓発ということなんですが、小児慢性特定疾患治療研 究事業の対象になったその疾患の治療に関してのみ医療費助成があるということを、多 くの人に理解してもらうようにするべきではないかといった御意見でありました。  私からは以上であります。 ○鴨下座長  ありがとうございました。  続きまして、資料2について小林委員からお願いできますか。 ○小林委員  3ページからなんですけれども、親の会の共同アピールということで、7ページの方 に40団体の名前を連ねてあるんですが、この40団体がまとまりまして、共同アピールと いうことでアピール文をまとめさせていただいたわけです。第1回の会議のときに、や はり共同アピールというものを出させていただいたんですが、この際には、難病対策基 本法の制定を求めてという表現だったんですけれども、今回の場合は、小児慢性疾患と いうのが念頭に置かれておりまして、そういう意味で「難病のある子どもの、より良い 暮らしのために」という副題に変わっております。この40団体の方たちが何度となく集 まりまして、いろいろ議論を重ねながらまとめてきた、労作と言うにはちょっとあれで すけれども、自分たちで言うのは何ですけれども、よくできたものなのかなと思ってお ります。  ということで、こういうふうに4ページにわたって文章をまとめさせていただいてい ます。医療、教育、福祉、それから、自立支援というふうに分けているわけです。ちょ っと紹介をさせていただきたいと思うんですけれども、まず「はじめに」というところ でございまして、病気や障害のあるなしにかかわらず、子どもは健全に育成されなくて はなりません。しかし、難病のある子どもは日々病気と闘いながら生活しています。彼 らが基本的人権を持つ人間として尊重され、子どもから大人へと成長する過程におい て、高いクオリティ・オブ・ライフを維持していくためには、いわゆる健常児に対する 以上に、社会からきめ細かな配慮が必要となるのは当然のことと言えます。つまり、病 気があるからあれができない、これができないというようなことではなくて、これは ノーマライゼーションとかいろいろな障害者の中でも言葉がありますけれども、基本的 なところは、そこと変わらないのだろうということだろうと思います。そうした前提 で、子どもたちが地域の中で大勢の人たちとよりよい社会生活を営んでいくにはどうし たらいいかということをみんなで考えたものだということでございます。  まず、医療ということなんですけれども、もう基本的に治療の研究、病気を治してい ただければ問題はそこで解決してしまいますので、何と言ってもやはり治療研究という ものについては力を入れていただきたい。病因の解明と治療研究の推進というふうなこ とが書いてあります。いろいろな研究のやり方があると思うんですけれども、基礎研究 も臨床研究もあると思いますが、そうしたことを是非積極的に進めていただきたいとい うふうに思っております。  次に、医療制度の充実ということが書いてありますけれども、ここでは長期間にわた る闘病生活では、体だけではなく心にも大きなダメージを受け、経済的にも追い込まれ ますということなんですが、要するに、病気と闘っていくお子さんたちをサポートして いただける制度、システムというものの充実をお願いしたいという趣旨でございます。  教育のところでは、やはり子どもの成長発達というものには、教育というのは欠かす ことのできない必要条件であります。就学前のお子さんの場合には、保育ということが それに当たるかと思うんですけれども、親たちは学校を治しながら学ぶ場というふうに 定義付けているわけなんですが、これも普通の健常児と同じように、いろいろな教育を 公平に受けられるような仕組みづくり、そうしたものをつくっていっていただきたいと いうことでございます。ここに書いてある『病気や障害の表面だけにとらわれない、 「子どもの人権」 の視点に立った教育制度の実現を希望します』ということでございまして、まず1「学 校選択の権利を難病のある子どもとその親が有すること」ということが書いてありま す。とかく教育委員会、就学相談の主導による学校選択が行われることが多いわけです けれども、これはあくまでも親側に是非選択権があるのだということをを御理解いただ きたいということです。  2「すべての学校現場において親の付添を必要としない条件整備の確立」。いろいろ な病気やあるいは介護の面で医療的なケアが伴ったりする場合には、保護者の付き添い というようなものが義務付けられて、全国でほとんどの学校でそうしたことが義務付け られているわけですけれども、そうしたことを学校側の体制づくりという形でつくって いけないものだろうかというふうなことで、ここでは具体的に書いてあります。『「医 療的ケア」も一般的な生活介護支援と同様なものになりつつあります』、ここで言う医 療的ケアというのは、経管栄養だとか吸引といったことが中心かと思いますけれども、 第一段階として担任が研修などを受け、受け持ちの子どものケアを実施できるようにす ること。第二段階として、実施者や実施対象者及び実施するケアの範囲が限定されなく なる時代が来ることを望みますというふうになっております。  3番目「入院児の保育・教育の場と、人材の確保、及び学籍の保全」ということで書 いてあります。  4番は「高等学校への進学など、義務教育後の教育の場を確保する」。前にも私は発 言させていただきましたけれども、いろいろな病気があるために体育が見学になった り、いろいろな制限があって受験の機会が与えられない、進級の機会が与えられないと いうことがよく見られるわけですが、そうした配慮をお願いしたいと。難病と難病のあ る子どもの実態を理解するために教育関係者の研修を、それから、6番に病児の状態に 応じた柔軟な学習プログラムというようなことを挙げています。  福祉という面では、在宅福祉、医療費の補助ということで4項目挙がっておりまして 「在宅福祉、在宅医療制度への支援体制の整備」「医療費の補助、手当の充実、税の控 除・減免等経済的な支援」があります。  次のページへまいりまして「難病のある子を持つ家族を対象とした相談場所、機関の 設置」。これは、本当にいろいろな相談が私どもにも寄せられてくるわけですけれど も、そうした家族を支えられる相談窓口というものが、まだまだ足りないのだろうなと いうふうなことを思います。  4番「住む地域によって不利益を蒙らないような、制度の地域間格差の是正」という ことで、この数年どんどん地方に福祉サービスが移行されておりますけれども、そうい った関係で、全国的にかなり差が見られるということが、小児慢性疾患でもそういった 数字がありましたが、その地域間格差の是正というものを挙げております。  自立支援ということでございます。小児慢性疾患は18歳あるいは20歳で切れてしまう ということが、根本的に問題点として患者たちは考えているわけであります。つまり、 二十何歳にもなって親からお小遣いをもらって病院に行くのではなくて、仕事ができ る、就労するというようなことができれば、制度が切れてしまうという心配もまた少な くなるということだろうと思います。  1番に「難病者を対象とした職業訓練機関の設置」。  2番「雇用斡旋機関の設置(難病者対象就職説明会の設置)」ということが書いてあ ります。  3番「難病者雇用企業に対する助成金制度の創設」、これは障害者の制度にもあると 思います。  4番「難病就労者の通院休暇制度の設置」。定期的に通院するわけですけれども、こ れがなかなか休みにくい環境にあるということです。  「医療費の公費負担」、まさに現在問題になっていることでございます。  ここでは便宜上、医療、教育、福祉、自立支援という4つに分けているわけですけれ ども、分け切れないものも中にはあるわけなんですが、要は、子どもたちが家族と一緒 に暮らしていける仕組みづくり、システムつくりというものを是非お願いしたいという ことで、この40団体の提言ということでまとめさせていただきました。  40団体のうち右側の12番目に「日本ツゥレット(チック)協会」と書いてあります。 これは「トレット」、「ツ」が「ト」の間違いです。日本トレット協会ということでご ざいます。ちょっとミスプリントがありまして申し訳ありません。  以上でございます。 ○鴨下座長  ありがとうございました。  いろいろ御質問があるかと思いますが、また後でまとめていただくことにしまして、 次は、資料3につきましては森本補佐からでしょうか。お願いいたします。 ○森本補佐  資料3の御説明を申し上げます。  今度は患者・家族の経済的負担等、これは医療費以外も含めまして、それについて御 説明を申し上げたいと思います。これは、各疾病についての患者団体の方から御提供い ただいた資料について御説明申し上げるものでございます。  まず、11ページをごらんください。心臓病でございます。これは全国心臓病の子供を 守る会から御提供いただいたものでございます。1枚めくっていただきまして12ペー ジ、13ページに、全国心臓病の子供を守る会の心臓病の子どもさんに掛かった手術、治 療の事例調査がございます。これについては、個別の例は申し上げませんが、全般的な ところを御説明申し上げます。  まず、医療費については、この事例の方々はほとんどが手術のための入院治療という ことですので、前回説明いたしました育成医療制度というものが適用されまして、幸い にも心臓病の場合、手術には育成医療制度が適用されますので、保険の範囲内であれば この医療費用負担は少なくて済みますが、この事例のように、私立病院であれば差額ベ ッド代がかなり掛かると。また、病院までの交通費や宿泊費、家族の付き添いのための 宿泊費、交通費などの負担がかなり掛かるという傾向があるところでございます。  それから、特に、長期入院治療の場合や東京など通院の単独事業に助成されている自 治体ではいいのですが、通院費用、宿泊費用が単独事業で助成されていない自治体にお 住まいの方については、かなり負担になるということでございます。特に、心臓病の場 合、患者団体の方は遠くの病院で手術するということがございますので、これはかなり 医療費以外の面で問題があると。また、退院後も定期的に通院するため、治療検査につ いて負担が掛かるという点がございます。  この事例のほかにも、県外の病院にかかったり、同じ県内でもかなり離れている病院 にかかって治療しているというケースがたくさんあるという点が、事例から見て取れる と思います。  まためくっていただきまして15ページ以下に、個別の患者さんの事例を具体的な例と して資料として御提示したところでございます。とりあえず事例については説明は省略 させていただきます。  次に、23ページつぼみの会でございます。これは、IDDM、インスリン欠損症の患者団 体の方でございまして、ただ、本資料は、小慢の年齢制限を超えた方についての調査結 果でございますので、医療費が掛かっております。そこは誤解なきようお願いします。 23ページの上の方の表12によると、医療費につきましては、5,000円から1万円、1 万5,000円、2万円とございますが、やはり1万5,000円未満というのが8割弱を占める というところでございます。  これにつきまして、その金額は収入のおよそ何%ぐらいを占めますかというと、これ は小慢の年齢制限、つまり18歳を超えた方の調査結果でございますが、23ページの下 の方の表13によると、収入の10%未満という方がほぼ73%というところでございま す。これについて、以下文章によるアンケート調査がございますが、この調査につきま しては、調査時点では本人の自己負担が健康保険の1割のものであったと。ただし、現 在は本人でも2割負担になっておりますので、本人負担は倍になっているとのことで す。  あと、このIDDMにおきましても、直接病院に支払う費用のほかに病気の関係で出費が あることが指摘されております。専門医は病院が限られておりますので、遠くの病院へ 通院するための交通費、例えば、長野、静岡から新幹線を使って東京の病院に定期的に 診てもらいに来る患者もおられると。あと、血糖測定器、消毒綿等日常の管理費用、あ とそのほか御自分で勉強されるための書籍代等がかなり掛かるという点が指摘されてい るというところでございます。  次に、27ページ胆道閉鎖症について御説明申し上げます。この胆道閉鎖症の場合は、 葛西手術及び移植の手術というのが患者さんにとってかなり大きな位置を占めていると いう状況でございます。特に、肝臓移植の手術等ございますが、肝臓移植後は免疫抑制 剤を服用しますので、その費用で1か月4万円程度掛かるという指摘もございまして、 そのような医療費の負担、小慢以外の負担が掛かってくるというところもあるところで ございます。  次に、32ページをごらんください。SSPE、亜急性硬化性全脳炎、これは青空の会とい う患者団体からいただいたものでございます。これにつきましては、ごらんいただくと わかるんですが、交通費もさることながら紙おむつ代というのがかなり掛かっておりま す。 この紙おむつでございますが、現在、厚生労働省の方に1か月当り一定限度とした紙お むつ支給制度というものがございます。ただし、この制度は発症が3歳以前という制限 がついておりますので、すべての方が紙おむつについての支給制度の対象になっている というわけではないと。勿論、自治体によって単独で支給されているところはございま すが、国として全員に全国的にやっているわけでは必ずしもないというところでござい ます。  次に、特殊な疾病の例として無痛無汗症の疾病について御説明申し上げます。この疾 病につきましては、体温調整ができないという点がございますので、まず、冷暖房代が 極めて掛かるという点がございます。あと、身体障害者認定をされる前に装具が必要に なります。また、車いすも必要になるということがございます。あと、骨折をされても 御本人、患者さんが痛いということを感じられないという点がございますので、そのた めにかなり骨折が起きると。骨折については小慢の適用になっておりませんので、結構 自己負担分が大きくなるという点がございます。あと、身体障害者の医療費助成は各都 道府県でかなり異なっておりますので、保護者の所得が低い場合でないと受けにくいと いう御指摘が患者団体からあったところでございます。  あと、マウスプロテクターというものが、これは特殊なものでございますが、舌や指 をかみ過ぎるため必要でございますが、健康保険の対象外になっているが、これは必要 であるということでございます。  あと、先ほど申しましたが、けがをしても、つまり骨折をしても痛みを感じないので 平気で歩き回ってしまうために、常にレントゲン写真が必要になるというために、その 医療費が健康保険は利きますが、自己負担がかなり掛かってくるという点があるところ でございます。  以上でございます。 ○鴨下座長  ありがとうございました。  それでは、最後になりますね、資料4、これは永井委員から御説明いただけますか。 ○永井委員  今回この検討会におきまして、私どもの和歌山県子ども保健福祉相談センタ ーの現状について報告する機会を得ましたので、時間の都合上少しまとめてきましたの で報告させていただきます。  第1回、第2回の報告のときにお話ししましたものと重なる部分がありますが御了承 ください。資料は35ページからです。  はじめに、センター設置の経過について、次いで、業務内容について、その中から相 談状況について、少し事例を交えながら具体的に報告いたします。最後に、相談状況か らの課題について少し述べさせていただきます。  和歌山県子ども保健福祉相談センターは、難病等長期療養中の子どもたちの相談窓口 として平成11年6月1日に開設いたしました。小児難病等長期療養中の子どもたちは、 この資料35ページにも書いてございますけれども、療養し病気の治療を行うだけではな くて、健やかに成長発達するためには、さまざまな問題を解決していく必要がありま す。和歌山県では県内に子どもの専門医療機関がない中、県外への子どもさんの受診も 多くありまして、子ども病院の建設を中心にした子どもの保健医療体制の在り方につい て、平成7年度より検討を重ねてきました。ちょうどその時期に、県立医大の新築移転 が具体化されていました関係上、平成11年5月新医大の移転に伴いまして、小児科部門 の充実が図られ、子ども病院の建設は、その他の諸般の事情もあり建設には至りません でした。が、時を同じくしまして、県の出先機関として当センターが県立医大内に開設 することになったものです。  なお、平成9年度に県が実施いたしました小児慢性特定疾患児生活実態調査におきま して、難病等の子どもを持つ親御さんは、医療介護面などで解決しなければならない多 くのことに苦労が多く、医療機関または行政機関における相談窓口の設置を望む声が多 くあったことも踏まえまして、子どもの保健医療福祉に関する相談の窓口機関を設置す ることとされたものです。  当子ども保健福祉相談センターは、小児難病等長期療養中の子どもたちやその保護者 の相談窓口になって、必要なサービスを提供する機関の紹介などの支援を行い、すこや かに子どもを育てる環境をつくることを目標に事業を実施しています。これは、35ペー ジ、36ページをごらんいただければわかります。  それから、また、センターでは広く一般の方々並びに関係機関に病気の理解を得るた めに、長期療養児が安心して暮らせる環境づくり事業として、シンポジウム、それか ら、子どもの難病研修会、家族会の交流会、疾患別学習会、機関紙の発行などを実施し てきました。平成13年度の事業も37ページのセンターNEWSに載せております。昨年度は 小林委員さんに非常にお世話になりまして、今もっていろいろ御相談させていただいて いる状況です。  相談は来所と電話により対応しております。なお、医学的問題等につきましての相談 は、まず主治医と連絡を取りまして、必要に応じ医療機関の専門医師や、それから、小 児慢性特定疾患対策協議会の先生方に助言を得ているところです。前後しますけれど も、41ページの相談の流れを見ていただいたら結構です。  なお、関係機関への連絡等につきましては、プライバシーの関係から必ず保護者の了 解を得て進めているところです。  続きまして、センターの相談状況について報告いたします。42ページをごらんくださ い。 相談件数は開所以来、平成13年、今年9月末現在で約1,000件余りの相談が寄せられて います。電話相談が3分の2を占めている状況です。今回は、平成12年度のまとめにつ いて報告させていただきます。資料の(1)相談延べ件数ですけれども、来所相談が147 人、それから、電話相談が293人です。1回で相談が終結する場合がほとんどなんです が、継続する場合は放置すると虐待へつながるおそれのある場合であるとか、母の養育 能力が低い場合などです。センターだけでなく、地域の保健婦など関係機関と連携しな がらの対応が求められております。  それから、(2)の相談内容についてですけれども、右の表をごらんいただければわかり ますが、一番多い御相談は、医療福祉制度についての175件となっております。幾つか相 談内容をお話しいたしますと、1つは、3歳までは乳幼児医療で保護者の負担はないん ですけれども、3歳を超えると医療費の自己負担があるので何か給付制度はないだろう かというふうな御相談が多いです。これにつきましては、小児慢性特定疾患治療研究事 業や特定疾患の対象になる場合はいいのですけれども、それに該当しない場合、特別児 童扶養手当や身障手帳、療育手帳を持っている場合は市町村の単独制度がありますの で、主治医の方や市町村と連絡を取り合っています。  それから、病気により呼吸障害や腎機能障害がある子どもさんで、今まで全く手当や 制度の給付を受けていない方の相談も増えてきております。保護者の方が、もっと早く に制度についてわかっていたら、早くに給付を受けられたのにと思うことがあります。 これは、患者や家族の立場に立って早く情報の提供ができるシステムというのが、それ ぞれの病院に欲しいなということを話し合っています。  こうしたことから、センターを設置している県立医大内に子どもの医療給付制度、福 祉制度についてのA3版チラシを掲示させてもらいました。最近では、どういうわけか 患児のお父さんがチラシを見て相談に来られることがよく見受けられます。様子を見て 他の主要病院にも掲示をお願いしようかと話し合っているところです。  もう一つの相談では、吸入器を買いたい、補聴器を買いたい、それから、言語機能障 害があるので、音声の出るパソコンなどを買いたいが給付制度はないかなどといった日 常生活用具の制度に該当する相談が多くあります。  2番目に多いのが、療養生活についての109件なんですけれども、これは日常生活面や 精神面、それから、社会生活面での療養上の御相談です。1つの事例を御紹介します と、それぞれの関係機関につないでいったケースです。小児糖尿病の子どもで、スクー ルカウンセラーからの依頼で相談が始まったケースです。13歳の女児で知的障害があり 、少人数学級に在籍中です。両親と兄2人の5人家族ですが、母は糖尿病で白内障、腎 機能障害の合併症が出ています。母と長男ともに軽度の知的障害があります。兄2人は 定職がなく、父の収入のみで家計を支えている状況です。このケースにつきましては、 小学校5年の学校健診で尿糖プラスで精密検診となり病院を受診するんですけれども、 治療を継続せず放置していました。中学に入り再度精密検診となり、血糖値400にて入 院となったケースです。入院中は食事制限ができるため血糖値は改善するんですけれど も、退院すると食生活を含め規則正しい生活ができにくくなるため悪化するという繰り 返しのケースでした。学校では担任の先生、それから、医療機関、保健所、福祉事務 所、児童相談所、介護支援センター等との連絡調整を行いまして、治療の継続、療育手 帳B1の給付、それから、特別児童扶養手当の給付、保健婦・栄養士の訪問指導、ヘル パーの派遣ができるようになりました。知的障害、糖尿病がありながら福祉制度の利用 が遅れていたケースです。スクールカウンセラーがたまたま当センターを知っていたこ とにより、相談に結び付いたケースです。治療継続に向けて家族状況にも問題があり、 関係機関が連携しなければ、このケースを支援することはできなかったと思います。  患者家族会の問い合わせも多くあります。ここでは65件ありますけれども、同じ病気 を持つ家族同士のつながりが一番心が休める場であると考えています。県内に支部また は連絡会がある家族会は11ですが、センター開設時は6家族しかありませんでした。交 流会を年3回と学習会1回を開催しています。その後、ヒルシュスプルング病、レック リングハウゼン病、膠原病の学習会を開くことにより家族会が結成されつつあります。 県内に専門医が少ない中、昨年はリュウマチの家族会を通じまして、膠原病の専門医で ある横浜市立大学医学部小児科の横田先生においでいただき、講演会と個別相談を行い ました。紀南地方でも同病院の森先生においでいただきました。その後、患者同士の交 流会の声があり、開催の計画もされ、横の広がりを見せてきています。それぞれ疾患別 の家族会の交流会を重ねることによりまして、自主的な会へと発展しつつある状況で す。  病気についての相談は、保健所や通院施設等関係機関からの問い合わせが結構ありま す。 センターが医大病院内に設置されているメリットを生かしまして、医大の先生方にお尋 ねしたり、それから、インターネットで情報を集めて返事をしています。  教育についての相談は、第1回の検討会のところでもお話ししましたので詳しいこと は申し上げませんけれども、1つの例をお示ししますと、ミトコンドリア脳症の子ども さんの事例ですけれども、この子の場合は自力登校ができず、両親とも車の運転ができ ないので登校手段がなく、また、地域にも福祉制度がないことで保健婦から相談があっ たケースです。 県の学校教育委員会に問い合わせをいたしまして、就学奨励費によりタクシーの送迎が 可能になり、週2回登校できるようになりました。  在宅サービスについての問い合わせで増えているのは、重度心身障害児と介護度の高 い子どもさんが退院する場合です。在宅で24時間介護が必要、また、在宅酸素療法が必 要ですので家族だけでは介護し切れない、何か在宅サービスの支援制度はないか等々の 相談があります。この場合は、訪問看護ステーションなどを紹介いたしますけれども、 子どもを対象にした訪問看護ステーションというものがまだまだ県では少ない現状で す。  資料(3)ですけれども疾患別相談、これは実人員ですが難病等長期療養疾患とその他と いう大まかなくくりで分けています。42ページの(3)です。64.7%が難病等長期療養疾患 の方です。そのうちの53%、約半数が悪性新生物から神経・筋疾患までですけれども、 小児慢性特定疾患の10疾患です。  次に多いのが先天性疾患で38.4%を占めています。これは二分脊椎症であるとかダウ ン症、、それから、13トミソリー、小脳低形成不全症、聴力障害等々の子どもさんで す。  相談状況を少し細かく報告いたしましたが、100件の相談があれば100通りの問題を抱 えているという非常に大変な状況に置かれていることがよくわかります。  それでは、相談状況から考えられる課題について幾つか挙げてみます。1つは、セン ターでは今は必要に応じて個々のケースについて関係機関と連携していますけれども、 今後はセンターの役割としてケースが地域で療養するための、例えば、保健所を中心と した地域のネットワークづくりの支援が課題ではないかと考えています。  2つ目には、医療費に掛かる自己負担の問題です。制度に該当しない疾患であると か、病名が確定するまでの間は制度が使えませんので、医療費の負担は大きく、また、 交通費や宿泊費等医療費以外に掛かる費用も多く、家族の負担は非常に大きいものがあ ります。  3つ目は、療養所に必要な機器、それに付随する消耗品、また、日常生活用品等につ いて治療費の対象にと家族の方から望む声は強いです。  4つ目は、先天性疾患も含めて長期療養児を対象にした対象疾患の拡大が必要ではな いかと考えます。また、小児慢性特定疾患から特定疾患へ移行できる疾患について、見 直しが必要ではないかと思います。  最後になりますけれども、相談を通じて患者・家族が最も必要としていることに情報 が欲しい、それから、精神面のサポートをしてほしいということがあります。小児難病 等の長期療養児が安心して地域で暮らせるよう、関係機関がサポートしていくことが重 要です。 そのためには、患者・家族があちらこちらと回らなくてもよいように、患者・家族と最 初に出会った相談窓口が必要な情報をトータルに提供できる知識を持ち、関係機関へつ なげていくことが必要ではないかと考えています。  以上です。 ○鴨下座長  どうもありがとうございました。  それでは、ただいままでの資料等御説明につきまして、質疑に入りたいと思います。 一応、大体資料の順番に従ってまいりましょうか。よろしゅうございましょうか。  資料1につきましては、前回の論点を整理していただいたことですからよろしゅうご ざいますね。では、小林委員から御説明のありました親の会の共同アピールについては いかがでしょうか。 ○山本委員  5ページの4番なんですが、義務教育後の教育の場の確保は、具体的に、入院してい る場合は隣に養護学校があればそちらで学習することができると思うんですが、入院し ていない場合の高等学校進学など、ここに書いてあるのは具体的にどんなことなのでし ょうか。 ○小林委員  例えば、以前にもお話ししたと思うんですけれども、体育の授業が受けられないから 点数がもらえなくて進級できない、あるいは私たちがアンケートを取ったときにもあっ たんですけれども、君はこういう病気があるからということで、高校受験の紹介という ことを学校があっせんしてくれなかったというような事例が実際に出ているということ ですね。そういうような中で、病気や障害があるからといって不利にならないようにし てほしいという趣旨なんですけれども。 ○山本委員  では、もう1点、その下の5番の教育関係者全員というのは、勿論教員は入っていま すが、関係者というのはどの辺まで小林さんの方では。 ○小林委員  教育委員会の方とか、これも前回申し上げたかと思うんですけれども、なかなか実情 について十分御理解いただいていない点がありまして、学校教員の養成過程の中に、こ うした障害者の問題だとか難病者の問題というプログラムは入っていないと思うんです けれども、そうしたことを理解していっていただくような養成プログラムというのでし ょうか、そうしたものも考えていっていただけないかなということでございます。 ○鴨下座長  ほかにいかがでしょうか。 ○山城委員  今の小林委員の御説明のところの教育関係者の研修について、もうちょっと付け加え させていただきますと、今、私の後ろの方には文部科学省の先生がいらっしゃいますけ れども、たしか学校の先生になるためのカリキュラムの中には病弱児の授業というのは あるんですけれども、現在ここで言っている難病のことに関する授業ということに関し て授業を受ける機会がほとんどないというふうに私は理解しておりまして、そういうこ とから、現場に実際に学校の先生方が行かれたときに、特に難病のお子さんの担任にな った、あるいは養護学校に行かれたときに非常に戸惑うというようなことが、たしかあ るというふうに聞いていまして、そういう点でも、これは学校の先生の養成教育カリキ ュラムの中にこういうものが入っていると、より柔軟に即応できるのではないかという ふうなことでございます。 ○鴨下座長  ありがとうございます。  ほかにはございますか。 ○小林委員  ちょっとよろしいですか。今の山城先生のお話で、もう一つあれしますと、先ほど申 し上げた後ろの方に書いてある40団体では結構いろいろな努力をこれまでして きていまして、今日はちょっと持ってきていないんですけれども、いろいろな冊子をつ くって、例えば、お子さんへの必要な配慮とか例えばこういうことはしていいんだよ、 こういうことは配慮してほしいんだよというようなパンフレットあるいは冊子みたいな ものはつくって、その患者さんを通じて学校とか幼稚園あるいはそういう周辺の方々に 理解していただけるようなものは結構努力しているんですけれども、それは、まだごく 一部ということで、当然のことながら、まだ底辺までは至っていないということが挙げ られると思います。 ○鴨下座長  よろしいでしょうか。これは本当によくできていますね。 ○小林委員  ありがとうございます。 ○鴨下座長  今の問題が全部洗い出されている感じがいたしますけれども。  それでは、もし、なければ次の資料3にまいりましょう。 ○小林委員  補足をさせていただいてよろしいでしょうか。資料3の医療費についての幾つかの患 者会からの資料について補足をさせていただきたいと思います。一番最初に出ておりま すのが全国心臓病の子供を守る会の方でまとめられたものなんですが、大変よく努力さ れて細かものをまとめられたなと思って拝見しているわけなんですけれども、病院で払 う医療費というようなもの、保険になっている医療費というものと、前にもお話ししま したが保険外医療、差額ベッド代だとか保険の掛からない検査や治療、それから、さっ き話が出ましたが、いろいろな衛生用品だとか医療機器といったものがあるのと、もう 一つは、私たちは間接医療費と呼んでいますけれども、そういう日常生活で発生する費 用、滞在費とか交通費というようなことがあるわけです。その保険に掛からない医療費 については、年末調整で申告して税の返還というようなことも一部あるんですが、滞在 費とか交通費というのはそういうような対象にもなりませんで、例えば、病気のお子さ んを連れて病院に通院した、それにタクシー代が掛かったというと、例えば年末調整の 対象になるんだけれども、子どもさんが入院していて、それに付き添うために通った交 通費みたいなものは除外されるとか、対象にならないとか、非常に納得しかねないよう ないろいろな仕組みもあるんですね。そういう幾つかのいろいろな種類の費用がありま すから、この小慢という制度でいろいろな掛かってくる部分の一部を法で支えられてい るというのは非常に大きいわけでして、ここを支えられるのがなくなってしまうと全部 支えてくれないというふうなことになります。この医療費の掛かっている部分を見ます と、かなり上下差が出ておりまして、これは一人一人の医療のいろいろな受け方できっ とそういうものが出てくるのかなと。一番大きいものは190万円などというのがたしかど こかにあったかと思うんですけれども、そういうようなあれがあります。  それから、先ほどもありましたが、小慢の年齢制限を超えたところの調査をしていた だいておりますけれども、これも例えば、就職する際に履歴書にそういうことは書かな い、何か聞かれてもうそと言うと語弊があるんですが、そういうようなことをして就職 して給料をもらうんですけれども、やはりいろいろなところでわかってきて実際に会社 を首になってしまったと、話が違うではないかということで首になってしまったという ようなことも聞いているわけなんです。そうした就労面の配慮というものをしていただ けるような仕組みが整っていくといいなというふうに思います。  さっき事務局の説明にもありましたSSPE青空の会のおむつというところがありまして これは二分脊椎症だとかそういった方たちも随分供給されているんですが、SSPEという のは大体早いと5歳ぐらいで6歳、7歳というところで発病するのが多いんですけれど も、これがどういうわけか3歳以前。たしか今度6歳になったとかなるという話を聞い たんですけれども、そんなようなことで、ちょっとこれも何か不公平感を感じるところ です。  それから、無痛無汗症というのは先ほど事務局の御説明にありましたように、体温調 整がうまくできない、それから、痛みを感じないということですから、骨折していても 平気で歩き回るわけですね。その骨折がどんどん悪くなってしまう。悪くならないと障 害者手帳がもらえない、障害者手帳がもらえないと車いすもつくれないということで、 考えてみると何か非常におかしな感じがしないでもないので、是非そうしたこともある のだということをこの小慢の制度を新しく考えるときに、無痛無汗症だけではないんで すけれども、ほかにも色素性乾皮症だとか非常に特殊なものがあると思うんですが、そ うした特殊なことにきめ細かくこたえられるような制度というふうにはならないのかな というふうに、ちょっと私は思っているところでございます。  以上、ちょっと補足させていただきました。ありがとうございました。 ○鴨下座長  よろしいでしょうか。ほかに何かコメントとか御質問はございませんか。よろしゅう ございますか。  それでは、資料4についてはいかがでしょうか。ちょっと私から質問といいますか、 和歌山県はよくやっていらっしゃると思うんですが、ほかの都道府県は大体こういうこ とは基本的にやられているんでしょうか。 ○永井委員  私どもが聞いているところでは、ほかの都道府県におきましては、子ども病院に付設 した医療相談室は設置されていますけれども、こういうふうに単独というのは設置され ていないということはお聞きしています。 ○鴨下座長  よろしゅうございましょうか。ほかに特に御質問がなければ、それでは、時間の関係 もございますので、先へ進めさせていただきます。  それでは、資料5というのがございますが、これについて宮本補佐からお願いしま す。 ○宮本補佐  私からお話しさせていただきます。  前回の検討会で、資料1のところで少し説明させていただいたんですけれども、対象 疾患と対象患者さんの在り方につきまして、いろいろな角度から御検討いただきまし た。その中で、幾つかの御意見の中にありましたのは、基本となります考え方、基準と いった考え方や目的というのがまず明確にされていないと、その後の検討というのがで きないのではないかといった趣旨で幾つかの御意見があったというふうに思っておりま す。私どももそういった御意見を検討いたしまして、この対象疾病と対象患者さんの在 り方については、この前議論をいただいた以上に更に深めた議論が必要なのではないか と。4つその検討課題を優先的にと申し上げたわけですけれども、その中でも、優先的 かつ慎重にやっていくべき課題ではないかというふうに考えました。そのため、本日は この点について十分な検討をお願いしたいということで資料5に示したところでありま すけれども、この資料でありますが、まず、上の方にありますのはこれまでの経緯とい うことで、1つ目の○については、今申し上げた内容です。  2つ目以降なんですが、これまで小児慢性特定疾患研究事業の対象疾患というのを10 の疾患群にまとめまして、この中では長期に治療が必要な患者さんを対象にしてきたと いうわけでありますけれども、個々の病気一つ一つを見てまいりますと、近年の医療技 術の向上といったことも含めてでありますが、比較的速やかに治癒するものも含まれて いるのではないか、こういう視点といいますか、基本的な論点があるだろうと。  2つ目ですけれども、基本的に疾患名のみで対象の方をこれまで認定してきたという ことで、患者さん個人個人の状態というのは余り考慮してこなかったのではないかとい った問題意識もございます。  こういった点を改善して、今後は新しい見直しをしていく作業を行っていくとします と、以下のような課題といいますか、論点を十分に検討する必要があるのではないかと いうことで、以下に示しております。この以下にあります部分は、検討課題としまして は対象疾病をどう考えるのか、病気をどう考えるのかという視点と、それから、同じ病 気の中でもどういった患者さんを対象とすべきなのかという視点と、その2つの課題が あろうということで、一番目にありますのは、まず疾病についてということなんです が、どちらともこれはあくまでも例示ということで示してありますもので、これがすべ てだと言うつもりはありませんし、議論のきっかけにということで示したものでありま す。  1にあります対象疾患の見直しの中での1つ目の○ですけれども、慢性疾患に限定す べきか否か。これは、上の方で申し上げたことにつながっているんですが、一部の明ら かな急性疾患というのも今は含まれているのではないかということを指摘されておりま して、そうなってまいりますと、慢性というのはどれくらいの期間を言うのか、ある程 度共通的な認識をまとめておくべきではないかという点です。  2つ目の○ですが、どの疾患を対象とすべきかというふうに考えますと、単に慢性で あるというだけではなくて、それぞれの疾患の治療法の確立などによって、現在の視点 から見た重症度という判断が要るのではないか、そういった視点であります。  2番目の患者さんのところに当たっての課題の例示でありますけれども、同じ疾患に 罹患しているといっても重症度はいろいろ違っておるわけでありまして、治療によって 重症度が軽くなるということもある。そうしますと、同じ疾患の患者さんをすべて対象 にすべきかどうかということで、これも全くの例えばというような例示なんですけれど も、腎臓疾患の経過観察、学校検尿において指摘されたような方については、かなり多 くの方は経過観察のみで経過をしていくという方も含まれておりますし、また、一部は その中で病気が悪化する方もいらっしゃる。こういう状況全体をとらえてどういう判断 をすべきか。  それから、心疾患の術後経過観察、勿論病気によるわけでありますけれども、手術を 受けたことによってかなり改善が期待されるような疾患について、その後のフォローと いうのをどのように考えていくべきなのか。  それから、悪性新生物の治療となりますと、治療の期間は勿論集中的にさまざまな治 療を行うわけでありますが、それが一段落した場合、その後は再発・再燃の危険性とい うのをにらみつつ経過観察を行うというようなことでありますけれども、そういった状 況というのをどのように認識すべきなのか、こういったことを1つの例としまして、さ まざまな視点があるのではないかというふうに思っております。  それから、最後の○でありますけれども、どのような点に注目していけば疾患の重症 度、対象となる患者さんを定義付けられるようなものを決めることができるのかという ことでありまして、これはまた別な見方をしますと、この小児慢性特定疾患治療研究事 業そのものの目的、何を目指して対応を行うのかということにも連動するかというふう に思っています。その点で非常に重要だと思っておるわけですが、例えばということで 視点を並べてみますと、介護保険で導入されておりますような日常生活障害度に着目し てはどうか。それから、患者さんが受けております個々の治療法、さまざまにあります けれども、そういうものに注目してはどうか。それから、予後という言い方には命にか かわります予後ですとか、それから、病気の結果どれくらい悪くなるのかということも 含まれるわけですけれども、そういった将来の見通しに着目するというのはどうか。そ れから、医療費、そのほかの経済的負担に注目するという視点はどうか。それから、 今、申し上げたような視点を個々に取り上げるだけではなく、もう少しこれらを組み合 わせといいますか、複合的にとらえるようなそういう考え方はできるのかどうかなど、 さまざまな視点というものがあるのではないか、こういったところを示したところであ ります。  繰り返しになりますけれども、これは全くの例示といいますか、いろいろな視点があ るだろうということをきっかけとして述べたものでありますので、是非、皆様方の活発 な御意見というのをいただきたいなというふうに思っております。  以上です。 ○鴨下座長  ありがとうございました。これまでの会議での議論を踏まえて、もう一度問題点をは っきり整理していただいたと思うんですが、大きい課題が2つあると。今日は、 残りの時間をこの問題にできるだけ集中して御討論をいただきたいと思いますけれども どなたからでも結構ですから、どうぞ自由に御発言ください。 ○加藤委員  いろいろ考え方を述べさせていただきたいと思います。  まず、上から2つ目の○に関してですが、近年の医療技術の向上により比較的速やか に治癒するものも含まれている、従来の小慢疾患の中に急性疾患と思われるものから、 治療により確かに治癒するものも含まれておりますし、治療法の進歩によって、ここに も書かれておりますが、軽症と考えられる疾患も含まれています。それから、また、専 門医とすれば現在は使われていないような意味不明な疾患名もありますし、ちょっと診 断名があいまいな疾患名が含まれていますので、今後は極力その疾患名を整理して、も うちょっと専門的、疫学的に役立つようにまとめられるとありがたいというふうに考え ております。  それから、○の3番目ですが「疾患名のみで対象者を選定し」ですが、従来からやは り疾患名だけで重症でかわいそうな病気というのは非常に多くありましたし、確かに一 部は余り大したことがない、同じ疾患名がついていても軽い場合から重い場合まであり ますので、ほとんど全員が重症であれば疾患名だけで登録できるようなシステムにして いただいた方が、現場としてはやりやすいのではないか。それから、一部の疾患で軽症 から重症な患者さんまでいろいろいる疾患に関しては、それぞれ重症度の判定をした上 で対象の可否を判定できればというふうに考えております。  それから、対象疾患の見直しに当たっての課題で、慢性とはどのくらいの期間を言う か、前回もいろいろ御意見をいただいたんですが、やはり3つ大きな視点を私としては 考えております。医学的に慢性とは半年以上を指すことが多い。慢性糸球体腎炎などに 関してです。そのほか半年以上を対象とすると、現在の小児慢性特定疾患の対象疾患の ほとんどが対象になるので、ごく一部は急性と考えられていろいろ不満な面もあるかも しれませんが、ほとんどが対象となるというのが2点です。あと、前回いただいた資料 の中で、学校教育法の中でも病弱者を6か月以上の医療または生活規制を必要とする程 度のものとしておりますし、ほかのいろいろなものとの整合性を考えると、慢性という のは半年以上を指すというのがいいかなというふうに考えております。  それから、対象疾患の見直し、腎疾患に関してここで経過観察とだけ書かれておりま すが、この経過観察もいろいろな経過観察があって、ただ外来で検尿する経過観察は医 療費も掛かっていないし、かなりの率で自然に治るわけですので、やはり対象外とする のが当然かなと。しかし、腎臓の生検をして何らかの医療が必要な場合、それでも経過 観察という言葉になりますし、腎臓の生検を行っていろいろな薬物療法をする場合は、 同じ経過観察という言葉、別の言葉で表現してもいいと思いますが、対象として含めて ほしい。  それから、心疾患の場合も手術で完全に治れば、当然、対象外と個人的には思ってお りますが、術後のいろいろな合併症から完全に完治できなかった場合、それから、ケー ス・バイ・ケースで死に直結するような症例も結構あるというふうに聞いておりますし そういうものをいろいろ勘案した上で、濃厚な経過観察が必要な症例は対象としてほし いというふうに考えております。  それから、悪性新生物に関して手術で治ったといっても、やはりこれは死に直結する 可能性がひょっとしたらあるわけですし、やはり死亡する可能性があるような疾患は精 神的なケアが必要だというような考え方から、やはり当然対象にするべきだと考えてお ります。 ただし、一部ほとんど完全に治ったと考えられる悪性新生物もありますので、そういう ものは対象外にしてもいいかなというふうに思います。  それから、一番下の○ですが、ここに書かれてあるのは当然いろいろな視点から考え るべきだろうというふうに思っております。子どもの病気は、大人の病気と違って非常 に種類が多いですし、ある一つの側面からだけ切ったのでは一部がやはり対象外となっ てしまいますので、極力幅広い視点から考えて複合的な考慮の下に対象基準を決めてい ただきたいというふうに考えております。  どうもありがとうございました。 ○鴨下座長  ほかにいかがでしょうか。今、加藤委員からは、かなり補足的に細かい説明がござい ましたけれども。 ○小林委員  質問してよろしいでしょうか。私は素人で申し訳ないんですが、ここの対象疾患の見 直しに当たってのところで、一部の明らかな急性期疾患の取扱いということが書いてあ るんですけれども、小慢の五百何十の中に明らかな急性疾患が入っているということだ と思うんですが、それは具体的にはどんな病気なんでしょうか。 ○加藤委員  私から答えていいかどうかあれですが、伝染性単核症とか血管性紫斑病、急性甲状腺 炎、急性腎炎の病理診断名ですが管内増殖性糸球体腎炎とか腎周囲膿瘍、スチーブン ス・ジョンソン症候群などは、やはり急性疾患というふうに考えております。御意見が あれば聞かせていただければと思います。 ○鴨下座長  よろしいですか。柳澤先生、何かありますか。 ○柳澤委員  今、加藤委員が言われた病気は、急性疾患か慢性疾患かという区分で言えば急性疾患 に属すると思います。それから、川崎病も病理学的な観点から言えば急性疾患であっ て、それの後遺症がある場合に慢性の病気として扱われるべきであると思います。それ から、血管性紫斑病も病気の本体としては急性疾患ですけれども、腎臓の合併症が伴っ た場合には明らかな慢性疾患というように、元の病気の本体は急性の疾患であっても、 その後に続く経過によっては慢性ということもあり得ます。 ○鴨下座長  よろしいでしょうか。 ○山城委員  今、お話があった対象疾患の話は、私もおおむねそういう御意見に賛成なんですけれ ども、今度は対象疾患の重症度等に当たって、例えば喘息というふうに書いてあります が、喘息も明らかに軽いものから年じゅう重い発作を繰り返している、重症度別に言う と軽症、中等症、重症とあるわけです。そういう重症は当然対象になりますが中等症も 入れるかどうかは別にしまして、軽症というのは年間に1回か、季節の変わり目に多少 ぜいぜいしたり、せき込んだりというようなものですから、そういうものまで入れる必 要は私はないのではないかと思うんです。今の43ページのどのような点に着目すれば疾 患の重症度を基準化できるかというのは、今回の非常に新しい観点だと思いますし、こ こは実際に罹患している患者さんあるいは家族の方からすれば、なかなか受け入れがた いところもあるのでしょうけれども、そこは全体的な観点から考えて、ある程度公平に なるような感じで是非こういうふうな手法を取り入れていただければというふうに思い ます。 ○鴨下座長  ほかにいかがでしょうか。 ○山本委員  1の慢性のとらえ方について、1つは意見になるのでしょうか、もう一つは質問なん ですけれども、さっき加藤委員が6か月のお話を学校教育法ということでされたんです が、学校教育法施行令に病弱学校の対象者として、6か月以上の医療または生活規制が 必要ということで現在定められておりますが、これは昭和37年に定めたものですから、 現在、文部科学省の方で検討しようということで進めておりますので、必ずしも6か月 ということにこだわらなくてもいいのではないかというのが意見です。  それから、慢性のとらえ方ですが、ずっと継続的に症状が出ている場合と断続的とい うか、症状が出たり出なかったりという期間があって、それをトータルするとかなり長 い期間ということがあると思うんですが、症状が継続する場合と断続的に症状が出たり 出なかったりという疾患の場合、どういうふうにとらえたらよろしいのでしょうか。 ○鴨下座長  加藤委員、難しいですが答えていただけますか。 ○加藤委員  済みません、また私が答えるべきかどうかよくわかりませんが、継続して半年かどう か、1年でも3か月でも勿論いいんですが、継続して病状が続いていて入院が継続され た例とか、学校教育を受けられなかったというのが一つの群になります。また、ほとん ど普通の生活ができていても、やはり死に直結する場合とか、放っておけばADLが著 しく低くなる、治療していればほとんど普通の生活ができるけれども、医療費補助が受 けられなくて治療をやめてしまったら、ほとんど寝たきりになるような病気もあります ので、そういうものはやはり補助するべきだろうと私は考えております。  それから、ふだんは普通に生活できていても、急にいろいろな発作を起こす病気がい ろいろあります。急にけいれんを起こしたり、普通のけいれんだけでは対象とするべき ではないと思うんですが、入院を要するようなけいれんを繰り返す、また、意識障害と かショック、呼吸困難、循環不全、溶血発作を繰り返すような症例、また、免疫不全な どに伴って重症な感染症から出血、骨折などを繰り返す場合は、たとえほとんど普通の 生活、教育が受けられるような場合でも対象とするべきだろうと。主として、この3つ に分けて考えたいと思っております。よろしいでしょうか。 ○鴨下座長  よろしいですか。 ○山本委員  はい。 ○鴨下座長  ほかにいかがでしょうか。 ○小林委員  1点は、経過観察のことなんですけれども、例えば腎臓病で6か月急性期の治療を受 けて、寛解か大体どのくらいの期間かわかりませんけれども、腎臓病の治療で6か月と いうのは結構長いのではないかなと、急性期の治療ですね。ということは、その経過観 察の場合は、例えば小慢から外すんだということになってくると、つまり腎臓病そのも のが6か月未満の治療期間ということになると外れてしまうという意味ではないわけで すね。 ○加藤委員  個々の疾患によっていろいろ違いますので。 ○小林委員  つまり、経過観察というものが、ちょっとその辺がどういうことなのかなということ をお聞きしたかったんですけれども。 ○加藤委員  腎臓に関してもうちょっと詳しくお話しすると、学校検尿で引っ掛かったたんぱく 尿、血尿の経過観察、これも確かに極めて一部は腎不全になるかもしれませんが、大部 分は問題なく生活しているお子さんは対象外としたいと。しかし、腎臓生検で病理学的 にいろいろ難しい病名がついて、かなりの確率で腎不全になる可能性が高い症例は、当 然対象としたいというふうに考えているんですが。 ○小林委員  実は、つい先日、私どもの相談室にあった相談なんですが、心臓病のお子さんがフォ ンタン手術を小さいときに受けたんですが、その後はよくなったんですけれども、もと もとそういうことですから余り丈夫ではなかったわけです。それから、頻繁に肺炎を繰 り返すようになって、免疫状態がかなり落ちているらくして、先日は耐性ウイルスが見 つかったと。やはりもともと心臓病がきっかけで何かこういうふうになって、何年かの 経過の中でかなり病弱な要素も呈していってしまうものが、最初は手術で軽減したか ら、もうあとは肺炎の治療だということになってきてしまうと、そういうことにはなら ないわけですね。 ○柳澤委員  個々の病気についてどうこうということを話していると切りがないと思いますけれど も、今おっしゃったような、例えば先天性心疾患で小さいときに、これは2〜3歳から 5〜6歳の間でやる手術だと思いますけれども、フォンタン手術を受けたと。 そういう患者さんがもしおられるとすると、その患者さんは一生にわたって心疾患の患 者です。ですから、小児慢性の対象が18歳にしろ20歳にしろ、その小慢が適用される限 りは、私はこれは小児慢性の対象だと思います。心疾患にもいろいろあるという観点か ら言うと、この小児慢性に適用される慢性心疾患、これは1か月の入院という縛りがあ るわけですけれども、赤ちゃんのときに重症で入院して小児慢性の適用がされたと。1 歳前後で手術をしてよくなって、薬もなく元気に日常生活をしていると。そのような、 例えば乳児期に小児慢性の適用を受けて、2年目、3年目となったときに、そういう状 態だということが確認されて、あとは年に一度の定期検診ということはあるにしても、 そうなったら以後は適用されないというように考えればいいのではないでしょうか。た だ、先ほど言ったように、フォンタンとかそのほかの難しい手術をやった患者さんとい うのは、手術した後にしてもデイリー・アクティビティはかなり侵される場合も多いで すし、薬をずっと続ける必要もあるでしょうし、ずっと適用になるという方が普通だと 思います。 ○小林委員  わかりました。安心しました。この経過観察のみを行う場合ということを見ていて、 切り捨てられるような形になってはまずいのかなというふうに思ったんです。  それから、もう一点なんですけれども、対象疾患の見直しについては、前回も話が出 たと思うんですが、病気という単位だけで見ていった場合には、これが入っていない、 あれが入っていないということが永遠に続いていくわけで、そういった不公平感という のをできるだけなくすような対象疾患の見直しの仕方というのを考えていただかなけれ ばいけないのではないかなというふうに思います。 ○鴨下座長  しかし、今の話は大変難しいですよね。そうではありませんか。さっき加藤委員がち ょっと言われた、これは、むしろ柳澤委員に伺いたいんですけれども、先天性心奇形で 手術をした後、小慢を外れるというケースが実際にあり得るか、どうでしょうか。 ○柳澤委員  先天性心疾患、生まれつきの心臓病に関して今非常に多くのものに手術が行われて、 それによって治るものも多くなっていますけれども、循環器を専門にしている者の立場 としては、手術をやったから病気が完治したというようには必ずしも見ないわけです。 例えば、心臓にメスで切開を加えて中を開けて治療を加えて、またとじると。その傷自 体はずっと残る、そういう観点から言えば、すっかり正常な心臓に戻るというわけでは ありませんが、そういうことによって、日常生活に関して普通の健康な子どもと全く同 じようになる。そういう病気の患者さんというのはたくさんいます。  その一方、同じ先天性心疾患でも、手術をしてもあと何回も手術を繰り返さなければ いけない病気もあるし、薬をずっと続けないといけない病気もありますし、日常生活を 制限しなければいけない病気もあると。そういうものをやはり病名によって、あるいは また、患者さん一人一人の状況によって区別することができるのか、それが必要ではな いかという議論が現在ここで行われているのではないかというように私は解釈していま す。 ○鴨下座長  そのとおりなんですね。論点は心臓病を例に挙げましたけれども、例えば、手術をし てよくなって、あとは年に1回か2回いらっしゃいというふうになったらばもういいだ ろうと。いつまでもやらないで、その分はむしろまた新しく出た患者さんの方に回すべ きだという発想ではないかと思うんですけれどもね。川崎病などだって、これは後天的 な心疾患ですけれども、同じことが言えるわけです。急性期はやはり大変ですけれど も、ある程度治られてよくなれば学校にも普通に行って、年に2回か3回チェックすれ ばいいと。そうなった場合には、もういいのではないかというような、根底の考え方は 私はそうではないかと思うんです。だから、それは疾患を超えてというか、疾患によっ て非常にいろいろな問題があるわけですが、最後にあらゆる重症度を何とか基準化する というのが、この検討会の一番大きな課題なんだろうと思うんですけれども、いかがで しょうか。そういう点に関して是非、今日はまだフリートーキングですから、委員の御 自由な御発言をお願いしたいと思います。 ○大久保委員  対象疾患と対象者の見直しということでございますけれども、もともと10疾患群が選 ばれた、この10疾患群とそこにそれぞれ属する疾患を選定した基準が何であるかという のは、今後どういう疾患を新たに入れていくか、どういう疾患を外すかということにお いても重要な点かなというふうに思っております。というのは、この事業の目的が、今 後も小児が持っている慢性疾患の治療研究を目的とし、また、長期にわたって医療費が 掛かるものの補助ということを対象にするということであれば、どの疾患群を選び出す かというその選定基準そのもの、対象疾患の基準そのもの、前回疾患の基準というふう に私の方から申したと思いますが、それ以外に、選定すべき疾患群あるいは疾患の選定 基準というものが、最初この四十何年かから開始されたときの基準が何であったか、そ の原点に立ち返って、そこに何の問題があったのかというふうに考えればいいのかなと 思っております。 ○鴨下座長  これは、どなたかお答えができますか。歴史的なものだろうと思うんですけれども、 いかがですか。 ○宮本補佐  まさに、そこが前回の検討会でも論点になっておっただろうということで、今回の資 料5に示したような形で示したところであります。経過については、これまでも私ども から御説明しているとおり、かなり歴史的な積み重ねの結果こうなってしまったという ところがありまして、個々の疾患群について別な制度があったものがどんどん積み重な った結果、今の形態にあるということであります。そういったものを今後見直していく 際に、確かにおっしゃるように何を目標に何を対象に行っていくのか、そこから考えな いと検討できませんというような御意見だったと思いますので、まさに、その点にこそ 皆様の御意見をいただきたいというところであります。 ○鴨下座長  ちょっと乱暴ですけれども、その点は白紙に戻して考えていいということですか。 ○谷口母子保健課長  検討の結果次第で、それは多少は変わり得るのかと私も思いますけれども、基本的に はやはり子どもさんの慢性疾患であって、さまざまな負担の大きいものという基本線ぐ らいはさすがにしっかり踏まえおかなければいけない。その中で、どのように変わって いくのかというのを、まさにこの検討会で御議論をいただくのかなと私どもは理解をい たしております。蒸し返すようですけれども、概念を変えてしまって今回急性疾患を入 れてしまうと、幾らなんでもこれはさすがにまずいというぐらいの話ですよね。 ○鴨下座長  やはり重症度の数量化といいますか基準化といいますか、それは問題ですよね、すべ ての疾患について。どうなんでしょう。それは可能なのかどうか。 ○雪下委員  各重症度の診断ということになりますと、疾患ごとに全部違うので、それを基準化す るということは大変な作業ではないかと、不可能に近いのではないかと思うんですが、 いろいろ聞かせていただいていると、結局は、今見直しをして種類を加えるか加えない かは別にして、あるいはカットするかは別にして、1つは、医療費の今のそういう給付 を従来と同じように個人負担のそれを補助するというだけに決めるのかどうか、それが 決まればそこでどういう基準化をしていくかというのが決まる。  もう一つの方法としては、補助するものというのが従来の医療費プラスいろいろの環 境プラスアルファというものを考えていくのかというものが決まらないと、基準を決め てもなかなか進まないのではないかという気が私はするんです。そのどちらかに決め て、これは慢性疾患を持っている子どもの病気の重症度も勿論関係あるんですが、その 子に与える肉体的負担とかプラス精神的な負担のようなもの、それと、家族の経済的な 負担あるいは勿論肉体的負担もあるでしょう。それに更に精神的な負担と、そういう要 素を加えてある点数か、ここから上は負担すると、ここからは負担は現在のところでき ないと、そういうような枠で決めていかないと、まとまっていかないのではないかとい うような気がするんです。だから、まず、今の医療費の個人負担の部分に補助というも のを限定して、そうすれば、その疾患を今の疾患でいいのかどうか、あるいは新しいも のを加えるのかどうか、そういうもので決まっていくと思うんです。ちょっとわかりに くいかもしれません、そんなふうに思います。 ○鴨下座長  先生のおっしゃることはよくわかるんですが、ただ、43ページの最後のところの重症 度を基準化するということは、病気の重症度だけではなくて、いろいろここに書いてあ るような問題点を考慮しての重症度。だから、言葉としては、むしろ本人及び家族とし ての負担度というのでしょうか、困窮度という言葉は適切ではないかと思いますけれど も、そういうことで、それぞれの患者さんの負担を考えなければいけないのではないか というふうに私は理解しておりましたが、いかがでしょうか。結果としては、新しい病 気をどういうものを入れるとか、そこへまた戻ってしまうかもしれませんね、最終的に は。 ○加藤委員  小児慢性特定疾患が選ばれてきた経過は、私自身は、ほかの医療制度で補助されなく てかなりかわいそうな疾患を少しずつ加えていった、非常に種々雑多なものが含まれて いるものだというふうに考えております。  それから、先ほど小林委員が言われたように、今後もどんどん新しい病気が見つかっ ていきますし、そういうものを法律上入れられるシステムは、谷口課長ができるという ふうにこの前言われたんですが、もし可能であれば、そこら辺の具体的なことをお教え いただけると、もうちょっと小林委員とか私が納得できるのではないかと思ったんです が。法律では何か明記して、それプラスアルファで必要があれば追加できるシステムを つくったらどうかということを前に言われましたよね。 ○谷口母子保健課長  今の制度でも勿論疾患は加わっているわけですから、それで全然できなくはないんで すけれども、法定化するということになりますと、法律の本文に決して病気を書くとい うイメージはないんですけれども、告示に書くか省令に書くか、その辺のレベルはあろ うかと思いますが、そこで加わっていくという点につきましては、そんなに今のところ と変わらないというふうに御理解いただいた方がいいのではないかと思いますけれど も。疾病の追加という意味については、法律に入ったから逆に物すごく簡単になると か、入ったから物すごく難しくなるという次元の話ではないと理解しております。 ○鴨下座長  よろしいでしょうか。これも、座長が余計なことを言うようで申し訳ないんですけれ ども、私は、先天性免疫不全症候群が、これはなぜか大人の方の特定疾患の調査研究班 として入っておりまして、その関係で、成人の特定疾患の懇談会というのにメンバーと して入っておりましたけれども、非常に流れが似ているといいますか、向こうも結局、 歴史的なことで病気が次々に積み上げられて、しかし、それがある時点でもたないとい う言い方はちょっと不適切かもしれませんが、非常に大きな見直しがやられて、今もま たされているように思うんです。ただ、大人の難病ですと、1つ新しい病気を入れるか 入れないかというのは物すごい議論が大変なんですね。それで、入れば非常に助かる し、そうでない、でも本当は入れてあげたい病気というのは随分幾つもあると思うんで すけれども、その候補が幾つもある中から1年に1つか2つという。小児の場合は、な るべくそんなふうにはしたくないという思いがございますけれども、もう少しその辺を 柔軟に考えたいということなんですが。そのために、むしろ限られた中での既存のもの の見直しというか在り方、やり方が疾病の見直しと患者さんの見直しということで、こ こへ出てきているのだろうと思うんですけれども。  どうぞ、ほかにも御意見があると思いますので。 ○山城委員  これからやろうとすることは、非常にセンシティブな部分でなかなか難しいんです が、結局、重症度の基準化ということも今の歴史的な経緯もあって、言葉は余り適当で はないかもしれませんけれども、声が強かったところが採用されたと。なかなか患者さ んの数が少なくて声が届かなかった、疾患の認知が遅れたとかそういう経緯も多分にあ ると思うんですね。しかし、我々医療を見ている側から見ますと、正直言ってこういう 患者さんよりももっともっと困って、非常に重症で大変だという患者さんは大勢いらっ しゃるわけですね。そういう患者さんのことを知りますと、この限られたパイをいかに 効率よく配分するか、これはなかなか難しい話ですが、その場合にこの疾患の重症度 は、ここに書いてあることがその例として挙げてありますけれども、そういうことを取 り入れざるを得ないのではないかというふうに思うわけですね。これは、全員に難病と 言われるあるいは今までの小児慢性特定疾患の患者さんは勿論対象として考えなくては いけないわけですけれども、ただ、その場合にも、当検討会の1回目、2回目のときに 議論ありますように、ある特定疾患に対する小慢の適用が非常に多いと、日本の疾病構 造から見て、これはどうもいびつだと言わざるを得ないのがたくさんあるわけですね。 これは、今の歴史的な背景もあるわけですけれども、声があるいは圧力が強い方に負け てしまったというのも事実だと思います。ですから、そういうことがないように、例え ば日本の疾病構造を反映した形で、それでなおかつ何とか重症度の基準化を入れた形で 患者さんをできるだけ多く、特に困った方々を対象にしていく方向に持っていきたいと 思います。 ○鴨下座長  ありがとうございました。  ほかにいかがでしょうか。 ○及川委員  これまでの先生方の御意見に私自身は賛成でございまして、お子さん方や御家族の 方々の負担とかそういうことを考えますと、治療や病状のによって、日常生活行動がか なり制限されている、また制限がある子どもたちというのは、やはりそれなりの心身の 負担も大きいわけですし、また、それが御家族の負担にもなっていくところで、それは 入院にしても在宅にしても外来通院にしても、やはり同じレベルで起こってきているの ではないかと思うんですね。今回そういう御家族の負担、子どもの心身的な負担をでき るだけ軽減していくということが、小慢の見直しの一つの柱ではないかと考えますと、 負担というのが重症度だけではなく、生活行動や医療的ケアを含めたさまざまな側面を 包括した形で出していって、基準をつくっていけたらよいのではないかと思っておりま す。 ○鴨下座長  ありがとうございました。  ほかにはいかがでしょうか。大体よろしいでしょうか。 ○加藤委員  山城委員が言われたことも本当にそのとおりだと思うんですが、現在対象となってい る疾患を削除するというのが非常に難しい。それぞれの専門医の先生方の自分の専門領 域では、かなりバランスを取って御発言いただけるんですが、全体を見直してどういっ た病気に関してもうちょっと補助したらいいかというのがどうしても議論にならないん ですね。ですから、できればこういったところで議論していただけるとありがたい。小 慢の医療費補助で、内分泌疾患が医療費として40%ぐらい掛かっていますが、これが本 当に必要なのか、もうちょっとほかのところに回してもいいのではないかなというふう に個人的には思っているんですが、極めて難しい。今後、小慢がどういうふうに見直さ れるかはっきりとはわからないんですが、予想としては医療費の全体的なことを考える と、もうちょっと気管支喘息と神経・筋疾患の医療費補助を全体的に少し増やしてもい いかなと思ってはいるんですが、そこら辺は済みません、どこでも余り議論にならない もので、もし、御意見をいただければありがたいと思います。 ○鴨下座長  いかがでしょうか。今、最後に時間が余り残り少なくなりましたけれども、大事な問 題ですから。 ○南委員  私も、具体的にこうしたらいいのではないかということではなくて、今の加藤先生の お話を伺っていて思ったんですが、先ほどからのどの先生方の提案にもうなずけるもの があるんですけれども、では、具体的にどう公平性を担保するかというところは一番難 しいところで、専門家の方のお話になればなるほど、やはり自分のところは非常に重要 に見えてくる。だからこそ、こういう場があるわけなんですけれども、これは小児に限 らず高齢者の医療費でも何でも、公平とは何かというところに最後は議論が尽きてしま うのだと思うんですね。子どもさんとその子どもを抱える家族なり親御さんですけれど も、それは、もしかしたら主張してくれる親のないお子さんでもこういう難病を抱えて いる方もあるかもしれないから、最終的にはその子どもがどのくらい困難かというとこ ろに限定して議論するにしても、それをどういうふうに、どれくらい困っているかとい うことを何か数量化するようなアイデアを、もし、どなたかお持ちであれば、ちょっと 教えていただきたいと思うんですが。 ○鴨下座長  だんだん問題が難しくなってきたみたいですが、まさにそのことでして、それを考え たいところなんですね。さっき加藤委員が言われた、今まで入っている病気をそっくり 落とすということはできないし、あり得ないと思うんですけれども、ただ、やはり重症 度を考えて、結局は費用負担の問題だと思いますので、もう少し公平に持っていきた い。それに是非、知恵を出さなければいけないのではないかと思うんですけれども。 ○小林委員  もっと難しくしていいでしょうか。重症度のところなんですけれども、例えば、日常 生活障害論の中に入ってくると思うんですが、私のところによく来るのはレックリング ハウゼンとか血管腫とか、そういう外見上からあらゆる差別を受けたりというようなこ とも、やはり聞くわけですね。もう全然外に出掛けないで中にこもってしまうといった 人たちをどうやって助けられるのだろうかと。そんなことを言ってしまうとエンドレス で難しくなるわけですけれども、やはり考えるといろいろなことが出てきてしまうの で、ちょっとそういうようなものもいろいろなことを引っ張り出してみて、挙げられる ものの中から、考えられるものの中から重症度を基準化というふうにできないのかな と。最初から余り切り捨ててしまわないで、何か理想論を言っていて申し訳ないんです けれども、やはり一人でもたくさん拾うためには、そこを忘れたくないなというのはち ょっと思っているところなんです。 ○鴨下座長  いろいろありがとうございました。これで打ち切りということではなくて、むしろ今 日は特に皆さんの意識が集束されてきたように思うんですけれども、問題点が割合絞ら れて、第1回から比べますと共通の認識をお持ちになったのではないかなと思います。 そういう意味で、次回からもまだこういった討論が必要だろうと思いますが、一応、予 定された時間に近づきましたので、特に御発言がなければ。 ○山本委員  1つだけ質問を。対象疾病を選ぶときの枠の観点、この治療研究という視点はどうい うふうに。つまり、治療法をこれからまだ開発をしなくてはいけない、いろいろまた新 しい病気が入ってきていますけれども、選ぶときの治療研究の視点は、どの程度を考え たらよろしいのでしょうか。 ○鴨下座長  これは、ちょっと即答はできません。事務局で何か答えがございますか。 ○谷口母子保健課長  治療研究につきましては、大きく2つ視点がございまして、1つは、この小慢の中の 本当の治療研究という形で、制度発足当初からはやっていなかったんですけれども、最 近になって立ち上がりました登録、データの管理の方を引き続き進めさせていただくと いうのが1つでございます。  それから、小慢の予算の中ではないんですが、厚生科学研究という研究費がございま して、そちらの中でさまざまな疾病の治療研究については可能でございますので、その 2本を合わせてやっていく形に今後ともなるのかなという理解をいたしております。 ○鴨下座長  よろしゅうございますか。  では、簡潔にお願いします。 ○大久保委員  そうすると、今までの議論の中では、現在国の事業対象としているのが18歳と20歳ま でというでこぼこがあるのと、入院と通院と分けているのは、とりあえずそれはおしな べて考えてよろしいという、要するに20歳までを見るあるいは入院と通院の別を分けな いという認識でよろしいわけでしょうか。 ○谷口母子保健課長  それは、これからの議論だということで御理解いただいた方がいいのではないかと思 いますが。 ○鴨下座長  いかがでしょうか。 ○小林委員  さっき対象疾患の見直しがありまして、ちょっと私の体験談を1分ぐらいお話しさせ ていただきます。私は、自分の子どもが亜急性硬化性全脳炎、SSPE、さっきありました けれども、患者会をつくって活動をしていたわけですが、そのときに患者たちから亜急 性硬化性全脳炎は何で難病ではないんだと、難病指定にしてもらおうではないかという ことで、昔、厚生省に伺ったりしました。当時は今のように開けていなくて、かなり冷 たい対応をしていただいたんですけれども、どんなふうにしていくかとなりますと、患 者たちは、まず、それを役所に行って訴えて、それから国会議員に訴えようというふう にしていくわけですね。それで、署名運動をして国会請願という方法を取って、請願採 択とかあるいは保留ということ、保留というのは却下なんですが、そこのところにいろ いろなノウハウをちょっと自分も勉強したんですけれども、そういう採択をしてもらっ て、そういう活動をしながらいろいろな交渉をして、平成2年にSSPEが小慢になったと いうことがあります。そんなふうな形で、患者たちは自分の病気を難病指定にしてもら うためには努力していくわけなんですけれども、そのためには、患者の家族たちは自分 の子どもを介護する傍ら、周りでいろいろな署名を集めたりとか、あるいは私もそうだ ったんですが、当時はこんな仕事をしておりませんでサラリーマンをしておりました。 当時、仕事の途中に会社にうそを言って抜け出して役所に来て、時には済みません、ち ょっと仕事の都合で夜でもいいですかと言って、そうすると、役所の方も待っていただ いて夜お会いしたり何かしたりしたことがあります。そういう仕事の傍ら仕事を抜け出 したり、あるいは子ども介護の傍らそういう努力をこつこつ積み重ねてやっていくわけ なんですが、私たちがやったときは結果的には2年でそうなったんですけれども、ほか のいろいろな方たちの活動を見てみますと、5年も10年もこうしたことをこつこつずっ とやっておられるんですが、相変わらずそういうふうな形にならないということをたく さん見るわけなんです。是非、先ほど課長がおっしゃいましたけれども、疾病を広げて いくというようなことをこれからやっていけるのであれば、柔軟な形で対応できるよう な、患者さんの予算とかいろいろな問題があるのだと思うんですが、柔軟な形で受け入 れられるような体制とか仕組みというのも、また一方で考えていっていただきたいなと いうふうに感じたわけなんです。  以上です。 ○鴨下座長  ありがとうございました。おっしゃるとおりで、できるだけ柔軟に考えたいと思って おりますから、よろしくお願いします。  それでは、もう時間になりますので、最後に事務局の方から、これは課長から何かお 話がございますね。 ○谷口母子保健課長  それでは、事務局の方から最後に、これは御提案といいますか、先生方に御了解をい ただきたい事項なわけでございます。それは、今後の検討会の進め方についてでござい ます。今日の資料でも、最後に参考という形で、前回お出しいたしましたスケジュール 表を今回も出させていただいておりますけれども、従来ですと今日はフリートーキング の2回目という形で、次回は論点整理というものを提示させていただいておりました が、今日の議論でも私どもにいろいろな宿題が大変ふっかぶってくるなということも実 はあるんですけれども、資料5でも御説明申し上げましたように、対象疾患と対象者の 在り方というのは大変大きな中心課題でございます。事務局といたしましては、この制 度の根幹にかかわる課題につきまして、少し時間を掛けてこの検討会で御議論をしてい ただく必要があるのではないかというふうに考えております。かといって、また指標に なる考え方、基準の考え方、先ほど数値化という恐ろしい御提案もいただきましたけれ ども、こういったことを考えますと、我々事務局といたしましても、ちょっと専門の先 生方にいろいろ教えていただきながら、いろいろなことを考えなくてはいけないという こともございまして、若干スケジュールの変更を御提案させていただきたいというふう に考えております。今後しばらく、この対象疾患と対象患者さんのことにつきまして重 点的に御議論をいただきまして、ある程度方向性というものが、完璧にはならないと思 いますけれども、多少なりとも見えてきそうな段階で、論点整理とか患者さんのヒアリ ングという形にさせていただけないだろうかというふうなことの御提案でございます。 この辺は、ちょっと御了解をいただけますれば大変ありがたいというふうに思います。  細かい今後のスケジュールにつきましては、この後、座長の鴨下先生と御相談させて いただきまして、次回の検討会で今後のスケジュールについて御提案させていただけれ ばというふうに考えておりますが、いかがでしょうか。 ○鴨下座長  今の課長のお話はいかがでございましょうか。今日辺りの御意見を伺っても、時間は やはりじっくり掛けてやるべきだということには皆さん御異論ないと思いますけれど も。それでは、よろしゅうございますか。 (「異議なし」と声あり) ○鴨下座長  どうもありがとうございました。  そうしますと、次回第4回は12月5日に予定されておりますね。これは、このとおり でよろしゅうございますね。 ○谷口母子保健課長  済みません。場所がまだ決まっておりませんので、場所につきましては、後日また連 絡させていただきます。 ○鴨下座長  それでは、ちょうど4時でございますので、本日はこれで閉会させていただきます。 どうもありがとうございました。 照会先:雇用均等・児童家庭局 母子保健課 03−5253−1111(代) 森本(内線:7941) 桑島(内線:7933) 宮本(内線:7940)