平成13年11月14日
(情報提供)
1.日時 | 平成13年11月14日(水)15:00~17:00 | |
2.場所 | 文部科学省別館 大会議室(11階) | |
3.出席者 | (委員) | 上田、小澤、金田、北川、笹月、杉原、高久、寺田、豊島、牧本、吉倉の各委員 |
(事務局) | 中垣研究企画官、西山補佐(厚生労働省)、菱山室長、郡室長補佐、吉澤学術調査官(文部科学省) |
4.議事概要
(1)筑波大学附属病院(再発白血病)、東京大学医科学研究所附属病院(神経芽腫)、東京慈恵会医科大学附属病院(大腸がん肝転移)の遺伝子治療臨床研究実施計画について、それぞれ第1回の審議を行い、まず、各施設より説明が行われた。
各施設の説明及び提出資料を基に、各研究計画の妥当性について意見交換が行われたところ、各委員から意見を事務局に提出していただくこととされた。
(2)各遺伝子治療臨床研究実施計画の内容は別添参照。
連絡先 厚生労働省大臣官房厚生科学課 担当 中垣(3803)、 山田(3813) 電話 03-5253-1111(代表) 03-3595-2171(直通)
タイトル(申請年月日) | 同種造血幹細胞移植後の再発白血病に対するヘルペスウイルス・チミジンキナーゼ導入ドナーTリンパ球輸注療法の臨床研究(2001年9月17日) | 再発性・治療不応性神経芽腫に対するサイトカインとケモカインを用いた免疫遺伝子治療(2001年10月16日) | 大腸がん肝転移例に対するシトシンデアミナーゼ遺伝子発現アデノウイルスベクター及び5-フルオロシトシン並びに放射線照射を用いた遺伝子治療研究(2001年10月19日) |
実施機関及び総括責任者 | 実施機関:筑波大学附属病院 総括責任者:同大学臨床医学系血液内科・長澤俊郎教授 |
実施機関:東京大学医科学研究所附属病院 総括責任者:同附属病院先端診療部・山下直秀教授 |
実施機関:東京慈恵会医科大学附属病院 総括責任者:同附属病院消化器科・肝臓内科診療部長・戸田剛太郎教授 |
導入遺伝子 | ヘルペスウイルス・チミジンキナーゼ遺伝子 | インターロイキン-2遺伝子およびリンフォタクチン遺伝子 | シトシンデアミナーゼ(CD)遺伝子 |
ベクター | モロニーマウス白血病ウイルス(MoMLV)由来のレトロウイルスベクター | アデノウイルスベクター | アデノウイルスベクター |
対象疾患 | 同種造血幹細胞移植後の再発白血病 | 他に治療法がない再発性・進行性の第IV期神経芽腫 | 大腸がん肝転移例であって、外科治療切除不能なもの |
実施期間および対象症例数 | 3年(安全性及びその有効性を確認する目的の、臨床第I/II相試験) 10例 |
1年(安全性、最大投与量を決定するための第I相臨床試験) 6例 |
2年(安全性と抗腫瘍効果の確認を行う第I/II相臨床試験) 18例 |
治療研究の概要 |
同種造血幹細胞移植後に再発した白血病を対象とした、ドナーリンパ球輸注療法(はじめに移植した造血幹細胞のドナーのリンパ球を使うもの)を行う際に重篤な移植片対宿主病を併発したとき、ガンシクロビルを投与することで、輸注したリンパ球が特異的に死滅するように、あらかじめドナーリンパ球にヘルペスウイルスのチミジンキナーゼ遺伝子を導入しておくもの。 (参考)ガンシクロビルはチミジンキナーゼによりリン酸化されて細胞毒性を示す。 |
患者本人の骨髄液または神経芽腫を採取し、その中の神経芽腫細胞を培養して、それにインターロイキン-2とリンフォタクチンの遺伝子を導入する。放射線照射により増殖を止めたこの遺伝子導入細胞を患者の皮下に注射すると、産生されたリンフォタクチンにより遺伝子導入細胞に生体内のリンパ球が集まる。遺伝子導入細胞では同時にインターロイキン-2が発現しており、リンパ球が増殖し、またその機能が高まる。このリンパ球が血液を介して、神経芽腫細胞に作用する。 |
患者の肝転移巣に大腸菌のシトシンデアミナーゼ(CD)遺伝子を組み込んだアデノウイルスベクターを注入し、がん細胞にCD遺伝子を導入、発現させる。発現したCDが経口投与した5-フルオロシトシン(5-FC)を5-フルオロウラシル(5-FU)に変換することにより、5-FUの抗腫瘍効果及び放射線感受性の増強効果等を局所的に得ようとするもの。 (参考)5-FCは5-FUのプロドラッグで、CDにより脱アミノ化されて5-FUになる。 |
その他(外国での状況等) | ・イタリア、フランス、アメリカにおいて同様の研究が実施されている。 | ・アメリカにおいて同様の研究が実施されている。 | ・アメリカにおいて同様の研究が実施されている。 ・扶桑薬品工業(株)の治験。 |