戻る
御意見募集で寄せられた意見(平成13年10月11日〜11月2日)

受付番号37
受付日平成13年10月27日
年齢下記参照
性別下記参照
職業下記参照
氏名下記参照(匿名化希望なし)
所属団体妊娠・出産をめぐる自己決定権を支える会
この問題に関心を持った理由不明

御意見
 平成13年10月14日 第1回妊娠・出産をめぐる自己決定権を支える会総会宣言文

 「妊娠・出産をめぐる自己決定権を支える会」Fertility Rights Of Mothers(略称:FROM)は、妊娠・出産に関する諸問題を時代の価値観の変化に即し、当事者の自己決定権を尊重して解決することを目的に2001年に設立された会です。私たちは営利を排し、ボランティア精神の下で、生殖医療を必要としている人々と生まれてくる子供の人権のために、人間愛と医療の倫理に基づき行動することを基本理念としています。本日宣言文を採択し、これを厚生科学審議会へ提出すると共に、広く社会に公表し宣言文の実現を推進することとします。

宣言文
 小泉内閣の構造改革プランを見るまでもなく、日本は社会の各面で、今迄当然行われていなければならなかった多くの改革・改善がなおざりにされて来た。
 これが多くの国民や医療関係者の活動と権利に重大な影響を及ぼしてきた。
 よって本会は次のような宣言をし、政府・学会・医療関係者・一般国民の皆様方の御賛同を御願い致したい。

(1)妊娠・出産に関する医学的、社会的諸問題を患者を中心とする当事者の意向を尊重して解決すべく協力支援する
(2)妊娠・出産・人工妊娠中絶(減胎手術も含む)に関する当事者の自己決定権の尊重をはかる。
(3)非配偶者人工授精(AID)、非配偶者間体外受精、代理出産、代理母、着床前診断、分娩前診断等をめぐる生殖医療における当事者の自己決定権を支援する。
(4)代理懐胎をはじめ、生殖医療に対して刑事罰を伴う法規制に反対する。
(5)生殖医療技術がもたらす当事者及び関係者の不安を解消するための支援活動を行う。
(6)上記に関する法の整備、健康保険適用、国の援助等を要請する。
(7)上記問題について当事者はもちろんのこと、社会に広くアピールし国民的理解を深められるよう努力する。

妊娠・出産をめぐる自己決定権を支える会
会長 医学博士 飯塚理八(77才) 男 医師 慶應大学名誉教授(産婦人科学)
所属団体 日本産科婦人科学会(名誉会員、元会長)
日本不妊学会(名誉会員、元理事長)
日本受精着床学会(名誉会長、元理事長)  など
副会長 医学博士 星野一正(74才) 男 京都大学名誉教授・元産婦人科医・発生学者・癌研究者等
米国イエール大学講師・カナダ・マニトバ大学教授
ドイツ・フライブルグ大学医学部病理学研究所客員教授
医療の倫理・インフォームド・コンセントの専門家
所属団体米国内分泌学会(名誉会員)
米国解剖学会(名誉会員)New York Academy of Science (会員)
日本解剖学会(名誉会員)、日本生命倫理学会(初代会長.現常務理事)
京都大学再生医科学研究所「ヒト幹細胞に関する倫理委員会」
国際バイオエシックス学会(1990年設立準備委員会以来の創設会員)
財団法人先端医療振興財団「先端医療センター生命倫理審議会」(初代会長)
京都大学再生医科学研究所「ヒト幹細胞に関する倫理委員会」(初代委員長)
日本医学教育学会(名誉会員) 等
議長 法学博士 遠藤直哉(56才)男 弁護士 桐蔭横浜大学教授
所属団体第二東京弁護士会、桐蔭横浜大学法学部(教授)
会長補佐 医学博士 大野虎之進(75才)男 医師 東京歯科大学名誉教授(産婦人科学)
所属団体日本産科産科婦人科学会(功労会員)
日本不妊学会(功労会員)、日本受精着床学会(名誉会員)
議長補佐釘澤知雄(46才)男 弁護士
所属団体第二東京弁護士会、中央大学法学部非常勤講師(民法)
事務総長 医学博士柳田洋一郎(73才)男 医師 東京マタニティークリニック院長
所属団体日本産科婦人科学会、日本母性衛生学会(功労会員)、米国医療情報学会
事務局責任者 塩田美津子(30代)女性 東京マタニティークリニック医療情報部

受付番号38
受付日平成13年11月1日
年齢22歳
性別女性
職業大学生
氏名匿名化希望
所属団体匿名化希望

この問題に関心を持った理由:
 科学技術の発展に伴い生殖補助医療がめざましい進歩を遂げる中、神の領域であった生命の誕生という領域に人類がどこまで介入してよいのかを社会全体として考えるべきであると感じ、この問題に関心を持った。

御意見
 「生まれてくる子の福祉を優先する。」「人を専ら生殖の手段として扱ってはならない。」「安全性に十分配慮する。」「優生思想を排除する。」「商業主義を排除する。」「人間の尊厳を守る。」 専門委員会のこれらの基本方針をもとに生殖補助医療について意見をまとめた。

 <生殖補助医療の対象について>
 生殖補助医療の対象としては、子を欲しながら不妊症のために子を持つことができない法律上の夫婦に限定すべきである。事実婚のカップルや独身女性の子どもの法的地位が不安定であるうちは認めない方がよい。また海外の例から見ても優生思想や商業化につながる可能性が高い。現段階では子を欲しながら不妊症のために子を持つことができない法律上の夫婦に限定するのが適当であろう。

<代理懐胎について>
 代理懐胎について専門委員会はこれを禁止している。しかし私は容認すべきであると思う。その一番の理由は、日本でこれを禁止しても時間と費用さえあればアメリカや韓国で代理母出産をすることが可能であるからだ。これは「商業主義を排除する」という基本方針に明らかに反している。さらに海外での代理出産が世界的に広がれば代理母出産の経済的な負担が軽減させるため、第三社会の女性を生殖の手段として利用するようなことになりかねない。日本国内で禁止すれば当面はあらゆる問題から回避できるかもしれないが、イギリスやオーストラリアでも商業目的以外の代理懐胎を容認するという世界的な動きを考えても、これを禁止するよりもその実施条件を整え、商業化を徹底的に排除することの方が今後の社会にとって適切であるように思う。
 さらに代理懐胎が「人を専ら生殖手段として扱ってはならない」という基本方針に真っ向から反するということだが、「扱う」という言葉には「もてあそぶ」というようなニュアンスがある。したがって患者が代理母になることを強制したり、金銭目的のために代理母になることを防げば、人を専ら生殖手段として扱うことにはならないのではないだろうか。代理母の申し出が純粋に善意であることを十分に確認すれば、基本方針には背いていない。
 また、妊娠・出産は第三者の女性に多大なリスクを与えることは確かではあるが、妊娠・出産はそもそも危険を含んだ行為であり、100パーセント安全を保証することは不可能である。医師やカウンセラーがその危険性についても十分に説明し、それでもなおその女性が代理母になることを望んだ上で、医師が妊娠・出産に堪えうる可能性が高いと判断した場合は十分に安全に配慮したことになるのではないだろうか。次に第三者の女性との間で子を巡る争いが起こる可能性についてだが、これは第三者の女性を既に自分の子を産んだ経験のある女性に限定し、母性が目覚め手放したくないという気持ちやそうなった場合にも親権は依頼者夫婦にあることを医師及びカウンセラーによってこれまで起こった事例などをもとに説明し、子どもの親権者が明らかにするために書面による同意を得ることで争いが起こる可能性は少なくなるのではないだろうか。

<インフォームドコンセントについて>
 実際に不妊治療を受けた患者さんの意見を目にすると医師とのコミュニケーションがほとんどとれていないように感じる。医師と患者は対等な立場であり、医師からの一方的な説明で終わるようなことはあってはならない。医師が患者さんの選択可能なあらゆる方法について、十分な時間をかけて十分な説明をし、患者自身が納得した治療方法を選択する機会を保障しなければならない。医師は患者が安心して治療を受けることができるようインフォームドコンセントの法理を遵守するとともに、患者側も受身になることなくインフォームドコンセントの場を積極的に利用し、自己の意思のもとに同意するよう心がけるべきである。

<カウンセリングについて>
 第三者が関わる生殖補助医療によって生まれた子が将来出自を知ったとき、その精神的なショックは計り知れないが、そのことが生まれてくる子の福祉に反することにはならない。養育過程でふさわしい親子関係を築くことで、両親あるいは一方の親と遺伝的なつながりがないことを受け入れることは可能である。そのためにもカウンセリングを充実させることが必要となる。生殖補助医療によって生まれてきた子どもにどのように事実を告げ、家族がその事実とどのように付き合っていくべきなのかを治療を受ける以前に説明するだけでなく、治療の最中も患者は絶えず精神的に不安定な状態にあるので定期的にカウンセリングを受けられるようにしなければならない。また生まれてきた子どもについても、出自を知る時等精神的なケアをしていく必要がある。このように生殖補助医療においてカウンセラーの果たす役割は非常に大きく、これを看護婦等が行うことは患者に十分なカウンセリング機会を与えているとはいえない。したがって早急に専門のカウンセラーを育成し、患者及び治療に関係する者の精神的なケアを行っていくべきである。
 また生殖補助医療が普及するにつれ、「不妊症でも子どもを持つことができる」というような考えが一般的に定着する恐れがある。医師やまわりからの精神的なプレッシャーなどによって不妊症で悩む患者の産まないという選択の自由が奪われることがあってはならない。生殖補助医療を受けることを前提としたカウンセリングではなく、第三者の立場からさまざまな情報を与え、患者が選択をする際の手助けをすることもカウンセラーの重要な役割である。

<法規制について>
 胚の移植について1回あたり移植する胚を3個までとするとあるが、3個を超えたものについて罰則はないのであろうか。ドイツでは罰則付きで3個までとし、99%が3個以内であるのに対し、日本ではこれまで3個以内にとどめることを推奨していたにも関わらず、4個移植するという答えが29.2%と最も多いという資料がある。今回も推奨するだけなのか。そうであるならば多胎妊娠の可能性も高くなり、減数手術ということになれば、大きな危険を伴うだけでなく人間の尊厳を侵すことにもなるのではないだろうか。したがって3個を超える移植は罰則付きで禁止するべきである。

 以上が現段階でまとまっている生殖補助医療に対する私の考えです。

受付番号39
受付日平成13年11月1日
年齢28歳
性別女性
職業会社員
氏名匿名化希望
所属団体匿名化希望

この問題に関心を持った理由:
 自分自身が、先天性遺伝病を抱えており、生殖医療をもっと進歩させて欲しいと言う希望があるかです。

御意見
 私は、遺伝性の病気の為に、普通に子供をもうければ遺伝して子供に同じ苦しみを与えてしまいます。生殖は、未知の領域で人間が手を加える事に否定的な方も居られますが、子供が欲しいけれどどうしても出来ない者にとり、あらゆる選択ができる環境が欲しいと思います。代理母・配偶者以外からの卵子・精子を使っての体外受精受精卵診断・こと、受精卵診断は、難病で苦しむ者にとり切実です。
 現在の難病患者を否定する事になると言う意見もありますが既に差別を受けているので、自分の子供には、と思うのは普通でしょう?
 少子化が問題になっているのだから、どうしても子供をと願う人を助ける事は、国の繁栄にも繋がるのではないでしょうか?
 どうか生殖医療を受けたいと願う者の気持ちを最優先させて下さい。


トップへ
戻る