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第7回労働政策審議会勤労者生活分科会中小企業退職金共済部会 議事要旨

1 日時 平成13年11月2日(金)10:00〜12:00
2 場所 経済産業省別館827号会議室
3 出席者 [委員] 奥平委員、勝委員、菅野委員、齋藤委員、桜井委員、佐藤委員、辻村委員、都村委員、中山委員、堀越委員、山路委員
[事務局] 奥田勤労者生活部長、南野勤労者生活課長

4 議題

(1) 特殊法人改革の動向について
(2) 一般の中小企業退職金共済制度の財政状況の今後の見通しについて
(3) 一般の中小企業退職金共済制度の退職金の仕組みについて

5 議事要旨

(1) 事務局より、行政改革事務局より10月5日に示された「特殊法人等向け平成14年度概算要求等の検証結果」及び「特殊法人等の組織見直しに関する各府省の報告に対する意見」について説明があった。
 また、10月24日に石原行政改革担当大臣から坂口厚生労働大臣に対して検討方要請のあった、勤労者退職金共済機構の民間法人化の検討について、民間法人化は困難であると考えているとの説明があった。

[主な質疑応答・意見等]
・民間法人化した場合にどのような姿になるのか不明であり、軽率な議論である、非常に心配しているとの意見があった。

(2) 事務局より、平成10年法改正時の中小企業退職金共済審議会での議論、将来推計、他制度との運用利回りの比較及びこれまでの制度改正における基本退職金の予定運用利回り設定の考え方について説明があった。

[主な質疑応答・意見等]
・10月からの確定拠出年金の導入などが中小企業退職金共済制度の加入者数などに影響を与えるのかとの質問があり、事務局より、中小企業退職金共済制度への加入企業の平均従業員数は約6.6人であり、こうした企業にとって確定拠出年金が使いやすいかどうかの問題もあるため、どの程度影響を与えるかは不明であるとの説明があった。
・責任準備金の積立不足について、制度として、いくらまで許容できるのかとの質問があり、事務局より、許容額を定めているわけではないが、いずれかの時点で解消するべきものであること、一方でこの解消を短期間で行うのは加入者間の公平性の観点から問題があるとの説明があった。
・将来の経済見通しは難しいが、今回の推計による見通しは明るさがなく、このような推計しか出ないのは残念である、予定運用利回りを引き下げることは、現在労働者にとっては、雇用も不安であるうえに、雇用を断ち切られた場合の退職金も不利なものとなるため、利回りは見直すべきではないと考えており、慎重な議論が必要であるとの意見があった。

(3) 事務局より、一般の中小企業退職金共済制度の退職金の仕組みとして、現行の他に考えられるものとして以下の仕組みが提示された。

・基本退職金の利回りをゼロとし、全て付加退職金によって剰余を分配する仕組 み
・被共済者(労働者)の加入期間によって付加退職金の支給率に差を設け、欠損金が生じていた期間に加入していた被共済者(労働者)については付加退職金の支給率を低く設定する仕組み
[主な意見]
・退職者の退職事由を世代別にみると、若い世代は自己都合が8割だが、中高年は1/3が事業主都合であることから、雇用保険のように、退職事由や年齢によって給付額に差を設けるべきではないか。
・資産運用環境の悪化だけでなく、見直しの時期等が制約を受けているために積立不足が拡大しているとも考えられることから、予定運用利回りを機動的に変更できるような制度にするために、給付額を政令で定めることとするべきである。
・現行制度は、歴史的経緯もあり、よい制度であり、利回りをゼロにすると、仕組みが複雑になりよくない。
・給付額を見直す場合、現行どおり、国会にかけて審議すべきであり、政令化は反対である。
・現在は付加退職金が機能していない。希望的観測の下で基本退職金の利回りを設定するのではなく、安全な利回りを設定し、付加退職金で支給しながら積立不足を解消していくようにすべきである。
・迅速に利回りを見直すべきであり、審議会を通して、パブリックコメントも受けるようにした上で、政令化すべきである。
・付加退職金の制度は、加入時期の経済情勢によって給付額は左右され、不公平であることから、中長期的にみて存続させることが適当か議論すべきである。
・経済情勢に迅速に対応する意味では政令化は必要かもしれないがその分審議会の役割が重要になることから、その位置づけを明確にしない限り反対である。
・法律の制定当初に比べ、市場の変動性も増大していることから、機動的に予定運用利回りを見直すことができるようにするべきであり、それが公平性の確保にもつながるのではないか。

配布資料

(1) 行政改革推進事務局「特殊法人等向け平成14年度概算要求等の検証結果」(平成13年10月5日)(抄)
(2) 行政改革推進事務局「特殊法人等の組織見直しに関する各府省の報告に対する意見」(平成13年10月5日)(抄)
(3) 平成10年法改正関係中小企業退職金共済審議会における議事の概要
(4) 将来推計(今後も現行水準が続くと仮定した場合)(予定運用利回り2.0%、1.5%、1.0%)
(5) 将来推計(ケース1〜3)
(6) 他制度における支給利率等について
(7) 基本退職金の利回り設定の考え方について
(8) 一般の中小企業退職金共済制度の退職金の仕組みについて

(注)配付資料については多量のため省略しておりますが、厚生労働省(大臣官房総務課広報室又は労働基準局勤労者生活部勤労者生活課)において供覧しております。


照会先 厚生労働省労働基準局勤労者生活部勤労者生活課
担当:河野・武村
   03(5253)1111(内線5376)


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