※1 本資料は、厚生科学審議会生殖補助医療部会における「提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療の実施及び精子・卵子・胚の提供の条件」(検討課題1)の具体的な検討に資するため、事務局において、主要な検討項目と考えられる項目ごとに「精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療のあり方についての報告書」(生殖補助医療技術に関する専門委員会報告書(平成12年12月28日とりまとめ。以下「専門委員会報告書」という。)の関係部分を抜き出し、それぞれについて想定される要検討事項を暫定的に整理したものである。
※2 p○○とあるのは、「「精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療のあり方についての報告書」関係資料集」中の該当ページを示す。
※3 ゴシック体の部分については、専門委員会報告書における結論部分(四角囲みの部分)、明朝体の部分については、結論の説明部分(四角囲みの下)に記載されている部分である。
※4 「日本産科婦人科学会会告「「非配偶者間人工授精と精子提供」に関する見解」」とは、日本産科婦人科学会「非配偶者間人工授精と精子提供」に関する見解」(平成9年5月)及び「“非配偶者間人工授精と精子提供に関する見解”に対する考え方(解説)」を示すものである。
また、「日本産科婦人科学会会告「「多胎妊娠」に関する見解」」とは、日本産科婦人科学会「多胎妊娠」に関する見解」(平成8年2月)及び「“多胎妊娠に関する見解”の解説」を示すものである。
※5 波線部が前回からの変更部分である。
※6 ●は決定事項である。
1 提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療の実施の条件 |
(1) 提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療を受けることができる者の条件 |
⇒(参考)日本産科婦人科学会会告「「非配偶者人工授精と精子提供」に関する見解」1.及び2.(p112、113)
(1)提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療全般に関わる条件
○ 子を欲しながら不妊症(※)のために子を持つことができない法律上の夫婦に限る。(p22)
※ 生殖年齢の男女が挙児を希望しているにもかかわらず、妊娠が成立しない状態であって、医学的措置を必要とする場合をいう。(p19)
(要検討事項)
⇒ウィルス性の性感染症や遺伝性疾患を理由とした提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療の実施は認めないということでよいか? ↓
● 本部会の検討課題とはしない。
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○ 加齢により妊娠できない夫婦は対象とならない。(p22)
(要検討事項)
⇒「加齢により妊娠できない」ことの具体的な判定基準はどのように設定するか? (医師の裁量とするか?具体的な年齢制限を設けるか?自然閉経を基準とするか?) ↓
(案1)医師の裁量とするが、自然閉経の平均年齢である50歳ぐらいを目安とし、それを超えて妊娠できない場合には、「加齢により妊娠できない」こととみなす旨の判定基準を国として示す。
(案2)医師の裁量とするが、自然閉経を基準とし、自然閉経をもって、「加齢により妊娠できない」こととみなす旨の判定基準を国として示す。 (案3)医師の裁量とする(国としては、「加齢により妊娠できない」という以上の具体的な判定基準は示さない。)。
⇒子の福祉の観点から、夫婦が子育てに耐えられるという要件も必要なのではないか? ↓
(案1)医師の裁量とする(法律・ガイドラインを含め、国としては、上記のような基準は特に示さない。)。
(案2)夫婦の年齢のみならず、健康状態、経済状況、精神的安定度などの子どもを安定して養育できるかを、提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療の実施に関する全般的な基準として国が示す。 ←(関連)生まれた子どもを安定して養育していけるかについてのカウンセリング(検討課題2) ⇒特別養子制度のように、親となるものの年齢の下限を設けないのでよいのか? |
○ 自己の精子・卵子を得ることができる場合には、それぞれ精子・卵子の提供を受けることはできない。(p22)
(要検討事項)
⇒「自己の精子・卵子を得ることができる」ことの具体的な判定基準はどのようにするか?
↓
● 医師の裁量とする(法律やガイドラインで、国として義務的な基準は示さ
ない。)。
ただし、国が実施に当たっての準則となる考慮すべき基準を示す。 具体的な基準については、精子・卵子・胚ごとに設ける((1)〜(4)参照)。
⇒精子・卵子の提供を受けることができる者について優先順位を設けるか?
↓(優先順位について、(1)〜(4)において同じ。)
(案1)法律やガイドラインを含め、国として基準は特に示さない。
(案2)法律やガイドラインで、国として義務的な基準は示さない。ただし、国が実施に当たっての準則となる考慮すべき基準を示す。 具体的な考慮すべき基準としては、 (案2−1)待機期間を基準とする優先順位を示す(先着順)。 (案2−2)医学的理由(無精子症、ターナー症候群・早発閉経など)や待機期間、その他の理由(年齢、既に有している子どもの人数など)などを総合した優先順位を示す。
(上記の関連検討事項)((1)〜(4)において同じ。)
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(2) 各々の提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療ごとに適用される条件
(1) AID(提供精子による人工授精)(p25)
○ 精子の提供を受けなければ妊娠できない夫婦のみが、提供精子による人工授精を受けることができる。
(要検討事項)
⇒「精子の提供を受けなければ妊娠できない」ことの具体的な判定基準はどのように設定するか?
↓
● 医師の裁量とする(法律やガイドラインで、国として義務的な基準は示さない。)。ただし、国が実施に当たっての準則となる考慮すべき基準を示す。 具体的な基準については、日本産科婦人科学会の会告(「非配偶者間人工授精と精子提供」に関する見解」1.(※1)及びその解説(※2)(p1))1に準ずる。
(※1)本法以外の医療行為によっては、妊娠成立の見込みがないと判断され、・・・を対象とする。
⇒精子提供についての優先順位を設けるか?
↓
(p4 参照)
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(2) 提供精子による体外受精(p25)
○ 女性に体外受精を受ける医学上の理由があり、かつ精子の提供を受けなければ妊娠できない夫婦に限って、提供精子による体外受精を受けることができる。
(要検討事項)
⇒「女性に体外受精を受ける医学上の理由がある」ことの具体的な判定基準はどのように設定するか? (医師の裁量とするか?具体的な疾患や必須の医学的検査とその結果などの具体的な判定基準を定めるか?) ⇒「精子の提供を受けなければ妊娠できない」ことの具体的な判定基準はどのように設定するか?(AIDの場合と同じ。) ↓
(上記の2つの要検討事項に関して、)
● 医師の裁量とする(法律やガイドラインで、国として義務的な基準は示さない。)。ただし、国が実施に当たっての準則となる考慮すべき基準を示す。 具体的な基準については、
(案1)日本産科婦人科学会の会告(「体外受精・胚移植」に関する見解」1.(※1)並びにその解説(※2)(p94))、及び、3.(※3)並びにその解説(※4)に準ずる。 (案2)日本産科婦人科学会の会告(「体外受精・胚移植」に関する見解」1.(※1)並びにその解説(※2)(p94))、及び、3.(※3)並びにその解説(※4)に準ずる。ただし、「機能性不妊」や「原因不明不妊」、「AIDの施行回数」などの基準を別途示す。
(※1)本法は、これ以外の医療行為によっては妊娠成立の見込みがないと判断されるものを対象とする。
⇒精子提供についての優先順位を設けるか?(AIDの場合と同じ。) ↓
(p4 参照)
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(3) 提供卵子による体外受精(p26)
○ 卵子の提供を受けなければ妊娠できない夫婦に限って、提供卵子による体外受精を受けることができる。
(要検討事項)
⇒「卵子の提供を受けなければ妊娠できない」ことの具体的な判定基準はどのように設定するか?
↓(以下追加)
● 医師の裁量とする(法律やガイドラインで、国として義務的な基準は示さない。)。
(案1)ただし、国が実施に当たっての準則となる考慮すべき基準を示す。
(案2)実施に当たっての準則となる考慮すべき基準も国として特に示さない。
⇒ 卵子提供についての優先順位を設けるか?
↓
(p4 参照)
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(4) 提供胚の移植 (p27)
○ 胚の提供を受けなければ妊娠できない夫婦が、提供された余剰胚(※)の移植を受けることができる。
※ 他の夫婦が自己の胚移植のために得た胚であって、当該夫婦が使用しないことを決定したもの(p27)
(要検討事項)
⇒「胚の提供を受けなければ妊娠できない」ことの具体的な判定基準はどのように設定するか?
↓(以下追加)
(案1)提供胚の移植を認める。「胚の提供を受けなければ妊娠できない」ことの具体的な判定基準は医師の裁量とする(法律やガイドラインで、国として義務的な基準は示さない。)。
ただし、国が実施に当たっての準則となる考慮すべき基準を示す。 具体的な基準は? 医学的な基準以外の、子を安定して養育していけるか、生まれた子に対する真実告知(←(関連)生まれた子の出自を知る権利(検討課題3))などの基準については、
(案2)提供胚の移植は、(当分の間、)認めない。
⇒胚の提供についての優先順位を設けるか?
↓
(p4 参照)
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○ ただし、卵子の提供を受けなければ妊娠できない夫婦も、卵子の提供を受けることが困難な場合には、提供された余剰胚の移植を受けることができる。
(要検討事項)
⇒「卵子の提供を受けることが困難な場合」の具体的な判定基準をどのように設定するか? (実施医療施設の判断に委ねるか?全国的な卵子の提供状況を勘案して判断するか?) ←(関連)公的管理運営機関の管理する情報の範囲(検討課題3) ↓(以下追加)
(案1)「卵子の提供を受けなければ妊娠できない夫婦」も、卵子の提供を受けることが困難な場合には、提供された余剰胚の移植を受けることができることとする。
その際の「卵子の提供を受ける」ことが困難であることの具体的な判定基準は? (案2)「卵子の提供を受ければ妊娠できる夫婦」に対する提供された余剰胚の移植は、(当分の間、)認めない。 ⇒「卵子の提供」が困難な場合に、「卵子のシェアリング」(後述)と「兄弟姉妹等からの卵子の提供」(後述)と上記による「余剰胚の提供」をどのような優先順位で適用するか? ↓(以下追加)
→「卵子のシェアリング」及び「兄弟姉妹等からの精子・卵子・胚の提供」について検討した後に検討する。
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○ また、胚の提供を受けなければ妊娠できない夫婦は、余剰胚の提供を受けることが困難な場合には、精子・卵子両方の提供によって得られた胚の移植を受けることができる。
(要検討事項)
⇒「余剰胚の提供を受けることが困難な場合」の具体的な判定基準をどのように設定するか?(実施医療施設の判断に委ねるか?全国的な卵子の提供状況を勘案して判断するか?) ←(関連)公的管理運営機関の管理する情報の範囲(検討課題3) ↓(以下追加)
(案1)「胚の提供を受けなければ妊娠できない夫婦」は、余剰胚の提供を受けることが困難な場合には、精子・卵子両方の提供によって得られた胚の移植を受けることができることとする。
その際の「余剰胚の提供を受ける」ことが困難であることの具体的な判定基準は? (案2)「胚の提供を受ければ妊娠できる夫婦」に対する精子・卵子両方の提供によって得られた胚の移植は、(当分の間、)認めない。 ⇒「卵子の提供」が困難な場合に、「卵子のシェアリング」(後述)と「兄弟姉妹等からの卵子の提供」(後述)と上記による「余剰胚の提供」をどのような優先順位で適用するか? ↓(以下追加)
→「卵子のシェアリング」及び「兄弟姉妹等からの精子・卵子・胚の提供」について検討した後に検討する。
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(2) 子宮に移植する胚の数の条件 |
⇒(参考)日本産科婦人科学会会告「「多胎妊娠」に関する見解」(p110、111)
○ 体外受精・胚移植又は提供胚の移植に当たって、1回に子宮に移植する胚の数は、原則として2個、移植する胚や子宮の状況によっては、3個までとする。(p43)
(要検討事項)
⇒「移植する胚や子宮」がどのような状況にあれば、胚を3個まで移植することを認めるか? (医師の裁量とするか?具体的な判定基準を設定するか?具体的な判定基準を設定する場合にはVEECK分類(※)によるか?) ※ 受精卵の形態的分類。受精卵卵割球における形態の均質性の程度と、フラグメンテーション(小さな細胞質の断片)の程度によってGrade1からGrade5の5段階に分類され、Grade1からGrade5の順に高い妊娠率が期待される。 ↓(以下追加)
● 医師の裁量とする。
←(関連)1回に2個以上の胚を子宮に移植する場合における提供を受ける夫婦に対する品胎(双胎)を受け入れることについてのインフォームド・コンセント(検討課題2) ←(関連)未熟児の出生に備えた受入医療施設の確保等に関する実施医療施設の基準(検討課題2) |
2 精子・卵子・胚の提供の条件 |
(1)精子・卵子・胚を提供できる者の条件
⇒(参考)日本産科婦人科学会会告「「非配偶者人工授精と精子提供」に関する見解」4.(p112,113)
(1) 提供者の年齢及び自己の子どもの有無
○ 精子を提供できる人は、満55歳未満の成人とする。(p29)
○ 卵子を提供できる人は、既に子のいる成人に限り、満35歳未満とする。ただし、自己の体外受精のために採取した卵子の一部を提供する場合には、卵子を提供する人は既に子がいることを要さない。(p29)
※ 他の夫婦が自己の体外受精のために採取した卵子の一部の提供を当該卵子の採卵の周期に要した医療費等の経費の半分以下を負担して受け、当該卵子を用いて提供卵子による体外受精を受けることも認める。(p29) |
(2) 同一の者からの卵子提供の回数制限
○ 同一の人からの卵子の提供は3回までとする。(p29)
(3) 同一の人から提供された精子・卵子・胚の使用数の制限
○ 同一の人から提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療を受けた人が妊娠した子の数が10人に達した場合には、当該同一の人から提供された精子・卵子・胚を提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療に使用してはならない。
(p42)
(4) 提供精子の採取、使用に当たっての感染症等の検査
○ AIDの実施に当たっては、提供精子からのHIV等の感染症の危険があることから、そうした事態を未然に防ぐため、提供精子の採取・使用に当たっては十分な検査等の予防措置が講じられるべきである。(p25)
○ 提供精子による体外受精の実施に当たっても、提供精子からのHIV等の感染症の危険があることから、そうした事態を未然に防ぐため、提供精子の採取・使用に当たっては十分な検査等の予防措置が講じられるべきである。(p26)
(要検討事項)
⇒どのような感染症について提供者の検査を行うか? ↓(以下追加)
(案1)日本産科婦人科学会会告「非配偶者間人工授精と精子提供」に関する見解の4.(p112)(※1)及びその解説の当該部分(※2)(p113)に準じた検査を行うこととする。
(※1)精子提供者は健康で、感染症がなく、・・・ (※2)精子提供者は、感染症(肝炎、AIDSを含む性病等)・ ・・を予め行い、感染症のないこと、・・・を確認する。 (案2)現在のAIDにおける一般的な検査に準じた検査を行うこととする((案1)に加えて、血清反応、梅毒、B型肝炎ウィルスS抗原、C型肝炎ウィルス抗体、HIV抗体検査等についても検査を行う。)。 (案3)(案2)に加えて、クラミジア、サイトメガロウィルス抗体検査についても行うこととする。 ⇒卵子提供者の感染症の検査を行う場合、卵子凍結が技術的に確立していないため、検査により感染が判明しない期間(ウィンドウ・ピリオド)を考慮した感染症の検査が困難であるが、これについては、提供を受ける者のインフォームド・コンセントを得ればよいこととするか? ↓(以下追加)
(案1)ウィンドウ・ピリオドに関するリスクについて提供を受ける者のインフォームド・コンセントを得ることとする。
(案2)受精卵を凍結しておいた上で、ウィンドウ・ピリオドが終了した後、感染症について再検査し、陰性を確認した上で移植する。 ⇒感染症のほかに検査すべき項目はないか? ↓(以下追加)
● 遺伝性疾患に関しては、日本産科婦人科学会の会告「非配偶者間人工授精と精子提供」に関する見解」の4.(※1)(p112)及びおよびその解説の当該部分(※2)(p113)に準じたチェック(問診)を行うものとする。
→精液(精子)所見、卵子所見は検査すべき項目ではないか? (※1)精子提供者は・・・自己の知る限り遺伝性疾患を認めず、・・・を条件とする。 (※2)また、自分の2親等以内の家族、および自分自身に遺伝性疾患のないことを提供者の条件とする。 ⇒上記の検査の結果を提供者に知らせるか? ↓(以下追加)
● 知らせることとする。
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(2)精子・卵子・胚の提供に対する対価の条件 |
⇒(参考)日本産科婦人科学会会告「「非配偶者人工授精と精子提供」に関する見解」6.(p112、113)
○ 精子・卵子・胚の提供に係る一切の金銭等の対価を供与すること及び受領することを禁止する。ただし、実費相当分については、この限りでない。(p30)
(要検討事項)
⇒「実費相当分」として認められるものの具体的な範囲をどのように設定するか? (交通費、通信費のほかにどのようなものを実費相当分に含めるのか?) ↓(以下追加)
(案1)個々の事例について、精子・卵子・胚の提供のために提供者が実際に支払った金額のみを「実費相当分」として認める。
(案2)個々の事例について、提供者が精子・卵子・胚の提供のために通常支払う額を算定して、それに一定額を加算した額を「実費相当分」(の上限)として認める。
加算を認める具体的な額(の上限)としては、
⇒「実費相当分」の金銭等のやりとりの方法はどのようにするか?
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※ 他の夫婦が自己の体外受精のために採取した卵子の一部の提供を当該卵子の採卵の周期に要した医療費等の経費の半分以下を負担して受け、当該卵子を用いて提供卵子による体外受精を受けることも認める。(p29) |
○ 他の夫婦が自己の体外受精のために採取した卵子の一部の提供を受けて提供卵子による体外受精を行う場合に、卵子の提供を受けた人が当該卵子を提供した人に対して、当該卵子の採卵の周期に要した医療費等の経費の半分以下を負担することは、他の方法による卵子の提供に際して当該卵子を提供する人にかかる医療費等の経費を当該卵子の提供を受ける人が負担することと本質的に相違はないものと考えられる。(p30)
(要検討事項)
⇒他の夫婦が自己の体外受精のために採取した卵子の一部の提供を受けて提供卵子による体外受精を行う(卵子のシェアリング)場合に、卵子の提供を受けた人が当該卵子を提供した人に対して負担する「当該卵子の採卵の周期に要した医療費等の経費」の具体的な内容はどのように設定するか?
⇒卵子のシェアリングの場合に提供する卵子の数(又は割合)はどうするか? 採卵された卵子の数の半分以下とするか?提供者が決めることとするか?また、採卵された卵子の数が少なかった場合にはどうするか?さらに、卵子のシェアリングの場合に、卵子の提供を受けた人が当該卵子を提供した人に対して負担する「医療費等の経費」の額は、提供を受ける卵子の数(又は割合)に比例させるか?)
⇒卵子のシェアリングの場合に提供する卵子の選別を認めるか?
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(3)精子・卵子・胚の提供における匿名性の条件 |
⇒(参考)日本産科婦人科学会会告「「非配偶者人工授精と精子提供」に関する見解」5.(p112、113)
(1) 精子・卵子・胚の提供における匿名性の保持 (p31)
○ 精子・卵子・胚を提供する場合には匿名とする。
(2) 兄弟姉妹等からの精子・卵子・胚の提供 (p31)
○ 精子・卵子・胚の提供における匿名性の保持の特例として、精子・卵子・胚を提供する人が兄弟姉妹等以外に存在しない場合には、当該精子・卵子・胚を提供する人及び当該精子・卵子・胚の提供を受ける人に対して、十分な説明・カウンセリングが行われ、かつ、当該精子・卵子・胚の提供が生まれてくる子の福祉や当該精子・卵子・胚を提供する人に対する心理的な圧力の観点から問題がないこと及び金銭等の対価の供与が行われないことを条件として、兄弟姉妹等からの精子・卵子・胚の提供を認めることとする。
○ 兄弟姉妹等から提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療を行う医療施設は、その実施内容、実施理由等を公的管理運営機関に申請し、当該生殖補助医療が上記の要件に則して行われるものであることの事前の審査を受けなければならない。
(要検討事項)
⇒兄弟姉妹等からの精子・卵子・胚の提供を認めるか? ⇒兄弟姉妹等からの精子・卵子・胚の提供における公的管理運営機関の審査基準を具体的にどのように設定するか? |
(4)精子・卵子・胚の提供者と提供を受ける者との属性の一致等の条件 |
⇒(参考)日本産科婦人科学会会告「「非配偶者人工授精と精子提供」に関する見解」4.(p112、113)
○ 提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療を行う医療施設が当該生殖補助医療を受けることを希望する夫婦に説明すべき具体的な事項としては、当該生殖補助医療に係るリスクの可能性、当該生殖補助医療の成功の可能性、当該生殖補助医療に要する費用、当該生殖補助医療により生まれてくる子の血液型などを当該生殖補助医療を受ける夫婦に合わせることができない場合もあること、当該生殖補助医療により生まれてくる子の法的地位、当該生殖補助医療のために精子・卵子・胚を提供する人の匿名性、当該生殖補助医療により生まれた子は、公的管理運営機関への申請により、自己が当該生殖補助医療により生まれたことを知ることができることを含めた当該生殖補助医療により生まれてくる子の出自を知る権利などが考えられるところである。(p38)
(要検討事項)
⇒精子・卵子・胚の提供者と提供を受ける者との属性を合わせるか?また、合わせる場合、どこまで合わせるか? (血液型(ABO式血液型、Rh式血液型等)等)
⇒属性以外の提供を受ける者の希望に応えるか?また、応える場合、どこまで応えるか? |
(5)その他の条件 |
(1) 提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療により生まれた子が知ることができる提供者の個人情報の範囲(p48)
○ 提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療により生まれた子は、成人後、その子に係る精子・卵子・胚を提供した人に関する個人情報のうち、当該精子・卵子・胚を提供した人を特定することができないものについて、当該精子・卵子・胚を提供した人がその子に開示することを承認した範囲内で知ることができる。
○ 当該精子・卵子・胚を提供した人は、当該個人情報が開示される前であれば開示することを承認する自己の個人情報の範囲を変更できる。
○ 提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療により生まれた子は、上記に関わらず、自己が結婚を希望する人と結婚した場合に近親婚とならないことの確認を求めることができる。
(要検討事項)
⇒ 提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療により生まれた子の出自を知る権利として、生まれた子が知ることができる提供者の個人情報の範囲をどのように設定するか? |
(2) 提供者が死亡した場合の精子・卵子・胚の取扱い、提供された精子・卵子・胚の保存期間
⇒(参考)日本産科婦人科学会会告「「非配偶者人工授精と精子提供」に関する見解」4.(p112、113)
(要検討事項)
⇒提供者が死亡した場合の精子・卵子・胚の使用について取り扱いを決めなくてよいか? ⇒提供された精子・卵子・胚の保存期間についても具体的に期間を決めなくてもよいか? |
(参考)
「第三者の配偶子提供等による生殖補助医療のあり方に関するたたき台」(抄)
(生殖補助医療技術に関する専門委員会ワーキンググループ作成) (平成12年6月6日作成。同年10月3日最終改訂) B 本論 1 第三者の配偶子提供等による各生殖補助医療の是非等について
(4)配偶子の処分
(5)胚の処分
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