01/09/03 第3回厚生科学審議会生殖補助医療部会議事録 第3回 厚生科学審議会生殖補助医療部会 議 事 録 厚生労働省 雇用均等・児童家庭局母子保健課         第3回 厚生科学審議会生殖補助医療部会議事次第 日 時  平成13年9月3日(月)14:00〜17:04 場 所  経済産業省別館E11会議室(経済産業省別館11階) 議 事  1.検討課題1について      2.その他 ○桑島生殖補助医療対策準備室長  それでは、ただいまから第3回厚生科学審議会生殖補助医療部会を開催いたします。  本日は大変お忙しい中、お集まりをいただきましてまことにありがとうございます。  なお、本日の議事に入ります前に、事務局の方で異動がございましたので、一言ご挨 拶を申し上げます。 ○谷口母子保健課長  8月31日の人事異動で母子保健課長を命ぜられました谷口でございます。どうぞよろ しくお願い申し上げます。  先生方には何かと今後ご指導賜ることになると存じますけれども、私なりにこの難し い生殖補助医療を行政の視点でどのように進めていけばいいのか、行政がどのように業 務を行っていけばいいのかということで努力してまいりたいと考えておりますので、ど うぞ、これからご指導、鞭撻賜りますよう伏してお願い申し上げる次第でございます。  簡単でございますが、就任の挨拶にさせていただきます。よろしくお願いいたしま す。 ○桑島室長  それでは早速議事に入りたいと存じます。矢崎部会長、議事の方よろしくお願いいた します。 ○矢崎部会長  本日は委員の皆様におかれましては、お忙しい中、お集まりいただきましてどうもあ りがとうございます。  それでは議事に入る前に資料の確認をよろしくお願いいたします。 ○桑島室長  それでは配付資料の確認をさせていただきたいと存じます。欠落等ございましたらご 指摘をお願いいたします。  資料は、まず資料1、これは前回もお配りしてございますけれども、検討課題1につ いて整理をさせていただいたものでございます。資料2につきましては、前回の部会か ら、各委員からお寄せいただきましたご意見を取りまとめさせていただいたものでござ います。以下、参考資料等、机上資料等は議事の次第のところにお示しをさせていただ いておるものでございます。  なお、資料について若干のご説明をさせていただきたいと存じます。まず資料1につ いてでございますけれども、前回の部会での議論を踏まえ、幾つか要検討事項を追加を させていただいております。資料1でございますけれども、お開きいただきまして2 ページになりますけれども、波線が引いてございます。波線を引いてある部分が今回追 加をさせていただいた部分でございまして、2ページと12ページ、14ページを追加をさ せていただいてございます。中身は「兄弟姉妹からの提供」、「出自を知る権利」につ いても、前回の部会で、検討課題1で検討することの合意がなされておると思いますの で、要検討事項として追加をさせていただいてございます。  次に資料2でございますが、前回の部会終了後から今回の部会までに各委員からお寄 せいただいたご意見等でございまして、今後の検討の中で適宜各委員からの趣旨等ご説 明等いただければと存じます。先週の木曜日までにお寄せいただいたものについては、 事前に各委員の先生方に配布をさせていただいてございます。  それから次に、今回新たに資料として提出させていただいた参考資料2、色刷りのも のでございます。図が2枚ございますけれども、これは「精子・卵子・胚の提供等によ る生殖補助医療の全体の流れ」ということで、あくまで事務局の方で策定をさせていた だいた暫定版でございますけれども、前回の部会において、これから議論を進めていく に当たって、この問題に関する制度の全体像を明らかにした資料のようなものがあった 方がいいのではないかということで、進行がスムーズになるという趣旨でご意見をいた だいたかと存じます。  そこで事務局の方で、専門委員会の報告書の内容をもとに、報告書が想定していると 考えられる制度の全体像を私どものイメージでつくらせていただいたものでございま す。図1としては全体のシステムの流れ。図2の中では、流れの中で検討課題がそれぞ れどこをご検討いただくかということで大まかにイメージをお示しをさせていただきま した。図につきましては、検討に際し随時参考にしていただければと存じます。  なお、インターネットでいろいろと国民一般からのご意見を募集するということで募 集しておりますけれども、7月11日から8月24日に寄せられましたご意見は特にござい ませんでした。今回はそうした意味で資料としては配付をしてございません。  次に机上配付資料についてでございますけれども、前回の部会終了後、荒木委員と岸 本委員からご提供賜りました参考資料などを配付をさせていただいてございます。おの おのの資料につきましては、荒木委員、岸本委員の順で簡単にご説明をいただければと 思っておりますが、いかがでございましょうか。 ○荒木委員  私ども学会の「会員へのお知らせ」をこの資料として提出させていただきました。机 上配付資料1をごらんいただきたいと思います。平成12年日本産科婦人科学会誌に会員 へのお知らせを出しました。その内容はこれに書かれているとおりでございまして、 「生殖補助医療の実施施設の設備条件と実施医師の要件について」でございます。  近来、社会的な関心が高まっております生殖補助医療に関して、会員も身を正して自 主規制を行っていこうということで、このお知らせを平成12年4月に出させていただき ました。  次のページを開けていただきたいと思います。学会は、施設の登録制をとっておりま す。その登録制の真ん中に書かれておりますような図式によって申請者から登録された ものを許可するか、しないかをこの図式に沿って検討しております。  また、3.のところにありますように、この条件の1つとして登録施設に基準設備あ るいはその他のスタッフに関しての要件がここに書かれております。このような設備の あるところでなければ登録を受け付けないことにしております。  またスタッフに関しても、次のページをごらんいただきたいと思いますが、実施責任 者1名、実施医師、看護婦というような、これは最低条件でございますが、会員に対し ての必要最低限の条件をここに述べております。毎月一回ずつ、この申請のあった施設 に対して、条件その他を勘案し許可するかどうかを検討しております。  また、21ページと書かれているところでございますが、最後の方で「生殖補助医療の 実施施設における実施医師の要件」と書かれております。すなわち、  1.日本産科婦人科学会認定医であること。  2.認定医取得後、不妊症診療に2年以上従事した者。  3.日本産科婦人科学会の体外受精・胚移植・およびGIFTの臨床実施に関する登   録施設において1年以上勤務、または1年以上研修を受けた者。  としております。  また、ここに書かれておりますこの登録施設とは、登録を5年以上経過し、年間30症 例以上の生殖補助医療の実績を有する施設であると決めております。  また、これは別冊でございますが、これは登録施設名がここに載っております。ま た、学会としてもそれぞれ報告を受けたことを会員に広く知らしめております。これは 平成12年度の倫理委員会登録・調査小委員会報告であります。参考にしていただければ ありがたいと思っております。  以上です。 ○桑島室長  ありがとうございました。 ○岸本委員  私の方からは「イギリスにおける体外受精に関するパンフレット」ということでお配 りさせていただいていると思うのですけれども、既にここの先生方の中には、イギリス HFEAの内容をご存じの先生もおられるかと思いますけれども、このパンフレットは 数年前にイギリスでターナー症候群の国際カンファレンスが行われまして、そのときに 会員の方である○○さんという方がイギリスの方に行かれて、そのときにパンフレット が置いてあったらしいのです。それを日本に持って帰られて翻訳していただいたもので す。内容としましては、ドナーの側からの内容がほとんどなのですけれども、イギリス のパンフレットを何かの参考にしていただければと思いまして、このたび提出させてい ただきました。  以上です。 ○桑島室長  ありがとうございました。  それでは、最後に先生方のお手元にお配りしてございます大きな冊子2つご用意させ ていただいてございます。これは生殖補助医療技術に関するいわゆる専門委員会の2年 2カ月(29回)にわたります先生方のご検討いただいた議事録をまとめさせていただい たものでございます。  各委員の先生方にお手元に別途配布をさせていただいてございます。併せて部会ごと にに毎回事務局の方で準備をさせていただきます。ご参考にしていただければと存じま す。資料の説明は、以上でございます。よろしくお願いいたします。 ○矢崎部会長  どうもありがとうございました。  それでは議事に入らせていただきたいと思います。その前に、前回AID関係者の心 理状況等に関する論文をご提出いただくとともに、部会でのAID関係者のヒアリング をぜひ行いたいということで議論がございました。前回欠席された委員で、金城先生き ょうご出席でございますが、何か補足してお話しいただけますか。 ○金城委員  前回がどうなのかちょっとわからないで失礼なんですけれども。 ○矢崎部会長  結局なかなか難しいということです。 ○金城委員  私の方も、この方は、私がある会合でお話をしたときに出ていらっしゃって、実はと いうことでいろいろお話を伺った方なのです。今回ぜひ出てくださいますかということ だったのですが、やはりそれは難しいということでございました。  私も一人の人がいいから、一人の人が問題を抱えているからということで、この問題 については結論を出せないのであって、きちんとした調査が必要だろうと思いますの で、あえて余り無理押しをせずに、不可能だということでご報告させていただきたいと 思います。 ○矢崎部会長  ありがとうございました。そのほかよろしいでしょうか。  それでは、議事の1番目、「検討課題1について」入りたいと思います。この件を含 めまして、委員の皆様から大変貴重なご意見をいただきましてありがとうございまし た。資料2に分厚い綴じ込みがありますように、大変幅広い視点からご意見をお寄せい ただきましてありがとうございました。また、適宜議論が進む間にご意見を述べていた だければ大変幸いに存じます。よろしくお願いいたします。  まず前回の部会におきまして、検討課題1の要検討事項を暫定的に整理した資料が事 務局から提示されまして、その資料をもとにした今後の検討の進め方について幾つかの 合意ができたと思います。大体4点あると思いますので、今回の議論に入る前に確認を したいと思います。  1番目は、資料の1ページから順々に要検討事項を検討していくということ。  2番目は、おのおのの要検討事項の検討の際には、まず医師の裁量あるいは学会や各 医療施設の自主的な基準に委ねるのか、それとも国が何らかの具体的な基準をつくるの かを決定し、もし国が具体的な基準をつくることとなったものについては、その具体的 な内容について検討する。  3番目は、検討課題1におきましても、兄弟姉妹等からの提供あるいは出自を知る権 利についても必要に応じて検討すること。  4番目は、代理懐胎については、専門委員会の報告書のとおり、認めないという前提 で検討を進めさせていただく。  以上の4点について確認をさせていただきたいと思いますで、よろしくお願いいたし ます。  それでは、本日は前回の合意を踏まえまして、要検討事項を1ページ目から、大変時 間がかかると思いますけれども、順々に検討していきたいと存じます。  今回はそこに波線のあります「ウイルス性の性感染症や遺伝性疾患を理由とした提供 された精子・卵子・胚による生殖補助医療の実施は認めない」と。一応前回の最後の議 論で、認めないというふうな合意が得られたと思いますけれども、その点について確認 をさせていただきたいと思います。よろしいでしょうか。  どうもありがとうございます。  それでは、次の項目で。 ○鈴木委員  今ので合意が得られたということなんですか。部会の合意が、「どうもありがとうご ざいます」とおっしゃったのは。 ○矢崎部会長  一応そういうふうに私は理解しましたけど。 ○鈴木委員  そういうものなのですか。 ○矢崎部会長  もし、ご議論あればどうぞ。 ○鈴木委員  質問がなければオーケイというような形で進んでいくのでしょうか。 ○矢崎部会長  大体はそうですけれども、もしご議論があれば、また言っていただければ。今の件で しょうか。 ○鈴木委員  今、部会長がおっしゃったのが、ウイルス性性感染症などの要検討事項のことですよ ね。前回専門委員会にいらした加藤先生などがこのように話しましたということでお答 えをいただいたとは思うのですけれども、本当にそのとおりに進めてよいと委員の皆さ ん全員が思っていらっしゃるのか、もし私にもわかるように説明していただく方がいら っしゃれば、あと一言だけいただければありがたいと思います。 ○矢崎部会長  一応前回加藤委員と吉村委員からお話いただいたと思いますけれども。 ○加藤委員  この前回の報告書は不妊治療として認める範囲をどこまで認めるか、そういう答申案 だったわけですね。そしてウイルス性疾患や遺伝子疾患の場合にどうするかということ についての答申案では本来ないので、ですからその意味ではこのウイルス性疾患や遺伝 性疾患について含まれていないということになると思うのですが、ただ、精神として、 これをあえて拒否したとは必ずしも言えない。だから審議してないというふうに言うの が正しいのではないかと思います。 ○矢崎部会長  吉村委員は何か。 ○吉村委員  私も加藤先生と同じですけれども、前回のときには精子がない方、卵子がない方、胚 をつくることができない方、こういった方に対してこの医療をどういうふうに応用する かということを条件を設定してきたと思うのですね。もし、これがウイルス性感染症に 応用するとなりますと、もう一度そのことについて検討しなければならないと思うので す。  それから簡単に遺伝性疾患に対してそれを応用するということについても、これはさ まざまな問題点が起こってくると思うのです。現実にAIDに関しましても、遺伝性疾 患については現在のところ適用になっておりません。精子のない方、卵子のない方以上 に大きな問題点を私ははらんでくるのではないかと。ですからこういったものに、認め る、認めないということについてはもう一度検討し直さなくてはいけないということに なりますので、私は現時点においては、この実施は認めないということでよいのではな いかと考えています。 ○矢崎部会長  よろしいでしょうか。前回そういうご発言をいただいたので、この検討部会では、 今、吉村委員が言われた設定条件で議論を進めていきたいということでございます。よ ろしいでしょうか。 ○金城委員  そういたしますと、この問題については検討していないので、本部会では認めないで すね。ただし、将来の問題として、HIVは精子を洗ったりというようなことでよろし いようですけれども、遺伝性疾患についてはやはりこれも必要だと思いますので、「新 たに検討する」というようなことを書きとどめておいて、本件が終わった後、改めて検 討する必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○矢崎部会長  この検討部会は専門委員会の出された答申に沿って、いかに生殖補助医療を医療とし てルールに基づいて定着させるかという趣旨でございますので、今お話の件は、この検 討部会から外れた課題だと思いますので、それは議事録にとどめておくということで処 理させていただければと思いますけど、よろしいでしょうか。 ○金城委員  はい。 ○矢崎部会長  それでは、この部会では、そのことについては議論しないということで進めさせてい ただきたいと思います。  2番目は「加齢により妊娠できない夫婦は対象とならない」、22ページにございます けれども、この検討事項として、具体的な判定基準をどのように設定するかということ でございますが、「医師の裁量とするか?具体的な年齢制限を設けるか?」いろいろな 議論がございまして、「自然閉経を基準とするか?」という意見を高久委員からいただ いたのですが、高久委員何か。 ○高久委員  これも議論をすると非常に難しい問題がたくさんあると思います。しかしながら、や はりある程度年齢を制限しておかないと現場のお医者さんが非常に困ると思うのです ね。ですから非常に常識的なこととして「自然閉経」ということを提案したのですけれ ども、特に深い理由がなくて、ほかに皆さんが納得する年齢制限というのは難しいのか ということで「自然閉経」と申し上げました。 ○矢崎部会長  どうもありがとうございました。「子の福祉の観点から、夫婦が子育てに耐えられる という要件も必要なのではないか?」というご意見ございました。これは松尾委員。 ○松尾委員  今の親の年齢というのも当然入ると思いますし、経済的な立場や社会・心理的な安定 度というものをある程度考えなければいけないと思いまして意見を提出させていただき ました。 ○矢崎部会長  どうもありがとうございました。2つの視点から提案をいただきましたけれども、こ の件につきましていかがでしょうか。ほかの委員の先生方でご意見ございますでしょう か。 ○平山委員  やはり何歳というふうに数字としてあらわすのは非常に難しいのではないかという気 がするのですね。というのは「自然閉経」といっても、人によっては20代で閉経される 方から50代まである。一般的な平均でいくとしてもなかなか難しいと思うので、結局ド クターの裁量でやっていくしかないと思うのですね。ただ、先ほどおっしゃったように 「子の福祉の観点から」というのは当然あるわけですから、それはこの第三者生殖では すべてのケースにおいてドナーとレシピエントに対して心理学的なカウンセリングやス クリーニングをしていくという方針ですので、それに基づいて、それで親が高齢だから といって不幸せになるわけではないですから、それはそれぞれの実施機関が判断して、 それで何か疑義があるような場合には公的管理機関なりセカンド・オピニオンの委員会 などをつくって、そこで判断していくという形が現実的ではないかと私は思います。 ○矢崎部会長  そうしますと基準を定めないで、実施施設の医師、今倫理的にはIRBというのがで きていますけれども、そういう委員会にかけるというような趣旨のご提案でしょうか。 ○平山委員  ですから文章としては「加齢により妊娠できない夫婦は」ということにしておいて、 具体的に「何歳」というのをここで決められないのではないかという意見です。 ○新家委員  「閉経」ということで私はいいと思っております。というのは、これは年齢差がかな りございますので、閉経する前であれば妊娠する可能性があるわけで「閉経」という言 葉でいいと思うのですね。  ただ、問題はその下にあります「子の福祉の観点から」というのは、これは法律の中 に入れる必要はないと思います。といいますのは、そのおのおののお母さんで考え方が 違うので、最近の例見ますと、つい2月ほど前に、不妊症でずっと来ていて、1人ずつ 子どもがいるのです。2人おりまして、それで年齢だから治療やめようよという話にな って、本人があきらめた途端に2人妊娠したのですね。2人とも45歳で、上の生まれた 子どもとは12〜13歳ずつ離れております。本人はかなり悩みました。私は医学的なこと のアドバイスはできるわけですけれども、一番心配したのは自分が育てていけるかとい うことを心配した。  ところがその直後になって60歳が生まれちゃったんですね。そし2回目来たときには 2人とも非常に元気になりまして、もう産むということに決めたわけです。私として は、45超えてますからちょっと大変だなと思っておるのですけれども、ですから、それ は個人個人の考え方で、別に法に縛る必要は私はないと思っております。 ○才村委員  ファックスで意見を書かせてもらったのですけれども、やはり子育ての、先ほどの松 尾委員さんがおっしゃったように、社会・心理的な要因というのは重大だと私も思って おりますので、例えば年齢要件だけでなく、健康上や経済的なこと、夫婦の精神的な安 定度とか、子どもが20歳になるまで子育てが安定して行われる見通しがあるかどうかと いったチェックリストみたいなものをつくって、ある程度医師がチェックリストをもと に、自分でそれを参考にしながら判断していただいた上で、医師の裁量というふうにし たらどうかという意見があるのですけれども。  それともう一つは、そのまたチェックしたところで、子育ての中身というのは随分時 代とともに変遷、夫婦も時とともに変わっていきますので、それよりもむしろ、ここで 論ずることではないのかもしれないのですけれども、子育てをしていく上でのサポート 機関をつくりながらサポートしていくと。それは夫婦が子育てしていく上でのサポート にもなるし、子ども自身がそういうことで悩んだときのサポートにもなる。そういうふ うなもので後のフォローしていくというのが大事ではないかと思います。  もし、例えば具体的な年齢制限を設けるとして、50とかというふうに決められたとす るのであれば、また養子の話ばかりいつも言って恐縮なのですけれども、特別養子縁組 では年齢の下限も決めているわけなのです。上限だけではなくて下限、例えば特別養子 縁組の方では、25歳に達してない夫婦は特別養子をすることはできないとなっていまし て、どちらか一方の方が20歳以上であればオーケイということになっていまして、こう いうふうな生殖補助医療を希望される方は、そういう若年の方は余りないという想像は もちろんしているのですが、ある程度法律上の夫婦に限るだけではなくて、そういうふ うな上限を決めるのであれば下限も決める必要があるのではないかと思ったりいたしま す。 ○矢崎部会長  そのほかいかがでしょうか。どうぞ。 ○石井委員  意見送らせていただいたこととも重なるのですが、3点ほどあるのですが、1つは、 これを決めるとして何に、先ほど新家先生は法律でとおっしゃったのですが、法律で決 めるのか指針で決めるのか、そういう段階のレベルという問題が1つあるかと思うので す。どこで決めるかによって決め方というのはかなり違ってくるのではないかというこ とが1点です。  それともう一つは、平山委員がおっしゃった20、30代でも閉経する。そういうときこ そ、まさしく治療としての卵子の提供という問題が起こるのであって、それは閉経とい う制限の問題ではないのではないかということが2点目。  3点目は、まさしくそこに関連するのですが、報告書の中で「加齢により妊娠できな い夫婦は対象とならない」というのをわざわざ入れたのは、まさしく人からもらうこと によって、通常ではもう妊娠できない、その人が60過ぎて妊娠できる。それがこの医療 行為であるがゆえに、そういうものは認めませんよ。不妊治療として考えるのはそうい うものではないということを明らかにするためにこの一文が入ったのだと私は思ってい るので、それがはっきりさせるような基準が必要。  「子の福祉」ということは、年齢だけの問題ではなくて、全体すべての問題につい て、この医療を行うか行わないかの個別事例については必要な判断だろうと思っている のですが。 ○矢崎部会長  どうもありがとうございました。そのほかご意見いかがでしょうか。 ○荒木委員  産婦人科の立場からちょっと説明させていただきたいのですけど、今の時代、閉経は 操作できるのですね。例えばホルモン補充療法をやっていれば60歳でも閉経を延ばせる というようなこともできます、排卵しているかいないかは別ですけれども。そこで、 「自然閉経」という言葉は非常にいい言葉だとは思うのですけれども、閉経に近づいて くると、多くの女性の何人かはホルモン操作でまた月経を正調に持っていくことを希望 します。そういうところから考えると、閉経の基準は非常に難しいと思います。そうす ると先ほどの平山委員の意見もいいのかなと思っております。 ○矢崎部会長  ホルモンで操作したのは自然閉経の後、というふうに判断できないのでしょうか。 ○荒木委員  例えば2カ月に一回ぐらいというような月経不順を訴えてきますね、月経があります と。我々はホルモン補充療法、すなわちエストロジェンとプロゲステロンでまた元へ戻 すということはできるのですね。月に1回の月経に持っていくということは可能なので す。そうすると、60歳近くまで月経があるという方も結構います。それをどういうふう に解釈していいかというと難しいです。 ○高久委員  確かに20、30代で閉経をするような方に生殖補助療法が必要だということはよくわか ります。この前の慈恵医大の60歳の患者の方のときに、産婦人科の先生が、本人にどう しても頼まれると断れないということをおっしゃいました。閉経でもいいのですけど、 日本人の自然閉経の平均は何歳なのか。それ以上の人にはやらないとしないと、産科の 先生方が大変困られるのではないかということであえて申し上げました。  それからもう一つ、確かに夫婦が子育てに耐えられるという要件は非常に重要ですけ れども、これを判断することは非常に難しい。何か客観的な基準をつくるといっても、 そんなに簡単にはできないのではないか。もし客観的な基準をつくるなら、これはすべ ての家庭に応用したいぐらいでして、そこが本当に可能なのか。産婦人科の先生、医師 の裁量といったときに、こういう要件を書いて困らないのかということを私はあえて申 し上げます。○矢崎部会長 どうもありがとうございました。いかがでしょうか、どう ぞ。 ○福武委員  すいません、2つあります。1つは男の方はどうするのかというのがいつも出てこな いので非常に不思議な気がしているのです。それが1つです。ですから、それについて は純粋に医学的観点でお医者さんの先生にお聞きしたい。  それからもう一つは「子どもの福祉」、子どもを育てられるかどうかというのは、別 に個々にかかるわけでなくてあらゆる分野にかかってくる話だろうと思うんですね。そ うしたときに、前回の報告書ではほとんどの場面において実施する医療機関が決定する という形になっているのだと思うのです。そこで胚というのはせいぜいペアの同意が必 要であるということだけなのではないかと思うのですね。それがちょっと疑問なので す。むしろもっと、特別養子とか普通養子の未成年養子の場合には家庭裁判所の関与と かそういうのがあるわけですから、それとパラレルに考えれば家裁の関与が必要か、あ るいは個別の件に対して、あるカップルに対してこういった生殖補助医療をやるのだっ たら、そのカップルが子育てを行えるのかどうかというチェックが必要なのではない か。それは医療機関側に任せるのはおかしい話ではないかと思うのですね。  前回からいろいろな先生方のご意見を拝見していますと、やはりそこの問題があっ て、あっちへ行ったりこっちへ行ったりになっているのだろうと思うのです。ですから ここの検討課題1のところでは、本当に純粋に医学的な観点だけからやるのか、それと ももう少し社会的な夫婦だとか親子だとか、そういうことまで含めてやるのかもう少し 整理した方がいいのではないかと思うのですが。 ○矢崎部会長  どうもありがとうございました。なかなか難しい問題で、そのほかどうぞ。町野委 員。 ○町野委員  後の点ですが、私はこれを公的な基準とするのは妥当ではないと思います。お医者さ んが、おまえらには子どもを育てる能力がないからというのは、かなり乱暴なことだと 思います。ここではカウンセリングをやるというのが前提ですから、これこそまさにお 医者さんと患者さんの裁量の範囲内にとどめておくべきだろうと私は思います。  前の方の点は年齢制限ですが、先ほど高久先生がおっしゃいましたように、確かにど こかで決めておかないとばらつきが生じて困ることになるだろう。こちらは裁量で済ま せるというわけにはいかない問題ではないかと思います。 ○矢崎部会長  ありがとうございました。そのほかどうぞ。 ○相良委員  また話を元に戻すようですけど、閉経のお話ですが、私は事前にファクスで自然閉経 の平均年齢である50歳から51歳という数字を出させていただきました。これを出した理 由は、1つには「加齢により妊娠できない」という文言が、先ほど石井先生がおっしゃ られたように、既に妊娠ができないはずの女性が妊娠してしまうということは避けると いうことがもともとあったのだろうということと、もう一つは、確かに早発閉経という のがありますので、単に「閉経」と書くと誤解を招くと思いましたので、ある程度の数 字を出した方がいいのではないかと思ったからです。  個人的には40歳ないし45歳を過ぎるといろいろな合併症が出てくるという問題があり ますけれども、その辺で数値を区切るのは具体的には難しいので、一応閉経の平均年齢 ということでこれくらいの数値がいいのではないかと思いました。  それから、「子の福祉の観点」という問題ですけれども、これは不妊治療に限らず自 然に妊娠された方でも、ご夫婦が将来どうなるかというのはなかなか難しい問題です し、これを客観的に判断するというのは非常に難しいことなのではないかと思います。 以前に、吉村先生がAIDの追跡調査をされたときに、予想以上に非常に円満で、皆さ ん子育てに喜びを感じていらっしゃるという結果を聞いてひと安心したのですけれど も、それを信頼して、このあたりは法的あるいはこういうガイドラインのようなもので 決めるのは難しいというふうに判断した方がいいのではないかという気がしています。 ○矢崎部会長  どうもありがとうございました。これは厚生労働省としても、法律でどうのというこ とではございませんですよね。大体の基準をこの委員会で考えるというコンセンサスで 述べさせていただければよろしいのでしょうか。すいません。 ○岩田雇用均等・児童家庭局長  冒頭、部会長からも整理していただきましたように、法律になるのかガイドラインに なるのかというのはお話を伺わせていただいた後で、私どもの方で整理をして、例えば こういう形でいかがでしょうかということを、いつかのタイミングでお返ししたいと思 いますので、明らかにこれは法律で措置すべきであるとか、逆にこれを法律で措置すべ きではなくて、ソフトなガイドラインでやるべきであるというような明示のご判断があ りましたら、それはそれでお聞かせいただきたいと思いますが、レベルはまたいつかの 段階で整理をしたいと思います。  ですから、いずれにせよ、公的に判断を示すことが必要なのか、それとも個々の医師 や個々の医療施設や、あるいは関係の学会やそういうところにお任せすればいいのかと いうのはご判断いただきたいと思います。  また、今のように非常にさまざまなご意見が出て、必ずしも強いコンセンサスができ ないというところは、とりあえずはそれで整理をしていただいて、また必要に応じても う一回ご議論いただくようなこともあってもいいかと思います。 ○矢崎部会長  ありがとうございました。そういうことで、検討を進める段階でいろんなレベルで基 準を決めていったらいいかということを、またついつい委員の先生方に議論していただ くということで、今回の「加齢により妊娠できない夫婦は対象とならない」とした場合 に、これは後でも問題になると思いますけれども、生殖補助医療が行われている場に大 きなばらつきがあってはならないと。大体の方向性はこの部会で示していただければ大 変ありがたいと思います。  今のご意見ですと、例えば自然閉経というものを、相良委員から大体50歳ぐらいでは ないかというようなことをお話いただきまして、また「この福祉の観点から」、具体的 にチェック項目といってもなかなか難しい。子どもの将来のことも考えると必ずしもそ ういう客観的な評価ができるかどうか決めることが難しいことから、カウンセリングの ときにそういう視点で強くテイクノートしていくということでいかがでしょうか、松尾 委員。 ○松尾委員  子どもの福祉を担保するという問題が難しいことは確かだと思いますけれども、難し いからあきらめるというのはちょっと違うのではないかと思います。全て法律で定める ということはなじまないと思いますけれども、ある種のガイドライン的なものを定める のは非常に重要だと思います。例えば当該夫婦が何年間か安定した結婚生活を送ってい るという実績も1つのデータになると思いますし、夫婦が将来にわたって子どもの養育 に責任を持つということを誓約してくださるということも役立つと思いますし、優れた メンタルヘルスの臨床家がその夫婦にインタビューされますと夫婦についてかなりのこ とがわかると思いますので、決してこのことについてあきらめない方がいいと思いま す。 ○矢崎部会長  ありがとうございます。 ○渡辺委員  前回、私大変申しわけありませんが欠席しまして、そのときに配付させていただいた 資料に、Human Reproductionの2001年のDEBATEというのがあります。それは英国 の論文ですけれども、今まで行われてきた生殖補助医療は生まれてくる子どもたちのク オリティ・オブ・ライフを抜きにした視点から論じられすぎたと反省しています。もは やそういう時代ではない、気の毒な夫婦のためではなく、生まれてくるポテンシャルな 声なき人間のことを考えた生殖補助医療に再編成すべきではないかという論文がありま す。それと前後して2000年発行の、成人したAIDの子どもたちの心情をつぶさにアン ケートでインタビューした論文があります。恐らくこれからは、生殖補助医療で生まれ た子供たちの立場に立った声が上がるのではないかと思うのですね。  これからは、生殖補助医療を受ける夫婦たちが生まれてくる子どもに対する親心をち ゃんと育みながらこの治療を受ける、という流れにしていかなければいけない。既に巷 では、女性週刊誌にどこに行けばどんなふうに子どもが得られるということが野放しで 報告され、煽られています。だからこそ私たちが1つの常識的で自然な日本社会とし て、生まれてくる子どもたちに「生まれてよかったね、生殖補助医療で温かく歓迎され て生まれたあなたたちだから、胸を張って社会に貢献してほしい」と言えるような社会 的姿勢をどうつくるかが問題になるのだと思うのです。私は、議論が冒頭から、夫婦の ために断れない、断れるというところに少し偏っていると思います。私たちの老後、あ るいは子どもたちの老後をみてくれる人たちが仲良くやっていけるような社会づくりを 今からしていかないと。それには、例えば本当に60歳で産んでいいのだろうか、10代や2 0代を、80歳の母親が面倒を見るようでいいのだろうかという常識的なところを、もう 一度確認する必要があると思います。そういう意味で私は50代ぐらいが上限で、特例で6 0歳で産みたいのだったらそれは個人の自由ということではないと思うのです。  やっぱり50歳で産んだ子どもをみんなで育てていくわけですから、その人が60歳でも 一人で張り切って元気だという問題ではない。どうしてそこまで、60代になっても産む ことにこだわるのか。そこにある深い個人的な訳をスタートラインから深くその人の身 になって掘り下げていくような、狭い生殖補助医療のカウンセリングではなくて、もっ と一人ひとりの自己実現と社会的な調和を一緒に考えていくような成熟度の高いケアの システムをつくっていかなければならないと思いました。 ○矢崎部会長  どうもありがとうございました。大変リーズナブルなご意見をいただきましたけれど も、実際に吉村委員、いかがでしょうか。 ○吉村委員  大変いい意見だと思いますが、社会的な観点から、今、渡辺先生がおっしゃったと思 うのですけれども、私はもう少し医学的な観点から申し上げますと、50歳代あるいは60 歳で子どもを産んだという医学的なデータは大変乏しいわけです。イギリスのブリンス デンがお見えになったときにも私はお聞きしたのですが、そういった50歳以上の妊娠経 過についての詳しいデータはあるのかとお聞きしますと、やはり「ない」とおっしゃる わけですね。例えば現実に卵子がなければ50歳でも60歳でも子どもが産めることは前か らわかっていたわけで、どうして50歳で閉経が来たかというと、卵子がなくなるから閉 経になるわけですね。  医学的に、例えばそういった方が妊娠した場合に、たまたま60歳の方が元気な子ども をお産みなったということは大変喜ばしいことですが、例えばお母さんが60歳で妊娠し たことによって、65歳でどういった合併症が出てきたかという統計はないわけですよ ね。これはかなり自然に逆らった医療であることには違いないわけです。  そういうことを考えていきますと、私たちはこういったデータがない、あるのは厚生 省から出ている統計だけなのです。40歳以上でどのくらいの方が亡くなっているかとい うデータしかないわけです。これはほぼすべてが自然妊娠だと思うのですけれども、40 歳以上の妊婦さんが亡くなるという割合はほかの40歳以下と違いまして高くなってくる わけですね。  そういうことを考えると、私は最高でも医学的に見て自然閉経、相良先生がおっしゃ ったように50歳が上限であろうと。50歳であれば、子どもが20歳になったときに70歳に なっている。社会的な観点からまた難しい問題があると思いますが、医学的には50歳前 後であろう。私は60歳でも産めるというような女性がたとえあらわれたとしても、これ はその60歳の方が将来どういうふうになっていくかということについての医学的なデー タを私たちは持ち合わせておりませんので、50歳前後でよろしいのではないかと私は思 います。 ○矢崎部会長  社会的要因あるいは医学的要因からそのあたりの線でどうかということでございます けれども。 ○安藤委員  私は助産婦として働いておりましたのですけれども、出生前診断の年齢を35歳という ところで区切っていたところで、お母様方にお話を伺ったときに、35歳というそういう 線引きをしたということに対して非常に反感を覚えていらっしゃる方がたくさんいらし たのですね。でもお話ししていきますと、やはり35歳以上というところでの身体的なリ スクというのはわかっていらっしゃるんですね。でもそういうことによって非常に差別 される、そういう思いというのはすごく女性にとって大きいものなのだなというのを感 じております。私も50歳ぐらいでいいのではないかと思いますけれども、こういうもの に出すときにはやはり「自然閉経」というのでよいと思います。  渡辺先生とか平山先生がおっしゃっていましたように、その方がどうしても妊娠した いというのは何かあるわけなんですね。子どもを持ちたいというその辺のところは、医 学的な問題だけではなく社会的な問題というのが非常にあります。  お話を伺っていますと、不妊治療した方は非常に妊娠をして出産まで流産が怖くて、 いろいろな面で決意をしながら体を大事にし、それがゴールであるかのようにとらえて いる方が多いんですね。でも、子どもを産んで育てる方が非常に長いわけですね。そこ を大事にしていかなければいけないのではないかと思うのです。この生殖補助医療のと ころで、これから検討していかなければならないのは、先ほど渡辺先生がおっしゃいま したように、やはりそこのところが非常に大事なのではないだろうかと思いますね。ど うしても子どもが欲しい、またできない。そういうところはいろいろお話をしていく中 で非常にお互いの気持ちが見えてくる部分があるように私は思うのです。その辺のとこ ろでのカウンセラーのシステム、サポート体制を整えていく必要があるのではないだろ うかと思っております。 ○矢崎部会長  そのほかいかがでしょうか。 ○石井委員  「子の福祉」というのは、私は前の報告書では、項目の中の検討事項の最初に書いて ある考え方で一番大事なことの1つに入っているので当然の前提だと思っているのです が、それではあるのですが、ここで書いてある夫婦が子育てに耐えられるというような 要件みたいなことを具体的に個々挙げるというよりは「子の福祉」ということが大前提 になっている。そこをはっきりさせる基準というものは「加齢による」というものより は、もう少し高次元のところで明示される必要があるのではないかと思っています。  細かいことについては、それこそカウンセリングでの事項として、何らかのところで 示される必要性があるのではないかと思います。 ○矢崎部会長  どうもありがとうございました。冒頭、鈴木委員から座長が強引に話を進めるのでは ないかというご発言がありましたけれども、私そういうつもりございませんけれども、 この検討事項が終わってみれば何ともないかもしれませんけれど、私今見るとエベレス トが次も次もあるような感じがしますので、ある程度議論が済んだところで、一応こう いう議論でしたということで、また事務局の方でまとめていただいて、また再び問題が あれば議論するということでちょっと前に進めさせていただきたいと思います。  今、石井委員が言われたように、専門委員会の報告書を読みますと、第1番目が「子 どもの福祉」を考えましょうという大前提でありますので、根底にはそれが連なってい ると思いますが、もし可能であれば、そういうことをさらにこれを読んだ方がすぐ理解 できるような工夫が必要かと思います。  先ほど福武委員がおっしゃられたように、女性の場合には、今医学的にも社会的にも 妥当な線は自然閉経あたりではないかという皆さんのご意見だと思います。それでは男 性の方はどうかというきついご質問受けたのですけれども、これはどういうふうに考え たらいいか、ちょっと私にはわからないのですけれども、まず困ったときには吉村委 員。 ○吉村委員  これは男性は決めなかったんですよね。 ○加藤委員  精子の提供について、男性の上限決めましたね。 ○吉村委員  精子の提供については55歳未満ですね。 ○石井委員  提供を受ける人の方ですね。 ○吉村委員  提供を受ける方の人については決めなかったですね。 ○石井委員  決めてないですね。 ○吉村委員  専門委員会で決めなかったので。 ○矢崎部会長  夫の年齢が、ですから医学的には女性と違って問題ないですけど、恐らく社会的な要 因でそういうことが入ってきますね。 ○吉村委員  はい。 ○矢崎部会長  そうしますと、先ほどの夫婦ということでございますけれども、妊娠できないという 観点からどうしても母親を視点に置いておりますけれども、そういう視点からも考慮す るということを「子の福祉の観点から」ということでちょっと議論をまとめるときにそ ういう観点も入れるということで一応ここの項目の議論は終わらせていただきたいと思 いますが、よろしいでしょうか。すいません。それでは、もっと大変なのが次から次へ とありますので。  次は「自己の精子・卵子を得ることができる場合には、それぞれ精子・卵子の提供を 受けることはできない」という、ちょっと私自身もこの本当の意味をとらえるのが大変 難しかったのですけれども、この中の「○」のところを見ますと、最初これは「医師の 裁量に任せるか?具体的な判定基準を設定するか?」ということでございますが、これ は医師の裁量だけではなくて、ある程度の判断基準というのはこの部会で決めさせてい ただければと思います。  具体的な判断基準をどうするかということでありますが、その下に3つの「○」でご ざいます。基準としては恐らくこういうふうに整理できないかと思いました。1つは、 精子ないし卵子の細胞そのものが、いろいろな段階があるわけです。それは成熟細胞で ある。あるいは成熟細胞はないけれども、未成熟な細胞は存在する。その2つの点がご ざいまして、成熟細胞があれば、受けることができない。  これは細胞そのものの段階ですけれども、もう一つは、成熟細胞があっても機能的な 質的な問題があって、どうも受精卵ができないという2つの視点からの問題の区分けが できるかと思います。まず細胞そのものの成熟細胞があれば自動的に生殖補助治療が受 けられないというのが1つだと思います。もう一つは、成熟細胞はないけれども、未成 熟細胞がある場合、それを補助医療で行う資格があるかどうかを議論していただいて、 その場合には未成熟細胞のどのレベルで線引きをするか、極めて専門的な判断が要ると いうことになるかと思います。  最初の「○」は、生殖細胞があれば受けられないけれども、未成熟細胞があれば一応 受けられるのか、あるいは未成熟細胞があっても、今の医療の技術の進歩によって受精 する可能性があるので、未成熟細胞もあれば(このような提供の場合には精子・卵子) 受けられないかどうか。その辺の判断が問題になっているかと思いますけれども、最初 は専門家にお聞きするより、何か委員の方々で、どうぞ。 ○鈴木委員  紙面で提出させていただいた意見は自分なりにわかりやすく書かせていただいたつも りなので、とりあえず実施の可否の前提については、ドクターだけではなく児童福祉な どの方も交えた上で判断していただきたいということを前提に置いています。逆にそう いう中でもまさにこれこそは医師の判断の領分ではないかと思っているのですね。  通常、不妊治療の現場の中で、ドクターたちは未成熟の細胞があるとかないとか、成 熟細胞が1個あるとか2個ないとか、そういう形での判断ではなくて、例えば運動率や 生存率とかいろいろなチェック項目があると思うのです。その中で総合的に判断なさっ て、あとカップリング、相手の女性の問題もありますし、そういう中で最大限ご夫婦で まず子どもができるような努力をかなり積み重ねた後、それでもいよいよというとき、 本当に精子がどうしても絶対採れないというときにAIDというか精子提供に踏み切っ ていらっしゃると思うのです。  そういった現実と比べると、これはまず問題点としては、未成熟の細胞というのが、 例えばずっと前から円形精子細胞の使用なども取り沙汰されていたわけですが、例えば しっぽができてない精子を使うことも安全性ということは私は確立されているとは思い ませんし、まだ実験的な医療ではないかということが1つ。  それから、仮に今言ったように、成熟細胞が、それこそ精子が1匹でもあれば提供は 受けられないとするのは非常に現実とはそぐわない話ではないかと思いますので、この 項目はむしろなくてもよいのではないと考えますが、ドクターのご意見を伺いたいと思 います。 ○矢崎部会長  どうもありがとうございました。細胞の成熟度との兼ね合いと、もう一つは、今お話 になられた機能的なものとかそういうものを相互に組み合わせて検討していかなければ ならないというご意見だと思います。もっともなご指摘だと思いますが、ほかの委員の 方々、どうぞ。 ○金城委員  先ほど遺伝性疾患を理由とした提供については今回は検討しないということですよ ね。ですから普通の場合は、できるだけ当事者の精子や卵子で妊娠したいのだけれど も、でもいろいろ試みてもだめだと。だからということになると思うのですね。そのと きにできるだけそういう努力が払われるだろうと思いますので、あとは医学の進歩によ ってもまた変わってくると思いますので、これは今の鈴木委員のご意見のように「医師 の裁量」ということで私はよろしいのではないかと思います。現段階でいろいろこれか ら技術が発展するかわからないのに、現段階で少なくとも法律だとかガイドラインだと かということで決められるものではないような気がするのですが、いかがでしょうか。 ○矢崎部会長  ありがとうございます。どうぞ、石井委員から。 ○石井委員  私も「医師の裁量」ということでこの点について反対するわけではないのですが。こ の記憶が間違っていたら吉村先生に訂正していただきたいのですが、前の委員会のとき に、これにあえてこういう項目、抽象的なものは必要だと思うのですが、この項目が入 った1つの背景として、卵子は若い方が妊娠できる、何回やってもできないときにそれ で卵子をもらったらできる。割に安易に卵子提供ということが使われる危険があるので はないか。そういう指摘を吉村先生から受けて、自分のがある場合にはそれを使いなさ いということを明示する必要性があるというふうに聞いた記憶があるのですが。 ○矢崎部会長  ありがとうございます。ちょっと吉村委員、そのお答えも準備していただきたいと思 います。 ○平山委員  実際不妊症治療の現場にいる者から言わせていただくと、今、石井先生がおっしゃっ たように、何回やってもうまくいかないという方は非常に多いのですね。この案では、 精子・卵子が採れる、採れないというところが1点。それから、受精する、しないでと いうところになっています。ですけれども、私の意見の方に書きましたので読んでいた だいていると思いますけれども、現実的には受精までしてもお子さんにならない卵はも のすごくたくさんあって、不妊症治療の最前線では今そこが非常に問題になっているわ けですね。そうなった場合には受精もする卵は何個も何個もできる。だけれども2日 目、3日目、4日目でarrestしてしまう。そういう患者さんはずっと提供は受けられな い。卵子・精子がない方はすぐ提供が受けられると、何かそういう矛盾も出てくると思 うのですね。 ですからそこら辺もあるレベル以上のドクターであれば、医師の裁量というのはでき ると思うのですね。この方は本当に提供を受けなければ妊娠できないご夫妻であると判 断できると思うので、医師の裁量としてもいいのではないかというのが私の意見で、あ まり、精子を採れる、採れないとか、受精する、しないというのをガイドラインを決め てしまうのはどうかと思います。 ○鈴木委員 今のお話と関連するのですが、先ほど加齢のご夫婦の話のときに一言も言わなかった のは、実はそことの絡みなのですね。要するに良好胚ができないというケースをどう扱 うのかというのが加齢の問題との絡みでどうもすっきり話がおさまらないという気がし ているのです。これは卵提供をどうするかという話できっともう少し詰めていく話だろ うと思っているのですけれども、とりあえずここで、例えば順番にしたいのは、むやみ やたらに卵をもらいたい人というようなことが目的なわけですよね。 ○矢崎部会長  そうですね。 ○鈴木委員 ただ、そこでむやみやたらというイメージが人によってかなり違って、現実には42か 3、4ぐらいで、良好胚がいよいよ、恐らく加齢の影響もあると思いつつ良好胚がいよ いよできなくて、若い人の卵をもらいたいという話が、それこそターナー女性というよ り、そちらの卵提供を解禁したら、そちらの要望の方がどっと来てしまうだろうという ことは、吉村ドクターも前の委員会のときにおっしゃっていましたし、その辺の話をも し吉村ドクターの方から整理して伺えるのであればと思っていますが。 ○矢崎部会長  吉村委員にすべて委ねていいかどうかわかりませんけれども、よろしくお願いしま す。 ○吉村委員  すべて答えられるかどうかわかりませんが、大きな問題点として今挙げられたのは3 つあると思うのですね。事務局から出されて未成熟ということに対しては、精子と卵子 を分けて考えなくてはいけないです。卵子というのは卵胞細胞から卵子になるまでは自 然成熟といいますが、採り出してくれば、ある程度成熟するわけです。精子というの は、未成熟な精細胞である精母細胞は精子になれないわけです。減数分裂というのは2 nからnになるのですが、nになる過程が精子と卵子がまず違うということです。  まず、今現実に欧米などで行われている医療は、要するに未成熟な精子細胞を用いて いろんな治療を行っているわけです。そうなりますと、まだこの医療に関しては、例え ば円形精子細胞、もっと前の第二精母細胞、動物などではそういったものよって子ども が生まれているわけですけれども、ヒトにおいては円形精子細胞ではたくさんの子ども が欧米では生まれています。これは精子になる前のしっぽができる前。そういった未成 熟な精子を用いた医療というのはまだ本当に安全性は確立してないわけであります。  それはどういうことかといいますと、当然のことながら受精率は低いわけですし、遺 伝子の異常がそういう人たちによって起こってくる可能性もあるわけです。そうします と、私たちはそういった精子を用いることによって、子どもをつくることによって、ま た男の子が生まれてきたりしますと、同じ子どもをつくってしまうという可能性もある わけです。それから、ちょっと難しいのですが、ゲノミック・インプリンティングが起 こっているか起こってないかという問題点もありますけれども、これは除外しておきま して、そういったように安全性がまず確立されていないということです。未成熟な問題 点。  それから、卵子のクォリティの問題です。エージングの問題ですが、先ほど石井先生 がおっしゃったように、自己の卵子があるにもかかわらず、それが受精しないからとい って、こういった医療を受ける方が当然増えるだろう。若い卵子をいただきたいという 方が増えるだろうということで、こういった歯どめを一応つくっておいた方がいいので はないかという、私は専門委員会の結論だったと思います。  実際上、こういった方が、ターナーなどの症例よりは、私はこういう方が増えてくる のではないかと思います。ですからある一定の歯どめは必要であろう。しかし、平山先 生がおっしゃるように、実際にこういった精子を使い、卵子を使って通常の生殖医療を 行ったとして、受精が起こっても、あるいは受精が起こらない方、受精がたとえ起こっ ても、それが全く発育しない方、こういう方は当然お見えになるわけです。それはほと んどが卵子のクォリティによっていることが多いと思いますが、そういった方は必ずお 見えになるわけです。こういった方にどうやってこういう医療を与えるかということを 考えますと、顕微授精あるいは通常の体外受精を何回やっても受精できないような方に はこういった医療はやってもいいですよということで「○」の3番目が出てきた。  先生、こんなところでよろしいでしょうか。 ○矢崎部会長  どうもありがとうございました。 ○鈴木委員  私なりの整理なのですけれども、最初にエージングの問題を除外しようという話にな っているわけですよね、「加齢による夫婦は対象にならない」と。それが今閉経かどう かという問題と矛盾するので、わかりにくいのですが。 ○吉村委員  説明いたします。加齢により妊娠できない方は自然閉経に近づいている方ですから、 当然のことながら排卵がなかったり卵がないような方となるわけです。今の卵子のエー ジングというのは、例えば40代の人でもエージングは始まっておりますし、当然のこと ながら受精するだけの能力というのは40歳の方の卵子は下がっているわけですね。こう いうのも加齢(エージング)というわけです。それでおわかりいただけましたか。 ○鈴木委員  いや、それは理解しております。 ○石井委員  それを排除するのかどうかということを聞きたいわけですね。 ○鈴木委員  はい。だから、そういうエージングも排除したいという話で、だけど、一番最初の加 齢の話のときは「閉経」という1つの指針が出たので、そこで矛盾にならないかという ことをずっと考えているのですが。 ○吉村委員  そうではなくて、私はこの事務局の案では「数回実施しても」と2行目に書いてござ いますね。これは恐らく、例えば3回、4回、それはわかりません。こういった顕微授 精、体外受精をしても受精しない場合、自分の卵子があった場合です。こういったこと を確認してから、こういう医療をしてもいいのではないか。これは卵子のエージングに よって当然のことながら受精ができない。あるいは受精後の発育が起こらない。こうい う理解でいいと思うのですけど。 ○矢崎部会長  吉村委員、この場合、お答えいただいた回数などを具体的に定める必要があるかどう かということについては何かコメントございますでしょうか。 ○吉村委員  これは大変難しいと思うのですが、3回やったらいいのか4回やったらいいのか、そ れはわかりません。ですから私は一度は自分の卵子・精子がある方というのは、自分自 身のものを使って、受精する、受精しないということを一応確かめておいてから、その 後、判断は2回にするか3回にするか、私は2〜3回された方がいいと思うのですが。 ○矢崎部会長  いかがでしょうか。 ○鈴木委員  法律かガイドラインという話からいえば、そういうような話はまさにガイドラインの 中に、例えば「望ましい」とかそういった形で表現されていくものだと思いますし、そ れこそケース・バイ・ケースでドクターとご夫婦が決めていくもの。まして、例えば顕 微授精、体外受精というのは、そのご夫婦が自腹でそれこそ何十万かけてやるわけです から、回数を決めるというのも余り現実的でなかろうと思うんです。というか、こちら がやりなさいと言えることではないと思いますので、むしろ今話していた中身というの は、ある程度の適用というのかしら、それこそ大ざっぱに決めた上でドクターとそのご 夫婦が話していくということではないかと理解していますが。 ○矢崎部会長  現実的にこういう指針で回数とかそういうのは具体的に挙げられないと思いますけれ ども、今、吉村委員のお話のように「望ましい」という努力目標として、そこに述べさ せていただきたいと思いますけれども、荒木委員から、学会の立場からどういうふうに コメントいただけますでしょうか。 ○荒木委員  学会では現時点ではAIDだけしか認めておりません。そこで平成9年5月に、精子 提供に関する会告あるいは見解を出しております。それによりますと、ちょっとご紹介 させていただきます。「女性側に明らかな不妊原因がないか、あるいは治療可能であ り、以下のような場合本法の適応となり得る」と言っております。その以下なる場合 は、「1)無精子症及び無精液症、2)精子死滅症または極端な乏精子症で、種々の精 子増強策や顕微授精等を行っても受精せず妊娠不可能と考えられる症例であるが、原則 として本法の施行は無精子症に限定されるべきである」と会告に述べております。  以上です。 ○矢崎部会長  どうもありがとうございました。今の話では基本的には医師の裁量にお任せする。し かし、その内容は、一定の歯どめ、努力目標を定めておいた方がいいというご意見でご ざいますので、その方向、どうぞ。 ○相良委員  今のこの部分のところで非常に私が難しいと思ったのは、この医療が、受精卵までは 作れるけれども子どもを持つまでに至らないそういうご夫婦が対象になるのかどうかと いうところなのですけれども、今ご指摘があったように、AIDの場合にはかなり限ら れた制限というのが設けられているわけですが、もしこれをもう少し今の議論にあった ように、精子・卵子が採れるけれども子どもが持てないというところまで拡大するとい うことであると、この第三者からの精子・卵子・胚を用いた生殖補助医療というものが 私が今まで思っていたより拡大されているような気がするのですね。かなり受ける方が 増えてくるのではないかと思うのですが、前回のときに、この医療を余り拡大するつも りはないというような最初の前提があったように思うのですけれども、その辺のところ をどういうふうに考えたらいいのかちょっと教えていただきたいと思います。 ○加藤委員  この前のときはともかく不妊症であって、通常の治療では子どもを得られない場合、 大きな枠が不妊症で、その中から通常の治療が可能であるものを除外して、その中から 生殖補助医療の適用を決めていく、そうい考え方だったわけですね。ですから自分で子 種を持っている人は他人の子種を使うことができない。今、平山さんがおっしゃったよ うに、たまたま出来損ないの子種を持っているためにその恩恵にあずかれないのかとい う問題も当然出てくるわけですけど、ともかくこの前の基準では、自分の子種があれ ば、それはもうちょっと別の方法で治療してもらいましょうと、そういう考え方だった と思います。  それから、精子の場合に、もうちょっと頑張れば生まれるんじゃないのというとき、 途中であきらめちゃって、もういいや、おれは他人様の精子で産むわという場合も、一 応適用例に入れて判断したと思います。 ○矢崎部会長  よろしいでしょうか。どうもありがとうございます。  その項の下の方に、「優先順位を設けるか?」という項目がございます。優先順位を どうするかということについてはいろんな選択肢があるかと思いますけれども、吉村先 生のお話をお聞きしますと全国的に公平に実施するような機関、移植の臓器ネットワー クみたいなものができて、その運営が果たして実現性持ったものであるかどうかという ことが問題と、それから優先順位そのものは個々の医療施設で実施する際に、国の方針 として優先順位をあえて決める必要があるかどうかというのが1つ問題ではないかと思 います。  それから、やはり目安として漠とした優先順位をつくるかどうか、一層公平性、説明 性を高めるためには先着順で受け付けるかどうか、あるいは医師の裁量に任せるかどう か、いろいろ選択肢があるかと存じますけれども、実際にどういうふうにこれは優先順 位を進めていったらいいか。この問題も大きいと思いますが、いかがでございましょう か。 ○加藤委員  これはすべて提供が匿名で行われた場合のことですよね。だから匿名でない場合には 優先順位は適用できないということになるわけですか。例えば妹がお姉さんに提供する というときは優先順位とは無関係ですよね。 ○矢崎部会長  そうですね。専門委員会では一応、学会はオーケイではないですね。 ○荒木委員  ないです。 ○矢崎部会長  専門委員会は一応オーケイ。だから、その場合には特例になりますですかね。 ○加藤委員  ちょっとお聞きしたいのですが、すべての精子や卵子の提供をセンターで共同管理し て臓器移植のようにした場合に、そのこと自体が難しいとかやめた方がいいとかという ことはないのですか。できれば、センターで中央管理した方がいいわけですか、医学的 には。 ○矢崎部会長  どうなんでしょうか。これはなかなか、吉村委員。 ○吉村委員  医学的にですか。 ○矢崎部会長  臓器移植と同じように、これは恐らく提供者がこれで定まった場合に、十分確保され れば優先順位というのは余り問題にならないと思いますけれども、もし何か提供者が匿 名性がある程度、どの程度担保されるかどうかにもよると思いますが、そういう課題が 入ってまいりますが。 ○吉村委員  医学的に一元管理化するといいのかどうかということについてはちょっとわからない のですが、あとの生まれた子どもさんのことを考えていくと、例えばそういった生まれ てからのことを考えていくと一元化がいいだろうという話し合いではなかったですか ね。  また、優先順位を決めるということは、これは私は難しいと思います。それぞれの方 が、自分が一番最優先だと思ってみえるでしょうし、それを決めるのはちょっと難しい と思います。  ただ、私は前のところで言ったのは、説明をしただけでありまして、相良先生がおっ しゃったように、拡大をされてとらえられていないかといったことについては、もう少 し検討が必要だと私は思います。 ○矢崎部会長  今の吉村委員の話は、情報管理については一元化であれというのも、提供生殖細胞に ついては一元化はなかなか困難ではないかというお話。 ○加藤委員  少数の提供者があって、だれでもが使える状態のときに、基準をどっちみち決めなけ ればならない。だから非常に基準を決めることは難しいかもしれないけれども、優先順 位を決めなければならない。だからくじ引きで決めてくださいでもその場合いいわけで すけれども、ともかく決定をしなければならない以上は決定の根拠を定める必要がある のではないでしょうか。 ○矢崎部会長  吉村委員、今、例えばどこか凍結して保存して優先順位を決めて、何かそういうお考 え……。 ○加藤委員  1つの卵子の提供があって、10人候補者がいた場合、ともかくそれを捨てるのでない とすれば、だれかに決めなければならないですね。優先順位かどうかは別として。 ○吉村委員  加藤先生がおっしゃっていることは大変よくわかるのですけれども、それを決めると いうことは非常に難しい。極めて困難。 ○加藤委員  決められないから捨てちゃうということも。 ○吉村委員  いやいや、そうではなくて。 ○金城委員  申し込み順とおっしゃいましたね。 ○吉村委員  そういった方法でしかないと思うんですけれども。 ○石井委員  申し込み順だとすると、それこそ自分のはあきらめて早く申し込みしないともらえな くなっちゃいますよという話になる危険はありますし、私は一元管理がいいということ は提案させていただいたのは公平性、数が多分少ないであろうから、一番望ましい人に 与えた方がいいのではないかと思うから一元管理の方がいいと思っているのですが、優 先順位を抽象的にやるとすれば、先ほどの加齢という基準を、卵子のところにどう加え ていくかということは1つの方法だと思うのですが、どうしても自分のものがないとい う人はそれによらざるを得ないから、まず優先的にもらえるという考え方、そういう基 準はつくれるではないか。年齢というのはかなり難しいと思うんです。45だとタイムリ ミットが早くくるから、先にその人を優先するのか、それとも35歳で子どもがない人の 方が自然なことで持てないという可能性からいけば、45歳の人が持てないことは不思議 なことでもないわけですから、35歳の人を優先するのかというのは大変難しい判断にな ってくると思います。 ○矢崎部会長  わかりました。そこと括弧の中にございますように、「無精子症、ターナー症候群、 卵巣機能不全などで物理的に精子又は卵子が存在しない者に優先的に提供することとす るのか?」、この問題ですね。これはよろしいですか。 ○高久委員  これは産科の先生にお伺いしたいのですけれども、精子の提供の場合に、1人の提供 者を何人にも使うということは可能なんですか。 ○吉村委員  可能です。 ○高久委員  卵子の場合もある程度数採れますね。幾つぐらい採れるんですか。 ○吉村委員  10個ぐらいは採れる。 ○高久委員  10個ぐらい採れるとすれば、実際にくれるかどうか別にして、10人に1ずつというこ とは可能なのですか、難しい。 ○吉村委員  理論的には可能ですけれども。 ○福武委員  よくわからないのですけど、精子の場合と卵子の場合、それは決定的に違うだろうと いう気がするんですね。 ○矢崎部会長  後で、また卵子、議論がもとに戻ってしまうかもしれませんけれども、それぞれのと ころにそれぞれまた議論すること、卵子あるいは精子にスペシフィックな問題ですね。 ○福武委員  (1)、(2)、(3)という、卵子の場合と精子と分けてありますよね。それを今一緒に議論 されているように思ったのですが。 ○矢崎部会長  そうなんです。 ○福武委員  やっぱりそれはおかしいのではないか。精子の場合と卵子の場合分けて、ほかの国が 一体どういうふうになっているのかということまで紹介していただきながら議論した方 がいいと思いましたが。 ○矢崎部会長  一応専門委員会の報告がこういうふうなことになっていますので、一応大前提として そういうことを今ご議論いただいたのをベースにして、個別的にまた後で議論したいと 思います。今優先順位の話ございましたけれども、大体こういうようなベースで、吉村 委員よろしいでしょうか、括弧内の。 ○吉村委員  これを優先するということですか。 ○矢崎部会長  そうですね。もちろんご議論いただける方がありがたいです。 ○吉村委員  大事なものから、精子に関しては無精子症ですね。それからターナー症候群、卵巣機 能不全というのは、早発閉経を言われているだろうと思うんですけど、そういったもの が優先的になるということは、これはやむを得ないとは思いますけれども、そのほかは 非常に難しいのではないでしょうか。これはこういう順番でやっても医学的にはおかし くないと思いますけれども、こういったことを決めるというのは大変難しいと私は思い ますけれども。 ○矢崎部会長  優先順位としては、例えばこういう方は優先される。 ○吉村委員  優先されるということは言えます。 ○矢崎部会長  いわゆる臓器移植みたいに細かい規定で順位を……。 ○加藤委員  手が大分挙がっています。 ○矢崎部会長  どうぞ。 ○岸本委員  優先順位ということなんですけど、例えば高齢の人を先に卵子提供するにしたら、40 代、30代の人が先に順番を待っていて、意見の方にも書かせてもらったんですけど、 ターナーの人は全然卵子がないということではないのですけれども、例えば25歳で結婚 されて、いろいろ検査した結果、卵子はゼロという方がたくさんいらっしゃるんです ね。例えば年齢が上の人からとっていきますと、いつまでたってもターナーの人とか卵 巣機能不全の人が卵が当たらない。第三者の方に限ってですけれども、卵が当たらない という状況になりますし、また逆にターナーの人ばかりを先に優先的に持っていくと、 高齢で、あと何年かしか妊娠期間が望まれないという方はずっと待ってなくてはいけな いという感じなので、私個人の意見としては受付順といいますか、受付順に希望した順 に、登録された順にやっていくのが一番公平なやり方ではないかということで、私は ターナー症候群の患者の団体の代表ですけれども、ターナー症候群を優先的にというの はちょっと違うのではないかということで、公平さがあるように、先着順というか受付 順が望ましいのではないかと思います。 ○矢崎部会長  先着順もまた先ほど石井委員がおっしゃった問題点があるので、優先順位の決めるの はなかなか難しいけれども、物理的にとてもこの方は無理だという方は一応優先すると いう、絶対条件ではなくて、配慮するというようなことで、優先順位といいますと、1 位、2位、3位ということになりますので、そうではなくて配慮するというような感じ でお認めいただけますでしょうか。 ○鈴木委員  今、部会長がおっしゃったのは、具体的によくイメージがわかなかったのですけれど も、例えばターナーの方と卵巣、早発閉経の方が同じ30歳でいたときに、どっちが優先 と言われると、どっちが優先という話も違うというのでしょうか、変だと思うのです ね。ごめんなさい。私が言いたかったのは、35歳の例えばカップルがいましたと。お一 方は結婚をそれこそ半年なり1年で最初の検査で無精子だということがわかって、今ま でそんなに不妊治療をしなくてというのでしょうか、期間も短くてという方と、例えば 極度の乏精子で既に5年とか8年、それこそ体外受精、顕微授精繰り返してきたという 方と、結局同じところでいらっしゃるわけですよね。では、それで結婚1年の方の方が 先に精子もらえるとなると、その方たちが5年なりやってきた方にとってもちょっと納 得いかないという気持ちも出てくるのではないかと思うのです、現実的な話として。そ ういう意味では申し込み順の方がよいのではないかと私は思っているのですが。 ○金城委員  これは臓器移植は全く医学的な問題として考えていいわけですよね。でも不妊という のは社会的な問題として考えていかなければいけないと思うんです。ですから、私は医 学的にどうだからということで、優先順位をつけることは、今度は差別に当たるのでは ないかと思います。ですから優先順位は原則としてつけない。  先ほど石井委員がおっしゃったような危惧に対しては、ほかのところでチェックをし ていくことが望ましいのではないかと思います。 ○加藤委員  臓器移植の場合には評価基準が一元的ではなくて、緊急度だとか待機時間だとか、成 功率だとか、そういうのの点数にして複合でもって決めているのです。ですから順位を 決める場合に一元的であるという前提で決める必要はないと思います。 ○矢崎部会長  ただ、全然違いますけど、適応疾患とかそういうのがございますよね。ただ、先生の 言われるとおりに心臓の状態がどうかだけでは判断できないということ、心臓移植の場 合。 ○町野委員  無精子症とかいうことが優先される理由が、私はまだ理解できないのですが。優先順 位を考えるなら子どもを既に持っているかとかいうことの方がむしろ考えられるので、 どうして医学的なことが優先されるのかちょっと私は理解できないのですけど。ご説明 いただけたらと思います。 ○吉村委員  質問の意味が私はわからないのですけれども。 ○小林主査  事務局から、ここでどうしてそういうふうに書いたかということで説明させてもらい ます。一応ここにも書いているんですけれども、物理的に精子とか卵子が存在しないと いうことであれば、恐らく今の段階でどう治療してもご自身で子どもをもうけられると いうことが難しいのだろうと。その他の例えば物理的には精子・卵子は存在するのだけ れども、なかなかうまくいかないという方よりは、可能性的に子どもをもうけられるこ とが低いのではないかと。そういう方について優先順位を上げてあげるという方法も1 つの考え方としてはあるのではないかということで書かせていただきました。 ○町野委員  要するに上の方の、先ほどの議論の決着がついたか私はわかりませんけど、それと連 動しているということですね。そこで広げちゃうという前提の下で、初めてこの優先順 位の問題が今の医学的考慮も含めて出てくるということですか。 ○矢崎部会長  上の条件でその中での話。 ○町野委員  今のご説明ですと、もしかしたら自分たちの精子あるいは卵子を用いて受精される可 能性は乏しいけど、あるかもしれない人は後回しにするという考えですか。 ○矢崎部会長  そういう可能性ですね。 ○町野委員  ですからその前提には今のような、乏しいけど可能性のある場合についても認めると いうことが前提になっているということですね。 ○矢崎部会長  はい。 ○町野委員  わかりました。その意味だったら理解できます。 ○矢崎部会長  ですので、どなたにどのカップルが提供受けるかということについては、最初の議論 に戻りますけれども、医師の裁量とすると。しかし、そこの「○」が幾つかございます ように、条件をある程度目安をつくって、優先順位についても、物理的に不可能な方を 優先するというか、配慮するぐらいのことで、難しいですね。 ○平山委員  そこにこだわられるのがよくわからないのですけれども、結局この医療を求めておら れる、お子さんが欲しいという思いの切実さというのは、この病名や疾患単位では量れ ないと思うのです。カウンセラーとしていつも話を伺っていますと、無精子症の人の方 がこの治療を求める、あるいは子どもさんを望んでおられる本当に深い理由というのは 優先順位はつけられないはずだと思うのです。個々のケースを照らし合わせてみなけれ ばそれがわからない以上、疾患単位で優先順位を設けることには余り意味がないのでは ないかと私は考えます。 ○矢崎部会長  そうしますと、優先順位は全くつけられないですよね。 ○平山委員  はい。ですからそれこそ先ほどおっしゃったような申し込み順とかそのほかの方法と いうのを考えるしかないかと思います。あるいは先ほど加藤委員がおっしゃったよう に、一元的なものでなくてもいいということであれば、そういうのもポイント化するの か、スクリーニングやそのときの子どもを欲する理由あるいは望んでいる気持ちの強さ というのをポイント化するのか、それは現実的ではないですけれども、そのようになる のかと思うんですね。その疾患単位も1つ優先順位というのの基準にするのであれば、 そういうのも基準にすべきかもしれませんし、ただしもちろんするべきと言っているわ けではありませんが。 ○矢崎部会長  申し込み順というと余りにもあれですから、臓器移植の場合には待機期間とか、要す るに受持ちがこういう治療でないといけないというふうに判定してからの待機期間と か、そういうようなニュアンスで、私としては受付順というのは避けたい気持ちがある のですけれども。 ○加藤委員  住宅金融公庫みたいな。 ○矢崎部会長  よろしいでしょうか。ですから複合的に平山委員がおっしゃったようないろいろな加 味で決定していただくということでよろしいでしょうか。はい、どうぞ。 ○小林主査  すいません、事務局から補足ですけれども、多分全体を論点にわたって同じことかと 思うのですが、1つは国としてあえて一律の基準を設けるかと。もう一つが、国は設け ないけれども、何らかのものを個々の医師とか学会という中で設けていくのかという問 題があると思います。この優先順位の話にしても、かえって国が優先順位をこうと決め なくても、個々の利用機関や医師の裁量でやるということが可能と。逆に言えば、国が 決めなければ、そこのところは医師の裁量であるという考え方もあるのかと思います。 ○矢崎部会長  最初に申し上げたように、医師の裁量に全く任せた場合、個々の医療機関の中で判断 されてしまって、医療としてしっかり定着させるには、我が国において生殖補助医療の ばらつきをそんなに大きくしたくないという、私これは個人の考えで、国民の皆さんに 理解を得るには、ある程度スタンダードみたいなのを置いておいた方がいいと思うんで す。  ただ、法律とかそういうガイドラインで細かいところまで言うのではなくて、一応こ ういう議論をした上で、踏まえて今後どうするかというのは、また今後の対策で相談し たいと思います。  局長からどうぞよろしく。 ○岩田局長  質問なのですけれども。今の話にもちょっと出てきたのですけれども、私自身がよく 理解できていないのは、提供される卵子・精子・胚の、どの範囲をどこで管理するかと いうことについては前の専門委員会では余りはっきりした結論がないというふうに私は 報告を受けているのです。ですからきょうお配りいたしました参考資料でもはっきりそ れがあらわれておりませんで、公的管理運営機関はどうも情報を管理するらしいと言わ れているのですけれども、そういう精子等の管理はしないという理解でいいのかどう か。  それから、この図ですと、Aという医療機関からBという医療機関に精子・卵子・胚 が移管するということは想定しているはずになっているのですが、そういう理解でいい のかとか、今ここでということではございませんが、適当な段階でそのこともご議論い ただければと思います。 ○矢崎部会長  今のご質問に関しては、情報に関しては一元的に管理していただくと。ただ、生殖細 胞についての一元的な管理というのは現実的には極めて困難であるという、先ほどから 専門の委員の先生から言われていますので、これは各医療機関でそれぞれ責任持って管 理するということになるかと思いますけれども、その点を。 ○岩田局長  そうしますと、医療機関の間での移管というのはどういう形で、だれがそれをコーデ ィネートすることになるのでしょうか。あるいは既に今もAIDについては、そういう ことがやられているのでしょうか。そういうことをお尋ねしたいと思います。 ○矢崎部会長  ありがとうございます。これは今まで余りなかったケースですね。 ○吉村委員  そうです。 ○矢崎部会長  吉村委員から。 ○吉村委員  矢崎先生が私の考えを誤解されているのかもしれません。私の個人的な考えは、公的 管理運営機関が胚・精子・卵子を管理する方が私はベターだと思っています。そうしな いと、こういったものが個々の実施施設で行われると、非常に大変なことになるのでは ないかと私は個人的には考えているのですけれども、情報もこういった機関が管理をし て、記録の保存もしておくとしておいた方が、私はベターではないかと個人的には思っ ています。ですから、それは検討課題3のところでまた皆様方のご意見によって変わっ てくるだろうと思います。  ただ、どうしてかと申しますと、この医療というのは、非常に特殊な医療であると私 は思うんですね。通常の生殖補助医療と全く違うわけでありまして、通常の生殖補助医 療をどうするかというと、例えば夫婦間であろうが、それは事実婚であろうが、通常の 生殖医療は今までどおりであってもよいと思います。こういった人からもらうという医 療に関しては、例えば精子・卵子に関しても、公的管理運営機関がここに依頼をしたい という形である方が私はいいと思います。例えばこの機関に精子の保存に対してはお願 いします。卵子の保存に関してはお願いします、胚の保存に関してはお願いしますとい うようなことはいいかもしれません。その辺は個人的な意見ですので、皆さん、また意 見はもちろん違うと思います。 ○矢崎部会長  すいません、私の理解は、例えば高久委員のおやりになった骨髄移植の場合は、骨髄 移植のマッチングとかそういうのは公的なところで情報を集めてやりますけれども、実 際の骨髄移植をやる場合には、提供機関と実施医療機関というところで行われている。 自然にそれはちゃんとしたルールで行われているということになって、卵子・精子を一 元的に全国で、どこかに集めてというのは医学上難しいのではないか。というのは、生 きている細胞で、今まで凍結も可能だというお話ありますけれども、吉村委員のお話で すと、凍結はまだ。 ○吉村委員  卵子に関しては難しい。 ○矢崎部会長  ですので、その点、荒木委員からどうでしょうか。 ○荒木委員  学会で認めておりますAID施設に関しては、提供機関と実施機関は全く同じです。 卵子に関しては認めておりませんから、そういうことはまだない。 ○高久委員  これは最初に前提として「医師の裁量とする」となると、もし公的管理機関で全部卵 子も精子も管理するとなると、医師の裁量ではなくて、むしろ公的管理運営機関の裁量 になってしまうのでちょっと矛盾するような気がいたします。  それから、もう一つ、先ほどからいろいろ議論がありました優先順位の問題ですけれ ども、確かに難しい問題たくさんありますから、もしもだれかが裁量するならば、こう いう点を考慮して裁量すべきという、考慮の中に、無精子症とかターナー症候群、卵子 機能不全、あるいは既に子どもを何人有しているか、今まで何回トライしたか、試みた か、そういう項目を挙げて、その項目を考慮して、最終的に「医師の裁量とする」とい うふうにするしかしようがないのではないかと私は思います。 ○矢崎部会長  どうもありがとうございました。 ○石井委員  ちょっとよろしいですか。 ○矢崎部会長  はい、どうぞ。 ○石井委員  今、高久先生のおっしゃったことと矢崎先生のおっしゃったことは違いますよね。情 報といったときに2つの情報、吉村先生も2つ情報をおっしゃったと思うのです。提供 者について、その情報、多分参考資料の中に載ってくるのは、提供された後の情報管理 のことは一元管理、先ほど局長がおっしゃったのはそのことだと思うのですけど、矢崎 先生がおっしゃったのはそうではなくて、提供する人がいるとかいないとか、その人の ことについての情報管理、それはできるけれども、モノそのものは一元管理は難しいの ではないかという話ですよね。 ○高久委員  確かにそうです。 ○石井委員  でも先生のは、個々のところに保存すると同時に、個人の医師が裁量で、それを使う ことが可能というイメージで私は伺ったのですが、そうではなくて、保存するのは個々 の施設であっても、それをどこに使うかというのは中央管理運営機関で情報を全部集め た上で、優先順位をどうするかというのは大変難しいかもしれませんけれども、そうい う基準がつくられるならば、その上でこの提供されるものはこちらの施設に送ってくだ さいという形での運営の仕方というのがあり得るのではないか。 ○高久委員  ただ、卵子は保存できないから難しい。 ○石井委員  ただ、卵子を提供する人がいるという情報をまず言って、そこに冷凍した精子を送っ て受精させるということは可能ですよね。 ○高久委員  そうですね。 ○矢崎部会長  イメージとしては、骨髄移植をイメージして、提供者の情報があれば、そこからもし 自分の施設で十分な提供者がいない場合には、そこでマッチングして情報を伝えれば公 的機関から提供施設に情報が行って、可能であればマッチングするということを私は頭 に描いたので、そこの公的管理運営機関に全部情報と生殖細胞を全部ここに集めるとい うのは不可能ではないかということを申し上げたかった。 ○石井委員  私も一元管理といったときは、そういう意味でのものをそこに集める必要性は必ずし もないと思っています。 ○高久委員  骨髄移植の場合でも、最終的にどの人にするかということは移植機関の判断です。 コーディネーションは公的機関がやります。この場合、精子・卵子そのものを管理する ということは難しいと思います。もしも提供に関するコーディネーションを公的管理運 営機関がするならば、優先順位を設けないとできない。それはかなり難しいのではない か。 ○矢崎部会長  どうもありがとうございました。ちょっと4時で、次のご都合のある委員の方がおら れると思いますので、この辺で、議論を次回に、今度は17日。 ○石井委員  最後に1つだけよろしいですか。 ○矢崎部会長  どうぞ。 ○石井委員  しつこくてすいません。先ほどの町野先生が、広げるということが前提でとおっしゃ って、「自己の精子・卵子がない」ということを広げるということですねという、それ はちょっと気になったのですが、原則はそうではなくて、精母細胞とか卵胞細胞とか、 そういうものまでもあるものは絶対だめだという、そういうことではない。ここで従来 よりも広げるということは完全に合意されるというふうに私はここで確認はしたくない のです。 ○加藤委員  原則としては、自分の精子・卵子のあるものは適用例にならないという、原則はその ままだということを確認したいわけですね。 ○矢崎部会長  私そういうつもりで申した。すいません、私、5時を4時だと思ってしましたけど、 ありがとうございました。あと1時間、白熱した議論で、室温が少し高まっております けれども、もう1時間ご辛抱をお願いしたいと思います。  と申しますのは、議論を区切っちゃいますと、今までの議論をまた思い出すのに時間 がかかりますので、何も押しつけということではありませんけれども、少し検討項目を 前へ進めさせていただきたいと思います。  今までの「自己の精子・卵子を得ることができる場合には、それぞれ精子・卵子の提 供を受けることができない」ということの検討は一応ここで締め切らせていただきまし て、次の「●」の「各々の提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療ごとに適用さ れる条件」ということがございます。・にAID、先ほどのご質問ありましたように、 これからはそれぞれ精子・卵子、個別的な議論に入るかと思います。今、議論されたこ との精子のバージョンになるかと思いますけれども、1番目の「○」は「医師の裁量と するか?具体的な判定基準を設定するか?」というのは、前の項目で議論していただい たものを大体踏襲するということでよろしいでしょうか。あるいは精子の場合には特別 にこういうことを配慮しなければいけないというようなご指摘があれば、ここでご議論 いただければと思いますけれども。  「○」の1つは、医師の裁量とするか?具体的な判定基準を設定するか?ということ で、これは前回のご議論に則っている。  2番目は、成熟した精子が精巣内に存在しない場合とするか?成熟した精子のみなら ず精子の形成過程における受精能力を持った生殖細胞も存在しない場合のみ「精子の提 供を受けなければ妊娠できない」という条件に、そういう場合のみにするということ で、その判定としては、生検によって最終判断するのか?また、この場合には、「受精 能力を持った生殖細胞」とは、精子の形成過程におけるいかなる段階以降の生殖細胞、 例えば精母細胞、精子細胞等を指すのか、具体的に定める必要があるのかどうか。  3番目の「○」は、精子に受精を困難にする形態的・質的な明らかな異常があり、顕 微授精などを数回実施しても、受精しない場合にも「精子の提供を受けなければ妊娠で きない」とみなすのか?(この場合、精子の提供を受ける要件として、それまでに受け るべき配偶者間の生殖補助医療の種類、回数等を具体的に定めるのか?)。  最後には、精子に受精の可能性を極めて乏しくする形態的・質的な明らかな異常(高 度な奇形精子症、死滅精子症等)がある場合、顕微授精がどう実施しなくとも、それだ けで「精子の提供を受けなければ妊娠できない」とみなすのか?  先ほどの議論の繰り返しになってしまいますが、何かご議論ございますでしょうか。 どうぞ。 ○町野委員  先ほど以上に議論する意味があるのか、ちょっと理解できないのですが。 ○矢崎部会長  ですから精子の場合に特別に議論しなければならないということがございますか、吉 村委員。 ○吉村委員  特にないと思います。 ○矢崎部会長  どうでしょうか。 ○荒木委員  先ほどご紹介させていただきました学会の会告、その見解のところによく出ておりま すので、これに準じていただければありがたいと思います。 ○金城委員  先ほど決まったとおっしゃるのですが、そこをもう一度きちんと確認していただきた いと思います。いろいろな意見が出ましたよね。 ○矢崎部会長  そうなんです。 ○金城委員  私はそんな詳しいことはするべきではないというふうに申し上げましたけれども、何 か最終的にはここに書いてあるように決まったようにおっしゃるものですから、そこら 辺がどう決まったかということを確認しなければと思います。 ○矢崎部会長  まだ決定的に決まったということではなくて、議論を踏まえて、幾つかの事項が挙げ られたと思いますけれども、それ以外に精子として、特別なご議論がここであるかどう かということで、前回の、それでは事項のまとめはどうしましょうか、事務局でまとめ られますか。 ○小林主査  2つぐらいやり方があると思いまして、1つは一度意見を出し切っていただいて、も う一度議論も最初からいただくか、あるいはその時点で事務局の方である程度まとめ て、それをもとにやっていただくかということと、あともう一つは、1回目の段階で決 定ではないにしろ、何らかの方向性をつけていただくという両方があるかと思います が、事務局の立場で申し上げれば、できればある程度の方向性をおのおののところで1 回目で決めていただけるとありがたいと思います。 ○矢崎部会長  今、全員のコンセンサスとかそういうのは結論得られなかった。得られないというと 語弊がありますけれども、ご議論いただいていろいろな意見を述べていただきました。 私個人では、皆さんの意見は医師の裁量を大きな幅を持たせたらいかがなものか。その ときには、医学的な基準プラス社会的な要素も勘案して、条件を規定したらいかがか。 最終的な条件につきましては、どういうレベルで判定基準をつくるかということは、ま ず法律などで規定するのには、皆様方のご意見ではそぐわないだろうということで、大 体の目安のようなものを皆様のご意見を総合して、次回までにまとめて、またご議論い ただければというつもりでございます。  一定の歯どめが必要かもしれませんし、我が国における生殖補助医療の医療施設機関 の間で大きなばらつきがあってはいけない。ある程度一定の水準、基準で行うことが本 筋ではないかと思います。  優先順位については、先ほどの医学的な要件と社会的な要件、あるいは本当に待機期 間とか受付順というのはいろいろな問題があるかもしれないので、そういうことをファ クターにして優先順位を決めるということできました。  ですから次の項目を今と同じような議論をまたもとに振り返って議論する必要はある かどうかでございますけれども、先ほどご議論ありましたように、精子・卵子・胚とい うのを一緒に議論するのも少し無理があるのではないかということもございますので、 まず精子の提供を受けなければ妊娠できない夫婦のみが提供精子による人工授精を受け ることができる。この項目を今議論していただければということで。 ○加藤委員  精子が不足しないのだったらば優先順位決める必要ないですよね。それから、また、 提供を受ける資格について、精子の提供が相対的に見て潤沢であるとすれば、余り厳し く絞る必要もない。頑張ってやってみたけど、だめだったから精子の提供を受けるとい うのでいいのではないか。ただ、非常に希少な、提供の例が非常に少ない場合について は、初めから資格を絞るとか優先順位を決めるとかという必要が出てくるのではないか と思います。 ○福武委員  質問が1つと意見が1つなのですが、日本産科婦人科学会で先ほど報告を出していた だいて、その中を見ると、平成11年度では出生児数が 221となっておりますよね。その 中で患者総数が 1,134になっているのですが、患者さんというのが、ここで書いてある 4ページのこういった分類を細かくしているのですけれど、現実にはそういった分類と いうのはなされているのかどうかということと、もう一つは、これは実際に登録してい る施設での報告だと思うのですが、ここから漏れているのがあるというふうに、前回吉 村先生もおっしゃっておられますので、実際には一体どのくらい、暗数まで含めて、生 まれているのがわかるのかということを少しお聞きしたい、これが質問なんです。  それともう一つは、優先順位云々というときに、私ども日弁連でいろいろ議論したと きに、臓器移植と随分違うと思ったのは、臓器移植は総合病院とか大きい病院で行われ る総合的な医療なのに、ここにおける生殖補助医療というのは大きいところもあれば、 単科といいますか、それもあるし、本当にクリニックみたいのもあると。そういったと ころで、質をある程度そろえる、ないしお互いに向上させるというために、本当にその 間では情報交換とか実際に精子の交換とか、そういったものが行われない限りは、質の 向上・維持というのはできないのではないかという疑問があるのですね。  ですから、先ほど局長さんがおっしゃったように、モノそのものが移転する、移管す るということまで含めて本当に今後考えていくのかということをやはり議論しておく必 要あるのではないかというふうに思ったんです。それは意見です。 ○矢崎部会長  どうもありがとうございます。本当に今おっしゃられたように、個人的なクリニック から大きな総合病院まで非常に幅広い医療機関で行われる医療の1つではないかと思い ますけれども、その点から、今のご意見で、吉村委員、現実にそういうことは可能でし ょうか。 ○吉村委員  まずご質問にお答えしますが、実際に生まれてくる数を把握することは可能かどうか ということですが、これは現実の方法では不可能であると思います。2/3から3/4 は把握できると思われますが、1/3あるいは1/4の数の方は連絡をとってもとれな いという状況がございますので、現実の方法では不可能だと思います。  それから、実際にAIDを行っている方が本当にどういう人が多いのかということを 見ますと、私のところのデータを申しますが、95%以上は無精子症の方です。5%ぐら いが顕微授精をやってもなかなか妊娠できない方、大体そういうご理解でよろしいかと 思いますけれども、よろしいでしょうか。 ○高久委員  議論の進め方ですけれども、3ページのときに随分時間をかけて、「自己の精子・卵 子を得ることができる」ことの判定基準をどうするかということでの、医師の裁量とす るということで大体皆さんの合意を得たと思うのですが。優先順位についてはいろんな ご意見があったと思います。そうしますと4ページの「精子の提供を受けなければ妊娠 できない」ということと、3ページの「自己の精子・卵子を得ることができる」ことと 同じようなことで、これは「医師の裁量とする」としかしようがないのではないか。優 先順位については3ページと同じ議論になるのではないかと思います。 ○矢崎部会長  いかがでしょうか。 ○金城委員  吉村先生、2/3から3/4しか把握できないとおっしゃるのですが、現在の学会の 体制では、AIDを実施するところは全部登録しなければいけない、報告しなければい けないことになっているのにどうしてそんなことになるのでしょうか。 ○吉村委員  これは申し上げますと、登録施設はちゃんと報告をしております。しかし、妊娠の数 を正確に把握することは不可能である。それはどうしてかと申しますと、妊娠して来て いただけない方が多いということであります。 ○加藤委員  患者さんが途中でドロンしちゃうんですね。 ○吉村委員  そういうことです。ですから把握できているのは、妊娠した人に関しては、それが3 /4から2/3ぐらいではないだろうか。これも推測でしかないわけです。例えば地方 から来られた方に対してAIDを行います。そしてその方がお帰りになります。それが 後からどうなったかということを、例えば3カ月後、4カ月後に電話してもわからない とか連絡が届かないとか、そういうことが多いということです。 ○金城委員  もう一つ、質問ですけれども、実施の条件としてどうなったか必ず報告するというよ うな条項は入っているのですか。 ○吉村委員  もちろんそれは入っておりますが、なかなかそういうことが正確な数をつかめないと いうのが現状です。その人たちは1回あるいは2回で妊娠しなかったから、もうやめた という方かもしれないし、それは1回で妊娠された方かもしれないし、それは私たちの 理解する範疇を超えているというか、電話しても連絡がつかないということがありま す。初めに必ず申します。妊娠いたしましたら連絡してください。妊娠しない場合も連 絡してくださいということは必ず言うのですけれども、そういう連絡はなかなかとれな い。それはこちらとしても別に一生懸命やってないわけではなくて、一生懸命やってい るのですが、そういったのが現実。 ○金城委員  わかりました。 ○荒木委員  福武委員のご質問の中に、今、ほかの登録された以外のところでやっているのではな いかというご質問があったと思うのですが、私ども学会としては、現在AIDに関して は26施設で認めております。その中でのみAIDが行われていると信じております。な ぜなら、これもしほかでやられたら大変な問題になります。会告違反で除名という問題 まで波及していくかもわかりません。私どもは厳しい自主規制の下で26施設、6月現在 で登録されております。  ただ、報告は義務付けられておりますが、正確なフォローはできないと思います。一 応報告は全施設でなされております。その大部分が、今、吉村委員がおっしゃったよう に、慶應で95%ぐらい行われているのが現状です。 ○矢崎部会長  どうもありがとうございました。そのほかご意見ございますでしょうか。先ほど議事 の進め方で高久委員からご示唆いただきましたように、この議論は大体は医師の裁量に 任せるけれども、幾つかの点を考慮して、ある程度の基準を考慮したらいいかというこ とでご議論たくさんいただきましたので、それをまた整理させていただいて、再び議論 する必要があれば議論させていただきたいと思います。  (1)の精子の提供でございますけれども、これは今までのご議論とほとんど大きな違い はない。ただ、精子の提供は卵子の提供と条件が随分違うのではないかということで、 その意味では余り優先順位をシビアに議論する必要は余りないかと思います。  次の(2)に移らせていただいてよろしいでしょうか。「提供精子による体外受精」につ いてでございますけれども、議論すべき論点として、「女性に体外受精を受ける医学上 の理由があり、かつ精子の提供を受けなければ妊娠できない夫婦に限って、提供精子に よる体外受精を受けることができる」。  この場合も、女性に体外受精を受ける医学上の理由が議論のポイントになりますが、 これにつきまして、具体的な判定基準をどのように設定するか。具体的な判定基準とい うのはなかなかこの部会で議論することは困難だと思いますが、医師の裁量とするか。 具体的な疾患や必須の医学的検査とその結果などの具体的な判定基準定めるか?という ことで、これは1つにはやはり学会の基準その他がよりどころになると思いますので、 これについて具体的な議論はここでは無理かと思いますが、そういうことでよろしいで しょうか。吉村委員、荒木委員。 ○吉村委員  はい。 ○荒木委員  はい。 ○鈴木委員  すいません。 ○矢崎部会長  はい、どうぞ。 ○鈴木委員  今の件なんですけれども、これはちょっとここでもう少し皆さんのご意見も伺った り、大事なところだと思っています、ドクターだけではなく。基本的には精子提供も、 私、「判定基準」という言い方がちょっとひっかかってはいるのですが、いわゆる医学 的適用というようなイメージでその話をとらえておりますので、精子提供に関しては、 例えば産科婦人科学会とか日本不妊学会が出しているような適応に準ずるような形でい いのだろうというようなことで今ずっとお話を伺っていました。  では、この体外受精に関しては、今ものすごく現場では適応がそれこそ拡大に拡大を 重ねてきた部分ですので、これは質問というか、シートの方にも出しましたけれども、 卵管性不妊だけでも決してないところに来ているわけですよね。特に機能性不妊、原因 不明の方たちが人工授精を何度も繰り返しても妊娠に至らない場合は最後は体外受精、 顕微授精へと流れているのが通常のスタンダードの流れになっていますので、本当にA ID、例えば5回なり6回なり受けても妊娠なさらない方は、精子提供による体外受精 に進んでいいのかどうかというのは非常に問題があるところではというふうに思ってい るのですが、その辺、ドクター方からはどのようなご意見でしょうか。ちょっとそこは 伺っておきたいのですが。 ○矢崎部会長  配偶者間体外受精の基準に準ずるかどうかということですね。 ○鈴木委員  そうですね。 ○矢崎部会長  いかがでしょうか、今のご質問。 ○吉村委員  ご指摘の点はごもっともだと私も思います。精子がない方というのがもちろん絶対条 件であるわけですけれども、精子がない方に対して、もし体外受精を受ける医学上の理 由がなければ、これは人工授精でいいわけでありまして、クライアントの女性に対して は当然人工授精の方がリスクが少ないわけですし、経済的にも人工授精の方が問題ない ということをご指摘されていると思います。しかし、機能性不妊に対しても最近では体 外受精が行われておりますし、これを例えば人工授精を何回したらば体外受精をできる のかとか、そういったことをこういったところに書くのは大変難しいのではないか。私 も精子提供による体外受精で一番問題なことは、今鈴木委員がおっしゃったことを大変 私も危惧しておりましたが、これを実際上書くということは非常に難しいということ で、女性に体外受精を受ける医学上の理由があるというようにしたわけであります。  この判断というのは、やってこられた先生が、例えばこれはそろそろ体外受精をしな ければ、本当に受精が起こっているかどうかは人工授精ではわかりません。例えば機能 性不妊である、あるいはそのほかの原因不明不妊である、こういったものに対して体外 受精を適用するというような条項があてはまってくるのではないかと思います。これを 実際上、具体的な判定基準をどう書くかということは大変難しいのではないかと思いま す。 ○矢崎部会長  学会で体外受精の基準というのを。 ○荒木委員  学会としてはAIDと精子を用いた体外受精はほぼ同一であると考えております。し たがって、今までAIDに関して問題がなかったわけですからこれに対して具体的に細 かいところは決めておりません。 ○矢崎部会長  大体そういう方向でよろしいでしょうか。 ○鈴木委員  どういう方向ですか。 ○矢崎部会長  医師の裁量に委任すると。その基準としては大体AIDと同じ基準で考える。先ほど 吉村委員も言われたようなことでいかがでしょうかということでございますけど。 ○鈴木委員  男性に関してはもちろんわかりましたが、結局女性に関しては余り具体的な、文章と して、こういうのが適用であるというふうに決めないで、ちょっとあいまいにしておこ うというようなご意見に伺ったのですけれども、吉村ドクターのは、そうとも違うので しょうか。 ○加藤委員  このもとの考え方は体外受精は議題ではないので、他人の精子や卵子を使った場合だ け範囲を決めるということで、体外受精は既に医学上の判断にお任せしてあると。だか ら体外受精の適用例でもって、なおかつ精子の提供を必要とする場合は精子の提供を認 めると。それ以上決める必要ないと、そういう考え方だと思います。 ○石井委員  ただ、鈴木委員は、今現実に体外受精が余りに広く使われすぎているから、これにつ いてもうちょっと制限する必要があるという趣旨なんですか。そこを伺いたいです。 ○鈴木委員  必要があるというふうには思っていません。制限する、しないということはさてお き、現実にさっき言ったように、人工授精何度も受けなかった方、いずれにしても、ど んな場合でも最終コースは体外受精、顕微授精というところに今なっているわけです ね。だから、先ほど言ったように、機能性不妊の方というのは、最初から別に体外受精 の適応だったわけでも何でもないわけです。ずっと繰り返してきて、だめだったから普 通の人工授精を繰り返して、だめだったから、最後の手段として体外受精やってみまし ょうかという今医療の流れになっているわけですから、では、そうした方にも人工授精 ずっと繰り返してきて、だめな方も最後はそれによって体外受精を受けてもいいという 意味なのか、そこをちょっとお伺いしたいわけです。 ○矢崎部会長  それが先ほど加藤委員が言われた、その条件でさらに精子の提供を受けられる場合と いう規定でここがあるというふうにお考えいただければありがたいのですが。 ○鈴木委員  だから、だんな様が無精子の場合は、最終的には体外受精までチャレンジはできると いうことになりますね、現実には。 ○荒木委員  最終的にはできるのですけど、そのステップとしてはまず順序を踏んで、最終的に体 外受精へと行きます。 ○鈴木委員  それはそうですね。 ○荒木委員  初めから体外受精ということはまずあり得ないと思います。 ○町野委員  こちらの報告書にはできるだけAIDを利用すべきだという考え方で、今検討する際 に、その考え方は捨てないということですね。これは基準を示す必要はあるだろうと思 います。これは全然何も推定しなくていいというわけにはいかないだろうと思います。 そのときにお医者さんの裁量だというのでは、これを読んだ人には何が何だかわからな い。少し説明していただかなければと思います。 ○矢崎部会長  わかりました。今まで議論されていたことをここでまとめれば。 ○町野委員  AIDの場合と全く同じではないはずだということなんでしょうね。AIDも、こっ ちもやっていいということではないでしょう。AIDを優先させて、それがうまくいか なかったときにこっちに行くのだということをまずはっきりさせて、どういう場合がう まくいかなかったと言えるのかというようなことを言っていただかないとわからないで す。お医者さんの裁量だと言われても全然わからない。 ○荒木委員  例えばAIDを何回もやったがそれも失敗して、最後に体外受精に移るということ、 そういうことを決めなさいということですか。 ○町野委員  私はある範囲で緩やかでいいのかなという具合に思いますけれども、ただ、安易に最 初からこっちに行くのはよくないというのは皆さん同意されているわけで、ではどうい う場合に行くことができるのか、ということです。先ほど出てましたとおり、原因不明 の場合でもこっちへ行っちゃっていいのかとか、それともはっきりしている場合だけ、 要するに不可能な場合だけなのか。あるいは、もうちょっとそれは広げていいだろうと いうご議論があります。そういうことを説明された上で、例えば、これは必ずしも医学 的に不可能な原因がはっきりしている場合に限らない、という具合にその程度を書いて いただきたいと思います。 ○矢崎部会長  そういう例を例示として挙げられたらどうかということですね。 ○吉村委員  そういうことであれば、そういった例示は可能だと思います。例えばAIDを何回ぐ らいやりますと、妊娠する方は90%以上の妊娠率が得られる。例えば6回までやります と、15回やっても20回やっても妊娠しないということがわかっていますので、そういう ようなことは書けると思うんですね。そうなりますと、具体的にAIDを何回まず初め にやる。男性不妊症があって、精子がなければ、初めからこの適応になるわけですけれ ども、それ以外のことについては、具体的なことを書いた方がよろしいということであ れば、それは書けると思います。ただ、それが絶対的なものなのかというと、これは鈴 木委員がいつも心配されていますように、体外受精したけれども、次は自然妊娠したと いうケースだっていくらでもありますので、そういった具体的な基準をつくることは可 能ですけれども、それは意味があることなのかという感じも私はしますけど。 ○矢崎部会長  ちなみに配偶者間の体外受精の基準の学会の基準というのも、余り何回とかそういう ことではなくて漠として示されているだけなように思われましたけど、いかがでしょう か。 ○荒木委員  体外受精に関しては、今、部会長がおっしゃったような細かい基準は設けておりませ ん。 ○桑島室長  ちなみに資料集の94ページに、今荒木先生がおっしゃった部分の会告がお示ししてご ざいます。 ○矢崎部会長  そのほかいかがでしょうか。吉村委員、具体的な異常とかはっきりした無精子症とか そういう場合は比較的簡単なんですけれども、機能不妊とか原因不明の場合はなかなか 医学的に判定するのも大変難しいですし、それが絶対的な診断かどうかも疑わしいです よね。 ○吉村委員  それは正確な診断かどうかも、それはおっしゃるとおりだと思います。  ただ、唯一データとしてあるのは、人工授精というのは妊娠するべき人は、妊娠でき る方は5回から6回やるとほぼ90%がそこでプラトーに達するというデータはありま す。ですから10回以上やっても、それが妊娠する確率は低いと、そういうデータはあり ますけれども、それ以外、現在通常のこういった精子・卵子・胚をもらう医療ではなく て、通常の体外受精においても、例えば本当に体外受精が適応ですかと言われた場合 に、それは真の意味の適応かどうかということはなかなか難しい、言えないというのが 現状です。例えば書くとしたらば、精子の提供で体外受精を受けなければならないカッ プルは、その前に、女性に体外受精を受ける原因がなければAIDを施行するとか、そ ういったことぐらいは書けますけれども、それ以上書くことはなかなか難しいのではな いかと思います。 ○町野委員  私は別に基準をはっきり示せと言ったつもりはないのでして、ただ医療の裁量という ことだけ投げ出されると、それは少し違うのではないかというのです。「裁量」という 言葉はある範囲のものが決まっていてその中で裁量するというので、どこまでやるかも 裁量だというのは全然意味をなさないので、そのことを申し上げているだけです。  産科婦人科学会の会告に書かれているこの程度で、私は十分だろうと思います。それ を例えば何回かトライしてそれでも不可能だといったとき、どこでやってこっちへ移る かが最初から裁量と言われるとかなり問題だと私は思います。 ○矢崎部会長  ありがとうございます。これは今までのものもすべて医師の裁量ということを根底と しますけれども、こういう配慮をすべきであるということを各委員の方々からいただい て、それをまとめさせていただきたいと思っております。  そのほかよろしいでしょうか。  そうしますと、(3)の「提供卵子による体外受精」で、「卵子の提供を受けなければ妊 娠できない夫婦に限って、提供卵子による体外受精を受けることができる」と。これは 卵子のバージョンでありますので、繰り返しになるかと存じますので、精子のバージョ ンと同じように、卵子のみの条件というものがあれば、ここでご指摘いただくというこ とと、卵子の場合には恐らく提供者が極めて限られるので、ある程度優先順位というの を、さっきの議論にもなりますけれども、どういうふうに考えるか、委員の皆様の発言 をもう一度議事録をつくって、何とかここで示したいと思いますけれども、いかがでし ょう。卵子については大変深刻な場合が出てくるかもしれませんけれども。 ○町野委員  この問題は先ほどから出ておりますとおり、結局卵子が特にそうだろうと思います。 卵子・精子の管理体制といいますか、それをどうするかの問題で、高久先生が言われた ように密接に結びついているのです。まだはっきり決まってないということらしいです けれども、1カ所で公的管理運営機関というものがやって、だれに提供するかと。臓器 移植ネットワークみたいにするのだということになると、裁量とは到底いかないだろう と思うのですね。あるいはそれぞれの実施医療施設がやるというのが基本なので、その 中で大まかに優先順位を決めるということであるとするならば、アバウトなものが出て くるということはあり得るだろうということです。その部分を議論しないと進みづらい なという感じが私はいたしますけれども。 ○矢崎部会長  卵子の場合には極めて難しい管理だと思いますが、吉村委員、本当に一元的に管理、 卵子そのものですね。 ○吉村委員  卵子そのものを管理するということはこれは……。 ○町野委員  いや、そういう趣旨ではないです。さっき石井委員が言われたように。 ○吉村委員  先生のおっしゃることは非常によくわかりますし、そういったことをまず初めに議論 することが大事です。もう一つの問題点は、先ほどどなたか委員の方がおっしゃったよ うに、卵子のエージングの問題ですね。卵子は採れるけれどもクォリティが悪いという ことをどうやって判定するか、この2点が大事な問題だと思います。精子は凍結も可能 ですけれども、卵子の凍結も全く不可能ではないのですけれども、現在のところ、こう いったものに応用できるようなレベルまでは全くまだ達していないということを考えま すと、どこでどうやって情報管理していくか。そして、例えばこういった卵子が得られ る。こういったものに対してはどこへ回しますとか、どこへ卵子を提供しますと、そう いったことがちゃんとできていた方がいいような感じもします。だから、私の一元的と いうのも、そういうようなことで、各施設が、例えばその機関に報告し、そこがドナー のデータを受けて、そしてレシピエントに、ここにドナーがあるというようなことを言 った方が、卵子提供の可能性は出てくると思います。  卵子提供を匿名とするか、姉妹からもらうかということも非常に大きな問題で、それ がどうやって一元的にできるかということとまた結びついてきますので、情報の管理の 問題とクォリティの問題ともう一つは、姉妹からの提供をどういうふうに扱うかという 3つの大きな問題点があるように思います。 ○矢崎部会長  まず姉妹についてはまた後で議論するということで、本当に一元的に情報管理して、 骨髄移植のようにマッチングのシステムを整える必要があるかどうかというのは、提供 卵子がどのぐらいの数で提供されるかによるかと思いますけれど、もし案外と提供卵子 の数が確保できれば、ある程度一元的な管理でなくても実施が可能と思います。その辺 どうでしょうか、吉村委員。やはり一元的管理が必要なぐらい提供数が限られる可能性 は予測されますでしょうか。 ○吉村委員  今の答申案といいますか、この報告書案でいきますと、私はほとんどないのではない か。非常に難しい。ですからどこかで情報一括で集めていかないと、例えば1年で得ら れる卵子が幾つというふうに考えますと大変限られた数でしかないのではないかなと。 例えば匿名性が大原則でありますし、金銭の授受が禁止されております。そういったこ とを考えますと、卵子をそれで提供してくださる方はほとんどお見えにならないのでは ないか。ですから卵子の提供を考えていく場合に、ただ、情報の一元化がいいだろうと 申し上げたわけで、そうしますと兄弟姉妹は後からということもありましたけれども、 例えば友人とかそういったことをどうやって扱っていくか。そういうようなことが卵子 提供には絡んでくると思いますけれども。 ○矢崎部会長  ただいまのご意見、はい、どうぞ。 ○金城委員  もう一つ、卵子のシェアリングというのがありますよね。その場合も同じ医療機関に 通っている人のうちでシェアリングをするのか、それとも全国的に統一した情報によっ て、全く違う医療機関の人がどこかに一緒に行って、そしてシェアリングするのか、そ こが1つ問題になるのではないかと思います。 ○矢崎部会長  どうでしょう。 ○吉村委員  先生のおっしゃるとおりだと思いますし、例えば現金の授受を全く禁止するというこ とに対しては、それは理想的で非常にいいことだと思うのですけれども、現実面におい て卵子提供をもしやろうとするならば、それは非常に難しいだろうと。  私はもし考えるならば、友人でも完全匿名性を守るようなフランスのようなやり方と か、フランスはだれか友人を連れていくと。その友人は自分には絶対に卵子提供をでき ないわけですね。他人に卵子提供するわけですね。そうやって完全匿名を守っているわ けですけれども、そういうようなことを考えていかないと、私は大変難しい。そうであ るならば、話が進んでしまって申しわけないのですが、卵子提供に関してもある一定の お金を払うと。そのお金は一定決められた額にすると。もし卵子提供を本当にやりたい ということであるならば考えていく必要があると思います。それ以上のお金を払わない で、ちゃんと一定の額を払うと。1回につき幾らというようなことをやっていく以外に 卵子提供はドナーさんが集まらないと。 ○矢崎部会長  そういうことに関していかがでしょうか。 ○岸本委員  今のことに関してではないのですけれども、1つ質問ですけど、未熟な卵子の場合が あるとしますね。それを今の医学で、以前に産婦人科の講演会を聞きに行ったときに先 生がそういう話されていたのですけれども、将来的には未熟な卵子を培養して、成熟な 卵子にすることができるようになるかもしれないという。 ○吉村委員  それは現在でも可能です。未熟な卵子を成熟にするというのは比較的可能です。 ○岸本委員  そうなんですか。 ○吉村委員  卵子に関しては。未熟な卵子を保存していくことは不可能です。 ○岸本委員  卵子を。 ○吉村委員  成熟した卵子も保存していくことは、今のところ不可能と考えています。ただ、それ は受精をさせた卵であれば保存させていくことは可能です。卵子の場合は、ある程度未 熟であっても、成熟させることは可能です。でもそれをとっておくことはできないで す。それは難しいと思います。 ○鈴木委員  お金の話とかさておいて、ドクター方に、やり方の2つのとりあえず方法なですけれ ども、1つはさっきどなたかがおっしゃっていたように、例えば私が東京の病院で排卵 誘発受けて採卵していただいて、もらいたいという人が大阪のカップルだったとする と。大阪から精子だけ凍結したものが私のところへ送られてきて私の卵子と受精させま すよね。そこでとりあえず胚をつくって凍結したものを向こうの夫婦に送り返すという ことは可能ですよね。 ○吉村委員  可能です。 ○鈴木委員  あともう一つは、もしくは私が大阪に行って、彼女が病院で一緒に排卵誘発受けて、 というか、東京でずっと注射打ってもいいですが、採卵のために大阪の病院へ行って、 隣の採卵室かなんか並んで、顔見えないようにして採卵していただくやり方と、もしく は大阪の彼女が東京に来ていただいてやるやり方と、その3つぐらいですか、物理的に やるとしたら ○吉村委員  それは可能だと思います。 ○鈴木委員  もし具体的にやるとしたら、方法としたら今の3つ、3パターンぐらいになりますで しょうか。 ○吉村委員  そうですね。 ○鈴木委員  それをもし実現するには、どのような情報網が必要かということになるのかなと、今 伺っていたのですが、そのような整理でよろしい感じですか。 ○石井委員  もう一つは、移動しないということですね。1つの病院で、提供者がいる病院で、そ この患者が受けるというシステム。 ○鈴木委員  そうすると、例えば4番目として、やる病院が東京の何とか病院ならいいければ、両 方がずっとそこの病院に、大阪と例えば東京から通ってくるというやり方もあるという ことですね。 ○吉村委員  そうです。 ○鈴木委員  なるほど。 ○荒木委員  今、実際に行われている生殖医療は、1施設の中で行われているのがほとんどです。 先日の新聞報道で報じられたように、卵あるいは精子の誤認という問題がありますの で、卵や精子は慎重に取り扱わなければなりません。同一施設内で行われるのが大部分 で、卵や精子のトランスファーはあまり行われていないと思います。 ○石井委員  でも提供ですから、今までは本人のを使う。 ○加藤委員  だから間違えたら大変だったのだけど、提供の場合には間違えてもそう大事故にはな らない。 ○石井委員  そういうことではないです。 ○吉村委員  そういうことではないです。 ○矢崎部会長  例えば、今採卵の場合には1個ではなくて10個ぐらい採れますよね。そうすると1人 だけでなくて、幾つかのカップルに提供することも可能ですよね。そのときにどういう ふうに情報管理し、うまくシェアリングできるかという手だても、環境整備もやってい かないといけないというご指摘ではないかと思うのですね。 ○鈴木委員  今のどれの4つをとるにしても、それをコーディネーションしていくのは、それこそ 同時に2カップルだけではなくて、もし3カップルとかということになっていけば、非 常に大変な作業だろうと思うんです。 ○高久委員  吉村委員がおっしゃったようにかなり難しいと思います、卵子のシェアリングは可能 だと思うのですが。普通は体外受精したカップルは3つ戻しているのですが、あとの受 精卵をフリーズして、うまくいかないときに使おうと思っているわけですね。ですか ら、それをあえて3つ使ってあとは受精させないで人にあげる、そういう奇特な人は余 りいないのではないか。今のお金の問題は別にいたしまして。 ○矢崎部会長  ありがとうございます。今の規定ではなかなか難しいけれども、そういうシステムが 定着すれば、ドナーの方が出てくる可能性もある。その場合にはコーディネーションが 極めて重要で、それが公的管理運営機関ですべてできるかどうかというのは、現実的に はいろいろな問題が生ずる可能性がありますので、それにつきましては、また議論をす るということで、本日は時間が参りましたので、次回は「提供胚の移植」ということで 議論を進めさせていただきたく存じます。  きょうの議論もいろいろなコメントが活発に行われて大変座長としてはまとめるには 四苦八苦ですけれども、大変忌憚のない意見をいろいろ出していただきまして本当にあ りがとうございました。また、局長からもいろいろご発言いただきましたけれども、何 か最後にご発言いただければと思います。 ○岩田局長  とても大事な項目についてたくさんご意見いただきまして、何が合意ができて、何が 合意ができなかったか、3時間を思い返してみますと、私自身も自信がないところがご ざいます。議事録を読み返しまして、事務局ここに多数参加しておりますから、そこで 議論いたしまして、私どもとしてはこういう議論の結果ではなかったのかなというもの を次回冒頭に部会長の方からでも、皆さんにお示しいただければと思います。 ○矢崎部会長  ありがとうございました。私自身も十分理解しているかどうか自信がございませんの で、また議事録をしっかり読まさせていただいて、それから委員の方々からいただいた 意見集も参考にさせていただいて、基準とはいきませんけれども、考慮すべき点を箇条 書きに示していただければありがたいと思います。  それでは今後の予定についてよろしくお願いします。 ○桑島室長  次回の生殖補助医療部会は2週間目でございます9月17日(月曜日)14時から17時ま での予定でございます。場所は今回と変わりまして、厚生労働省の5階の共用第7会議 室でございます。よろしくお願い申し上げます。  それから、前回も申し上げましたけれども、当部会のいろいろな検討時間非常に短こ うございますので、有効に活用させていただくために、事務局から提出させていただい た資料ですとか、そのほか本日いろんな議論をしていただきましたけれども、各委員の 皆様方からご意見、ご指摘をいただきたいと。引き続きメール等で、またお返しさせて いただきますので、よろしくお願い申し上げます。  それから、本日封筒の中に5号館の要は厚生労働省の通行証を入れさせていただいて ございますので、以後、ご活用のほどよろしくお願いいたします。  以上でございます。 ○矢崎部会長  どうもありがとうございました。きょう本当に長い間、議論いただきましてありがと うございました。私にとっては何か2倍以上の時間に感じます。もう2週間後にまたこ のような同じ思いをするかと思うと、急に白髪が増えるのではないかと心配しておりま す。  本当にきょうはご熱心なご討論をいただきましてありがとうございました。それでは 本日の部会はこれで終了させていただきます。どうもありがとうございました。 照会先:雇用均等・児童家庭局 母子保健課 03−5253−1111(代) 桑島(内線:7933) 小林(内線:7940)