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第5回企業組織再編に伴う労働関係上の諸問題に関する研究会議事録


日時: 平成13年7月31日(火) 10:00〜12:00
場所: 厚生労働省専用第18会議室(中央合同庁舎第5号館17階)
出席者: 【研究会参集者・50音順】
 毛塚 勝利(専修大学法学部教授)
 柴田 和史(法政大学法学部教授)
 長岡 貞男 (一橋大学イノベーション研究センター教授)
 西村 健一郎(京都大学大学院法学研究科教授、座長)
【厚生労働省側】
 坂本政策統括官(労働担当)
 鈴木審議官
 岡崎労政担当参事官
 清川調査官
 荒牧室長補佐

【議事概要】

○ 日産自動車(株)人事部次長、越智洋一氏より、日産自動車(株)(以下「日産」という。)から石川島播磨重工業(株)(以下「IHI」という。)への宇宙航空事業の営業譲渡の実情、具体的な対応等について説明が行われた。その内容は以下の通り。

(宇宙航空事業をIHIに営業譲渡した理由)

(労働契約の取扱について)

(労使協議について)

(営業譲渡実施に当たり、特に留意した労働問題事項)

(営業譲渡に関連し発生した労使関係上の問題)

(企業組織再編に伴う労働者保護制度に関する要望)

○ これを受けて、意見交換が行われた。その内容は以下の通り。

Q: 転籍を拒否した労働者は、少数組合の組合員だったのか。その関係如何。

A(越智氏:以下同じ):
 無関係である。少数組合に属する労働者は転籍に合意している。なお、転籍拒否者については若年者が中心で、自動車部門での勤務を希望して入社し、偶々宇宙航空部門に配属された者である。


Q: 日産では自動車事業、宇宙航空事業間で人事配転を行っていなかったのか。

A: ほとんど行っていない。研究職については、両事業に共通の技術開発を行う関係上、相互に人事配転を行ってきたが、あくまで例外的なケースである。


Q: 人事、経理等の間接部門ではどうか。

A: 日産における間接部門は、各事業をまたがる横割り組織であり、日産として一体的に管理している。今回の営業譲渡で、IHIに転籍した者もいる。


Q: 説明の中で間接部門の合理化の可能性について言及されていたが、特に合併が行われる際には、抱え込んだ労働者をその後削減する等リストラをする必要性があると思うが、そういった取扱いはしなかったのか。

A: IHIに転籍した人事部門の者の情報だが、転籍した正社員を整理解雇したことはないと聞いている。自動車部門の不振等の事情により、日産はもとより合理化を進めてきており、IHIには既にスリム化された人員体制で譲渡できたものと理解している。


Q: 本年4月より会社分割制度が施行しているが、もし今宇宙航空事業をIHIに売却するとしたら、会社分割制度と営業譲渡のどちらを利用するか。

A: 譲渡により得る売却益によって、有利子負債の償却を進める必要があったことを考えると、営業譲渡を活用するだろう。


Q: 譲渡に際して、労働者の価値は大きなウェートを占めるのか。

A: これだけの技術者を採用しようとすると相当のコストがかかるものであり、それは重要な要素である。自動車部門でも中途採用をしているので分かるが、たとえ1人の採用であってもかなりのコストがかかるものである。

○ 全日産自動車労働組合、高倉 明氏より、同営業譲渡事例における使用者側との交渉等について説明が行われた。その内容は以下の通り。

(労働契約について)

(労使協議等について)

(営業譲渡交渉に当たり、特に留意した点)

(営業譲渡に関連し発生した労使関係上の問題)

(企業組織再編に対する今後の取組方針)

(企業組織再編に伴う労働者保護制度に関する要望)

○これを受けて、意見交換が行われた。その内容は以下の通り。

Q: 基本合意前に営業譲渡計画がリークされたとき、会社から組合に対して公式な説明はあったのか。

A(高倉氏:以下同じ):
 こういう場合の会社の常套句である「特に検討していない」という旨の声明がなされた。


Q: 労組として、営業譲渡に伴い組合員が大量に抜けるのは痛手があるか。

A: 組合組織としては問題ない。


Q: 転籍に伴い労働条件はトータルとして下がってはならないと主張されるが、それは退職金で言えば、一時金処理等でカバーされて不利益がない状態ならば差し支えないという意味なのか、そのままの退職金制度が移管されなければ認められないという意味なのか。

A: トータルというのは、その場合場合において納得できるものか否かという意味である。仮にそのまま日産にとどまってれば得られたであろうイメージ上の退職金総額が確保されていれば、それで良しということである。


Q: 当該会社の監査を担当している公認会計士(監査法人)でなければ、具体的な「債務履行の見込み」は判断できないだろう。日産労組が想定する制度というのは、その監査法人に労組が相談できる制度のことなのか。

A: 確かに、そうしないと判断できないだろう。あるいは一般に公開されていない財務諸表をオープンにする制度だ。

○ JILより、資料No.1,企業組織再編に伴う労働問題の実態に関する研究調査案について説明が行われた。これを受けて、意見交換が行われた。その内容は以下の通り。

(参事官): 次回の研究会は、ヒアリングの実施とともに、実態調査に関する細目についてJILより説明してもらい、内容についてご議論いただきたい。それを踏まえて、次々回の研究会で最終的に決定したい。


以上

担当:政策統括官付労政担当参事官室法規第3係(内線7753)



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