目次
資料7

○ 厚生科学審議会生殖補助医療部会の検討スケジュールについて
(平成15年通常国会に向けたスケジュールの目安)


平成13年6月11日 厚生科学審議会で生殖補助医療部会設置決定
平成13年7月16日(第1回) 部会長選任等の手続事項・自由討議
平成13年8月〜12月 検討課題1を中心に検討
平成14年1月〜4月 検討課題2を中心に検討
平成14年5月〜7月 検討課題3を中心に検討
平成14年8月 事務局において制度整備の具体案を作成
平成14年8月〜9月 制度整備の具体案について検討
平成14年10月 制度整備の具体案について御意見募集
平成14年11月 御意見募集を踏まえ、制度整備の具体案について検討制度整備の具体案について検討終了。
平成14年11月〜平成15年初頭 制度整備の具体案に基づき法案検討


○ 生殖補助医療部会の検討課題


検討課題1

○ 提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療の実施、精子・卵子・胚の提供の条件

(1) 提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療を受けることができる者の条件

(2) 精子・卵子・胚を提供できる者の条件 等

検討課題2

○ 提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療の実施、精子・卵子・胚の提供までの手続や実施医療施設の施設・設備の基準

(1) 提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療を受ける者、精子・卵子・胚の提供者等に対するインフォームド・コンセント、カウンセリングの具体的な内容

(2) 実施医療施設の施設・設備の基準 等

検討課題3

○ 管理体制

(1) 提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療に係る公的管理運営機関の選定・業務の具体的な内容

(2) 実施医療施設等の監督体制

(3) 生まれた子が知ることができる精子・卵子・胚の提供者の個人情報の管理方法等



資料8

御意見募集で寄せられた意見(平成13年6月29日〜7月10日)


受付番号:1
受付日:平成13年7月2日
年齢:不明
性別:不明
職業:不明
氏名:不明
所属団体:不明
この問題に関心を持った理由:不明

御意見

 題名「不妊治療について」

 まず、私が不妊治療について思うことは、実際に今治療をしている方々の意見を聞いてほしいという事です。
 現在の議論においては、男性や子供のいる女性の意見が多いと思います。
 私は、何の苦労もなしに子供が生まれるのが当然と思う人たちに、不妊で悩む当事者の気持ちは本当にはわからないと思います。
 今の飽食の日本人に、「飢餓で苦しむ人々の気持ちを理解して食べ物を大切にしよう」と言っても、効果がないことと同じです。
 自分がその状況にならなければ、わからず、自分の立場だけで不都合なイメージがあるものを排除しようとする傾向は、改めて行かなければならないと思います。
 これからは、公平に医師と当事者である不妊治療をしている方と同数で議論してほしいと思います。
 患者の立場で考えなかったハンセン病の過ちを繰り返さないように願っています。
 私は、第3者からの、精子、卵子、胚の提供や代理出産について、不妊で悩む方々の選択肢に加えるべきだと思います。
 これらをバックアップするため、関係者や特に生まれてくる子供の法的保護を確保してほしいと思います。
 ただ、子供に対しては、現在実父母の虐待も多く発生しており、「代理出産等の子の幸せは完全に確保しないといけない」というような過剰な考え方は根本的に実現不可能で、代理出産等に反対する人たちの方便に使われているように感じます。
 人生は、必ず予期せぬ事が生じて、幸せにばかり行きません。それは、その人の生まれ方に関ることのみが原因ではないはずです。
 両親が離婚等をした時、子供が巻き込まれてしまうのは、実父母から自然妊娠で生まれても同じ事で、代理出産でもこれと同じ状況で、特に不利にならない程度の法整備をすればいいのではないでしょうか。
 なお、代理母は報酬を貰ってもいいと思いますが、子供は当然依頼者に引き渡すべき(子供が確実に不幸になる場合を除いて)だと思います。
 自然妊娠の女性は、生まれた子を当然に自分で慈しんで育てたので、代理母と子の絆といいますが、それは今までの自分の経験の枠内で考えているからだと思います。つまり、自分と我が子の絆や愛情を、代理母にもあるはずだと推定しているに過ぎません。
 また、代理母を引き受けたことの責任ということを棚上げして、代理母の愛情ばかり重視することは、愛情さえあれば無責任な行為も許されるということで、それは一般社会で他の事象にも通用する考え方ではないはずです。
 これからは代理母という新しい枠組みを、自らの経験の枠や、そこからの推定を超えて、先入観なしで公平に考えなければならないと思います。
 最後に生殖医療と、他の医療とはどこが違うのでしょうか。
 昔、ケガをして大出血した人は死んでしまいましたが、今は採血者や感染血のリスクはあるものの輸血で助かる人が大勢います。昔、未熟児は死んしまうことが多かったのですが、今は障害が残るリスクはありますが、助けようと懸命に医療が施されます。これらの医療は、いけないことでしょうか。医療の進歩を、今ほとんどの日本人が享受しています。不妊に悩む方々にそれを享受してはいけないと誰が言えるのでしょうか。
 医療、いや生活する中にはいつも、リスクや危険はあります。でも、これを完全に排除することは不可能ですし、みんなそれを承知で、また許容範囲なら、その効果を享受するためにリスクを敢えて取っているのではないでしょうか。
 不妊治療や代理母にも、リスクや危険はありますが、通常の医療のリスクや危険と同じように、公平に議論してほしいと思います。糖尿病やインフルエンザと同じようにです。
 不妊に悩む方々は、これらの病気を患っている方々と同じように、悩み苦しんでいるのです。
 どうか少しでも不妊に悩む方々の気持ちになって議論していただくことを願っています。


受付番号:2
受付日:平成13年7月2日
年齢:不明
性別:不明
職業:不明
氏名:不明
所属団体:不明
この問題に関心を持った理由:不明

御意見

 題名「不妊治療に対する意見」

 夫婦以外の第三者から提供された精子・卵子、胚などを使った不妊治療や代理出産などについての意見募集をされていますが、それ以前の問題として、通常の不妊治療に対する保険適用の問題を早期にご検討されることをお願いします。
 代理出産等を行える人は、不妊治療を行っている人のごく一部の問題であり、ほとんどの人は、自らの精子・卵子を使った人工授精や体外受精程度までしか考えておらず、それで子供が出来なければあきらめると思います。
 一部の問題だけがクローズアップされて、本来早急に整備されなければならない問題が先送りされているようにしか私達には思えてならないのです。
 通常の不妊治療にかかる費用は、体外受精で1回につき30万円から50万円かかります。1回で成功すればよいのですが、確率は3割程度で、成功まで何度も取り組んでいる人は大勢います。そうすると費用は普通の家庭では莫大で、負担できなくなり途中であきらめざるおえません。10人に1人が不妊で悩んでいる現状で、少子高齢化の進展を考えると、子供の多い家庭に児童福祉手当てを支給する現行の社会制度よりも、不妊治療に保険を適用するほうが、出生率を上げることが出来ると考えます。


受付番号:3
受付日:平成13年7月2日
年齢:39歳
性別:女性
職業:不明
氏名:不明
所属団体:不明
この問題に関心を持った理由:不明

御意見

 題名「不妊治療について」

 現在39歳の私は、35歳頃から更年期障害が起こりました。
 それまでも妊娠の経験はなく、子供のできにくい体質だったのかもしれません。不妊の治療の結果、卵子(卵ぽう)のできにくいことがわかりました。月経も無排卵であることが多く、排卵誘発剤(HCG)の治療なども、通常の倍量にしても効果が現れませんでした。
 もう、これ以上の増量は無駄であると医師から伝えられたとき、やはりショックでした。
 自分の卵子ができない以上、体外受精などもなんの意味もありません。この先の治療はあきらめるしかなかったのです。ですから、私は個人に選択する権利があってよいのではないかと思います。どんなに出産を望んでも、他人の卵子ではいやだという人もいるはずです。私も、自分と自分の愛する人の子供であることを前提(自分たちの遺伝子を受け継ぐもの)として出産を望みました。人それぞれ、子供を望む状況は違いますから、やはり第三者からの提供であったとしても、”子供”の欲しい方にとっては、必要なのではないのでしょうか?それが、自分の遺伝子を受け継いでいなくても、愛していける自信がある方なら・・・。確かにそれには相当な時間を費やして、患者と医師の間で(できれば、専門のセラピストなども一緒に)話し合って見極める必要は出てくるとは思います。
 又、他の病気であれば、できるだけの治療を望めるのに、不妊に関しては病気とは扱われていないことにも疑問を感じます。高額の治療費、HCGについて言えば、倍量になった分は自己負担でした。一回の注射で、¥5,000ほどかかります。それを月に10日以上も続けるには相当の収入が必要だと思います。体外受精なども、もう少し国からの負担があれば幸いです。
 代理出産についても、後日親権などの争いが決して起きないのであれば良いのではないかと思います。(これは、第三者提供より複雑な問題を孕んでいるような気がしすが。)生まれてくる子供にとって、何が幸せとなるかを第一に考え、神様が決めるよりも、より良い結論が出ることを心より願っております。


受付番号:4
受付日:平成13年7月2日
年齢:31歳
性別:女性
職業:主婦
氏名:不明
所属団体:不明
この問題に関心を持った理由:不明

御意見

 題名「厚生労働省 雇用均等・児童家庭局母子保健課 御中」

 第三者が介在する不妊治療についての意見を述べる以前に、わたしは、挙児を切望する不妊夫婦があり、医療技術を持つ医師があり、精子・卵子なり代理出産という行為を提供しようという第三者があるときに、誰にその治療行為をとどめることができようかと思うのです。
 不妊に悩んでいるのが、もしも自分の娘・息子だったら、肉親だったらどうなのか。大切な人が「どんな最先端の医療技術を駆使してまでも」と赤ちゃんを切望していて、第三者の提供でその希望がかなうかもしれないとしたら。
 第三者に何らかの提供を受ける不妊治療は、倫理面などのほか、危惧される問題は山積しています。技術があるからといって、何でも認めればいいというものでないことは確かです。けれども、何よりもまず、現実に不妊に苦しんでいる人達のことを考えることが最初の1歩であるべきだと思うのです。
 子どもや孫に恵まれている人は、いかなる識者でも、本当に不妊の苦しみを理解することはできません。
 子どものいない人に子育ての苦労が分からないのと同じように。「気持ちは分かるけれど」という言葉で片付けず、何度も、その都度、真剣に、第三者からの提供によってしか挙児の可能性のない、また提供さえあれば挙児に希望の持てる夫婦の立場を自分あるいは自分の肉親に置き換え、熟慮した上で、審議していただければと思います。「認めない」という結論に至ったとしても、不妊患者の立場で徹底して審議することは、とても有意義であると考えます。
 不妊という大きな大きな苦しみ、新しい命を授かることのできない人のいる現実は、国全体の損失だからです。

(主婦・31歳)

 以上


受付番号:5
受付日:平成13年7月2日
年齢:40歳
性別:女性
職業:不明
氏名:不明
所属団体:不明
この問題に関心を持った理由:不明

御意見

 題名「不妊治療」

 結婚して17年目です。
 不妊治療は、AIHを30回と、そのあと体外受精をいろんな病院で16回試みました。
 毎回 自分の卵子が採れて、受精し、子宮に移植することも出来ましたが、今年とうとう胚移植出来なかったので、これを機会に不妊治療を断念しました。
 もう自分の卵巣から、受精するほどの良い卵は 採り尽くしてしまったようです。
 少子化社会と言われていますが、私達夫婦に子供が授かるのであれば少なくとも三人以上は産みたいと 思っていました。多胎でも 望むところです。
 第三者から提供された卵子、胚を使った不妊治療が可能なら私たちは試してみたいと考えています。
 自分が代理出産を試すか否かは 現時点では考えられませんが、他の不妊の夫婦にとって、選択肢のひとつとしてあってもいい方法だと私は思います。
 もう40歳なので残された期間と可能性はわずかです。私達が子宝に恵まれる方法を一刻も早く認めてほしいと願っています。


受付番号:6
受付日:平成13年7月2日
年齢:不明
性別:女性
職業:主婦
氏名:不明
所属団体:不明
この問題に関心を持った理由:不明

御意見

 題名「意見を言わせて」

 私は、第三者からの提供で出産、また、代理出産には反対です。絶対後で、「私が産んだんだから、返して」など問題が起こると思います。
 現在、私は結婚してなかなか子供が出来なくて。。。私に問題がありました。
 どうしても欲しくて、いろいろな方法を考えました。この2つの方法も考えました。(海外だったらOKなので) でも、自然に赤ちゃんが授かりました。絶対親子の絆は人では分からない程、深いものがあるのです。
 最近は、子供が出来ない夫婦をよく耳にします。でも、現にこうやって、私たちみたいに、赤ちゃんが授かった例があるのです。この法律を定めたら、絶対良くない事が起こると思います。女で、生まれた以上、自分のお腹から産みたいです。

主婦より。


受付番号:7
受付日:平成13年7月2日
年齢:不明
性別:不明
職業:不明
氏名:不明
所属団体:不明
この問題に関心を持った理由:不明

御意見

 題名「一意見」

 本当は遺伝子から夫婦の子供を誕生させられる技術を更に研究した方が良いと思いますが…
 とはいえ、まだそこまでの技術が実用化されていないのならば、夫婦間・及び当事者の同意が有れば良いのではないでしょうか? 子供が欲しいと思う人達が子宝に恵まれないのは哀しい事ですから。


受付番号:8
受付日:平成13年7月2日
年齢:不明
性別:不明
職業:不明
氏名:不明
所属団体:不明
この問題に関心を持った理由:不明

御意見

 題名「厳重な体制で」

 基本的には賛成です。しかし、条件を厳しくすることと、その条件をちゃんと守る人たちには政府からの補助金を出すなどの対処をする。
 その反面に、その条件を守らずに違法手術を行う個人や団体には厳しい処罰を与えること、また矢も得ずに、その手術を受けた人たちに対して、あまりにも悪質な場合(又は理由)は同程度の処罰を与えること。
 世界的に見てもこの問題は難しく、また宗教上や倫理上の問題など色々大変だが、その反面この問題をうまく尚且つ早急に対処すれば世界中から賞賛されるはずであろう。


受付番号:9
受付日:平成13年7月2日
年齢:不明
性別:不明
職業:不明
氏名:不明
所属団体:不明
この問題に関心を持った理由:不明

御意見

 題名「不妊治療について」

 不妊治療には賛成です。ただし、第三者の精子・卵子を使っての治療には必ずしも賛成とはいえません。これは難しい問題だと思います。
 私は、子供が出来にくい体質の方などの医療費の保険適用化をはかり、もっと多くの人が治療にあたれるようにするべきだと思います。
 子供が欲しくても出来ない人を何人か知っていますが、みなさん高い治療費を払ってまでも病院へ通っています。このご時世で、家計の負担は相当なものと思われます。
幸いにも子供を授かることができたご夫婦があったとしてもそれまでの負担額が大きければ、きっと子供は1人であきらめてしまうことでしょう。
 少子化の問題をどうするかという一つにこうした方々への支援をすることも解決策になると思います。
 治療費が保険適用になればもっと出産を希望する方が出てくるはずです。また、2人目もと考えられるようになるかもしれません。まずは、自分たちの子供が産めるように支援することが先なのではないでしょうか?
 子供の成長は、ときに親が教えられることが多くあり自分もまたこんなふうに両親に育ててもらったのだと親への感謝の気持ちでいっぱいになります。


受付番号:10
受付日:平成13年7月2日
年齢:不明
性別:不明
職業:不明
氏名:不明
所属団体:不明
この問題に関心を持った理由:不明

御意見

不妊治療について-

 少子化が進む中、治療を受けるのに予約制を導入し、保険を適用してもらえたら有難いという事です。不妊治療を受ける方の中には仕事を持っている女性も多いと思いますが、頻繁に定期的に会社を休む/遅刻しなければいけないのに加え、早く行っても1-2時間待つのはザラです。もう少し考えていただけたらと思います。あとはやはりどういう段階を経て治療をしていくのかを医師が患者と向き合って説明する態度を望みます。最近では不妊治療に限らず、その方向に進んでいる医師も多いかとは思いますが、私の実感ではまだまだです。宜しくお願いします。


受付番号:11
受付日:平成13年7月2日
年齢:不明
性別:不明
職業:不明
氏名:不明
所属団体:不明
この問題に関心を持った理由:不明

御意見

 題名「不妊治療の意見」

 私は、赤ちゃんがその事で不幸にならなければ、不妊治療の選択肢が増えることは良い事だと思っています。
 だから、赤ちゃんや関係の人たちを守ってあげる法律を作って、第3者からの精子・卵子・胚の提供や代理出産を不妊治療の選択肢に加えてください。そして、不妊治療は経済的な負担が大きいので、みんながいろいろな選択肢を使えるように、不妊治療全部に健康保険(国民健康保険)を使えるようにしてください。


受付番号:12
受付日:平成13年7月2日
年齢:不明
性別:女性
職業:助産婦
氏名:不明
所属団体:不明
この問題に関心を持った理由:不明

御意見

 題名「不妊治療について」

 不妊治療についての意見を言わせてもらいます。
 私は、助産婦です。大学病院で不妊治療のチームにいて、患者さんたちの精神面のアンケート調査の研究もやっていました。不妊に悩む方の苦しみや苦労は、見てきたので分かりますが、第三者の介入は賛成できません。倫理的に考えて、絶対反対です。
 どんな手段でもいいから、子供さえ手に入ればいいのでしょうか?
 第三者の遺伝子を使うくらいなら、恵まれない孤児などを養子にもらう手段もあるはずです。
 代理母なんて、もってのほかです。アメリカでされてるからと、日本が真似する必要はないです。妊娠中に母親としての自覚が芽え生、母性が少しずつ生まれ、おなかの胎児も、お母さんの声を聞きながら、育つんです。ちゃんと、母親の声を認識して生まれてきます。 胎児が妊婦の母親から受ける影響は、栄養面や発達面でも大きいのです。人に産んでもらうなんて、考えられません。子供は大人の都合で産ませるものではないと思います。 そんな風に生まれた子は、幸せでしょうか?本当の母親、父親は誰か分からない子をわざわざ産ませるなんて、間違ってます。子供が欲しくても出来ない方の気持ちは、分かります。でも、それは、その夫婦の運命ではないですか?
その事実を受け入れるべきです。倫理的に間違ったことをしてでもほしいんでしょうか?  生命の誕生は、人が介入すべきでは、ないと思います。そんなことをしたら、行き過ぎた行動に出る人がでてくると思うます。
 たとえば、不妊と偽って、優れた精子、卵子を手に入れようとしたり、アトピーや遺伝の可能性のある人は、他からもらおうとしたり・・・・。また、そうやって生まれた子に遺伝病があっても、文句はいわないんでしょうか。それが嫌で、調べてから遺伝的に問題ない精子、卵子をつかうとなると、また問題ではないですか?より、優れた物を欲しくなるんじゃないですか?
 その子が大きくなって、自分は第三者の遺伝子を使用して生まれたと知ったら、どうでしょうか・・・・・・。
 不妊治療でIVF(顕微鏡下体外受精)を何十回もやって、出来ない方がいました。医療側から、やめさせるわけにもいかないので、ずるずると40歳までやりました。ある日「先生、やめるきっかけがないんです。どうか私たちにもう無理だからやめろと言ってください」とおっしゃいました。結婚して15年間、不妊治療が中心の生活だったそうで、お金も時間もすべてが不妊治療だったそうです。でも、夫婦、医療スタッフとよく話し合って、治療を断念しました。夫婦でこれからは、前向きに生きていくと言ってくれました。
 世の中、予後不良の難病の人や、手足のない人、いろんな障害の人、たくさんいますが、みんな乗り越えて頑張って生きています。それが自分の個性だと。子供が産めないのも、受け入れるべきです。第三者まで巻き込むのは、どう考えても間違ってます。
親の分からないかわいそうな子供を増やすだけです。絶対にやめて欲しい。諏訪マタは、夫婦を助けるためと言っていますが、手段は選ばないということでしょうね。
 医者が研究のためや医学の進歩だけのために、先走っているように思います。
 今、体外受精での受精卵を凍結保存しています。一度に複数、受精卵が成功したときに凍結しておいて、数年後にそれを戻して妊娠する。本当は同じ日に受精したのに、3年後に戻せば、兄弟になってしまう。変だと思いませんか?
 絶対反対です!!!!


受付番号:13
受付日:平成13年7月3日
年齢:35歳
性別:不明
職業:不明
氏名:不明
所属団体:不明
この問題に関心を持った理由:不明

御意見

 題名「不妊治療について」

 厚生労働省がこの様に一般からの意見を募集する事をとてもうれしく思います・・・ありがとうございます
 ここ数年 少子化という言葉を良く聞き、政府ももっと子供を作る環境にという事で、TRFのサムさんのポスターを作ったり、会社での産休を取れる環境や、託児所の完備など話しを耳にしますが、視点が違うように思います
 今の世の中で子供がほしいのに出来ない夫婦がどんなに沢山いるのかご存知でしょうか?今は既婚夫婦の7組に一組と言われています
 私は結婚12年目で不妊治療を6年位しています
 この間使ったお金は500万位に達していると思います
 不妊治療(体外受精)は本当に高くて、病院によっても違いますが1回に30万円〜50万円かかります
 金額の負担が多くて不妊治療をあきらめる夫婦が多いのも納得です
 体外受精を受ける場合など、生理周期によって病院に行く日がまちまちなので仕事をしている女性は、急に仕事を休んだりしなくてはいけないので、仕事と治療の両立は非常に難しいです
 うちもそうですが夫の収入だけで、年間に治療出来る回数はせめて3回位です
 保険が利いて10万〜20万弱で済めばもっともっと治療をする人は当然増えるし子供も増えると思いますが・・・・・
 西新宿にある加藤レディースクリニックという不妊専門病院に通ってます
 ここは365日治療をしてくれます
 大晦日も元日も・・・凄い病院です
 年中無休の不妊病院は東京ではここだけではないでしょうか?なので凄い混み方です
 土、日曜日は朝9時過ぎに行っても50人目とか・・・1日に何百人も来るんでしょう。秋田から通っている人も知っています
 不妊で深刻な人々が病院の待合室で2時間も3時間も待っているのは、すごくツライ事です
 個人の病院より大学や国や市町村の大きい病院に行けば少しは金額が安いんでしょうが、技術のレベルが低く土曜、日曜は休みだし、みんな産婦人科という科のくくりなのでお腹の大きな妊婦さんと待合室で一緒になるのがとてもイヤなものです
 もっと国内に高い技術を持った不妊病院を作って下さい
 これからは、もっともっと需要が多くなる病院だと思います
 第三者からの精子、卵子提供問題ですが・・・もう何十年も前から慶応大学病院では、慶応の学生の精子が売買されてますよね
 国がいくら規制を作っても、水面下では様々な事が起こっています
 海外に住む日系人の精子、卵子の売買も有名な話しだし。
 そこまでして子供をほしいか?って聞かれたら私はノーですが、どうしてもという方も世の中にはいるんじゃないでしょうか?跡取がいないと困る家など・・・それを国が規制をするにはどうかと思います
 不妊の人のわずかな光になるかもしれません
 それしか方法の無い夫婦も沢山いると思います・・・どうかお考えください
 最後に・・・望まれないで生まれて来る子供をもっと救って下さい
 産み落として殺してしまったり、虐待して殺されたりと。殺される位なら、育てて愛情 をあげたいです
 もっとどうにかならないでしょうか?
よろしくお願いします


受付番号:14
受付日:平成13年7月3日
年齢:不明
性別:男性
職業:大学教授
氏名:(匿名化の要否不明)
所属団体:久留米大学
この問題に関心を持った理由:不明

御意見

 題名「各種の不妊治療の規制の在り方に関する意見」

1. この種の問題は、当事者である夫婦(や場合によってはその親族等)にとって、非常に深刻・切実な問題である場合が多いのでしょうから、国も医師会もその他の諸機関・諸団体等はしょせん単なる野次馬・評論家に過ぎないという事実に深く留意され、「気楽な規制」及び「他人事への気楽な理屈づけ」を厳に慎しまれるべきである、と「強く」思います。

2. ただし、上記の「夫婦等、深刻・切実なる当事者」が存在せず、ふざけた「営利的、商業的な動機の場合」及び「経済取引き上の動機のみが顕著な場合」に対する禁止・規制は、上記「1」と矛盾することなく、措置できるし、措置すべきであると存じます。
 平成13年7月3日(火)


受付番号:15
受付日:平成13年7月3日
年齢:34歳
性別:女性
職業:会社員
氏名:(匿名化の要否不明)
所属団体:不明
この問題に関心を持った理由:不明

御意見

 題名「不妊・代理出産について」

新聞で意見を募っていたの、、見ました
 私は去年結婚した34歳の主婦とは言い切れない人妻です。
 大学を出て9年近くサラリーをして退職、その後2年ほど気ままに時を過ごし、縁あって今の彼と入籍しました。
 今は週に3日会社に出、後は好きな事(映画や芝居)を見たりなどして過ごしています。子供は出来ればいいとは思います。何かを作り上げる事、すごく好きで、今までモノを作る仕事(企画)をしていましたが、究極はやはり人間を作り上げる事のように思うのです。でも実際こればっかりは運命だとも思うのです。
 子供が欲しくても授かれない人もいれば、欲しくなくても授かってしまう人もいます。私はそれらは全て運命だと思うのです。果たしてそれを人間の力で変えてしまっていいのだろうか?疑問です。運命をまんま受け止め、乗り越えて人は成長して行くのだと思います。それなのに、自分の思うように運命を変える事が出来てしまったら、人間は我慢を忘れ、本当に大切なものを見失い、人としての強さや優しさを得る事が出来ず、傲慢で浅はかなモノになってしまうのでは?と恐ろしく思うのです。そして金銭で何もかもが手に入ってしまう、そんな不公平でむちゃくちゃな時代になってしまうのでは?と思うのです。
 子供が欲しくて欲しくて、でも出来ない、そんな人たちがいっぱいいるのかもしれません。でもそれは、彼らに課された運命、それを乗り越えたときに、きっと何か新しいもの、違う何かが見え、生まれてくるのでは?と思えて仕方が無いのです。
 人間は皆違います。それぞれがそれぞれに課された運命を受け止め、それぞれの人生を歩んで行く、それが人なのではないのでしょうか?
 皆が同じ人生を選択できてしまったら、新しいモノが生み出される事がいずれはなくなり、人類は発展を止め、個性が失われ、人は人では無く、ただ永く生き長らえる、それだけになってしまう様な気がします。
 私の妹は妊娠を望んではいませんでした。しかし、これも運命だったのでしょう、今妊娠6ヶ月になります。彼女は言います、「自分のお腹で育てなくて、親って思えるのかな?親になれるのかな?」彼女は望んでいなかった子供を受け入れ、それまでとは別の、親としての顔を持ち始めています。とても人間として優しく、大きくなっている、そんな感じがするのです。
 私は「妹は運命を受け入れた事で成長したなぁ」とつくうづく思うのです。私は子供、欲しいです。でもおそらくは出来にくい方の人間です。でも、もし出来なかったとしても、それはそれ、運命として受け入れ、子供がいない人生を自分の人生として有意義に生きていこうと思っています。
 私は人間をつまらなくさせてしまう「代理出産」には反対です。


受付番号:16
受付日:平成13年7月3日
年齢:31歳
性別:女性
職業:主婦
氏名:(匿名化の要否不明)
所属団体:不明
この問題に関心を持った理由:不明

御意見

 題名「代理出産について」

 日本経済新聞で「不妊治療などで意見募集を開始」と言う記事を拝見しました。
 私は今現在妊娠5ヶ月です。結果から申し上げれば自然妊娠ではあったのですがここまで至るのに不妊検査をし、お医者様の診断結果は「自然では難しい。体外受精を勧める」と言うものでした。自分達の遺伝子を持った子供が欲しいと願っていた私達にとってはこれからの人生を変えなければならないという岐路にたたされました。以上の経験から次の意見を述べさせて頂きます。
 結論から申し上げると条件付きで代理出産は認めてもいいのではないでしょうか。
 昨今の世の中は大変物騒ではあるので万が一営利目的で利用しようとする人がいるかもしれません。大変危険な事であり恐ろしい事でもあります。こういう観点からすると「女性を道具にする。」という様な意見も出てくるのかもしれません。ただし、「女性を道具にする」と言う意見には納得が出来ません。その様な発言は不妊と言う経験をした事がない人が考える事ではないでしょうか?純粋な気持ちで自分の子供が欲しいと思っている人。どうにもならないと諦めるしかなかった人達にとっては新しい選択が出来る様になるのではないでしょうか?条件付きとは本人達の希望を基に家族の同意や複数の医師の意見判断で他人ではなく姉妹の間でのみ行える。ここまでならいいのではないではないでしょうか?
 しかし母親のお腹から生まれてこないのに母性とは芽生えるものなのでしょうか?生まれてきた子供は自分の生まれて来た経緯に納得ができるのでしょうか?考えれば考える程、親の自分の子供が欲しいと言う欲望であり生まれてくる子供にとってはいい迷惑なのかもしれません。どう考えるかはその人それぞれですが国として厳しい基準の基に不妊症の方々に選択肢を広げると言う意味では代理出産を認めてもいいのではないでしょうか?


受付番号:17
受付日:平成13年7月4日
年齢:42歳
性別:男性
職業:会社員
氏名:匿名希望
所属団体:なし
この問題に関心を持った理由:
 貴委員会で言うところの「借り腹」による出産の報道。またそれを後追いするNHK報道による問題提議に触発され関心を持った。

御意見

 題名「精子・卵子・胚の提供等による生殖医療に関する意見」

 AIDについては、貴委員会において「すでに50年以上の歴史があり大きな問題が起きていない」ことを理由としてAIDを容認しているのに対し代理懐胎(代理母、借り腹)については、「考え方に真っ向から反するものである」、または「到底容認できる者ではない」と報告されている点に関して意見を述べます。

1. AIDは配偶者以外の精子、卵子、胚を用いており血縁上の親子ではないのに対し、借り腹は血縁上の親子関係がある。これを禁止することに反対します。親子関係の特定については貴報告書の通り養子縁組など昔から非血縁でも親子となるのでこれを問題としません。受精、懐胎+出産、養育の一連のプロセスで一般の親子関係が成立するのであれば特に借り腹を禁止する理由とはならない。

2. AIDについては倫理上の考察を全く与えていないにもかかわらず50年問題ないの容認するとしているのに対し、借り腹は上記の如く非常に感情的理由や記述で禁止しており、先入観のある報告書となっている。(まず禁止ありき)また用語もAIDについては英単語で省略しておきながら、代理懐胎では借り腹のような文言を用いており差別的解釈をおこなっている。AIDについても借り精、借り卵等で表現すべきである。

3, 借り腹を禁止すると、子宮ガン等の原因で卵巣は残りながら子宮を除去された女性に対して「あなたは遺伝的な自分の子を設ける資格を失った」と認定していることになる。

4. 上記の場合国内では禁止されていながら、海外では行われている現実から以前の脳死移植と同じように「金銭がかかるが海外なら子をもてる」という状況を作り出すこととなる。これは比較的裕福な家庭にのみ許される行為となるため結果として優性思想を助長する。

5. カウンセリングについてはその権利を与えるのではなく、子を設ける前後数時間ずつのカウンセリングを義務づけるべきと考えます。

以上


受付番号:18
受付日:平成13年7月5日
年齢:不明
性別:不明
職業:不明
氏名:不明
所属団体:不明
この問題に関心を持った理由:不明

御意見(葉書郵送分)

 題名「不妊治療について」

 不妊治療について、代理母は技術的に確立しています。代理母を引受ける人との間で予めあらゆる事態を想定した契約書を作る等の条件付きで認めて下さい。
 日本は異常な少子化が進みつつあります。欲しいと思う人が子供を持てるような技術は、クローン以外は認めるべきです。卵子の提供は身体的負担が大きいので何らかの報酬を認めないと善意の提供者は出てこず、親類等の協力者がいない人は恩恵を受けられません。余りにも営利を追求したものや、同じ人の卵子が多数の人に提供されないよう公的機関の審査を条件に認めて下さい。高齢出産する人が増えるのですから、遺伝子異常の子供が産まれる可能性も高くなります。安心して産めるように受精卵の遺伝子異常の検査をもっと自由化して下さい。養子制度をもっと宣伝して下さい。海外からの養子斡旋も奨励して下さい。養子の情報をもっと一般に流して下さい。企業の出産や育児を理由にした解雇を厳罰付きで禁止して下さい。子育て中の人の時短を奨励して下さい。出生率の向上にあらゆる手を尽すべきです。


受付番号:19
受付日:平成13年7月6日
年齢:40歳代
性別:男性
職業:産婦人科医師
氏名:打出 喜義
所属団体:金沢大学
この問題に関心を持った理由:産婦人科医として関心を持っている。

御意見

 題名「厚生科学審議会生殖補助医療部会事務局 御中」

 私は、一般的な不妊治療および配偶者間人工授精、配偶者間体外受精には賛成ですが、それ以外の生殖補助医療には反対します。
 以下にその理由を述べます。

(1)精子提供の反対理由

 平成11年の11月に、生殖補助医療進歩の一つとして、「ネズミの精巣でヒトの精子を作らせる実験」の可否についての見解が、日本不妊学会と日本産科婦人科学会で異なり、混乱が生じているとの報道がありました。不妊学会は不妊治療の医療技術開発に邁進する学会ですので、より先端の実験・研究を求めますし、一方、産科婦人科学会の会員には、一般の産婦人科臨床医も多数含まれるため、あまりの極端は否としたようで、そのような混乱が生じたのだと思います。
 ところで、このような極端をあげるまでもなく、近年の生殖補助医療の進歩により、従来の診断では乏〜無精子症とされ、提供精子でなければ妊娠させられないと考えられていた重度男性不妊患者でも、極論すれば一ヶの精子さえあれば妊娠させる事は可能となり、非配偶者間人工授精(AID)が必要とされる頻度は、以前に比し明らかに減少していると思われます。
 従って、社会における夫婦の生物学的意味が、もし「その夫婦の遺伝子を残す」事にあるとするなら、あくまでも夫の精子を使い妊娠させることを不妊治療の目標とすべきであり、この意味に於いても安易な精子提供に拠る、不妊治療は行なわれてはなりません。

(2)卵子提供の反対理由

 卵子提供の一番の問題点は、提供側に少なからぬ肉体的・精神的苦痛(負担)が掛かるという点で、この問題点が解消できない以上は、卵子の提供を求めてはいけないと思います。
 ところで、「精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療のあり方についての報告書の概要」の「(2) 精子・卵子・胚の提供に対する対価」のなかに、「精子・卵子・胚の提供に係る金銭等の対価の授受を禁止する。ただし、精子 ・卵子・胚の提供に必要な実費相当分については提供者に支弁してもよい。」とありますが、それでは卵子提供者の肉体的・精神的負担の対価を、どういった形でお支払いすれば良いのでしょうか。「無償の姉妹愛や隣人愛」を持った提供者が現れるのを、不妊夫婦は首を長くして待ち望めばよいのでしょうか。私には、赤の他人が相当の肉体的・精神的負担覚悟で、そのような動機だけで、自分の卵子を提供するとは思われないのですが、如何でしょうか。
 国として、例えば少子対策の一環として、卵子のない妻の不妊カップルへの卵子提供を推進しようとするのであれば、より一層の現実的対応が必要だと思われます。つまり、卵子を提供する際の肉体的・精神的負担に対する対価を、正統に評価し支払うといった対応です。そうすれば、一時的にでしょうが、以前の売血のような状況に陥るかも知れません。しかし、質の良い卵子を提供しようとすれば、それは、仕方のないことではないでしょうか。
 また、対価の伴う卵子提供が認可されれば、認可した国としては当然クオリティの高い卵子を採取し提供するように指導する義務が生じると思われます。なぜならば、対価を払って卵子を提供される側としては、その卵子が変な感染症を持っていたり、いろいろの遺伝性疾患を持っていたりすれば大変ですから、「感染症がない」とか「遺伝性疾患がない」といった保証を当然として求めることになります。しかし、それらの保証は実際に行うことはほぼ不可能ですので、ここにも混乱が生じます。
 このように「卵子提供」を実行しようとすれば、様々の問題点が引き起こされて来る ものと考えられます。

(3)胚提供の反対理由

 胚提供は、ある不妊カップルが体外受精をした際に生じた廃棄予定胚をリクルートするといった廃品再利用的観点からは、良いのかも知れません。しかし、生まれ出た子らのフォロウをしっかりしなければ、出自を知る権利にある「非配偶者間生殖補助医療により生まれた子は、結婚した場合に近親婚とならないことの確認を求めることができる」との条項は、空文化します。
 また、胚提供され親となった夫婦にとって、生まれた子供は遺伝学的には全くの他人ですから、例えばその子を育てる場合と養子をもらい育てる場合とは、そうたいした差違はないはずです。したがって、胚を提供してもらってまで親になることに意義を求めるならば、ちょっと極論かも知れませんが、良い子を養子として迎え育てれば良いわけで、それでも親としての苦労も十二分に味わえるはずです。ただ、養子を貰う場合には、妊娠経過に伴う妻の心身の変化や夫としてそれを目の当たりにする事ができないという決定的相違点があり、この様な妊娠・分娩の経過を味わいたいとの夫婦の思いもあるかも知れません。しかし、もし提供胚を分娩する際に障害が生じたような場合に、胚を提供された夫婦は、その悲惨な運命を果たして甘受出来るでしょうか。
 産婦人科医として二十余年を勤めますと、さまざまの事例を目の当たりにします。分娩の多くは祝福されるものですが、中には生まれ出た子供のために、家庭は崩壊し離婚にまで至ったケースにも、まま遭遇します。しかし、この様な場合でも、遺伝的繋がりがあれば、産まれた何の罪もない子供は何とかなるものですが、提供胚の場合には、どういった事態になるのかは、私には想像もつきません。少なくとも、提供胚による妊娠を希望する不妊夫婦に対しては、こういった事例も紹介し、しっかりとした親になる覚悟で妊娠・分娩・育児に臨んで貰いたいと思いますが、そこまでインフォームされた上でコンセントを行える不妊夫婦が、果たして何組いるでしょうか。

(3)まとめ

 上述のように、精子や卵子、胚の提供には、それぞれに大きな問題があると思われます。したがって私は、一般的な不妊治療および配偶者間人工授精、配偶者間体外受精には賛成しますが、それ以外の生殖補助医療には反対です。
 ところで、医療は、基本的には「個人の福祉」のためにあるとは思いますが、現在の医療状況を鑑みますと、胚を用いた研究や遺伝子操作など医療の進歩?に伴って、もはや「個人の福祉」といった観点のみで、それらの医療が正当化される範疇を逸脱しつつあるように思われます。また、医療経済の面からしても、「個人の福祉」の名の下での際限のない医療支出は国家財政を圧迫するにまで至っており、「個人の福祉」と「公共の福祉・社会の公平と秩序」とが鎬を削るような現況にあると考えられます。
 我々はこれを機会に、今一度、「精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療」の進歩にまつわる問題点も含め、このような医療の際限のない進歩?が、将来の子供たちの禍根とならないかどうか、また、医療に限界があるとすればそれを何処に設定したらよいか、について国民的論議を要するものと思います。
 最後までお読み下さり有り難うございました。
 万事多難の折ですが、我が国の医療の将来を、何とぞ宜しくお願いいたします。


受付番号:20
受付日:平成13年7月8日
年齢:30歳
性別:女性
職業:主婦
氏名:不明
所属団体:不明
この問題に関心を持った理由:不明

御意見

 題名「生殖医療」

 初めまして。海外(米国)在住の30歳主婦です。
 非配偶者間体外受精の是非について意見申し上げます。
 一言で言って賛成です。
 不妊治療も健康保険を適用させて欲しいです。不妊は病気です。
 あまりにも高額の負担ゆえ何年も何年もお金を捨て続け結局資金もそこをつき泣く泣く子孫をあきらめる夫婦の哀しみをご理解いただきたいと思います。
 昨今日本の低出生率が騒がれております。
 これは女性の高学歴化、晩婚化を理由にするメディアが多々あるように思いますが現在産婦人科に通っている女性の数からして不妊のカップルが昔より増えていることが一番の理由ではないかと考えます。
 ストレス社会、環境汚染等等も原因と考えます。
 一度政府にても再考ください。
 皆が気持ちよく住める日本にしてください。
 不妊の人たちだけ悲しい思いをさせないでください。


受付番号:21
受付日:平成13年7月9日
年齢:不明
性別:女性
職業:不明
氏名:不明
所属団体:不明
この問題に関心を持った理由:不明

御意見

 題名「不妊治療に関する意見」

 私は現在不妊治療を受けている女性です。新聞で意見を募集していることを知り、メールしました。
 私は不妊治療を受けていますがおかげさまで子宮も卵巣もあるため望みを持って治療に励んでいます。
 でも、もし、突然「子宮ガンです。」とか「卵巣ガンです。」と言われたら、ショックで立ち直れないかもしれません。そうなった運命を黙って受け入れるしかないと思うこともありますが・・・。私がいつそのようになるかわからなし、この問題は子供がいない女性にとて人ごととはとても思えません。
 他人の卵子をもらって妊娠しても自分の子ではないので本当に自分の子のように思えるだろうか?と思うこともあるでしょう。でも、自分で出産を体験すると他人の卵子でもきっと自分の子だと思える気がします。
 本当に子供がほしいと思っている夫婦にとって、子供が持てる方法があるのにそれを法律により規制することは許せないことだと思います。
 子宮がない人、卵巣がない人に限り認めてあげるべきだと思います。ただ、やはり、提供者は無償であるべきだと思います。必然的に、姉妹等血縁関係者になるかと思いますが。
 それでも、すこしでも希望を持てる方法を考えてほしいと思います。


受付番号:22
受付日:平成13年7月9日
年齢:不明
性別:女性
職業:不明
氏名:不明
所属団体:不明
この問題に関心を持った理由:不明

御意見

 題名「意見(不妊治療に関して)」

日経新聞で意見募集の記事を見ました。
 この件には以前から強い関心があり、いろいろな(医)学者の書物や新聞・雑誌記事などを読んでいました。
 大きな疑問点がありまして、それは、不妊治療を受け子供をもうけた人達が本当に幸せになっているのかどうかということです。
 そもそも、子供を持たなくてはならないというプレッシャーが世間にあるから、不妊が正常ではないと思える訳であり、子供を持たない夫婦形態や人生が認められていれば、そもそも、悩み苦しむことはないはずです。いたずらに、不妊治療という(ビジネス?)ニーズを掻き立てているように思えます。
 本人の子供でなくても、養子縁組や(海外も含めて)フォスターペアレントなど、子供と係わる方法はいくらでもあります。また、仕事やその他の才能を活かしていくらでも社会に貢献でき、認められ、本人も幸せになれるはずの可能性が、不妊を問題視することによって、つぶされているケースを多く見聞きする度に残念に思います。
 不妊治療はお金もかかり、時間もかかり、子供をもうけても失敗に終わっても、大きな脱力感を伴います。人生は子供だけではないはず。。。不妊治療の末、子供を授かっても崩壊する家庭は多々あると聞きます。子供を持てば自動的に幸せになれるというものではないのです。
 不妊治療にも保険適用を、という声もありますが、私は大反対です。技術的に成功率が低いから、とか、医療保険が赤字だから、というだけでなく、社会の損失だと思うからです。保険料を負担している他の人々にしても不妊治療に多大のお金を投じることに無駄を感じるだろうということもありますが、不妊関係者のエネルギーの損失があまりにも大きく、それ全体が社会の負担になるからです。
 不妊の人が可哀想だから何とかしてあげたい、と思うお医者様は多いと思いますが、本当にその本人の為を思えば、子供のない人生もあるのだと説いてあげた方が結果的に幸せに繋がるという点を今一度認識願いたいと思います。(人生、何もかも手に入るわけではなく、諦めることや他に目を向けることは大切だと思います。)
 生命科学に限らず、技術の進化・進歩は、その道の専門家の方々には興味ある世界だと思います。ただ、技術を悪に利用しないことはもちろんのこと、自然体での幸せを否定することに使わないで頂きたいと思います。
 今後は意識的に子供を持たない夫婦やシングルの人生を選択する人が増えていくと思います。あと数年の辛抱で子供を持つことの価値観も変わってゆくかもしれません。不妊の夫婦が子供にとらわれない生き方を決意しやすくなるかもしれません。
 とにかく、子供がいなくてもいくらでも幸せは掴めるのです!ということをどうしてもお伝えしたかったのです。
 (私自身もDINKSですし、周りにも子供のいない人は多いです。子供がいないからといって不幸になるとはとても思えない。そして、私は人口政策には大反対です。世界的・歴史的に見ても人口の多い国が繁栄しているとは限らないし、国民の幸せ抜きに国が持つとは思えませんから。。この十数年、子供の数は安定しています。団塊の世代やベビーブーマーの数が多いことが問題なのであって社会保障はその部分を改善すればいい話です。それを無理に子供を産め、産めと騒ぐから、いろいろな部分に歪みが出てくるのです。いい迷惑です。政府は「小さな政府」を目指してほしい。。厚生省のお役人も政治家も医者も社会学者も、、、現実をもっともっと見て下さい!)
 ありがとうございました。


受付番号:23
受付日:平成13年7月10日
年齢:50歳代中心(メンバー19名)
性別:女性
職業:法律学科卒業生、専業主婦、専門学校講師、大学教授、自営等様々
氏名:伊東章子、五十子敬子、大久保和子、大城悦子、岡村絵美子、門脇美智子、斉藤淳子、鈴木文子、竹崎利弥子、平良木節、三門房子、三上洋子、宮澤佳子、森脇恵子、八島暁子、山路家子、横溝弘子、吉岡洋子、吉田るり子
所属団体:N.K.B.
この問題に関心を持った理由:
 私達の会は、主に生命倫理を勉強しようという会であるので、当初から興味をもって推移を見守っていたが、この研究報告が発表された時点で、生殖補助医療技術の行き過ぎた利用を抑制しようとする方針で考えられているはずのものであるのに、推進しようとする意思が垣間見られ、首尾一貫していないという印象を受けたこと。
また、「子の福祉」とはいったい何か、あまりに漠然としていて判断の基準となりにくい面がある。本人にとっての幸せは、他人に窺い知ることの出来ない部分が多々あることは承知しているが、できるだけ具体的に明確に表現するべきではないかと考えたこと。
その意味からも、子どもは「社会全体の子ども」としての共通基盤を考える必要があるのではないだろうか、一部宗教家による神の分野に手をつけるものだという批判はともかくとして、先端生殖補助医療技術が、手術そのもの、あるいは将来にわたって禍根を残す危険性を伴うものであるという恐ろしさについても周知を図るべきであると考えたことによる。

御意見

 題名『「精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療のあり方についての報告書」に対する意見意見応募』

1の(1)「精子・卵子・胚の提供等による生殖補助医療を受ける条件について」

 「法律上の夫婦に限定すべきである」という点について、現時点では賛成。
 その理由は、子どもの利益を守るという観点から賛成なのであるが、但し、将来民法改正等により、特に子どもの相続上の不利益等がなくなれば、事実上の夫婦にも認めてもよいと考える。

1の(2)の(5)「代理懐胎(代理母・借り腹)」について

 「代理懐胎(代理母・借り腹)は禁止する」という点について、現時点では賛成。
 その理由は、可能性のある医療技術の制限をするのはどうかという考えはあるが、子どもの福祉の優先を考えれば、代理懐胎は禁止せざるを得ない。
 しかし、現に米国・韓国で代理出産により子どもをもうけているという現実について、もっと議論される必要があり、ただ我が国で規制するだけでは、ものごとの解決にはならないだろう。主に子どもの利益に関して必要な周辺の法整備がなされれば、認めてもよいのではないだろうかと考える。

1の(3)の(1)「精子・卵子・胚を提供する条件」について

 「卵子を提供できる人は、既に子のいる成人に限り、満35歳未満とする」という点について、現時点では賛成である。
 その理由は、医学的な統計結果を信頼することによるものであるが、将来は医学の進歩により変わる可能性があると考える、また、凍結受精卵を使用する場合については、特にその保有期間等、別途の基準・制限が必要と考える。

1の(3)の(2)「精子・卵子・胚の提供に対する対価」について

 「精子・卵子・胚の提供に係わる一切の金銭等の対価を供与すること及び受領することを禁止する。ただし、実費相当分については、この限りではない。」という点について、条件付きで賛成する。
 その条件というのは、実費相当分の中に、得べかりし利益(休業等ドナーに損はさせない程度の金額)の保障は必要という点である。その他に、精神的負担に対しても、ある程度の金銭的な保障を与えてもよいのではないかという意見も出たが、商業主義に陥り易いということで、上記のようになった。

1の(3)の(5)「書面による同意」について

 (ア)、(イ)共に賛成である。
 その理由は、説明をする者と受ける者との知識レベルの差も考えられ、必ずしも意図していることが伝わっていない場合も予想されるので、書面で確認していくということは必要であるので、書面による同意は必要不可欠なことであり、法律での規制も必要なことである。

1の(3)の(6)「充分な説明の実施」について

 (ア)、(イ)共に条件付で賛成である。
 その理由は、書面による同意は重要なことだが、たくさんの書類を詳細に目をすことも簡単なことではなく、その内容について充分な説明をすることも決しておろそかに出来ることではない。
 条件として、医師の説明も重要である、更に医師の説明をフォローしてくれる人も必要であるし、その説明をする人の資質、資格、養成にも心すべきである。
 その養成・雇用・管轄などを、誰が(どこが)行うか、重要な問題で検討が必要である。その管轄機関(財政基盤)により、誘導される方向が変わってくると予想されるからである。
 なお、現状では、ドナーに対する説明が不充分なのではないかと思われるので、特にその危険性、将来にわたる問題点について充分な説明が必要である。

1の(3)の(7)「カウンセリングの機会の保障」について

 「カウンセリングを受ける機会が与えられなければならない」という点について条件を付けて賛成する。
 その理由は、カウンセリングを受ける機会が与えられるということでは、受ける受けないの自由が発生する。身体的・精神的・社会的な予後に対して周知徹底を図る意味からも、カウンセリングを受けることは義務づける必要があると考える。

1の(3)の(10)「同一の人から提供された精子・卵子・胚の使用数の制限」について

 「同一の人から提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療を受けた人が妊娠した子の数が10人に達した場合には、……」について、反対である。
 その理由は、あまりに多過ぎると考えるからである。子どもの出生数が減ってきている現在、割合が増えるので好ましくないのではないか。なぜ、これより減らすことは出来なかったのか、提供者が少なくなるという理由では、規制しようという法律制定ではなく、推進しようという法律なのかという疑問も起きる。

2の(2)の(2)「出自を知る権利」について

 この項目全体について、賛成する。
 その理由は、全ての子どもには、自分の出自を知る権利が当然に存在すると思うからである。
 なお、民法の特別養子と、提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療により生まれた子どもと、異なる点はその原因となる妊娠に関わったか否かだけの問題であることを指摘しておきたい。

2の(2)の(3)「提供された精子・卵子・胚による生殖補助医療の実施に関わる体制の整備」について

 「各生殖補助医療機関の利用に関して、倫理的・法律的・技術的側面から検討を行い、必要な助言を行う公的審議機関を設ける」という点について賛成する。
 その理由は、医学に偏り過ぎず、真に子の福祉を考える立場の機関が、子の福祉の視点で考えた時に、必要欠くべからざる存在だからである。その意味からも、公的審議機関の形成メンバーは、男女同数とすべきであるし、さらに、医師だけに偏ることなく、哲学者・児童福祉の専門家・法律家・心理学者・バイオエシックスの専門家等で構成し、各分野の専門家が全体の20%を超えないように配慮すべきである。

多胎・減数手術について

 減数手術に関しては、通常の妊娠中絶を認めるならば、減数手術も認めざるを得ない、通常の妊娠中絶と減数手術との差異はないと考える。なお、減数手術という手段よりも多胎妊娠を避けるような医療技術の進歩発展に期待するものである。

以上


受付番号:24
受付日:平成13年7月10日
年齢:46歳
性別:女性
職業:主婦
氏名:匿名希望
所属団体:なし
この問題に関心を持った理由:
 AIDが公表された時のショックがあまりにも大きかったので。

御意見

 この意見募集は非配偶者間の生殖医療を行うことを前提とした制度整備に関するものなので、私みたいにその前提から否定する者はなんと意見したらいいのかわからなくなります。
 言いたいことは山ほどありますが、生まれてくる子供のことを考えると、第三者の精子・卵子・胚・の提供による生殖医療は絶対にやっては行けないことだと思います。
 この私の意見に不妊治療した友人から不妊で悩んでいる人の気持ちが全く分かってないと非難されました。
 でも誕生してくる子供の気持ちが最優先ではないのですか。
 人が人の命をコントロールすることができる社会では、子育てするのも、生きていくのも馬鹿らしくなってきそうです。



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