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平成13年5月18日
腸炎ビブリオ食中毒防止対策のための水産食品に係る規格及び基準の
設定に関する薬事・食品衛生審議会の答申について
本日開催された薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会において、腸炎ビブリオ食中毒防止対策のための水産食品に係る規格及び基準の設定について審議した結果、別添のとおり規格基準を設定することが適当である旨の答申が行われたので公表します。
なお、厚生労働省では本答申を受け、食品、添加物等の規格基準の改正等を行うこととしております。
(別添)
薬食審第121号
平成13年5月18日
厚生労働大臣 坂口 力 殿
薬事・食品衛生審議会
会長 内山 充
答申書
平成12年10月24日付厚生省発生衛第294号をもって諮問された腸炎ビブリオ食中毒防止対策のための水産食品に係る規格及び基準の設定について、下記のとおり答申する。
記
腸炎ビブリオ食中毒防止対策のための水産食品に係る規格及び基準については、別添のとおり設定することが適当である。
(別添)
腸炎ビブリオ食中毒防止対策のための水産食品に係る規格及び基準
I.次の水産食品に対し、新たな規格基準を設定することが適当である。
1 食品一般の調理基準
未加工の魚介類を生食用に調理する場合、飲用適の水で十分に洗浄し、製品を汚染するおそれのあるものを除去しなければならないこと。
2 切り身、むき身の生食用鮮魚介類加工品
成分規格
- 製品1gあたり腸炎ビブリオ最確数100以下であること。(検査法は別紙のとおり。)
加工基準
- 加工にあたっては、飲用適の水を使用すること。ただし、海水を使用する場合は、殺菌海水又は人工海水を使用すること。
- 原料用鮮魚介類は、鮮度が良好なものでなければならないこと。
- 原料用鮮魚介類が冷凍されたものである場合は、その解凍は、衛生的な場所で行うか、または清潔な水槽中で飲用適の水を用い、かつ、十分に換水しながら行わなければならないこと。
- 原料用鮮魚介類は、飲用適の水で十分に洗浄し、製品を汚染するおそれのあるものを除去しなければならないこと。
- 解凍処理を行った鮮魚介類の加工は、その処理を行った場所以外の衛生的な場所で行わなければならない。また、その加工にあたっては、化学的合成品たる添加物(次亜塩素酸ナトリウムを除く。)を使用してはならないこと。
- 加工に使用する器具は、洗浄及び消毒が容易なものでなければならない。また、その使用にあたっては、洗浄したうえ消毒しなければならないこと。
保存基準
- 生食用鮮魚介類加工品は、これを10℃以下で保存しなければならないこと。
- 生食用鮮魚介類加工品は、清潔で衛生的な容器包装で包装して保存しなければならないこと。
表示基準
- 生食用である旨。
- 10℃以下で保存しなければならない旨。
3 煮かに(ゆでかに)
成分規格
- 腸炎ビブリオが陰性であること。(検査法は別紙のとおり。)
加工基準
- 加工にあたっては、飲用適の水を使用すること。ただし、海水を使用する場合は、殺菌海水又は人工海水を使用すること。
- 加工に使用するかには、鮮度が良好なものでなければならないこと。
- 加工にあたっては、加熱時の温度むらを防ぎ、中心温度を70℃で1分間以上加熱すること。
- かには、ゆでた後、速やかに飲用適な水で十分冷却するとともに、二次汚染防止措置を講じなければならないこと。
- 煮かに(ゆでかに)は、冷却後、清潔な洗浄しやすい不浸透性の容器に納めるか、もしくは同等の方法で原料等からの二次汚染防止措置を講じなければならないこと。
保存基準
- 煮かに(ゆでかに)は、10℃以下で保存しなければならないこと。ただし、冷凍煮かに(ゆでかに)にあっては、これを−15℃以下で保存しなければならないこと。
- 煮かに(ゆでかに)は、清潔で衛生的な容器包装で包装して保存しなければならないこと。ただし、店頭販売時において、二次汚染防止措置を講じている場合においては、この限りでないこと。
表示基準
- そのまま食用に供するものであるかないかの別。
- 10℃以下で保存しなければならない旨。
II.次の水産食品に対し、規格基準を追加することが適当である。
1 ゆでだこ
成分規格
- 腸炎ビブリオが陰性であること。(検査法は別紙のとおり。)
加工基準
- 加工にあたっては、飲用適の水を使用すること。ただし、海水を使用する場合は、殺菌海水又は人工海水を使用すること。
2 生食用かき
成分規格
- 製品1gあたり腸炎ビブリオ最確数100以下であること。(検査法は別紙のとおり。)
加工基準
- 加工にあたっては、飲用適の水を使用すること。ただし、海水を使用する場合は、殺菌海水又は人工海水を使用すること。
3 冷凍食品(生食用冷凍鮮魚介類)
成分規格
- 製品1gあたり腸炎ビブリオ最確数100以下であること。(検査法は別紙のとおり。)
加工基準
- 加工にあたっては、飲用適の水を使用すること。ただし、海水を使用する場合は、殺菌海水又は人工海水を使用すること。
- 原料用鮮魚介類が凍結されたものである場合は、その解凍は、衛生的な場所で行うか、または清潔な水槽中で飲用適な水を用い、かつ十分に換水しながら行わなければならないこと。
- 原料用鮮魚介類は、飲用適の水で十分に洗浄し、製品を汚染するおそれがあるものを除去しなければならないこと。
(以上)
(別紙)
腸炎ビブリオ検査方法
1. 切り身、むき身の生食用魚介類加工品、生食用かき、冷凍食品(生食用冷凍鮮魚介類)
(成分規格として、腸炎ビブリオ最確数を求める場合。)
検体25gにPBS(3%食塩)225mlを入れ、ストマッキング処理し、検体の10倍希釈液を作成し試料とする。次に検体の10倍希釈液1mlをPBS(3%食塩)9mlの入った試験管に入れ、検体の100倍希釈液を作成する。
検体の10倍希釈液及び100倍希釈液をアルカリペプトン水10mlの入った3本の試験管にそれぞれ1mlずつ接種し、また、検体の100倍希釈液をアルカリペプトン水10mlの入った3本の試験管に0.1mlずつ接種する。
37℃、1夜培養後、各試験管の上層の1白金耳をTCBS寒天培地に塗抹し、37℃、1夜培養する。培地上の腸炎ビブリオと推定される集落を同定し、各段階に希釈した試験管の陽性本数を最確数表にあてはめて、1gあたりの最確数を求める。
2. 煮かに(ゆでかに)、ゆでだこ
(成分規格として、腸炎ビブリオ陰性を求める場合。)
検体25gにアルカリペプトン水(225ml)を入れ、ホモジナイズ処理した試料を、37℃、1夜培養後、上層の1〜2白金耳をTCBS寒天培地に塗抹し、37℃、1夜培養する。培地上の腸炎ビブリオと推定される集落を同定する。
照会先:厚生労働省医薬局食品保健部
石井基準課長
担当:課長補佐 滝本(ex.2444)
乳肉水産基準係長 鶴身(ex.2488)
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