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第1回「ヒト細胞組織等に由来する医薬品等による
健康被害の救済問題に関する研究会」(議事概要)


日時 平成13年1月31日(水)10時〜12時
場所 医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構会議室
新霞ヶ関ビル9階)
出席者 浦川委員、高橋委員、鴇田委員、堀内委員、森島委員、矢崎委員、野々下専門家
厚生労働省医薬局長、医薬局総務課長、医薬品副作用被害対策室長等

議事

1.医薬局長挨拶
2.委員等紹介
3.研究会開催の趣旨
4.研究項目
5.医薬品副作用被害救済制度の概要
6.「副作用」と「感染」
7.当面の日程と研究項目

[主な発言内容]

(1)研究項目

○ 対象とする製品の範囲については、製品として承認され市場に出ていくような医薬品・医療用具を一応念頭に置くことが適当ではないのか。
○ 人畜共通の感染症もあるので、ヒトの細胞組織に限定するのではなく、一部の動物も対象に考えるべきではないか。
○ 対象とする被害の範囲については、感染に限定するのではなく、それ以外で生じる健康被害にどのようなものがあり、どのような場合に生じ得るかについて、整理する必要があるのではないか。
○ 議論の中心は「ヒト」であり「感染」かもしれないが、今後出てくる問題はそれだけではなさそうなので、あまり最初から守備範囲を決めてしまわずに、議論していく過程でどこまで入れるか整理していけばよいのではないか。

(2)医薬品副作用被害救済制度の概要

○ 医薬品副作用被害救済制度の発足以来20年の運用は、新たな制度を考える上でも大変参考になるのではないか。
○ 医薬品副作用被害救済制度では、法律第2条第3項で「副作用」を定義しているが、そこには薬理作用という言葉はないことから、「感染」が適用外ということには若干解釈の余地が残るのではないか。
○ 現行の救済制度で「感染」が想定されていないことについては、血液製剤のHIV感染の問題の際にも、国会で法律の解釈に関するやりとりがあった。
○ 現行の救済制度で血液製剤が対象外になっているのは、ウイルス感染の回避が不可能でも輸血はしなければならず、受忍すべきものという考え方であり、論理的に薬理作用かどうかで分けたというのではないのではないか。
○ 「薬理作用」は本来その薬が有効性を発揮するために持っている作用であり、「副作用」が薬理作用によるという言い方は適当ではないのではないか。
○ 「感染」という言葉の定義についても、制度として組むときにはかなり慎重にしないと、考えてもいないことが後から出てきて定義からはずれてしまうことになるのではないか。
○ 「感染」の場合には、突発的に広がる可能性があるので、積立金というか危険責任準備金的なものは、「副作用」に比べて相当大きなものを考慮しなければならないのではないか。
○ 制度スタート以前の問題については、被害者からすれば前と後とで扱いが違うのはおかしいということにもなるが、他方で拠出する立場からは、過去の分まで全部持たされるのはかなわないということにもなる。制度を組むと色々とアンバランスも出てくるが、ある程度理屈を固めながら、どこかで割り切らざるを得ないのではないか。
○ 最初の段階ではなるべく問題を広げて色々検討するとともに、制度として組み立てていく場合には、ある程度制度的な割り切りをせざる得ないのではないか。

(3)「副作用」と「感染」

○ 副作用は一般には「欠陥」に当たらないとしても、効用を上回るリスクがあれば副作用も「欠陥」になるのではないか。
○ 血液製剤のウインドー期の問題のように、現在の技術上どうしても除去できないような感染因子による汚染は、製品の特性として許容せざるを得ないリスクであり、「欠陥」とは言えないのではないか。
○ 輸血用の血液製剤については、製造物責任法の制定時において、世界的な最高水準の安全措置が講じられていることを含めた製品の特性を踏まえれば、そこで生じる問題は「欠陥」には当たらないとの政府統一見解が示されている。
○ ウインドー期の問題も、普通の製品ならばないはずという意味で一応「欠陥」ありとした上で、現在の科学技術では予見できても除去できないものは「開発危険の抗弁」の問題になるという整理もあるのではないか。
○ 必ずしも定義だけの問題ではなく、ある程度の定義をしたところで実際の救済制度のもたらす効果や社会的なインパクトとの関係から逆に定義も議論されてきたという面があるので、いずれ詰めていく問題ではないか。
○ 「欠陥」がないとされる場合も「欠陥」はあるが「開発危険の抗弁」が主張される場合も、事業者に責任を追及し得ないという点では同じだが、副作用の問題と比較した上で、十分整理する必要がある。
○ 副作用の発現には、生理的な要因、年齢、遺伝子多型等により個体差が大きいが、感染の場合には、若干免疫力等で違いはあるものの、個体差が少ないのではないか。


照会先
医薬局総務課医薬品副作用被害対策室 野村
(03)5253−1111 内線 2719

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