第21回 社会保険事業運営評議会 平成21年3月30日(月)15:00〜16:20                    厚生労働省専用第22会議室  1.開  会  2.議  事    ・平成21年度事業計画(案)について    ・その他  3.閉  会 (配布資料)  資料1 ... 平成21年度事業計画(案) (参考資料)  参考資料1 ... 平成19年度社会保険事業の概況  参考資料2 ... 日本年金機構の理事長となるべき者の指名について ○宮武座長  それでは、定刻になりましたので、ただいまから第21回の事業運営評議会を 開催いたします。  本日ご都合によりまして、遠賀さん、それから鈴木さんは欠席でございます。 また、社会保険庁側では、坂野長官と石井運営部長が、国会関係の用件で急遽 欠席ということになっております。  開催に当たりまして、薄井総務部長から一言ごあいさつをお願いいたします。 ○薄井総務部長  本日は、お忙しい中をご参集いただきまして、誠にありがとうございます。  今、座長からお話しがございましたように、坂野長官、石井運営部長につき ましては、申しわけありませんけれども欠席ということで、長官にかわりまし て、私からごあいさつを申し上げます。  前回の運営評議会、昨年10月でございましたけれども、それからの幾つかの 動きということで、まず、年金記録問題の対応状況について報告を申し上げた いと思います。  年金記録問題への対応につきましては、一昨年7月5日の政府・与党で決定 いたしました方針、それから、昨年6月に年金記録問題に関する関係閣僚会議 におきまして取りまとめました年金記録問題への対応の今後の道筋、これに基 づきまして、現在取り組みを進めているところでございます。  まず、取り組みの柱でございますねんきん特別便でございますけれども、昨 年10月までに約1億900万人の方に送付を終えたところでございます。送付を いたしましたねんきん特別便につきましては、本年1月末時点におきまして約 7,200万人、お送りをした方の7割弱ということになりますけれども、その方 からご回答をいただいているところでございますが、引き続き、ねんきん特別 便についてのフォローアップ対策というものを推進をいたしまして、国民の皆 様からのご回答などによりまして、記録の解明、統合を進めてまいりたいと考 えております。  それから、このねんきん特別便の回答等によりまして、記録の訂正が非常に 増加しております。そして、訂正されました年金記録に基づきます年金のお支 払いということにもお時間をいただいている状況となっておりまして、大変申 し訳なく思っております。  これ再裁定と呼んでおりますけれども、この点につきましては、事務処理に 当たります職員、昨年の1月段階で38名であったものを、現在では470名まで 拡充をいたしまして、その処理を急いでいるところでございます。  それから、ことし4月、来年度になりますけれども、4月からは、今度は現 役の加入者の方に対しますきんねん定期便の送付というものが開始をされます。 このねんきん定期便によりまして、誕生月に標準報酬月額や国民年金の納付状 況を含みます個々の方の幅広い年金情報というものを提供することによりまし て、定期的にご自身の年金記録というものをご確認をしていただけるようにす るということで取り組んでまいります。  それから、昨年来大きな話題となっております標準報酬等を不適正に遡及訂 正を行っていた事案、いわゆる改ざん問題についてでございますけれども、こ れにつきましては、大臣直属の調査委員会におきまして調査が進められまして、 昨年11月には、その報告書が大臣に提出をされております。この改ざん問題に つきましては、不適正な改ざん処理の可能性が高い厚生年金の受給者の方、約 2万件でございますけれども、昨年10月から、社会保険事務所の職員が、この 対象者の方のところへ個別に訪問をいたしまして、記録の確認、調査というも のを実施をしております。  また、今後は、先ほど申し上げました、ねんきん定期便、あるいは厚生年金 の受給者の方につきましては、本年中に開始をしたいということで準備を進め ておりますけれども、受給者の方への標準報酬記録を含むお知らせによりまし て、ご本人の方に標準報酬等をご確認いただけるようにいたしたいと考えてい るところでございます。  いずれにいたしましても、年金記録問題、引き続き全力を挙げて取り組みま して、国民の信頼の回復に努めますとともに、来年1月1日に設立されます日 本年金機構に円滑につなげていきたいと考えております。  さて、この日本年金機構でございますけれども、この日本年金機構の当面の 業務運営に関する事項を取りまとめました基本計画というものが昨年7月29日 に閣議決定をされております。これを受けまして、現在、設立委員が国民の皆 様に信頼される組織となるようにご議論を進めていただいているところでござ います。  また、今日、お手元に、参考資料の2ということで配布をさせていただいて おりますけれども、先般、日本年金機構の初代の理事長として東京経営者協会 専務理事の紀陸孝が指名されたところでございます。機構の設立準備に向けま しては、現在設立委員会、そしてそのもとに置かれました職員採用審査会にお きまして職員の採用の手続が進められているところでございます。私どもとい たしましても、引き続き、日本年金機構への円滑な移行に向けまして準備を進 めてまいりたいと考えております。  以上、最近の社会保険庁を取り巻く状況等についてご説明をさせていただき ましたけれども、本日は、平成21年度の社会保険の事業計画(案)を主な議題 といたしましてご論議をいただきたいと考えております。皆様方の忌憚のない ご意見をどうぞよろしくお願い申し上げます。 ○宮武座長  それでは、議事次第に従いまして進行をしてまいります。  まず、資料1の社会保険事業計画について説明をいただいて、その後、ご意 見をいただいた後に、残りの資料についてご説明をお願いしたいと思います。  それでは、事務局のほうから資料1の説明をお願いいたします。 ○栗原企画室室長補佐  社会保険庁総務課企画室で室長補佐をしております栗原と申します。私のほ うから、資料1、平成21年度社会保険事業計画(案)の説明をさせていただき ます。  資料1のほうをごらんいただきたいと思います。  恐縮ですが、ページをめくっていただいて、63ページを見ていただきたいの ですが、そもそも事業計画というのはどのようなものかというところをご説明 したいと思います。  63ページでございます。  中央省庁等改革基本法という法律がございまして、こちらのほうに基づきま して、厚生労働省のほうで社会保険庁の事務の実施基準及び準則というのを定 めております。それぞれの事項に応じて、厚生労働省のほうで毎年の目標を定 めると。その目標を社会保険庁のほうに示しまして、社会保険庁のほうで、そ の目標についてどうやっていくかという細かい事業計画を立てて、それに基づ いて毎年の事業を行っていくと、こういう枠組みがございます。  この目標につきましては、今年の2月24日に、厚生労働省のほうで、立教大 学の高橋先生を座長とします政策評価に関する有識者会議社会保険庁の目標設 定及び実績評価に係るワーキンググループと、この有識者会議のほうで議論が なされまして、同日、厚生労働大臣より社会保険庁長官に通知がなされたとこ ろでございます。その資料につきましては、若干めくっていただいて、66ペー ジ以降でつけておりますが、各事項について目標が示されているところでござ います。  これらの目標それぞれについて、具体的にどうやっていくかというのを定め たのが、今回の事業計画でございます。  恐縮ですが、また戻っていただきまして、資料の最初のほうから見ていただ きたいと思います。  一番最初のページをめくっていただきまして、目次がございますが、これは 例年と同じような構成にしておりますが、1つ目で、事業運営方針ということ で、大枠の方針を示しております。2つ目からが、各事項それぞれについての 個別の計画ということで実施計画を、今回は10項目ということで立てておりま す。3つ目が、月次計画と、4つ目が、附属参考資料ということで、前回と同 様の資料の構成になっているところでございます。  それでは、ページをめくっていただきまして、事業運営方針を見ていただき たいと思います。  3ページでございます。  一番上のところで、全体の構成というか、位置づけを書いておりますけれど も、既にご案内のとおりで、平成22年1月、社会保険庁は廃止されまして、新 たに日本年金機構という非公務員型の公法人が設立されることになります。  ということで、社会保険庁としての事業計画としては、その次の段落ですけ れども、4月から12月までの計画となります。最後の事業年度として、大きく 3つ、1つ目が、年金記録問題の対応、2つ目が、日本年金機構の設立に向け た準備とそれに向けた業務改革と、そして、また、各般の業務がございますの で、これを適正かつ着実に実施すると、大きな柱として3つあると考えており ます。  今回の事業運営方針の中ではその3つについてそれぞれ書いているところで ございます。  1つ目が、年金記録問題への対応。  ここは、2段落目のところですけれども、平成21年度においては、記録問題 の対応について、各般の方針等に基づき、引き続き社会保険庁の最優先の課題 と位置づけ、職員一丸となって総力を傾注して取り組み、国民の制度・組織へ の信頼の回復を図っていくとしております。  下の事項は、後ろに出てきます個別の事項の事項立てを列挙したものでござ いますが、こういったものについて取り組んでいくということでございます。  めくっていただきまして4ページです。  日本年金機構の設立に向けた準備と業務改革、2つ目の柱でございます。  1つ目の段落の途中からですが、日本年金機構が、意欲と能力のある人材に よって構築され、確実な業務運営によりその責任をしっかりと果たす、国民に 信頼される組織となるよう、平成20年7月に閣議決定された基本計画に基づき、 その設立に向けた準備を確実に進めるとしております。  また、これまで、各般の業務改革について社会保険庁は取り組んできたとこ ろでございますが、日本年金機構の設立に向けて、整理・重点化した業務改革 プログラム、これは、1月30日に、これまであったものを改定させていただい ておりますが、それに基づいて実施途上の改革や新たな改革を着実に実行する としております。  3つ目の柱でございます業務の適正かつ重点的な実施。  これは、ポイント2つございまして、1段落目の後ろのほうですが、各業務 については、厳に法令遵守を徹底し、適正かつ着実に実施すると、法令遵守を 徹底して適正に実施するというところ。  また、ここに@、A、Bと書いて下のところですけれども、業務にメリハリ をつけながら、各般の課題に対応しつつ、各事務を遂行すると。全般、網羅的 にばあっとやるということではなくて、メリハリをつけてしっかりできること をやっていくということにしております。  この方針を踏まえまして、各事項について計画を定めたものが、隣のページ からの実施計画でございます。  めくっていただきまして、7ページからでございます。  1つ目の事項が年金記録問題への対応となっております。  これ見方ですけれども、例年同じですけれども、上の枠のところに目標と、 これが厚生労働省から示された目標ということで、これを受けて、下のところ の計画、それを具体的に社会保険庁としてどうやっていくかを定めたのが、こ の下の部分でございます。  昨年度から変更した部分を中心にご説明させていただきたいと思います。  まず、記録問題の対応についてですが、目標のところです。年金記録問題へ の対応については、国民の視点に立って、平成19年7月政府与党とりまとめ等 に基づき、基礎年金番号への記録の統合、コンピュータ記録と紙台帳の突き合 わせ、標準報酬月額等の遡及訂正事案への対応等を着実に実施し、日本年金機 構へ円滑に移行するという目標を示されているところでございます。  具体的な計画については、以下書いているところでございますが、大きな柱 として、まず1つ目の柱、基礎年金番号への記録の統合関係では、@ねんきん 特別便のフォローアップ対策、A未統合記録の解明、B再裁定処理の迅速な処 理、Cねんきん定期便の送付、これは、4月から順次実施していくところでご ざいますけれども、こういったことに取り組んでいく。  また、ページをめくっていただきまして8ページ目、上の(2)ですけれど も、コンピュータ記録と紙台帳の突き合わせ。こちらのほうは、基盤整備を行 っていくということで、紙台帳を電子画像データ化していくと、また、それを 集約・検索するシステム、これを構築していくという取り組みを記載している ところでございます。  3つ目(3)ですけれども、標準報酬月額等の遡及訂正事案への対応という ことで、@やAと、こういった取り組み、これでご本人に記録を確認していた だいた上で、Bのアのところですけれども、迅速な被害者救済を図っていくと いう取り組みを進めていきたいと考えております。Bのイのところでございま すが、職員の関与についても必要な調査を行っていくとしているところです。 また、Cのところですが、再発防止の徹底も図っていくとしております。  (4)その他ですけれども、厚生年金基金や共済過去記録の関係、また基礎 年金番号の重複付番の関係もこちらのほうに記載しているところでございます。  ページめくっていただきまして、10ページでございます。  ここから、適用事務に関する事項として、(1)国民年金の適用の適正化と いうことになっております。  下のほう、目標も計画も、昨年と同様になっております。引き続き、取り組 みを進めていくということでございます。  ページめくっていただきまして12ページでございます。  適用の関係、厚生年金・健康保険・船員保険の適用の適正化。  目標のところでございますが、年金記録問題の対応を最優先としつつ、未適 用事業所の適用促進に取り組むと。また、適用事業所からの適正な届出の促進、 適正な事務処理の徹底を図る、ということで、数値目標のほうは、重点加入指 導実施事業所数について、前年度実績と同程度、期間を考慮して12分の9とい うものが示されております。これは、事業年度が通年1年間ではなくて9カ月 分ということで期間を考慮して12分の9という記載になっているところでござ います。  実際の取り組みですけれども、こちらのほう、昨年とほぼ同様の取り組みを 引き続きまた確実に進めていくということでございますが、ポイントとしまし ては、@のところで計画的な取り組みと書いておりますが、社会保険事務所・ 事務局ごとに行動計画を策定し、計画的な取り組みを推進していくということ で進めていきたいと。  また、右のページの13ページの※の部分、中段ほどの※の部分になりますけ れども、こちらのほうで適用事業所に対する事業所調査の関係を記載しており ます。  これは、平成19年度までは、適用事業所に対する事業所調査について数値目 標というのを定めていたんですが、平成20年度分から、目標のほうが重点加入 指導実施事業所数ということになり、事業所調査についてはここで記載してい ます。  読まさせていただきますが、平成21年度の適用事業所に対する事業所調査の 実施割合については、年金記録問題への対応を踏まえ、定量的な数値目標の設 定は行わないが、事業所調査は年金記録問題にも直結する重要な業務であり、 (ア)から(エ)といったところについて適切に実施していくということで、 こちらのほうについて確実に実施していくということにしております。  めくっていただきまして、16ページでございます。  今度は、保険料等収納事務に関する事項ということで、1つ目は、国民年金 でございます。  国民年金の収納率の向上について、目標を記載しておりますけれども、ポイ ントとしましては、2段落目、平成21年度においてはのところの3行目の中ほ どから記載がございますけれども、現年度分保険料の納付率80%の目標達成に 向けて最大限努力すると。現年度の保険料について、このように示されている ところでございます。  また、続けてですけれども、平成19年度分保険料の最終的な納付率、これは 過年度分の納付率でございますが、それが平成18年度分保険料の最終的な納付 率、1つ前の年の過年度分保険料と同等以上の水準を確保する。そういうのを 目指すために、平成21年12月、これは社会保険庁事業年度の最後の時点、この 時点を見て過年度分の納付率が1つ前の年の過年度分の納付率の同時期と同等 以上の水準を確保するよう努めるということでございます。  このような目標が厚生労働省から示されておりまして、実際の計画ですが、 こちらのほう大体昨年と引き続きの取り組みを進めていくということでござい ますが、行動計画を策定して、効果的、効率的に取り組んでいくと。  また、1つ新しいと言いますか、追加的な話としましては、@のイでござい ますが、市場化テスト、これは、平成17年度から国民年金保険料の納付督励等 の収納事務に係る外部委託を進めているところでございまして、これを平成21 年10月からは127カ所追加しまして、全体として全社会保険事務所312カ所で外 部委託、この関係の外部委託を行うという予定でございます。  @のイの4行目から書いてございますけれども、従来の委託対象業務のほか、 免除等勧奨業務を新たに追加するということで、平成21年10月から行う127カ 所につきましては、免除等勧奨業務、これは、日本年金機構の関係で、機構に おいては外部委託をすることとされている事項でございますが、これについて 先行的に外部委託を進めていくという予定でございます  また、下のところになお書きで書いてございますが、市場化テスト事業にお ける実績及び納付督励の質の向上を図るため、実施要領等の見直しを行ってい くと、こういったことを検討していくということにしております。  ページのほうちょっとめくっていただきまして、20ページでございます。  今度は、厚生年金・健康保険・船員保険の徴収対策の推進でございます。  目標のほうですが、年金記録問題への対応を最優先としつつ、各事業の保険 料等の確実な納入を促進するとともに、滞納する事業主に対する納付の督促及 び滞納処分を確実に実施するということで、数値目標としましては、保険料収 納率、これは前年同期と同等の実績を確保するよう努める。前年同期というの は、この事業計画の最終的な事業年度の時点、平成21年12月になりますので、 その時点で前年同期と同等の実績を確保するよう努めるという趣旨でございま す。  また、口座振替実施率については、こちらに記載している数字のとおりです。  計画のほうでございますが、こちらのほうも、行動計画やそれに基づく実施 方針を策定していくと、Aのアのところでございますが、記載しているところ でございます。  また、Aのイからカ、これは滞納となった事業所に対する対応について記載 しているところでございますが、近年各種通知を定めているところでございま すので、それらに基づいて適正かつ確実な対応を行っていくということでござ います。  ページのほうをめくっていただきまして、22ページでございます。保険給付 事務に関する事項になります。  (1)年金給付の的確な実施ということで、年金給付の迅速な決定及び適正 な支給に努めるとされております。  数値目標は、これ例年同様ですけれども、サービススタンダードについて達 成率100%の実現を図るとされているところでございます。  計画のほう、前年度と同様の取り組みを進めていくということを書いてござ います。  ページをめくっていただきまして24ページでございます。(2)船員保険の 現金給付の適正化ということでございます。  これは、昨年というか、20年度の計画までは、健康保険の現金給付の適正化 ということでございましたが、平成20年10月に、全国健康保険協会が設立され まして、健保の給付の関係が全部そちらに行きましたので、今回は、残った船 員保険のみということでございます。こちらのほうも現金給付の迅速な決定及 び適正な支給に努めるということで、サービススタンダードを数値目標として 掲げているところでございます。  取り組みについても、前年と同様な取り組みを進めて、目標達成に向けて頑 張っていきたいということでございます。  隣のページ25ページ、社会保険オンラインシステムの見直しに関する事項で ございますが、こちらのほうですけれども、ページのほうをめくっていただき まして26ページの下のところに、21年度の取り組みということで記載させてい ただいておりますが、19年3月までに基本設計ということを行って、これから 詳細設計に入るという手順になるんですが、年金記録問題の関係で、検証委員 会のほうからも検証結果を今後の設計、開発及び運用に反映すること等の指摘 がありましたので、それを踏まえて、詳細設計の前に業務プロセスの見直しを 反映した基本設計の修正を行うこととするなどの最適化の進め方を見直すと、 そういったことに取り組んでいるところでございます。  隣のページ、27ページ、今度は広報、情報公開、相談等に関する事項という ことでございます。  こちらの(1)広報活動の推進、これは、目標で数値目標として前年と同様 のことが記載されているところでございます。数値目標の生徒に対する年金セ ミナーの実施率は前年同期以上とされているところです。  取り組みのほうは、前年と同様に取り組みを進めたいということで、各種記 載をしているところでございます。  ページのほうめくっていただきまして29ページ、右のページでございますが、 (2)年金相談等の充実ということでございます。  こちらのほうも、目標のほう、20年度と同様に示されているところでござい まして、それに従ってどういうふうに具体的にやっていくかと計画のほうを書 いているところでございます。  @のところでございますが、年金相談体制の充実ということで、本年4月か ら、ねんきん定期便が実施されますので、ねんきん定期便の実施による相談の 増加に対応するため、年金相談について以下のような取り組みを推進するとい うことで各種取り組みについて書いているところでございます。  また、Aのところ、年金個人情報の提供の充実と、これは繰り返しになりま すが、平成21年4月からねんきん定期便を送付することとしているところでご ざいます。  また、30ページでございますけれども、これまでやっていたID・パスワー ド認証方式による――上から2行目でございます。ID・パスワード認証方式 による年金加入記録の提供、これを受給者まで対象を拡大して実施するという 取り組みをこの3月から始めたところでございますので、そういったことを進 めていくということでございます。  隣のページ31ページ、(3)個人情報の保護及び情報の公開、これは20年度 と同様の目標が示されているところでございまして、取り組みも同様に進めて いくということでございます。  めくっていただきまして32ページ、保健事業及び福祉施設事業に関する事項。  こちらのほうも、政管健保は20年10月に抜けておりますので、船員保険のみ の関係で記載しております。  数値目標も、前年度と同様に示されておりますので、取り組みのほうも同様 に進めていくということで各種書いているところでございます。  めくっていただきまして34ページ、(2)船員保険の保健事業の実施と。  ここも、船員保険に関してですけれども、健診事業、及び特定保健指導等の 実施について、適切かつ効率的にやっていくということを書いております。  これに関しましては、35ページの参考のところにぱっと見えるようになって おりますけれども、国の方針が24年度の数値を立てているところでございます ので、その達成に向けて取り組みを推進するという趣旨の目標が示されている ところでございますので、それに向けて具体的にやっていくことを計画のほう で書かせていただいているところでございます。  めくっていただきまして36ページでございます。  (3)保健・福祉施設事業の実施ということで、目標のほうは、社会保険事 業に係る保健・福祉施設事業は、各保健・福祉施設の見直しの方針に基づき、 着実に整理合理化を実施すると、そういうふうにされているところでございま す。  @のところ、年金福祉施設等につきまして、これはもうRFOに行っている ものについて、施設の譲渡が進められているかを適切に把握していくというこ とでございます。  また、Aのほう、社会保険病院及び厚生年金病院ということで記載しており ますけれども、これは、平成20年4月の与党の合意を踏まえて、平成20年10月 に社会保険病院53病院と、厚生年金病院の10病院、これをRFOに出資したと ころでございまして、イのところでございますが、今後は地域の医療体制を損 なうことのないように配慮することを基本として、経営の効率化など必要な改 革を行いつつ、病院としての機能を果たしていけるような適切な譲渡先や受け 皿を見つけていくよう対応するということとしているところでございます。  37ページ以降でございますが、ここからは、厚生労働省から目標を示されて いる部分ではございませんが、社会保険庁独自に21年度取り組むことを記載し ているところでございます。  (1)国民サービスの向上ということで、目標は記載しているとおりでござ います。数値目標のほうも、20年度と同様にお客様満足度調査についての目標 を立てているところでございます。  例えば、Aのところ窓口サービスの改善ということで、今の数値目標に立っ ているお客様満足度調査、お客様満足度アンケート、こういうのを実施したり とか、ウのところでございますが、それにあわせて、民間の調査機関による窓 口サービス実態調査、こういうのを実施して、サービスの状況を把握して、そ れを改善に活かしていくこととしているところでございます。  また、めくっていただきまして、38ページEのところでございますが、電子 申請の利用促進のためのインセンティブ措置というところでございます。  こちらのほうは、20年度より動きがございまして、平成20年9月にIT戦略 本部で政府のオンライン利用拡大行動計画という計画が立てられまして、それ に基づいて取り組みを進めているところでございます。  具体的にウやエといったところに記載しているようなことを、20年度に仕組 みの改善として進めましたので、そういったことも使いながら、取り組みを進 めていくということを記載しているところでございます。  39ページ、(2)予算執行の透明化、これは、目標、計画ともに、前年度と 同様のものを示して、引き続き取り組んでいくということにしております。  ページのほうをおめくりいただいて40ページ、組織の改革でございますが、 先ほどから申し上げておるとおりで、22年1月から日本年金機構が設立され、 社会保険庁が廃止されるということになっております。日本年金機構になった 暁には、その組織の姿というのは大きく変わることになるんですが、社会保険 庁も、これまで組織の改革というのを進めてきておりまして、そういった取り 組みを残りの期間も引き続き進めていくと。また、試行的にではありますが、 幾つかの新しい取り組みを進めることで、日本年金機構の設立につなげていく ということで、これまでの各種取り組みや、引き続きやっていく事項について 列挙しているところでございます。  ページをめくっていただきまして43ページでございますが、船員保険業務の 全国健康保険協会への移行に関する事項。  船員保険業務につきましては、法改正がございまして、平成22年1月からは、 労災保険、雇用保険部分は一般制度へ統合されると、また、給付関係の部分は 全国健康保険協会に移管すると、適用・徴収という部分は日本年金機構に行く ということで、制度が大きく変わりますので、そういったことについての準備 を進めていくということで事項を記載しておるところでございます。  最後になりますが、44ページでございます。  最後、日本年金機構の設立準備等に関する事項ということで、現在は、先ほ ど部長からも話しがあったとおりでございますけれども、年金局が中心となっ て、設立委員会というものがございまして、そちらのほうで各種検討準備を進 めているところでございます。  こちらの、今回の計画に立てているような、こういった事項を含めまして、 準備を進めていって、日本年金機構の設立を円滑に行いたいということでござ います。  以下は、詳細な計画や、あとは附属資料になりますので、説明のほうは省略 させていただきたいと思います。  長くなりましたが、以上でございます。 ○宮武座長  ありがとうございました。  社会保険庁としては、最後の事業計画ということでございますが、皆さんの ほうからご質問なり、ご意見なり、ご自由に承りたいと思います。  加納委員どうぞ。 ○加納委員  よろしいですか。  最初のほうのページに、メリハリという言葉がどこか出てきた......4ページ ですね。この業務にメリハリをつけながら、課題は対応すると、あと9カ月の この間にメリハリをつけることは、大事なものは何かということで、そこを重 点的に対応していくという意味でしょうけれども、何か、ちょうどこういう過 渡期のときに、メリハリをつけられて落ちこぼれが出てきそうな気がして、こ れとっても気になる言葉、それも片仮名で書いていらっしゃるので。私、ちょ っとこれが気になったんですが。この解釈どのようにしたら私納得できるので しょうか。ご質問いたします。 ○宮武座長  お答えいただけますか。 ○橋本企画室長  企画室長の橋本でございます。  トータルとして業務全般をやっていかなければならないことは当然ございま すけれども、最初の事業運営方針の中にもございますように、年金記録問題の 対応を最重点の課題と位置づけてやっていくわけでございますので、どうして も事務の業務量という点といったときに、それ以外の業務のほうにやや不十分 な点も出てくるだろうということで、全体としてメリハリをつけるという表現 にしておるところであります。 ○宮武座長  よろしゅうございますか、加納委員。どうぞ、ご意志があれば。 ○加納委員  たまたま準備があったんで、また突っ込みたくなるんですが、結構でござい ますが、こういう時期といおうか、新しい機構に移っていくんですから、やは り何が今大事だという、その比重というか、そのほうもお考えになっていらっ しゃるから、まあこういう言葉を使っていらっしゃるんだろうと思います。  ご理解はいたしました。 ○宮武座長  どうぞ皆さんご自由に。  けれども、加納委員がおっしゃるとおりで、年金の記録問題をこれはやらざ るを得ない責任と義務があるんでしょうけれども、私どもなんか、たまに最近 入ってくるのは、この問題に、やっぱり多大な人員を割いておられるわけです ので、そのためには、社会保険事務所の現実のルーチンの仕事のほうが大変人 手が不足したり、ベテランの職員や、知識のある職員がいなくなって困ってい るという話しも聞いております。そういう意味では、本当バランスをとった形 で、本当にメリハリの効いた人員の配置をなされないと、記録問題だけに手を 取られて、現場が動かなくなるようなことではないかなといって、心配が出て くるんではないかと思って、加納委員も、そういうことをおっしゃりたかった のかなと思ってお聞きしておりました。 ○稲上委員  お話を伺っていて、いまの座長のご発言と同じようなことを私も感じました。繰り返しになる かもしれませんが、ご説明の8の項目でしょうか、41とか42ページに人材の育成ですとか、 外部委託とか職員の意識改革というような話が出てきております。一方、3ページにあるよう に、当面非常に大きな比重をかけて取り組まなければならない仕事がいろいろとある。そうな ると、他の適用業務から収納から、保険給付の問題から、広報から相談から、こういった業務 についてもこれまでと同じような目標を立てて、あるいはそれ以上の目標に向かって取り組ん でいかなければならないとしたら、ふつうに考えれば、それは容易なことではあるまい、と思う わけです。素朴な感想として、大丈夫なのでしょうか、というふうに思います。たしかに人材の 育成といい、職員の意識改革といい、それぞれ必要であるには違いないと思いますが、しか し他方にかなりの労力を割かなければならないことがあるとき、これもあれも、ということに無 理はないかどうか。これは批判という意味ではなく、率直にいって心配をいたします。  それから、もうひとつ、これはちょっと別のことなのですが、さきほど総務部長からご説明が ありましたが、ねんきん特別便を1億900万人に出して7200万人から回答があったというお 話なのですけれども、この数字のギャップはどのように理解したらよろしいのでしょうか。そこ には心配すべきことは何もないということでよいのかどうか、お尋ねをしたいと思います。  もぅひとつ、よろしいでしょうか。4ページのところに、当面の3つの大きな課題というふうに なっていて、日本年金機構への移行のことが書かれています。先ほどのご説明では、意欲と 能力のある人材うんうん、ということですけれども、ざっくりいって、社会保険庁の職員はどの 程度日本年金機構に移られるのか、また厚生労働省のほうにどのくらい移られ、さらに、一番 心配なことなのですが、行き場のない方がどれほど出てくることになりそうなのか。この辺のこ とが気になっております。あるいは私の理解が正確でないかもしれませんが、この問題につ いて政府の方針はなかなか厳しいもので、たとえば戒告を受けた人も厚生労働省はもちろ ん年金機構に採用されないといったように聞いています。いろいろな考え方はありましょうが、 戒告処分を受けたのち、ふたたびそれを根拠にして、今度は就職の機会も失ってしまうとい うのは、ふつうに考えて、ちょっとキツすぎないか、というような印象をもったりいたします。杞 憂であればよろしいのですが、現在のような雇用環境の厳しいなかで、約めていえば、戒告 で失職といったことで果たしてよいのかどうか、個人的には多少疑問が残るということです。  最初に申しましたことは、座長がお触れになったことと同じような懸念、心配をしているとい うこと。それから2番目は、1億900万人と7200万人との差の理解。そして3番目に、日本 年金機構に移行する際、いま社会保険庁にいらっしゃる方たちの再就職についてどういうこ とが起こりうるのかについて、お尋ねしたいと思います。 ○宮武座長  3点、ご担当は違うかもわかりませんが、お願いします。  どうぞ。 ○橋本総務課企画室長  それでは、1点目と3点目の点につきまして、私のほうから申し上げたいと 思います。  1点目、人材の育成ですとか、あるいは職員の意識改革等さまざまな面にお いて、果たしてうまくいくかどうかというご心配をいただいているわけでござ います。私どもとしても、より一層の取り組みをしていきたいと考えており、 いろいろ制約がある中ではございますけれども、その中で、次の機構につなげ ていけるように、できる範囲の中で精いっぱいこういった内容に取り組んでい きたいと考えております。  また、3点目のご質問についてでございますが、現在、設立準備を進めてお ります日本年金機構につきまして、その大枠を示したものが、昨年の7月29日 に閣議決定されました基本計画でございます。この中で、今、稲上先生がおっ しゃった点につきましては、機構の設立時の職員の採用に関しまして、懲戒処 分を受けた人間につきましては、機構の職員としては採用しないということが 定められておるわけでございます。そういったことで、戒告処分も懲戒処分の 一種でございますので、戒告処分を受けた人間につきましても、今後機構の職 員としては採用されないという取り扱いになるわけでございます。この基本計 画の中では、機構に採用されない職員については、退職勧奨、厚生労働省への 配置転換、官民人材交流センターの活用など、分限免職回避に向けて、できる 限りの努力を行うということも併せて決定されております。  最終的に、厚生労働省への配置転換、あるいは官民人材交流センター等を通 じましての再就職については、今後、具体的な形が出てくるものでございます ので、どのような結果になるかというところまでは、現段階では申し上げられ ないわけでございますが、いずれにいたしましても、この分限免職ということ にできるだけならないよう、それを回避する努力を、私どもとしては最大限さ せていただきたいと考えておるところでございます。 ○宮武座長  あと3点目。 ○福本企画課長  質問の2点目ですかね、特別便の送付と、それから回答の話しでした。  ねんきん特別便は、送付いたしましたのは、1億900万人でございます。日 本国の成人の方全員にお送りすると。1億900万人ということでありますが、 回答が来ておりますのが、7,200万でございまして、その差は未回答というこ とでございます。3,400万人、回答率で言いますと、7割ぐらいが回答されて おり、3割の方が未回答ということでございます。我々、ねんきん特別便に関 しては、できるだけ多くの方から回答をいただくということで、ごらんいただ いた場合には、回答をいただきたいと、その訂正あり、なしにかかわらず、回 答いただきたいということで取り組んでまいりました。いわゆる名寄せの特別 便については、昨年の3月までにお送りをしましたものについては、昨年4月 から夏にかけて1回ご回答いただけてない方については、回答の催促をいたし ております。  それから、いわゆる全員便と言われるものについては、受給者については、 この年明けまして、2月から3月にかけて回答をいただけてない方については 回答のお願いをいたしましたし、それから残る全員の加入者の方でございます が、これは定期便をこの4月から送付をいたします。加入者全員に対して定期 便では標準報酬を入れたお知らせをいたします。その際に、回答いただけてな い方についてはご回答をいただくようにとお願いいたしまして、引き続きでき るだけ多くの方からご回答をいただくということには取り組んでまいりたいと 思っています。 ○宮武座長  稲上先生よろしいですか。 ○稲上委員  さきほど申し上げましたことの背景についてなのですが、閣議決定があったのは、リーマン ・ショックが起きた昨年9月よりも前のことだったかと思います。その時点では、その後に起き た大規模な国際的な金融危機など思いも寄らなかったのではないでしょうか。そういう時点 での決定だったということなのです。しかし、リーマン・ショック後の雇用情勢は大きく様変わり してきております。その辺の事情について応分の配慮が必要になっているのではないかとい うことなのです。たしかに戒告も懲戒処分のひとつですが、定職6ヶ月と同列に扱ってよいの かどうか、その辺もどうも釈然としないのです。  繰り返しになりますが、いわば二重処分になるという点と、もうひとつ雇用情勢が昨年9月 以前といまでは、先行き見通しを含めて大いに違っているという点を強調しておきたいと思い ます。私の言っていることに対して、それは甘い、というご批判が当然あると思いますけれど も、ご本人たちはさぞかし大変だろうなという気持ちもあるものですから、あえて発言をさせて いただきました。 ○宮武座長  このことに関連しても、それ以外のことでもどうぞご自由にお願いします。  どうぞ。 ○小島委員  質問していいですか。意見なんですけれども。  来年の1月から新しく今もお話しありましたように日本年金機構に移行する ということですけれども、それまでに、年金記録問題は、多分全面的に解決と いうのは絶望的というのは、だれが見てもわかっている話しなんで、今、お話 しがありましたように、ねんきん特別便でもまだ回答が3割弱残っているとい うような偏重があるというお話しの中で、4月から定期便が発送されるという ことになりますと、さらに厚生年金の標準報酬の不適切なと言いますか、訂正 問題というのは、これまた大きく出てくると、ということになりますので、そ ういう人たちに対する救済措置をどれだけはかれるかというのがこれからの課 題ということで、鋭意社会保険庁のほうで検討されていますけれども、やはり、 そうは言っても、12月いっぱいまでにそれらの問題が解決するというのはまず 不可能ということもありますので、やはりどこかの時点で、その年金記録問題 について、どうするかと、引き続き新しい年金機構に持ち込んで整理するとい うことだけで本当にいいかどうかと、ということもあるんだろうと思いますの で、その辺は、これからの状況の中で、ぜひご検討いただきたいというふうに 思っております。ましてや、今、お話しがありましたように、秋口には、新年 金機構への採用を予定が決まっていくということで、それから漏れるというこ とになりますと、そういう中で本当に今の社会保険事務所のほうで、あるいは 年金記録の解決に向けて、どれだけ士気が上がるかということも当然あります ので、やはりその辺のことについては、相当きちんとした体制なり、出口をど うするかというものをどこかの場面で決めないと、ずるずると行ってしまうと いうふうに思いますので、そこはぜひ検討いただきたいと思います。  そういう中で、日常業務もこなせなきゃならないということで、それの結果 が、参考資料にもありますけれども、国民年金の納付率が18年度から19年度も ダウンしているということで、多分、20年度もやはりそういう傾向になってく るということだろうというふうに思いますので、なかなか年金記録と、日常業 務等を含めて、あるいは新しい機構への準備ということで、相当現場段階では 厳しい状況ということの中で業務をされていくということなんで、そこは、大 変ではないかと思いますので、そういう中できょう示されている事業計画がど こまで達成できるかということですけれども、なかなかそれは頑張ってくださ いしか言いようがないということなんですけれども、ということでありますの で。 ○宮武座長  特にご意見でよろしいですか。 ○小島委員  はい。 ○宮武座長  恐らく、小島さんも、全く同じ思いでおられて、記録問題大事なんだけれど も、その中で、メリハリをつけて、かなり長期にわたってやらなきゃいけない ことと、もう早急に解決しなきゃいけないこと、そういうところ、本当にメリ ハリをつけられないと両方共倒れになってしまうという思いを、稲上委員も、 小島委員も、加納委員もみな同じ思いで言ったんだと思います。それは、重々 ご承知のことと思いますけれども。そういう思いで言っておられるんだと思い ます。  以上でございます。  ほかにございますでしょうか。  井戸委員どうぞ。 ○井戸委員  事業計画案の中で、37ページから社会保険庁が独自に取り組みに掲げられた 国民サービスの向上というところですが、今までもされていましたが、お客様 満足度アンケートとか、あと37ページのAのウのところ、民間調査の窓口サー ビスの実態調査、いわゆる覆面調査なども期待できるところです。  なぜかと言うと、私たちが直接会うところというと、やはり社会保険事務所 の窓口の方なんです。ですから、幾らホームページでアクセスしたりとか、自 分でしたとしても、やはり年金は複雑なので、直接聞いてみないと解決できな いことってどうしてもでてきます。窓口の方との信頼関係、現場との信頼が大 切なので、全国でどういうような対応をされているのかというところを、残り 9カ月ですけれども、しっかり見ていただいて、少しでも年金の信頼回復をし ていただきたいと思います。この評議会、平成16年からされていて、もう5年 間、私が結局発言していたことというのは、年金のファンづくりをしていただ きたいというのがあります。すぐには、難しいかもしれないですが、基本的な 生活費を支えるのは、年金です。それ以外の余暇費とか、生活費以外のところ は自分たちで用意していかないといけないというような形になると思います。 私たちも、年金だけに頼るのではなくて、自分たちで足りない分をどうするの かというのをもっと真剣に考えていかないといけない。年金を信頼して納得し て受け取るというのがすごく大事です。そのために、ねんきん特別便や、ねん きん定期便でフォローされていくわけだから、それでしっかり自分のことは自 分で確認してしっかり納得して、安心して年金を受け取ることができると思い ます。  ちょっと話しがずれるかもしれないんですが、財政検証の代替率50.1%、す ごくわかりにくいです。私たちに相談に見えられる方も、やはり、最初の平成 16年ですか、所得代替率50.2が、50.1になっているだけなので、やっぱりそう したら自分たちのお給料の半分はもらえるんだとイメージをされているんです。 わかりやすい情報というものを、統計でも提供をしていただいて、年金を納得 して受け取っていただいて、足りない分をじゃ私たちは自分たちでどうすれは いいのかというようなところまで、考えることができるサービスと、相談と、 それから広報、そちらのほうをぜひお願いしたいと思います。   ○宮武座長  お答えになれる点がございましたらお願いします。覆面調査の件含めまして。 はい。 ○片岡サービス推進課長  満足アンケート調査とか覆面調査につきましては大切な事業と思っておりま して、今年度は、2月にアンケート調査、それから3月に覆面調査をやってい まして、今結果を集計中でございまして、今日は間に合わなかったわけですが、 いろいろ窓口で普段気づかないというか、お客様の視点に立っていつも業務は 進めていますが、なかなか気づかないところがございますので、どの辺で問題 になっているのか、今後の業務の改善に役立てていきたいと思っておりますし、 また、21年度においても、今のところはこのアンケート調査をしようとしてお りますので、さらなるサービスの向上に進んでいきたいと思っております。 ○宮武座長  所得代替率の問題は、お隣の稲上先生が社会保障審議会の年金部会長で、私 も末席にいますので、聞いて努力します。 ○稲上委員  私がお答えするのがよいかどうか分かりませんが、基本的な考え方についてだけ申し上げ ますと、今回の財政検証で所得代替率という議論が出てきておりますが、これはいってみれ ば、社会的な平均の平均の平均みたいな数字なわけです。標準報酬月額という数字ひとつ 取ってみても、そういう性格があるわけです。ですから、数字の受け止め方もあまり固定的な イメージでお受け取りになるというのではなく、私ども国民一人ひとりがどういう行動をとるか、 その行動の積み重ねの結果として数字がかなり変わってくる、という点に注目して理解してく ださると有り難いと思っています。  たとえば、どれだけ多くの高齢者がこれからも元気で働いてくださるか、特に大きな影響を もつという点でいえば、少子化の将来ですね。女性が一生の間に産む子供の数である合計 特殊出生率でいえば、たしか平成17年度が1.25ぐらいだったでしょうか。そこで底を打っ て、その後は少なくとも2年間、すこしずつ上がってきているわけですが、この合計特殊出生 率がどうなるかが年金制度の将来に大きい影響を与えます。この6月には平成20年度の数 字が出てくると思いますが、よい数字であってほしいと思います。そうなると、これで3年間連 続して日本の合計特殊出生率が上向くということになります。それから当面のことでいえば、 この経済危機がどのくらいの期間続くのか、さらに中期的な経済成長率としてどれくらいの数 字を見込めるのかですね。こういったことが重なった結果として、年金の水準、所得代替率と いったものも決まってくるわけですから、こういう条件が組み合わさればこんな所得代替率に なるし、また別の組み合わせだと違った数字になるということなのです。したがって、一定の 政策誘導を踏まえるとしても、最後は私どもの立ち居振る舞いといったものによって所得代 替率ひとつとっても、その数が大きく変わってくるのだという点を重く受け止めていただきた い、と考えております。 ○宮武座長  どうも、外野席というのか大変なボールが飛んですみませんでした。  ほかにございませんでしたら、次の、資料のご説明に入りたいと思いますが よろしゅうございますか。  それでは、お願いします。 ○仲津留数理調査室長補佐  企画課数理調査室の仲津留でございます。  私からは、お手元にございます参考資料1、平成19年度社会保険事業の概況 についてご説明いたします。  この資料は、社会保険庁が行っております国民年金、厚生年金保険と、あと 昨年の9月まで所管しておりました政府管掌健康保険等について、平成19年度 の事業実績を取りまとめたものでございます。毎年この時期に本評議会に報告 させていただいております。  時間の関係もございますので、ポイントを絞ってご説明させていただきます。  1ページをお開きください。  ここでは、社会保険事業の給付の規模を見ております。  社会保険庁が行っている国民年金、厚生年金保険といった年金の給付実績は、 平成19年度で40兆9,959億円となっており、また政府管掌健康保険等の医療保 険の給付実績は4兆2,658億円であり、合計45兆2,618億円となっておりまして、 前年度に比べまして2.4%の増加、また、国民所得比で12.1%となっておりま す。  2ページをごらんください。  ここでは、公的年金制度全体についてみております。  公的年金加入者は、平成19年度末で7,007万人であり、前年度に比べまして、 0.5%の減少となっております。  内訳を見ますと、国民年金の第1号被保険者が2,035万人、厚生年金保険の 被保険者が3,457万人、共済が451万人、第3号被保険者が1,063万人となって おります。  4ページをごらんください。  公的年金の受給者です。延べ数ですけれども、平成19年度末で5,796万人と なっておりまして、前年度に比べて4.3%の増加となっております。  また、重複のない公的年金の実受給権者数は3,480万人であり、前年度に比 べまして3.4%増加しているところでございます。  6ページをごらんください。  ここでは、国民年金について見ております。  国民年金の第1号被保険者は、平成19年度末で2,035万人、第3号被保険者 は1,063万人となっておりまして、1号、3号とも前年度末に比べて減少して おります。  保険料全額免除者数は517万人であり、第1号被保険者に占める割合が25.8 %となっております。  また、申請一部免除者数は54万人であり、第1号被保険者に占める割合は 2.7%となっております。  8ページをごらんください。  平成19年度における国民年金の保険料の納付率は63.9%であり、前年度に比 べ2.3ポイント低下しています。  年齢階級別に見ると、年齢が高くなるにつれて納付率も高くなるという傾向 は変わりませんが、各年齢階級において前年度よりも納付率が低下していると いうことが見てとれます。  9ページをごらんください。  国民年金の受給者数は、年金制度の成熟化を反映して増加しておりまして、 平成19年度末で2,593万人と前年度に比べて3.8%の増加となっております。そ のうち基礎のみ、旧国年、いわゆる国民年金のみを受給しているという者は 1,174万人となっております。国民年金の老齢年金の平均年金月額は毎年増加 しておりまして、平成19年度末では5万3,602円となっております。また、基 礎のみ、旧国年、いわゆる国民年金のみの受給者についていいますと4万 8,057円となっております。  12ページをごらんください。  ここでは厚生年金保険についてみております。  厚生年金保険の被保険者は、平成19年度末で3,457万人であり、前年度に比 べまして2.3%増加しております。標準報酬月額の平均は31万2,258円であり、 前年度末に比べまして0.1%の減少となっております。標準賞与、ボーナスで すが、支給1回当たりの平均額が45万9,726円であり、前年度に比べて0.3%の 増加となっております。  また、育児休業中の保険料免除者数は12万8,676人と、前年度末に比べまし て15.8%と大きな増加となっております。  13ページをごらんください。  厚生年金保険の受給者数は2,523万人であり、国民年金と同様に年金制度の 成熟化を反映して増加し、前年度末に比べて4.9%増加しております。  14ページをごらんください。  受給者の平均年金月額を見ますと、老齢年金では16万1,059円になっており ます。  18ページをごらんください。  政府管掌健康保険についてでございますが、政府管掌健康保険の被保険者数 は、平成19年度末で1,981万人で、前年度に比べまして1.6%増加しております。 標準報酬月額の平均は28万5,468円であり、前年度末に比べて0.8%増加してお ります。厚生年金では、標準報酬が0.1%減少だったんですけれども、政府管 掌健康保険では0.8%増加ということですが、これは制度改正の影響がござい ます。標準報酬の上下限の改定が平成19年4月からございましたので、その影 響を除きますと伸び率はほぼ厚生年金と同じような伸び率になるのではないか というふうに考えております。  標準報酬の賞与、ボーナスについては、支給1回当たりの平均は32万3,395 円であり、前年度に比べまして0.7%の増加となっております。  また、育児休業中の保険料免除者数は6万1,196人であり、前年度末に比べ まして14.3%と大きく増加しております。  19ページをごらんください。  平成19年度の保険給付費は4兆2,373億円であり、前年度に比べ4.4%の増加 となっております。  最後になりますけれども、27ページから28ページをおめくりください。  平成16年の年金法の改正におきまして、離婚に伴う保険料納付記録分割制度 が創設されました。これが平成19年度から施行されたところでございます。  この離婚に伴う保険料納付記録分割制度というのは、平成19年度以降に離婚 した場合に、その婚姻期間中の厚生年金の保険料の納付記録を当事者間で合意 した割合に基づき分割することができるという制度でございます。人口動態統 計によりますと、平成19年4月から平成20年3月までの1年間に約26万件の離 婚がありました。そのうち8,634件、約3%に相当しますけれども、この制度 により保険料納付記録の分割を行っております。こちらのほうで、第1号改定 者、第2号改定者と出てきますけれども、注にありますように、第1号改定者 というのは、当事者間のうちに納付記録の分割をした者でありまして、第2号 改定者とは、納付記録の分割を受けた者ということで、たとえますとサラリー マンの夫と、専業主婦の夫婦で考えますと、第1号改定者というのが夫で、第 2号改定者というのは妻ということでございます。この限りではないんですけ れども、わかりやすい例で申しますとこういう形になります。  さて、第1号改定者の年齢分布を見ますと、55歳から59歳が最も多くなって おります。第2号改定者の年齢分布を見ますと45歳から49歳が最も多くなって おります。  分割改定者の分割対象期間、いわゆる婚姻期間に相当するものと考えていた だければと思いますけれども、これは、20年から25年が最も多くなっておりま す。  あと分割改定者の按分割合は9割を超える人が50%、半々というのを選択し ているということでございます。  年金分割改定を受けた者の老齢年金受給権者の改定前後の平均年金月額等を 見ますと、第1号改定者は、改定前の年金月額、改定前には17万3,354円であ ったものが、改定後13万267円となり、4万3,088円の減少となっております。 一方、第2号改定者は、改定前に4万2,045円であったものが、改定後8万 2,318円となり、4万273円の増加ということになっております。  補足させていただきますと、この制度は保険料の記録というのを分割すると いう制度でございまして、ですから、分割前後で保険料の記録上の合計額は分 割前後で変わらないのですが、年金額を計算する場合に、60年改正のときに段 階的に給付乗率を下げるということで、大正15年から昭和22年ぐらいまでの生 まれの方については、生年月日に応じて給付の乗率が下がっていくという仕組 みになっております。ですから、例えば第1号改定者と第2号改定者の年齢が 異なる場合には、この年金額が変わるということで、それが分割前後で違いが 出てくるという形になります。  この統計は、制度施行初年度のものでありまして、まだ対象者が少ないこと、 また、改定前後の年金額は、受給年齢に達している人について計算したもので あり、分割改定を受けても年金受給年齢に達していない者は含まれていないこ となどから、今回の統計だけで判断するというのはなかなか難しと思います。 少なくとも今後の動向を観察することが必要だというふうに考えております。 この統計を利用する際には、その点ご留意いただきたいと思っているというと ころでございます。  説明は以上でございます。 ○宮武座長  ありがとうございました。  それでは、皆さんからご質問なりご意見なり、どうぞご自由にお願いします。  どうぞ。 ○小島委員  年金のほうの金額の読み方なんですよね。14ページの表11と12なんですけれ ども、これは厚生年金の受給者の平均月額の推移ということで、表11のほうで す、14ページの上のほうですけれども、ここで老齢年金で19年度16万1,000円 になっていて、そして右側に基礎年金または定額あり、なしがありますけれど も、この定額というのは、いわば特別支給の60歳から65歳にだんだん引き上げ ていくということで、定額部分をある人の平均は16万8,930円、そしてそれが もうなくなって2階立てという人が8万3,758円というふうに、これは多分読 むんだろうと思うんですけれども、それと、その下の12のほうは、こっちのほ うは新規の裁定者の受給者と平均月額で見ると、これは19年度の平均は8万 7,530円、これはいわば特別支給、定額給付部分がある人とない人、両方合わ せた平均ということ、そういう、これの下のほうは、そうですね。男女平均で というふうで、これはそういうふうに読むんですね。とういうことなんでしょ う。 ○宮武座長   うんそうですね。お願いします。 ○廣瀬数理調査室長  数理調査室長の廣瀬です。  今見ていただいたように、下の表で計算している方、一部でございますけれ ども、まだ定額付きで裁定、あるいは老齢基礎年金を繰り上げて裁定された方 がいらっしゃいます。上の表の定額なしと比べて、若干高くなっているという のは、先ほどございました、上のほうでは、純粋に、基礎や定額が、ある人と ない人で分けており、ない人というのは今お話しございましたように、厚生年 金の特別支給を受けている者の定額の部分がない方だけとなっております。こ のような裁定者に、一部定額部分等もあわせて裁定される者も含めれば下の表 の方々となり、掲載しているような額になりますということでございます。 ○宮武座長  小島さんいいですか。 ○小島委員  はい。 ○宮武座長  ほかにもしなければ、きょうの資料のご説明はこれで終わりでございます。 ただ、事業報告、事業のこの経過というのをここで皆さんにごらんいただきま して、これが最後ということになりますので、来年の1月新組織へ引き継がれ るまで、この運営評議会のほうはどんなスケジュールにこれからなるのか、か いつまんで教えていただくと皆さん心構えもできますのでありがたいと思いま すが。 ○橋本総務課企画室長  それでは申し上げます。  本日、ご審議をいただきましたのは、21年度の社会保険庁の事業計画(案) でございますけれども、既にもうこの場でご審議をいただきまして、実際に平 成20年度の事業計画が今現在動いておるわけでございます。これを、この3月 の末まで実際に計画として実行いたしまして、そしてこれの実績報告を、夏か ら秋口のあたりにかけまして取りまとめをさせていただきたいと思います。ま た、この20年度事業計画の実績報告が取りまとまった段階で、この事業運営評 議会にご報告させていただきたいと考えております。  なお、21年度の今回お諮りをしました事業計画につきましては、これを実施 しました後の実績ということになりますと、22年1月の機構移行後ということ になってしまいます。この事業運営評議会は社会保険庁の機関として設けられ ているものでございますので、21年度の事業計画の実績の取り扱いにつきまし ては、また別途ということになろうかと思っております。  したがいまして、次回につきましては、また具体的には近づいてまいりまし たら相談させていただきたいと思いますが、20年度の実績報告を取りまとめる 秋口ごろというふうにとりあえずの心にとめていただければと思います。 ○宮武座長  はいよくわかりました。ありがとうございました。  それでは、本日の会合は以上もちまして終了いたします。先ほどの秋口ぐら いの日程についてはまた事務局のほうから連絡をしていただくことになります。  どうも皆さん......どうぞ。 ○薄井総務部長  秋よりはもうちょっと早くなるかもしれません。そこはまた、はい。 ○宮武座長  鈴木委員からいつも早くやれというご注文がついておりますので、そういう ご注文にこたえていただければと思います。  本日、皆様、大変お忙しい中ご参集いただきましてありがとうございました。 (了) −2−