第10回船員保険事業運営懇談会議事録 1 日時 平成20年12月19日(金)      13:30〜14:30 2 場所 ホテルはあといん乃木坂 「ソレイユ」  3 出席者(敬称略)   岩村、野川、江口、小坂、三木、大内、橋、田中、清水、飯倉 4 議題 (1)船員保険統合に伴う労災保険率の設定について (2)その他 5 議事内容  ○岩村座長 お待たせいたしました、それではただいまより第10回船員保険事業運営懇談会を開催いたします。本日の出欠状況でございますが、今井委員、西村委員、岡本委員がご欠席でございます。また、 小島委員の代理で飯倉さんがお見えになっております。よろしくお願いいたします。続きまして、本日の資料につきまして事務局からご確認をお願いいたします。 ○事務局  本日お手元にお配りさせていただいております資料につきましては、まず「資料1 船 員保険統合に伴う労災保険率の設定について」でございます。もう1部、「資料2 雇用保険制度の見直しを踏まえた船員保険制度の対応について(案)」でございます。ご確認をお願いいたします。 ○岩村座長  お手元の資料につきましてはただいま説明があったとおりですが、よろしゅうございましょうか。それでは早速議事に入りたいと思います。事務局より資料の説明をお願いいたします。 ○労災管理課長  労災管理課長でございます。資料1をご覧頂きたいと思います。船員保険統合に伴う労災保険率の設定について、前回の懇談会で基本的な考え方を説明したところでございますが、その際 過去債務につきまして、前回30年で償却をしていたのですが、平成18年の報告書では30年、35年といった期間で試算しておりまして、それについてはご意見を踏まえまして、1ページのAの ところですが、過去債務分の償却については償却期間を35年として一律の率で賦課すると改めたいと思っております。それで、35年にして計算を行った結果が2ページでございますが、過去 債務分につきましては23.4厘ということで、前回30年で過去債務分を償却するとすれば26.4厘ということであったわけですが、35年に延ばしました結果、過去債務分のところが3厘下がって 23.4厘ということです。それ以外の前提等は前回と同様でございまして、その結果トータルした船員に係る労災保険率については業務災害分、非業務災害分、社会復帰促進等事業費分も含め て1000分の50となるということです。労災保険率については原則として3年ごとに見直しを行っておりまして、一般の他の業種については21年4月から料率を見直す予定となっておりまして、 24年3月までの3年間ということです。ですから船員の方については22年1月から統合ですので22年1月から24年3月まではこの1000分の50でできればと思っております。さらにその後は 3年ごとに料率を見直すということで、災害発生状況ですとか積立金の状況、それから被保険者の状況等を踏まえて随時料率の見直しを行っていくということを考えております。以上です。 ○岩村座長  ありがとうございました。それではただいまご説明いただきました点につきましてご質問等がありましたらお聞きしたいと思います。よろしゅうございましょうか。どうもありがとうございました。 それでは、船員保険統合に伴う労災保険率につきましては、償却期間を35年に見直すとし、業務災害分が24.5‰、過去債務分が23.4‰、合計47.9‰、プラスアルファということでよろ しゅうございましょうか。ありがとうございました。それではこの案で進めさせていただきたいと思います。そこで事務局から今後の進め方についてご説明いただきたいと思います。よろしくお願い いたします。 ○労災管理課長  先ほど申し上げましたとおり、労災保険率については3年ごとに見直しを行うということで、現在他の業種について、21年4月からの料率について労働政策審議会の中の労災保険部会の方 で審議をしているところでございまして、今日の懇談会の結論を受けまして船員の事業についてもその他の業種の議論と併せて労災保険部会の方で審議をしてまいるということでございます。 ○岩村座長  そういう進め方になるということですのでよろしくお願いいたします。それでは次の資料につきまして、まず説明を事務局の方からいただきたいと思います、どうぞよろしくお願いいたします。 ○保険課長  保険課長でございます。雇用保険制度と船員保険制度の関係は非常に密接なものがございますが、12月17日に開催されました労働政策審議会の職業安定分科会雇用保険部会におきま して給付の見直し案または雇用保険料率の見直しにつきまして議論がされております。船員の適用につきまして資料を作成いたしましたので皆様のご意見をお聞かせいただきたいと考えて おります。資料の説明をさせていただきます。 ○保険課長 お手元の資料に基づきまして、保険課の課長補佐の成松と申しますが、ご説明をさせていただきたいと思います。まず「資料2」の1ページ目でございますが、雇用保険制度の見直しを踏まえ た船員保険制度の対応についてということでございます。先ほども課長の田河の方から申し上げたとおり、基本的な考え方をご説明させていただくと、現下の厳しい景気動向や、急速に悪化し つつある雇用失業情勢等を踏まえ、雇用保険制度について関係審議会において議論が進められており、セーフティネット機能の強化あるいは雇用保険料率の引下げ等の議論が進められて おります。先ほども申し上げたとおり、船員保険制度というのは雇用保険制度と密接に関係するところがありまして、船員保険制度の対応についてはその雇用保険部会における議論を十分に 理解する必要があるということ、あるいは、2つの見直しについて申し上げましたが、「セーフティネット機能の強化」は、現下の厳しい景気動向や急速に悪化しつつある雇用失業情勢の中でも、 船員保険が対象とする船員にとっても重要なものであるという認識の下、船員の特性を踏まえつつ、適切に対応していく必要がある。さらに、「保険料率の引下げ」につきましては、雇用保険 制度と同様に、船員保険制度においても、国民の負担軽減の観点を踏まえるほか、船員保険特有の事情として、平成22年1月に予定される雇用保険制度や労災保険制度への統合等に ついても考慮する必要があるということでございます。以上の基本的な考え方に基づいて、雇用保険制度のそれぞれの見直し項目について、船員保険制度においては、船員保険固有の事情を 踏まえ、別紙のように対応する方向で検討してはどうかという基本的な考え方でございます。1枚おめくりいただいて、ページでいうと1ページでございます。左の方が雇用保険法、一昨日報告 書案という形で雇用保険部会で成立されたものです。一部修正を加えながら概ね基本的な方向というのはこの方向で部会のほうでも議論がされたということでございます。右の方はそれを 踏まえて、船員保険制度の失業部門でどのように対応していくかということを記載してございます。順次各項目についてご説明させていただきます。雇用保険制度、左側の方でございます、 「第1 現状及び課題」ということですけれども、先ほども申し上げたことが書かれてございますが、雇用・失業情勢が悪化しておって、このことは、労働市場において、派遣労働者、パート タイム労働者、契約社員等の非正規労働者が増大する中で、これらの方々の雇用調整の動きの急速な拡大として顕在化しているような状況でございます。た、雇用失業情勢については、 地域的にも厳しい地域があるほか、若年者についても、年長フリーター等が依然として多い等厳しい状況が続いているというような状況でございます。一方で、雇用保険制度につきましては、 平成19年度決算における収支状況は改善しているものの、今後支出が大幅に増加することも予想されるところでございます。その一方で政府全体として景気対策・経済対策が決定されて おりまして、雇用保険につきましても、セーフティネット機能ですとか、家計緊急支援対策の一環として、雇用保険料率の引下げについて、協議検討したうえで結論を得ることとされております。 加えて、派遣労働者あるいは契約社員の雇止め、新卒者の内定取消等現実に深刻な問題が生じているということで、政府として検討すると。このような状況を踏まえると、雇用保険制度に ついても、財政の健全性を維持しつつ、派遣労働者等非正規労働者の拡大にも対応しうる雇用のセーフティネットを強化する、あるいは雇用失業情勢の悪化等の影響を深刻に受ける者等へ の支援を重点的に強化し、安定した雇用に向けて、早期再就職をより一層促進することが緊急の課題となっております。このため、当面の緊急対策としての暫定的な措置も含めて、次のとおり、 雇用保険制度の機能強化を中心とした見直しを行っていくことが適当であると。そういう現状と課題について雇用保険制度の点から書いてございます。船員保険制度につきましても、 雇用保険制度における見直しと基本的な方向は同じで検討していきたいというふうに考えております。具体的なものは2ページ以降でございます。左側の方から申し上げます。「第2雇用保険 制度の見直しの方向 1 セーフティネット機能の強化について (1)非正規労働者に対するセーフティネット機能の強化」というものでございます。ここに書いてございますのが、「非正規労働者が 増加する中で、昨今、雇用失業情勢の悪化が、倒産、解雇等による離職に限らず、雇止め、労働契約を更新しない、という形で出てきていおります。このような状況を踏まえると、こうした 非正規労動者についても必要な給付がなされることが必要である。」と書いてございます。現状でございますが、いわゆる倒産、解雇等による離職者、これは法律上特定受給資格者という形で 位置付けられておりますが、この方々については、被保険者期間が、通常は1年なのですが、6月あれば受給資格が得られます。また、所定給付日数についても手厚い取扱いとされております。 こういったことを踏まえ、被保険者期間が短い方、希望したにもかかわらず、解雇・倒産ではなく労働契約が更新されなかったため離職した有期雇用者等についても、先ほど申し上げた 原則の1年ということではなくて、特定受給資格者と同様に、被保険者期間6月で受給資格が得られるような枠組みを設ける。先ほども申し上げた特定受給資格者というのは、解雇・倒産等に よる離職者ということで、被保険者期間が6月というのと、所定給付日数が手厚いということでございましたが、こういった被保険者資格の扱いを、先ほど申し上げた、労働契約が更新されなか ったために離職した有期雇用者等についても、対処を設けるということでございます。次のパラグラフに移らせていただいて、この新たな枠組みにより受給資格が得られる者の所定給付日数 については一般の受給資格者と同じとすべきであるけれども、現下の雇用失業情勢の悪化に鑑みると、特に非正規労働者に対して十分なセーフティネットが必要でありますので、暫定的に、 特定受給資格者と同じ取扱いとして、手厚い給付をすべきである。また、これにあわせて、被保険者期間1年以上であって、3年未満で希望したにもかかわらず、労働契約が更新されなかっ たため離職した有期雇用者の所定給付日数についても同様に、暫定的に、特定受給資格者と同じ取扱いとすべきである。なお、これら暫定的に措置を講じる期間としては、3年とすべきである 以下(2)、(3)においても同じということで、さらに、労働契約が更新されることが明示されていたにもかかわらず、これが更新されなかったため離職した有期雇用者については、被保険者 期間の長短にかかわらず、特定受給資格者とすべきである。という形で非正規労働者に対するセーフティネットの強化ということでございます。右が船員保険制度の対応ということでござい ますが、こういったセーフティネットの強化は、基本的には法律の方向性としては雇用保険制度における見直し内容に沿って具体的な検討を行ってまいりたいと思っております。3ページ目 に移らせていただきます、上の方のパラグラフでございますが、現在、雇用保険の適用については、運用上「週所定労働時間20時間以上、1年以上の雇用見込み」という適用基準が設け られております。特に、労働契約の期間が1年未満の有期雇用者の中には、「1年以上の雇用見込み」の要件のために適用が受けられない者が存在する。こうした者に対してもセーフティ ネットが必要であると。そのかわり給付と負担のバランスや、モラルハザードが起きないようにすることも考慮しながら、現行運用上の適用基準の「1年以上の雇用見込み」の要件については、 「6ヶ月以上の雇用見込み」に改めるべきである。なお、その際、中小企業をはじめ、手続面等の負担増になることにも留意し、適切な周知を図っていくことが必要であるということであります。 この右側でございますが、船員保険制度の対応ということで、船員保険の失業部門においては、現在においても、「2ヶ月を超える雇用見込み」を適用の基準とておりますので、雇用保険制度 のほうが1年から6ヶ月に拡大されるということですが、この点に関しては特段の措置の必要は必要ないのではないかと考えております。(2)再就職困難者に対する支援の強化というところ でございます。雇用失業情勢が悪化する中で、基本手当の支給が終了してもなお再就職が困難な場合が想定される。特に、雇用失業情勢の影響を考慮すると、倒産、解雇等によって 離職した者、先ほど申し上げた特定受給資格者、あるいは非正規労働者の方で特定受給資格者と同じ取扱いとすべきとした者については、重点的に再就職の援助を行う必要がある。特に これらの者について、暫定的に、個別に基本手当を延長して給付が受けられるようにすべきであるということであります。具体的には、所定給付日数が短い年齢層、特に若い年齢層や、 雇用失業情勢の悪い地域等の求職者を対象として、公共職業安定所長が必要と認めた者を延長してはどうか、この延長の幅につきましては、約60日とすることが適当である。この場合に ついても、職業紹介等を拒否する場合にあっては延長給付の対象とせず、また、延長中である場合は、以後の支給はしないこととすべきであるということでございます。船員保険における 対応でございますが、再就職が困難な場合の支援の強化についてですが、「所定給付日数が短い年齢層」「雇用失業情勢の悪い地域等の求職者」と2つの要件が雇用保険制度では条件として ございますが、船員のほうにつきましては、従来から船員の方というのは広域の求職活動が通常であるということを前提としておりますので、地域差による給付は対象とせず、 所定給付日数が短い年齢層の場合のみを延長の対象として、延長日数についても、基本的に雇用保険制度の内容に沿って考えていきたいと思っております。4ページでございます。 (3)安定した再就職に向けたインセンティブの強化ということです。こちらに書いてございますとおり、左側、雇用失業情勢が悪化して、離職者が予想される中では、必要な雇用機会を 作るとともに、安定した再就職に向けてのインセンティブを強化することが必要であるということになります。このため、再就職手当について、暫定的に、今は再就職した場合に所定給付 日数の残日数に応じて手当が出ることとなっておりますが、「所定給付日数の3分の1以上かつ45日以上の残日数」というのが今の要件でございますが、「45日以上」の要件を外して 「所定給付日数の3分の1以上」と緩和するものでございます。さらにあわせて、給付率についても残日数に応じて、残日数が3分の2以上の場合には50%、3分の1以上の場合には 40%に引き上げるべきである。早く就職すると高い手当を受給できるというような形にしていきたいと思っております。また、就職困難者についての再就職の際の初期費用を支援する 「常用就職支度手当」については、暫定的に「40歳未満の者」についても支給対象とし、給付率を40%に引き上げることにより、さらに安定した再就職に向けたインセンティブが高めら れるようにすべきである。加えて、安定した再就職に向けては、必要な職業能力を身につけることが重要であることから、安心して職業訓練を受講することができるよう、訓練延長給付に よって支援することとし、さらに職業訓練に必要な諸般の負担を軽減することができるよう、職業訓練を受講する者に対し、暫定的に受講手当の額を引き上げる、具体的には日額500円を 700円にすべきであるということです。右側、船員保険制度における対応でございますが、具体的に書いてあります項目に関しましては基本的にはこういう方向で検討を行うということになります。 ただし、左側中ほどに書いてございます「常用就職支度手当」につきましては、現行の船員保険制度にはない制度でございますので、引き上げる対象がないということで措置をしない ということを考えております。続きまして、育児休業給付の見直しでございます。育児休業給付につきましては、平成19年改正において、平成22年3月31日までに育児休業を開始する 者までの措置として、暫定的に育児休業者職場復帰給付金の給付率を引上げております。これについては、少子化対策としての要請等も踏まえると、暫定的に当分の間延長し、 雇用保険制度として対応を図ることはやむを得ないものと考える。また、このようなものを統合して、まとめて育児休業中に所得保障支給することについては望ましいとする意見もある一方で、 職場復帰率が8割半ばで推移しておりまして、雇用の継続を図り、職場復帰を支援することを目的とし、雇用保険制度で措置している育児休業給付の趣旨からは、両給付を統合すること には慎重であるべきとの意見や統合することによってモラルハザードが起きるので、統合するのであれば休業後に復帰しない場合は職場復帰給付金分を返還することも盛り込んだ 制度とすべきとのご意見がございます。しかしながら、雇用の継続を図ろうとする育児休業取得者に対する支援としては、育児休業給付以外にはないのが現実である。こういった役割にも 強い期待があることを踏まえれば、これを統合することもやむを得ないものと考える。なお、統合に当たっては、モラルハザードが起きないよう、制度の周知をするということでございます。 なお、育児休業制度につきましては、現在相互の見直しというものが、関係審議会、関係部会において進められております。これにつきましては、右側に船員保険制度における対応ということで ございますが、先ほども申し上げたとおり、制度自体がまだ未確定の状況でありますが、平成22年4月以降の延長措置ということでございます。平成22年1月に雇用保険制度への 統合というのを船員保険制度で予定してございますので、船員保険制度そのものについて特段の措置をするかというと、精査は必要ですが、基本的には統合後の雇用保険制度がどのように 進んでいくかという話ということで考えております。6ページ目でございます。「3 雇用保険料率について」でございます。雇用保険制度につきましては先ほど申し上げましたとおり、 保険料率について検討するということでございまして、昨年までは失業情勢というのは改善しておったと、平成19年度の決算後においては、積立金残高は約4兆8,800億円と。ただ、 最近は失業情勢が悪化している。給付が大幅に増加する。その一方で生活対策として、家計緊急支援対策の一環として、国民の負担軽減の観点から、平成21年度に限って0.4%までの 幅で引き下げることを早急に検討することとされたところでして、法案として書かれておりますが、そもそもの保険制度の趣旨等からすれば、現在のように雇用失業情勢が急速に悪化 しつつある時期には保険事故である失業が増加することが容易に予想される中での雇用保険料率の引下げについては、本来これを行うべきではなく、慎重に対処する必要があるけれども、 一方で、国民の負担軽減についての政府全体としての強い要請があること等を勘案すると、平成21年度に限っての特例措置とするならば、失業等給付に係る雇用保険料について、 弾力条項による引下げ幅を超えて0.4%引き下げることとすることも、やむを得ないという形で書かれております。これに伴う対応でございますが、船員保険、右側でございますが、 失業部門における保険料率については、雇用保険における引下げの趣旨や平成22年1月の雇用保険制度への統合等を踏まえ、別紙のとおりでございますが被保険者負担分のみ 0.1%引下げることとしてはどうでしょうかということでございます。別紙が8ページにございまして、ご覧いただければと思います。こちらのほうで、雇用保険部会で議論されている 内容が左側で時系列になってございます。右側が船員保険で、同じく時系列になってございます。先ほどの雇用保険部会を踏まえると、現行被保険者が6、事業主が6。いわゆる 二事業分が3かかってきます。合計、現行では12プラス3という形になっております。これが21年4月から22年3月までは、被保険者については4、事業主については4プラス3。計、 8プラス3と。また22年度以降については今のところ、被保険者が6、事業主が6プラス3、計12プラス3と、そういう考え方が雇用保険部会の報告書案に示されております。22年1月から の船員保険制度というのは雇用保険制度に統合されますので、22年1月以降は雇用保険制度と同じ率になるということがスタートラインとしてございます。かたや船員保険制度の現行で ございますが、被保険者が5‰、船舶所有者が7‰、合計12‰となり、雇用保険制度と違えている部分がございます。論点としては来年4月から12月までの統合までの保険料率をそれぞれ どう定めるかということがございます。一つは被保険者につきましては、先ほど申し上げました負担軽減の観点から、あるいは22年1月に4‰になるという観点から、こちらは4‰とするのが 適当ではないかということで考えております。一方船舶所有者のほうでございますが、現行7‰でございます。22年1月からは雇用保険に統合されることに伴いまして、4‰プラス3‰、 合計7‰となっております。そういった、現行と22年1月以降が7パーミルという状況、あるいは労災に対する移換金の関係等ございまして、船舶所有者の保険料率のほうは現行にした まま22年1月を迎えた方がよろしいのではないかということで7‰としまして、22年1月からの保険料率については被保険者が4‰、船舶所有者が7‰ということで、書かせていただいて おります。6ページの下の部分左側、(2)でございますが、「平成21年度の雇用保険二事業に係る雇用保険料率について」ということで、雇用保険制度の二事業というものがございます。 先ほど申し上げたとおり、現時点で船員保険制度においては該当するものがございませんので、右側のほうに書いてございますけれども、措置は不要であるということを書かせて いただいております。7ページに移らせていただきまして、今後の課題という形で雇用保険制度の中で提示しております。65歳以降への対処等、こういった「今後の課題」とされた事項に ついては、引き続き検討と、あるいは平成22年度以降の雇用保険料率のあり方についても引き続き検討ということでございます。船員保険制度につきましては、失業部門は21年 12月までということでございますけれども、何か必要があれば雇用保険制度における課題も課題としてはどうかということでございますが、今のところ特に21年12月まで具体的なものは ございませんので、とりあえずこのような形で書かせていただいております。資料につきまして簡単にご説明させていただきました。 ○岩村座長  ありがとうございました。それではただいまの雇用保険関係のご説明につきまして、ご質問等ありましたらお願いしたいと思います、よろしくお願いいたします。江口委員どうぞ。   ○江口委員 船主協会です。22年1月の統合以降のお話でございますけれども、二事業分につきまして、日本船員福利雇用促進センターにおいて、二事業に類することを国及び船保の特会から 補助金という形で出しておりますが、統合後は船舶所有者のプラスの3‰に統一されるという理解でよろしいでしょうか。 ○岩村座長 事務局の方お願いいたします。 ○事務局 船員保険室でございます。船員保険の福祉事業につい来ましては、平成18年12月に取りまとめられました、懇談会の報告書の中で整理がされておりまして、船員保険の福祉事業に ついては、雇用保険との関係で申しますと、雇用安定事業等の枠組みで実施することができる事業については、それぞれの事業として実施することが適当と整理されておりまして、具体的に 申しますと、例えば現在船員保険の福祉事業として、船員の職業、生活の安定のため、雇用促進事業が実施されている。雇用保険への統合後についてはこれらの事業について、 当該事業の性格及び雇用安定事業の趣旨を踏まえ、雇用安定事業として対応することが適当であるということで整理されているところでございます。 ○岩村座長 他にいかがでございましょうか。清水委員どうぞ。 ○清水委員 ありがとうございます。今ご説明いただいた中に、いくつかの項目については雇用保険制度における見直しに沿って、船員保険の方も具体的な検討を行うということですが、2ページに特定 受給資格者の問題が出ておりますけれども、雇用保険と船員保険で特定受給資格者の定義といいますか、仕組みが微妙に違っているというところがございまして、雇用保険の見直しを 船員保険に翻訳する際に、なかなか厄介な作業も出てくるんじゃないかなということもひとつございます。雇用保険制度における見直し内容に沿った具体的な船保の見直し内容を確定する にあたっては、是非関係労使と連携を取って、教授していただいて、具体的に詰めていただきたいということをお願いしたいと思います。それから、これは初歩的なことで大変恐縮なのですが、 3ページのいちばん上のところで、適用関係の運用上のルールがございます。雇用保険の場合は「週所定労働時間20時間以上、1年以上の雇用見込み」と、船保の場合は2ヶ月を超える ということであります。こういうルールがあるということを十分理解しておりませんでしたが、今ここでなくても結構なのですが、こういう運用上のルールを、依頼というか、法律上の根拠を 、例えば短時間労働者なんかの場合だと、4分の3でもって30時間というのがあるわけですよね、今それが変わっているのかわかりませんが。雇用保険で20時間以上というのがどういう ところから出てくるのかということがちょっとしりたいと思います。それから保険料率の件でございます。船員保険の失業部門の保険料率については、被保険者側としましては、過剰な積立金 については、それぞれ保険料を負担している側に還元すべきだということで保険料率の引き下げを主張してきたところでございます。法改正におきましては現にそういう主張をくみ取ってい ただきまして、被保険者についてのみ2‰軽減されている現状でございます。そこからさらに1‰引き下げるということで、これについては被保険者側としては特に異論のあるはずはないところ ですが、この問題はこの問題として置いておいて、雇用保険制度の中で1‰引き下げる方向性が確認されているということで、それについて僭越ですけれども、雇用保険部会の議論に ついてここでああこう言ういわれもないし、私もそういうことを言える立場ではないことは承知はしておりますけれども、私自身も雇用保険の被保険者でございますので、そういう立場で若干の 感想を申し上げたいと思います。この資料によりますと、生活対策において、家計緊急支援対策の一巻として云々と、国民の負担軽減の観点ということが6ページに記載されております。 ただ実際に実施される内容、数字を見ますと、これは8ページの比較表にございますが、これは被保険者だけではなくて事業主さんも同じように軽減されているわけですね。だからこの軽減策っ ていうのはなにも家計に対する緊急対策だけじゃなくて、事業主にたいする軽減策も同時にあるということだろうと思います。今回見直す一番大きな目的というのは、やはりこういう雇用情勢、 厳しい雇用情勢にあって、以下に効果的な雇用対策を緊急に講じていくのかということが一番大きな政策目的だろうと思います。そうしますと、現在の給付水準というのは何年前だったか 忘れてしまいましたが、平成13年ですかね、大きな制度改正をしまして、非常にドラスティックな給付見直しをやりました。このときも雇用保険財政が赤字になるということで、保険料は上げる、 給付は下げると、メリハリはつけて改正はされましたけれども全体的に見れば大きな給付引き下げ改正だったと、そしてそれがそのままずっと来ている。そういった中で今度はこういう厳しい 雇用情勢が発生している、積立金は結構あるよというわけですね。そうすると、保険料負担を下げることの雇用対策上もちうる効果と、その引き下げる保険料負担分を給付の方に改善した 場合の雇用対策上の効果、一体どちらを優先するのかという議論はおそらく雇用保険部会のほうでも議論されて、そのうえで引き下げようということになったんだろうと推測しております。 私は1年後には雇用保険の方にお世話になるということになるわけですけれども、その先行き見通しというのがはっきりしませんので、雇用対策上の保険給付のあり方については情勢に 応じて機敏に見直しをやっていくという対応をお願いしたいと思っております。これは感想ということで申し上げたいと思います。最後ですけれども、このペーパーには出てきませんけれども、 国庫負担の問題です。これについては色々議論もあるところで、言いたいこともたくさんありますが、少なくとも現行の水準は確保していただきたいということを強くお願いしておきたいと 思います。以上です。 ○岩村座長 どうもありがとうございました。1点目はご要望ということで、事務方に置かれましても受け止めながら対処していただければと思います。2点目はご質問だったのですが、雇用保険課なり、 保険課のほうで今お答えいただけるご用意ございますでしょうか。 ○保険課長 3ページの上の方のお話かと思います。船員保険制度の適用関係でございますが、これは船員保険法の条文の規定に基づいていくとこうなるという形でございまして、また別の場所で ご説明させていただきたいと思いますが、条文の関係を追っていくとこういう形でございます。 ○岩村座長 それでは個別にまたご説明いただければと思います。3点目および4点目については意見の表明ということでよろしゅうございましょうか。ちなみに、一昨日の雇用保険部会でも国庫負担に ついての若干のやりとりがあり、事務方の方から現在の国庫負担の維持ということについて、全力を挙げて対応しているという回答がなされております。詳しくは予算内示を見てということに なりますので、現在はそれで詰めている作業であるというふうに、私の方は承知しております。その他いかがでございましょうか、橋委員どうぞ。 ○橋委員 3ページ目のいちばん上ですね、適用基準と言うことで、漁船分野には第五種船と第六種船というのがあって、第六種船は定着率の問題で非適用の乗組員が出てくるということなのですが、 その部分というのはここに記載されている2ヶ月を超える雇用の見込ということなので、従来1年以上の乗船履歴、加入経歴がないと船員保険のいわゆる雇用保険部分の適用にならないと、 それから資格が1年で発生してそれから半年乗って始めて失業部門の適用になると、こういう概念でおるんですが、その部分はどのようになって行くのですか。 ○岩村座長 ご質問なのですが、事務方の方いかがでしょうか。 ○事務局 今の点について、別の機会にご説明申し上げたいと思います。 ○岩村座長 よろしゅうございましょうか、その他いかがでございましょうか、特にご意見がないということでよろしいでしょうか。それでは今日いただいたご意見等も踏まえながら、今後、今日ご説明 いただいた資料の方向で法律改正の作業に入っていただきたいというふうに考えております。どうぞよろしくお願いいたします。今日用意しております議事は以上でございますが、 何かご発言ございますでしょうか、よろしゅうございましょうか。それでは本日の運営懇談会はこれで終了させていただきたいと存じます。次回の日程等につきまして、事務局のほうから お願い申し上げます。 ○事務局 次回の日程につきましては、調整のうえ事務局より別途連絡させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。 ○岩村座長 そのようでございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。それでは本日の運営懇談会はこれで閉会させていただきます。お忙しいところ、どうもありがとうございました。