社会保険事業運営評議会 第20回議事録 日時 平成20年10月27日(月)13時00分〜15時10分        場所 全国都市会館 第1会議室        出席された参集者(敬称略) 井口経明、井戸美枝、伊藤彰久、加納多恵子、久保田政一、 鈴木正一郎、宮武剛 ○宮武座長  定刻になりましたので、第20回の社会保険事業運営評議会を開催いたします。本日はご都合により稲上毅さん、遠賀庸達さん、小島茂さんが欠席です。なお、小島さんからは連合の総合政策局 生活福祉局の伊藤彰久部長に代理出席をお願いしたいという申し出がございますので、過去の例に習いまして、ご異論がなければ、欠席の小島さんに代わり伊藤さんの代理出席をお認め願いたい と思います。         (「はい」「異議なし」の声あり) それでは、伊藤さん、お席に移ってください。  また、今回から、新たにお二人の方に参集いただくこととなりましたので、紹介させていただきます。宮城県の岩沼市長の井口経明さんと経団連常務理事の久保田政一さんです。  井口さん、久保田さん、ご挨拶いただけますでしょうか。 ○井口氏  宮城県岩沼市と言っても、どなたもお分かりにならないかもしれません。会議への参加を簡単に安請け合いしたわけでありますが、ほとんど役に立たないのではないのかなと思います。 田舎の政治家というのは何でも簡単に引き受けるものだなと、その典型みたいなものであります。ちなみに宮城県の仙台の南、電車で約20分の所にありまして、東北の市では人口増加率が1位です。 と言っても人口4万4千の大変小さな所です。また、東北でありましても雪が降るということがほとんどない所です。どうぞ、お出掛けいただきたいと思います。どうもありがとうございます。 よろしくお願いいたします。 ○宮武座長  よろしくお願いいたします。それでは久保田さんからもお願いいたします。 ○久保田氏  これまで紀陸前専務理事がお世話になったと思いますが、5月末から私が社会保障担当になり、今後出させていただくということになりました。まだ、そういった意味で不慣れでございますので、 いろいろ教えていただきながら、できるかぎり貢献していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 ○宮武座長  こちらこそ、よろしくお願いいたします。  では、開催に当たりまして社会保険庁長官から一言ご挨拶いただきます。 ○坂野長官  本日はお忙しい中、ご参集いただきまして誠にありがとうございます。この運営評議会は既に久しい歴史のある評議会でございまして、参集者の皆様には節目節目にお集まりいただき、事業運営の 点検と今後の方針等についてのご審査をお願いするという重要な会議であると、私どもは認識いたしております。本日の会議においても率直なご意見、ご指導を賜りたいと考えております。  前回の開催以後、年金記録問題については、着実な進展があり、また、新たな問題も生じつつあるという状況でございます。前回も申し上げましたが、基本的には7月5日の政府与党で合意した方 針に基づきまして年金記録問題の解決に鋭意取り組んでいるところでございますが、その間、特に先の6月の年金記録問題関係閣僚会議では、今後の道筋も改めて整理をしたところです。  そういう取組みの中で、最も肝要なものと考えております国民すべての方への「ねんきん特別便」の送付につきましては、今月末までにほぼすべての方々に送付をする見込みが立ったという状況に ございます。また、既にお送りしたうち4,500万人以上の方から回答をいただきつつあるという状況にあります。このねんきん特別便のフォローアップを中心に、国民の皆様からの記録の確認、あるいは 照会に対する回答等について鋭意進めてまいりたいと考えております。  また、このように国民お一人お一人の記録のご確認と合わせまして、現在オンラインに収録されております記録と、そのもとになりました、いわゆる紙あるいはマイクロフィルムの台帳との突合せ作業 についても、来年度電子画像データベース化を図りまして、その上に効率的に進めたいと考えております。  また、9月に公表をいたしましたが、厚生年金の標準報酬月額の遡及訂正について、実態に反した記録訂正が行われている可能性があるということについても現在、鋭意取組みを進めているところ でございます。既に大臣直属の調査委員会が設置され、原因等に関する調査、究明に取り組まれておりますが、同時にあわせて社会保険庁といたしましても約2万人の方について不適正な処理を された可能性が高いのではないかということから、自宅訪問などをいたしまして、確認等の作業を開始しているという状況でございます。麻生総理も国会でしばしばお答えになっておられますけれども、 「ひたすら手間と暇を惜しまず取り組んでまいる」このような姿勢のもとに、着実にかつ全力をあげて進めてまいりたいと思っております。  次に社会保険庁の新組織への移行問題について申し上げます。既にご承知のことと思いますが、本年10月に政府管掌健康保険の運営については社会保険庁から切り離し、これを全国健康保険 会として発足をさせることができました。この協会については、ほぼ順調に業務を開始しているところと承知をいたしております。  また、日本年金機構に関しましては、平成22年1月の発足を目指して、現在、鋭意準備を進めているところでございます。残るところ1年余となりました。相当な作業の種類と量が控えておるわけで ございまして、これについて全力をあげて取組み、かつ、新しい組織が国民の皆様のご期待に沿う運営ができるような内容として、しっかりしたものにしたいと考えて準備を進めております。。  この日本年金機構については、10月24日に厚生労働大臣から設立委員に任命される方の名簿が公表されております。まもなく第1回の会合を開いて、業務を開始する予定と承知しております。  社会保険庁の取組んでおります懸案について概略を申し上げましたが、本日は平成19年度の社会保険事業実績報告書案等を議題としてご論議をいただきます。何卒よろしくお願いいたします。 ○宮武座長  ありがとうございました。社会保険庁側も7月に人事異動があったと聞いております。総務部長に薄井康紀さんが、また日本年金機構設立準備事務局副事務局長に石塚栄さんが、それぞれ就任さ れておりますので、ご紹介いたします。  薄井さんから、ちょっとごあいさつをお願いいたします。 ○薄井総務部長  総務部長とあわせまして、日本年金機構の設立準備事務局長を仰せつかっております薄井でございます。よろしくお願いいたします。 ○宮武座長  石塚さんも一言お願いいたします。 ○石塚日本年金機構設立準備事務局副事務局長  年金機構の設立準備に携わらせていただいております石塚でございます。よろしくお願いいたします。 ○宮武座長  それでは、議事次第に沿いまして進行させていただきます。まず、資料1を説明していただいて、ご意見をいただいた後で残りの2、3の資料についての説明をお願いしたいと思います。 ○栗原企画室室長補佐  社会保険庁総務課企画室の栗原と申します。 資料1「平成19年度事業実績報告書(案)」についてご説明させていただきます。まず、そもそも、この実績報告書がどういうものなのかというのを簡単にご説明させていただきたいと思いますので、 資料1、一番後ろのページをご覧ください。  実績報告書は、まず中央省庁等改革基本法という平成10年に成立した法律に基づいており、社会保険庁の事業につきましては、厚生労働省にて達成すべき目標を定め、その目標に対する実績の 評価を行なうという枠組みになっております。目標を示されましたら、それに従いまして社会保険事業計画というものを社会保険庁にて作成し事業を運営し、その実績をまとめる。それを厚生労働省に 報告して、その評価をしてもらうという中の、今回は平成19年度の実績の報告をまとめたということで、その案についてご意見をいただきたく、資料として提出しております。  資料の構成、目次については、これは例年とほとんど変えておりません。概況、厚生労働省から示された目標について各個票で実績をまとめています。今回、時間の限りもございますので、この 概況の部分を説明し、全体の説明とさせていただきたいと思います。  平成19年度の事業の概況をご覧ください。20年度も始まってからだいぶ経ち、大きな動きもございますので、それらも盛り込んだうえで記載させていただいております。  まず「はじめに」、1のところ、一番上から見ていただきたいのですが、19年度は社会保険庁の改革を始めて4年目の年であるということで、これまで各般の意識、組織、業務改革を進めてきております。 また、健保法の改正法や日本年金機構法が国会で成立したという動きがございます。それに伴いまして、平成20年10月には全国健康保険協会も設立しており、また、それに続き平成22年の1月、 日本年金機構を設立することとなっております。  こういった流れの中、年金記録問題を始めとする国民の信頼を損ねる問題というのも生じてきております。社会保険庁としましては職員一丸となって改革を進めてきております。また、国民の信頼を 回復するための取組みを進めてきているところでございます。  2の「年金記録問題について」は、先ほど申し上げましたとおり、20年度の取組みを含めて記載しておりますことご容赦ください。2行目に書いておりますとおり平成19年7月に政府与党連絡協議会で 取りまとめた方針、これを大きな基盤としまして、その後もいくつかございますが、それらに従いまして着実に対応を進めてきております。  以下、@は、「ねんきん特別便」について記載しており、今月末までにすべての受給者、加入者に送付する見込みが立っているという状況でございます。 Aは、これらの取組みと並行しまして住基ネットの活用等を通じ未統合の記録の解明・統合作業についても進めております。  また、Bは、「ねんきん定期便」の送付や電子画像検索システムの整備等についてです。いつでも簡便にご自身の年金記録を確認することができる環境整備に努めていくこととしております。  Cにおいては、紙台帳の記録とコンピュータ記録の突合せについても着実に進めていくところでございます。  次の2ページの下から3ページにかけて、平成19年7月に時効特例法が19年12月に厚生年金特例法が成立し、法律に従い、各般の事務を行なっているところです。  「また」以下で3ページに記載しているところですが、現在大きな問題となっております標準報酬月額の遡及訂正事案です。総務省の第三者委員会のあっせん事案16件と、あとは1件事業主の方から 証言がありました事案、これら17件について調査した結果、社会保険事務所の職員が事実に反する処理であることを知っていたと考えられる事案が含まれていたということでして、平成20年9月9日の 関係閣僚会議で了承されました方針に従いまして調査、記録確認また再発防止の徹底を図ることとしております。以下、それらの取組みについて記載しております。  4ページ以降が、社会保険庁が行なっている事業の具体的な実績です。大きく分けて国民年金、厚生年金、政府管掌健康保険、船員保険の業務の概況でございます。  アの適用事務ですが、@厚年、政管健保の適用事業所数は増加しており、被保険者数についても増加をしているという状況でございます。A国民年金被保険者数は減少しております。数字は記載 しているとおりでございます。  イの保険料収納事務ですが、保険料の収納事務については法令に基づき適正な事務処理を行なうことが必要です。 @厚年・政管健保の保険料については、収納額は前年度よりも若干上がっております。収納率は、前年度とほぼ同等の水準となっております。 また、A国年の保険料についてですが、こちらは保険料を納めやすい環境作り、収納対策の強化等に取り組んできておりますが、19年度の保険料納付額は1兆8,582億円となっております。現年度分 の保険料納付率は、63.9パーセントと対前年度比で2.3ポイント減となっているところです。 ただし、保険料につきましては2年で時効を迎えますが、2年前の分までは納めることができますので、まだ 19年度に納付可能な平成17年度分の保険料、こちらの最終納付率は72.4パーセントと、前年度18年度の数字、平成16年度分の保険料の最終納付率になりますが、こちらは68.2パーセントとなって おりますので、前年度より上がっているということになっております。平成14年度以降、初めて最終納付率70パーセントを超えたところです。免除、特例等の数字はこちらに記載しているとおりです。  5ページ、ウの保険給付事務では、@で給付費や受給権者数また新規裁定件数を書いております。Aは、政管健保の医療給付費についてですが、先ほど申しましたように、20年10月から全国健康 保険協会に移っております。Bについては、いわゆるサービススタンダードについて記載しております。詳しい資料は参考資料5につけておりますが、19年度の老齢厚生年金等の達成率は全般的に 下がっているという状況です。  エは保健事業及び福祉施設事業についてで、上段は政管健保の健診等の保健事業について、「一方」以下は年金福祉施設等、いわゆるRFOにおいて施設の廃止・譲渡を平成22年9月までに進 めることとしております。  オのところ、年金相談等ですが、年金相談につきましては年金記録問題を受け平日の相談時間の延長及び土日祝日の休日相談を実施し、従来からもやってきているところですが、さらに拡充して 窓口相談体制の充実を図っているところでございます。  6ページです。電話相談につきましても6月から3月までの間、「ねんきんあんしんダイヤルというものを設置しておりました。また、これは今でも設置しておりますが、「ねんきん特別便専用ダイヤル」を 設置して、電話相談体制の充実を図っているところです。Aは、年金個人情報の提供ということで、ねんきん特別便を送付する直前までですが平成19年の3月からねんきん定期便を先行して実施して おりました。後段の「また」以下ですが、インターネットを活用した情報提供等々を行なっているところです。  カは、オンラインシステムの刷新と書いておりますが、こちらは平成18年3月に策定しました「業務システム最適化計画」に基づき進めているところです。また、最後の段落ですが、社会保険オンライン システム最適化評価ワーキンググループ、これは内閣の下にありますIT戦略会議の関係の機関ですが、こちらにいろいろと諮りながら専門技術的な点検・評価を受けつつオンラインシステムの刷新を 進めているところです。  (2)決算及び組織人員ですが、こちらは資料3にて数字等付けておりますが、ご説明させていただきます。アは決算ですが、政管健保は19年度の単年度収支決算では、1,352億円の赤字となって おります。一方、年金事業は平成19年度単年度収支決算、厚生年金は9,378億円の歳入超過、国民年金は、歳出超過という状況です。また、事務に要した費用等は、下段に記載しております。  7ページの中段、イは組織人員ですが、19年度はいわゆる3増3減の増の処置をしており、社会保険事務所を平成19年10月に2か所、また20年3月に1か所新設して、現在の事務所数は312か所と なっております。また、職員数については記載のとおりです。  最後、4の社会保険庁改革は、先ほど申し上げたとおり、平成19年6月に日本年金機構法が成立しております。これに基づきまして平成22年1月になりますが日本年金機構を設立することとなって おります。また、平成18年6月には健康保険法等の一部を改正する法律が成立しておりまして、これに基づきまして、今年の10月に全国健康保険協会が設立されております。 日本年金機構法におきましては機構の当面の業務運営に関する基本計画を定めることになっております。8ページですが、法律が成立しましてから約1年間、内閣官房に設けられました年金業務・ 組織再生会議という有識者会議において機構の組織や業務の委託に関して様々な議論が行なわれました。その最終整理は6月にまとまっておりますが、これを踏まえまして政府において7月29日に 基本計画を閣議決定によって定めたところです。こちらの中には組織体制や外部委託の推進、職員の採用、必要人員数といったものが盛り込まれており、今後は設立委員会において、これらを踏ま えて具体的な検討が行なわれていくという状況です。  最後に(2)業務改革について記載しております。これは日本年金機構法と併せて平成19年の6月にいわゆる事業改善法という法律が成立しておりまして、こちらは業務改革を進める中で、例えば クレジットカードによる保険料納付等法律的手当てをしないと改革が進まないものについて法的な手当てをしたものでございます。一番下に書いておりますとおり今後も機構に高いレベルで業務を 引き継げるように、引き続き業務改革の推進に最善の努力を尽くすこととしているところでございます。  かなり駆け足になりましたが、資料1は以上でございます。 ○宮武座長  ありがとうございました。ただ今の事務局からの説明について、皆様からのご質問なりご意見なり、ご自由に賜りたいと思います。 ○鈴木氏  今日の説明は以上で終わりということですか。あと何かあるのですか。 ○宮武座長  目標値については省略をして、その後、資料2、3に基づいての説明をする時間を置いております。 ○鈴木氏  それでは最初に、これは毎年申し上げていることですが、19年度の事業実績報告書が10月に出て、これを修正等して厚労省に出すという、言ってみれば1年遅れの報告書ということになって、 こういった業務にPDCAサイクルを回して、より効率的な事業運営をするというには私はやはり問題があるのではないかと思います。  これだけのものをまとめるのにどうしても時間がかかるということであるとするならば、ポイントを絞って、19年度のものが20年に効率改善など何かの提案ができるような格好になさったらいかがかなと 思います。 ○宮武座長  いかがでしょうか。お答えいただけますか。どうぞ。 ○橋本企画室長  企画室長です。ただいまご指摘いただいた点につきましては、累次に渡ってご指摘いただいておりまして、私どもとしても非常に苦慮しているところでございます。どうしても国の会計の仕組みの中での 予算、決算というサイクルを前提として、その中で見込まれる事業につきましての事業の計画、また事業の実績報告という形で取りまとめております。そういう中でサイクルが、どうしてもなかなか噛み合 わないというところは誠にご指摘のとおりでございます。私どもとしてもなるべく急いで報告をまとめるように努力はさせていただいているつもりですが、そういった点については、今後とも努力したいと思 います。  また、ここでいろいろいただいたご意見、また今後の事業の中に生かしていくべき点につきましては、今後、計画作りなり業務改革なり、そういったものを策定する機会がありますので、その中に最大限 生かしていきたいと考えております。 ○宮武座長  毎年度、ご指摘の点ですので鈴木委員のほうもご不満かと思いますが、それでよろしゅうございますか。 ○鈴木氏  大変なことは承知していますが、民間の大企業は国際会計に従って1か月ぐらいで決算をして発表しているわけですから、やはりやる気になって、ぜひやって、効率的な運営ができるようにしないとい けないと思います。これだけをやっているわけじゃないけど、こういうのを作るのに半年かかるというところに効率性が低いということを象徴しているんじゃないかという気がするので、くどいようですが 何回も申し上げているわけです。 ○宮武座長  ぜひ、そのご意見をお汲み取りいただくようにご検討ください。どうぞ、ご自由にお願いいたします。  それでは、私から発言するのも何ですが、年金記録問題について、長官もお触れになりましたが、厚生年金の標準報酬、いわば改ざんではないかというような件が出てきたというのは大変大きな 問題だと思います。私なんかは訳知りで、年金の標準報酬がもし改ざんされたとしても社会保険庁が同じ保険者として政府管掌健康保険のほうもコントロールし、チェックされているわけですから、 そこでダブルチェックが効いて是正されるのではないかと頭の中では考えていたわけですが、どうもそうではないというケースが今回出てきたわけです。そうしますと厚生年金の標準報酬改ざんを するなり、あるいは脱退届を出してお辞めになる。しかし、政府管掌健康保険は依然として保険証を持って医療サービスを被保険者が受けておられる。そうすると、それは一体、自己負担分以外の 残りのお金、これはどういうふうに処理されたと推定されるんでしょうか。その辺りがマスコミの報道でも私はよく分からない点で、一体どのような処理の方法があるのか、恐らく推定になると思うの ですがお答え願えませんでしょうか。 ○井上年金保険課長  標準報酬の改ざんの件ですが、現在、被害に遭った方の被害救済に向けた取り組み、それから社会保険庁の職員が実際に関与してそういう問題が起きたのかについての実態解明を進めている ところです。これまで、そういう組織的関与の部分について社会保険事務所の適用なり徴収を担当している職員に対する書面調査、聞き取り調査、また、そういったセクションに物的証拠が残って いないかどうかという調査を進めてきたのですが、今回、マスコミ報道などで健康保険のセクションにおいてもレセプトを抜き取って、本来、返還請求をすべきものを返還請求しないというかたちで 隠蔽工作があったのではないかと報道があったところでございます。  私どもとしては具体的な事実は現時点では把握できておりませんが、この年金記録の改ざん問題についての事実関係の調査、特に職員の関与についての調査を進めていく中で適用・徴収の セクションだけではなくて健康保険のセクションの職員に対する調査、また、そういうセクションにいろんな書類などが残っていないかどうか。こういったことも併せて確認することによって、その点に ついての事実関係というのもできるだけ明らかにしていきたいと考えているところでございます。 ○宮武座長  大変、不可解な話なものですから、ぜひ調査を詳しくしていただきたいと思います。どうぞ、伊藤委員。 ○伊藤氏  本日は代理出席をお認めいただきましてありがとうございます。今の資料に関して一つご質問をさせていただきます。今回、例えば10ページや11ページのところで、重点加入指導実施事業所数、 調査関係などが約半分に減っています。これは恐らく記録問題に忙殺されて、なかなか手が回らなかったということではないのかなと想像するのですが、その辺りの理由をお聞きしたい。 あと、26ページのところの最終催告状の発行件数と督促状の発行件数というものも大幅に、これは8分の1とかに減っているんですが、どういう理由なのかなと思いました。おそらく1号の保険料かな とは思うんですが、払わなくてはいけない人に、払えるにもかかわらず払わなかったような人に対して、忙しいからということで督促状を出さないということがあり得るのかどうなのかと思います。 この辺りの理由をお聞きしたい。あと、これに関する説明が30ページに強制徴収の実施にありますが、最終催告状の発行件数は減ったものの、差し押さえは実施し18年度並の成果はあげていると いう説明ですが、そうなりますと、17年度、18年度は大変多くの最終催告状を発行したのですが、こういったことが無駄だったと言いますか、逆に言えば数多く出して、あまり強制徴収までは行かな かったということなのか。どういうように考えたらいいかと思いまして、今の大幅に減った処理の扱いについてご説明いただければと思います。 ○宮武座長  はい、それでは、その点でお答え願えますか。 ○小平適用・徴収対策室長  小平と申します。まず、大幅に減った理由等について私のほうからコメントさせていただきまして、後ほど適宜、補足させていただければと思います。  大幅に減った理由ですが、先ほどご質問があったとおり、19年度は行動計画の策定後に年金記録問題というものが後発的に発生いたしまして、そちらを最優先課題として対応していました。 例えば適用担当職員、調査担当職員も年金記録問題への対応を最優先で対応しておりますので、結果として、このような数字が表れているということでございます。  ただし、そうは申しましても全然工夫をしなかったかと言いますと、限られた職員の中で様々な工夫をしておりました。例えば適用促進に関して言いますと、民間委託を拡大することによって、 職員が行なう重点加入指導あるいは職権適用の強化というものをうまくつなげていくというような対応を、実施手順等を整理・明確化しつつ行なってきております。  調査事務については、例えば被保険者からの確認請求に基づく調査あるいは労働部局から請負労働者、外国人労働者の届出漏れがあるというような情報提供があった場合には、これは確実に 調査するということで、メリハリを付けた運営を心掛けることによって限られた事務量の中で努力をしてきたという経緯がございます。 ○西田国民年金事業室長  国民年金事業室より、国民年金の関係についてご説明申し上げます。まず、催告状の件数ですが、確かに年金記録問題もありまして件数が減っているという部分がありますが、大きな要素としま しては市場化テストというものを進めておりまして、27ページの数字の中で一番下のところにコメントを書かせていただきましたが、市場化の件数はこの中には含まないものですから、私ども社会 保険庁の中で実施した件数ということでとらえていただきたいと思います。  それと、もう一つ強制徴収の取扱いですが、18年度も免除問題等で少しそういう処理で滞留していたものですから、19年度は新しく出すよりも従来から出している催告状に対する処理をまずきちっと やっていくということを第一として処理をさせていただいています。そういう意味で、差押え等の件数につきましては、18年度までに既に出しております最終催告に対してきちっと対応してきたということ です。以上でございます。 ○伊藤氏  すいません。その27ページの下のところは読んだのですが、注釈があって、催告状発行件数については市場化テストを含まないということは理解したつもりなのですが、督促状はおそらく民間事業者 はまだ出せなかったかなと思いまして、それで10パーセント以下になって減っているのですが、こちらはそういう理由かどうかというのはいかがでしょうか。 ○西田国民年金事業室長  今回の市場化テストというのは納付督促対象者を民間業者にお願いしますというもので、電話督励、文書督励、戸別等包括的な督励形式になっておりまして、催告状も、文書催告というかたちで市場 化テストの業者が行なうということになります。 ○宮武座長  よろしいですか。なぜ、市場化テストのほうは含まないという意味がよく分からなかったのですが。 ○西田国民年金事業室長  ここでお示ししているのは、社会保険事務所の中で行動計画というものをまず定めて、電話督励や文書督励を行いますが、後ほど市場化テストの中で説明は出てくるのですが、この市場化テストの 中には単純に比較することができないという要素もあったものですから、行動計画だけというものを示してございます。 ○宮武座長  伊藤さん、よろしゅうございますか。 ○伊藤氏  その点は、そういうご説明だということで受け止めます。 ○宮武座長  それから年金記録問題については参考資料4が出ておりますが、もし、今日の説明を省かれるのであれば、伊藤さんの今のご依頼に沿ってポイントだけでもご説明願えますでしょうか。 ○竹林企画課長補佐  それでは参考資料4につきまして説明をさせていただきたいと思います。  最初の4ページほどは、年金記録問題についての問題の所在と対応策を簡単にまとめたものになりまして、1ページ目が、頭の整理を簡単にしていただくための全体像です。左側に問題の所在、 右側が対応策になっております。一口に年金記録問題と言いましても、大きく2つに分けてご理解をいただくのがいいのだろうということで、このような資料の作りにしております。  まず、左側の問題の所在ですが、1つ目は18年6月時点で基礎年金番号に統合されていない記録が5千万件あったという問題です。これは平成9年1月に基礎年金番号の導入の際には3億件あっ た年金記録のうち2.5億件については統合していて、残り5千万件については未統合のまま残っていたという問題です。  これについて対応策は右側ですが、大きく分けて2つのアプローチを取ってきております。1つ目が「ねんきん特別便」というもので、これを国民の皆様に送りましてご確認をいただくというアプローチで ございます。少し詳しく申しますと、コンピュータ上、年金記録の名寄せというものを実施し、その結果、記録が結び付くと思われる方にお送りする「名寄せ特別便」というものを、今年の3月までに送付を しております。それ以外の方々に対するいわゆる全員特別便というものは、今月中に送付を完了する目途が立っているという状況でございます。2つ目のアプローチは、役所の方でいわゆる住基ネット 情報を活用するなどして積極的に未統合記録の解明を行なうというものです。  問題の所在の2つ目は、年金記録の正確性の問題というものです。上の問題と重複する部分もありますが、少し違う問題として存在します。これについてはさらに3つの類型に分けてご理解をしていた だくのがよろしいかと思いますが、1つ目については過去、いわゆる「紙台帳」というもので記録をしていたものから、ある時期よりコンピュータにその記録を転記するという作業をしているわけですが、 その転記をする際にミスがあったのではないかという問題です。2つ目に最近盛んに報道されております厚生年金の標準報酬などの記録が事実に反し遡及して訂正されていたという問題がございます。 3つ目に今申し上げた2つに必ずしも該当しないケースもあるわけですが、とにかくご本人が保険料を納めていたとおっしゃっておられるのに対して、社会保険庁の保険料納付記録としては、該当する 記録がないという事例があるという問題です。  これについての対応策は、まずは国民のみなさまに年金記録をいつでも簡便に確認できる仕組みを作るということです。また、インターネットによる年金記録照会サービスを拡大し、来年4月からは すべての加入者に「ねんきん定期便」を送付することといたします。  続きまして、役所において所有している紙台帳の記録とコンピュータ記録とを突合せ確認を行い、例えば転記ミスに伴うデータの不一致などを訂正してまいります。  次に3つ目の「・」ですが、標準報酬の問題についても、これは後ほどもう少し説明いたしますが、調査などの対応を行なうということでございます。  最後は、いわば救済のための最後の砦というかたちで総務省のほうに年金記録確認第三者委員会というものを設置しておりまして、そこでも月間処理件数が拡大をしており、しっかりとこういうかたち で政府をあげて対応するということで、年金記録問題全体に対して対応するということになっております。これが全体像ということでございます。  次のページ以降は、今申し上げたようなことを少し噛み砕いて説明する資料となっております。まず2ページ目ですが、上のほうが「ねんきん特別便」についてです。これは冒頭、長官のあいさつの 中で少し触れましたが、今月末までにすべての受給者、加入者の方に送付をし終えるということで、9月末現在で既に約8,800万人の方に送付をしておりまして、そのうち約4,500万人の方から回答を いただいておるということでございます。今後の方向としては少しでも多くの方から回答をいただくということで各種のフォローアップを徹底して実施していくということでございます。  同じページの下段ですが、未統合記録の解明ということで、この「ねんきん特別便」と並行して様々なやり方によって解明作業に計画的に取組んでいくということでございます。これは9月9日の 関係閣僚会議で公表されている数字ですが、18年6月の段階で5千万件あった未統合記録のうち、既に統合済みという記録が約750万件、今後解明を進める記録は約1,400万件までに減少していると いう状況でして、これも20年度中にできるだけ集中的、計画的にやることによって解明を進めていくということでございます。  次の3ページですが、こちらはコンピュータ記録の正確性を確認するための紙台帳とコンピュータ記録との突合せについてということです。年金記録については一部重複もありますが、合計8.5億件の 紙台帳、これはマイクロフィルムを含むということですが、8.5億件が保管されています。  今後の方向ですが、下段にございますとおり、すべての受給者、加入者についてお申し出のあるなしにかかわらず計画的に突合せを実施いたしまして、コンピュータ記録の正確性を確保してまいり ます。それで、この作業を円滑に進めるために今、全国に散らばって保管されている紙台帳を電子画像で取り込みまして、個人単位で集約をした上で簡単に検索できるという電子画像データ検索 システムの構築に向けて準備を進めまして、21年度に整備をするという予定でございます。  続きまして4ページですが、こちらが標準報酬・資格喪失の遡及訂正事案というものです。事案の概要の二つ目の○ですが、これも今までの説明と少し重複いたしますが、第三者委員会からあっせん を受けた16事案と1件事業主の方から申し出のあった事案がありまして、計17事案の調査を行ったところ、社会保険庁の職員の関与が考えられる事案が1件確認されました。これは今年の9月9日の 関係閣僚会議で公表されている資料の話でごす。こういったことを踏まえまして、今後の方向といたしましては、まず事実関係を徹底調査するということです。当然のことながら被害者の方々の救済を 最優先にしながら、関与した職員の厳正な対処といったようなことを行っていくということです。また、この事実関係の調査につきましては、その下の括弧書きにありますが、法曹関係者など第三者から なる大臣直属の調査委員会というものを今月6日に設置をしておるところです。  また、これも先ほど説明ありましたけれども、すべてのコンピュータ記録から不適正な処理の可能性がある記録、これは3つの条件でコンピュータ記録から抽出をしております。この中で特に早急な 対応が必要だと考えられる厚生年金受給者の約2万人の方について今月16日から社会保険事務所の職員が戸別訪問を開始しておりまして、記録の確認あるいは調査ということを実施するということで ございます。  全体の概要としては、この4枚紙にかなり要約されていますが、少し付け加えることがございますので、5ページをご覧ください。ここでは特に「ねんきん特別便」の進捗状況を見ていただきたいと思い ます。2の個別事項の(1)「ねんきん特別便」の送付を見ていただきますが、まず、3月までに「名寄せ特別便」というかたちで1300万人の方に送付させていただいておりますが、その中で受給者で 回答をいただいている方は248万人で、送付した方の約8割です。また、加入者は407万人で送付した方の約6割です。計655万人の方から回答をいただいたということでございます。そのうち訂正ありと 回答をいただいている割合は、受給者の約4割,加入者の約7割となっております。  次にAですが、4月から今月末までに「名寄せ特別便」をお送りさせていただいた方以外のすべての受給者・加入者の方に、全員に特別便の送付を完了する予定ということですが、9月30日現在で 申し上げますと、受給者は2,511万人で、送付した方の約7割、加入者は、1,375万人で、送付した方の約3割の方から回答をいただいているところです。そのうち約9割の方から訂正なしという回答を いただいているということでございます。  この辺りをもう少し細かく噛み砕いた情報が資料の6ページ、7ページにございます。8ページは、これまでの「ねんきん特別便」の送付スケジュールが記載されております。9ページは、「ねんきん 特別便」に訂正なしと回答した方に対するフォローアップ照会というものです。かいつまんで申し上げますと、私どもとしては記録訂正ありと回答いただけると想定しながらお送りした「名寄せ特別便」に ついて、一定の方々から訂正なしと回答いただいているものですから、こういった方々の中で、ご本人の記録と、それに結び付く可能性のある記録との間に期間の重複がない方が約63万人おられると いうことですが、こういった方々に対して電話あるいは戸別訪問による照会ということを行いまして、いわば念入りに照会をさせていただいたということがあります。これについて9月12日現在の数字を 載せております。  2の記録の確認結果の表では、結果的にご本人の記録であると確認できた方は78.2パーセントということで、約8割の方が一度訂正なしという回答をいただいたにもかかわらず、結果的には記録の 訂正に結び付いたということですので、今後、こういったフォローアップに力を入れていきまして、一件でも多くの記録を基礎年金番号の記録に結び付けていきたいということでございます。  10、11ページに、これまでのフォローアップ照会の件数などの推移がありますが、省略させていただきたいと思います。  それでは、13ページですが、まさに今、申し上げました「ねんきん特別便」について、様々なご相談があるわけでして、それに対応するための「ねんきん特別便専用ダイヤル」というものを設けている ところです。この13ページは総呼数、応答呼数と応答率についてです。この曲線になっているのが応答率でして、低いときもあれば高いときもあるということで、そのとき、そのときの状況に応じて波が あるという状況でございます。  下段に応答率が低くなっている理由がいくつか書いてありますが、例えば1つ目の○ですが、4月の上旬においては3月に発送した「名寄せ特別便」に伴って問合せ件数が急増したため、応答率が 低下したということがあります。最近の例ですと、9月の中旬から10月中旬にかけましては8月下旬以降に約3,200万人の1号、3号の加入者の方に順次、全員特別便を発送したということに伴いまして、 総呼数が急増し応答率が低下したということでございます。一定の波がこのようにあるわけですが、引き続き、「ねんきん特別便」についての相談にしっかりと対応することによってフォローアップをやっ ていきたいということでございます。  14ページは未統合記録の全体像ですが、これもなかなか複雑な作りになっておりまして、事細かにここで説明することは避けたいと思いますが、1、2、3、4、5、6、7と数字が振ってありまして、 見ていただくところは4のところ。これが統合済み件数ということでございます。これが平成19年12月、平成20年6月、平成20年9月ということで、時の経過とともにどの程度、統合されているかということ ですが、昨年12月の段階で310万件であったものが、9月9日、もうひと月半ほど前ですが、これが直近の数字ということで、約751万件、統合が済んでいるということでございます。  それで、今後、解明を進める記録としては、その下のほうの7番ですが、これも先ほど、ちらっと説明したと思いますが、1,400万件余りが今後、解明を進めていく、手を付けていかなきゃいけない数字、 私どもの、ある意味、作業の目標の値ということにもなると思いますが、こういったかたちで昨年以来、解明の手続きを進めているということでございます。  15ページからが標準報酬・資格喪失の遡及訂正事案に関する調査結果などについてです。先ほど、コンピュータ記録の中で一定の要件のもと、いわゆる事実に即さない記録である可能性があるもの を抽出したと申し上げましたが、その3つの条件がどういうものであったかということをここでご説明いたします。16ページ一番下ですが、1つ目として標準報酬月額の引き下げ処理と同日もしくは翌日に 資格喪失処理が行なわれているもの。2つ目として、5等級以上遡及して標準報酬月額が引き下げされているもの。3つ目として、6か月以上遡及して標準報酬月額が引き下げられているもの。 この3つの条件のすべてに該当する記録が先ほど申し上げました約6万9千件ということでして、そのうち、既に年金の受給を開始されておられる約2万人の方に戸別訪問を開始するということでございます。  また、3条件のすべてということではないのですが、それぞれに該当する件数を単純合計した延べ件数が約144万件になっておりまして、戸別訪問する方々を除いたものについては、今後「ねんきん 定期便」等標準報酬の記録を送らせていただくの際に、該当する旨の可能性について注意喚起をするということで対応したいと考えております。 ○宮武座長  ありがとうございました。では、今の説明に基づいて、ご質問なりご意見、賜りたいと思います。 ○伊藤氏  では、2つ質問と意見を1つ言わせていただければと思います。1つは、年金記録問題についてなんですが、一番重要と思っているのは未到達のことです。参考資料4の6、7ページにそれぞれ名寄 せと全員特別便の未到達の分が、9月30日現在で出ておりますが、合わせて170万人分ほどある。それが現時点でどれくらい減っているのでしょうか。未到達があると、ターンアラウンドの裁定請求も 出せないし、ねんきん定期便も届かないおそれがある。そのため、とにかく住所を探し当てないといけないと思っています。私のところにも第3号被保険者について住所が分からない、届かないという お問い合わせがきました。会社側が受け付けてないのか、あるいは本人がちゃんと言っていないのか、労使間で「どっちのせいなんだ」というようなことが起きているというようなことも聞いておりますし、 これについては非常に重要な問題だと思っています。  確か、これについては広報していくということと、変更届が出されたら、そこに送ってあげるというようなことで対応をするというようなことだったと思うのですが、ある意味、待ちの姿勢という感じになっ ているのかなあと感じます。ほかに方法がないものなのかと思っておりまして、私ども連合としても、これは全部送り済みだと言われているので、今の時点で届いてなければすぐに「ねんきんダイヤル」 のほうに電話してくださいというようなことを言っております。この未到達の分について、どういう対応をしていくのかということを改めてお聞きしたいと思います。  2つ目の質問は、標準報酬の改ざんについて、健康保険への影響といいますか、関連についてお聞きしたいと思っています。例えば、不正か何か見つかったとして、傷病手当金や出産手当金など 標準報酬によって給付額が変わるようなものについては、どういう取扱いをするのでしょうか。再裁定をするというようなことになった場合には、健保のほうの給付金についても裁定し直すというような かたちになるのか、どこまでさかのぼれるのか、そういった件数がどれぐらいありそうなのかということについて、何か情報がありましたらお教えいただきたいと思います。  あとは意見なのですが、この社会保険庁の今後1年2、3か月ですが、最大の課題というのは、この年金記録問題を社会保険庁として存在する間に全部解決しなければいけないと、そういう意気込み でやっていただいていると思いますが、それでも、また見つからない、第三者委員会に持っていったけれど駄目だったなど、そういった声が私のところにも来ております。職員もだいぶ減っていると聞い ているのですが、健保協会に行った分や自主退職など定員削減以上に減っているというようなことを、どうやってこれから解決していくのかなと、国民も関心があるところだと思いますので、次の事業計 画にこれが反映されるということですので、とにかく解決をするんだということが表れるような計画にしていただきたいと思っております。以上です。 ○宮武座長  それでは3点について回答をお願いいたします。 ○池永社会保険業務センター総務部長  業務センターの総務部長をしております池永と申します。1点目の未到達の分についての再送付の対応についてご説明させていただきます。ご指摘の中にも一部ありましたが、この特別便の送付は、 一号被保険者であれば本人からお届けがあった住所、二号、三号であれば事業主から届け出されている住所に基づいてお送りしているというのが基本でございます。そういった中で、若干、住所変更 届出のタイムラグといったようなこともあるのだろうと思いますが、未到達になっているというものがご覧いただいたような数で生じております。こうした方々につきましては、その後住所変更届出が出され ているということもありますので、一定期間毎に住所変更届出を確認した上で提出されていればその住所にお送りするととともに、住所変更届出を出されていない方については、リストを作って社会保険 事務所に送って調査をし、判明すればお届けをするという方法で進めております。  ただ、後者の調査は、なかなか時間がかかるという部分もありますので、基本となりますのは変更届出の提出忘れがあるようでしたら、確実に提出していただくというのが一番早い方法です。 従来から、広報は行っておりますが、引き続き、そうした変更がありましたものについては、提出していただくというのが一番早い方法であると思っております。 ○井上年金保険課長  標準報酬の改ざん問題と、それから健康保険、特に傷病手当金、出産手当金などの現金給付の関係についてのお尋ねについてです。改ざんということではなくて、何と言いますか、本当に実態として、 事実に合わせるために標準報酬をさかのぼって引き下げるという場合もあります。仮にそういう場合、本来どういう処理をすべきかということで言いますと、さかのぼって標準報酬を引き下げて、その期間 において傷病手当金など標準報酬比例の現金給付が払われていたとすれば、その期間については、さかのぼって引き下げたのであれば、本来よりも高い給付が出ていたということになりますので、 その差額の部分、払い過ぎになっていた差額の部分は本人から返還を求めるというのが本来の手続きとなろうかと思います。ただ、そういうものが実態として何件ぐらいあるのかというのは現在、把握 できておりません。  それから、改ざんとの関係で言いますと、仮の話として、現在のオンラインシステム上、さかのぼって標準報酬を引き下げた場合、さかのぼった期間の中で現金給付が行なわれたとすると何らかの 表示が出ることになっておりまして、そういう改ざん行為というのは、今のシステム上、なかなかやりにくい構造になっているのではないかなと予想はしています。いずれにしても、その辺りのところは 現時点では、まだ実態がつかめておりませんので、そういったことも含めて事実関係を明らかにしていきたいと思います。 ○宮武座長  どうぞ、お願いします。 ○福本企画課長  3つ目にご意見としていただきました年金記録問題の解決についての話ですが、今の社会保険庁の体制の間にできるだけ解決をするべきであると、そのための道筋を考えておくべきであるという ご意見だったろうと思います。  われわれもこの年金記録問題について、そういう組織の体制のこともありますが、受給者あるいは加入者の方々ともに、現に今の記録として自らの記録であるものが浮いたままになっている。 あるいは失われたままになっている、そのことによって不利益を被るということですので、この問題に関してはできるだけ早く本来の姿に戻していくべきと考えてはおります。  先ほど、この資料4の2ページからいくつかパーツに分けてご説明したうち、「今後の方向」と書いたところがあります。5千万件の中で浮いた記録については「ねんきん特別便」というものを発送し、 ご本人の記録であるかどうかを確認して結び付けていくということでございます。これについてはずっと送ってきたところでして、今後の方向、この2ページのところにも書いておりますが、この辺りは 20年度中に集中的に取組んで、できるだけ持ち主を探していきたい。  それから未統合記録が名寄せで相手が見つかったもの、これが1100万ですが、それ以外は解明を続けていくことについても今後の方向、20年度中に集中的・計画的に実施する考えです。  3、4ページになりますが、コンピュータ記録と紙台帳との突合せ等々ということになりますと、ここはどうしても現社会保険庁の間にすべてを整理することはなかなか難しかろうと考えています。 コンピュータ記録と紙台帳との突合せは8億5千万件ありますし、効率的に、できるだけ突合せができるようなシステム整備を21年度に行なうと同時に、その後の実際の作業ということになっていき ますから、22年度からずっとかかると同時に、全体が8億5千万件ありますので、これはそういうシステムを使いながらと言いながら、紙とコンピュータの記録とを一つ一つ確認をしていくという作業 になりますと、これは日本年金機構発足後もこういう作業が残っていかざるを得ないなと考えております。  それから標準報酬の問題につきましても、これ全体の数がどれぐらいになるかということもありますし、標準報酬そのものを、いずれにしてもご本人に確認していただくということが解決のためには ポイントになります。標準報酬月額を書いたもの、これは現在、ねんきん特別便をこの10月末までに送り終えるということですが、この特別便自体には標準報酬の額自体は入っておりません。 この標準報酬の数字そのものを国民の方にお送りし、見ていただくという意味では加入者の方についてはねんきん定期便として来年の4月から1年をかけてということになります。受給者の方につい ては、この4ページに書きましたが、21年中にお送りを開始するということですので、この辺り、終結ということまで考えますと、機構設立後までかかっていくだろうというようなことではありますが、 この年金記録問題については、できるだけ必要な予算あるいは人員体制を作って早期に解決できるように取組んでいきたいということでございます。 ○宮武座長  伊藤さん、よろしゅうございますか。追加がございましたらどうぞ。 ○伊藤氏  時間取っていただいてすみません。未到達の分については届けがあるのが一番早いというのはそのとおりだと思っておりますが、今の状態で届かないということに問題意識を持たない、持っていない 方もいらっしゃるかもしれませんので、ぜひとも、もし本人からの申し出を待つということでしたら、届いていませんか、ちゃんと届きましたかということを、何らかの広報をもっと一生懸命していただければ と思います。  それから標準報酬のほうは、今のご説明だと変更があって高すぎた場合には返還請求をすることになっていますというお話だったのですが、逆にいわゆる改ざん問題というのは低めにされていたと いうことではないかなと思います。高くなった場合に給付の差額が出て、逆に被保険者側からすれば受け取る額が増えるようなケースがあるのではないかと思うのですが、それも精算されるというか、 後から差額を受け取るということになるのかということをもう一回お聞きしたい。あともう1つ、その年金記録問題の解決についてですが、そうしますと、今後、来年度の12月までで終わらなかった部分は 日本年金機構で作業をしていくということになるのか、国のほうでされていくような体制なのかということだけ確認させていただきたいと思います。以上です。 ○宮武座長  お願いします。 ○井上年金保険課長  標準報酬の改ざんの関係で標準報酬を不当に下げられていた場合に高く戻したことによって給付の差額が戻ってくるようなケースがあるのではないかというご質問だったと思うんですが、今、問題に なっている遡及して標準報酬が低く改ざんされたというケースを前提に考えますと、結局、もともと高い記録で標準報酬が記録されていた。例えば事業所が倒産してしまった後、つまり従業員本人は 知らないうちにさかのぼって標準報酬が低く下げられてしまったとします。例えば半年ぐらいさかのぼって下げられてしまった。ところがその期間の中で傷病手当金が払われていたというケースだと 思うのですが、本人が気付かないということはおそらく傷病手当金を受けた時は高かった時の標準報酬の6割、今で言えば3分の2という割合で出ていたものをもらっていた。そして、さかのぼった処理 をしたときにすぐ手当をしたとすれば、「あなたは標準報酬が下がったのだから差額を返してください」ということになったわけですが、改ざんがずっと直されないまま今に至っている。例えば10年前に 改ざんされたものが直らないまま、そのまま至っているということはご本人が気付かないまま、そのままに放置されていたということが推定されるわけです。ということは高い標準報酬に基づく傷病 手当金が支払われて、そのまま返還請求されないまま今に至っているということが、もし仮にあるとすれば、そういうことが起こり得るのかなと思います。したがって、高い標準報酬が事実だとすれば、 年金の記録上の標準報酬は高いものに回復すべきだし、もともと支払われていた傷病手当金については、高い標準報酬に従って払われたものが結局は正しかったということになるということなので、 結果として、当時、高い標準報酬に基づいて支払われたもので返還請求しなかったものが正しいということになるのかなと思います。 これは実際にそういうケースがあるということではなく、一定の前提をおいた仮定の話ですが、そういったことが想定されると思っています。 ○宮武座長  よろしいですか。 ○伊藤氏  はい。 ○福本企画課長  最後の点ですが、22年1月以降、年金記録問題として残ったものをどこでやるのかについては、基本的には日本年金機構というところになると思います。時間がかかります作業は、この紙台帳と オンライン記録との突合せ等ですが、その後もこのような記録をもつのは日本年金機構ということですし、実際の作業体制という意味でも、機構でやっていくということになるだろうと思います。 ○宮武座長  どうぞ。 ○石井運営部長  私のほうから1点補足をさせていただきたいと思います。5千万件の未統合の記録については、総務省でも検証委員会が設けられて、いろいろな角度から原因の究明がなされました。その原因の 分析の1つに平成9年に基礎年金番号という制度を作って、皆さまに番号を付与しました。その折にいくつも持っておられる方が社会保険庁サイドからもある程度想定され、見えていたので、 そういう方々にお手紙を送っています。「あなたがお持ちのこれとこれ、こういうのとこういうのは1本になるべきものではありませんか」というようなかたちで、お聞きし回答を頂いた分と私どもの方で 機械上名寄せした分を合わせて、当時1,800万の方々がおりました。そして、この方々に対して、これは平成10年から18年にかけて年令階級でグループを作り、段階的・計画的に記録確認の照会を やったと承知しております。問題は、その時に、ご指摘もありましたが、未到達のものがやはり一定数あったのだろうし、さらに今日、説明させていただいた資料の中にもありますが、相当数の未回答 の方々もいらっしゃいました。  この反省点は、当時、丁寧にフォローをしなかったということです。「お返事いただいておりませんが、ご確認いただけたでしょうか」、「ぜひともご連絡をいただきたい、分からないことがあれば相談に 乗らせていただきます」というような働きかけ。それから「到達をしていますでしょうか」といった確認。これをはっきり言いまして、当時おろそかにしておりました。その根底には、ご本人の加入記録が バラバラな状態になっていても、受給年令が近づいたときに、裁定という段階でご相談の機会があって、いずれそのときにまとめて確認できるだろうという、ある意味では楽観的な、根拠のない姿勢 で記録というものを扱ったということが背景にあると理解しております。  いずれにせよ、その時に確認すればいいのに放ってしまうというようなこと、これはもう、われわれは繰り返してはいけないわけでして、そういう意味では担当からも説明がありましたが、なるべく 丁寧に確認をさせていただく、そのお願いをさせていただく、それから未到達のものについては、届いていないということであれば、ご連絡をぜひともいただくというようなこと。ねんきん特別便は、 今月末でお送りしきるわけですが、これで終わったということではなくて、先ほど企画課長からも話がありましたし、業務センターからも話がありましたが、引き続きご回答をいただけるものはいただい ていくという姿勢でいろいろな働きかけをしていきたい。また、そのための広報も内閣府と連携しながら行っていきたいと思っております。 ○宮武座長  伊藤さん、よろしいですか。標準報酬の問題もそれでよろしいですか。追加があればご遠慮なく。 ○伊藤氏  考えてみます。 ○宮武座長  いろいろなケースがありますね。この場合は、確かにね。特に資格喪失なんていうことになったときには、どういう処理をしたのかというのは本当に大問題だと思います。 ○井戸氏  質問と要望なのですが、まず3つの条件というのが16ページに書いてあります。5等級以上下げられた場合となっていますが、大体20万から40万ぐらいの人だったら10万円ぐらい給料が下がった というイメージだと思います。給料からは高い報酬で徴収しているということは、事業主が運転資金か何かに回してしまっているというケースが考えられるわけです。例えば第三者委員会などで認め られた場合は、今までの浮いた年金だったら、そもそも保険料を払ってらっしゃるからお金はあるわけです。しかし、今度は、事業主が使ってしまっていたり、既に倒産していたりしている場合は、 どうやってお金を取り戻したりするのか、それから、その方に年金を払うときには、財源がどうなるのかというのが質問です。  あと要望なのですが、いろいろな問題が出てきて、人数的に非常に厳しい中で日頃から業務の努力をすごくされていると思うのですが、多分、私たち国民になかなかその部分が見えないので、 理解してもらえるようなあり方、例えば、警察とか教育だと、日々現場の努力は知られていますが、1つの不祥事で一時期に信用を失墜してしまうようなことはあると思うんですね。ですから、 社保庁も信頼を失墜したところもありますので、日頃から、「でも私たちはこうやって努力しているんだ」という、努力、理解してもらえるようなもの。送ってもらって、それに答えるというだけだと、 すごく遠い存在のように思います。だから、もっと地域とのつながりとか、事務所のある地域と積極的な交流をして、その中で説明させてもらうというように、日頃から顔を合わせてる人に説明して もらうとコミュニケーションが取りやすく、もっと年金というものを理解していただけるのではないか。だから、時間がかかって難しいかもしれないのですが、そういう足元からの地道な努力というのが ぜひ必要であると思います。  それから、あと1つ、新しい日本年金機構に移行していく際、積み残してしまう部分も仕方がないかもしれないのですが、職員の方の新たな組織に替わるまでのモチベーションを上げて、私たちが しっかり処理をして、新しい組織にバトンタッチするというような、積極的に打ち出していくような何かを考え出していただきたいと思います。 ○宮武座長  はい。3点ですが、いかがでしょうか。 ○井上年金保険課長  1つ目の年金記録の遡及改ざんに伴い年金記録を回復した場合の財源について、1つは厚生年金特例法に該当するケース。これは昨年の12月に成立した厚生年金特例法です。本人の給料から 天引きされたことが明らかで、事業主がそれを国に納めていたことが明らかでないケース。こういった場合は、厚生年金特例法の該当になりまして、事業主に保険料相当分の追納を勧奨するという ことになっています。会社がもう倒産して無くなってしまったというケースであっても元事業主、元社会保険を担当されていた役員の方などに、保険料の追納の勧奨をするというようなスキームが ございます。  あと、第三者委員会のあっせんのケースで、厚生年金特例法ではなくて、現行の厚生年金保険法に基づいてあっせんがなされるケースもありますが、こちらの場合は保険制度全体の財源の中で 負担するという整理になっているところでございます。 ○福本企画課長  2つのご指摘をいただきました。具体的にはさらにそういった点を踏まえて考えていきたいと思いますが、1つに地域とのつながりというお話がありました。年金記録問題に今、取組んでいる姿勢が 国民に分かるような工夫という話でございます。実際、この大量の業務や大きな数字がどういうふうに動いているかというのは、われわれも関係閣僚会議に定期的に開催する中でご報告をし、あるいは ホームページなどにアップをし、あるいはそういう機会をとらえてプレスの方々にご説明をして進捗が分かるようにしていただくというようなことに取組んでおります。  また地域との関係という意味では、確かに普段からなかなか社会保険組織あるいは事務所というものが地域に根を下ろしたようなかたちでは活動できてないこともありますが、今、この年金記録 問題を解決していく、一つ一つ国民の方々に確認をしていただくというようなことになりますと、どうしてもそういうことは必要だと思っています。今日は市長さんもいらっしゃいますし、民生委員の方も いらっしゃいますが、この年金記録問題を解決するにあたっては、民生委員協議会ですとか、市町村に従来の枠を超えて協力をしていただくようにわれわれもお願いをしました。  さらに、事業所という意味で経団連、それから連合にもいろいろお願いしまして、実際、国民の方々に一つ一つ、われわれにご協力いただいて解決をしていくために、地域でそういった活動をして いただいている方々にお願いをしていきますし、そこは引き続き考えていきたいと思います。  また職員のモチベーションについては、確かに膨大な量の気の長い仕事であります。これも職員に理解をさせ、取り組ませていくための工夫、どういうことが的確なのか、今すぐには私はアイデア として思い浮かびませんが、一丸となって前向きに取組んでいけるように工夫はしてみたいと思います。 ○宮武座長  よろしいですか。ほかに。加納さん、どうぞ。 ○加納氏  先ほど、民生委員というお言葉が出ましたから、ちょっと付け足しで言わせていただきます。全国の民生委員組織の理事会でも、この「ねんきん特別便」が届いたら、全員が回答するようにということを 申し合わせ、各民生委員に連絡いたしましたし、また、それと同じように高齢者が振り込め詐欺に遭われる方がとても多くて、そういう詐欺に遭わないように各地域で高齢者を対象にした講演会など 消費者協会とも一緒になって会を何回か持っております。  それと、障害者の方々。いろいろな障害をお持ちの方が地域にはいらっしゃいますが、兵庫県では障害者と家族の会みんな合わせての年金の説明会が、社会保険事務所で開かれました。 私も参加しましたが、視力や聴力など様々な障害をお持ちの方がいらっしゃいまして、その中では、やはり文書について、点字要望やはがきが分かりづらいなど、いろいろな問題が出ておりました。 その障害に対応なさるのは大変なことだなと思って聞いておりました。  その後、それをどのように対応してくださったか私は分かりませんが、地域に分かるように、顔の見える範囲で、説明会をなさっている、その事実はございます。 ○宮武座長  お答えをいただかなくてもよろしゅうございますか。はい。ご意見とご要望ですね。はい、どうぞ。 ○井口氏  少し場違いな話になるかもしれませんが、いわゆる記録問題とか諸々の問題というのは、極めて重要であり、日本の年金の事務と言ったらいいのか、その信頼を大きく損ねたということはありますので、 迅速、的確そして集中的に取組んでいただくということは当然のことなのですが、19年度に達成すべき目標というものに対して数字としては若干満たしていないものがあるわけです。また、収納に関して 言えば、平成17年度分の最終納付率というのは70パーセントを超えて、確かにいい数字だということで、そういう意味では努力の成果は出ているわけですが、こういった部分につきましては、これからの 年金をしっかりとしていく意味でもさらに努力が必要ではないかと思います。  一件たりともおろそかにできないというのは、よく口で言いますし、我々もいろいろな部署で何かというと100パーセントを目指さなきゃと言わざるを得ないわけです。ところが現実問題、これだけ膨大な 中で一件たりとも無駄にできないなんてことは現実的にあり得るのかというと、こんなのは政治家達がいろいろなところで言ったり、マスコミが言ったりするだけであって、ほとんど難しいのではないかと 思います。その中でむしろ受け手の国民が協力するということも極めて必要でなないかと思います。今まで全然回答も出さない、あるいは理由もなく年金も納めない。しかし、いろいろな問題が生じた からと言って全部時効は無しにしたよとか、あるいは納めなかったのもそこまで何とかするよみたいな話になって、結局、それに乗っていくというのは果たしてどうなのかなと、ちょっと問題発言かも しれませんが、そういう意味では極めて残念なかたちになっているのかなと一部思います。  社会保険庁としていろいろ努力されるということは大変ありがたいことですが、今、言いましたように卑屈になるという面もどうも残念ながら見受けられますので、大部分はしっかりやっているということ ですので、改めて自信を持って、さらに努力をしていただきたいと思います。やはり年金というのは、当然のことながら自分自身のためなのだということを子どものうちからしっかり改めて再教育する 必要があるのかなと思います。確かに大学生のセミナーとか、いろいろやっていただいているわけですが、なかなか実際のところ、いずれ誰かが見てくれるのではないかというような考えが出てきがち ですし、そういうことを考えていくと、この際、いろいろな問題があったからこそ年金の大切さだとか、自分のためなんだということをもっと知ってもらわないといけない。ですから、記録問題や収納を しっかりやるということももちろん重要なことですが、もう一方では、改めてイロハから教育をやってもらうように、これが社会保険庁の仕事か、新しい組織でやっていただくのがいいのかは分かりません が、しっかりやっていただきたいと思います。  クレームがサービスを育てるということは基本としては必要なことではありますが、やはりあまり雑音に左右されないで、間違ったことはしっかり直していかなければなりませんが、自信を持って 堂々とやってもらいたいなと思います。質問でも感想でもないような感じがいたしますが、以上、発言させていただきました。 ○宮武座長  激励ということでよろしいですか。それでは、お答えなしということでお許しいただきたいと思います。  時間もだいぶ迫っておりますので、あと資料の2と3ですが、かなりの部分が今、ご質問なり何なり出たようですが、簡潔にご説明いただけますか。 ○竹林企画課課長補佐  それでは私のほうから残りの資料について、かいつまんで説明させていただきます。  まず資料の2でございます。「平成19年度国民年金保険料納付率及び今後の対策」ということです。これもかなりの部分、これまでの実績報告の中でも触れられておりまして、重複がありますが ご容赦いただければと思います。まず1ページ、公的年金加入者の状況ですが、これは19年度末時点における厚生年金などの被用者保険も含めた加入者全体の状況ということです。その枠の中に ありますように未納者の方、約308万人、未加入者、約9万人ということで、公的年金全体で見ますと加入者の約95パーセントの方から、ただし、これは免除あるいは納付猶予というものの対象に なっている方も含みますが、保険料の納付をいただいているということでございます。  ただし、注3にありますように、ここで言う未納者というのは平成18年4月から本年3月までの24か月の保険料が未納になっているという意味です。  続きまして3ページ、これも先ほどある程度説明されておりますが、19年度の国民年金保険料の納付率につきましては63.9パーセント。対前年度比で2.3ポイントの低下ということでございます。 さらに平成17年度の最終納付率につきましては、これは先ほど来、何度かやり取りがありますが、72.4パーセントということで、過去5年ぐらいの中では一番いい数字ということですが、全体としては やはり低調であったと言わざるを得ない状況でございます。  続きまして4ページですが、平成19年度の取組み状況の総括ということですが、1つ目の○にありますように、平成19年度におきましては年金記録問題への対応を最優先としていたということが ありまして、職員による納付督励について十分に取組みができなかったという状況があります。そういう中で、2つ目の○ですが、例えば免除などの勧奨ですとか、強制徴収といった部分については 一定の成果をあげることができたということで、@の全額免除率は対前年度比で上昇しておりますし、先ほど申し上げましたように、平成17年度の最終納付率は上昇しているということです。  5ページですが、これが国民年金保険料の収納の対策と取組み状況について概念図にさせていただいたものです。左側に「納めやすい環境づくりの整備」ということで、例えばコンビニ納付の導入、 あるいはインターネット納付の導入ということをこれまでやってきておりまして、その件数は着実に増加しているということでございます。また、この2月からクレジットカード納付というものが導入されて おります。  図の右側の部分がいわゆる未納対策ということですが、中ほどに納付督励の実施という枠がありまして、その中で催告状の送付件数、電話の件数等がありますが、先ほど申し上げたような年金 記録問題への対応を最優先したということがありまして、どれも十分に実施することができなかったという状況でございます。その右に電話納付督励の外部委託、市場化テストによる民間ノウハウの 活用ということが書いておりますが、こうしたことを通じて効率化をして、強制徴収に職員をシフトさせることが基本スタンスなのですが、これが様々な状況により、19年度については必ずしもできて いないという状況でございます。  そういう中で強制徴収の実施という枠が右上にありますが、これも先ほども一定程度やり取りなされておりますが、最終催告状の件数ということについては18年度から19年度で大幅にダウンして います。他方、財産差し押さえの件数についてはほぼ19年度並みを確保ということで、強制徴収については一定の成果は出ているということでございます。  次に8ページ、国民年金保険料の収納事業の市場化テストの実施状況についてです。これにつきましては国民年金保険料の収納事業の中で強制徴収ですとか、免除などの申請勧奨を除く部分を 民間業者に委託をして、民間事業者のノウハウなどを活用しようというもので、平成17年10月からモデル事業として5か所、18年7月から30か所追加。その次に昨年10月に60か所追加といった具合に 順次拡大をしてきております。  事業の実施に際しましては、受託事業者に対して事業目標としての要求水準というものを前年度の実績を元に設定しているところですが、今のところ実績が把握できておりますのは、 社会保険事務所の管轄区域でカウントしますと35か所ということです。要求水準につきましては2通りありまして、まず納付月数ということで、これはどのくらい保険料を納めていただくことができたかと いうことでございます。もう1つは、口座振替していただければ確実に保険料の徴収につながるということで、この2つの要求水準がありますが、達成状況を見ますと残念ながら納付月数については 事務所の管轄区域の数で35か所のうち1つだけ。口座振替については全く達成できていないという状況でございます。  9ページは、コスト面ですが、その一番上の事業経費と書いてあります納付月数1月当たりのコストというものを単純に見ますと、人件費を中心に相当のコストの削減が図られているということで ございます。このような結果となった要因の評価ですが、事業実績などが低迷した要因ということで、3つほどあります。まず受託事業者においては電話による納付督励が中心になっておりまして 戸別訪問への取組みが不十分だったということ。次に、口座振替獲得に向けた取組みも不十分だったということもございます。最後に事業者だけの責任ということではなくて、社会保険事務所と 受託事業者の協力・連携が必ずしも十分でなかったというような反省点がございます。  こうした反省点を今後に生かしていくということで、今後より効率的、効果的な事業実施を目指すということにしております。この市場化テストについては、より詳細な状況を参考資料2というところに 掲載しておりますので、併せてご覧いただければと存じます。  以上が資料2でございます。  続きまして資料の3ですが、平成19年度収支決算ということです。これにつきましては社会保険庁で事業の実施をしております国民年金、厚生年金保険、すでに健康保険協会に移っておりますが 政府管掌健康保険、それから船員保険のそれぞれの収支決算の推移というものをお示ししているものでございます。  国民年金につきましてはグラフ上経年的な推移がありますが、17年度の数字につきましては旧年金資金運用基金の住宅融資を廃止したことに伴う財政融資資金の繰上げ償還という、なかなか 難しいですが、特殊要因がありまして3千億円ほど差し引いてご覧いただくのが適切かと思います。それで19年度につきましては、歳出が歳入を約3,600億円程度上回っている状況でございます。 この表の中では収支差というところを見ていただきますと、黒三角3,593億円となっておりますが、こういう状況でございます。  また、積立金の残高ですが、表中の一番下、約8兆3千億円の積立金残高ということになっております。歳出と歳入の動向については被保険者数が減る。あるいは旧国民年金法により受給者が 減るといったことによって収入、支出とも前年度に比べて減少しているという状況でございます。  続きまして厚生年金保険の収支決算の推移です。厚生年金についても経年的な推移をご覧いただく上では平成17年度に同じような特殊要因がありますので、ここは4兆円程度ずつ差し引いて ご覧いただくというのが適切ということになります。これにつきましては、まず下の表、収支差でいきますと約9,400億円。こちらは歳入が歳出を上回っている状況で、積立金残高につきましては約127兆円と いうことでございます。それで収入、支出の動向ですが、歳入は被保険者数の増加という要因。、また、保険料率の引き上げという要因などによって収入が増加しております。歳出も受給者の方々が 増えておりますので増加をしているということでございます。  続きまして政府管掌健康保険の収支決算の推移です。これにつきましては平成15年に法律改正があり、法改正自体は14年なのですが、その効果が出たのは15年度からということで、それによりまし て過去5年程度黒字基調になっていたわけですが、平成19年度は5年ぶりに赤字決算ということでございます。収入面につきましては被保険者数が増加しているということで収入増ですが、支出につき ましては退職者医療の給付金のための拠出、こういうものが伸びておりまして、やはり増加ということで、収支差は1,352億円の赤字決算ということでございます。  最後、4ページは、船員保険の収支決算の推移ということです。船員保険については引き続き被保険者数が減少しておりまして、収入、支出とも減少傾向で推移しておりますが、これについては5年 連続の黒字決算ということでございます。この決算につきましては参考資料1、2に、より詳しい情報がありますので、併せてご覧いただければと存じます。  残りの資料ですが、ポイントだけご説明いたします。まず参考資料3は、「平成21年度の社会保険庁概算要求の概要」です。2ページ、年金記録問題への対応つきましては、今後の予算編成の過程 で検討するということで、現時点では数字が入っておりません。  紙にして6ページです。組織改革の推進というところですが、22年1月から日本年金機構が設立されますが、22年1月というのは来年度ということになりますので、3か月分の運営費が日本年金機構 運営費交付金として新規に530億円計上されております。  さらに、最後のページは、先日成立いたしました平成20年度の補正予算ということです。年金記録問題については204億円を確保しておりまして、そのうち122億円につきましては先ほど説明いたしま した紙台帳とコンピュータ記録の突合せのために使用する電子画像データ検索システムの構築のために使用する予定ということでございます。  最後に参考資料5ですが、サービススタンダードの達成状況ということで、これも事業実績報告のところで、少し簡単に説明がありましたが、2ページ目の(1)の下のところにありますように、 特に老齢年金につきまして受給者数が、いわゆる団塊の世代の方々が年金を請求する年令に達したということもありまして、受給者の件数、要するに裁定件数が増えているということで、少し給付 までに時間がかかったということもありまして、前年度に比べると達成状況が少し落ちているという状況でございます。 ○宮武座長  ありがとうございました。それでは、皆さん、ご意見をどうぞ。 ○鈴木氏  これも昨年申し上げたことになると思うのですが、この市場化テストの話です。どうもこの報告を見ると市場化テストはうまくいっていない、効率が悪いのですと言い続けながら、今回もそう書いて ありますが、どんどん対象事務所を増やしていく。なぜ、そういうことになっているのかということです。  この徴収は予定どおりいっていません。だけど、人件費は安くなっていますと、こう、いつも書いてありますね。これも非常に分かりにくい。この市場化テストがどういうことを狙っているかというと、 もちろん納付率を上げるということと効率を上げて安くやるという2つあると思います。納付率は上がってないということは書き続けてきているから、これはもう、抜本的なことを何かやってもらわないと 具合が悪い。今年はそういう意味でかなり大勢の人が年金記録問題に取られた。そのため穴が開いたということなんですが、それをやっぱりクリアに説明するためにも、今まで社会保険庁が何人 この事業に関わっていて、それに対して人件費がいくらかかっているのか。それから外部委託もやっていますから、外部委託にはどのくらいの人数・費用がかかっているのか。それを、市場化テスト をして、今までの委託を減らしたというようなことがあると思うんですが、外部委託に一体いくらかけたということが数字として出てこないと、相当安くなった、一件当たりではどうだと言われてもなんだか どうもピンと来ないですよね。そういう意味で、この事業にかかわった人件費というのか、それに要した費用も含めて、市場化テストをやることによって費用が一体どのくらい減ったということがきちんと 書かれてないといけない。日本年金機構にいくと民間にできることは民間にという大方針が出ているので、良かろうが悪かろうがどんどんやるというふうに言われると、ちょっと荒っぽいんじゃないかと 思います。これは去年もこの話をして、去年は始まったばかりだからというようなこともあったのですけれど、毎年こういう報告が出ているというのは、ちょっと納得がいかない。  それから、どういう契約をしていて、目標に達しないときには一体どういう対応を取っておられるのか。やり方が悪いなんていうようなことで済まされるのかどうか、このことを質問したいと思います。  それから、もう1点。これも去年聞いていますが、この収支決算っていうのは何のために出ているかということなのですが、特に年金は2004年に負担を増やす、それから給付はある意味でマクロス ライドも入れて抑える。そういう中で出生率や納付率など、いろいろな社会情勢も考慮に入れて「100年安心」と言ったのに対して、現在、どういっているのかということが知りたい。去年、質問したときは、 来年から2分の1になる、あるいは負担率も上げている段階だから、今、赤字が続いていますが大丈夫ですというのが去年のお答えだったと記憶しているのですが、今年も同じように言えるのかどうか。 もし、そういうことが言えるとするならば、最初、計画はこう考えており、現実はこうなっている。そして、こういった点が計画と違っていて、それが安心の範囲にあるのか、あるいは、もう、これは全然駄目 なのかと言うことが分かるように説明していただけると大変ありがたい。この2点、申し上げます。 ○宮武座長  関連ですか。はい。 ○伊藤氏  鈴木委員のおっしゃることと全く同じですが、市場化テストで、「収納率は上がってないのだけれどもコストは下がりました」というのは、どう受け止めればいいのか、どっちを求めているのか。コストが 安いから良いと受け止めるのであれば、そういう意味では全部民間委託にすれば、電話だけで「払ってください」と言って、払ってくれなければ、まあいいや、難しい案件になるから放っておこうということ で良ければ、十分な収納率をあげられないのではないかと思います。最初の資料の事業報告書8ページ、最後の「業務改革」というところに「今後、日本年金機構に高いレベルで業務を引き継げるよう 引き続き業務改革の推進に最善の努力を尽くす」とありますので、是非、この辺り、何が目的で、それに対する費用がどれぐらいかかり、それがどうすべきだと考えたのかというのを社会保険庁時代に きっちり整理して引き継いでいただければと思います。  財政のことも鈴木委員のおっしゃったことと同じでして、今、資金運用がかなり悪くなって積立金運用が悪くなる時期と、給付が団塊の世代でいっぺんに出ていくという時期がちょうど重なってしまっ ているということで、財政的な影響がどうなるのかと非常に心配しております。ここでの議論かどうかは分かりませんが、本当に世の中の方も心配していると思いますので、分かりやすい説明が必要 だと思います。以上です。 ○宮武座長  関連でございますので、2点についてお答えください。 ○西田国民年金事業室長  国民年金事業室です。まず市場化テストの関係で申し上げます。市場化テストにつきましてはご案内のとおり平成17年から5事務所、18年から30事務所と、この2年度は共にモデル実施として進めて きておりまして、19年10月から本格実施となっています。その後の本格実施に向けて17年の5か所、18年の30か所のものをきちっと成果として取組んでいくということを前提に進めてきております。  この市場化テストというのは、納付率と事務費の効率化と2点を目標にしていまして、効率化が行なわれたから納付率はいいではないかということではなく、どちらかといえば、私どもの受け止め方 からすれば納付率を大原則に考えておりますが、あわせて効率化によるコストの減ということももちろんありまして、現在、こういう状況で、大変苦慮しているところではございます。  先ほどコストを比較したものを分かりやすくというご指摘がありましたが、予算等で割り切ったもので、試算してみますと35の市場化テストによりまして、人件費等合わせて約17.9億円の費用を35の 事務所にかけていました。これが市場化テストによりまして結果として8.5億円の費用となりました。入札によって落札価格が低くなっているという部分もあると思いますが、8.5億円かかっております。 そういう意味では、約マイナス9.4億円。経費だけで見るとそういうことでございます。職員につきましては、35事務所でこれらの督励業務に就いていましたが、常勤、非常勤合わせて99人をこの仕事 から削減しております。人だけで言えば、単純にはそういうことです。  また、19年10月からの本格実施に向けては、参考資料2の5ページでございます。今までの35か所の実施結果を踏まえた見直しというものを19年10月分から実施しておりまして、今まではモデル 実施ということもありまして、@は、単年度契約でやってきたものを3年の複数年契約をしたということがあります。それと共に要求水準というものを、今までは現年度、過年度合わせて設定していまし たが、これを現年度分、過年度分に分けて、設定させていただきました。この要求水準の設定に当たって18年までは前年の実績をそのまま目標水準とさせていただいていましたが、19年からは行動 計画というもので80パーセントの目標に向けて努力するということで、その努力値というものをのせています。最低水準にこれをプラスしたものを要求水準にしております。そういう要求水準の立て方を 見直ししております。  Aは、企画提案ということで、今まで民間のノウハウということに相当の部分を委ねていましたが、受給権確保のために全員の被保険者に取組むということを必須条件といたしました。Bにつきましては、 今までも行っておりましたが、引き続き、この取組みを強化していくということです。Cは、今まで、情報提供は月次で行なっていたものを、週次で提供するといった等の改善を行なっております。  今後もいろいろ改善する余地はたくさんあるかと思いますが、これまでの実績を踏まえながら着実に改善をしていきたいと思います。事業者も初めてこの事業に取組むこともあって、戸惑いもあります が、役所と事業者双方の協力をさらに深めながら、公共サービスというものの位置づけを十分に考えながら、強いて言えば納付率の向上につながるように改善に努めていきたいと思っておりますので、 よろしくお願いいたします。 ○鈴木氏  最初の人数の話ですが、社保庁で99人とおっしゃいましたね。 ○西田国民年金事業室長  35の事務所の中で、担当していた者がということです。 ○鈴木氏  35の事務所の中でですか。ああ、そういうことですか。99人減って、8.5億円契約が増えたということですか。 ○西田国民年金事業室長  人だけではなく、先ほどの8.5億円の中は包括したものになっています。先ほど申し上げましたように、もともと17.9億の中には人件費と物件費と、もともとテレマーケティングという委託も行なっている 部分もありましたので、これを合わせて17.9億、35の事務所で使っておりました。 ○鈴木氏  17.9億円使っていたのが、この外部委託をしたらゼロになったわけではなくて、かなり残っているわけでしょう。 ○西田国民年金事業室長  いえ、外部委託はこの市場化テストの中にみんな取り込まれていきます。 ○鈴木氏  35事務所とそれを委託した人とでコンビでやっていた人たちはゼロになっているのですか。 ○西田国民年金事業室長  もう委託はなしですから。 ○鈴木氏  委託はゼロ。でも、社会保険庁の中にいる人たちは、仕事をしているでしょう。 ○西田国民年金事業室長  先ほどの99人は、それで削りました。 ○鈴木氏  そう。それで99人削ったわけか。99人減って、17.9億円というのは委託とその人件費も含んでいるのかな。そうすると17.9億円が8.5億円になって9.4億円減った。だけど、納付率は残念ながら目標に 達していない。であれば、もう少し、そういうことを分かりやすく書いたほうがいいですよ。この状態で、こんなにどっちかにどんどん進めて不安はないのですか。その下に「事業実績が低迷した要因」 なんて書いて、電話による督励が中心で、戸別訪問を実施しなかったから駄目だったんだなんてことを書いている。これ、去年も同じことが書いてあったんじゃないかと思うんだけれども。そうやって 毎年そういう外部委託を増やして、それで納付率が下がっていくのは困りませんか。 ○西田国民年金事業室長  先ほど申しましたように納付率が本当は最大のテーマです。 ○鈴木氏  大丈夫かなという気がします。これ、ぜひ、ひとつ考えてください。 ○西田国民年金事業室長  分かりました。ありがとうございました。 ○宮武座長  どうぞ、次の点で。 ○井上年金保険課長  年金の収支についての説明が分かりにくいというご指摘だったと思います。これについて、先ほどの説明を補足させていただきたいと思います。資料3ですが、1ページと2ページについて説明を補足 いたします。  1ページ、国民年金の収支決算でございます。19年度のところですが、先ほど収支差が3,593億円の赤字という説明を申し上げましたが、これについてはさらに収支差の欄の2つ上のところで、「収入 うち積立金より受け入れ」という数字があります。その収入の中に積立金よりの受け入れが1,490億円入っております。つまり積立金から1,490億円受け入れをしているんですが、それでもさらに足りない ので3,593億円を期末に取り崩しでまかなうということで、一番下の積立金は前年度末と比較して4,968億円の減。つまり、積立金を約5千億程度取り崩して収支をまかなっているという状況であります。 ○鈴木氏  すみません、私、時間がなくて、これで失礼しなきゃいけない。この資料が不親切というのではなくて、要するに僕が質問したような、そこのところが全然書いていない。 ○井上年金保険課長  はい。申し訳ございません。 ○鈴木氏  そこのところを書かなきゃ意味がないのではないかということを申し上げたい。 ○井上年金保険課長  書いてないということですが、平成16年の財政再計算において、この部分については、国民年金については平成20年度まで毎年度積立金を一定程度取り崩して収支をまかなうという財政の見通しに なっておりました。したがって19年度に取り崩したというのも、ある意味、見通しの範囲内で、それまで累積の取り崩しを見ても19年度までということで言うと財政再計算の見通しの範囲内ということで ございます。 ○鈴木氏  去年もそういう説明を聞いているのだけど、そういうことが書いてないでしょう。だから、分からない。これだけ資料をもらっても。ということを申し上げています。 ○井上年金保険課長  はい。分かりました。 ○薄井総務部長  鈴木委員が退席されるということなので、2点。今、お話いただいて、市場化テストは、最終的な目標というのは、効率的にやりながら、納付率、収納率をいかに上げられるかというのがポイントですの で、これから日本年金機構に向けて拡大していきますが、そのときにも私ども事務局、事務所で関わる人間がインテンシブに事業者と相談しながら、やるべきことをやっていく、良くフォローしていくと いうことが大事だと思っております。そういうふうな心掛けをしていきたいと思っております。  それから、もう1つの収支決算。今、年金保険課長からご説明したように前回の財政再計算で一応今のところ、しばらくは積立金を崩さないとやっていけない。保険料は徐々に上げていきますから、 やがてカバーできるのですが、今はそのような状態にあるということと、全体については、本省で財政検証というものを、5年目が来ますからやっていますが、そういう中でこの5年というのを評価する。 経済情勢も変わっておりますから。そういうことを今、やっているところでございます。  ただ、私どもがご説明する資料もできるだけ分かりやすくできるように、今後とも努力をしたいと思っております。 ○宮武座長  どうぞ。追加で簡潔に。 ○西田国民年金事業室長  先ほどご説明申し上げました数字の説明で補足させていただきたいのですが、職員99名と申し上げましたが、これは正規の職員の数でございます。それで国民年金推進員という非常勤職員が 35事務所に372人おりますが、これも合わせて削減しております。 ○宮武座長  今、何度も鈴木委員からご指摘のようにこれをもっと分かりやすいかたちで書いてくれということも併せまして要望としてお願いいたします。  ちょっと時間がオーバーしてまいりました。ほかに、もし、ぜひということがなければ、これで質疑を終わりたいと思いますがよろしゅうございますか。  それでは、ありがとうございました。それでは、今後の日程等について事務局から連絡があればお願いいたします。 ○竹林企画課課長補佐  本日は貴重なご意見をいただきましてありがとうございました。次回以降の予定につきましては、後日、また皆様方にご相談させていただきまして、決定したいと考えておりますので、よろしくお願い いたします。 ○宮武座長  それでは、やや時間が延びまして大変恐縮でございました。本日の会合はこれをもって閉会いたします。皆様、大変ご多忙中ご参集いただきましてありがとうございました。 (以上)