社会保険事業運営評議会 第19回議事録 日時 平成20年3月10日(月)15時00分〜17時00分        場所 全国都市会館 第1会議室        出席された参集者(敬称略) 井戸美枝、小島茂、紀陸孝、鈴木正一郎、宮武剛 ○宮武座長 それでは定刻でございますので、ただ今から第19回社会保険事業運営評議会を開催いたします。本日は、ご都合で稲上 委員・小澤委員・遠賀委員・加納委員が欠席でございます。また、紀陸委員が少し遅れてご参加ということになってお ります。社会保険庁側では、石井運営部長も少し遅れて到着されるということを聞いております。では開催に当たりま して、坂野長官から一言ご挨拶をいただきます。 ○坂野長官 お忙しい中、ご出席をいただきまして誠にありがとうございます。この運営評議会、前回の会議でも申し上げましたが、 私ども社会保険庁にとりまして、事業運営全般に関わって、まさにこの社会保険業務に関わる各界の方々のご意見を頂 戴する非常に貴重な会議と私ども認識をしており、これまでもその方々のご意見を踏まえながら、事業計画あるいは事 業実績の評価、それに基づく事業の改善策などについても、実施に移してまいったつもりでございます。 私、昨年夏に着任いたしましてから、ほぼ半年を経過いたしております。前回の評議会で申し上げましたとおり、まず は年金記録問題最優先に取り組むということに努めながら、同時に新たな全国健康保険協会及び年金機構の発足に向け た準備も着実に進めたい、さらにはこの運営評議会において、これまで種々ご議論いただきました事業運営の改革・組 織の改革、そういうことについても積極的に取り組みたい、そのようなつもりで、この半年取り組んできております。 この年金記録問題については、国民の皆様方からの厳しい視線は相変わらず続いております。私ども精一杯努力をいた しておりますが、なお不十分な点も多々あり、ご迷惑を国民のみなさまにおかけしておりますことは、この場を借りて 深くお詫びも申し上げるものでございます。 しかしながら、昨年7月の政府与党の決定に基づく年金記録問題解決のための施策の取り組みは、今年3月までの「ね んきん特別便」、さらには本年4月以降すべての受給者・被保険者方々への「ねんきん特別便」の送付など、着実にこ れを進めてまいっておりますし、また、今後とも進めたいと考えております。特に3月までの5,000万件の中に該当記録 があると考えられる名寄せに基づく「ねんきん特別便」の発送については、3月までに完了するという見込みがほぼ立っ たと私ども考えておりまして、公約の達成もまず間違いないものと考えております。 それから先ほど申し上げました全国健康保険協会及び年金機構の発足についても、ほぼ順調に準備が進められてきておる ものと考えております。特に本年10月をもって発足予定の全国健康保険協会については、いよいよ民間からの募集及び現 行社会保険庁職員からの移行の準備も、具体化の段階にそろそろ入ってきたということで、ある意味では胸突き八丁に差 しかかっているということではございますが、なんとしてもこれを円滑に進めてまいりたいと考えております。 最後に、本日集中的にご論議をいただくことになります来年度、平成20年度の事業計画についてです。これまでのほぼ3 年間にわたる取り組みの中で、さまざまな目標を挙げ、さまざまな成果を上げてきたと考えておるわけでございますけれ ども、平成19年度については、この年金記録問題の発生及びこれに対する集中的なマンパワーの投入など、当初予測でき なかったような事情があって、やや業績の一部に落ち込みが見られるという可能性がございます。そういうものの上に立 って、平成20年度なお年金記録問題を背負いながら、しかし可能な限り私どもとして国民の方々の期待に応える事業運営 を行う、そういう考え方で策定したものでございます。関係の状況を十分ご認識のこととは存じますけれども、そういう 点へのご理解も賜りながら、来年度の事業計画についてご議論をいただき、忌憚のないご意見を賜りたいと考えており ます。 ○宮武座長 ありがとうございました。それでは、議事次第に沿いまして、本日の進行を行ってまいりたいと思います。まず資料1−1 から資料の1−2までを説明してもらい、その後、ご意見をいただいた後に残りの資料についての説明もお願いしたいと思 います。それでは事務局の方お願いいたします。 ○栗原企画室長補佐 総務課企画室長補佐の栗原と申します。すでにご案内のとおり、社会保険庁の事業計画等につきましては、中央省庁等改革 基本法に基づきまして、厚生労働省で社会保険庁の事務の実施基準及び準則というものを定めておりまして、それぞれの事 項について、厚生労働省が事業の始まる前に目標を立てる、それについてどうやっていくかということを社会保険庁が事業 計画を作るという流れで、毎年行っているものでございます。今回は資料の1−1、平成20年度において社会保険庁が達成 すべき目標ということで、これが厚生労働省で定める目標、現時点ではまだ案でございますが目標になっております。この 目標を踏まえ、資料の1−2として、社会保険庁が作った事業計画を入れております。今回、資料1−2をベースに全体を 説明させていただきます。 資料1−2、めくっていただきますと目次がございますけれども、全体の構成として、事業運営方針そして実施計画、月次 計画、附属参考資料となっております。さらにめくっていただきまして、まず1ページ、事業運営方針ですが、大きく4点 記載してございます。はじめの2つがまず直面する課題ということで、年金記録問題の対応、もう1つが新組織への移行準 備です。年金記録問題への対応についてですが、平成19年7月に政府・与党で決定した方針に基づき、社会保険庁として職 員一丸となって、全力を挙げて取り組んでいく、国民の制度・組織への信頼の回復を図っていくということとしております。 次にもう1つの大きな課題としまして、平成19年6月に日本年金機構法が成立したことに伴い、社会保険庁を平成22年に廃 止し新たに日本年金機構を設立することとなりました。また、今年の10月には政府管掌健康保険の業務を切り離して、新し く全国健康保険協会を作ることとなっており、国民に信頼される組織となるようにその設立準備を鋭意進めるといった旨を 記載しております。 4ページ目になりますが、後ろの2つの項目、こちらは業務改革や業務の実施について大きく2点記載しております。1つ 目、業務改革及びシステムの刷新と書いておりますけれども、新組織への移行に向けてできる限り高いレベルで事業を引き 渡すために業務方法の見直し等々、さらなる業務改革を進める旨を記載しております。2つ目、業務の適正かつ重点的な実 施については、2つありまして、1つはこの現状でも不適正な事務処理等々出てきている状況を踏まえまして、厳に法令遵 守を徹底する旨を記載しております。また、平成20年度においては、年金記録問題への対応を最優先として総力を傾注して いくこととしておりまして、めりはりの利いた事業を実行をしていくということでその旨記載しております。 この大きな4つの方針に基づきまして、U以下で実施計画詳細について記載しております。7ページでございますが、まず 見方でございますけれども、上の目標という部分、これが厚生労働省から示されている今後成案となる予定の目標です。 その下、計画とありますが、目標について社会保険庁がどのように取り組んでいくかといった旨を記載している、こういう 形態になっております。アンダーラインを引いております部分が、昨年度から変更している部分になりますので、その点を 中心に簡単にご説明させていただきます。 まず、年金記録問題への対応ということで、目標、これは年金記録問題への対応については、政府・与党のとりまとめ等に 基づき着実に実施するということを書いておりまして、それについてどう進めていくか、これはすでにこれまで社会保険庁 が出しております各般の文書等々で書いていることでございますけれども、例えば、すべての方へ「ねんきん特別便」を送る、 これは19年12月から20年10月を目途に送付することとしており、また、5,000万件の記録の内容解明を進めていくといったこ とがあります。続きまして8ページです。(2)相談体制を拡充していくといったことや(3)コンピュータの記録と台帳 等との計画的な突き合わせを行っていくといったことを記載しております。 2番目、適用事務に関する事項ということで、(1)国民年金の適用の適正化ですが、こちらは大きな変更はございません。 ただ一点、アンダーラインが引いております部分、これは今後も出てくることですけれども、平成19年6月に日本年金機構 法と合わせて「国民年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律」、これは「事業改善法」と呼ん でおりますが、こちらが成立しておりますので、その関係の記載の修正なり追加なりを随所に行っております。ここでは住 基ネットからの情報取得の関係について、@のウやエといったところで記載しているところです。 11ページ、(2)厚生年金・健康保険・船員保険の適用の適正化ですが、これは目標に適正な事務処理の徹底を図るといっ たことを書いておりますけれども、前回と変わった点、数値目標のところですが、これ19年度は適用事業所数に対する事業 所調査件数の割合4分の1以上、適用事業所に対する対策について目標を定めておりましたが、平成20年度はめりはりを利 かせてやっていくといった観点もございますので、重点加入指導実施事業所数、これは未適用事業所対策として加入指導を 実施する事業所数が前年度を上回るといった数値目標に修正されております。 12ページでございますけれども、中段、※印ございますが、これが前年度4分の1やっていくとされていたことについて、 今年度どうしていくかということを記載しております。平成20年度の適用事業所数に対する事業所調査の実施割合について は、当面、記録問題への対応を踏まえて、定量的な数値目標の設定を行わないとしておりますが、アイウエとございますよ うにこれらの調査について重点的に行っていくことで、確実に実施していくということとしております。 15ページでございますけれども、保険料等収納事務に関する事項でございます。国民年金の収納率の向上としておりますけ れども、これは平成19年度までに80%という中期的な目標を設定しておりました。それでは20年度どうするのかという議論 を行った結果、19年12月末、これは公表されている数字でございますけれども、現年度分で62.6%であるといった数値の現 状等々を踏まえまして、このような記載としております。目標の2段落目でございますが、平成20年度においては、現年度 分保険料納付率80%の目標達成に向けて最大限努力する、平成18年度分保険料の最終的な納付率、これは過年度分の納付率 ですけれども、平成17年度分保険料の最終的な納付率、これは前年度での過年度分の納付率のことでございますが、これを 上回るように努めるとしております。「なお」以下のところですが、これは昨年も同様の記述がございましたけれども、 まだ現段階で結論が出ていないものですから、引き続き平成20年度中に考え方を明らかにするといったことで、@とAの事 項を検討していくこととされております。 17ページでございますが、たとえば先ほどの事業改善法の関係ですと、サシスまた、Dのウのところにそれらの施行を踏ま えての対応といったことを書いております。ポイントとしましては、D納めやすい環境づくりのところ、これはクレジット カードによる国民年金保険料納付が可能になりました。実施は平成20年2月からですけれども、その利用促進を図るといっ たことを記載しております。またFでございますが、市場化テストの拡大ということで、平成19年度95カ所となっておりま したが、20年度におきましては185カ所に拡大して実施することとしております。 19ページでございますが、厚生年金・健康保険・船員保険の徴収対策の推進ということで、これらについての対応も確実に 実施していくこととしております。昨年度は小数点以下について数値目標が出ておりました保険料収納率のところですが、 たとえば厚生年金保険のところ、今回は98%以上としておりますが、19年度は98.5%といった小数点以下の点についても書 いておりましたが、これらの数値、経済状況に左右されるものであったり、また、すでにこの数値自体相当高いものですから、 今年度平成20年度におきましては小数点以下を切り捨てまたは切り上げて正数で記載しているところでございます。この計画 のところAでございますが、アからエまでも線を引いているのですが、これらは昨年度からも取り組んでいることですが、 より流れに沿った形で分かりやすい形で記載しているものでございます。カの部分ですが、滞納整理に当たっては、通知等 に基づき、適正な事務処理の徹底を図るとともに、不適正な事務処理の再発防止に努めるということで、適正な業務執行の観 点から、新たに記載しております。 21ページ、保険給付事務に関する事項は年金給付の的確な実施ということで、サービススタンダードでも達成率100%の実現 を図ることが目標とされております。また、さらに23ページですが、健康保険の現金給付の適正化、これについてもサービス スタンダードの達成率100%の実現を図ることが目標とされております。 24ページ、社会保険オンラインシステムの見直しについては、18年度から5年間での計画を進めているところでございます。 真ん中の辺りから、多数の線が引いておりますけれども、新しく取り組むことではございませんで、具体的な実施内容につい て詳細に記載したものでございます。最後にAのところ、平成20年度の取り組み、25ページの下のところですが、新規オープ ンシステムの構築については、平成18年度に5つに分割して調達を行った基本設計を踏まえて、詳細設計及びプログラム作成 に着手するということとしております。 広報、情報公開、相談等に関する事項でございますが、こちらの方、昨年と同様の取り組みを進めてまいりますが、1点、 たとえば教師による生徒向けの年金セミナーの実施を拡大していくといったことについて、記載をさせていただいております。 年金相談等の充実に関する事項でございますが、これは目標のところに、新たにねんきんダイヤル応答率については、前年 度以上となるよう努めると記載されております。これは電話が混雑する状況等々ございますので、国民サービスの向上の観点 から示されているものでございます。計画の部分、@までの上のところは、これまでに取り組んだ事項について書いております。 たとえば、オで、19年度にコールセンターの集約化を実施しておりますこと、カで、「ねんきん特別便専用ダイヤル」を設置し ておりますこと、また、キで「ねんきん特別便」を送付していることについて記載しております。@以降は、20年度から取り組 むべきこととして記載しておりますが、1点、アイウのウのところですが、29ページにも移りますけれども、平成20年8月には、 今まで19年度で第1、第2コールセンターを設置しておりますが、20年8月に第3コールセンターを設置する予定としておりま して、それに向けて取り組みを進めていくこととしております。またこのページでございますと、Aのウのところでございます が、「ねんきん定期便」について、「ねんきん特別便」の送付を踏まえて、「ねんきん定期便」については平成21年4月から実 施することを記載しております。続いて30ページですが、個人情報の保護及び情報の公開ということで、これも新たに数値目標 が設定されております。個人情報保護研修受研率100%ということで、従来からかなり高い水準で取り組んでいることではござい ますが、個人情報保護の観点さらに充実するということで、このような数値目標が記載されているところでございます。 31のページ、保健事業及び福祉施設事業に関する事項でございますが、数値目標のところ昨年と同様の事項を書いております が、平成20年9月までの半年分の数値という記載が政府管掌健康保険の下の( )内にございます。これは先程来申し上げてい ますとおり、平成20年10月から全国健康保険協会というものが新しく設立されまして、そちらの方に事業が移りますので、この 社会保険庁の事業計画としては、目標値半年分とさせていただいているところでございます。 ページをめくっていただきまして、33ページ保健事業の実施でございますが、これは平成20年4月から「高齢者の医療の確保に 関する法律」の施行に伴って、特定健康診査・特定保健指導が義務化されることとなりました。政府として、平成24年度におい て特定健康診査70%、特定保健指導45%という目標がございまして、それに向けて毎年どのように取り組んでいくかといった パーセンテージが、設定されているところでございまして、先程来申し上げていますとおり社会保険庁としては半年分の取り組 みになるのですが、33ページBのところでございますけれども、年度前半においても、年間の特定健康診査等実施率を目標とし た事業を実施していくということとしております。 ページをめくっていただきまして、36ページです。保健・福祉施設事業の実施ということで、こちらは追記となりますけれど、 A社会保険病院及び厚生年金病院についての対応ということで、社会保険病院及び厚生年金病院については、各般の意見を踏ま えながら、地域の医療を損なうことのないように十分配慮し整理合理化の検討を進めることとするとしております。 右のページ8業務全般に関する事項以下の事項でございますが、こちらからは厚生労働省の目標設定ということはされておりま せんけれども、社会保険庁の取り組みとして掲載しているものでございます。37ページ(1)国民サービスの向上でございます が、これは〔数値目標〕「お客様満足度」調査による満足度:前年同期以上、これは今回の参考資料4でも、直近、平成20年1 月に実施したものについて、結果をつけておりますが、それについて前年同期以上を目指していくということとしております。 38ページの一番下ですが、社会保障カードの検討についても、現在、厚生労働省本省が中心となって進めているところでござい ますが、それについても記載しているところでございます。右のページに移っていただきまして、予算執行の透明化とございま すが、@のエの部分、線を引いてございますが、公共調達監視委員会において、事後審査を的確に実施する、これは19年12月に 政府全体全省的な取り組みとして示されたものでございまして、弁護士や公認会計士等からなる委員会を設置して、そこで随意 契約等についての事後審査をやっていくというものでございます。 また、40ページ、組織の改革でございますけれども、Aガバナンスの強化のオの部分ですが、3・目に弁護士による内部通報の 外部窓口(平成20年春)と書いてございます。これは内部の職員からの法令違反通報について、窓口はすでに内部では設置して いるところでございますが、外部の方で受け付ける窓口を設置するべきではないかという議論もございまして、その準備を今進 めているところでございます。平成20年春からできるようにやっているところでございます。 44ページの全国健康保険協会への移行に関する事項また46ページの日本年金機構の設立準備等ということで、一番初めの方針で 記載しておりましたこの2点についても大きな事項として立てております。最後の46ページの日本年金機構の設立準備等でござ いますけれども、現在内閣官房に設置しております会議の方で、有識者の意見、採用と外部委託について意見を聴いているとこ ろでございまして、それを踏まえて計画の(1)のところにもあるのですが、基本計画、政府として策定することになっており ます。それについて策定するといったことまた、平成22年1月と設立まで時間もございませんので、機構への円滑な移行のため の準備ということで、@からEまで記載しております。また、(3)のとおり職員の採用のための準備、さらには機構の業務の 実施方法に関する検討及び準備を進めていくといったことを記載しております。(3)以降資料付いておりますが、時間の関係 で説明を省略させていただきたいと思います。資料1−1と1−2について以上でございます。 ○宮武座長 ありがとうございました。それでは今の資料の説明について、みなさんからご質問なりご意見なり自由にいただきたいと思い ます。今日は、やや欠席の方が多うございますので、時間は十分ございますので、少数精鋭で1つ議論をしていただきたいと 思います。どうぞ小島委員。 ○小島氏 意見と要望も含めて4、5点あります。今回示されている事業計画は、大筋こういうものでやむを得ないかなと思っております。 その中で少し意見なり要望も含めて発言をさせていただきます。まず、年金記録問題への対応です。これは冒頭、坂野長官が指 摘されましたように、これは年金制度の信頼回復あるいは社会保険庁の信頼回復にとって、極めて重要なテーマです。このこと が解決できなければ、年金に対する国民の信頼というのは得られないと思っております。日本年金機構の平成22年スタートに向 けた準備作業もありますけれども、まずはこの年金記録問題の解決に向けて、社保庁全組織を挙げて取り組む必要があると思っ ております。そういう位置付けを、今回の事業計画の冒頭に入っているので、ここをしっかりとやってもらいたいと思います。 これから基礎年金番号に統合されていない5000万件については、昨年12月からすでに「ねんきん特別便」が一部先行的に送付さ れており、これから6月以降、加入者7,000万人にも「ねんきん特別便」が発送される。その際には、受け取った受給者あるい は加入者が、より自分の年金記録について分かりやすい、あるいは過去の自分の加入歴と違うということについては、気が付く ような配慮をした通知とすべき。それから問い合わせ等に対しては十分なフォローが必要だと思っております。それについては、 引き続き努力をお願いしたい。当初送った通知も必ずしも趣旨が徹底されていなかったということで、再送付される。そういう ことがこれから起きないよう十分な配慮が必要だと思います。それがまず1つであります。それから国民年金の収納率の向上で、 これは15ページに記載をされております。20年度は収納率80%が目標です。現実的に厳しい言われております。その目標自体は 厚生労働大臣から示されていますので、それをどこまで達成するかは社保庁の努力ということであります。前年度の18年度の納 付率も下がっているということですので、そこはここに記載されているように、前年度の納付率を上回るよう最大限努力すべき だと思っております。年金記録問題に全精力をかけているということの兼ね合いの中で難しいところと思いますけれども、ここ に掲げている目標達成に努めるべきだ思います。そこが2点目です。 政府管掌健康保険の関係では、33ページの保健事業の実施、特定健康診査・特定保健指導の関係です。20年度の特定健診あるい は特定保健指導の実施率の目標として、被保険者本人については、一般健診で40%と記載をされております。最終的な目標は、 5年後の平成24年の時点で特定健診の実施率70%を目指す。これは被保険者と被扶養者合わせてということだと思います。次の 従業員の健康診断を実施するため、実際は20%よりも高い数字にならないのかと思うのです。どういう根拠で20%なのかという ことが質問です。もう1つ、それとの関係で、被扶養者の特定健康診査あるいは特定保健指導については、従来の老人保健法で やっている市町村での健診を市町村及び地域の医師会との契約で行うということで、33ページのAのところでふれております。 全被扶養者のについて、各地域の医師会等との契約がスムーズにいっているのかその状況について、分かればお知らせ願いたい。 と申しますのは、この40%が本当に可能かどうかという点を知りたいからです。次に、36ページです。最後に出ています社会保 険病院・厚生年金病院のこれからのあり方について、ここは早急にそのあり方のとりまとめをお願いしたい。社会保険病院なり 厚生年金病院は現在でも地域の中核的な医療を提供している医療機関だと思います。地域の医療提供のネットワーク、そういう 観点から必要なときは残すというようなことも選択肢としては当然あるだろうと思います。今、地域医療が崩壊しかねないとい う状況も指摘されておりますので、ぜひ地域の医療提供のネットワークという点からも、社会保険病院なり厚生年金病院の在り 方について、早急にまとめていただきたい。 同じく医療関係でいいますと、政府管掌健康保険の全国健康保険協会への以降に関する事項で、44から45ページのところです。 10月の全国健康保険協会設立に向けて設立委員会で議論が進んでおります。4月から新しい高齢者医療制度がスタートしますが、 後期高齢者に対する拠出金は、従来の老健拠出金のいわば肩代わりですので、それほど大きく負担が増えるという話ではない。 問題は、65歳から74歳の前期高齢者にかかる医療費の財政調整という形で、被用者健保から相当持ち出しになるということです。 どうも話を聞いていると、健保組合から相当新しい持ち出しがあるということで、保険料の引き上げも検討せざるを得ないとい った話も聞いております。政管健保の前期高齢者に対する拠出金、これも2年前の国会に出された数字ですと、9,000億円ぐらい 持ち出しがあるということです。政管健保の20年度の単年度収支で行くと、収支マイナスということで、積立金支払準備金3,400 億円もこの新しい高齢者医療制度のスタートに伴って、半分に減ってしまうという見通しを立てていると思いますが、果たして それで済むのかどうか。 心配なのは10月から公法人化し、その前期あるいは後期の拠出金については、2年後の精算は2年後毎いうことになりますので、 2年後はすでに公法人になっているので、当初の見積もりが甘かったということになると、いわば最終的な決算ベースでいうと、 積立金を全く取り崩して、逆に財政的にはマイナスというようなことになりかねないのではないかということです。前期及び後 期高齢者に対する拠出金・支援金の算定を、きっちりと現段階でやってもらわないと困ります。今回の予算では、政府管掌健康 保険の国庫負担1,000億を削って、被用者健保から1,000億の負担を求めることになる。この法律自体は通るかどうか分かりませ ん。そこは別として、前期後期に対する拠出金支援金の算定根拠をきっちりと詰めておいてもらって、2年後の精算の時に甘か ったというようなことのないように、そこは保険局とも詰めてもらいたいと思います。 最後に1つ、46ページの日本年金機構の設立準備についてです。設立委員会も間もなくスタートすると思いますので、その際に は、保険料を支払っている労使が、きちっとこの設立委員会の中には入ることが必要であります。そういうことについてもぜひ 配慮をお願いしたい。それからDのところで、健康保険組合の設立準備ということで、これは年金機構の職員のみなさんの健康 保険組合の設立だと思います。別に健保組合を作らなくとも全国健康保険協会でいいはずだと思います。それは意見として、 以上です。 ○宮武座長 大変多岐にわたるご意見ご質問でした。1点目の納付率に関することはお答えいただけるのですか。それと2点目からの特定健 康診査・特定保健指導の問題、それから厚生年金病院の廃止あるいは存続の問題、それと後期高齢者に対する支援金と前期高齢 者に対する拠出金についてのご質問、日本年金機構については、労使の参加を求めるというご意見と職員の健保組合設立の是非 となります。逐次お答えいただけますか。 ○松岡医療保険課長 医療保険課長でございます。それでは政府管掌健康保険の特定健康診査の実施率の目標について、ご説明させていただきたいと 思います。お手元の社会保険事業計画の34ページ等に掲げているものが、目標値の考え方でございますけれども、政府管掌健康 保険の被保険者については、40%以上という形で目標値を立てておりますけれども、現行の健診の実施率、約33%程度でござい ますので、そういったものを踏まえて40%ということでさせていただいております。事業主健診からの情報提供ということでご ざいますが、これにつきましては、5つの社会保険事務局で健診事業についての事業のアンケートを実施したところ、20%相当 の事業所が労働安全衛生法に基づく事業主健診を実施しているということを回答いただいております。生活習慣病予防検診を 実施しておれば、事業主健診は大体できますので、それも事業主健診を行ったことになるのですが、政府管掌健康保険の生活習 慣病予防健診以外に独自の事業主の義務としてそれだけで事業主健診をやっているといったところ、20%と回答いただきました ので、それをもとに20年度は20%と設定をさせていただいております。今後、実際やっていく中で増えていくということは想定 されますが、差し当たり、堅い数字ということで、20%で設定をさせていただいております。 被扶養者の健診の実施率は、現行の政府管掌健康保険でやっております生活習慣病予防検診の被扶養配偶者の健診の実施率は、 約3%程度でございますけれども、ただ、現行の老人保健法に基づいて、市町村で実施しております老人基本健康診査の実施率 は、先ほど申しましたように、17年度のデータで44%あるといったことをも踏まえまして、40%と設定をさせていただいており ます。それから、被扶養者の特定健診・特定保健指導につきましては、この事業計画でも書かせていただいておりますように、 身近な地域で受けられるようにするということで、市町村で行っております老人基本健康診査の契約形態を活用するということ で、被用者保険が全体で、各都道府県単位でまとまって集合契約という形で、地域の医師会などと契約を結び、そこで地域の病 院あるいは診療所で検診を受けられるようにするといった形態をとるようなことを予定いたしております。そういった形で被扶 養者でも身近な地域で受けられるようにしていきたいと考えております。ただ、なにぶん新しいところで始めるところですので、 一生懸命やっていかなければ行けないところだと思います。 特定健康診査などにつきましては、平成20年の4月から実施ということでございますので、現在、特に被扶養者の特定健康診査 などについては、代表保険者を各都道府県で選定をして、そこが中心になって市町村の医師会などと契約を結ぶという形を取る こととしておりますが、それについて現在鋭意契約に向けた作業を進めております。政府管掌健康保険の特定健康診査などにつ きましては、平成20年で全国健康保険協会に移りますので、協会に移ったあとは、どういう形で今後4年間実施していくかという ことを再度見直しするとことが、必要になると考えております。 2点目に、社会保険病院等の取り扱いでございますが、これについては、事業計画36ページのところにございます。現在、与党 の方でこの取り扱いをどのようにするかということが議論されているところでございますので、それを踏まえて社会保険庁とし ても適切に対処してまいりたいと考えております。なお、ここにございますように、その中で地域の医療を損なうことのないよ うに十分配慮していくといったことは、必要になってくるだろうと考えております。 それから次に全国健康保険協会の関係でございますが、44ページから45ページのところでございますが、というよりむしろ政府 管掌健康保険の後期高齢者の支援金などの問題でございますが、これらについてはまた、12日に政府管掌健康保険事業運営懇談 会がございますので、そちらで具体的なデータを出して、20年度の状況なりご説明をさせていただきたいと考えておりますが、 20年度の予算におきます後期高齢者支援金や前期高齢者の納付金などについては、保険局で全保険者をまとめた形で算定をして、 各保険者でこれだけといった形で設定されておりますので、基本的にそれに則った形で実施させていただくことになっております。 ご指摘ございましたように協会の事業の運営が、基本的には20年度におきましては、納付金や拠出金などで算定されたものを具体 的にお支払いして、その後2年後に精算するということでございますので、20年度においては、予算に計上されている金額で動い ていくような形になります。その中で20年度について、診療報酬の支払いなど支障が生じることの内容に十分留意しながら、運営 にあたっていく必要があるだろうと、かように考えているところでございます。 ○宮武座長 はい、お願いします。 ○高橋企画室長 もう1点、総務課の企画室長でございます。日本年金機構の設立準備につきましてご質問がございました。設立委員につきまして は、厚生労働大臣が適切な方を任命するということで、適切な人選をされるということでございまして、その点はご理解を賜りた いと思います。機構の職員の健康保険組合、これは日本年金機構法の附則で法律上健保組合を設立するという形になっておりまし て、これは現在の国家公務員共済組合の社会保険庁職員共済組合を同時に廃止いたしまして、その関係の資産引き継ぎなどの規定 も経過措置に出ております関係上、また諸経費の当然の効率的な運用、実施という点も含めまして、健保組合の設立ということに なります。 ○宮武座長 小島委員、よろしゅうございますか。 ○小島氏 1つ確認したいのです。33ページの政府管掌健康保険の保健事業のところです。10月から確かに全国健康保険協会に移ってしまう ので、20年度4月からの特定健康診査・特定保健指導の5年間の事業計画は作らないということでしょうか。 ○松岡医療保険課長 5年間の特定健康診査の実施計画を作るということにしておりまして、これは12日の政府管掌健康保険の事業運営懇談会で、ご説 明させていただくことを予定しております。 ○宮武座長 私も関連でお聞きしたいのですけれども、厚生年金病院の存廃の問題については、10月になると、全国健康保険協会が発足するわ けですが、それは職員も含めて全国健康保険協会の方に移行されるということになるのでしょうか。非常に時期が迫っている時期 なので、どのような扱いを考えておられるのかお聞きしたいです。もう1点は、日本年金機構は健康保険組合をお作りになるわけ ですが、今の共済を全部解体して、長期給付の年金についても厚生年金という形に移行していくという形を取られるのか、共済の 方はどういう組織形態になるのか教えていただけませんか。 ○松岡医療保険課長 まず、社会保険病院の関係でございますが、平成20年の10月に協会に移りますので、現在社会保険病院で持っているものについて は、それまでの間にどうするかということを決めなければいけないということでございます。全国健康保険協会の方には、基本的 にはこちらの方に引き継がないという前提で検討が進められているといったところでございます。 ○高橋企画室長 2点目の、日本年金機構の関係ですけれども、日本年金機構の健保組合は、通常の健保組合でございまして、国家公務員共済から は短期給付にかかる権利関係が承継されるということで、年金は厚生年金でございます。 ○宮武座長 分かりました。どうぞ各委員ともご自由に。 ○井戸氏 要望と提案と質問です。日本年金機構の設立準備されているわけですけれども、年金は非常に複雑なものです。そのため、新たな 組織に引き継がれるときにもノウハウというものもきっちり引き継がれるように懸念いたします。やはり、広報や相談など、国民 がどういうところが実際分からないのかなどの声を吸い上げたり生かしながら移行していっていただきたいという点が要望です。 「ねんきん特別便」が届くようになってから、相談やご質問がたくさん寄せられますが、何が送られてきて今後どういうものが送 られてきて、それでは私たちは何をすればいいのかというのが、よく分からないということをよく言われます。そこで、提案です。 国から送られてくるものを、ファイルブックのように、たとえば母子手帳のように、今から毎年来るわけですので、それをファイ ルできるようなものをいただけたらとても分かりやすい。それから、ずっと払い続けて、いつからもらえるのか、何の届出が来る のかというような一生涯の予定とかスケジュールが書ける、母子手帳のイメージで、お子さんの歯が生えましたや健診しましたと いうことを自分で書き込んでいくわけです。ですから、何歳というところにご自分の年齢を入れると、たとえば5年後に何が送ら れてくるのかという、自分で一緒に年金の歴史を書くというようなちょっと楽しみも味わうことができたらと思います。確かに複 雑なのですけれども、送るだけですと、個人ではやはりバラバラになって整理ができないと思うのです。ですからぜひ、都道府県 単位でいいので、そのようなサポートブックのようなものをいただけたらと思います。 当然お金もかかることですので、できるかどうかよく分からないのですけれども、生命保険会社や損害保険会社などから広告をい ただいて、無料で作るというようなこともできるのではないかと思っております。次に質問なのです。事業計画の12ページのBの ところで、小島委員のように拠出金からではないのが、保険料のことがとても気になります。後期高齢者の方は年金天引きになる わけです。半年間は払う必要がないわけですけれども、健康保険カードが届くだけではなく、いくら払うのかということもちゃん と分かるように、丁寧に移行していただきたいと思います。 厚生労働省が作られているパンフレットを拝見させていただきました。半年間は無料です。そのあとは、9割削減ですとグラフの ようになっているのですが、具体的な数字や例が入っていないのです。今まで払う必要がなかった方が、例えば1,000円でも、厚 生年金の方だったら6,000円でもずっと天引きされていくわけですから、今後のその方達の生活設計の予定も狂ってくるわけです。 その辺りのところの、いつになったら具体的な数字でイメージが分かるようになるのかというところを教えていただきたいと思い ます。よろしくお願いします。 ○宮武座長 今の2点についてお答えください。 ○植田社会保険業務センター副所長 社会保険業務センターの副所長でございます。ただ今の質問で、年金から天引きの話がございましたが、具体的に申し上げますと、 私ども年金から後期高齢者の医療保険料、国民健康保険の医療保険料も年金から天引きをするわけですが、法律的にはこの4月の 支払いから引くということになっております。私どもも、非常に多くの質問が社会保険事務所に寄せられるのではないかと心配を しておりまして、市町村との連携も取らなければいけないと思っております。これは私どもが保険局から仕入れた話しでございま すが、この3月に各該当者に市町村から通知がされると聞いております。これは具体的な金額のお知らせが行くと考えているわけ ですが、私どもも、4月の定期支払の1週間くらい前になると思うのですが、今度の支払額からこれだけの額が引かれますよとい うようなことを各受給者のみなさまにお知らせをする。事前にそういう具体的な通知がもっと早くできれば良かったのですが、ご 存じのように保険料そのものは、市町村が決めるものですから、市町村からデータをいただいて私どもがその通知書を作成すると いうことで、ぎりぎり、申し訳ないのですが4月になってからお知らせが行くということになっております。いずれにしても、市 町村の方も3月にご連絡をみなさんにする予定と聞いておりますので、どうぞよろしくお願いします。 ○宮武座長 あと、1点ございましたね。 ○高橋企画室長 日本年金機構に対して、新組織へのノウハウがしっかり引き継がれ、また国民の声をしっかり吸い上げるような体制にすべきであ るというご指摘でございます。まさにそういう方向で新組織の設立に向けて、どのような体制で、職員の採用の問題あるいは、事 業運営の形態、国民の声を吸い上げるような仕組み、こういうことをしっかりと検討してまいりたいと思います。 ○宮武座長 井戸委員、よろしゅうございますか。 ○井戸氏 はい。 ○宮武座長 どうぞ、ご自由に。 ○鈴木氏 事業計画あるいは、実績の評価をするときに、毎年同じことを申し上げております。また、同じことをもう一度申し上げますが、 実績評価があって、それに基づいて次の年度の目標が決まってくるというのが普通のやり方、民間ではまさしくそういうやり方を して、最後の部分というのは若干推測も入れて、平成19年の分は3月までにこのようになるであろうということを決めて、次の20 年4月からの計画を3月に決めるというのは普通なのですけれども、この社会保険事業の実績の評価というのが、大体3月に終わっ てから、最後に終わるのが12月というようなことで、どうしても前年度をベースにして目標が決められない、この表にも18年度に 対して20年度はという書き方がされている、これはいつものやり方ですけれども、ここのところはやはり改めるべきではないのか ということを繰り返し申し上げています。普通の会社ですと月次、月次で答えを出していって、3月ならばすぐ答えが出るという 格好にするわけですけれども、締めてから全部計算して12月までかかるというのは、せっかく仕事をするのに効果が薄くなるとい うことで、もう少しそこのところは、きっちりおやりいただけるようなシステムを作り上げるということが、必要ではないかとい うことが1点目であります。 2点目でありますけれども、年金の問題が大変厳しい、大変注目を浴びている、そこに大勢の人的資源を投入しているので、他の ところに割く力が若干薄くなるというのは、全くそのとおりだろうと理解するわけでありますけれども、こういった問題が起こっ た根本というのは、国民年金の収納率があまりにも低いというところから起こっていると思うのです。これは今、年金の問題の陰 に若干隠れているのかもしれませんけれど、年金記録問題が片づくと、まさしくここに戻るわけなので、この手の抜き方というの は慎重にしておかないと、ちょっといったん分母を小さくして、一見上がったように見せたけれど、何だ、また下がっているのか というようになると、またこれが混乱を招くということになろうかと思います。この収納率向上ということに対して民間委託の市 場化テストというのは拡大しているわけです。それを入れ込むことによって、それを有効に使うことによって、これも前も申し上 げましたけれども、どうも拡大はしているのですけれど、過去の例では、実は実績からいうと決して効果は上げていないのです。 この実績をしっかり上げるようにして、この成果が、対前年マイナスになるというようなことが絶対ないようなことを注意してや っていただきたいということが2点目であります。 それから年金記録問題ですけれど、今日資料3点ありますけれど、これは特に説明はないのですか。説明としては、今日これで終 わっているということですか。 ○宮武座長 この1、2が終わりましたら、その他の資料の説明を受けます。今でも結構ですよ。 ○鈴木氏 また年金記録問題をうかがってから、そちらの方はお話をさせていただきたいと思います。この納付率の問題で、前からも出てい るわけですけれども、やはり口座振替をきっちりやるというのは、非常に堅い、お金のかからない方法ですから、ここに力を集中 して費用対効果というものを上げてもらえればということを付け加えておきます。 ○宮武座長 今の点、お答えできること、お願いいたします。 ○高橋企画室長 まず1点目の実績評価のスケジュールの点、私どもも悩みがあるところでございます。中央省庁改革基本法の枠組みで、年度の目 標・評価という枠組みがあるわけでございますけれども、その中でも社会保険庁からの実績報告の本省への提出が、本来7月の決 算が終わった段階でできるだけ速やかに出せるようにしたいと思っておりますが、昨年は年金記録問題等で非常に遅れ、提出が10月 になりました。またその一昨年は、国民年金の不適正処理問題で遅れまして、9月になったということで、2年続けて実績報告遅れ ておりますので今年はできるだけスムーズに行くように努力したいと思っております。 ○福本年金保険課長 国民年金の納付率の関係のご意見がございました。冒頭ご説明いたしましたように、直近の数字でございます平成19年12月までの実 績が出ておりますけれども、対前年と比較いたしますと、18年の同じ時期に比べまして下回っておるというような状況にございます。 平成19年の12月現在の現年納付率でありますが、62.6%でございまして、対前年の同期に比べまして1.6ポイント下回っております。 納付率全体で年度毎の数字でございますが、ご案内のとおり平成18年度66.3でございます。平成17年度の67.1に比べまして、18年度 66.3ということで下がっております。この原因としては、今、申し上げましたけれども、18年度に関しては、例の国民年金の不適正 免除の事後処理ということに人手を取られました。それから19年度、進行中の3月までの数字でありますけれど、現在マイナスです。 これも実際現場の人の張り付き方を見ておりますと、ご指摘ありましたように、年金記録問題でなかなかこの納付関係に人手が割けて いないという状況でございます。そういう中で、ただ我々、国民年金の納付率を上げていくことあるいは前年を下回らないようにし ていくことということは、当然やっていかなければならないことと考えております。 今日ご説明いたしました事業計画の中でも国民年金の関係、15ページから16,17ページと出てまいります。その中では、制度的な面 につきまして改善を図りつつあるところもございます。16ページから17ページにかけまして、17ページのあたりですけれども、事業 改善法に基づく施策等と書いておりますものは、法律のフレームとして昨年事業改善法を改正いたしまして、新たな仕組みを入れて、 納めやすい環境づくり等に努めることによって、納付率を上げていくというようなことがございます。これは19年度着手したこと、 それから20年度これから取り組んでいくことでございます。こういうツールを活用しつつ、それから先ほどもご指摘がございました けれども、市場化テスト、この17ページの一番下ですけれども、これは確かに民間の力を借りるということでございますので、社会 保険事務所の職員の手が足りないところを市場化テストという形で、民間の方々へ委託をして、その力を借りてということも踏まえ て取り組み、納付率をできるだけ下げないようにあるいはできるだけ上げるように頑張ってまいりたいと思っております。 ○宮武座長 鈴木委員、よろしゅうございますか。 ○鈴木氏 はい。 ○宮武座長 クレジットカードを使うとポイントはつくわけですね。それは構わないわけですね。 ○福本年金保険課長 はい、つきます。 ○宮武座長 紀陸委員どうぞ。 ○紀陸氏 今、鈴木委員長からご質問がありました納付率の関係で、参考資料1の22ページ免除と納付率の関係の都道府県別の17年度、18年度比 較の表がございます。これを拝見いたしますと、必ずしも整合的というのはあれなのかもしれませんけれども、納付率が上がっている ところと全額免除の割合が上がっているところ、その相関が所々散見されるのですけれども、これはあまりいい姿ではないわけです。 前からお話をしてきているところかと存じますが、いずれにせよ、各都道府県の中で免除の割合を適正化しながら納付率を上げたとい うような事務所が、どういう取り組みをされたか、その辺りについて実状のお話をうけたまわれればありがたいという点が1つ。 あとはちょっと細かい話で、小島委員、宮武座長からもお話しございましたけれども、事業計画の36ページの病院とか福祉施設の件の 確認なのですけれども。先ほど今度の全国健保協会の方では、病院の引き継ぎをしないような話しをうかがったのですが、病院の施設 の所管というのはどうなるのかという話と、その他にさまざまな年金福祉施設が幾種類かあり、そこのところはRFOで整理合理化を していくと思うのですが、今度新しくできる全国健康保険協会というのはこういった施設を一切持たないのかどうか、その辺りの確認 をさせていただきたいという点でございます。大きく2点、細かく分けると3点でございますが、お教えいただければと存じます。 ○宮武座長 では、お願いします。 ○福本年金保険課長 まず、参考資料1に関連をしまして、免除と納付率、その地域毎の違いの話がございまして、この辺り免除と納付に結びつけていくと ころをどう考えるのかあるいは地域でどういう取り組みをしているかということだろうと思いますけれども、我々、国民年金の納付対 策についてはこういうふうに考えております。お話にもございましたように、この納付率というもの、分母と分子から構成されるとい う数字でございます。この分母は納付すべき月数、分子は実際納付された月数でございますけれども、この納付すべき月数ということ を見るときに、制度として免除制度というものがございますので、納付すべき月数をカウントしていくときに、まず我々は対象者の属 性をよく考える、特に地域ごとに見た場合にはそういうことに取り組んでおります。 要は、低所得の方である場合には、もちろんこれは本人が納めたいということであれば納めていただいて結構なわけですけれども、な かなか納めることが難しいということになりますと、制度上、その低所得の方には免除制度がございます。免除を受ければ、国庫負担 の部分は付くということになりますので、勧奨していくということを手だてとして考えております。そのためにも所得情報を持ってお りますのが、市町村の税務課でございます。この市町村の税務担当の方から、国民年金の対象者の所得情報を現場が入手いたしまして、 低所得の方には、免除につなげていくような勧奨をしていくという手だてを講じ、それからその対象にならない中所得の方に対しては、 納付の督励の電話をかけるあるいは、戸別訪問・各戸訪問をするというような形で納付をしていただけるような形に持っていくという こと。それからさらに、所得が一定以上あり、長い年数未納の状態であるという方に関しては、強制徴収という形へ持っていくという ようなことで、一人一人の方の属性に鑑みて、アクションを取っていくということが、ポイントになろうかと思います。 その意味では、先ほど申し上げましたような情報を、市町村との関係を現場で良くして、早くそういう所得情報をもらうということと 同時に、その分析を個別の事務所でいたしまして属性に応じたアプローチをするということが大事なのではないかと思いますし、現実に、 納付率をある程度のところまで持っていくという中では、現場の事務所あるいは社会保険事務局、都道府県単位の事務局において、そ ういう計画を作りあるいは、そういう事業実施をしておることによって効果を上げていっているところもあるというような状況でござ います。 ○松岡医療保険課長 全国健康保険協会の施設の関係ですけれども、基本的にこの年金福祉施設、政府管掌健康保険の福祉施設につきましては、ここにござ いますように病院を除きますと、すべて施設整理機構(RFO)に出資をされておりまして、17年10月以降、そちらの方で譲渡が進め られております。したがいまして福祉施設については、政府管掌健康保険の方に保養所等の福祉施設を引き継ぐということはないとい うことでございます。 それから、病院については、こちらの取り扱いというのがまだ決まっておりません。RFOの方に出資をするといったことには、今の ところまだなっていないわけでございますが、そこの取り扱いについてどうするかというのは、先ほど申し上げましたように与党の方 で取り扱いを決められる、それを踏まえまして、政府として対処していくということであります。この中で、全国健康保険協会につき ましては、基本的にはこういった施設類は持たないという前提で、これまでも設立のための準備が進められてきているところでござい ますので、先ほど申し上げましたように、病院についても、この施設は協会の方で保有するといったことはしないということを前提に 準備を進めているといったところでございます。 ○宮武座長 何となく隔靴掻痒ですけれども、よろしいですか。社会保険庁の方でなかなかお決めになれないわけだから、答えにくいのだろうと思 いますけれども、どうぞこれ以外に何かございましたら、それじゃ、次の資料の説明をお願いしたいと思います。残りの資料すべての 形で、ポイントだけご説明お願いします。 ○栗原企画室長補佐 まず、資料2−1と2−2についてご説明させていただきます。業務改革プログラムについてです。資料2−1、1ページ目に「業務 改革プログラム」の策定及び改訂の経緯と書いてあります。「業務改革プログラム」の位置付けですけれども、平成16年以降社会保険 庁改革を進めてきておりまして、平成17年の9月に「業務改革プログラム」を策定しまして、そこに書かれてある項目について、逐次 改革を実施してきたところでございます。これまで平成18年4月と8月、直近ですと平成19年4月、合わせて3回改訂しております。 今回、昨年の6月に社会保険庁改革関連法案の法律が成立して、また、現在の年金記録問題の関係もございますので、そういった状況 を踏まえまして、改訂することといたしました。平成19年4月改訂時の項目数が160でしたが、今回項目数増えまして、全部で188項目 となっております。中身としましては、年金記録問題の対応の関係、1番目に持ってきておりますけれども、これらについて追加して おります。あとは今回の平成20年度の事業計画で盛り込んでいる内容を増やしたりですとか、あとは過去の取り組みで重複して複雑に 書かれていた部分を若干分かりやすく書いたりといった整理を行っている修正でございます。中身については、重複するところもござ いますので、省略させていただきたいと思いますが、資料2−2,これは、この改訂をしたあとの形で現在の実施状況がどうかといっ たものについて詳細に書いているものでございますので、お時間のあるときにご覧いただければと思います。資料2−1と2―2につ いては、以上でございます。 ○鳥井企画課長補佐 続きまして資料3の関係でございます。ポイントのみ説明をさせていただきます。年金記録問題についてです。まず、資料の3−1で すけれども、年金記録問題につきましては、前回もご説明申し上げましたとおり、昨年の7月5日の政府・与党とりまとめに沿って取 り組みを進めてきたものでございます。資料の3−1と3−2につきましては、これらの取り組みを踏まえて、今後の対応を整理した ものでございます。資料の3−1の方がその骨子になってございます。簡単にご紹介いたしますと、まず始めに、ご承知のとおり、未 統合記録と1億人の方の記録をコンピュータ上で突き合わせをし、それを今年3月までを目途に行うということがお約束されておるこ とでございまして、これについては予定通り実施をされております。直近の見込みにおきましても、3月までには予定通り終える予定 でございます。この点につきまして、国民に分かりやすい説明を行うことが極めて大事だという方針で進めるということでございます。 2以降でございますけれども、3月それからその後の取り組みも見据えて、大事になってきますのは、やはり、お一人お一人へのアプ ローチということで、4月以降も「ねんきん特別便」を合わせて1億人の方にお送りし、お一人お一人による確認を通じて、未統合記 録の縮減をさらに図っていくということでございます。今後解明を必要とする記録とございますのは、「ねんきん特別便」により統合 される記録、もしくはすでに死亡された方の記録や脱退手当金を支給した記録以外のものが、まだ1,975万件、推計であるということで ございまして、これらを縮減していくためにも、この取り組みが極めて大事だということでございます。2ページ目以降ですが、その ための体制の整備、国を挙げた体制の整備を経済団体、市町村、企業、労働組合等々の連携協力の下でこれを徹底的に行っていかなけ ればならない、あるいは、きめ細かい取り組みといたしまして、社会保険庁の方におきましても相談体制を見直しまして、未統合記録 に関する、より具体的な情報を提供するようにいたしますとか、あるいは、住所不明の方の対策を市町村や企業の協力で進めていく、 あるいは、未回答の方に対してはそのフォローアップをきちんとやっていくということが必要でございまして、そのことをやっていく 旨を記載しております。さらには、訂正なしで回答された方につきましても、その実態を把握いたしましたところ、かなり未統合記録 が残っているということが分かりましたものですから、電話や訪問で社会保険庁の方から念のための問い合わせということをやってい くということでございます。これが大きな今後の取り組みの1つでございます。 それからもう1つの大きな取り組みが、記録の解明からのアプローチ、2ページ目の(2)で書いておりますけれども、「ねんきん 特別便」の他に社会保険庁の方におきましても、今後解明を必要とする記録ということで、ターゲットを絞りまして、それの記録に ついては住基ネットを活用したり、あるいは、いろいろな資料に当たって電子データを補正した上で、コンピュータ上でさらに調査 をしていくということを徹底して行っていくということでございまして、これには早期にすでに着手しております。これを順次行っ て、来年度に計画的に行っていくということが、2点目の大きな柱でございます。 それから3点目は総務省の関係でございますけれども、年金記録確認第三者委員会における対応というものを迅速化していくという ことを、体制強化も含めてやっていくというのが、3点目でございます。これが今後の対応の大きな柱でございます。 次に、9ページでございますが、今後の対応をやっていく上で、やはり体制が非常に重要であるということでございますので、社会 保険庁においては電話相談の体制を段階的に強化していくということもございますが、それに加えて市町村・企業・経済団体にも住 所の調査ですとか、あるいは、さまざまなキャンペーン、特に旧姓のままの方が多いので、その方には早めにご相談をいただくとい うような協力を得るということを、国を挙げて展開してまいりたいと考えております。これにつきましては、各関係者の積極的なご 協力というものを賜りたいと考えております。 次でございますが、13ページ目からは細かい話しでございますので、ポイントのみ説明させていただきますけれども、まず13ページは 来年4月からの「ねんきん特別便」の様式等でございます。これは、2月に民間の有識者の方等の意見を聞いた上で定めたものでござ います。基本的には、すべての方に記録の漏れ、間違いを確認していただいた上で、それをお一人お一人に記入をしていただき、年金 受給者の場合は社会保険事務所、被保険者の場合は業務センター宛てに返事をしていただくということでございます。その際に、平成 8年12月以前に旧姓で年金に加入していた方は旧姓をぜひ記入していただいて、解明作業に役立てて行きたいとこういうことでござい ます。 14ページ目でございますけれども、ここも工夫をした点の1つでございますけれども、回答する前によく分からないことがあれば、 まず、必ず社会保険事務所なり「ねんきん特別便」の専用ダイヤルにお電話いただくということを書いております。このことによって、 私どもが情報提供し、記憶を呼び起こしていただくことにより、より正確な呼び起こしをしていただくことを最も大きな訴求ポイント として考えているということでございます。以下は細かい点でございますが、後ほどご覧いただければと思います。 それから途中省略をいたしますが、22ページ目でございます。今「ねんきん特別便」を12月から実施しておりますけれども、今の状況 がどうなっておるかということを2月19日現在でまとめたものでございます。1番左の欄の発送のところでございますが、2月13日ま でに約168万件をお送りいたしております。その168万件の内の回答状況がどうなっておるかということを示したのが、23ページ目でご ざいます。23ページ目を見ていただきますと168万の内、到達は受給者の方でございますので、ほとんど到達しております。しかしなが ら、回答を見ていただきますと約70万人、4割の方は回答していただいておりまして、まだ6割の方からの回答がいただきたいという ことでございます。それからその内でも約17万人の4分の1の方が訂正ありということで返事をしていただいておりまして、残りの方 が訂正なしということでございます。従いまして、私どもといたしましては先ほど説明したような取り組みを着実に行っているという ような状況にございます。 24ページ、25ページ目辺りは、こういう状況に対応するために、より「ねんきん特別便」を分かりやすくするためのパンフレットです とか、あるいは、今後の情報提供、先ほど言いましたような具体的な情報提供のあり方というものをマニュアル化したものということ でございますので、後ほど見ていただければと思います。32ページ目が、先ほど、訂正なしと回答された方が約4分の3ということで ございましたが、それについての中身を、これは1月の初め頃の数字でございますけれども、調査したものを示したものでございまし て、78.5%の方が、ご本人の記録が確認されたということでございますので、先ほども申しましたとおりの入念的な問い合わせといっ たようなことをやっております。 34ページ目ですけれども、「ねんきん特別便」送付対象者の回答状況です。これは具体的には12月17日、最初に発送したものと2月6 日の発送分ということで、回答の状況を見たものでございますが、具体的には36ページでございますけれども、2月6日から、先ほど 申しましたような分かりやすい資料を織り込んで、加入履歴を分かりやすくチェックしていただくということの資料を入れております。 その結果を見ますと、36ページにありますとおり、訂正のある人の紹介票でございますけれども、訂正ありですよという返事が、非常 に増えているということが、お分かりいただけるかと思います。今後とも、この傾向が続くことを期待しておるところでございます。 38ページでございますが、これは先ほど申し上げましたとおりの体制相談強化の状況でございます。1は先ほど触れましたので省略し ますが、2につきまして、身近な場所で気軽に相談できることが非常に大切だという観点から、社会保険労務士会の全面的なご協力を いただきまして、社会保険事務所や都道府県の社会保険労務士会の年金相談センターでの無料相談を実施していただく、あるいは、市 役所や役場、郵便局、農業・漁業協同組合においてその一角におきまして、社会保険労務士の方による相談会を実施するといったこと、 あるいは、その際に、記録を見られる窓口装置を貸与するといった新しい試みというのを今回着手させていただいておるところでござ います。資料3−7につきましては、今の総括表でございますので、説明を省略させていただきます。 最後に参考資料をお配りしておりますので、簡単に、どのような資料かということだけ触れさせていただきます。参考資料の1でござ いますが、平成18年度社会保険事業の概況でございます。これは毎年公表しておりますもので、年金や医療の適用ないし給付の状況を 取り上げたものでございます。簡単に触れますと、まず概況の2ページでございますけれども、公的年金制度の加入者数というのは、 約7,000人程度、この数年横ばいだということがお分かりになろうかと思います。これに対しまして、受給者の方はどうなっているか と申しますと、4ページ目でございますけれども、重複をのぞいて約3,400万人弱ということになっておりまして、大体1年間に、前 年度と比べて80万人は増えるという増加傾向にあることがお分かりいただけるかと思います。 次に参考資料の2でございますが、国民年金被保険者実態調査ということで、これは3年に1度実施している結果の調査でございま して、国民年金の第1号被保険者の状況がいったいどうなっているかということを把握するためのものでございます。すでに速報結果 について公表しているものを今回確報ということで、発表させていただいたものでございます。これも極めて簡単にポイントを1枚に まとめておりますものが、参考資料2の最初のページでございまして、中身を見ますと、第1号被保険者は、常用雇用や臨時・パート 雇用の割合が上昇しておって、無職の割合はむしろ低下しているというようなことですとか、あるいは、国民年金保険料を納めていな い理由を調査いたしましたところ、保険料が高い、経済的に支払うのが困難だということがほとんどの所得別階級で上昇しているとい うことがございます。ただし、1,000万円以上の方も、保険料が高いと回答していらっしゃる方がかなりいらっしゃるというような状 況でございます。 次に参考資料3は省略いたしまして、参考資料の4でございますが、お客様満足度アンケートの実施結果でございます。前の調査が 平成19年1月17日でございまして、これはすでに報告させていただきましたが、今回平成20年の1月30日の調査をしております。一言 で申し上げますと、2ページ目にありますとおり、全体としての満足度ということでは前回と調査いたしますと5.9ポイントないし5.3 ポイント低下をしているということで、その要因というのは、やはり待ち時間に対する満足度が大幅に低下をしておるということが要 因の1つではなかろうかというふうに分析をいたしております。以上で簡単ではございますが、説明させていただきます。 ○宮武座長 はい、それではご質問・ご意見、どうぞご自由にお願いします。 ○鈴木氏 いいですか、それでは。いろいろあるのですが、年金記録問題でまず公約を果たしているという、長官からもお話しがありました。 政治的にいうとだいぶ厄介なのですけれども、資料3−1の8ページのところで3月までにコンピュータによる名寄せが終わるとい うことで、第1次名寄せと第2次名寄せ分というのですか、これを全部足すと1,000万人強ということになるわけです。それで、実際に 今、出している人の数というのは資料3−4にありましたね。この出しているのが168万人とか、ちょっと数字が違うのですけれども、 22ページですか、発送の方が168万とか、2月を入れても232万というのだから、全体の数字と違いがあるように思うのですが、そこの ところどういうことでしょうか。 ○宮武座長 お願いします。 ○植田社会保険業務センター副所長 名寄せをした「ねんきん特別便」合わせて1,000万件程度という発送は、3月までかけてやるということになっておりまして、実は後半 の方がだいぶ多くなっておりまして、現在、印刷会社で印刷中とかというのがかなりございます。一応、当初の予定通り発送作業は進ん でおります。 ○鈴木氏 そうすると1,000万ちょっとですかね、これは終わるということですね。2番目の質問なのですけれども、いろいろ確認の資料を送った と、どのくらい返ってきたか云々の話しがあって、資料の作り方も2月何日からは丁寧にやったというご説明で、そうすると回答が増え るというご説明があったのですが、この1次の名寄せというのは、姓名は合っているのですよね。名前と生年月日と性別。それから記録 の時期も重なっていないという、これはたぶんコンピューター上からいくと、この記録はこの記録と一緒にすればいいんだというような ことがかなりはっきりしたものが、この1次ということになると思うのですけれども、そういうことで送付しても、かなりの人が、何で もないと言って回答してくる状況ですよね。ですから、またお金をかけて、一生懸命調べたり、電話をかけたり、何かやると、かなりの ところが合っていると、しかしそれでもまだ合っていないところがあると、合っていないというのは、生年月日の名前も一緒で合ってい ないというケースが、本当にあるのかどうか。私が申し上げたいのは、コンピュータ上で合ってしまうのだったら、何もそんなことを確 認しないで、それはこれとこれだと統合してしまえば、その分だけお金がかからない。これは国民の税金でやっているわけですよね。 いろいろ丁寧にやっているのは大変結構なのだけれども、そんなに確実なものならばいちいち話さなくて統合してしまえばいいのでは ないかという意見もあるのではないかと思うのですが、どうでしょうか。 ○植田社会保険業務センター副所長 確かにそういうご意見はあるのですが、実は、年金受給者・被保険者合わせて、現存の人たちだけで約1億人いらっしゃるわけですが、 同じ名前と生年月日の方がかなり大勢いらっしゃるのです。特に、女性、これは例えばの話しですが、かつて、紀元節の2月11日生まれ の人は、紀子さん、紀州の紀になっている方が非常に多いとか、それから1月1日生まれがなぜか戦前生まれの方に非常に多く、同じ名 前と生年月日の人が複数の人にくっついてしまうことがかなりあるのです。それでやはり私どもは、先ほど鈴木委員がおっしゃったよう に強制的にと申しますか、そういうことをすると非常に危険だなと思っておりまして、やはり最終的にはご本人に確認せざるを得ないの ではないかと考えております。非常にユニークな名前の場合はそういうことができるかもしれませんけれども、母体が非常に大きいもの ですから、危険だと思っております。 ○鈴木氏 納付の記録が重複していないということになっているわけでしょう。そんなところまで行っても、まだだめなのですかね。 ○植田社会保険業務センター副所長 実は同じ生年月日の方は同じような時期にお勤めになっているわけですね。例えば、学校を卒業して勤められる時期が大体同じようだと かそういう傾向がございますし、もう一つは、特に受給者の方はもうあまり相談するチャンスがないだろうということで、ある一定の期 間は、期間が多少重複していてもこれは、本人さんの可能性があるというものについては、お送りしているものですから、完全にぴった り間にはいるというものだけをお送りしていうものではないということでございます。 ○宮武座長 大変ですね。難しいですね。1月1日生まれというのは今、若い人には全くいないのですよね。病院が生ませてくれないですからね。 さっきも井戸委員からご指摘がありましたけれど、送ってきたものが大変、役所としては一生懸命分かりやすく書いているつもりなの だが、しかし一般の人から見るとやはりなかなか何が書いてあるのか、何をチェックすればいいのか分からないというご指摘がありま した。私も全くそうで、1回目の通知で少しもチェックが効かなかったので、またその説明文をお入れになるということをやって、そ れもまた鈴木委員ご指摘のように、無駄なお金をずいぶん使ったわけでございますけれども、要するにパソコンなどの案内書も同じなの ですけれども、プロから見たら、これだけやさしく書いたら分かるだろうと思うのですけれども、こちらの方はそうではないのですよね。 読んだって分からないという、そういうことを身内だけでやっておられるのか、それともちゃんとこれは素人でも分かるかという形で、 内部でそういう知恵をお借りになっているのか、心配なのですけれども、今回などは、最初の場合は内部だけでお作りになったことな のでしょうか。または説明文を入れる段階になっても同じように内部でお作りになったのか、ちょっとそれを参考に教えていただけま せんか。 ○鈴木企画課長 最初に送りましたものにつきましては、基本的にはどちらかといえば内部における確認が主だったのですが、同時に私ども通知類のモ ニター制度というものを持っておりますので、そのモニターの方々にも一応見ていただく、あるいは、これは限りがございますけれど も、大臣・副大臣あるいは政務官の秘書の方々のルートを通じまして、一般の方に一定程度見ていただくというようなことは行ってお ります。しかしながらそうした手法では限界があったということだろうと思っております。そこで追加で入れる文章、あるいは、4月 からの「ねんきん特別便」につきまして、大臣が作業委員会設置されまして、外部の有識者の方々にお集まりいただいて、点検をして いただき、その上で追加の文書なり、4月からの「ねんきん特別便」の様式を改めたといったような経緯がございます。 ○宮武座長 プロはここにも一人井戸委員がおいでになりますので、お願いになったらどうですか。他にございますでしょうか。紀陸委員。 ○紀陸氏 これだけ手間をかけて、要するに、最終的に、やりながらかえって逆に、今のお話の仕事が増えてきてしまう。おそらくこれはスケ ジュール通りに行くか、私だけではなくて多くの人が心配しているのですけれども、大丈夫なのですかね。 ○鈴木企画課長 送付を申し上げるという行程は、スケジュール通りできるわけでありますけれども、その後の国民のみなさまの反応を踏まえて進めて いかなければならない仕事が、まさに「ねんきん特別便」の仕事だと思っています。そういう意味で、大臣もよくおっしゃっているの ですけれども、未だかつて誰もやったことがない仕事をやっている面もありまして、なかなか効果を予測しがたいところはあろうと思っ ております。しかしながら、できるだけ多くの方に正しい答えをいただくということが必要ですので、もちろん費用対効果を考えなけ ればいけませんけれども、より多くの方に正しい答えをいただくために、何を効率的にやっていけばいいのかということを常に考えな がら、進めるしかないのではないかと思っております。いつまでに打ち止め宣言をするということをあらかじめ申し上げることができ れば非常にすっきりするわけでありますけれども、やはり、国民の方々のご反応を前提として、事業を組み立てていかなければいけな いということで宿命的に伴う限界というものもあるのかなと思っております。 ○鈴木氏 紀陸さんからの質問と同じですけれども、例の8ページの工程表を見ると、新しく日本年金保険機構ができるまでには片づきそうに見 えますけれども、お話を聞いていると大変なことをやっておられるのだなということですから、その辺りの割り切りといったようなも のも国民の反発を買わない中で、どうやるかということもきっちり考え、新組織になって、まだこれが尾を引いているということのな いようにぜひやっていただきたいと思います。これからいろいろ解明する中で、経済団体や企業にもいろいろ助けてくれということを 書いてあります。我々も、この点についてはしっかりサポートしなければいけないと思っております。3月17日、日本経団連の方で 社会保険庁の担当者の方に来ていただいて、説明を聞くということになっておりますので、ぜひそういった周知徹底をしっかり図っ ていただいて、企業もきっちりこれに参加できるような体制を作っていただければと思っております。紀陸さんおられますから、きっ ちりやってくれるだろう思いますが、そういうことでぜひ進めてください。 ○宮武座長 ご要望ですので、受け止めていただければと思います。小島さん、労働組合はどうでしょうか。 ○小島氏 すでに協力できる範囲で協力しております。 ○宮武座長 他になければ大体時間もまいりましたので、長官、ずっとお聞きいただきましたが、何か一言ございますか。 ○坂野長官 まず事業計画については、鈴木委員からもご指摘あるように、本来、民間企業であるなら当該年度つまり現在の年度の状況の速報値も 踏まえて、新しい目標をどうするかということを分かっていただくというのが、本当のあるべき姿だろうと私は思っております。ただ、 現在、私どもが持っております仕組み・制度上の問題、そういう点から、恐縮ながら18年度の業績と最近まで我々には公表しております、 いわば断片的なデータをもとにご判断を願わざるを得なかった、誠に申し訳ないことだと思っておりますが、全体の環境の中で、ぜひ とも、最低の努力をしていることはご理解いただきたいと思っております。 それから記録問題については、誠にごもっともなご指摘が多々あったわけでございます。本当にいつまでにどういう形でけりをつける ことができるのかということで、これは国民の方々もご心配でございましょうが、当事者である私どもが本当は1番知りたいことでご ざいますし、どうしたらいいのか、今でもまだ日々仕事をやりながら、どういう形で収束できるのかということを模索している最中と いうことでございます。残念ながら、これも現時点で、こういう時期にこういう形で収束するという具体的な姿をお示しするまでに十 分検討が進んでいない、本当にそういう点については、率直にお詫びを申し上げなければなりませんけれども、同時にそういう収束観 を出すための客観的なデータそのものが「ねんきん特別便」を発送途上にあって、まだない。それから名寄せ作業の結果、今、名寄せ のデータに合致しなかった方々、これから1つ1つ私ども、他のデータに当たりながら本人を特定しなければならないそういう大作業 があるわけでございますから、これについても、いつ頃までに何件解明ができるかという見通しも、実はまだ作業の方法を今、詰めて いる段階でございまして、その先の見通しが出ない。そういう中で毎月毎月閣僚会議を開いて、少しでも進捗状況を全国民の方々にお 示しをすると同時に、政府・与党の首脳の方々にもご理解をいただく、そういう努力を積み重ねる他はないと今思っておるわけでござ います。新機構に移るまでに何とか一応のめどを付けたいと、これは舛添大臣の強いお気持ちでもあるわけでございますけれども、 ただ、舛添大臣も国会答弁で何度もおっしゃっておられるわけでございますが、そういう強い気持ちもあるけれども、それが確実な約束 として国会でお約束するという段階はまだ来ていないのですということを答弁しておられるわけでございまして、私どもも全く同じ気持 ちで、本当にそういうふうにしたいという気持ちは持ちながらも、具体的なお約束として国民の方々にお示しするには、まだ十分な材料 がない。そういうふうな状況にあることについて、ぜひご理解をいただきたいと思っております。 それからこの「ねんきん特別便」、特に4月からは3,000万人及び6,000万人強の受給者・加入者の方々に、全加入履歴をお知らせする という大作業になります。このためには特に加入者、現役の被保険者でありますが、事業主の方々のご協力が不可欠でございます。 そういう点については、経団連を通じ十分なご説明も差し上げるとともに、商工会議所レベルあるいは地域レベルでも、事業主の方々に、 いろいろなご協力を賜りますようにぜひお願いをしたいと思っております。以上でございます。 ○宮武座長 ありがとうございました。それでは、次回以降の予定がございましたら、事務局の方から教えてください。 ○鳥井企画課長補佐 本日は、貴重なご意見をいただきまして、まことにありがとうございました。次回以降の予定につきましては、後日、皆さまに相談さ せていただき、決定したいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。 ○宮武座長 ありがとうございました。それでは、本日は以上を持ちまして終了いたします。 〜 以上 〜