社会保険事業運営評議会 第18回議事録 日時 平成19年10月15日(月)15時00分〜17時00分       場所 厚生労働省専用第18会議室       出席された参集者(敬称略) 井戸美枝、遠賀庸達、小島茂、加納多恵子、 紀陸孝、鈴木正一郎、宮武剛 ○宮武座長 それでは、定刻になりましたので、ただいまから、「第18回の社会保険事業運営評議会」を開催いたします。本日はご都合により、 稲上毅さん、小澤良明さんはご欠席でございます。では、新しい長官に就任なさいました、坂野さんの方からひとことごあいさつを 頂戴します。 ○坂野長官 ただいまご紹介をいただきました、坂野でございます。村瀬前長官の後を継いで、8月の末日に就任をいたしました。現在、社会保 険庁に山積する課題を抱えております。それのひとつひとつの解決に全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。よろしくお願 いを申し上げます。 前回の運営評議会は、3月に開催されたと承知いたしております。その後、かなり大きな状況変化が生じていることはみなさまもご 承知の通りでございます。 1つは、いわゆる年金記録問題でございます。私ども国民の皆様方に大変申し訳ない事態を招いておる、ということで、率直にお詫 びを申し上げなければならないと思っております。また、7月あるいは8月に国民の方々にお約束いたしましたスケジュールにした がって、確実に年金記録問題の解決に取り組んでまいるつもりでございます。それを総じて、国民のみなさまの信頼の回復に全力を 挙げたいと考えております。さらに、社会保険庁の現在の組織に代わる新たな組織が、来年、全国健康保険協会、平成22年には、 日本年金機構の発足ということもすでにレールが引かれております。 職員の移行をはじめ、さまざまな課題に、しかも、時間的なゆとりのない中で取り組まなくてはいけないと考えています。これにつ いても、アドバイスをいただきながら着実に進めて行きたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 さて、この年金記録問題あるいは社会保険庁のさまざまな業務運営上の問題を背景に、この運営評議会とは別に政府の中に、年金業 務・社会保険庁監視等委員会、年金記録問題検証委員会あるいは年金業務・組織再生会議などの組織が設けられております。みなさ ま方、経過はすでにご存知の通りだと思います。 しかし、この運営評議会はすでにそれなりの歴史も持ち、かつ、この社会保険庁の運営について、国民の方々のさまざまな立場、例 えば、保険料をお支払いいただいている方々の立場、年金の支給をすでに受けておられる方々の立場、あるいは、これらに関わるさ まざまな立場の方々のご意見を直接社会保険庁の日々の業務の運営に反映していくための欠くことのできない、かつ唯一の機関であ ると、私は考えております。前長官に引き続き、私もこの運営評議会の役割を重視し、かつ、ご意見についても率直に耳を傾け、み なさまのご意見に沿って日々の社会保険庁の業務改革、あるいは的確な事業運営の遂行に努めてまいりたいと考えております。前長 官同様、私に対しても厳しいご指導、あるいはあたたかいご支援を引き続きお願いをしたいと考えております。 本日は、この後、平成18年度の事業実績報告や業務改革プログラムへの取り組み状況などについて十分なご審議をいただき、ご意 見を頂戴したいと考えております。少し長めのあいさつになりましたが、私の就任のあいさつに代えさせていただきます。 ○宮武座長 ありがとうございました。この間、運営評議会としては、問題になっております年金記録の件に関しましては、この会議の中では、 その存在あるいはその問題点というのを十分に議論できないままでございました。その点は、私は個人的には深く反省しております。 問題が発覚して以降は、この会議は定例的な会議でございますので対応出来ず、参集者のみなさまも大変ご不満な点があったのでは ないかと思いますが、定期的な開催ということでございましてどうしても後追いにならざるを得なかったということだと思います。 また、今日、新しい長官から、ご指摘がございましたように、検証委員会なり、あるいは監視等委員会等、さまざまな機関が設置さ れましたけれども、この運営評議会は、被保険者の立場で事業計画であるとか、あるいは予算や決算について注文をつけていくという、 非常時対応ではなく、常設として置かれている機関であるということで改めてご指摘いただきましたので、どうぞみなさん、そういう お立場であるということを再確認してもらった上で、忌憚のないご意見を本日もいただきたいと思います。 議事に入ります前に8月の人事異動に伴い、総務部長に吉岡壮太郎部長が、運営部長に石井博史部長が、また、首席統括管理官に貝谷 伸管理官がそれぞれ就任されましたので、ご紹介いたします。尚、石井運営部長は、国会審議のため、急遽、欠席されると伺っており ます。それでは、吉岡さん、貝谷さん、ごあいさつお願いします。 ○吉岡総務部長 8月24日付けで、総務部長に就任いたしました吉岡でございます。どうぞよろしくお願いします。 ○貝谷首席統括管理官 同日付けで、首席統括管理官を拝命いたしました、貝谷でございます。どうぞよろしくお願いします。 ○宮武座長 それでは議事次第に沿いまして、進行してまいります。まずは資料1と2の説明をいただいて、そのあと、ご意見をいただき、あとで 残りの資料については説明をいただきます。 なお、長官は少し退席されますけれども、また戻っていただくということです。それでは事務局よろしくお願いします。 ○栗原企画室長補佐 総務課企画室の栗原と申します。 まず、資料1についてですが、平成18年度事業実績報告書(案)ということです。すでに、ご承知のことと思いますが、社会保険庁 の事業については、平成10年の中央省庁等改革基本法により、厚生労働省から目標を設定し、その事業を行なった結果について厚生 労働省で評価を行なうことになっております。その中で、社会保険庁としては、厚労省から目標設定されたものを踏まえて事業計画と いうのを作り、事業を運営しています。そして、翌年度に、実績報告というのを行い、それを見た上で厚生労働省で実績評価を行うと いうことでして、今回は平成18年度の事業実績報告、厚労省で行う実績評価の前の段階をご審議いただくということで資料を出させ ていただいております。 資料1について、全体の構成としまして、前半8ページまでは事業の概況ということでして、それ以降において、細かい数値やそれに 関しての分析等をしております。今回は、その全体の事業の概況等に沿ってご説明させていただきます。 1ページ目では、全体的な話をしつつ、平成18年度におきました、「国民年金保険料の免除等に係る事務処理の問題」、そのあとに、 19年度に起こった「年金記録問題」について記載させていただいております。 まず、「(1)国民年金保険料の免除等に係る事務処理の問題について」です。平成18年3月、多数の社会保険事務局・事務所にお いて、国民年金保険料の長期未納者のうち、市町村から得た所得情報により、免除基準に該当していることが判明している者に対して、 納付督励をしても納付がなく、免除申請書の提出もない場合に、事務所の方で、本人の意思を確認しなかったり、または、電話で確認 したのみで、申請書なしで免除手続きを行なうといった不適正な事務処理を行なった事案が、「ねんきん事業機構法」等の国会審議の 際に判明したということであります。こちらについては、平成18年8月に報告書を取りまとめ、各般の対応を行なっております。 続いて2ページです。対応の主なものとしまして@ABと書いておりますが、社会保険庁としましては、「法令遵守の意識の徹底」、 「業務の標準化・統一化の徹底」、「事務処理のシステム的なチェック機能の整備」等の対応を措置したところであります。あわせて、 これに関与した職員についての処分等も行なったところであります。 続きまして「(2)年金記録問題について」です。みなさまご存知の通り、今般、判明して問題になりまして、@〜Cで問題点を記載 しております。@は、コンピュータ上の記録で基礎年金番号に未統合の年金記録が5,000万件あるということ。Aは、マイクロフィルム で管理されている旧台帳の年金記録。これはコンピュータに収録されていない記録が、厚生年金で1430万件、船員保険では36万 件あるということ。Bは、コンピュータ上には年金記録があるものの、台帳や被保険者名簿等から正確に入力されていないものがある ということ。最後のCが、保険料を納めた旨の本人申立があるにも関わらず、保険料納付記録が台帳等に記録されていないケースがあ ること。主としてこの4つを柱とします問題が明らかになりました。 これらについては、現在、7月に政府・与党でまとめました「年金記録に対する信頼回復と新たな年金記録管理体制の確立について」 により、@〜Gまでの措置を行なうということにしております。厚生労働省と社会保険庁としましては8月に、どのように進めていく かを「年金記録適正化実施工程表」に取りまとめ、これを踏まえてそれぞれの対策について現在実施しているところでございます。後 ほど詳しい資料によりご説明いたします。 次に、3ページ、2社会保険事業から18年度の事業全体の実施状況を記載しております。簡単にご説明いたしますと、(1)ア「厚 年・政管健保の適用事業所数」については、厚年、政管健保とも、両方とも増えております。これは、後の詳細分析にも書いてありま すが、市場化テスト等を活用しまして、適用の促進の取り組みを実施しておりますこと、それから、経済環境等にも大きく影響されま すので、そういったものによって増えたのではないかと分析しております。 次に、4ページAに、国民年金の話が書いてあります。これは、その反面といいますか、被保険者数が減少しております。イ「保険料 収納事務」では、厚生年金と政管健保の保険料収納率というのが、前年度と同じ水準となっております。一方、国民年金、今回の中で も一番のポイントになるかと思いますが、各班も対策を取り組んでいます。Aの2段落目、平成18年度の保険料納付額は1兆9千億 円、現年度分の保険料の納付率が66.3パーセントということで、対前年度比で0.8パーセント減となっております。こちらの方 は、先ほどご案内しました、不適正事務処理の問題等で、さまざまな対応に追われ、保険料の納付に関する業務に十分に対応できなか ったところです。また、免除等、不適正事務処理の対応の中で、免除承認処理の厳格な施行ということで、事務処理の方法を変えてお りまして、そちらの方の労力がかなり割かれてしまったことで、納付の恒常的な対応が十分に行なわれなかったのではないかと分析し ております。 オ「年金相談等」については、@では、従来から相談受付時間の延長や休日対応等行っております。Aは、年金個人情報の提供という ことで、「ねんきん定期便」というものを、平成19年3月から一部実施しておりますが、後ほどお話あると思いますが、「ねんきん 特別便」という年金記録問題の対応を踏まえたものが始まることから、本格実施は、後ろ倒しにすることになっております。 もうひとつ、平成18年度といいますか、最近で一番多い話としまして、3「社会保険庁改革」があります。前回の通常国会におきま して、「日本年金機構法」が成立し、平成22年1月に社会保険庁は、廃止・解体いたしまして、「日本年金機構」に移行することが 予定されています。こちらの方ではその内容について記載しておりますが、現在は、わかりにくいというお話しもあり、“解体2分割” という言葉を使っております。 これは、7ページの(1)組織改革の中でも書いておるのですが、「全国健康保険協会」と「日本年金機構」と2つの法人に配置して 分けるということです。 これら新しい組織に移るとどうなるか、ということを、@からBで書かせていただいておりますが、ひとつは職員の意識改革を徹底す るということとしております。能力と実績に基づく人事管理を導入することで、このようなことが図られる、ということです。2つ目 としまして、こちらはサービスの向上を推進するということがあります。例えば、親切でわかりやすいお知らせ、電話相談センターや インターネットでの情報提供等、ニーズに応じた業務運営に務めていくということです。3つ目としまして、事業運営の効率化を推進 するということで、これは旧式のコンピュータシステム、レガシーシステムの刷新や、各種チェックの仕組み、事務所への集約化、ま た、業務の民間へのアウトソーシングの積極的実施することで、取り組んでいくということです。 もうひとつ(2)業務改革ということで、こちらの方は、日本年金機構法と同じタイミングで審議されました、事業改善法というのが ありまして、これは今まで、社会保険庁改革にずっと取り組んで来ましたけれども、法律改正が必要な事項について、この法律で措置 をいたしました。 例えば、Aのところになるのですが、クレジットカードによる保険料納付の実施等々が盛り込まれています。これは、法律が成立しす でに公布されていますので、それぞれの施行時期に向けて現在準備を進めている段階です。 「平成18年度事業実績報告書」、この概要以降につきましては、詳細になりますので割愛させていただきますが、以上の通りでござ います。 私からもうひとつ、資料2「業務改革プログラムの取組状況について」も簡単にご説明させていただきます。 「業務改革プログラム」ですが、こちらは平成17年9月に120項目が策定されましたが、その後、段階的に改定を重ね、直近の改 定は平成19年の4月、項目数は160項目となっております。これらについて随時フォローアップを行なっておりまして、今回は第 5回目のフォローアップということになります。前回は、フォローアップというのは平成19年の4月の改定の際に、第4回目という ことで行なっておりますのでその時期からの新しくなった数字等々を織り込んでいるということになっております。 中身自体は、平成19年の4月に改定してから現在まで、それほど特段大きな変更というものはありませんが、それぞれ随時数字を修 正しているものでございます。 資料2−1は、全体の概要となっておりまして、これは今回、新しく盛り込んだ数字のみを入れているわけではなく、これまでのフォ ローアップにさらに上乗せしたものとなっております。 新しい点といたしましては、例えば、1ページですが、クレジットカードを導入して欲しいというお客様の声がございましたので、 これは先ほどご紹介しましたけれども、法律改正により、国民年金保険料の納付方法として19年度中にクレジットカードによる納付 を実施するということにしております。 ページをめくっていただいて、2ページになるのですが、相談時間の延長、これも先ほどご紹介させていただきましたけれども、従来 から時間の延長や休日相談の実施等やっておりますが、19年の6月から9月までの間、平日の相談時間等の延長、土曜のみではなく 日曜祝日にも年金相談の実施を行い、その相談体制を強化しておりました。 また、Dになるのですが、年金電話相談センターの集約化及び総合コールセンターの整備ということで、右の方の「実績」のDを見て いただきたいのですが、19年7月に中央相談年金室を移転しまして、第1コールセンターを設置しております。また、今後、第2、 第3と設置に向けて準備を進めている状況です。 続きまして、3ページの一番下、今後の取り組み、というところをご覧いただきたいのですが、これも、先ほど触れましたけれども、 「ねんきん定期便」の導入ということ、これは従来から予定されており、前倒しして35歳到達者に対する年金加入状況の通知を平成 19年3月より実施して、今回の記録問題の対応を踏まえて「ねんきん特別便」というものに代えて平成19年12月から20年10 月までを目途に実施する。その実施を踏まえて、「ねんきん定期便」自体、全体の実施というのを平成21年4月に延期するというこ ととしています。 4ページ、事務処理の迅速化ということで、こちらの方は従来「サービススタンダード」というのを設定していまして、これは請求書 を受け付けてから支給決定通知書をお届けするまでの所要日数というものを設定して、それが通常の事務処理の日数だということを明 示し、それがどのくらい達成しているかという調査を行なっております。平成18年度を今回公表ということで、参考資料7に資料を つけておりますけれども、おおよそ9割達成しており、引き続き高い水準を維持すると共に、低いものについてはどのように埋め合わ せられるかという点を考えながら、対応していくこととしております。 7ページ、「民間委託の推進」というものには、社会保険庁が取り組んでいる中に、民間委託の推進という大きな話があるのですが、 「取組」の下にあります「今後の取組」という中に、国民年金保険料収納事業につきましては、市場化テストを活用しており、対象社 会保険事務所として、19年度は95箇所に拡大するということとしております。また、「健保・厚年の未適用事業所の適用の推進」 については、国民年金よりもさらに進んでおり、一番下の「今後の取組」に書いてあるのですが、適用促進業務について、すべての社 会保険事業所において、一般競争入札による民間委託を拡大しているところでございます。 以上、簡単ではございますが、資料2「業務改革プログラムの取り組み状況について」ご説明させていただきました。以上です。 ○宮武座長 それではただいまの事務局からの資料の説明について、ご質問やご意見ございましたらどうぞご自由にお出しください。 ○鈴木氏 よろしいですか。 ○宮武座長 どうぞ。 ○鈴木氏 それでは、いくつか思いついた順にしたがってお話をさせていただきたいと思います。 まず、この「18年度事業実績報告書」でありますけれども、これは前回も申し上げたと思うのですが、この報告書は、この次の年度に 対してどういう取り組みをしていったら良いのかというために作っているわけです。今日は10月15日ですから、これはもっと早くで きるようなことを考えてやらないといけないのではないか。そうでないと、正直言って、意味が半減するということではないかと思います。 それから、年金の収支決算というのもここに入っているのですよね。この収支決算というのが、2004年からでしたでしょうか、開始 をして、「これは100年もつシステムだ」ということを言ったわけですが、これに対していろんな意見が出ているわけで、その計画に 対して現状はどう推移しているのか。この年金事業というのはきっちりしているものなのか、やはりまだ、改定が必要なのか、そのあたり、 やはりコメントを出さないと、実績だけボンと出されても、どうなっているのか我々もわからないということがありますから、もう少し そこを丁寧にお願いしたいと思います。 それから今の「業務改革プログラム」も、数値は確かに出ているのですけれども、良くなったのか、悪くなったのかということを、はっき りわかりやすく書く癖をつけてもらえると、我々もありがたいという思います。 それから、「民間委託」のことが書いてあります。これも民間委託が効果的だから拡げるということであるはずですね。前回も申し上げた のですが、前回の資料を見ると、必ずしも最初5箇所あったところというのが決して効果が上がっているわけではなく、トータルすると、 収納率が上がっているわけではなかった。しかし、きっとこれはうまくいくということで拡げてきたのですが、民間委託したら、何がプラ スになったのか。これをやはり、わかりやすい資料を出していただけるとありがたい。 そのようなところをまずおうかがいしておきます。また後ほど、気がついたら申し上げたいと思います。以上です。 ○宮武座長 お願いします。 ○高橋企画室長 総務課の企画室長高橋でございます。1点目と3点目につきまして。1点目の「実績報告書」をまとめる時期、昨年も同じようにご指摘い ただきまして、大変申し訳なく思っておりますけれども、昨年の時には確か国民年金の不適正処理の報告書をまとめる関係でやはり、非常 に遅くなったということでございました。今年も、その反省を受けまして、何とか7月までにはまとめたい、ということで、全体のタイム スケジュール等を組んで5月6月と準備は進めておったのですけれども、年金の記録問題の中で、庁内でいろいろな作業が必要となりまし て、遅くなったことについては重ねてお詫び申し上げます。来年以降、しっかりとやっていきたいと思っております。 また、3点目の、「業務改革プログラム」を組みまして、数字の出し方として、よくなった点、悪くなった点。実績報告につきましては、 数字で、よくなった、悪くなった、というのはその数字が変わった理由を、文章のところで伝えるということにしております。ただ数字が 、上がった下がったというのは、いろいろ多岐的な解釈もありますので、それがなぜか、その反省点はなにか、ということを文章で書くと いうのは、若干わかりにくいところがありますけれども、そういうやり方にしてあります。 この「業務改革プログラム」の内容の資料は、どちらかというと、業務改革がどう進展してきたか、というPR的な数字だけを簡単にまと めただけなので、「これはどのくらいするのだろうか」というように、確かにわかりにくいところもあると思います。 ○鈴木氏 これだけ見ればわかるようにしてもらいたい。全部見ればわかるとて言われても一緒じゃないので。 ○高橋企画室長 わかりました。そのような努力をしていきたいと思います。 ○鈴木氏 はい、よろしくお願いします。 ○宮武座長 あと残りの点も。 ○福本年金保険課長 年金保険課長でございます。年金の収支状況についてお話がございました。参考資料3の12ページから、厚生年金・国民年金の18年度 収支決算の数字が書いてあります。 この収支の状況をどう見るか、年金に関して言いますと、5年ごとの財政再計算において、見通しを作り、場合によっては制度を変え、保 険料それから給付の水準を設定するわけです。それと比べて各年の収支の状況はどうなのだというお話だと思うのですが、18年度に関し て申し上げますと、その収支の状況、結果として、その収支が黒になるか赤になるかというのは、厚生年金・国民年金共に持っております 積立金に影響があるわけです。 厚生年金、国民年金共に2004年の財政再計算においては、積立金を常に取り崩すことによって、給付にあてるというかたちで計画を立 て、18年度の予算においても、そういう計画を立て執行したわけでございます。結果的に黒字であれば積立金がさらに積み増しの形にな り、赤字であればさらに取り崩しという形になります。だいたい、積立金を取り崩すというかたちで計画をし、この18年度に関しては、 財政再計算で検討・計画をしたところにだいたい当たるような推移をしたという状況でございます。 それから「民間委託」のお話がございました。市場化テストに関して申し上げますと、先ほど、資料2の中でご説明しましたけれども、資 料1の方では、「事業実績報告書」、資料1の34ページに「事業実績報告」というかたちで、市場化テストについて書いてあります。 ご指摘にあった通りでございまして、17年度、5箇所実施をいたしまして、モデル的に実施をした5箇所の実績、こんなかたちになって おります。 実際、数値を見ますと、下の表にありますけれども、「要求水準」これは、民間事業者に対して、どれだけの納付実績を挙げてもらうか、 ということの要求というのが、委託する時の目安になり、それに対して、実際の実績というのが、右に書いてあります。これを見てみると、 要求水準に対して、達成率、1箇所を除いて100以上ということでありますけれども、先ほどのお話にもありましたように、実際、納付 率の改善には結びついてはいないということです。それから、もうひとつコストという点で見れば、実際、社会保険事務所がやっておりま したものよりは、この5箇所共に、コストはそれより低いコストで出来ておるということでございます。 実際、この5箇所の結果を見て、我々も、この要求水準、すなわち、それ以前にそれぞれの事務所がやっておった数字そのものをまずはや ってもらうということなのですけれども、さらに、実際に民間の力を利用して、納付実績を上げるということまでは難しいところですね。 なかなか、納付出来ていないところ、納付督励をしなければならないというようなところを重点的にやっていくという意味では、この要求 水準の考え方も変えまして、実際、なかなか納付されていないところに対してどれだけの実績を上げるかという点、あるいはその費用の支 払い方についても今後工夫をしてやっていく必要があると考えております。 ○宮武座長 鈴木委員の質問に、やや答えていない点もあるかと思いますが、どうぞ。 ○鈴木氏 資料をこうしていつも見させてもらうのですが、例えば民間委託するというのは、本来、社会保険庁で50人かかってやっていたのを、50 人を別なところに使って、その50人分を例えば移管する。そうすると、社会保険庁でその仕事をしてきた人の給料分がその仕事から無く なっていく。その代わり、委託分が出て、そして、収納の実績が、今まで100だったものが102になっております、というように出て くると非常にわかりやすいですよね。こう作られていると、そこがちょっとわからないんです。したがって、もう少しわかりやすくしても らいたい。あるいは、50人いるところに10人外部に出したら、60人で、お金は余分にかかるけれどもそれ以上に実績が上がっている とか、そういうことがすぐわかるようなまとめ方をしてもらうと、これはうまくいっているとわかるわけですよね。 今のご説明ではね、正直言って、我々わからないのですよ。うまくいっているのかどうか。民間の力を使ったから、うまくいっているのか どうか。そういうところを、もう少しわかりやすい資料で簡単に作ってもらえばありがたい、ということを再度お願いしていきたい。 ○福本年金保険課長 わかりました。そういうことがわかるようにですね。 ○鈴木氏 そうなっているのですか、本当は。効果出ているのですか。 ○福本年金保険課長 今、申し上げたように、コストとの見合いということであれば、実際、この事業所が従来社会保険事務所でやっていた時より、安いコスト でその時に従来の社会保険事務所がやっていた時以上の収納は上げているということについては事実でございます。数字はそういうかたち で書いておりませんけれども。ただ、それをそのままでいいというか、さらに改善の余地があるかということについてはモデル的に5箇所 ということで始めたものでございますので、実態は我々が分析いたしまして、19年度も拡充する方向で今やっています。ですから、そう いうところに達して行く必要があると思っております。 ○鈴木氏 すみません。もうひとつ、それに絡んで、同じく聞くのですけれども、18年度単年度は、去年よりも下がったと言っているんですね。 だから、民間委託をどんどん増やしていったけれども下がってしまったと。これはやっぱり、なんか、うまくいっていないひとつの証拠じゃ ないのかな、という気がしますね。 それからもうひとつ。この17年度分の2年度分まで入れてやると70を越した、これは非常にいい結果ですね。前年度よりよくなった。 しかしこれは、強制徴収をしたからだというと、これは民間委託していない部分ですよね。そういう意味でね、もうちょっとわかりやすく 出来ないものかとも思うのですが。単純にどうも、うまくいっているというのもどうも信用できないような気がいたします。 ○福本年金保険課長 実際に、民間委託なのですけれども、この17年10月から18年の9月まで、下期から前期までで回しておりますので、この5箇所の 実績というのは、18年の9月までこういうかたちで反映しているということからすると、全体の国民年金の納付の事業からすると、それ ほど大きい割合ではない、ということがまずひとつ言えます。 それから、今、納付率の話が出ましたけれども、納付率についてはこのあと資料4ということでいろいろご説明する用意があります。 18年度は17年度に比べて0.8ポイント納付率は確かに下がっています。で、これについての理由も資料の中で少し触れていますけれ ども、端的に申し上げて、不適正免除の事案が発生し、不適正なものを適正なものに直したこと、要するに事務処理にだいぶ労力を要した というようなことがございます。それから、免除のやり方についても従来に加えて、時間をかけるやり方を慎重に正確にやるというかたち で見直しをしました。 その結果として、戸別訪問の回数、あるいは電話の納付など、職員が労力及び時間をかけてやらなくてはならないところが前年に比べて、 実績が上がらなかった。これが数字に出ております。それが、この納付率の前年に比べてのマイナスということに結びついたのではないか と思います。 ○遠賀氏 18年事業報告の国民年金保険料の徴収実績について、不適正免除処理等のため前年度を下回り目標に達成しなかった、ということであり ます。本年度もまた、年金記録問題等で大変な状況だと思いますが、制度への信頼が損なわれた現状では、さらに未納者が増えるのではな いかと思います。こうした状況の中で当初掲げた、平成19年度までに80パーセントの目標達成は困難だと思われますが、今年度、現在 までの状況をどのように把握していらっしゃるのでしょうか。 年金記録問題について、記録管理制度の信頼を確保する最低条件であり、社会保険庁は年金の記録管理の重要性を十分に認識していなかっ たのでしょうか。未統合の5,000万件の中に、氏名等のない記録が524万件あったとのことですが、そもそも、そういった記録が、なぜ コンピュータに収録されているのか、そういった不備の記録はエラーとしてコンピュータには記録そのものが入力できないと考えるのが普 通だと思いますが、当時のコンピュータの記録管理はどのような考え方だったのか。また、同姓同名、同生年月日であって、他人というケ ースがどのくらいの確率であるかわかりませんが、今回の5,000万件の名寄せ処理にあたって、同姓同名の他人に記録が寄せられてしまう という心配は無いのでしょうか。 ○宮武座長 はい、次の3−1の資料に関係することでございますけれども、じゃあ、今のご質問に、お答え出来ますか。 ○福本年金保険課長 最初の、納付率の関係の答えをいたしたいと思いますが、先ほど申し上げましたが、18年度は、17年度に比べまして、66.3パーセ ント。17年度に比べ0.8ポイント下がっているということであります。それで、この19年度はどうなっているか、というご質問であ りますけれど、19年度は、この4月から6月までの3ヶ月分の納付率の実績が今出ております。4月〜6月まで、いわゆる現年度分の納 付率でありますが、60.5パーセントございます。過日、集計をし、公表した数字でありますが、60.5パーセント。 年度後半に至るにつれて、もちろん納付実績は上がってきますので、年度当初、年度の4月5月6月というのは、低い数字からスタートす るわけですけれども、その、60.5パーセント、昨年の18年の同じ4、5、6月と比べた場合どうか、ということで見てみますと 62.0パーセントでございました。18年の4、5、6月、7月末までの数字として、62.0パーセント。今回はそれが、60.5 パーセントということで、前年に比べて、マイナスのスタートをいたしているという状況でございます。 確かに年金記録問題という事に関して現場でかなりの労力を割かれているという状況でございまして、確かに、厳しい状況でございますが、 年度後半、この実績が上がるようにいたしたいと考えると共に、19年度の目標は目標として進めていこうということで、これに近づけた いと思っていますが、確かに少し厳しい状況であるという認識ではございます。 ○鈴木企画課長 2点目の、年金記録問題の対応でございます。重要性について十分に認識をし、それを事務処理に十分に反映していれば、社会保険の長い 歴史の中でもこういった事態を生むことはなかっただろうと思っております。やはり記録の重要性の認識に基づく事務処理への具体的な反 映という面で欠ける点があったことをどういう風にきちんと受け止め二度と起こさないように今後に生かしていくか、と、このように問題 を捉えております。 具体的なお問いかけとしまして、氏名等のない記録につきまして、なぜそんなものが入っていたのかということも含めてございました。 昭和60年度以降、オンラインシステムになりまして、コンピュータに直接入力が出来るようになったのですけれども、その段階ではこう いった基本的な項目の入力が欠けておりますと、そもそもコンピュータに入れることが出来ませんので、おそらく、古い時代の記録を現在 のコンピュータに持ち込む時に、氏名等が欠けたまま持ち込んだ、という問題だろうと考えております。当然、データを移行するときに、 きちんと補正をすべきものであっただろうということでございます。 ただ、これもすでに報道等されてございますけれども、この、氏名等がない記録につきましては、サンプル調査をいたしまして、払い出し 簿等によりまして、一応、全部補正することが出来たということでございまして、現在、名寄せにあたって、これを全件補正すべく、1件 1件全国の事務所で再読しているという段階でございます。 それから、同姓同名同一生年月日の方。これ、日本はかなり広うございますので、かなりいらっしゃるということでございます。私ども 名寄せをするにあたりまして、まず、この3条件での名寄せを致しますと同時に、期間の重複チェックをさせていただく。例えば、同姓 同名同一生年月日の方が、2人あるいは3人いらっしゃった時に、この5000万件の中で見つかった記録が、例えば、その3人の候補者の 中のすでにある方のコンピュータに収録されている期間と重複していれば、重複をしている期間を持っている方の記録ではないだろう、 したがって、欠けている期間の方の記録なんだろう、ということが推測されるわけでございまして、そういったフィルターをかけるとい うことがございます。 それから、名寄せをした結果、一番大事なのは、ご本人に、この記録ズバリをお知らせするということではなく、該当する方に他に記録 がある可能性が非常に高いのですけれども、それで、私共の方にご相談をいただきたい、というお問いかけをし、私どもと、対話をして いただいた上で、ご本人の記録だと確認できた場合に統合する。こういう手順を踏んでまいりたいと思っておりまして、まさに、ご懸念の、 人のところに他人の記録がついてしまうということはくれぐれもないように注意してまいりたいと思っております。 ○宮武座長 他によろしゅうございますか? ○紀陸氏 お願いします。 ○宮武座長 どうぞ、ご自由に。 ○紀陸氏 2件おうかがいしたいのですけれども、ひとつは、資料1、ちょっと細かい点ですけれども。保険事業とか、福祉施設事業に関連している 点で、資料1の51ページの下の方のAでございますが、「厚生年金病院・社会保険病院の見直し」という項がございます。 「目標達成に向けての取組状況」で、保険事業・福祉施設事業、特に私ども、地域人事に、厚生年金病院や社会保険病院の運用に関して 見直しというのは非常に関わりが出てくると思っておりまして、ここで、「地域の医療体制を損なうことがないよう、十分に検証した上 で策定」と、厚生労働委員会の附帯決議が出ていたと思いますが、その、整理統合について検討を行なったという表記がされておりますが、 これは今後どうなるのか。ある程度のことは私どもも、承知をしておりますが、今の検討状況とかこれからの見通しにつきまして、おうか がいしたいと思います。 もうひとつは、資料2−2の10ページから11ページにかけて、「事務処理の標準化」という事項になります。このように、ばらばらで はなくて、事務処理を標準化・統一化することは非常に必要なことだと思いますが、17、18、19年とこれから19年になるんでしょ うけれども、それぞれいろんな項目がありますが、この、統一化について、実際に取り組んだ後に、各県ではいろいろな苦情なり、あるい は事務所ごとに要請が出ているものもあるのではないかとも思うのですね。そんなことで、特に、対象になっている地域からの反応や声が ありましたらお聞かせいただきたいと思います。それを十分踏まえないとなかなか統一化とか、標準化とか言っても、スムーズに実現でき るものばかりではないのでは、と思うので。おうかがいしたいと思います。 ○宮武座長 厚年病院の方から。 ○松岡医療保険課長 医療保険課長でございます。社会保険病院及び厚生年金病院につきましては、20年10月の政府管掌健康保険の全国健康保険協会への移 管の前に、その取り扱いについて整理する必要がございまして、現在具体的な方向性の整理が急がれているところでございます。 平成17年の独立行政法人「年金・健康保険福祉施設整理機構法案」の審議の際に先ほどございましたように、衆議院の厚生労働委員会の 附帯決議で「地域の医療体制を損なうことのないように」とされていることを踏まえまして、社会保険病院、厚生年金病院が、現に地域に おいて果たしている役割をどのように維持していくかということを念頭に置きまして、その整理合理化を進めていくことが求められていく という認識しているところでございます。 まだ、整理・合理化計画とうたっておりませんけれども、いずれにしても、今後、各班のご意見を踏まえながら、整理合理化計画を取りま とめてまいりたいと考えているところでございます。 ○宮武座長 よろしゅうございますか。 ○紀陸氏 これはそうすると、新しい保険協会が出来る前までに確定して、実現をさせると、そういうことなのですか。特に、自治体への売却とかと いうのがあるのですよね。これはいつごろ執行になりますか。 ○松岡医療保険課長 病院の医療機能をどうしていくか、という議論がいろいろありますけれども、その点についてはまだ方向が出ているわけではございません が、健康保険協会の移管の前に、この方向性、どういうかたちで進めていくのかということをまとめていくことが必要になると考えており ます。 ○宮武座長 もうひとつ回答いただくのは、「事務処理の標準化」のことでございます。 ○宮本サービス推進課長 サービス推進課長でございます。ご指摘ございました「事務処理の標準化」につきましては、資料の28、29にございますような、「全 国統一の業務マニュアルの作成」と、それから、昨年、昨年10月からの適応ということで、現在このマニュアル作成を全国の事務所で事 務を処理しておるところでございます。 ただし、ご指摘のように、マニュアルを1回作ってしまったらそれでおしまい、ということはございませんので、その内容につきましては、 その時の条件等を見ながらその内容を随時改定したいと考えております。また、その際には事務所、事務局に関しましても、内容等につき まして相談するということもしていきたいと思います。また、一番下32の項目にもございますけれども、内部改正提案制度というかたち で、「ナレッジマネジメント」もやっておりますが、この中で、もしマニュアルに引き上げることが出来るものにつきましても、それにつ いても、マニュアル化ということも検討していきたいと考えております。 ○宮武座長 よろしゅうございますか。小島委員、どうぞ。 ○小島氏 18年度の事業報告ということでありますので、これは、今、問題になっております年金記録5000万件の問題が発覚する前に、すでに決 まっていた事業計画に基づいたものということなので、いわば、従来の社会保険庁の日常業務に対する目標と実績ということになります。 現在の年金記録問題を含めた問題については、この18年度の事業報告には出てこないということだと思います。 資料1の51ページにあります、厚生年金あるいは社会保険病院の整理合理化問題ですけれども、これについては、本来は18年度中に 結論を得るというのが政府の方針だと思います。それが、延び延びになってきているということでありますが、ここ51ページにありま すように、関連法案を議論した時の国会の附帯決議にあるように、地域の医療体制に十分配慮する方向性でまとめていただきたいと思い ます。 それと、この18年度の事業結果報告の中で、国民年金の納付率の問題で、民間委託の活用ということで、資料の34、35ページのと ころに記載をされています。34ページのところには、17年度における民間に委託をした5箇所について、要求水準と納付月数の実施 結果は、1箇所を除いて、一応、100パーセントを超えており、要求水準についてはほぼ達成しているということです。しかし、結果 的には、納付率の改善状況については思わしくなかったということでしょう。 質問です。34ページ、5箇所の民間委託者実績結果の上に、民間委託の活用のところに、なお書きがあります。「納付率の改善状況は いずれも低調であった」ということなのですが、この表現の意味合いです。「納付率の改善状況はいずれも低調であった」ということは、 納付率改善には必ずしもつながっていない、という意味合いで使っているのか、多少納付率改善には寄与したけれども、それほどではな かったということを言っているのか、この意味合いがよく理解できないということが質問です。 それから、5箇所で民間に委託した場合の「要求水準に対する達成率」が、弘前から各項目があって、一番右側に、同一社会保険事務局 内の、他の保険事務所との達成率との比較が出ております。そうすると、これは、他の比較をすると民間委託した1箇所、大阪(平野) 以外は、達成率が上回っているということで、そういう意味ではそれなりにこの5箇所については目標水準を達成しているというような 評価をしているんでしょうか。 そのことについては、必ずしも評価の記載がされていないが、どう評価するのか。納付率改善状況はいずれも低調であったという説明の 趣旨はどういうことなのか。 ○宮武座長 お願いします。 ○杉山年金保険課長補佐 年金保険課の杉山でございます。ただいまご質問のありました、まず、実績報告の「なお書き」のところの「低調」でございますが、 17年10月〜18年9月でございます。18年度の納付率ということで申しますと、17年度10月から、18年4月までの途中段階 での数字での比較ということになります。納付率の改善状況が他の社会保険事務所と比べまして、いずれの地区も若干下回っていました。 したがいまして、上回ったところと下回ったところという意味ではありませんで、全体として、納付率の改善には結びつかなかったという 意味合いであります。 しかしながら、その要因として、必ずしも、事業者だけに責任を負うことが出来ないという点で、何点か、私ども反省をしておりまして、 ひとつは納付率というのは、免除の進み具合、また、収納月数の進み具合、両方であります。市場化テストの代表となった社会保険事務所 につきましては、そのうちの免除の進捗というのがあまり思わしくなかったということもございまして、それが納付率へのマイナスの反映 になっているという点が1点ありました。 それから、先ほど、福本課長から申し上げましたが、要求水準の設定そのものが過去の社会保険事務所が獲得をした数字を要求水準として 設定していただくという目標設定となっていました。一方、社会保険事務所は80パーセントという納付率を目指して、もう少し上の高い レベルの納付月数を目指して進むという構造にございまして、もともと民間の事業者に求めた要求水準そのものが、過去の実績値で良いと いう設定になっていたということで、納付率そのものに追いついていくという状況に、設定そのものがなっておりませんでした。 また、初めて実施をいたしましたので、これらの事業は、例えば、強制徴収や免除は社会保険事務所がいたしますが、それ以外の納付督励 は民間事業者にしていただきます。お互いに情報交換をして実施をすべきでございますが、スタートが、モデルという事ではございますけ れども、官民競争入札ということで、官と民が競争していくという意識がございまして、必ずしも社会保険事務所と民間事業者との連携が うまくいかなかった。お互いがそれぞれ、といったような状況であったために、思うように連携がとれずに進まなかった。 そのような3点、反省をしておりまして、民間事業者そのものがなかなかできなかったという点はございますけれども、私どもの仕組みと または連帯の仕方、そういったことも影響があって、納付率全体にはなかなか反映できなかったということだと思って居ります。 しかしながら、ご意見がございましたように、要求水準そのものの達成割合は決して悪くないようでございますし、コストも、非常に低い ということでございます。全体の評価としては、一定の評価を出来るのではないか、といったようなことが、このような記述にしていると いうことでございます。 ○宮武座長 よろしいでしょうか。さきほどの鈴木委員のご指摘とも重なって、よくわからないということで、もう少しわかりやすい比較というものが 出てくるとありがたいということが共通だと思います。よろしくお願いします。どうぞ他に。はいどうぞ。 ○井戸氏 今、保険料のことについて話されているのですけれども、平成18年と平成19年を4月〜6月で比べると、マイナス1.5パーセント下 がったということですね。 よく質問されるのが、「払っても、年金制度が大丈夫なのかどうか」ということです。資料2−1の5ページなのですが、短期的なことと いうのは、今行っているような内容のことでいいと思うのです。ところが、長期なことを考えると、ここに書いてありますように、中高生 の教育や大学生のセミナーが必要だと思いますが、セミナーは22の大学でしかしていません。なぜ、すごく実施数が少ないのかというこ とをお聞きしたいです。 それから、その内容なのですが、おそらく仕組みとして「マクロ経済とはこういうことです」といったお話をされていると思うのですが、 できれば、安心できる年金なのかどうかということ、積立金を2004年度から取り崩すこと、いくらずつ取り崩し、結果こうなるという ように、具体的な数字を見せてあげる。大学生だったら、十分理解できることだと思いますので、そういうような教育が必要じゃないかと いうことです。 それから、みなさん2004年の改正の時に所得代替率が50.2パーセントになるということはよくご存じなのですが、いま一度、年金 はどのようなかたちになっていて、どのように取り崩していく、また、保険料についても、私たちが払うことによってこのようになってい くということを、なるべくわかりやすく、具体的な数字をもって示していただきたいと思います。 ですから、具体的にわかりやすい広報、社会保険庁として数字を出していただきたいという希望と、あと、教育関係について、今、どのよ うにされているのか、ということをお聞きしたいと思います。 ○福本年金保険課長 資料2−1、5ページの年金教育・広報の関係でのご質問、ご意見をいただきました。 我々が、教育・広報の柱として行っていることは、ここに書いてあるようなことでございます。パンフレットやチラシについては、社会保 険事務所の窓口に置く、手続きをしていただく際に解説を同封する、あるいは中学生高校生に対しては年金セミナーという形で、社会保険 事務所や学校先生のOB、あるいはその学校の現役の先生などが社会科の教育の時間なりを使って教えていただくというようなやり方でご ざいます。それから、大学生を対象とした年金セミナー。大学生の場合には、その地方の大学の先生にお願いをして講演をしていただくと いう形が主であります。そのほか、ここに書きました3番目のようなものも行いながら年金教育を展開しております。 ご質問いただいた大学に関して申し上げますと、これは地域で社会保険事務局、事務所から大学に呼びかけて、その時間を大学で設けて講 演の時間を作っていただくということなのですけれども、なかなか時間が取れないというようなことで、今の実績は22大学となっており ます。今後も、できるだけ大学側に理解いただきたいと思っております。 また、内容についてですが、大学については大学の先生にお願いする場合が多いのですが、中学生高校生を対象にしたセミナーに関しては、 副読本をこちらで作り、また、中学高校の先生方にお願いする場合には、その先生方にお集まりいただいて、生徒に教えていただきたい内 容について、社会保険事務所からお話をしております。その中で、今申し上げたことを行っているところでございますが、ご指摘をいただ いたようなことも含めて、年金が安心して役立つものだというようなことがわかるように、工夫していきたいと思います。 ○宮武座長 よろしいですか?はいどうぞ。 ○加納氏 年金記録問題の資料3の説明が終わってからにしようかなと思いながら聞いております。 この中で、私、5000万件の年金記録の解明というのが、果たして現実的に出来るのかなとずっと考えて、マスコミの記事など読ませていた だいているんです。 この5000万件の問題の年齢層というのはどうしても高齢者が多いんじゃないかなと思います。年金を受給されている方もいるし、それこそ 認知症の方、施設に入ってらっしゃる方もいるし、また、病院に入っている方もいる。子どもと同居して、前の住所にはいらっしゃらない 方もいる。いろいろな生活の体系が関わってきているこの年齢層の方をいちいち解明して3月までに出来るのかどうか。 その作業とエネルギーが、必要なのかどうか、こんなこと言ったら叱られるかもわかりませんが。これをしないと先には進めないのかなと 思います。なんだか、このマンパワーがもったいないなんて思ったりします。 私たち受給者にも責任があると思うんですよね。お任せしていた側の責任、私自身も「もう、これは大丈夫だ」と。「さあ、65歳よ。 これからはもらう番だ」というようなことで、損得を一生懸命に計算をいたしましたけど、もらってしまえば、もうお任せになってしまう。 このような意識の方たちに、この解明が果たして必要なのか、なんて言ったら怒られますね。 なんていうか、ここにこだわるのではなく、もっともっと、大事なこと、先のことをみなさんで考えていただきたいなと。ある程度、3月 を見切りとして、できるだけのことはしていただき、そして、私たちも自分の方から、これはおかしいという声を上げていかないと、「い つか私のところに聞いてくださるわ。それまで待とう」という意識の方、そういった方がほとんどだと思うんですが、その方たちを相手に みなさん、大変だろうし、何か良い方法はないものか、と思っています。例えば、地域で、自分の方から確認をし、おかしいと思ったら、 身近な社会保険事務所に問い合わせなさい、という声かけくらいだったら出来るかなといろいろ考えております。 ただ、これ本当に出来るのかということをお聞きしたい。本気でやるつもりでいらっしゃるのでしょうか。 ○宮武座長 大変核心をついたご質問でございます。本人の責任や、一定程度申請主義でなくてはならないというところは当然あるわけですけれども、 そういうことも含めましてご回答願いますか、それとも、資料3−1の次の問題と絡んで、全体的に説明していただくのか。それはどちら でも結構でございます。 ○鈴木企画課長 もしよろしければ、お時間もございますので、まず、資料3をご説明申し上げる中で、重なるところがございましたらご説明してまいり たいと思います。 ○鳥井企画課課長補佐 企画課長補佐の鳥井と申します。それでは私の方から、年金記録問題、国民年金保険料の納付状況及び平成18年度の収支決算の3点につ きまして、説明させていただきます。時間が限られておりますので、ポイントを絞らせていただきます。 まず、資料3−1でございます。「年金記録問題について」ということで、資料を取りまとめさせていただきました。ポイントのなるのは、 3と4と6ですので、これらを中心に説明をさせていただきます。 2ページをおめくりください。今回の年金記録問題につきましては、基礎年金番号に統合されていない未統合記録が5000万件あるというこ とが問題化したところであります。5000万というのはご承知の通り、平成9年1月に基礎年金番号を導入して、これまで年金手帳記号番号 の統合を行なっており、現在までに、2.5億件の統合をいたしましたが、残り5000万件が未統合のままに残っているという問題です。 これに対しまして、3ページ「年金業務刷新に関する対応策」といたしまして、7月5日に政府与党のとりまとめが方針として出されたと ころです。説明は省略いたしますけれども、大きなポイントとしては、1と2で、年金記録の名寄せを実施して、その結果記録が結びつく と思われる方へのお知らせを、20年3月までを目途に行なう。それから、それ以外の方についても、20年5月までには、年金受給者の 方々に、それから、現役加入者の方々には、20年10月までに加入履歴をお知らせするということでございます。そのほか、コンピュー タの記録と、台帳等の計画的な突合せを行なうこと等々の方針が、政府与党の方針となりました。 4ページ、ただいまの7月の方針を受けまして、厚生労働省におきましては、8月に対応方針とスケジュールというのを工程表として公表 いたしました。ポイントといたしましては、まず、1の名寄せのためのシステム開発を11月目途に完了する。それから5000万件の記録の 内容については、解明作業に着手をするということです。 それから、2は、「ねんきん特別便」及びその後の「ねんきん定期便」の具体的な内容等を明らかにしたことでございます。3は、「コン ピューター記録との台帳等の突合せ」、これは平成20年度以降に国民年金の特殊台帳から着手して段階的に実施すると、こういう方針を 示したところです。それから5は、「相談体制の拡充」ということで、ねんきん特別便がこれから送付されるわけですけれども、相談の増 加に十分対応できるような相談の体制を着実に整理するということでございます。 先ほどの解明の話、6ページのポイントといたしましては、名寄せと並行した解明と、名寄せ後の解明がございまして、名寄せと並行して 行なうこととして、民間の専門家チームと連携して、解明の作業を出来るだけ行うということがあります。また、名寄せ後の解明といたし ましては、基本的には「ねんきん特別便」とそれをきっかけとしたお問い合わせということで解明が進むことになると考えますが、それで も、残されたものがありますので、これにつきましては、引き続き徹底して行なっていくというような方針を出しております。 それから7ページは、今ご説明した一連の対策を出来るだけ国民のみなさまの立場から整理して見た図です。まず、左側の5000万でござい ますが、この中身としては、名寄せの結果結びつくであろう記録、他に、脱退手当金支給済みの記録でありますとか、死亡者の記録も含ま れます。これにつきまして、名寄せを行なって、その後、名寄せが結びつくと思われる方、ローマ数字のTのところですけれども、これに ついてはお知らせを行なって、ご本人による確認を通じて記録を結びつけていくということです。それ以外の方々、これは受給者・現役加 入者の方々につきましても、段階的にお知らせを行なっていきます。それをきっかけにして、お問い合わせをしていただき、おひとりおひ とりの記録の確認をさせていただくということにさせていただきます。この一連のプロセスによって、給付に結びつくもの、あるいは必要 な記録、また、それ以外の方も記録をしていくということでございます。 次の8ページは、先ほど、鈴木企画課長から説明をさせていただきましたけれども、名寄せを行なう時に名前等がない記録が問題になりま して、これにつきましての対応状況です。これらの記録が524万件抽出されておりますので、現在、1件1件、社会保険事務所にある資料 を参照して補正していくという作業を現在しているところでございます。12月末までには完了して、スケジュールどおり名寄せをしてま いりたいという予定でございます。 続きまして、いくつか省略いたしますけれども、14ページは、名寄せの作業の中身についてです。第1次、第2次と行なう予定をしてお り、第1次につきましては、左側のような方向で行ないます。第2次においては、より条件を緩めて、名寄せを行なう予定でございます。 次は、16ページ「ねんきん定期便」の内容です。「ねんきん定期便」は平成21年から定期的に行なうこと行なうこととさせていただき ますけれども、基本的には従来から予定しておりました「年金見込額」、それから「加入期間」、「納付額の目安」を送らせていただきま す。これに加え、当分の間は「加入履歴」や「標準報酬月額」をお知らせする予定をいたしております。 続きまして、17、18ページです。これは年金記録の相談の状況ですが、18ページをご覧いただきますと、特別相談体制というものは 18年8月からとっておりますが、18年8月から19年3月までに累計で約215万件、6月まででは、約400万件という相談が寄せ られています。このうち、下段につきましては、記録訂正の状況を調査したものですが、オンライン上に納付記録がないけれども、記録訂 正を領収書などで行なったというのが450件程度あります。 最後は、19ページ「社会保険庁に関係する各種機関」です。一番左「検証委員会」につきましては、秋に報告書をまとめるということで、 現在審議をおこなっているところです。左から2番目、「第三者委員会」につきましては、少し数字が古いのですけれども、7月から逐次 審議を行なっておりまして、粛々とこれは進めているところです。左から3番目、「監視等委員会」につきましては、7月25日から3回 にわたって、審議を行なっているところです。 そのあとは、各種機関の概要で、これについては省略させていただきます。 次に資料3−2、3−3でございますけれども、先ほどご説明いたしました8月末の厚生労働省の工程表でございます。なお、この工程表 の進捗状況につきましては、わかりやすくまとめたものを社会保険庁のホームページに掲載して、随時更新をいたしております。 続きまして、資料4の「国民年金保険料の納付率と今後の対策」です。まず、1ページをご覧ください。18年度の状況につきましては、 推計ですけれども、未納者322万人、未加入者は18万人と推定しております。これは、加入者全体の約95パーセントが、免除、猶予 も含んだ場合での保険料納付をしているという全体の状況になっているということでございます。 次に、3ページをおめくりになっていただけるでしょうか。よく、お話が出てございますけれども、平成18年度の納付率は66.3パー セント。対前年度比0.8パーセントマイナスでございまして、目標納付率、74.5パーセントを下回る結果となっております。 続きまして、5ページ、これに対する対応策と取り組み状況とその結果です。これが「対応策のスキーム」です。左側の方で、まず、「納 めやすい環境作りの整備」ということで、これにつきましては、ご覧いただくとわかりますように、コンビニ納付やインターネット納付が 増えているという状況にあります。 他方は、未納対策ということでございますが、先ほどの説明にありました通り、中ほどのところにありましたけれども、職員による督励活 動というのは総じて、十分に実施することが出来なかった、という状況にあります。その理由といたしましては、免除等の不適正事案の事 後処理に労力を要したということ。それから免除の承認処理方法を厳格にしたということで、このような結果になったと分析をいたしてお ります。下の方でございますが、免除等の勧奨についても、対前年度に比べると実施件数は少なくなっております。 他方、右上の方ですが、電話納付督励の外部委託、国民年金推進員のメンバーによる納付督励の成果主義の導入、あるいは民間の活用とい ったものを行なって、強制徴収へ要員をシフトするということによりまして、強制徴収の実施件数を増加しております。結果といたしまし て、最終催告状の送付件数は17万から31万に増え、差し押さえの件数も1万を超えるという結果になっております。 続きまして、8ページです。今後の対策をまとめたものです。「所得情報の早期・確実な取得」、「属性に応じた対策の展開」、「市場化 テストの拡大」及び「個人別・実績ベースの進捗管理」等の取り組みを行い、納付率の向上を目指すこととします。 続きまして資料5の「18年度収支決算」につきまして、簡単にご説明させていただきます。まず、1ページ目でございますが、政管健保 の収支決算につきましては基本的には平成15年の法改正以来、黒字基調に転換しております。収入面では被保険者数が増加することによ り、最近、微増傾向にあります。支出の面を見ますと、制度改正で老人保険制度の対象年齢が引きあがったことを踏まえまして、老人保険 の拠出金が減少しているということでございますが、その代わりに、退職者拠出金が伸びているということで、支出もやや増加傾向にござ います。その結果といたしまして、平成18年度の黒字幅はかなり縮減をしておりまして、今、1000億強程度であるということでございま す。 続きまして2ぺージの「船員保険」につきましては、これは、被保険者数の減少があり、収入支出共に減少傾向で推挙しているということ でございます。 続きまして、3ページの「厚生年金保険の収支決算」です。先ほど説明がございましたけれども、平成17年度に収入支出共に増えており ますのは、旧年金資金運用基金の住宅融資を廃止したことに伴い、財政融資資金を繰り上げ償還したことが特殊要因でありまして、この4 兆円程度を除いて見ていただくのがいいのだと思います。平成18年度につきましては、保険料収入が増加した他、積立金の運用収入が、 対前年度比で1兆円ほどございましたので、収入が増えております。受給者の増に伴い増加しておりますが、収支差は1兆円ほどが出てお ります。 次に4ページでございます。「国民年金」につきましては、これは17年度に3000億円ほどの特殊要因がありますので、それは差し引いて ご覧いただきたいと思います。収入支出共に、微増している、やや増えているといった状況でございます。以上でございます。 ○宮武座長 では、先ほど、加納委員からのご質問がございました。 作業としては、持ち主不明な5000万件名寄せをしていくさまざまな方法は、事務的には処理がなされる期日は決っているわけですが、それ ぞれ持ち主がどこに居られるのか、ということまで詰めていくと、いったい、いつまでかかるのか、その辺りはどうかということが質問の 中心だったのですが、いかがでしょうか。 ○鈴木企画課長 加納委員からのご指摘は、本質的な御指摘であろうかと思います。 私どもはまず、この5000万件に対応する基本的な姿勢としまして、一番の問題は社会保険制度の一番大事な部分であります記録に対する 信頼性を失わせてしまったこと。この回復はなんとしてもしなくてはならないと思っております。 この中で、5000万の記録というのは、コンピュータ上、基本的には、保険料をお支払いいただいたという形で残っているものでございます ので、まずは、これを本当にお支払いいただいたものについては、給付に結び付けていくという作業を徹底的にやらなくてはいけないと 思います。 この作業を徹底的にやってまいります過程で、先ほどの説明にもございましたけれども、すでに、一時金を支給した後の、いわば、痕跡と して残っているような記録も、5000万件の中には混じっている可能性がある。あるいは、すでに亡くなった方の記録も混じっている可能性 がある。本当はそういうものが事前に全部、統計的に分かれば望ましいのですが、コンピュータシステムがレガシーシステムであるという ことも含めまして、なかなかそこの説明責任が果たせていないところが、今日の不審を招いてしまった原因の一端でもございます。したが って、給付に結びつけるものは徹底的に結びつけて、その中で、結び付けられないものも分かって参りますので、そういったことの全容を 国民の目に分かりやすく示していく。これが5000万件の解明の作業だと思っています。 まさにご指摘のように、これを最後まで終えるのはとても3月までというわけにはまいりません。かなりの時間がかかってまいります。 その中のひとつの目安が3月までに名寄せをした結果を、分かる方にすべてお知らせすること、これは必ず3月までにやらせていただくと いう風にご理解をいただければと思っております。 あと1点でございますが、解明をしていく上で欠かせないのが、国民の皆様のご協力でございまして、先ほどご指摘ございましたように、 いくら呼びかけても、お答えをいただけないと、なかなか結びつきあるいは解明ということに至って参りません。そこで、私ども、いろい ろな広報も含めまして、まずはお知らせをし、それをきちんと受け止めていただき、ご自分の記録をきちんとご確認いただく。そういった 形でご協力いただくことを通じまして、5000万件の結びつけと解明を最後までやりとげてていきたいと思っています。 ○加納氏 その記録をきちんとすることによっての“信頼”、それが一番大事だと思うんですよね。これが、納付率を下げた大きな原因を作っている かと思いますので、やはり、国民に信頼と、それから将来への安心、これをしないと納付率は上がっていかない、ということはよく分かり ます。 国民の私たちも、この際、自分のデータを確認するという協力が必要ですし、全体として、その辺りの呼びかけも、何かの機関をとおして、 もっとやっていただかなければ、盛り上がりがないと思います。ここまでいろんな問題が出たことは、ある意味かえってよかったなと思う んですよね。だから、この際、ボタンの掛け違いというか、これを原点にもどして、これからは自分たちの年金の問題として考え、協力し、 お互い支援して行こうという気持ちに国民全体がなるような方法や工夫を考えていきたいなと思っております。ただいまのお答えで、それ はそれで、結構でございます。 ○宮武座長 いかがですか。後は資料6と参考資料の説明までをやっていただけますか。その上で、ご意見を賜ることにいたしましょう。 ○戸田企画課長補佐 資料6の説明をさせていただきます、戸田といいます。 「平成20年度社会保険庁概算要求の概要」でございます。特別会計におきまして、平成19年度から従来の厚生保険・国民年金、2つを 統合いたしまして、年金特別会計ということになっております。年金特別会計と船員保険特別会計と、両方あわせて、73兆773億円を 要求しております。そのうち、国庫の要求額につきましては、中ほどにもございますように、7兆7185億円ということで、対前年度、 約2100億円減少しております。この減少の要因は、この、国庫負担には年金の給付費の国庫負担と、政管健保、医療費の国庫負担がご ざいまして、医療費の国庫負担の方が、政管健保が、全国健康保険協会に来年10月に移行する関係で、その給付自体が半年分しか継承し ないということから減少ということになっております。一般のケースであれば、年金受給者はまだ増加しておりますので、実際には増加傾 向にあるということであります。 それから、(2)の各勘定別の収支でございます。特徴としては昨年と同様に、国民年金勘定・厚生年金勘定・健康保険勘定、それぞれ収 支差のところにございますように、積立金を取り崩ししております。年金については、まだ、制度改正の影響がまだ現れておりませんで、 もう数年経ちますと、今回の制度改正の影響が出まして、収支差についてはトントン位になると思っております。 それから、2ページでございます。ここから、概算要求の主要事項となっております。今回の要求につきましては、記録問題の関係で、い ろいろと対応が必要だということで、まず、記録問題をメインに。それから、法律改正もございました、日本年金機構への移行、等々を重 点課題としております。事業運営費全体では、4628億円の要求ということで、対前年に比べまして185億円の減少となっております。 ただ、(1)にございますように、年金の記録問題の対応につきましては、来年度の全体の対策経費が固まっておりませんので、今後の過 程において、具体的な内容を定差していくことにしております。それから、方法としては、そこにあります、「日本年金機構発足へ向けた 組織改革」ということで、移行のための準備経費等々を考えております。 3番目は「業務改革推進」ということで、主には、国民年金の収納対策、それから、社保険オンラインシステムの見直しということについ て。以上が主要事項の内容でございます。 組織改革につきましては、日本年金機構の成立、政管健保の公法人化ということで、両方とも、主には、新たな業務システムの構築という ことになっております。次、3ページ。「業務改革の推進」でございます。ひとつは、住民基本台帳ネットワークシステムを活用した現況 届の省略、また、裁定請求書の事前送付、ということで、サービス向上を図ってまいります。 次のページでございます。「保険料の収納対策の強化」につきましては、今年度から始まるクレジットカードによる納付が2年目を迎えま す。それからその下の3つ目でございます。「民間委託の推進」。ひとつは「公共サービス改革法に基づく国民年金保険料収納業務の民間 委託の実施」ということで、対象事務所を95箇所から、185事務所に拡大をしてまいります。 それから次のページでございます。「社会保険オンラインシステムの見直し」につきましては、18年から続けておりますので、3年目に なります。1461億円を予定しております。 次のページでございます。「その他」の中では、真ん中で「調達コストの削減」というのは具体的には、その、予算の中では現れてきませ んけれども、引き続き、経費の無駄の徹底排除ということで取り組んで参りたいと思います。以上です。 ○鳥井企画課課長補佐 最後に参考資料の関係でございますが、これまでご説明したことと重複いたしますので、省略させていただきます。 2点だけ、参考資料8につきましてですけれども、「窓口のサービス」調査の満足度調査を昨年の1月2月に行いましたので、その結果を 入れております。それから参考資料の9については「適用の適正化対策」ということで、その実績をまとめております。後ほどご覧にいた だければと思います。以上でございます。 ○宮武座長 それでは、説明はすべて終わりました。先ほど説明がありました、3−1の年金の記録問題以降について、ご質問なりご意見があればなん なりとおっしゃってください。どうぞ。 ○井戸氏 お願いになるんですけれども、ねんきん特別便が始まると、やはり相談者の方がすごく増えると思います。今、社会保険事務所は、すごく 対外的に厳しい状況で、時々、すごく感情的になっているところもあります。 職務に忠実な職員さんが多いわけですから、これから組織を支える30代40代の方のモチベーションが下がらない方法、組織の活性化と いうのも大変だとは思うんですけれども、何か社会保険庁の方で作ってサポートしてあげるというのことも非常に大事ではないかと思いま す。 ○宮武座長 もっともなことと思います。大変な過去の不良債権の処理と、新しい組織を作る両面をやっていかれるわけですから。これは大変だと思い ますけれども。何か、その辺りのところ、考えがございますか。 ○高橋企画室長 企画室長です。昨年も、国年保険料免除の不適正処理後のモチベーション対策ということで、「私のリスタートプラン」を全員で書き、 それを職場で議論するというようなことをやって、今年の4月に一度、取りまとめたものをみんなの議論の成果だということで、取り組ん でいこうということをやってきました。 また、それから半年経ちまして、取り組みの状況、このような新たな事案の中で、今考えておりますのでは、今年の春にみんなで新しい 組織のためにやっていこうとして作ったもの、これは現場でどう出来ているか、というようなことをアンケートをやってみたり、または、 職員の本当の気持ちをもう一度アンケートで集めて、それをまた議論していこうと。このような取り組みを今年から年末に向けてやって いきたいと思っております。 ○宮武座長 どうぞ、ご自由にご発言ください。どうぞ、鈴木委員。 ○鈴木氏 私の理解のためにこれをちょっとお伺いしたいんですけれども、この、年金記録問題というのをどのように今までみなさん、捉えてきて こられたのでしょうか。 これ、歴史がある問題なわけですよね。「こういう問題があるんだ」と、よって、名寄せもしなくちゃいけないし、まだマイクロフィル ムや紙の媒体であって、コンピュータの中に入っていない、こういう現状は分かっておられたと思うんですよね。そういう中で、「ねん きん定期便」をやろうということで、着々と進んでこられたわけだから、この問題も何らかの形で片付ける、そういうスケジュールが出 来ていたのではないのかと思います。ところがこれが、政治の大きな問題になり、それが前倒しになったのかなと。そこのところをちょっ と知っておきたいなと思います。そこのところ、実際どういうことになっていたんでしょうか。 ○宮武座長 どうぞ。 ○鈴木企画課長 ひとつは、問題の認識といたしまして、率直に今、明らかになっているもの全容がすべて分かっていたかといいますと、そうではなかっ たのだろうと思います。したがって、私どもの問題認識が不足していた面があるのは否めないと思います。 しかしながら、一定程度、そういう認識があったわけで、鈴木委員からのご指摘があったように「ねんきん定期便」を実施しようとして いたわけでございますから、どのように対処していくはずだったのかというスケジュールはもともとやっていたわけでございます。 2つ目の問題は、私ども、今回の問題を通じまして、各方面からご指摘をいただいております大きな論点のひとつに、申請主義に依拠し ていたということがあろうかと思います。したがいまして、ねんきん定期便につきましても、これを実施していくことによりまして、 そういった申請主義への依拠といったものが是正されていくこともあるのではなかろうかと認識していた面もあったのも事実だろうと 思います。 しかしながら、この間、1つ目の認識の不徹底さ、それからもう1つはそれを正していくスケジュール感というか、そういう点について の不徹底さ、このあたりについてご批判を受けたわけであり、それを正していこうとしているのが、記録問題への、今の対処ということ ではないのかなと思っております。 ○小島氏 今、鈴木委員がご指摘されたのですが、私の認識としては、今までの、年金記録問題、あるいは、年金の給付の事務に関してのところです けれども、これだけ基礎年金番号に統合をしていっても、結果的には5000万件の統合が残っているということです。これを放置してきたか どうかという認識の問題というのがあるんですけれども、そのほかにも、厚生年金の記録が統合されていない1400万件があるというような 問題もあります。 従来、社会保険庁としては年金加入者が、受給権が発生した時点でつなげればいい、という、そういう事務処理の仕方を長年続けてきたと いうことで、未統合5000万件あるいは厚生年金未統合1400万件というのがその結果だと思います。これは最終的に受給権が発生した時につ なげればいい、ということで来たんですけれども、中には、年金記録自体も残っていないというような人が多く出てきた。年金受給権が発 生した時には、もう過去10年、20年、30年前の記録が残っていないというような場合があるということでこの年金録問題が改めて大きな問 題になってきたんだということだろうと思います。 そういう従来の説明がされてきていると思いますので、もう一度、きちんとした年金記録の管理・運用・統合の重要性ということ、いわば 今までの社会保険庁の年金事務運営のあり方を根本から見直すということにつながっているんだと思っております。やはり徹底して、まず は過去の問題をどう早急に処理するかというところが今問われているということで、年金記録問題の解消に向けて努力されているところだ と思います。 ですから、徹底してまずはここをクリアしないと、なかなか能率の改善ということにはつながらないと思います。そこは引き続き努力をお 願いしたいと思います。それと、指摘されましたように、それを担っている現場の社会保険事務所の職員のみなさん、日常的な年金業務・ 給付・あるいは保険料の記録管理と、この5000万件、それから年金相談ということで、相当事務量も増えているということ。これから「ね んきん特別便」が発送されれば、それに伴う相談というのはもっと増えて来ると思いますので、その辺りの人員体制も含めまして、モチベー ションをどう維持してもらうかというのは、社会保険庁としても極めて重要な課題だと思っております。その点もお願いしたいと思います。 それから、1つ質問があります。年金記録問題について、その「ねんきん特別便」です。年金受給者3000万人のみなさんに、年金記録5000 万件と統合した結果をお送りし、その後、それ以外の7000万人の被保険者の方にも通知する。その場合に、必ずしも加入者の送付先、現在 居住されているところが正確に社会保険庁で把握されているのかということが課題としてあります。そういう意味では、この資料3−2の 6ページと7ページにありますように、7000万人の加入者に対するねんきん特別便の通知に当たっては、事業主経由で送付することを検討 するということに記載されています。まだ、きちっとつながっていないというところがあるので、この7000万人の加入者に対する通知もき ちっとやり、送ったけど戻ってきたということで終わりじゃなくて、最後までそこは、必ず本人に通知することの徹底をお願いをしたい。 これ以外に、関連で、その他のことです。7月5日の政府与党の年金記録問題の取り組み方針というのが載っています。その中に、「社会保 障カード」の創設というのが確か入っていたのですが、資料の3−1年金記録問題について、これの、3ページです。7月5日に政府与党 がまとめた取り組みということで、この中の、6番目に「新たな年金記録管理システムの構築」というところのAに「社会保障カード」を 導入するということが記載されております。 たしか、「社会保障カード」の導入に関する有識者会議が設置されて、2回ぐらいでしたか、会議が開かれたと思うんですけれども、これ と、ここに書いてあります、「社会保障カード」と今の年金記録との関連といいますか、この辺はどう、社会保険庁としては、対応、検討 されいるのか。それについて、最後に質問したいのですが。 ○宮武座長 お願いします。 ○鈴木企画課長 今ご質問があった、最後の「社会保障カード」でございますけれども、ここにございますように、平成23年度中を目途に導入するという ことで、将来、専門の部署を立ち上げまして進めていくということです。その中で、有識者の先生方にお集まりいただいて、検討をしてい るというのは今のご指摘があった通りです。 そもそも、7月5日の対策の中に、社会保障カードを位置づけましたのは、今回の記録問題の一番の原因といいますのが、1人生涯1番号 というものが、昔から徹底をされていれば当然こんな問題は生じなかったわけで、この社会保障カードをいかに、国民のご理解を得ながら、 実行していくかというのが将来に向けては非常に大事であるということで、7月5日の対策の中に位置づけたと承知いたしております。 ○宮武座長 よろしいですか。あと、若干時間がありますが、どうぞ、ご自由に。 ○紀陸氏 20年度の予算の内訳でございますが、資料6の2ページに社会保険庁の事業運営費、これが4628億になっておりますが、システム 運営費とかですね、それにおける国庫負担保険料の内訳をお教えいただければということ、これが1点。 もう1点は、本来、厚労省の方に伺うべき筋合いかとも思いますが、政管健保に対する国庫負担の縮減に伴って、健保組合等でも財政調 整を行なっているという話、私はこれ大反対でありまして、これについての見解をお伺いしたいんですが。この2点です。 ○宮武座長 どうぞ1点目。 ○大江経理課長 経理課長の大江でございます。1点目の国庫とそれから保険料の内訳でございます。 委員からも通常、年金事業運営費ということでお話をいただいておりますが、4800、4600というのは、医療保険と年金両方入っ ておりますが、年金でみた場合には、事業運営経費トータルで3825億円でございます。うち、国庫といいますのは、これまでもご説 明いたしておりますとおりいわゆる職員人件費、それから、公用車や宿舎の内部管理事務経費でございまして、これが1701億円でご ざいます。それ以外は、全部保険料でございますが、適用徴収給付に関わります経費であります、いわゆる事業運営費に直接関わる事務 費と致しまして、539億円。それから年金関係のオンラインシステム費ということで1268億円。それから、年金相談、広報、教育 等の経費ということで318億円。で、以上3つがすべて保険料ということでございます。 ○松岡医療保険課長 2点目の被用者保険間の財政調整の疑問でございます。 これは、厚労省保険局で今、議論されているものでありますが、被用者保険におきまして、65歳未満の方の医療費の部分について調整し てはどうか、ということで、被用者保険間における負担能力を踏まえて調整したらどうかといった案が示されているのでございますけれ ども、これにつきましては、政管健保といたしましては、制度の設計に関わるところでございまして、これは、政府の中で検討され、あ るいは与党の中でも検討されるといった事項でございます。その状況を見ながら、それを踏まえまして適切に対応できるようにしていき たいということです。 ○宮武座長 それ以上はなかなか。まあ、反対のご発言があったということを、きちんと受け止めていただければと思います。他にございますか、 どうぞ。 ○紀陸氏 先ほど、小島委員からお話がでた部分ですけれども、厚生年金被保険者の「ねんきん特別便」これは事業主経由で送付するということで ございます。これは、もちろん、事業主側としてもできる限りの協力をするわけですけれども、企業の中で効率的にできるということに ついては、ぜひ、ご配慮いただきたいということが1点です。 それから、もうひとつ、窓口サービスの実態調査というのが今回行なわれていましたが、これが、覆面の調査をされているということで、 大変結構なことです。この「業務改革プログラム」の中でもどうも、このサービスに対してこういった調査を一番積極的に行なわれてい るような気がしています。今回47箇所やったということでありますが、こういうのは各事業所での競争原理があったほうがいいと思いま すので、ぜひ、こうした調査をしたら、どこがよくて、どこが悪い、というようなことを分かるように発表しながらさらにサービスの向 上を図っていただきたいということを申し上げておきたいです。 ○宮武座長 それもご要望ということでしょうか。 ○紀陸氏 もうひとつだけいいですか。 ○宮武座長 どうぞ、どうぞ。 ○鈴木氏 長官がお見えでございますので、ひとつだけ別の観点からお話したいと思うんですが、今、資料の中でも社会保険庁に関するいろんな機関 が出来ているということが書いてありますが、これはテンポラリーにある期間というのがありますけれども、もうひとつ、年金業務社会保 険庁監視等委員会というのが総務省にあります。先ほど、長官から運営評議会というのは、それなりに歴史もあってその域が広いというこ とをおっしゃったんですが、こういうところに仕事のダブりみたいなものがありはしないのかなと。今、緊急事態ですから、そういう意味 でやたらに仕事を増やし、やたらに会議を増やすというのは、効率的ではないんじゃないかという気がします。だから、もし、そういうこ とがあるとするならば、そういうものを1つ作ったら、1つつぶすとかしていかないと、何か問題があるたびに、どんどん増える、そのた びに全員が振り回されて、本来、サービスをする仕事に力を割けないということになると、大変問題があるので、そこは踏まえてよろしく お願いしたいです。これも要望です。ご検討いただければありがたいです。 ○宮武座長 同じようなことを私も、個人的に申し上げましたので、ぜひ、ご検討いただければと思います。はい、どうぞ。 ○坂野長官 今のお話も含めて、ちょっとわたし、途中退席をいたしましたが、後半伺っておりまして、感想も含めて、最後少し申し上げたいですが。 記録問題の解決をめぐって、厳しいご注文をいただきました。私ども、こういう現在の状況を招いたことについては十分な反省をしなけれ ばならない。それをまた今後の業務に生かし、新しい年金機構の業務の方にもきちんと植え込んでいかなきゃならない。そのように思って おります。 また、私も含めた現在の職員は、組織としての責任を負い、組織としての責任を果たすと、そういう立場にあるわけでございまして、過去 に、当該業務に従事していた方々の結果、我々が、今、その事態解決の責任を負う。これは現在の我々は過去の分も含めて、組織の責任を 負っている、そういう気構えで、現在の仕事に励むべきだと、あるいは解決に取り組むべきだと思って居ります。現場の第一線の職員にも 機会があるごとに、私は「過去の人やったことは知らない」というわけには行かない。組織として、今、我々が、その責任を負い、責任を 果たす。そのために、精一杯努力をして欲しい、ということを現場にお願いをいたしております。 それから、5000万件の記録の解明。マスコミの一部の解説や報道には3月までにすべて5000万件が解決されるというニュアンスの解説や報道 もあるわけでございますが、これは私どもがこれまで申し上げてきた真意からは離れるものでございます。今年の3月までには名寄せを行い、 名寄せの結果、該当すると思われる方にご通知を差し上げる。その名寄せの作業を3月までにやるということでございまして、その名寄せで 、統合ができなかった、あるいは、統合がなかった方々については4月以降、ねんきん特別便の形で履歴をご案内し、ご確認をいただく、 そういう作業をやるわけでございまして、これはある程度時間がかかる。そういうものを想定したものであるとうことは、これからも私ど も、誤解の無いように申し上げて行きたいと思っております。 また、私どもの業務への国民の方々のご理解を深めていただくためのPR等についても厳しいご指摘をいただきました。私ども十分心して PRに努めなければならない、と思っていますが、委員の方々からのご指摘もございましたようにやはり、国民の方からも、私どもにいろ いろご注文をいただく、あるいは私どもに対して関心を持っていただく。そういうアプローチもぜひお願いをしたいと思っておりまして、 そういう観点からも、いろんな努力を重ねて参りたいと考えております。 また、前半で、説明があったと思いますが、業務改革への取り組み。不十分な点と出ているのは否めないと思っております。しかし、今後 精一杯、私ども、努力は続けてまいりたいと考えておりますので、引き続きご指導ご支援をお願いしたいと思います。 それから最後にご発言ありました、いろんな関係の委員会が出来ておる。中には重複もあるのではないか、というようなご指摘もございま したが、私は、この年金記録問題というものが発生して、それに最大限社会保険庁が努力している姿を国民の方々にお示しし、ご理解をい ただく上で、現在ある委員会は、欠くことのできない装置だと思っております。社会保険庁の業務全般というわけではございません。年金 記録問題の解決、あるいは、新しい機構への移行、そういうところに重点を置いて、本当に社会保険庁が定められた仕事をきちんとこなし て、改革を実現するのか、という観点からご審議をいただく、ということになっているわけでございまして、この運営評議会というものと は、また、おのずから範囲を異にしていると思います。 なお、いろいろな委員会が出来て、負担が多くなっているのではないかというご指摘もいただきましたが、私は、こういう事態になれば、 その負担の大小を私どもが申し上げる、そういう状況ではない、そういうことをすべきではない、と思っております。精一杯、国民の方々 のご期待にお答えする努力を払う。それが私どもの現在の使命だと考えております。 いろいろ、途中から来て、少し、検討違いのことを申し上げたかもしれませんが、最後にお願いは、今日の会議は、もうこれで、短時間の 会議でございました。この会議終了後、日々、みなさま方、委員の方々がご疑問に思われたこと、あるいは、資料としてもっと欲しい、と いうようなことがあれば、いつでも、私どものところにご注文いただきたいと思いますし、必要があればいつでもご説明に上がって、日々 の活動の中にも、その方のご指導やご助言をいただきたいと思っておりますので、ぜひ、その点は、よろしくお願いしたい。これは最後の お願いでございます。以上でございます。 ○宮武座長 ありがとうございました。それでは、本日はこれで議事は終了いたしますが、今後の日程については事務局から連絡があります。 ○鳥井企画課課長補佐 今後の日程でございます。後日みなさまに相談させていただき決定させていただきたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。 ○宮武座長 それでは、大変ご多忙のところ、どうもありがとうございました。 〜 以上 〜