社会保険事業運営評議会 第16回議事録        日時 平成19年2月20日(火)15時00分〜17時00分        場所 厚生労働省専用第18会議室        出席された参集者(敬称略)         稲上毅、小島茂、加納多恵子、         紀陸孝、鈴木正一郎、宮武剛          ○宮武座長  それでは定刻でございますので、第16回の社会保険事業運営評議会を開催いたします。 本日はご都合で、井戸さん、遠賀さん、小澤さんが欠席でございます。 では、開催にあたりまして、村瀬長官からご挨拶をお願いいたします。 ○村瀬長官  本日はお忙しい中をお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。前回11月に 第15回目を開催させていただきました。15回目の時には、平成17年度の事業計画につ いての評価、平成18年度の途中経過ということで、ご議論いただきました。その他、ねん きん定期便や年金記録相談の特別強化体制につきまして、ご報告をしながら、ご議論を承っ たと記憶しております。  本日のテーマは、平成19年度の事業目標並びに具体的な事業計画案につきましてご審議 いただきまして、我々は平成19年度、どういう形で仕事をしていったらいいかということ のサジェスチョンをいただくという形でお願いを申し上げたいと思います。  その中で、昨年の11月以降、我々のところに対する環境変化につきまして、若干お話申 し上げたいと思います。ご存知のように、お手もとにもお配りさせていただいておりますが、 昨年12月与党の年金制度改革協議会から、新しい機構法案の考え方につきまして文書が出 ております。それに対しまして、現在与党との間で、法案の中身を詰めている最中でござい ますが、その基本的な考え方は、公的年金制度の財政責任、管理責任は国が引き続き担う。 その中で、運営に関する業務については、新たな非公務員型の公的新法人を設けてこれに担 わせる。そして、民間へのアウトソーシングを積極的に進める。特に悪質な滞納者につきま しては、国税庁に委託して強制徴収を行うこととするなど、このような法案を今現在準備中 でございます。この根底は、今国会で総理が施政方針演説でお話になっておられますように、 社会保険庁については、規律の回復と事業の効率化を図るため、非公務員型の新法人の設置 など、廃止解体6分割を断行するという方針に基づいて進めております。今朝、総理と大臣 とのお話し合いの中で、名称だけは正式に確定したようでございます。日本年金機構という 名称になりますが、これに向けて我々としては清々と仕事をしていきたいと思っております。  国民の皆様方から信頼される組織を作り上げることは、我々に課された課題だと思います。 そのためには、職員が意識をしっかり変えて、国民の皆様の視点に立って仕事をできるよう にすること、今日ご議論いただきますが、事業実績を確実にあげていくということが、我々 組織に課せられた課題だと思っております。新組織に向けまして、一生懸命事業運営をして いきたいと考えておりますので、是非、ご議論をお願い申し上げます。   ○宮武座長  ありがとうございました。それでは、議事次第に沿って進行してまいりたいと思います。 まず、資料1を説明していただいて、その後、ご意見をいただいた後に、残りの資料につい て説明をお願いするという段取りでございます。それでは、事務局からお願いいたします。   ○高橋企画室長  総務課企画室長の高橋でございます。よろしくお願いいたします。  お手もとの資料1−1でございますが、今回の目標及び計画の位置づけでございます。1 −1に図が載っておりますが、中央省庁改革基本法により、本省の大臣が、実施庁である社 会保険庁の事務の実施基準及び準則を事務次官通達で定めております。毎年度、社会保険庁 が達成すべき目標を大臣が策定するということになっております。これを受けまして、社会 保険庁では、社会保険事業計画を毎年度作りまして、一方、事務局毎にも事業計画を作ると いう流れ、また、その結果につきましては、実績報告を本省に出しまして、厚生労働大臣か ら評価を受けるという形でございます。  本日は、本省が定める目標につきましても、第三者の意見ということで、この会合でご意 見をいただくと共に、事業計画につきましても、意見をいただきたいと思います。  次に、資料1−2の目標につきましては、本省の政策評価官より説明を申し上げます。   ○中島政策評価官  厚生労働省政策評価官の中島でございます。  お手もとにお配りしております資料1−2は、平成19年度において、社会保険庁が達成 すべき目標案です。新旧対照の形をとっておりまして、平成18年度の目標と比較をしまし て、下線を引いた箇所が変更点、追加事項となっております。また、具体的な数値目標を設 定するにあたり、参考となる各種事業の直近の実績数値につきましては、欄外等に記載をさ せていただいております。  それではまず1ページです。目標設定に向けた前文の部分でございますが、3つ目の段落 のところです。事業の重点項目として、平成18年度に引き続き、国民年金保険料の収納率 の向上対策を最優先の課題として重点的に取り組むと共に、平成19年度からは、いわゆる 団塊の世代の大量退職に伴い、年金相談等の業務の増加が見込まれることから、これに対す る的確な対応に努めることとするという文章を追加させていただいております。  2ページ以降、達成すべき目標の内容についてですが、平成18年度の目標と比べての変 更点について、ポイントを説明させていただきます。  まず、1.適用事務に関する事項です。数値目標のところに、注意書きを入れております。 未適用事業所に対して立入調査をした件数を含むということです。これにつきましては、昨 年当運営評議会及び総務省からご指摘をいただきましたことを踏まえ、追加したものでござ います。後ほど、社会保険庁から詳しくご説明させていただきますが、この目標を前提とし ての平成19年度社会保険事業計画におきまして、未適用事業所の効率的かつ的確な管理や、 加入指導事蹟の継続的な管理等を実施することを盛り込むこととしております。  次に、3ページです。保険料等の収納事務に関する事項です。それぞれの数値目標につき ましては、少なくとも、直近の実績は維持するということを前提といたしまして、平成17 年度の収納率を確保した上で、最終的には、前年度たる平成18年度の実績と同程度を確保 するよう、目標を設定したものでございます。尚、注意書きの部分につきましては、目標と する収納率について、従来の考え方と異なるものを示したものではなく、分かりやすく改め て記述をさせていただいたものでございます。  次に、4ページの国民年金保険料の収納率についてです。ここには、アンダーラインが全 般的に入っておりますが、この背景は、昨年の国民年金保険料の免除などに係る、不適切な 事務処理に関する社会保険庁からの調査報告書及び大臣政務官が主催いたしました社会保険 庁国民年金保険料免除問題に関する検証委員会の報告書などを踏まえた記述とさせていただ いております。具体的には、社会保険庁の調査報告書の中で、今後国民年金保険料の収納に 関する目標の具体的在り方については、例えば収納実績は、収納率を算定する際の分子にあ たる変動要因ですが、こうした収納実績と、免除等の実績、いわゆる分母にあたる変動要因 でございます。こうした収納実績と免除等の実績とを切り離して、それぞれ適切に評価する。 その上で率についても評価する方法や、収納目標の在り方などについて検討することとする とされております。また、大臣政務官主催の検証委員会の報告書におきましても同様に、収 納実績を免除実績から分離して評価する方法など、新たな収納目標について検討すべきであ ると報告されたところです。これらの意見を踏まえまして、昨年9月に開催されました、厚 生労働大臣を本部長といたします国民年金特別対策本部会議におきまして、納付率が分子で ある収納実績と分母であります免除等の実績とで成り立っていることを踏まえ、それぞれの 実績を評価できるような新たな仕組みを導入することとするということで、今後の新たな取 り組みの方向性が打ち出されたわけでございます。したがいまして、こうしたことを踏まえ、 平成19年度における目標といたしましても、平成19年度における現年度分保険料の納付 率80パーセントの達成に向けて、最大限努力していくと共に、ここに書かせていただいて おります@、Aに掲げたような検討を行っていくこととしております。これらの検討につき ましては、鋭意作業を進め、平成18年度、今年度の収納実績の確定などを踏まえた上で、 平成20年度以降の目標の在り方について、明らかにされるものと承知しております。  5ページは保険給付事務に関する事項です。被保険者1人当たりレセプト点検効果額につ きましては、レセプト点検の重点項目であります内容点検、外傷点検について、平成17年 度の実績以上とするという数値目標を設定してございます。  6ページでございます。保険給付でございますが、請求書を受け付けてから給付金が決定 され、支給決定通知書が届くまでの所要日数の目標、いわゆるサービススタンダートについ ての数値目標ですが、平成19年度におきましては、事務処理の効率化に重点をおいた取り 組みを推進するため、目標達成率を請求者に対する不備返戻、医師照会及び実地調査に要し た日数を除いた所要日数で、達成率100パーセントの実現を図ると変更いたしました。  7ページの年金給付のサービススタンダートにつきましても、同様の考え方で記述をさせ ていただいております。  8ページは、保険事業及び福祉施設事業に関するものでございます。健診実施割合につき ましては、平成20年4月から施行されます高齢者の医療の確保に関する法律によりまして、 40歳以上の被保険者等に対する特定健診及び特定保健指導というものが保険者に義務付け されるということを見据えまして、40歳以上の被保険者について、最も健診を受診すべき 対象として重点的に健診事業を実施していくことが必要と考えております。そういう旨の文 章を追加すると共に、健診の実施割合につきましては平成18年度の実績見込みに基づき、 目標を設定させていただいております。  最後に9ページ、広報、情報公開、相談等に関する事項でございます。(1)の生徒に対する 年金セミナーの実施率につきましては、今後とも更に生徒に対する年金教育を拡充していく という観点から、平成17年実績に、更に平成19年度までの実施見込み数を加えた上で、 目標を設定させていただいております。  以上、かけ足でございますが、平成19年度における目標についてご説明いたしました。 本日、委員の皆様方からのご意見を踏まえ、近日中に正式に発出させていただきたいと考え ております。よろしくお願い申し上げます。   ○高橋企画室長  引き続きまして、お手もとの資料1−3社会保険庁の事業計画案につきまして、概略をご 説明させていただきます。  2ページ、19年度の事業運営方針でございますが、16年7月に開始しました社会保険 庁改革も、本年で3年を経過し、業務改革プログラムに掲げました法令にのっとった業務執 行、国民サービス、年金制度の周知、保険料収納率の向上等の目標に向かいまして、19年 度も努力するという運営方針にしております。具体的な内容は省略しまして、7ページから が実施計画となっております。本省が定める各目標に沿いまして、具体的な計画を示すスタ イルでございます。  8ページの上、太枠で囲んであります本省が定める目標、それに対する計画、こういう構 成でございます。また、下の点線枠で囲っておりますのが見込みの数字、計画の数字とか社 会保険庁側で見込む数字を表示している編集方針で作ってあります。  8ページは、国民年金の適用の適正化。@のAのところにアンダーラインを引いておりま すが、アンダーラインを引いたところが、18年度版の計画から新しく追加された事項です。 その事項を中心にご説明させていただきます。@のエにつきましては、国民年金の適用対策 といたしまして、住民基本台帳ネットワークから34歳到達者の情報を取得できるよう法整 備を行いまして、未加入者の把握を一層進めるということでございます。  10ページは、厚生年金、健康保険等の適用の適正化です。これにつきましては、@未適 用事業所の適用促進対策ですが、重点的な加入指導、職権適用の対象につきまして、19年 度はより小さいところにつきましても、対象を拡大しながら行っていくわけでございますが、 ウは適用促進業務にかかる市場化テストのモデル事業につきまして、18年度は104カ所 の社会保険事務所でしたが、19年度は312カ所全ての事務所での民間委託に拡大をして まいります。エは社会保険事務局ごとに適用促進への取り組みに対する目標設定、その達成 に向けまして具体的な計画を策定する。オは適用促進対象事業所情報・事蹟管理システムを 活用いたしまして、未適用事業所の効率的かつ的確な管理、加入指導事蹟の継続的な管理を 継続してまいります。  11ページのキは、オンライン利用促進のための行動計画に基づきまして、適用関係の手 続きにつきましても、電子申請の利用促進を磁気媒体届での作成プログラムを利用した申請 の推進を図ってまいります。  13ページですが、基礎年金番号と被保険者記録の適正な管理という課題です。そのうち のC被保険者記録の適切な管理は、年金個人情報の提供の充実を図りまして、これにより、 ご自身が事前に記録を確認していただく機会を増やす。そして、ご本人からの申し出、お問 い合わせに応じまして、調査する特別体制も19年度も引き続き継続いたしまして、適切な 被保険者記録の管理に努める。そのための情報提供につきましては、イにございますような 社会保険庁からのアプローチ、お客様からのアプローチができるようなツールを充実して、 活用してまいります。  15ページは、国民年金の収納率の向上の対策です。計画の@ですが、未納者属性に応じ た納付督励・勧奨の実施。市町村から提供されました所得情報を活用いたしまして、未納者 の属性の区分けを行いまして、その区分に応じました行動計画として具体化して実施すると いうことを強化してまいりたいと思っております。A納付督励の実施、B強制徴収ですが、 強制徴収のイは、未納者に対します「最終催告状」の発行から差し押さえの執行までの強制 徴収の対象者の拡大であり、平成19年度は年間60万人に拡大して実施することとしてお ります。18年度の最終催告状の発行目標は35万でしたので、大幅に拡大して対策を講じ てまいります。C免除、学生特例、若年猶予ですが、そのうちのカは、免除対象者、免除該 当者には必要な項目をあらかじめ印字した申請書をお送りして、簡単な記載事項を記入する だけで申請を可能とするターンアラウンド、キは学生の方に対しましても、学生納付特例に 該当する方に必要な事項を印字した申請書を送付するターンアラウンド、このようなものも 含めて、推進をしてまいりたいと思っております。  17ページのF民間委託ですが、「競争の導入による公共サービスの改革に関する法律」に 基づく民間競争入札の対象業務といたしまして国民年金の保険料の納付督励等の業務を推進 しており、95カ所の社会保険事務所に拡大をしてまいります。18年度35カ所、19年 度は95カ所でございます。  19ページは、厚生年金・健康保険の徴収対策です。A滞納事業所に対する納付指導、滞 納処分につきましても、エにありますように、先ほどの適用対策と同じように、社会保険事 務局ごとに徴収対策を計画的に実施するための具体的な取り組み計画を策定いたしまして、 中長期的な目標設定、あるいはその達成に向けた具体的な計画等を策定して、取り組みを推 進してまいります。また、オですが、徴収調査支援システムの活用等により効率的に業務を 実施し、的確な滞納処分を実施してまいります。  21ページは、年金給付の的確な実施。23ページ健康保険の医療費の適正化。この中で はB医療費の通知でございますが、レセプト審査の結果医療費が減額され、被保険者の方が 支払いました一部負担金に大きく過払いが生じた場合につきましては、被保険者にお知らせ する高額査定通知につきまして、適正に実施してまいります。  25ページですが、(3)健康保険の現金給付の適正化でございますが、B高額療養費の現物 給付化は、先般の制度改正によりまして実施されますが、19年4月以降、入院時の一部負 担金支払が、高額療養費の自己負担額限度額を上回る方につきましては、限度額適用認定書 を医療機関等へ提出することにより、窓口での支払が自己負担限度額までとなりますので、 交付申請がなされた場合は速やかに交付してまいります。  27ページですが、年金相談の充実に関する事項です。計画のところに書いてありますが、 社会保険庁では、団塊の世代の大量退職を来年度から迎えますが、それに伴う年金相談等の 業務量の大幅な増加が見込まれます。これに対する対応策といたしまして、(1)58歳到達者 に対しまして年金加入記録を通知いたしましてご確認いただく。(2)更にこの事前通知により 記録の確認を行われた方々等に対しましては、あらかじめ氏名、住所、加入記録等を記載し た裁定請求書を本人あてに送付するターンアラウンドを実施して、申請しやすくする。また、 直接社会保険事務所にお越しいただかなくても、年金相談の目的が達せられるよう、インタ ーネットを活用した年金個人情報、また、空いている拠点に電話を繋げるサービス「年金ダ イヤル」の実施などに取り組んできたところでございまして、平成19年度におきましても、 そのような取り組みで対応をしてまいりたいと思っております。@年金相談体制のウですが、 中央年金相談室及び全国23カ所の年金電話相談センターを平成19年度から順次集約化を 進めまして、コールセンターを整備することによりまして、効率化と機能の充実を図ってま いります。  28ページのAのオでございますが、「ねんきん定期便」の実施を一部前倒しいたしまして、 35歳到達者に対しまして被保険者自身が自らの年金加入状況を確認できる通知を19年3 月から、更に19年度中には45歳到達者に対しまして35歳到達者と同様の通知、55歳 以上の方には保険料納付実績や年金見込額の通知を行ってまいります。  29ページにつきましては、保健事業の実施。30ページにつきましては保健・福祉施設 事業、年金福祉施設の売却等。31ページは国民サービスの向上。国民サービスの向上の目 標数値の欄、目標の中の19年1月のところはまだ数字が入っておりませんけれども、これ は19年1月の調査の数字が確定した段階で入れてまいりたいと思っております。  33ページ、予算執行の透明化等の取り組みは引き続き推進してまいりたいと思っており ます。  34ページ広報活動の推進。35ページ年金教育の推進。36ページ個人情報の保護と情 報の公開。37ページ社会保険オンラインシステムの見直し。オンラインシステムにつきま しては、Aにございますように、18年度に5つに分割しました基本設計を踏まえた詳細設 計を行っていく段取りとなっております。  38ページは、組織の改革。法律改正に基づく組織の形の改革の前に、ガバナンスの強化 とか人事政策の改革とか人材の育成とか、そのような点につきましては、鋭意進めてまいり たいと思っております。  41ページは、(7)政府管掌健康保険の公法人化を見据えた体制づくりの推進ということで ございまして、20年10月の全国健保協会の設立を見据えまして、保険者機能の強化を図 り、検討準備を進めてまいります。その計画のところの@被保険者等の意見を反映した事業 運営の推進ということで、政府管掌健康保険に関する広報・情報提供につきましての充実、 また、イ健康保険事業につきまして、都道府県ごとに事業主・被保険者から構成される懇談 会を開催いたしまして、地域の事情を踏まえた事業運営を推進。また、広報、相談、各種事 業の推進、モニターなどをお願いする健康保険委員制度の実施でございます。A公法人化を 見据えました都道府県単位での郵送受付・審査・入力・決定・支払の集約化でございますと か、全国的な業務の標準化、外注化の推進を図ってまいります。また、B保健事業につきま しては、20年4月からの特定健診・特定保健指導の実施体制の整備に向けた取り組み。C 医療費適正化、レセプト点検の推進。D健保協会システムの開発による準備等を進めていく。 19年度はこのような年として取り組みをしてまいりたいと思います。  説明は以上でございます。   ○宮武座長  ありがとうございました。ただいまの資料の説明について、皆様からご質問なりご意見な り、ご自由にお願いいたします。   ○加納氏  何だか言葉尻を捕らえたような質問をして申し訳ないのですが、皆さん特定、特定とよく おっしゃる。この資料の1−2の、40歳になると生活習慣病の健診を受けるという文章の ところにも、特定と確か書いてあったと思います。私は民生委員をしておりまして、地域の 高齢者の中で、介護予防の施策の中で、特定高齢者という言葉が最近随分と使われておりま す。その特定という言葉は、地域の方から、何が特定されるんだ、要支援といいますか認定 対象に片足を突っ込み、もう片足は健康というすれすれの線を、何で特定という言葉で呼ば れるのか、そんな筋合いはないという意見が出まして、私のほうでは「健やか高齢者」「さわ やか高齢者」と独特の呼び方に変えまして、ちょっとランクをつけてやっているのですが、 そのように、特定という言葉は地域の人にとると拒否反応のある言葉なのです。  この40歳の生活習慣病の中の説明の中にも、「特定」という言葉が出てきたもので、とて も申し訳ないのですが、あまりこういう特定、特定という言葉は使わないで、本当に特定す るところは特定でいいのでしょうが、たやすくおっしゃると拒否反応が、私たち地域住民の 中ではあるということを、少しお伝えさせていただきました。   ○宮武座長  お答えいただけますか。どうぞ。   ○松岡医療保険課長  医療保険課長でございます。この特定健診・特定保健指導でございますが、これは法律の 高齢者の医療の確保に関する法律で定められた用語でございまして、主旨としては内臓脂肪 型症候群(メタボリックシンドローム)に着目して、健診を行っていこうということで、平 成20年4月から行うものでございます。そういうことで、法律で定められている用語でご ざいますので、そのまま使わせていただいております。 ○加納氏  法律用語では、変えてくださいと言えないと思います。   ○宮武座長  ただ、芦屋でやっておられるように「健やか健診」などという表現にして、小さく丸カッ コで特定健診となるべく見えないように書いておくとか、個人的には、そういう現場の知恵 が必要かと思います。地域包括支援センターなどでもそうですね。電話をかけると相手の方 が、詐欺の手口かと思って電話を切られてしまうと担当者が嘆いていましたが、本当にそう いうお年寄りに分かりにくい言葉は、実際の現場では困りますよね。 ○加納氏  ありがとうございました。   ○鈴木氏  この社会保険事業を持続性のある制度にするというのは、一番ポイントなわけで、そうい う意味では非常に大きな目標が2つあると思います。厚生年金保険の未適用事業者の適用促 進と、国民年金の収納率の向上。この2つが非常に大きな項目になると思います。段々いろ いろな議論の中でそうなってきたのですけれども、今回この資料を読んでいて、少し分かり にくい、もう少し的確に目標を決めておやりになって、分かりやすくされた方がいいのでは ないかと思います。  先ほども厚労省の方からお話がありましたが、未適用事業所の問題で、去年は総務省の指 摘事項としてあって、かなり数字が大幅に違っているのではないかということで、この席で 私も質問をしたのですけれども、認識の違いであるというようなことで、正直言ってちょっ と分かりにくいと私も思っております。  これは、雇用保険と厚生年金の適用事業所の数が大幅に違うということは、昔から言われ ているわけですから、ここはやはりきちんと捕捉しなければいけない。そのためにも、民間 委託という制度も使って進めておられるわけですよね。その目標が、ここに書いているよう な表現だけで本当にいいのでしょうか。もう少しきちんと、総務省の指摘に対しても、もう 少し明確に目標を決めて、この民間委託もしているからこんなに増えるのですというような ことじゃないと、ちょっと納得がしにくい。今までと同じように、前年度を上回るというよ うな表現で、この目標を決めていいのだろうかということが1点です。そこをしっかり、も う1度議論していただきたい。これは10ページのことで申し上げたつもりです。  資料1−3の15ページに、保険料等の収納事務に関する事項。ここも先ほどご説明いた だいたように、分母、分子のこともしっかり踏まえて収納率を決めますという記載になって います。そうだとするならば、やはり目標を抽象的に書かないで、もう少し具体的に何か目 標が決められないものでしょうか。これだけ読んでいると、分母と分子をよく調べた上で、 目指すべき目標の在り方を検討する。これからじっくり腰を据えて検討するのかというイメ ージになって、前には初年度80パーセントと書いてあって、これも何となく分かりにくい ですよね。このあたりも非常に重要なところなので、もっと分かりやすく、視点を変えたの なら変えた。何よりこういう目標を決めた。それから、民間委託もして、目標がこういうふ うに加速的になる。沢山の言葉はいらないので、そういうことをもう少し分かりやすい具体 的な目標に切り替えてもらえると大変有り難いと申し上げておきます。   ○宮武座長  ご答弁願えますか。   ○松岡医療保険課長  医療保険課長でございます。まず、厚生年金等の適用のことについてお答えさせていただ きます。事業計画の10ページ、11ページに掲げておりますけれども、ご指摘のように総 務省から適用促進について、目標設定をやって、行動計画を立ててやるようにという指摘が ございましたので、そういうことを踏まえまして、ここの事業計画の10ページのエにござ いますように、具体的な目標設定を事務所ごとに立てるということにしております。その上 で、行動計画を立てて具体的取り組みをするということにしております。もう1つは、民間 委託を全ての社会保険事務所に拡げまして、それをもって加入の勧奨をしていくといったこ とをやっていきますが、この加入の勧奨に当たりましては、労働保険との突合データなども 活用しながらやっていくということを考えております。  事業の中身はこういうことで想定しておりますが、目標を立てて行動計画を各事務局でや るに当たりましては、19年度はなにぶん初年度なものですから、まず各事務局でどれくら いできるかということについて、実現可能性なども踏まえて見ていく必要がございますので、 19年度はまず各事務局単位で目標を立ててみて、それを積み上げてやっていこうと考えて おります。したがいまして、11ページに計画数値とございますが、そちらのほうに訪問勧 奨の実施事業所数などで、行動計画で定める件数などとございますけれども、具体的に積み 上げてみた形で件数を定めていくという形をしてまいりたいと思っております。そういう1 9年度の取り組みを踏まえて実施してまいりますれば、20年度は具体的な形での件数の見 込みなどを立てていくということは可能になるのではないかと考えておりますので、まずこ ういう形でやらせていただきたいと考えております。 ○鈴木氏  総務省から出た書類は、おそらく去年の9月あたりではなかったでしょうか。ここで議論 したのが11月だったと思います。現在2月ですよね。そうしますと、今お答えになったよ うな内容が目標となり、これから検討するというのは、少し具合が悪いのではないかと思い ます。労働保険と厚生年金の適用事業所のことは前から言われています。急に総務省が言い 出したから、出てきた話ではないですよね。これをしっかりやるということは、やはり収納 率を上げるという1つのポイントだと思っています。それで、半年経って、これが重点です というと、少し納得できないですよね。この四角に囲んだ部分は、厚労省が出して指示した 目標と、数値目標。これが本当にそのとおりになるのでしょうか。国民の期待にこれで応え ているのでしょうか。どこにも厚労省から出ていないし、数値目標は、違うことが書いてあ ります。4分の1以上というのは、これは全然関係のない話で、適用したところに対して4 分の1にしていきましょうということであって、未適用事業所が問題になっているのに、こ の厚労省から出た中にもその目標になっていない。しかも、下のほうは、各事業所でこれか ら検討して目標を作りますということを言っているわけです。少しここのところは、国民が 求めているものと、皆さんがやっておられるところにどこかズレがあるのではないかという 気がいたします。 ○松岡医療保険課長  お答えさせていただきます。我々も総務省から勧告が出されましたことを踏まえまして、 検討をしてまいりました。各事務局で、具体的な事務局、事務所で、どういった形でデータ を活用し、適用促進が行われているかなど、実態などもよく調べ、それを踏まえまして、具 体的にこの年度末に、行動計画の立て方、目標の定め方について事務局に指示をして立てさ せようと考えています。少し進み方が遅いのではないかというご不満があるかもしれません が、我々としても、事務局での取り組みの状況などをまず把握をして、その上で指示を出し ていくということは必要でございます。いきなり本庁だけで考えてやることもできかねます ので、まず方針を立て、それから目標数値などについても、事務局でどれくらいできるかと いうのを出してもらった上で、本庁と事務局の間で話し合いをしながらやっていくというス タイルを、19年度は取らざるを得ないと思っております。そういう形で、我々としてもそ ういう意味で、総務省の勧告は真摯に受け止めてやっていくつもりでございますので、ご理 解いただければと思います。 ○宮武座長  どうぞ、分母分子の件です。   ○鈴木年金保険課長  年金保険課長でございます。2点目にご指摘をいただきました国民年金の収納率の部分。 これは分かりにくいということですけれども、要は、鈴木委員からご指摘のありましたよう に、分母と分子に分けて目安を設定するということを@に書かせていただいております。ス ピード感の問題なので、はっきりと書けば良いではないかという点につきましても、私ども はその認識は共有できていると思います。ただ、これは初めての試みであるということと、 実際に現在進んでおります18年の実績が分からないと、19年度の納付率を分解した分母 分子まできちんと作る自信がないということでございます。したがいまして、今回はこうい った記述になりますけれども、18年度の実績が分かった時点、具体的には19年の7月以 降になるかと思いますが、その時点では分母分子の目安をしっかり作っていきたいと思って おります。また、更に年度が進んでまいりますと、この分母分子の属性をつかむデータの集 積もできますので、当初の事業計画年度からある程度はっきりした形でお示しができると思 っております。そういう意味で、初めての試みであるということで、一目見ただけでは分か らないという点については、ご理解を賜りたいと思っております。   ○宮武座長  よろしいですか、鈴木委員。雇用保険との関係で言えば、現場で突き合わせが難しいとい うことがまだ残っているのですか。   ○松岡医療保険課長  雇用保険とのデータの突合につきましては、来年度民間委託をいたしますので、それを活 用いたしまして徹底的にやっていきたいと考えております。残っている部分もございますの で、まず具体的によく把握をした上で、事務所で具体的に必要なものについては加入指導を していくという形につなげていきたいと考えております。   ○青柳運営部長  付け加えさせていただきます。11月にも申し上げたかもしれませんが、雇用保険と社会 保険の違いが生じていることの原因は、労働保険のほうは現場単位で適用する。例えば、同 じ会社の中でも、工場とオフィスでは事故率なども違ってきますので、当然別々にカウント する。しかし、社会保険の場合には1つの会社であれば1つのものとしてカウントするとい うことがありますので、まず雇用保険と社会保険のデータを突き合わせた場合に、それが既 に適用されたものなのか、それともまだ未適用のものなのかという、いわば照合、突合のと ころから仕事を始めなければいけないということが、事情としてはございます。これは実は、 おそらく最初に着手してから3年間ぐらいそういうようなことをやってきたのですが、これ までは、そうやって突合して食い違った情報を、これとこれは食い違って、これは未適用だ ということがわかるところまで、何とか1年の単位の中でもってきたけれども、それを追い かけていって適用させるというところまで、はっきり言って手が回っていませんでした。こ れは、先ほど鈴木委員からご指摘があったように、そういう、いわば突合や探すところまで は、これは全部民間に委託をして、実際に事業所が存在して今まで未適用として放置されて いるものだというものに対して、社会保険の職員が行って勧奨し、場合によっては職権で適 用するということをしないと、そこまで全部職員がやっていたのでは、どれだけ人間がいて も足りないというのが、運営部長としては不謹慎な言い方かもしれませんけれども、実態だ ったと思います。したがって、そういう意味では、未適用の事業所を探すための手立てが、 全ての事務所において民間委託できるというところまでこの19年度にまいりますので、そ の意味では今まで3年間やってきたことの実績の上に、やっとそれが実行できる体制が整っ たとご理解いただくと、大変ありがたいと思います。   ○加納氏  では、今民間委託は前に進んでいるのですか。 ○青柳運営部長  これは、市場化テストを契機に、民間委託という形で始めました。後ほど参考資料もござ いますので、場合によってはそのご説明の方が早いかもしれませんけれども、それぞれ地域 によっての事情の違いがありますので、うまくいっている所、まだまだ改善の余地のあると ころという違いはありますけれども、社会保険の職員がそういうことまで全部やるよりは、 役割分担と申しますか、民間委託という形で進めることは、トータルとしての効果を上げる のではないかと、全体としては私ども評価しています。 ○松岡医療保険課長  事業計画の10ページにございますが、17年度で5カ所の社会保険事務所で行いまして、 18年度は104カ所、19年度で、これを踏まえて、すべての社会保険事務所にて民間委 託でやっていこうということでございます。実績につきましては、今回の資料には付けてお りませんけれども、以前にお出ししたものにございます。また、18年度がまとまりました らご報告させていただきたいと思います。   ○鈴木氏  事情はわかるのですが、そういうことであるとするならば、やはり目標、計画数値という ものを、前年度を上回ると毎年同じようなことを書いているというのはやはり具合が悪いの で、しっかり数値を出せなければ、前年度を大幅に上回る。そして、民間委託は3倍にも増 えて、そちらにお金を使っているわけですから、大幅にというぐらいの決意を出してくれな いと、なんだかどこかにお金を捨てているというような誤解を受けると思います。そこは是 非、アピールするように書いて、それで自分を厳しく縛るということがいいのではないかと 思いますので、よろしくお願いしたいと思っています。 ○宮武座長  ご指摘を生かしていいただくようにお願いします。 ○小島氏  今、鈴木委員から指摘されたところは、全くその通りだと思います。今、社会保険適用問 題については、パート労働者等に対する適用拡大について、政府はそういう方針を打ち出し ています。今、年金部会でも具体的な適用範囲については検討されているということですの で、個人に対する適用拡大ということを進めることと併せて、未適用扱いになっている事業 所をきちっとした適用をするということも必要だと思います。その点からも、これから具体 的な目標設定をするのであれば、そこはきちっと対応するということで、鈴木委員に言われ たことの方向で、前向きに進めていただいたいと思います。  それから、事業計画案の1−3の15ページにあります国民年金の保険料収納率の向上の 目標のところです。これは本省の目標として、19年度の現年分として収納率を80パーセ ント達するために最大限努力するということでありますので、ここはまさに最大限努力して いただきたい。なかなか厳しい数値だと思いますけれども、中期的な目標の19年度は最終 年として、80パーセントの目標に向け最大限努力するということだろうと思いますので、 そこはしっかりすべきだと思っております。  それとの関係で、16ページに具体的な目標達成のための適正な運用として、Cの加入者 の利便性を図るため、カ、キで、ターンアラウンド方式を導入するということとされていま す。これは加入者が申請をする時に、事前に項目については記載されており、あとは自分で サインをすることにより最終的に確認するというもので、そういう意味では、加入者あるい は納付の猶予措置というものの利便性は高められたと思います。この方式が何か誤解されて 理解されているようなところもありますので、そこはきちっと説明をしていく必要があるだ ろうと思います。  その関係で、17ページのサとシでありますが、ここは学生の納付特例の申請の代行がで きるような法整備。シは医療保険者からの情報提供に対する法整備というところで質問です。 法整備は具体的にどの法律を準備しているのか。あるいは、今日の参考に配られている参考 資料1で出されている、「国民年金事業の運営に関する法律」、前国会で一旦廃案になった改 正法案。そのことに含まれているのか、これは別途法整備が今準備されているのか。ここは 質問です。 ○鈴木年金保険課長  御質問のありました17ページのサとシでございますが、御指摘があったように、昨年出 しました事業改善法、これと同じものを、また次の国会でも提出したいと考えておりまして、 したがいましてこれと同内容とご理解いただいてよろしいかと思います。   ○小島氏  それは、今国会ではなくて次の国会ですか。   ○鈴木年金保険課長  今通常国会です。組織の法案を準備しておりますけれども、それと一体の形で合わせて2 本出したいと思っております。 ○紀陸氏  細かい点でございますけれども、先ほど加納先生から、特定健診の話で、特定、特定とい うのはよくないという話が出てきましたが、そのことではなくて、資料1−2の8ページで す。まさにこの特定健診、来年の4月から法改正による義務化が目前になっているわけであ りまして、ここで19年度即というわけではないのですが、これについて準備段階で、特定 健診の義務化に伴って、19年度においても、被保険者であるとか被扶養者であるとか、そ ういう方々について、健診実施の目標を立てることについて検討するというような準備とい うのが必要ではないのかということなのですが、そういう点はいかがなものでございましょ うか。 ○松岡医療保険課長  特定健診につきましては、まだ内容が、項目など検討中のところがございますので、まだ 19年度の事業には載せていくのは難しいと考えております。ただ、この被保険者の健診を 下地として、被保険者の健診を拡げていくということが重要でございますので、8ページに ございますように、現行事業の健診を拡げていくということ、それから、事後指導も拡げて いくということに努力していきたいと考えております。また、各事務局でそれぞれ健診を2 0年度に実施できるように、健診機関を更に拡げていくとか、あるいは、市町村などともよ く協力をしていくといった場面が必要となってまいりますので、そういったところをよく準 備をしていくといったことを努めていきたいと考えております。 ○紀陸氏  この問題、実は片方で安衛法上の定期検診との調整の問題がありますので、ただ拡げてい けと言われると困る問題はあるのですけれども、いずれにしろ仕掛けとして、20年度に向 け、どうするのかという取り組み準備の目標として掲げておくということが必要ではないか というのが、質問の主旨です。  また、別の話でございますが、私ども日本経団連といたしましては、社会保障全体のIT 化の推進は非常に重要だと思っておりますが、レセプトも含めいろいろな仕掛けで、様々な 分野でのIT化の推進が必要なわりに非常に遅れている。この資料1−3の中に、いろいろ なところで、電子申請というのが出ているのですけれども、例えば、11ページのキ、オン ライン利用促進のための行動計画、あるいは、21ページの保険給付の電子申請の促進、あ るいは32ページのE、Fには、国民サービス向上に関する電子申請の利用促進など、いろ いろな分野であるのですが、特に実施庁として現場に近いがゆえに、IT化や電子申請の促 進のやり方というものが、こういうふうにしたらといういろいろな知見があると思います。 IT化が進まないのは、縦割りが非常に多いからとかいう背景があるかと思うのですが、そ れゆえに本省に、具体的にこうすればもっと進むというようなことを、現場という視点から 知恵入れができるのではないかということで、働きかけを行うべきではないかと思います。 これは要望です。  今1点、「ねんきん定期便」の中に、特に3ページと5ページに、お知らせとして「ねんき ん定期便」の制度を理解いただくために、厚生年金基金の代行部分の取扱いが異なっている という記述がありますが、見込額の意味合いも違ってきます。ですけれども実際には、この 厚生年金基金の仕組み自体は、十分ご理解をいただいているという段階ではないと思います。 特に代行部分の取扱いについては、差異が出た場合に受給額にどのように影響するのかとい うようなことを、もう少し視覚的にわかるようなものを工夫することも必要ではないか。も う少し、分かりやすさという面で工夫いただければという注文です。 ○宮武座長  最初のIT化への要望ということで答弁いただければ。 ○今別府企画課長  企画課長です。最初のIT化の話は、今回委員にご指摘いただいたように、いくつかのと ころにIT化の推進について記述をさせていただきました。これは個別の手続きによって当 然頻度も違いますし、IT化の要請の強弱もあると思いますが、年度目標を決めているもの、 新たに決めるもの、企業相手のもの、個人が相手のもの、いくつかありますが、個別の企業、 特にある程度の従業員がいるところに、個別に事務所を通じてお願いに行く、または分かり やすいメリットを示した資料をお示しして理解を深めることなど、今我々でできるようなこ とはできるだけやろうということで、再度整理をするつもりです。資料2の「ねんきん定期 便」については、後ほど説明をさせていただきますが、分かりやすくという要請を受けつつ、 正確に書こうとすればするほどボリュームが膨らんできまして、今も5ページというかなり の枚数なのですが、そこはなかなか難しいところであります。最終的には社会保険事務所に 照会していただくということになりますが、両方の制約要件の中でできるだけわかりやすく したいということで、前回お示しをさせていただいたものから、皆さんの意見を踏まえて改 良したものです。更に引く続き御意見をいただいて、とはいえ20年4月より本格実施であ り、また、システムの開発の必要性がありますので、次の機会にもう一度御意見をいただい たものを踏まえて改良をしたものをお示しして、おおむね決めていきたい、そのように考え ております。 ○青柳運営部長  少し付け加えさせていただきたいと思います。そもそも電子システムの関係の話は、ご存 知のように、いわゆる電子政府の構想ということで、森内閣の時から政府が一体になって取 り組んできたものでありまして、各省がある程度足並みを揃えて、電子でいろいろな手続き ができるようにということでやってきたんですが、今日それが必ずしも普及していないとい うことにはいろいろな理由があるのですけれども、最大の理由というのは、情報を的確に扱 うということにするために、電子申請手続きをする者は予め電子証明書の取得という手続き を必ず経るということが求められております。したがいまして、そういう手続きを経ないと 実際上は電子申請を利用できないということが、必ずしも大きくない事業所などでは、大変 大きなネックになっているということが、特に私どもの手続きに関しては、従来から指摘を されておりました。しかし、そのまま放っておくわけにいきませんので、最近、私どもは社 会保険労務士の方が、いわば代行手続きをする際にきちんと電子証明書を取得していれば、 社会保険労務士経由の手続きは、個人なり個々の会社が必ずしも電子証明書をとる必要がな いという取扱いにいたしました。したがいまして、様々な社会保険手続きは、社会保険労務 士が電子証明書を取っていただくことによって、そこ経由で代行の手続きをしていただける ようになるという意味で、これもまだまだ知れ渡っていないかもしれませんけれども、私ど もはそういうことをきちんとアナウンスしていきたいということを考えております。しから ば、個人は何かそういうことをやらないと、例えば年金の自分の加入記録などもわからない のではないだろうかというお尋ねもありました。私どもは併せてIDパスワード方式という ことで、これは先だってもご紹介させていただいたかと思いますけれども、電子証明書を取 らなくても自分の年金記録については、IDパスワードによって、インターネットで自分の 年金の加入記録の情報が引き出せるとういうやり方を導入させていただいております。した がいまして、そういう具体的なネックについて、まだまだ不十分でありますけれども、私ど もなりにできるやり方でこれまでも対処させていただきましたので、今後もそういう工夫は やっていきたいと考えております。 ○宮武座長  紀陸委員の最初のご質問と関連して教えて欲しいのですが、特定健診は30パーセントぐ らいで、随分と健診率が低いのですが、被扶養者は政管健保の場合はどうなっているのです か。これから先、市町村国保でそれをやるわけですが、その場合に市町村国保の側と政管健 保の被扶養者の住所について、どのような形で情報交換なさるのですか。 ○松岡医療保険課長  被扶養者の健診の実施率につきましては、3パーセント程度で低いです。特定健診、特定 保健指導の実施責任は、保険者にありますので、政管健保として、あるいは全国健康保険協 会でやっていかなければいけないということでございます。被保険者の方は事業所単位で実 施できますけれども、被扶養者の方は地域に散らばってお住まいですので、事業所で健診を やるというのはなかなか難しいので、健診機関を拡げていくとかいうことは必要です。それ で、それに当たりましては、市町村の老健事業や市町村国保で実施しているような機関など もございますので、そういうところも活用させていただくような方式がとれないかというこ とを、医療保険者の集まりなどで提案しています。今後、検討してまいりたいと思います。 ○稲上氏  資料1−3について、2つ3つお尋ねしたいと思います。13ページBに関連してですが、 2月17日の新聞に基礎年金番号の番号漏れの記事が出ておりました。ひとつは、それがど のくらい深刻なことかということがよくわかりませんので伺いたいのです。Bにありますこ とと、不備5千万件という話とは少し違うことなのかとも思いますが、基礎年金番号漏れと いう事案がきわめて多いと書いてある一方、その記事でもあまり深刻なことではないという ことも書かれています。もしこのBとずれている内容であるというのであれば、それに対し てどうしていこうとしているのか。また、元々深刻な問題ではないということであれば、話 が違ってくるかもしれませんので、まずその点をお尋ねしたいと思います。  つぎに、年金教育はとても大事なことだと思いますが、35ページのところ、Aのイに、 大学等に対して必要な協力を依頼と書いてあります。結論からいえば、この施策については もう少し積極的な姿勢で臨んでいただいた方が良いと思っております。17年度実績がこの 22校というのは4年制大学の数でしょうか。学生特例ということもありますし、大学側の 理解度も一般的には高いはずだと思いますので、大学生を対象とした年金教育のことについ てはもう少し積極的になっていただけたら有り難いと思っています。それはお願いです。  3番目は、39ページに人事政策の改革ということを言及されておられて、とても大事な ことだと思います。ただ、文言上は何も違和感はないのですが、例えば、能力本位や人物重 視という言葉が出てきますが、能力本位といったときに、年功序列や地域の事情にとらわれ ない能力本位云々と書かれています。どういうふうに能力を評価なさるのだろうかというこ とをご説明をいただきたいと思います。  それから、人材の育成のBですが、書かれていますことにはまったく異存ありませんが、 社会保険大学校において質の高い研修を行うということが書かれています。38ページの下 線の部分を何ヶ所か拝見すると、その研修の程度、質の高い研修ということについてある程 度は類推できますが、その内容がハッキリしているのであれば、それについて追加的にお話 していただけたらと思います。  もうひとつ、単純な質問が1つ。アンダーラインの下に、非常勤職員に対する研修対策に ついて触れています。これもとても大事なことだと思います。単純な質問ですが、社会保険 事務所の非常勤職員の比率はどのくらいのものなのかということがいまお分かりになるよう であれば、教えていただけたらと思います。以上です。 ○宮武座長  ご要望を入れて4点ございます。どうぞ。 ○今別府企画課長  私から、最初の基礎年金番号と5千万件の関係について、ご説明をさせていただきます。 Bに書いてありますように、平成9年に基礎年金番号を導入いたしまして、それまで制度ご とに複数の年金記録を持っておられた方を統合していくという作業をしております。平成9 年に一人一番号ということで、全員に番号を振って、他に番号を持っていませんかというこ とをご照会し、申し出られた方、それから氏名、性別、生年月日で名寄せを行って、それぞ れ9百万件ずつ、平成10年度から18年度までかけて記録の整備をしてきました。その中 で、5千万件と言われておりますのは、まだ統合されていない番号の数で、それには2種類 あります。1つは60歳以降年金をもらう段階で統合されてくるはずの、まだ複数の番号を 持ちながら、それが統合されていないというもの。これは60歳に向けて統合されていくも のです。もう1つは、お亡くなりになったり、受給資格を満たさなかった、年数が足りなか ったとかということで受給要件に達しなかった方、結果的にそういう形で記録が残っている という方、この2種類の数字の合計が5千万件です。いずれにしても前者のほうは最終的に は統合されて、年金の給付につながるということですので、問題はないと考えております。 ○鈴木年金保険課長  2点目、35ページの大学セミナーの関係を応援いただきまして、本当にありがとうござ います。実は下の点線で囲ってございます大学セミナーの22校というのは、18年度、今 年度の見込みでございまして、この事業は今年度から始めております。準備の都合もござい ましてこの程度に納まっておりますけれども、大学側の関心も非常に高い面もございますの で、来年度は更に充実して拡充を図ってまいりたいと思っております。よろしくお願いいた します。 ○高橋企画室長  3点目の人事政策のところでいくつかご指摘いただきました。39ページのところの年功 序列や地域等のとらわれない能力本位ということにつきましては、社会保険庁では各省庁に 先駆けまして、能力評価、実績評価、年度の初めに目標を立てまして、目標管理型の人事評 価制度を今年度既に開始しております。18年度は事務所課長以上の管理職クラスにつきま しては、本格実施をし、来年からは全職員に本格実施になりますが、全体につきまして、S ABCDの相対評価による評価を行うということを積み重ねておりまして、これを定着させ つつ、合理的な人事、あるいは能力本位の人事に反映させていくということで考えておりま す。また、研修につきましては、事業計画の55ページに(6)研修計画というのがございます。 事項ごとに分けて掲載しておりますけれども、まず、1万7千人の全正規職員に対してコン プライアンズ研修、法令順守、公務員倫理、個人情報保護についての研修をやっております。 また、大学校における研修につきましては、階層別研修、新規採用研修、採用後3年目の時 期に一般職員研修、中堅職員研修につきましては、庶務、会計を担当する職員、あるいは適 用・医療給付、徴収、年金給付、それぞれの中堅につきましては、専門別の研修。中間監督 者研修といたしまして、初めて社会保険事務局の係長又は事務所の課長となった者。更に進 みますと、管理者研修ということで、初めて総合相談室長、初めて事務所長となった者。こ ういう階層別に分けた研修をしました。また、2では、業務別の講座の研修でございますが、 指導医療官、あるいは医療事務、社会保険審査官、人事、人材育成、会計等々、あるいは強 制徴収の分野ですとか、こういう分野での専門研修を行っております。新しいところでは5 7ページのUに、通信研修ということで、国民年金保険料の強制徴収の実務研修ですとか、 年金給付、年金相談についての通信研修を行ってまいりたい。またその他、大学校だけでは なくてブロック別にも研修を行っていきます。  非常勤のことをご指摘いただきましたけれども、58ページにございますが、非常勤に対 する研修といたしましては、国民年金推進員の研修、年金相談員の研修、社会保険指導員、 社会保険庁全体で、今正規職員が1万7千人、これに対しまして、非常勤職員が約1万1千 人、全体で2万9千人程度の体制でございますが、そういう意味で非常勤職員につきまして も、大きな戦力として研修をしてもらうという体制を立てております。 ○宮武座長  よろしければ、次の資料の説明をお願いいたします。 ○乗越企画課課長補佐  企画課課長補佐の乗越と申します。議題の2つ目の「ねんきん定期便」について説明をさ せていただきます。  「ねんきん定期便」の様式につきましては、前回その時点でのイメージをお示しし、意見 をいただきました。その後、11月24日から12月31日にかけまして、社会保険庁ホー ムページで一般の方からの意見募集を行い、43件の意見が寄せられましたので、主な意見 について紹介をさせていただきたいと思います。  まず、年金個人情報を通知することについては、支給額がわかることは将来設計のために 有効である、年金手帳は何も書いていないので、このような通知は好感が持てる。もう少し 早く実施すればよかったというようなご意見があり、おおむね評価をいただいております。 送付時期や費用につきましては、5年おき、または隔年実施により経費を節減すべきではな いか、知りたい人は自分から問い合わせれば済むのではないか、また、保険料財源を使うべ きではない、などのご意見がありました。これらにつきましては、引き続き実施に向けまし て、ご意見をいただきながら検討をしてまいりたいと考えております。  続きまして、実際の表示内容についてですが、年金見込額については、基礎年金と厚生年 金で合計いくらもらえるのかを強調した方がよい、年金がいつからいくらもらえるのかも表 示すべきなどのご意見がありました。また、50歳未満の若い方の将来額については、年金 額の早見表をつけておりましたが、早見表から見込額を計算するのは難しいというご意見が ございました。また、保険料納付実績につきましては、事業主負担分も表示すべきではない のかというご意見がございました。また、加入期間などについては、書き方の問題と思われ ますが、厚生年金の加入月数と加入期間の違いがわからないといったご意見がございました。 その他、分かりやすくした方が良いなどの様々なご意見がございました。また、記載内容の ほかに、具体的な手法といたしまして、インターネット、パソコンや携帯電話を活用して情 報提供をすべきではないのかというご意見もございました。これは先ほどお話も出ましたよ うな、インターネットを使った個人情報の提供サービスがございますので、そういうものを 充実していく必要があると考えております。また、実施にあたって、住所整備を事前にきち んと行うべきではないのかというご意見もございました。これにつきましては、2月、事業 主に対する保険料納入告知書送付時におきまして、住所確認の周知チラシなどを送付して、 住所整備を促進することとしております。  このような意見、また、前回いただきましたご意見を踏まえまして、資料2にお出しして おりますものが現時点の案でございます。前置きが長くなりましたけれども、簡単に前回か らの主な変更点につきまして説明をさせていただきます。  まず、大前提ですけれども、各項目に薄く灰色になっているところについては、送付する 際にこちらで埋める情報でございます。その記入がないものについては、お客様に埋めてい ただく項目でございます。  1枚目の1ページ目でございますが、真ん中に年金見込額、また、2として、保険料納付 額の目安ということを1ページ目に出すことによりまして、実際いくらもらえるのか、いく ら払ったのかということがすぐ見られるようにいたしました。また、前回の案では、お知ら せする事項を単純に並べただけというものになっておりましたけれども、これをお知らせす るために必要な注意書、説明文などを加えております。ただし、ここに書いてあるものだけ では、なかなか難しいことも考えられますので、更に見方を詳しく説明するようなリーフレ ットを同封することを考えております。また、その注意書の中でも、1頁目の注意書の中の 年金見込額の中にありますように、実際に年金を給付するためには25年以上の期間がある ことが必要な点や途中経過の年金見込額であり、今後の年金加入実績が増加することに伴い、 年金額が年々増加することなど、前提条件や重要なことについては、色を変えまして強調し て、分かりやすく観やすいものとなるように工夫をしております。  なお、一番下の囲みの保険料納付額の目安の2つ目の四角のところに、前回ご意見をいた だきました、事業主負担については、原則被保険者負担額と同額ですということを、付け加 えさせていただいております。  2ページは、これまでの年金加入の実績でございます。こちらに書いてある事項につきま しては、おおむね前回と同様でございますが、必要な注意書などを追加させていただいてお ります。  3ページは、これまでの年金加入実績に応じた年金見込額の情報を提供するものでござい ます。基礎年金額と厚生年金額を分けまして、合計額がわかるようになっているというもの でございます。これらについても、前回記載事項とおおむね同様ですけれども、見やすさと 注意書などの補足をさせていただいております。  少し変わりましたのが4ページでございまして、先ほど意見募集をした際の意見の中にも ありましたけれども、50歳未満の方に送付します「ねんきん定期便」の中の、将来の見込 額についてのページでございます。前回については早見表による確認をしていただくことと しておりましたけれども、これを早見表と併せまして、年金額を実際にご自身で計算をして いただく方式とさせていただいております。これによりまして、実際にいくらもらえるかに ついて、早見表ではなく、実際にご自身で計算し確認をしていただけるということになって おります。枠内につきましては、ほとんどの事項が前のページに出ております加入期間や標 準報酬というものを埋め込むことによって分かるというものになっております。  次の頁はまた4ページになっておりますが、50歳以上の方に送付する「ねんきん定期便」 です。50歳以上の方については、将来の年金見込額について、社会保険庁からお知らせを するということになっておりますので、将来の年金見込額は埋められて送付をされるという ことになっております。  5ページは、「ねんきん定期便」のうち、特定年齢の方、35歳、45歳、58歳の方につ きましては、1から4ページに加えまして、年金の加入履歴、実際に加入していた事業所名 の名称、また、加入制度について、詳細に履歴をお示しすることとしております。  これらは、現時点での「ねんきん定期便」の案でございます。この様式につきましては、 まだまだ改善の余地があると考えておりますので、今回この場でいただきますご意見、また、 一般のお客様からいただきましたご意見、また、実際に照会を受けることになります現場の 職員にも、現在意見照会を行っておりますので、それらの意見を取り込みまして、次回の運 営評議会の場で、更に改善したものをお示しさせていただきたいと思います。  続きまして、資料2の後ろに参考資料がついておりますので、それらについて簡単に紹介 だけさせていただきたいと思います。  参考資料の1ですが、社会保険庁改革についてということで、内容につきましては現在検 討中の法律案の概要になっております。組織の法案と業務改善の法案という内容になってお ります。  参考資料2−1―1から参考資料2−2−2までについては、年金電話相談業務と国民年 金保険料の収納業務につきまして、先ほど話に出ました民間事業者に事業委託を行う市場化 テストのモデル事業を行っておりました。それに係る評価を行いましたので、それを取りま とめたものでございます。  続きまして、参考資料3ですが、国民年金保険料の納付率について18年12月末現在の 数字を取りまとめたものでございます。  参考資料4ですが、国民年金保険料の強制徴収の実施状況について、現時点のものをお示 ししたものでございます。  参考資料5ですが、昨年8月から行っております年金記録相談の特別強化体制につきまし て、これを当面継続するということをお知らせしております。この資料の最後に、直近の実 施状況についてまとめたものが添付されております。  参考資料の6は、コールセンターでございます。平成20年度までに、年金電話相談を受 けるコールセンターを3つにまとめていく計画について記載されております。  参考資料の7は、先ほど説明の中で申し上げた、事業主の方への「ねんきん定期便」が始 まることのお知らせ。そして住所をしっかり確認をしてくださいということのお知らせでご ざいます。  参考資料の8は、住基ネットを活用して現在の年金受給者に行っていただいております現 況届を省略するという事業をすることとしておりますけれども、それにあたって、住民票コ ードを収録する必要がございますので、その収録状況等につきましてまとめたものでござい ます。  参考資料の9ー1から参考資料に9−3までは、昨年12月21日にとりまとめられまし た船員保険事業運営懇談会の報告書の関係の資料でございます。この報告書に基づきまして、 現在関連の法案が国会に提出されているという状況でございます。  参考資料10−1、10−2ですが、昨年3月に速報をお示ししておりますけれども、平 成16年公的年金加入状況等調査報告の確報版になります。  参考資料11が、平成17年度社会保険事業の概況ということで、様々な事業の実施状況 の数値的なものがとりまとめられております。  参考資料12−1、12−2ですが、高額査定に係る被保険者等に対しまして通知をする ということになっておりますけれども、その通知が漏れていた件に関係します資料でござい ます。  最後参考資料の13ですが、電子申請に関するアンケート結果ということで、昨年10月 の平成18年度電子政府利用促進週間に、社会保険事務所の窓口におきまして実施しました アンケート結果につきまして取りまとめたものでございます。  参考資料については以上でございます。 ○宮武座長  ありがとうございました。当初に紀陸委員がご質問になりましたけれども、3ページの下 の厚生年金基金の代行の部分が分かりにくいというご指摘ですけれども、何かお答えいただ けますか。 ○今別府企画課長  ここは、先ほど申し上げましたけれども、限られたページですが、更に工夫をさせていた だきます。 ○宮武座長  どうぞ、あとはご自由にご質問なりご意見なり。 ○鈴木氏  去年大変問題になった免除に対する不正な手続きということで、勿論きっちりお調べにな って処理をされたと思いますが、結局、最終的にどういうことになったのでしょうか。処分 がどうだとかじゃなく、免除手続きを適正にやっていないために問題になったわけですが、 現在は適切に全てのものが免除するなら免除するということに、もう処理が終わったと思っ てよろしいですか。 ○鈴木年金保険課長  結論を申しますとその通りでございまして、不適切なものについては全て取り消しをし、 後ほど御本人の御意向が確認できたものは、適切な手続きで免除につなげるということで、 10月いっぱいをもちまして全ての処理が適正に終わっております。 ○鈴木氏  かなりそこのところは明確になったと思っていいわけですね。免除者はこうだと。もう1 つ、これも言われた参考資料の12−1で、このレセプトを検査して、本人に通知漏れがあ ったというものもきっちり終わったということですか。漏れていた人にはきっちり全部通知 が終わって、処理が終わったのですか。 ○松岡医療保険課長  これにつきましては、通知漏れにあった方に対して、各事務局から現在通知をさせていた だいているところでございます。まだ終わっていないところもあると思います。   ○鈴木氏  今は経過中で、でもきっちり終わろうとしていると思っていていいのですね。   ○松岡医療保険課長  はい。1月18日以降やっているというところでございます。 ○宮武座長  「ねんきん定期便」については、前回のこの評議会でも、実際に全年齢、20歳以上にな るかと思いますが、その方々すべてに、誕生月ごとに通知を出すことというのは、費用面で 疑問があるという声が相次いだわけですが、その後はどんな状況なのかだけ少し教えてくだ さい。 ○今別府企画課長  前回そういうご議論をいただきまして、20年度の4月からが本格実施でございますので、 20年度予算の議論の過程で、再度ご議論いただくということだろうと思いますが、その後 の記録に関する報道等も踏まえますと、初年度は全員に出してみて、その後どうするか検討 するということになるのかもしれないと、個人的には思っております。そこは、20年度予 算に向けてのご議論にさせていただこうと思います。 ○鈴木氏  前回、実績の評価をしていただいた時にも同じことを申し上げたと思いますが、厚労省が やることと現在の社会保険庁がやることを、もう少しきっちりと分けなければいけないので はないかと思います。新しい組織ができるわけですから、その新しい組織も両者の絡み合い で全体が機能するという格好になっているのですが、もう少し厚労省のやることは、基幹的 な重大なことだけというようにされたほうがいいのではないかと思います。この事業計画を 立てるにあたっても、さっき少し申し上げたのですが、肝心なところを分かりやすく、そこ だけ目標を作っていただく。要するに、厚労省が責任を持つのは、財政をきっちり、持続性 を持たせてやるということが基本になるわけですから、そのことだけの目標だというように 限定し、あとの全ての実施は社会保険庁に任せるというように、両者をきっちり分けないと、 行政の効率化ということから言うと、少しまずいのではないのでしょうか。いつも目標を2 月に設定して、こうしてその評価をして、また変えてというと、結局その評価は1年かかり、 1年おきにくるわけですよね。このあたりが、民間の立場でいくと、それほど時間をかけて おやりにならなくても、良いのではないかと思います。役所はなかなかそうはいかないとい うことは分かって申し上げているのですけれども、もう少し機能を簡潔にすれば、合理的に やれないのかと、この表を見て改めて思います。感想だけ申し上げます。これは長官も十分 お分かりになってやっておられると思いますが、情報が複雑になりすぎているのではないか という気がします。 ○宮武座長  特に答弁は必要ございませんか。もしあればですけれども、よろしいですか。他に何かご ざいますか。 ○小島氏  資料1−3の事業計画案の38、39ページのところ組織の改革に係わるところですが、 カの開かれた組織運営から始まって、ここには拠出者あるいは利用者の意見反映ということ で、運営評議会の設置というのがある。次の39ページに地方社会保険事務局に「サービス 事業改善協議会」を作っているということですが、これは社会保険事務局に作っているとい うことなのでしょうか。今日でなくてもいいのですが、次の運営評議会の時に、地方のサー ビス事業改善協議会の活動状況を、どういうような活動をされているのかということについ て、調べたものがあればご報告いただきたい。やはり、被保険者あるいは利用者の意見を反 映するということが、社会保険事務所、あるいは社会保険庁に対する国民なり被保険者の信 頼を高めるということにもつながってくると思います。その活動、地方での取り組みという のも極めて重要になってくると思いますので、是非そこはお願いしたいと思います。 ○大澤サービス推進課長  サービス推進課長でございます。ただいまご質問がありました事務局のサービス改善協議 会ですが、平成17年度から47都道府県全ての事務局におきまして、被保険者、受給者あ るいは事業主、いろいろな方々にお集まりいただきまして、設置済みでございまして、年間 3回程度開かれております。活動状況につきましては、最近の社会保険庁改革の動向のご説 明を初めといたしまして、各事務局、事務所での取り組み。具体的には、年に2回、7月と 1月にアンケート調査を全事務所で行っておりますので、そういうアンケート調査結果のご 報告なり、あるいは事務局によっては特定の事務所へ、サービス改善協議会をその事務所の 中で開きまして、そこでその窓口の状況を視察していただいたりという取り組みをしており ます。次回のこの会議におきまして、各事務局での開催状況については、資料整理をして提 出させていただきたいと思います。 ○小島氏  資料の1−1で、この事業計画の本省での計画を作った後に、社会保険事務局ごとに事業 計画を作成するということで、その段階の時に、このサービス改善協議会等の意見を聴くと いうようなことはされているんですか。 ○大澤サービス推進課長  おおむねしております。 ○宮武座長  よろしいですか。もし他にご意見がなければ、是非本日の意見を参考に生かしていいただ きたいと思います。 ○紀陸氏  これも細かい点でございますが、参考資料の2−2−1ですが、国民年金保険料の収納に 関しまして、口座振替というのは意味あることとして着目したいと思っているのですが、2 −2−1の1ページですと、市場化テストで口座振替の目標達成は1カ所であとは不達成に なっているというような理由をどう考えたらいいのか。この中で、次のページに、電話督励 が中心でというようなことが書いてありまして、この背景事情をどう分析されておられて、 かつ、他の事務所での実績はどうであったか教えていただければ幸いかと存じます。 ○鈴木年金保険課長  国民年金保険料の収納事業の市場化テストの要求水準のうち、口座振替の質問がございま した。これは、今ご指摘があったように、5カ所のうち1カ所だけ達成で4カ所が不達成と いう、少し残念な結果でございまして、この理由は、お手もとの資料3ページの真ん中の表 をご覧ください。民間事業者のやった仕事と、同一都道府県内の他の官がやった仕事を見ま すと、圧倒的に民間の方が、電話を中心に事業をやっておられるということになりますが、 電話を中心にやってまいりますと、口座振替の依頼をいたしましても、なかなか応じていた だけない。やはり足を運んで、初めて口座振替を確保していけるということもございまして、 このあたりの差がここに表れているのだろうと分析をしております。口座振替自体は、17 年度、他の官全体としては割と好調な結果でございましたので、今回の結果を踏まえまして、 民間事業者の方に、電話だけではなくて、ある程度足を運ぶようなことも含めてメニューを 総合化していただいて、成績をあげていただくということを条件付けしていくことも必要で はないかと考えております。 ○鈴木氏  資料を見て、少し質問をしたくなったのですが、この市場化テストの資料では、共に電話 相談と収納事業と両方の資料がありますが、これを比較してみると、収納事業では社会保険 庁がやって、非常に安く出ています。これは大幅に安いと思っていて、機能しているという ことだと思うのですが、普通、民間に委託とすると、民間企業の場合ですと、委託するから、 例えば人事部を外部委託、アウトソーシングで人事部の人間を全部リストラしてしまうとい うことで成り立つのですけれども、おそらく社会保険庁はそうではなくて、今の人間はその まま抱えていて、更にプラスして外部委託することによって、単独でやっているよりも大き な効果を得て、トータルしてプラスになるというようなことなのだろうと思いますが、そう いう見方で見て、これはペイしているのかどうかということを確認したいと思います。また、 2つの電話相談センターのうち、1つは契約に対し実費も安くできて、うまくいっているけ れども、片方は確かに委託費用は安いのだけれども、実際の経費は沢山かかっている。日本 マルチメディアサービスはそういうようなことになっていて、このあたりのところは、どの ようにこれから進めていこうとしておられるのか。この2点を質問します。 ○鈴木年金保険課長  1点目でございますが、民のやっていただく部分と官の部分と相まって、全体として総合 的に一番いい効果が発揮できるようにと思っております。 ○鈴木氏  それはリストラするというわけではないですよね。地域でアルバイトなどで雇っている人 を辞めさせてこれをやるっていうのではなく、その人たちもそのまま移転しながら、更に委 託をしているということですか。 ○鈴木年金保険課長  例えば、国民年金保険料の収納の場合で申しますと、これは強制徴収とか免除のような非 常に権力性のある業務やプライバシーに係わる業務は官がやりますけれども、真ん中の部分 は民にお任せする。この部分に、例えば今、国民年金推進員とか職員が一部携わっておりま すので、その部分を外に出しますと、そこは人が減ることになります。   ○鈴木氏  減員になる部分もある。 ○鈴木年金保険課長  ございます。減員になった部分が民のほうで活用していただけませんと、例えば推進員さ んはそのまま辞めていただいたくことになる。ただ、今回の結果を見ますと、やはり電話だ けではなかなか成果が上がらないというのも分かってまいりましたので、その部分でご活用 いただく余地もあるのかなと思います。 ○鈴木氏  新たに民間に委託することによって、やはりトータルとしては、収納率が上がって、そし て、勿論委託料を払うのだけれども、それ以上のメリットは出てきており、この市場化テス トというのは成功なのだと認識しているということですか。 ○鈴木年金保険課長  今回の結果だけを言いますと、コストの面では安くなりましたけれども、トータルとして の収納率の面では、残念ながら他の事務所より奮わなかったという意外な結果が出ておりま す。そのあたりの分析は、資料の2−2−1の2ページ目の3番、「実施結果を踏まえた見直 し」にありますように、今回モデルした結果、より改善すべき点がわかってきたわけでござ いまして、ここに具体的に並べさせていただいております。これを次年度以降きちんと反映 させて、委員からご指摘がありましたように、それぞれいいところを使って、より安くより 効果が上がるようにしていきたい。そういう意味では、今回のモデル事業というのは、それ なりに意味があったのではないかと総括をさせていただいております。 ○鈴木氏  右のページに、納付月数1月当たりコストというところだけで言うと、右と左で大分違う から、成果が出ているのかというと、そうじゃないと言っておられるわけですか。 ○鈴木年金保険課長  はい。そういうことでございます。多少お時間をいただくことになりますが、今回民間に お願いするに当たりまして、3ページの一番上の表にありますように、要求水準ということ で、このぐらいの月数をとっていただきたいということをお示しして、そこは達成率が非常 によくて、1ヶ所の事務所を除いて4事業所は達成できました。ところが、一番下の納付率 の表を見ていただきますと、例えば、18年9月末の納付率を、民間の入った弘前の事務所 で申しますと、対前年度比で△0.23パーセントであった。ところが、他の事務所は+0. 22だったという、ちょっと意外な結果が出てまいりました。ただこれは、民間事業者だけ の責任ということではございませんで、残された官の側が、例えば免除勧奨を頑張ったのか どうかということもありますので、それも比較してみましたのが右の表でございます。委員 から御指摘がありましたように、官の役割と民の役割のベストミックスで一番いい結果を出 していく。これが市場化テスト、あるいは民間委託のコンセプトでありますので、今回それ が一部うまくいかなかったのは何故かというのを分析したのが先ほど申しました、2ページ の6点の項目であります。これらの点をうまく改善をしていきますと、成果に繋がっていく だろうと思っておりますので、ここを改良いたしまして、ゆくゆくは全国的に拡げていきた い。19年度は95カ所に拡げますので、そういうことで今回の反省に立って、こういった 改善をした上でより効果があるようにしたいということでございます。   ○宮武座長  あとは、電話相談のほうの件。   ○今別府企画課長  電話相談は、ここにあります茨城と広島の年金相談電話センターは、私どもがこの2社に 任せるに当たって、私どもの事業を代わってやっていただいた関係ですので、両方重複しな いように、完全に振り替わってやっていただいたということです。結果は、先ほどご照会が ありましたが、1つは実質赤字であった。もう1社のほうも、要求水準を達成しておりませ ん。これは、オペレーターの数をかなり制限しすぎて、結果的に考えておりました基準の電 話を受けることができなかったということで、いずれもそういう意味では、必ずしもうまく いかなかったという結果になっております。  先ほど、事業計画で若干触れさせていただきましたけれども、電話相談事業といいますの は、今中央年金相談室と23の電話相談センターがありますが、これは全国3カ所ぐらいに 集約をしたコールセンターという形にして、改善をしていこうと考えております。   ○紀陸氏  難しいですね。   ○鈴木氏  達成するのかと思ったら、そういうわけでもないのですね、今のところは。   ○宮武座長  大変貴重なご意見を承って、是非ご参考にしてください。本日はここで閉会といたします。 どうも本当にご足労をかけて恐縮でございました。今後の日程等について最後に事務局から お知らせをお願いいたします。   ○乗越企画課課長補佐  本日は貴重なご意見をありがとうございました。次回につきましては、3月14日、15 時から開催したいと思っております。どうそよろしくお願いいたします。   ○宮武座長  どうもありがとうございました。本日はこれで閉会といたします。    〜 以上 〜