第3回船員保険事業運営懇談会議事録 1 日時 平成18年9月26日(火)      10:00〜12:00 2 場所 厚生労働省専用第18会議室 3 出席者(敬称略)   岩村、野川、江口、小坂、中村、三木、遠藤、大内、清水、藤澤、三尾、木村 4 議題 (1)事務的打合せのこれまでの経緯について (2)船員保険制度見直しに関する問題点の整理について (3)その他 5 議事内容 ○岩村座長  それでは時間になりましたので、第三回船員保険事業運営懇談会を開催させていただき ます。まず、議事に入ります前に、委員の皆様の出欠状況についてご報告させていただき ます。本日は西村委員がご欠席ということでございます。それでは早速本日の議事に入り たいと存じます。まず、前回の運営懇談会で意見が十分には反映されていないというご指 摘もございましたので改めて事務的打合せのこれまでの経緯につきまして事務局の方から ご説明をいただきたいと思います。お願いいたします。 ○事務局  それでは早速資料の説明に入らせていただきたいと思います。ただ今議題となりました 事務的打合せのこれまでの経緯につきましては、資料中、右肩に「資料1」の番号がふっ てございます横長の表をご参照いただければと存じます。前回、8月の運営懇談会におき まして事務局より、失業部門、職務上疾病部門、その他計5部門につきまして、事務局か らそれまで提示させていただいておりました論点、それから、提出いただきました主なご 意見につきまして概要をまとめさせていただきましたが、十分に意見を反映できていない というご指摘をいただきまして、事務的打合せの方でさらに意見を反映させるべく、ご意 見をいただいておりました。その結果を資料1にまとめさせていただいております。まず、 左端に論点を記載させていただいております。また、前回の事務的打合せでは、主な意見 の部分につきましては、被保険者側、船舶所有者側、一般被保険者側、一般使用者側、枠 を分けずまとめて記載しておりましたので、若干見にくい部分もございましたので、これ を分ける形としております。それから、今回、事務的打合せにおきまして、追加でご指摘 をいただいた部分、追加すべきとご意見をいただいた部分を記載させていただくとともに、 事務的打合せにおける議論を反映させるべく、当局からの回答につきましても記載させて いただいております。矢印、それから斜線の部分が当局側の回答といったものでございま す。このような形で再度整理させていただいて、事務的打合せ、それから関係者の皆様に ご確認いただいた資料でございます。主要項目、論点、ご意見の主な事項につきましては、 前回の運営懇談会でご説明させていただいているところでございますので、今回は主な論 点の確認と、特に追加させていただいた部分を中心にご説明させていただければと存じま す。まず1ページ目、失業部門でございますが、大きなポイントといたしましては、適用 対象の問題がございます。年齢、それから短期雇用特例被保険者、それから日雇の関係、 また項目の3番目の論点といたしましては、給付の算定の基礎となるものとしまして、標 準報酬をとるか、総賃金をとるかといったものがございます。給付の基礎とあわせまして、 保険料の算定の基礎としましてもやはり、標準報酬をとるか、または総賃金をとるかとい った問題がございます。1枚めくっていただきます。中ほど、その他のところがございま すが、こちらから追加項目が中心となってございます。まず1点目、失業部門の積立金が 約200億にのぼるということでございますので、保険料率を引き下げるべきではないか といったご意見をいただいております。それから、下ほどになりますが、こちらは被保険 者側からのご意見ですが、適用範囲について、冒頭の部分、適用対象年齢、それから短期、 日雇の関係ございましたが、その他より詳細な具体的なものにつきましてご質問いただき まして、当局側からの回答を記載させていただいております。4ページまで飛んでいただ きたいと思います。この他失業部門の関連といたしましては、期間通算、雇用保険制度へ の統合後の問題、それから実際の業務の遂行の関係でございますが、失業認定の業務の遂 行のあり方、それから一般制度であります雇用保険制度の見直し等に関して質問、ご指摘 等をいただきました。続きまして、また1枚めくっていただきまして5ページの方をお願 いいたします。職務上疾病部門につきましても前回提出させていただいた資料の中に記載 させていただいている論点が中心となっております。まず一点目、労災保険に統合する際 の船員独自の部分についての支給の仕組み、これをどうするか、それから論点の二番目、 三番目になりますが船員独自のものとして移送費、それから下船後三月の療養補償の取り 扱い、また、引き続きまして、失業部門の問題と同様でございますが、保険料の算定、給 付の基礎となります日額につきまして、標準報酬を用いるか、それとも総賃金を用いて算 定を行うかといった論点がございます。6ページ目の方に移らせていただきたいと思いま す。追加部分でございますが、具体的な給付のあり方につきまして個別にご質問等いただ きまして、それに当局から回答させていただいています。7ページの方に移らせていただ きたいと思います。こちらの方では先ほども申し上げました、保険料を標準報酬とするか、 総賃金に基づくものとするかといった問題、それからメリット制の他に、失業部門の適用 範囲について個別の具体的な事例につきまして、被保険者側の皆様からご質問いただきま して、それに対して当局側から考え方を整理したものをお示ししています。続きまして1 0ページの方に移っていただきたいと思います。こちらは職務上年金の問題でございます が、職務上疾病の場合と同様、独自給付の仕組み、これをどのように考えるか、また、標 準報酬と総賃金につきまして、どのように整理するかといった問題がございます。11ペ ージでは論点といたしまして個別の給付であります障害手当金や遺族一時金について整理 させていただくとともに、下の部分では積立不足の償却の問題がございます。こちら、各 関係者からご意見いただいておるところでございますが、詳細につきましては議事の2番 目の船員保険の見直しに関する問題点、こちらの中で詳細についてご説明させていただけ ればと思います。続きまして13ページをご参照いただきたいと思います。職務外疾病部 門につきましては、傷病手当金の取り扱いを13ページに記載させていただいておりまし て、さらに1枚おめくりいただきますと14ページで運営主体の考え方につきましてご意 見をいただいております。こちらの、運営主体のあり方のご意見につきましても、2番目 の議題でございます船員保険制度見直しの問題点の整理の中で詳細について各側からのご 意見をご紹介させていただければと思います。15ページお願いいたします。最後に福祉 事業の部門でございます。前回提出させていただいた資料におきましては福祉事業、これ を各部門を問わず一括するような形で記載させていただいておりましたが、今回、労働福 祉事業、それから雇用保険三事業、また業務外疾病関連の、その他、公法人で実施する福 祉事業に関する論点に分けさせていただいております。その他、福祉事業に関する論点、 いくつかございますが追記させていただくという形でございます。資料の修正、それから 主な項目につきましては以上でございます。 ○岩村座長  ありがとうございました。それでは、ただいま事務局の方から事務的打合せのこれまで の経緯につきましてご説明をいただきました。このご説明につきまして委員の皆様の方か らご質問があれば承りたいと存じます。どうぞお願いをいたします。清水委員どうぞ。 ○ 清水委員  清水です。前回この場に提出いただきました未定稿の資料に比べますと、かなり良い資 料を作っていただいたというふうに思っております。事務局に御礼申し上げたいと思いま す。その上で2点発言したいと思います。一つはこの資料の一番左側に事務局で整理して いただいております論点というのがございます。この論点もかなり拡充された内容になっ ているというふうに私思いますし、被保険者側も含めまして、各側の質問、意見に対して 事務局の回答を示していただいているという形になっております。ただ、こうした事務局 の考え方、回答ぶり、これらの全てに了解しているというわけではない。問題によっては 異論反論を留保しているところもございますというところはご了解いただきたいと思いま す。それが一点です。二点目は前回事務的打合せでこの資料を確認する作業をしたわけで すけれども、その際に当方で、指摘漏れの点がいくつかございまして、それらについては 今日のこの資料に載っていないというのはある意味でやむを得ないのですけれども、当方 としてはここに掲載している以外にも項目だけ申し上げますと、職務上疾病部門における 自宅以外の場所における療養に必要な宿泊および食事の支給という問題、職務上疾病にお ける傷病手当金ですね、これの一月目から四月目までの支給額の問題、それから同じく職 務上の傷病手当金の待機期間の扱いの問題、それから通勤災害の取り扱いに関する問題、 最後に行方不明手当の取り扱いに関する問題、これらについても一定の考え方が事務局か ら示されて、それをめぐって議論をやったという経過があったと思います。その内容につ いてこの場では申し上げるのは控えますけれども、そういった議論も実際にはやっていた ことだけを確認いただいて、この先、詰めの作業をする段階ではこうした問題もこぼれ落 ちないように対応していただきたいと思います。以上です。 ○岩村座長  ありがとうございました。一点目については組合側のお考えということで承るというこ とにしたいと思います。それから二点目で組合の方でいくつか、この取りまとめにあたっ ていくつかご指摘がなされていない部分があるということでございますけれども、これに ついては一番最後に、今ご発言ありましたようにその旨について今日そういうご発言があ ったということが、当然記録に留まるということでございますし、今後議論を進めていく うえでその点も含めながら検討していくということでご了解いただければと思いますけれ ども、よろしゅうございましょうか。ありがとうございます。他にいかがでございましょ うか。特段ご発言がなければ、今組合のほうの清水委員からご発言があった部分について は、先ほど申し上げたとおりの扱いをするということにした上で、これについては一応ご 了解をいただいたということにさせていただきたいと思います。よろしゅうございましょ うか。ありがとうございます。それでは早速、むしろ今日の本題というべきものなのかも しれませんけれども、次の議題に移らせていただきたいと思います。今日の議事次第にも ございますように、船員保険制度見直しに関する問題点の整理につきまして、事務局の方 から資料を二点提出いただいております。そこでまず一番目であります、船員保険の運営 主体のあり方につきまして、最初に事務局の方からご説明をいただきたいと思います。よ ろしくお願いいたします。   ○事務局  それでは、船員保険の運営主体のあり方についてご説明させていただければと思います。 関連の資料につきましては、右肩に「資料2」とふってあります、資料名「船員保険の運 営主体の在り方について」、それから、関連いたしましてその次に添付させていただいてお ります参考資料、この2つが今回の運営主体に関連の資料となります。それではまず、「資 料2」につきましてご説明させていただきます。船員保険の運営主体の在り方につきまし ては、昨年末の検討会からの報告書、こちらの中で職務上疾病、年金部門については労災、 それから雇用保険に相当する部分、これにつきましてはそれぞれ一般制度に統合する、そ れから、船員保険のその他の部分については国以外の公法人で実施することを基本とする という形でご報告をいただいております。この報告を踏まえまして、行政改革の重要方針、 それから、題名が長くなりますが行革関係の推進の法律で、船員保険事業のうち健康保険 制度に相当する部分、これは新たな公法人に移換する。また、法律のほうにおきましても、 一般制度に相当する部分につきましてはそれぞれ雇用、労災の制度に、その他の部分につ きましては全国健康保険協会、その他の公法人への移換、これを行うことが定められてお ります。従いまして、この、公法人の在り方について具体的な検討を進めていく必要がご ざいます。一枚おめくりいただきまして、実際にこの運営主体の在り方を考える際に必要 となる観点、これを事務局の方でまとめさせていただいております。まず一点目、船員労 働の特殊性、これを踏まえまして現行ILO条約や、船員法におきまして、特別の保険給付、 保健事業等が実施されております。これについてどのように考えるか。これが一つポイン トとなります。また、新たな運営主体、これを具体的に考えていくうえでやはり業務の効 率性が重要になるのではないかと。三点目といたしましては、被保険者の利便性を考えま して、申請受付等の窓口対応につきまして組織体制を整備する必要があるのではないかと。 四点目といたしまして一点目の船員の特殊性と関連いたしますが、運営主体に関する、実 際の被保険者、それから船舶所有者等関係者のご意見、これをどのように反映させていく か、これも一つ検討の視点となるのではないかと考えております。1枚おめくりいただけ ればと思います。このような検討経緯を踏まえまして、具体的な公法人による保険運営、 これを具体化する際には選択肢として2つございます。一つは、2つめの○の上の部分で すが、全国健康保険協会、こちらは先般の医療制度改革におきまして、社会保険庁のうち 政府管掌健康保険、これを運営します主体としまして設立が予定されているものでござい ます。こちらの全国健康保険協会において船員保険に関する事務も行わせるということが 一つの選択肢としてございます。もう一つは、船員保険、こちらを運営する公法人を独自 に設置するといったものでございます。なお、いずれの法人の類型を考える場合につきま しても、適用、徴収業務、こちらは事務の効率性を考えまして、公的年金の運営主体で行 うことが適当ではないかと考えております。さらに1枚おめくりいただきますと、実施体 制、これはイメージといたしましてまとめさせていただいたものでございます。現行、一 番左の四角の中になりますが、社会保険庁、それから事務局、事務所から被保険者につな がっていくといったものでございます。真ん中A案、こちら、政管健保公法人、全国健康 保険協会で事務を行わせる場合でございますが、年金組織で徴収した保険料等が全国健康 保険協会に移りまして、各支部、全国健康保険協会に設けられました支部においてそれぞ れ保険給付を行うという形になります。B案、こちらの、独自の公法人により実施する場合 につきましては、年金組織、こちらから船員保険公法人の方に移りまして、更に保険給付 が行われるといった形でございます。両制度の比較でございますが、まず一点目、大きく 異なりますのがサービス、保険給付の提供体制の部分でございます。全国健康保険協会は 支部が設けられることとされておりますので、支部から保険給付を行うということが容易 に実現可能でございますが、船員保険公法人の場合には、各保険給付を行う事務所窓口、 これをどのように確保していくかということが検討事項となります。反対に、船員保険公 法人の場合ですと、運営主体がまさに独立しておりますので船員関係の当事者である被保 険者、それから船舶所有者の皆様の意志決定、意見を事業運営に直接反映させることが容 易となります。全国健康保険協会で行わせるとした場合には、被保険者、船舶所有者の皆 様の意見をどのように事業運営に反映させていくかという点が検討事項となってまいりま す。このように、両制度それぞれ特徴ございますが、それを次のページの表でまとめさせ ていただいております。組織運営の体制、それから支給窓口の事務体制、こちらが大きな 検討の視点、対照的な特徴となります。それにあわせまして、保険事業、福祉事業につき ましても、ニーズ、それから被保険者向けの保険事業という観点からいたしまして、船舶 所有者、それから船員の皆様のご意見をどのように反映するかというところ、独自の公法 人を設ければそのご意見を反映させることが容易でございますが、一方実施体制について 検討する必要があるといった構図でございます。引き続きまして、参考資料のほうに移ら せていただきたいと思います。こちらの資料は検討にあたりまして判断要素となってまい ります。法人のコストにも関するものでございます。これまでもご指摘いただいておりま すので、現行の船員保険の業務取り扱いに必要な経費をまとめさせていただいたものでご ざいます。総額17億ございまして、船員保険の適用、徴収、給付関係が2億、その他事 務取扱に必要な経費が15億という形になっております。さらに1枚おめくりいただきま すと、こちらは被保険者の分布、船舶所有者数、現行の支給決定、それから船員保険関係 業務職員の状況等でございますが、やはり都道府県ごとにばらつきがございまして、北海 道、東京、兵庫など、大きな港を抱える地域では、数値も大きくなっておりますが、内陸 県では一桁、場合によってはゼロということで、非常に地域差が大きくなっております。 検討の基礎資料としてご活用いただければと思います。以上が基本的な資料という形でご ざいますが、運営主体の在り方につきましても、これまで運営懇談会、それから事務的打 合せの方で多々ご意見をいただいております。その点につきましては先ほどの資料1の方 にお戻りいただきまして14ページの方をご参照いただければと思います。14ページ、 運営主体についての各ご意見を整理させていただいたものでございますが、船舶所有者側 の皆様からは運営コスト、それから効率的な運営についてのご意見、一般被保険者側の方 からは独自の公法人が望ましいのではないかと、ただし、全国健康保険協会に業務を委託 する方法も考えられるのではないか、一般使用者側の皆様からは、独自の給付体系、それ から独自の運営主体という観点と、やはり船員グループとしての実施といったご意見をい ただいております。事務局からの説明は以上でございます。 ○岩村座長  ありがとうございました。それではただ今ご説明いただいた船員保険の実施体制につき まして、委員の皆様からのご意見を承りたいと思います。木村委員どうぞ。 ○木村委員  ありがとうございます。A案、B案、示されたわけでございます。資料の1の方でもそれ ぞれのご意見を比較できるように記載しておりますけれども、これまでも申し上げました ように、最終的には労使間の合意が尊重されるべきと考えております。船員保険というの は、独自の、あるいは固有の取り扱いがあって、一般制度に統合するとなるとそれでカバ ーできないところが出てくるということでありますから、それを考えますとやはり、健保 協会とは別の、独立した公法人を設立することが適当ではないかと、これは事務的打合せ でも私共の方からご意見として申し上げているところです。被保険者だとか、あるいは船 舶所有者の所在も、それぞれ都道府県ごとにばらつきがあるということで、これが独立し た公法人だと非常に実務上難しい部分も出てくるのであれば、支給窓口事務の体制だとか、 あるいは保険事業、そういった体制の一部を全国健保協会に委託するという工夫も検討に 値するのではないかと考えております。以上です。 ○岩村座長  ありがとうございました。他の皆様からもご質問、ご意見を承りたいと思いますが。三 尾委員どうぞ。 ○三尾委員  今、木村委員の方からも話がありましたけれども、当方としてもですね、できればこう いった話は当事者というか、労使の間でスムーズに話し合いができればいいなと思ってお ります。ただ現時点で当方で判断をするにあたってですね、一つお願いというか、こうい ったものも必要なのかなということを申し上げたいと思います。参考資料にですね、船員 保険の適用、徴収及び給付に必要な経費ということが書かれております。ここの数字は適 用、徴収及び給付全てにかかる費用だというふうに捉えますけれども、今後の在り方とし て、徴収とか適用については年金組織がやっていくということと思うんですね。これはあ くまで平成18年度の予算額ですから、現時点ではこういう数字だと。しかし、今後船員 保険がですね、給付業務に対して、どの程度の費用がかかるのかなということも大きな判 断材料の一つになるのではないかなというふうに考えております。これは18年度の予算 額ですけれども、この中で区分けが可能であるならば、18年度の予算としては区分けと、 今後はこういうことをベースに、例えば船員保険独自の公法人を作った場合には、給付に 対してこの程度の人件費というか、そういったものもかかるのではないかということにつ いて、より具体的な数字もある程度必要なのではないかなというふうに思っていますので、 出せるのかどうかも含めて、質問をさせていただき、要望としては出していただきたいと いうことでございます。 ○岩村座長  ありがとうございました。事務局の方で現在わかる範囲で結構でございますので、お答 えいただければと思いますし、あるいは次回ということなのかどうかですね、それも含め てお願いをいたします。 ○事務局  今のご質問ですけれども、この積み上げで単にやったもので申し上げますと、適用と徴 収にかかる費用で申し上げますと、1億3000万程度でございます。それから給付に要 する費用といたしましては、9700万ということで積み上げております。ただこれは実 際にどういう方式でやっていくのかといった形で、また変わってまいりますので、今後実 際にどのくらいコストがかかるかというのはやり方によって変わってまいります。また、 適用徴収の部分について、年金の組織が行うといったことでありますけれども、その費用 負担はどのようにするかといったこと、その費用負担をですね、こちらの公法人から一定 額負担するとか、そういったこともあるのかどうか、そんなところもですね、検討してい く必要があるだろうと思っております。 ○岩村座長  ありがとうございました。ちょっと補足して、分かればで結構なんですが、現在は船員 保険については社会保険事務所の方で事務を、例えば給付事務、あるいは保険料徴収事務 を担当されていると思うんですが、ここで挙がっている額には、例えば社会保険事務所に かかる事務経費の負担分とか、そういったものも含んだ額ということでしょうか、それと もそれはまた別途になっているということでしょうか。 ○事務局  社会保険事務所のほうでかかっている船員保険制度の経費としてここに挙げております が、全般的には共通の経費というのが社会保険事務所でございますので、そういったもの も他にはございます。また、左のほうにございますのは、職員の給与ということで、社会 保険事務所の職員で、船保のほうに携わっている職員の経費といったところでございます。 ○岩村座長  重ねてですけれども、先ほどの参考資料の一番後ろにあった、社会保険事務局等におけ る船員保険関係業務職員の数というのが、グラフでいただいておりますけれども、概ね、 この人達の人件費が主な内容であるという理解でよろしいわけですね。 ○事務局  人件費につきましては、左の15億のところでございまして、あとそういった人たちが 活動する経費が右のところにございます。 ○ 岩村座長  ありがとうございました。三尾委員、いかがでございましょうか。その他、それでは江 口委員どうぞ。 ○ 江口委員  日本船主協会です。ということはこの、参考資料の必要な経費というのは、もしあらた な公法人を作るとなると、この程度のものはかかってくるという了解でよろしいわけです ね。若干の業務の内容は変わるかもしれないですけれども、この程度のものはやはりかか るだろうということでよろしいわけですね。 ○ 岩村座長  事務局の方でまずお答えいただいて。 ○ 事務局  どれくらいかかるかというのは、もう少し精査していかないといけないので、ちょっと 何とも申し上げられませんけれども、これを参考にしながら考えていきたいと思っており ます。 ○ 事務局  恐らくですね、明らかなのは、仮に独立の公法人を作ったとして、徴収業務はともかく として、支給業務について、独自に事務所を抱えるということになると、明らかにこれ以 上の経費がかかってくるということになります。ですから、独自に事務所を持たないでと いう意味で、先ほど連合の方がおっしゃったような形で、全国健康保険協会に委託をする とかいうことになると、委託費をどうするかという問題があります。例えば、支部などの 光熱費その他の事務所経費も含めてですね、どういう形でやるかということになりますけ れども、独自で持つよりは少なくなるということはいえるだろうと思います。 ○ 江口委員  この運営主体の在り方については先年の、在り方に関する検討会の報告書においては、 国以外の公法人で実施するという形でとりまとめがされてですね、それが閣議がされた際 にはそれに新たな公法人等ということで、少し枠が広がった。それで法律化されたときに は、全国健康保険協会その他の公法人への移換と、ますます枠が広がったような感じを受 けるんですが、私共日本船主協会としましてはですね、やはり規模のメリットも働きます ので、全国健康保険協会での運営が効率的なのではないかというふうに考えております。 それから、業務委託をするんであれば、何か、屋上屋を重ねるような感じがするので、新 たな業務委託のような費用を発生させる必要はないので、単一組織の中でそういった特殊 業務は本当にできないものなのかどうかということはですね、一つ検討していただきたい なと思います。以上です。 ○ 岩村座長  ありがとうございました。その他、小坂委員どうぞ。 ○ 小坂委員  大日本水産会の小坂です。私共は、船員の独自性、一般の部分と違うという部分につい て、例えば今ここに出ております、公法人というか、全体的なところでは何千万という人 を抱えた組織であろうと思います。そうなりますと、私共傘下の2万1000〜2000 人の意思がどこまで反映されるのか、何年か経てば全て船員の海上で一生懸命働く姿の保 険から、陸上の姿と同じようなところへ、場合によっては埋没していくかもしれないし、 私共船主団体の意思も、それから被保険者、組合の皆さんの意見も、どこかへ埋没してい くという姿になる恐れがある。そういうようなことを考えますと、経費のことは当然あり ますから、経費のところでそんなに大きく遜色はない、例えば、多少かかるんであっても、 独自の公法人でそこの部分を私共はやる方向で検討していきたい、そういうふうに思いま す。ですからそういう意味では木村委員の意見に100%というか、99%は賛成です。 以上です。 ○岩村座長  三木委員どうぞ。 ○ 三木委員  内航総連合会の三木でございます。この問題につきましては、我々今回、一般産業に統 合していただく立場でございますけれども、考え方としては一般産業界で行っているもの、 できるだけこれを活用していただくということがいちばんいいんじゃないかと思うんです。 船員の将来数についても非常に不明瞭でありますし、独自の公法人を作った場合に一体何 人くらいの船員を扱うことになるのか、これも分からないということを考えますと、ここ に書いていただいてます全国健康保険協会でもしできるんでございましたらば、ここにお 願いした方が将来にまた同じような整理の問題を抱えなくて済むのではないかと思います。 以上私の意見でございます。 ○岩村座長  ありがとうございました。はい、遠藤委員どうぞ。 ○遠藤委員  遠藤でございます。私共の意見は基本的に木村委員と同じものでありまして、独自給付 を必ず残すことが必要であるのであれば、やはり新たな公法人を作るという方向性がよろ しいんじゃないかと思います。以上でございます。 ○ 岩村座長  ありがとうございます。船員側、何か。藤澤委員どうぞ。   ○ 藤澤委員  船員保険の独自性をですね、やはり明確にしていくという前提で、公法人の設立問題を 捉えていくべきだというふうに我々は考えているところでございまして、そういった視点 からいきますと、独立した公法人を設立して、給付業務についてはですね、全国健康保険 協会等々による支部機関だとか、いろいろな方法があるんですけれど、そういったような 中でですね、独自性は明確にしていく必要があると、運営上はですね、いう考えは持って おります。ただ、先ほどから言われておりますように、どれだけのコストがかかるのか、 そういった視点で検討していく中でですね、再度論議に参加して最終的な判断、主張をし ていきたいというふうに考えております。以上です。 ○ 岩村座長  ありがとうございました。その他特段ご発言はありますでしょうか。そうしますと今の ところは大きく分けて全国健康保険協会に統合する形で考えるという方向と、それから、 船員独自の公法人ということで考えていくという方向での両方のご意見が出ているという ふうに存じます。今最後に船員側の藤澤委員からもご発言ありましたし、先ほど三尾委員 のご発言もありましたけれども、どこまでできるかという問題はあろうかと、私も重々認 識はしておりますけれども、仮にそれぞれの案、特に独立の公法人という方向を考えた場 合、コスト的にどういう見通しになるのかという点について、難しい作業ではあろうかと 思いますが、少し事務局の方でちょっとご検討いただいて、議論の素材としては多分重要 なポイントだろうと思いますので、そのへんについて次回、また資料等をご用意いただけ ればというように思いますが、いかがでございましょうか。 ○事務局  それにつきましては、また検討させていただきまして準備できるようにしたいと思って おります。 ○岩村座長 運営主体につきまして、この他何かご議論ございますでしょうか。ご意見、ご質問ござい ますでしょうか。よろしゅうございますか。それでは、運営主体の問題につきましては、 一応以上の通りとさせていただきまして、次に三番目の問題として、船員保険の職務上年 金部門の積立不足額の償却をどのようにするか。というところに移りたいと存じます。こ れにつきましてもやはり事務局の方で資料をご用意いただいておりますので、この資料に つきまして、まずご説明をいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 ○事務局 それでは、右肩資料番号「資料3」をご参照いただきたいと思います。船員保険の職務上 年金部門の積立不足額の償却の在り方につきまして、これまでの経緯、それから検討のポ イント等につきまして説明させていただければと思います。職務上年金部門につきまして は、今回、制度の見直しにあたりまして、財政方式の変更が生じます。これに伴いまして、 約2,100億円が必要となると算定されておりまして、職務上年金部門の積立金約70 0億を除いた約1,400億が不足という状況にございます。この点につきましては、昨 年取りまとめていただきました報告書、この中でも指摘がなされております。職務上年金 部門の統合に伴って充足賦課方式、財政方式の変更が行われます。これによりまして、既 裁定受給者、これまでに受給権が発生した方につきまして、将来の年金給付に要する資金 の積立不足というものが顕在化いたします。これをいかに償却することができるかが論点 となっております。二つめの○の部分でございますが、具体的な積立不足の償却、これに つきましては、保険料負担の他、現在の船員保険が保有しております積立金、この充当と いうものが考えられるというご報告をいただいております。ただし、この積立金の取り扱 いにつきましては、考え方といたしましては2つございます。積立金そのものが船員保険 全体で一括管理されているということで、積立不足の償却に全額を充てるべきというご意 見が一つ、それからもう一つのご意見は、被保険者の保険料負担にかかる積立金というの ものもあるだろうということで、積立不足の償却に全額を充てるべきではないというご意 見がございます。また、償却の具体的な在り方を検討するに際しましてはやはり船舶所有 者側の保険料負担を急激に過大なものにしないという観点から償却の期間等についても検 討する必要があるのではないかということでご報告をいただいております。1枚おめくり いただければと思います。検討会の報告書でも示されておりますが、ポイントを大きく3 つまとめさせていただいております。まず、問題状況といたしまして、財政方式の変更に よる、積立不足額、これをどのように考えるかということ、それから、積立不足、これを 縮小させる観点から他部門の積立金やその他の資産、これをどのように考えるかというこ とが一つございます。先ほどの積立金のところの関連でございますが、失業部門の統合、 他部門もございますので、これにかかる移換金、それから職務外疾病部門、公法人等の運 営主体にかかる移行経費等も考えられるのではないかというところは、考慮要素としてご ざいます。また、船舶所有者の負担を急激に過大なものとしないという観点からは償却期 間、それから償却料率の設定の在り方が具体的な検討事項となっております。さらに1枚 おめくりいただきたいと思います。償却の在り方をご検討いただくに際しまして、これま で検討会等で一部提出されている事項も含まれますが、各種の試算をまとめさせていただ いたものでございます。表が2つございますが、上の表が償却につきましてどの程度の保 険料率が必要となるか、これを試算したものでございます。基本ケース1から参考ケース 2までございまして、これは被保険者数の想定をいくつか場合分けしたものでございます。 さらに右の方に15年、20年、25年と3パターン償却期間を想定いたしまして、被保 険者数の想定とあわせますと、これだけの、一番左上ですと53.5‰、一番右の下にな りますと32.6‰、最も高い値ですと60.9‰、低い値ですと31.3‰となります が、この間でどの程度の水準を適当と考えるかということになってくるかと思います。ま た、参考の資料といたしまして、下の一覧表でございますが、こちらは償却のために必要 となる保険料率を除いたその他の保険料率の設定の在り方でございます。各部門につきま して現行の保険料率と見直し後の保険料率、これを対比させる形で記載させていただいて おりますが、今回、こちらの償却につきましては、労災保険制度、職務上年金部門でござ いますので、部門といたしましては上から2番目の部分に関連するものでございます。で すのでこちらのさらに右の方に行っていただきまして、見直し後の保険料率の例、35‰ とございますが、こちらが償却を含まない料率となりますので、上記の、上の一覧表の中 から設定された償却のために必要となる保険料率、これをあわせまして全体の保険料率と なるといったものでございます。ご検討の参考に活用していただければと存じます。以上 がこちらの資料のご説明でございますが、これまで、検討会、事務的打合せで多々ご意見 をいただいているところでございまして、そちらにつきましては、また資料戻る形となり ますが、資料1、これまでの検討経緯の11ページの部分でございます。こちらでまず、 論点といたしまして、積立不足額につきまして、不足額の圧縮の考え方、それから早期に 全額償却する方法の具体的方法ということで示させていただいております。被保険者側か らのご意見といたしましては、償却の議論に対して、福祉施設の見直しの議論を絡めるべ きではないという点、船舶所有者側からの意見といたしましては、現行の一般制度と同様 の負担とすべきということ、それから、船員保険の加入者数の減少、これが見直しの背景 としてございますが、直接または間接的に一般制度に被保険者が流れているのではないか と、積立不足額を全て船主側で償却するのは不公平感があるのではないかというご意見で す。それから一般被保険者側、一般使用者側の皆様からは過去のスキーム、過去の例、こ れに照らして整合的になるのか、それから今回の充足賦課方式への転換とまた別のものに なるのではないかというようなご指摘をいただいております。事務局からの説明は以上で ございます。 ○岩村座長  ありがとうございました。それではただ今資料に基づいてご説明いただいた、この職務 上年金部門の積立不足額の償却につきましてご質問、ご意見を伺いたいと思います。三木 委員どうぞ。 ○三木委員  内航総連合会の三木でございます。この職務上年金の償却につきまして、今まで議論を 重ねさせていただきましたが、その中で私ちょっと心配しましたのは、なかなか内航海運 業界の事情がよくお分かりではないのではないかと、また、我々がなぜ0.1‰と申し上 げているのかについてもちょっと、なかなかご理解が得られないのではないかと思いまし て、補足をさせていただきます。まず、皆さん経済新聞なんかをお読みになりますと、海 運業界は未曾有の好況でありまして、1社で数千億円の利益を計上していると書いてあり ます。これは間違いではありませんが、外航海運業界の話でありまして、内航海運業界は 全く事情が異なります。内航海運業は万年不況であり、今、外部から約1,000億円の 資金を借り入れて構造改善の事業を行っておりますが、運賃も低迷を極め、こうした資金 返済の目途もたたない状態です。過去40年間で12,000社、15000隻の内航船 が、現在3,700社、6,000隻まで減りました。平成10年からでは2,000隻 が処理され、新造船は400隻です。しかも、まだ倒産が続いている現状です。そのため に船舶の老朽化も著しく、海事局も大変ご心配くださって、新造船代替のためのご指導を いただいていますが、何とも難しい状況です。内航業界に入る運賃は年間総額で恐らく8, 000億円程度、お名前申し上げまして大変失礼にあたりますけれども、日本郵船1社の 年商の3分の1程度、これが業界全体の運賃だと思われます。内航海運業はトラックやJR 貨物と競合するために、外航海運のように需給で運賃が上がるわけでもなく、設備投資の 償却もままならないので新造船に代替ができないのです。特に問題なのは、内航船に乗り 組む船員のコストが、陸上一般産業とりわけトラックや鉄道等、競合運輸業の従業員に比 べてかなり高いという点です。その原因の大きな一つが労災の部分です。トラック業界の 労災賦課率がおそらく13‰前後とすれば、社会保険料、健康保険82‰雇用保険16‰ で合計111‰くらいになるんじゃないかと思われます。鉄道は労災賦課率もっと低いと 思われます。一方船員保険は健康保険が91‰、福祉が6‰、雇用18‰、労災72‰で 合計187‰という数字が出ております。労災部分で13と72の差が何と59‰もあり ます。その理由が分からないので、色々調べたんですが、現在社会保険庁さんではそうい う分析はされてないようですので、海事局からお出しになっていらっしゃる111条集計 表を集計してみた結果が今お配りしてみたこういう状況の表です。これご覧いただきます とお分かりになりますように非常に同じ船員保険の対象業種としましても、ばらつきがあ ります。申し述べた状況にあります内航海運業、これが本来100%の負担で済むのが1 80%負担すると、こういう形になっております。過去ずっとこういう形が続いています。 これ結局業の目的も作業自体も全く異なって、したがって発生原因も発生率も全く異なる、 完全な他業種である水産業で発生した労災をご覧の集計表にありますように、一律に負担 した結果、これほど大きく負担したことになっているわけです。水産業さんは日本人船員 をさらに減らさなければならないと言っておられることから、今後はさらに負担が大きく なってしまう。こういう点について、皆さんどうお考えくださいますでしょうか。また、 外航海運さんが、日本人船員を極端に減らされた結果こうした負担を、残った内航海運が 大きく負担することになってしまったことについて、どうお考えくださるでしょうか。内 航業界がこんなに苦しい中で、過去長年にわたって法律を守って、他産業たる水産業の発 生分をこれほど大きく負担し、また外航海運業における日本人船員の減少によって、この 負担をさらに濃縮した形で負担してきたのだから、十分すぎるほど自己責任を果たしたと 言っていいんじゃないでしょうかと、こういうふうに申し上げているんです。水産業さん の事情はよく存じませんけれども、水産業種さんにしても200海里専管水域、沖合流し 網の禁止その他いろいろな理由によって、やむを得ず日本人船員を減らされたんじゃない かと推測しております。水産業種さんだってやはり救済が必要な業種なのかも知れません。 そういうことであれば、日本全体の社会問題として一般産業界でもこの問題をどう捉える か、真剣に解決を考えてくださるように是非お願い申し上げます。内航海運は今でも負担 しきれないで困窮しています。今後も負担しつづけるっていうのは無理です。また統合後、 これだけ業種が違っているんですから、水産業と海運業はそれぞれ独自の事情を持つ業種 として分離していただきたいんです。なお、内航海運が負担するということは、すなわち 荷主が運賃で負担することになります。荷主さんは輸送コストの比較をして、社会全体で 過去発生債務の償却を負担しているトラック業界やJR貨物に輸送を切り替えて、内航会社 の経営破綻は今後も続くことになるでしょう。水産業界は経団連さんの構成員であり、我々 内航業界の荷主さんも経団連の構成員です。経団連さんもどうしたらいいのか、よくお考 えになってください。なお、内航の荷主はどういう会社かと申しますと、金融およびソフ ト関連以外のほとんど全産業が関係しております。製鉄、石油、セメント、電力等の素材 産業や、エネルギー産業はもちろんのこと、家電、自動車等の製品輸送にも内航海運のロ ーロー船や、旅客船協会のカーフェリーでトラックの一部が海上輸送されております。数 社の荷主から船員保険統合問題についてご質問いただきましたのでこうした構造問題をご 説明申し上げました。そこで言われたことはいくら保険といっても現在ですら1.8倍の 負担が続いている。しかも、その金額が72‰。これはちょっとひどすぎる。まして将来 水産業さんの船員が減少するために、負担割合が増加するかもしれない。というのはとて も納得できない。荷主の立場から言えば、これほど高い他業種発生債務を運賃で負担する って言うのは筋違いだから、内航業界として、関係者によく事情を説明して、過去発生債 務についても、今後の負担の在り方についても、よく理解してもらって善処してもらって くれと言われました。以上申し上げたことをご理解くださいまして、深くご検討いただけ ましたら、我々内航海運業界の納得できるような結論をいただけるのではないかと信じて おります。また、もしそうじゃないんだと、水産業種で発生した賦課を内航業界だけに背 負わせるのは法律上の仕組みだから、それが正しいと結論されるとおっしゃるのであれば、 是非内航船を利用される荷主さん達に、この過去の経緯および将来予想される構造問題を よくご説明くださって荷主さんがこういった負担を納得されるように、徹底していただき たいと思うんです。我々の説明では荷主さんはちょっと納得してくださいません。大変厚 かましいお願いでございますけれども、いろいろな事情がございます。是非皆さんでご斟 酌くださいまして、よくお考えの上後結論をいただきたいと思います。ありがとうござい ます。   ○岩村座長  どうもありがとうございました。小坂委員どうぞ。 ○小坂委員 大日本水産会の小坂です。私共に対する、何か誹謗中傷のようなお話を長々としていただ きました。今、資料を提出していただいたんで資料提出責任として具体的な回答をいただ きたいと思います。国土交通省の、どういうこれは資料なのか存じませんが、私共船員保 険の加入者は、先ほどから申し上げておりますように私共は16年は、21,470名と いうのが社会保険庁さんの資料であり、私共はこれが正しい資料だというふうに思ってお ります。そこに、15,481名の差異がある。これは元数からすると、75%、80% 近い差がある。こんなものが資料として通るんだったら、世の中何でも言える。もし21, 000名という数字が間違っているというのであれば、それはそれでまた問題がある。具 体的に申し上げますと、私共、15,481名という幽霊の部分が、例えばこの災害を全 て引っかかっていたらどうするんだと。そこまで精査はしておりませんけれども、逆に、 内航だとか、外航さんの部分を水産がかぶっているかもしれない。それを言及しようとは 思っておりませんけれども、あまりにも数字の違う資料を出していただいて、それでこれ があたかも真実であるように、かつ、傘下に対してもとうとうとそのように説明をされて いる、その非常識さについて私はこの資料説明をまず求めたい。 ○ 岩村座長  ちょっとお待ちいただけますか。船主さん同士の間でこの場でやりとりということも必 ずしも適当ではないと思いますので。まず第一に、今、小坂委員の方から資料の性格等に ついて、基になっているのがこれは国土交通省さんの資料であるということもありますの で、例えば第三者的な立場で、もし今日可能であればですね、この資料の中で、船員数等 がどういう形で定義されているのかということについて、できましたら簡単に説明いただ ければと思うのですが、いかがでございますでしょうか。お願いをいたします。 ○国土交通省(海事局運航労務課 持永課長)  内航総連さんから提出いただいているこの資料につきましては、確かにもともと私共の 方で作っております、船員法に基づきます災害疾病発生状況報告というものがあり、それ の資料をまとめたものでございます。ただ、船員保険と若干違う部分がありまして、例え ば船員保険の場合ですと、陸上に上がってしまった予備船員ですとか、外国人船員だとか、 官公庁の船舶に乗っている人などは入っていないはずですが、こちらの方は、例えば外国 人の船員が入っていたりだとか、要は外国人の船員であっても、日本の船舶に乗って仕事 をしていれば、船員法の適用を受ける者ですから、外国人の災害があればそれも船員法に 基づく報告が出てくるといったことになりますので、そういった意味でその数のベースが 違うし、数のベースが違うということは、船員保険法上どうかはわかりませんが、少なく とも災害発生のベースもおそらく違う可能性があるということかと思います。 ○岩村座長  ありがとうございました。小坂委員。 ○小坂委員  今、国土交通省からご説明いただきましたけれども、外国人がたくさん乗っているとい うような話もございましたけれども、今私共は、組合と共に海外漁業船員労使協議会とい うのを作っておりまして、私もその中のメンバーで、かつ運営委員長をしておりますけれ ども、私共、海員組合と一緒になって日本の漁船に乗り組む船員には、オレンジブックと いうか、身分証を出しております。少なくともその数は国土交通省さんがご理解をしてお りますけれども、数千名、はっきり言いますと4,000名程度です。そうすると、それ でもかつ、15,000から4,000引いたら、11,000というものすごい数字。 無茶苦茶な資料を出してそれで議論をしようというか、もしくは大日本水産会124年の 歴史の団体に対して喧嘩を売るという気があるなら、どんだけでも受けましょう。私共、 今日はそういうつもりで戦うならどんだけでも戦いましょう。内航がトラックと一緒にな っていただいても結構だし、潰れてもらっても何も困らない。だけどそんなもんじゃない。 昭和15年から外航と共にやってきて、あなた達は、それは戦後になって入ってきたかも しれない。だけども、これは国策の中で私共これ、船員保険というのはずっと続いてきて いる。かつ、現実に今まで続いている。多分、三木さんのところもこの中に40年か50 年間、ずっとこの中に入ってきたんだと思う。で、苦しくなってきたからよそ様が、不確 かな資料で、いかにも悪者のような。これは非常に大きな問題だからホームページの中で はっきり出してもらって、私は何も困らない。ただ問題なのは、こういうようなええ加減 な資料が、一人歩きをして、あたかもそれが事実のような、これは問題である。私共は確 かに災害の多いことは認めております。それから、前々から申し上げているように、30 トン以下の部分では非常に災害が多い。特に5トン10トンの小さい船では災害が多い。 それも十分理解しております。そういうような中であまりにもひどい資料で、とうとうと 喋られるということに対しては私は納得はいきませんし、この先内航さんとは対決姿勢を 鮮明にしてここでやっていくことを宣言しておきます。以上。 ○岩村座長  今まず三木さんに発言を振らせていただきますが、かなり厳しいご発言もございました けれども、他方で何とかしてこの検討会をまとめていかなければいけないということでご ざいますので、そのへんは是非、小坂委員におかれましてもご理解の方をいただきたいと 思います。それでは三木委員どうぞ。 ○ 三木委員  私共は別に水産さんに喧嘩を売っているつもりは全くございません。今小坂委員からも ご発言いただきましたように、やはり災害発生率も違うんだと思います。業種が違うんだ から当たり前だと思います。これは我々が高いか低いかという以前の問題として、業種が 全く違うと思うんです。だから、小坂委員が今お怒りになりましたけれども、やっぱり我々 は違う仕事をしているんですから、分かれるのが本当だと思います。この資料はあくまで も我々、社会保険庁さんから分けた数字がいただけなかったので、傾向として作らせてい ただきました。これは船員数については確かに1万人以上違うのかもしれません。これに ついて全く違うということであったら、保険庁さんの方からですね、1,700億円とい うか、1,400億円というかこの原因となった数字が分かるような資料がもしいただけ たなら、これはすぐに引き下げます。ただ我々は、そういうものはないと言われているん で、これを今日は傾向として皆さんに見ていただいたんです。我々がさっきお話ししたよ うに、トラックと比べて何で我々の労災賦課がこんなに高いんだろうと思って、いろんな ことを調べている中でこういう数字が出てきたんで、これも一つの傾向ではないかと思っ てご覧に入れました。おそらくこれはおっしゃるように、厳密な保険の傾向とは完全な一 致はしないと思います。ただ、大雑把な傾向としてはあるんじゃないかという気がしてい ます。こういった問題が色々あるわけですから、この償却についてはいずれにしたところ が72‰船員保険の加入者全体がそういう負担をしているという事実があります。これは、 平成元年に陸の方が1.5‰で償却を開始したということに比べてもずいぶん高い賦課を 我々はずっと払ってきたわけです。水産さんは今後も耐えられるかもしれませんけれども、 内航業界は完全に破綻状態です。こういった中でですね、72‰を続けるってこと自体が もう限界を超えているんです。だから陸の方で救済していただきたいと思うんです。我々 としては、繰り返しますけれども別に水産さんに喧嘩を売っているわけでもないし、他に 適当な資料も何もないのでこういったものを傾向としてご覧に入れました。失礼の段はお 許しいただきたいと思います。 ○岩村座長  ありがとうございました。ちょっといったんこの議論は打ち切らせていただきたいんで すが。 ○小坂委員  最後に一言発言させてください。 ○岩村座長  すみません、手短にお願いいたします。 ○ 小坂委員  一つだけです、私が言いたいのは。こういう不確かな資料をただちに撤回せよ。それだ けです。これが傾向というんだったら、中身をしっかりと出してから傾向というふうに言 っていただかないと、あまりにも資料としてひどい。先ほど申し上げましたように、その 他、いわゆる外航、内航その他の皆さんの差異は10%以下の4,717人です、わずか。 それだけ、片一方で水産は1万5,000もの、80%近い差がある。これを傾向という のか。普通の良識のある経営者だったらそんな馬鹿なことは言わない。以上。 ○岩村座長  この資料につきましては検討会の公式の資料ではありませんので、扱いについては検討 会そのものでどうのこうのということではございません。それでこの件については償却率 の問題とも関係するんですが、むしろ一般制度に統合した後のですね、保険集団という言 い方は必ずしも適当ではないんですが、業種別保険料率のどこに、どういうふうに区分け るかという、その話でもございます。他方でこれは労災保険のほうでどういう形で業種別 保険料を設定するか、その区分けをどうするかということについても、先般の見直しを経 て、一応の基本的な考え方その他等もありますので、そのへんも踏まえながら議論を整理 する必要もあろうかというふうに考えております。その点でも、これはちょっと確認なん ですが、社会保険庁の方では今のこの保険集団というか、それをどうするかということを ある程度議論する、一般制度を前提としてですね、その問題を議論するに必要な資料とい うか、そういったものというのは現時点ではお持ちでないということでよろしいでしょう か。 ○事務局  一般制度に統合する上での資料というのは、どのようなものでございましょうか。 ○岩村座長  具体的には今まさに内航さんと水産のほうで問題となりましたですね、その発生率の問 題、一つは事故発生率の問題もありますし、それぞれの保険集団の性格の大きさ、これが 労災の場合、一緒にするのか別にするかという一つのポイントでもありますので、そのへ んのところがどこまで分かるのかということなんですが。 ○ 事務局   労災の発生率につきましては内航、外航というような区分けはやっておりませんので、 そこは一括して統計を取っております。ですので基礎データというのはとるのが非常に難 しい、現在はございません。 ○ 岩村座長 わかりました。そうしますとちょっと残念ながら具体的なデータに基づいて議論するとい うことができない要素もありますので、その点についてはもうちょっとこちら側でも事務 局とご相談いただいて、どういう整理ができるかということについても検討させていただ きたいというように思います。それで積立不足の償却の問題がありますけれども、そこに つきましてのご意見を、もしできましたらこの場で伺っておきたい。あるいはご質問があ れば伺っておきたいと存じます。江口委員どうぞ。 ○ 江口委員  日本船主協会の江口です。私共の主張といたしましては、在り方に関する検討会の報告 書と変わっておりません。船員保険制度全体で一括管理されている積立金、それを全額積 立不足のほうに充てるべきだという一点、それから、使用者側に過大な負担にならないた めにもですね、償却期間については考慮願いたい。具体的には陸上労災が35年というス タートをしたのであったら、我々にもその35年というのを少なくとも与えていただきた いというふうに考えている点は変わりません。それから、船員保険病院、あるいは保養寮 等のですね、不動産等も保有しておりますので、このへんにつきましての取り扱い、物納 という言葉が適当なのかわかりませんけれども、そういった面も償却不足の中での一つの 処理法として考えて、検討してもらいたいというふうに考えています。以上です。 ○ 岩村座長  ありがとうございました。木村委員どうぞ。 ○木村委員  償却にあたっては他部門の積立金を使うというお話だと思いますけれども、私共としま しては、特に労災という意味を考えますと、やはり経営側の責任として確保されるべきで あり、その部分の積立不足につきまして、特に被保険者が拠出した積立金を使うべきでは ないと考えております。ただ、非常に厳しいという状況も重々理解しておりまして、例え ば償却期間を25年までではなくて、30年とか40年とか、もう少し長めの、超長期と なってしまうかもしれませんが、そういう償却にするとどうなるのか。そうすると事業所 側の負担も相当減ってくるのではないかなと思いますけれども、そういう選択肢が考えら れるのかどうか、事務局に質問させていただきたいと思います。事業者側の負担ができる 限り軽減されるという検討も、視点としては大事だと思います。以上です。 ○岩村委員  ありがとうございました。どうしましょうか。もし事務局へのご質問を含むのであれば 伺います。それではどうぞ。 ○大内委員  資料3の2ページ目のところにですね、真ん中の段に他部門の積立金およびその他の資 産の取り扱いをどのように考えるか、こういうことで書いてございますけれども、まず、 その他の資産というのは多分船員保険で持っている、福祉施設だとか、船員保険病院だと か、多分そのところを念頭に置かれてこういう表現になっているのかなというふうに推察 をしておるところです。で、前回の場でも申しましたけれども、船員保険の福祉施設懇談 会で一応のとりまとめをして現在その数が14施設と、こういうことで、保険寮に関して 言いますと14施設、あとは船員保険病院等々がございます。そういうことで船員保険寮 に関してはですね、施設問題懇談会でも一応のとりまとめが終わった段階でございますか ら。前回も申し上げましたけども、このへんの見直しといいますか、問題提起について先 ほど船協の委員の方からもちょっと言及がございましたけれども、そのへんのところが一 段落したばっかりのところでございますのでね、この問題を取り上げて、さらに何かしよ うかとこういうことでですね、あえて言わせていただければ、どさくさまぎれにこういう 問題をですね、巻き込まないでほしいと、そういうことをまず申し上げておきたいと思い ます。以上です。 ○岩村座長  ご意見ということで承りました。三尾委員のほうからお願いします。 ○三尾委員  償却と言うことですから、これは基本的には船主さんのほうの考え方というか、そのへ んの調整ということが基本だと思いますけれども、今大内委員から出ましたように、他部 門の積立その他の資産ということですので、私もその点についてはですね、報告書にある 被保険者側の意見は現在も変わっておりませんので、そのことをまずいったうえで、資料 の3の2ページの真ん中に書かれている部分の、米印でですね、失業部門の統合にかかる 移換金および職務外疾病部門等の運営主体にかかる費用等必要ではないかということで、 後半部分については先ほどもちょっと話がありましたんでね、何となくわかる部分なんで すが、前半のですね、失業部門の統合にかかる移換金というのが、この会議だったかある いは検討会だったかちょっと忘れてしまいましたけれども、当局サイドからいわゆる持参 金というようなものは必要ないとお聞きした記憶があるんですがね、こういった回答と、 この移換金といった意味合いがちょっとわかりづらいんで説明いただけないでしょうか。 ○岩村座長  そうしましたら、木村委員のご質問にありました、長期での償却ということについては どうなのかと。特にその財政面での影響ということについてはどうなのかということにつ いて、事務局の方でお答えいただくとともに、今三尾委員のほうからご質問のありました、 失業部門の統合にかかる移換金の問題についてもご解答いただければと思いますが、医療 保険課に限らず、今日、労災保険それから雇用保険それぞれ来ていただいておりますので、 適宜お答えいただければと思います。 ○事務局  まず償却期間、超長期にした場合の、料率ということの考え方ですが、現在、実際に試 算を行っておりませんので具体的な数字というのはすぐには明らかになりませんが、長期 ということになってくれば、当然料率は下がっていくというふうに考えられます。また、 失業部門の統合にかかる移換金の部分でございますが、一般制度への統合にあたりまして、 円滑な移行というのを考えて、給付面、財政面など総合的に今後検討する必要があるので はないかと考えております。ですので、そのような中でどのような形で必要になってくる かというところも、今後の検討課題となってまいるかと思いますが、やはり、この現行の 船員保険制度の在り方を一般制度の中に取り込むうえで必要な措置、これがどういうもの が考えられるかということの中で、こういうものもあるのではないかという趣旨でござい ます。 ○岩村座長  他の担当課のほうで何か付け加えることございますでしょうか。 ○雇用保険課  それじゃあ、雇用保険のほうで一言。まさにこれからの、どういうふうに移換させるの かによること次第の、例えば一つの例として考えるとすれば、あるところで制度を切り替 えたときに、それ以前に既発生の部分のものをどうするのかということが1つございます し、被保険者期間を通算していく方向で考えていきましょうと、仮にこれを被保険者期間 を通算とした場合には、例えば初年度で発生した場合の、例えば船員保険についても雇用 保険についても現在の制度であれば、6か月の被保険者期間が必要であるというところに ついて、その6か月間経たない前に出たといった場合に、本来であればそれは船員保険の、 ある意味責任部分ということも考えることができるわけでございまして、そういう意味で の移換金が必要ではないかなと。財政的な調整、円滑な運営を図るうえでの移換金のよう なものが必要ではないかなという今後の議論、その移換の方法如何、それから内容如何に よって出てくるような問題だというふうに理解しております。 ○岩村座長  三尾委員、よろしゅうございましょうか。 ○三尾委員 ここに書いた趣旨はわかりましたので。今後の話だということだと理解しました。 ○岩村座長  木村委員もよろしゅうございましょうか。その他いかがでございましょうか。遠藤委員 どうぞ。 ○遠藤委員  先ほど三木委員からご説明がありました件についてですが、私共としては後半の運賃へ の転嫁の話につきましては、この懇談会で議論することは適切な課題ではないと思ってお りまして、個別企業さん同士の交渉でお決めいただくのが本来の在り方だろうと思ってま す。前半部分の、内航総連さんに所属する会社がかなり厳しい経営状況になっていらっし ゃるとことにつきましては、理解するところではありますが、一般産業におきましても経 営状況が苦しいところは多々あるわけでございます。労災の保険料率につきましても7 2‰を超えるような適用料率をうけているところもいくつかありまして、そこは経営が苦 しい中でもやはり負担しているということを、あわせて考えていく必要があるのではない かなと思います。それから過去すでに高い料率で多く償却を行ってきたというご主張があ ったかと思います。純粋に年金財政の観点からすれば、同じような方式をとって十分な償 却をしているのであれば、同じような積立度合になっているはずだと私共は理解している のですが、一般の労災保険と船員保険との間では今現在多分、積立度合は相当程度の格差 がある状況ではないかと思います。純粋に年金財政上の話を比較すれば、努力の度合いが 十分になされてきたのかについては、なお検討の余地があるのではないかなと思っていま す。それから、コスト問題について若干お触れになられましたけれども、船員保険の標準 報酬月額の平均と、政管健保の平均的な標準報酬月額を、私共の手元で調べた限り、ある いは事務の打合せ等の資料におきましても約10万円近くの差がある状況だと認識してお ります。仮に内航総連さんのご主張どおりだとすると、賃金の低い方の事業主から、賃金 が高い方の事業主への所得再分配という形になるのではないか。それで皆様納得ができる のかということについて多大な疑問を持っています。以上で、一般の事業主が分担をする ということにつきまして、なお納得しがたい状況だということを重ねて申し上げておきた いと思います。 ○岩村座長  ありがとうございました。それでは、小坂委員どうぞ。 ○小坂委員  今の発言に関して、一点だけクレームを付けておきたいと思いますけれども。船員保険 の使用者というか、経営サイドとして、努力をしてこなかったというような発言は非常に 不愉快だ。私共は制度に従って、かつ社会保険庁の指導のもとに今日まで、ちゃんと遅滞 なく払ってきた。それをあたかも我々経営者が仕事をしてこなかった、努力が足らなかっ たという心外なことをいわれる筋合いはない。発言から削除すべきである。 ○岩村座長  そういうご意見があったということで、その点は記録に、議事録のほうには残るという ことでご了解いただきたいと思います。その他いかがでございましょうか。清水委員どう ぞ。 ○清水委員  資料の2ページの中ほどの、先程来議論されております、船保が保有している他部門の 積立金及び資産の取り扱いの件でありますが、他部門の積立金というのは、これは失業部 門の積立金のことを当てにして、こういう具合に書かれているんだと思いますが、これも くどいようですけれども、失業部門の積立金は、総報酬制を導入し給付を大幅に切り下げ た結果、年々蓄積されている積立金ですありますから、これを船主責任の災害補償の原資 に注入するというのは実に筋が通らない話であります。このことだけは、組合側としては、 被保険者側としては受け入れるわけにはまいらないということを、再度申し上げておきた いと思います。以上です。 ○岩村座長  ありがとうございました。他にいかがでございましょうか。小坂委員どうぞ。 ○小坂委員  先ほど、座長からは、内航から出された資料は公式な資料ではないというお話がござい ましたけれども、発言の中でこの資料が多々引用されて、多分議事録の中に残っていくと いうことになると、非公式公式という話にはならないと思う。少なくとも私たち大日本水 産会は、漁業、水産に関する発言は全面的に削除していただきたいし、この資料は撤回さ れて相当だというふうに考えますので、座長にお聞きしたい。 ○岩村座長  その点については、先ほど私のほうから国土交通省さんのほうに伺ったのはですね、小 坂委員のご指摘を踏まえて、具体的にこの数値がどういう意味を持つかということについ てはっきりさせるという趣旨で、第三者的にお聞きしたということでございますので、そ の意味では小坂委員のご指摘のように、発言として残って、資料がこういう形で、議事録 の中で引用されるということはご指摘のとおりなんですが、他方でこの資料の持っている 意味ということについては、国土交通省さんのほうからご説明をいただいたところである というふうに思いますので、非公式の資料であるということから、公式資料の中には結局 残らないという点でですね、発言の中には出ることはおっしゃるとおりですけれども、撤 回その他ということでの扱いについては今日のところではご勘弁をいただければというよ うに思います。小坂委員どうぞ ○小坂委員  それであるならば、国土交通省に責任を持った回答を直ちにしていただきたい。国土交 通省がこの資料を出したんだから、少なくとも35,000人という具体的な内訳、それ と、船員保険との21,000人との違いをしっかりと出していただかないと、こんにゃ くみたいな回答をいただいて、私はそのまま、すごすごと帰るわけにはいきません。 ○岩村座長  そういう小坂委員のお話なんですが、国土交通省のほうで、この資料自体は国土交通省 さんの方で作っていただいた資料ではないということもありますので、恐縮ですけれども 次回で結構ですからちょっと精査していただいてですね、わかる範囲で資料を提出してい ただくっていうことはできますでしょうか。 ○国土交通省(海事局運航労務課 持永課長)  三点ほど申し上げなければならないのですが、まず一点目にこの元データは、当方の元 データを拾われたものと思いますが、この資料自体は私共が作った資料ではございません。 それが一点目。それから、保険関係の料率と、どの程度相関関係があるかということが、 多分最後の論点となったと思いますが、先ほど申し上げたように、ちょっとデータのベー スが違う部分もあり、相関関係の有無については私共ではわからないというのが二点目。 それから、数字がどう違うか、これは当方のデータをベースにしたものであり、船保の方 は社保庁さんのデータがベースとなっているので、今は定量的な説明はできるものは何も ありません。ただ、何か背景がわかるかについては調べてみます。以上です。 ○岩村座長 大内委員どうぞ。 ○大内委員  この資料についてですね、会議の途中でお配りになられましたけれども、これについて は配ること自体が、座長は了解をされたのですか。 ○岩村座長 いえ、私は存じ上げておりません。 ○大内委員  委員が勝手に資料を配ってですね、それに基づいていろんなことを言うというのは、こ の会議は何でもありで理解をしておけばよろしいのですか。 ○岩村座長  それは、そういうご質問をされればそれは困ると、基本的にはそういうルールはないと いうふうにお答えせざるを得ないと思います。 ○大内委員  しからば、この資料の取り扱いについて座長はどう判断されます。 ○岩村座長  私自身としては、先ほど申し上げたとおりで、基本的にこれ自身が会議の記録として綴 じ込まれるとかいうことではございませんので、今日のところはご撤回願うというような 形での強いお願いをするところまではどうかなというふうには考えております。ですので、 先ほど申し上げたような形でご撤回ということに対しては、今日のところはご勘弁いただ きたいとそういうお話をさし上げたわけですが、今大内委員のご指摘のとおり、元々そう いう形でのご提出を私としては了解していないというところで、皆様のほうで筋を通すべ きだとご判断であれば、ここについては申し訳ないんですが三木委員のほうで撤回してい ただきたいということになるんだと思います。 ○小坂委員  三木さんのしゃべる前に先に。 ○岩村座長  ちょっとお待ちください。議事を整理したいんですが、いまそういう各方面からのご意 見があるのでちょっと三木委員にご発言いただいて、その上で小坂委員から伺いたいと思 います。 ○三木委員  内航総連の三木でございます。どうも大変失礼いたしました。確かにご指摘のとおりだ と思いますので、この資料は撤回、回収させていただきます。以上です。 ○岩村座長  そういうご申し出がございました。それでは小坂委員どうぞ。 ○小坂委員  回収も当然のことだと思いますけれども、今国土交通省の回答は極めて問題があるんじ ゃないか。私共の資料ではありませんと話をされた。そんな馬鹿なことがあるんだろうか。 この下に、注のところにはしっかりと、国土交通省の資料であるというふうに書いてある。 少なくともそう読めるように書いてある。これは極めて重大な、国家に対する反逆行為み たいなもんだ。 ○岩村座長  多分国土交通省さんのご主旨は、先ほど承った限りではこの資料自身を、今日お配りに なった資料自身を国土交通省さんの方で作ったものではありませんということでございま すので、国土交通省さんのほうからすれば今日、集計書による出典があるにしても、数字 の照合等もされていないわけですから、数字のほうで、国土交通省さんのほうで責任を持 てる数字でもないという、そういうご主旨だというふうに、私としては承ったところでご ざいます。それでは恐縮ですけれどもそういうことで、私の不手際で申し訳ありませんで したが、回収ということにさせていただきたいと思います。それで今、回収のほうは今さ せていただいておりますけれども、償却の問題、今日いくつかご意見がありましたが、そ れぞれでひとつお伺いいただきたいのは、私も実は労災保険部会の委員であるということ もありましてですね、償却をどういう形でするかということについては、最終的には労災 保険部会のほうでも議論をしなければならず、そこでの合意形成というのが行われなけれ ばいけないという問題でございます。で、基本的には先ほど木村委員などもおっしゃった ように、償却の問題というのは事業主サイドの問題ではあるとはいえですね、今日いろい ろ議論もありましたように、労働コストに跳ね返る問題でもあって、償却期間をどの程度 にするかということは、実は労災保険部会でも、労働者側の代表も非常に神経をとがらせ る部分だというように思います。ですので、労使双方でですね、それぞれご検討いただい て、一般事業主および一般被用者それぞれのサイドでご了解が得られるような形でのご検 討というのを、是非お願いをしたいというふうに思っております。それで、特になお償却 の問題についてご発言がなければですが。小坂委員どうぞ。 ○小坂委員  これは先ほどの、遠藤委員の意見にも若干は引っかかるんですけれども、こういうよう な形で償却不足というか、積立不足が発生しておるということはですね、私共の責任より もですね、保険者としての社会保険庁が、今日までこういうような形を見過ごしてきたと いう責任がどこにも出てこない。これはやっぱり非常に大きな問題であるそういう意味か らしても、1,400億になるのか1,200億になるのかわかりませんけれども、1, 000億以上のものがそのまま経営者の背中にかかってくるというのは、償却がたとえ1 00年であろうが、それはあまりにも理不尽な話で、世の中の常としてそんな長い償却な んか取れるわけがないし、ここでははっきりと次回にでも社会保険庁としての過去の責任 を明らかにしていただきたい。以上。 ○岩村座長  その点はご意見として承って、またこの後検討させていただくということにしたいと思 います。その他いかがでございましょうか。償却について。遠藤委員どうぞ。今償却の議 論がこれで終わったら次回以降の進め方についてのお話と思ったんですが、よろしゅうご ざいましょうか。それでは次回以降につきまして、進行のご相談ということでございます が、遠藤委員どうぞ。 ○遠藤委員  事務的打合せ等での議論もかなり重ねてきて、本日「資料1」でも各論点がそろそろ出 尽くした感じもございますので、次回の開催時期もあると思いますが、ある程度全体像に ついて、方向性を出していくことも必要ではないかと思っております。もちろん意見が一 致していないところ、一致しているところと色々あると思いますが、ある程度の全体像の 議論をしていくことが必要ではないかと思っています。 ○岩村座長  他にこの点についてご意見ございますでしょうか、木村委員どうぞ。 ○木村委員  私も同じ意見でありますけれども、ただ、スケジュールありきで拙速に進められてしま うと、当該組合は過去の経緯から非常に神経をとがらせておりますので、是非十分な議論 ができるようなご配慮をしていただきたい。ただ、政管健保の関係で全国健康保険協会も 設立の準備が進んでしまいますし、雇用保険のほうも見直しがされるというような情勢も 聞き及んでおりますので、乗り遅れることのないようにしていただきたい。そのためには やはり、具体的な制度の姿というのをある程度見せていただきながら議論していった方が いいんではないかと考えております。 ○岩村座長  ありがとうございました。今そのようなご意見を頂戴いたしましたので、座長としまし ては次回の運営懇談会におきまして、船員保険の見直しの姿の全体像につきまして事務局 のほうで資料の提出のほうをお願いしたいと思います。そういうことで、どうぞよろしく お願いをしたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。 ○事務局  用意させていただきたいと思います。 ○岩村座長  ありがとうございました。清水委員。 ○清水委員  全体像の議論をしていただくのは大変結構なんですけれども、本日提出されております 「資料1」、この中身を読んでいただければお分かりになるとおり、いろいろな問題点につ いて、必ずしも解決されていない問題が多々ございます。先送りになっているものもあれ ば、回答のないものもございます。それらについては是非ですね、同時並行で、結論が出 るような形で、事務局としても回答を用意していただきたい。それについて議論できる場 を確保していただきたい。これは要請です。 ○岩村座長  そういう要請があったことも踏まえて、事務局のほうでもご検討いただきたいというふ うに存じます。他にご質問ございますでしょうか。よろしゅうございましょうか。それで は、本日の懇談会はこれで閉会とさせていただきたいと思います。ちょっと私の不手際で、 途中議事がやや錯綜しましたことをお詫び申し上げたいと思います。次回の運営懇談会に つきましては、すでに皆様にご案内が行っていることと存じますけれども、10月27日 の午後3時から、厚生労働省の会議室において開催させていただきたいと思います。後ほ ど事務局のほうからご案内が行くことと存じますので。 ○小坂委員  今聞き始めの話だけれども、そんな馬鹿な話があるんだろうか。10月27日なんてい うのは、私共は聞いてないし、かつ、すでに私は豊かな海作り大会に行く予定の日にちで ある。とてもじゃないけど受けられない。 ○岩村座長 申し訳ありませんでした。ちょっと事務局と私のほうで手違いがあったようで、日程につ きましてはもう一度、再調整させていただきまして、ご連絡させていただきたいと存じま す。申し訳ございませんでした。それでは、最後まで座長の不手際で本当にご迷惑をおか けしましたことを心からお詫び申し上げます。どうもありがとうございました。