日 時  平成18年 4月25日(火) 14:00〜16:00 場 所  社会保険大学校第5教室 出席者  井戸美枝委員、川端大二委員、駒村康平委員、袖井孝子委員、長谷川隆委員      大澤範恭サービス推進課長、吉岡荘太郎東京社会保険事務局長      宇野裕社会保険大学校長 【社会保険大学校における研修状況について】 事務局:社会保険大学校の概要説明 事務局:運動施設は2月から一般開放ということで、研修に支障を来さない土曜日・日 曜日に地域住民の方に利用していただいており、特にテニスコート・体育館は 多くの方にご利用いただいている。 袖 井:研修カリキュラムに体育はあるのか。 事務局:かつては3ヶ月などの長期研修を実施していたため、体育などの運動科目を設 けていたが、昨年度の研修体系の抜本的な見直しの中で、体育や健康管理など については、他の科目に置き換えることにした。 【校内視察の感想】 袖 井:役所の窓口であまり丁寧に応対されても違和感があるのではないか。 宇 野:社会保険庁版の接遇スタイルが必要になってくると思う。 袖 井:今回の研修内容は普通のビジネスのスタイルのようだが。 宇 野:ただし、この業者は非常に勉強している。実際に社会保険事務所の相談窓口を 訪問し、現状を確認した上で、企画を提案してきており、その点は、他の業者 とは違うところ。 袖 井:いくつかの業者の中から選定したのか。 宇 野:公募して一番良い企画を提出した業者を選定した。 袖 井:委託業者の選定は、毎年企画を提案してもらって選定しているのか。 宇 野:こういう事業は本来入札が望ましいが、入札にしてもなかなか成立しない。そ のため企画競争ということで、こちらがこうしてやってもらいたいという詳細 な要求を出し、それに基づいて企画書を提出してもらうやり方をしている。 袖 井:接遇研修の予算はいくらか。また、何クラスで実施しているのか。 事務局:1日(7.0h)で18万9千円。今日は4クラスで実施している。 宇 野:職務階層別は5階層ある。本日ご覧になっていただいた新規採用者研修から所 長研修まであり、トータルで1千万円位。 袖 井:相当数実施されるのですね。 宇 野:今日は1クラスを2つのグループに分けて実施している。少人数にしないと研 修の効果があがらない。 袖 井:職務階層によっていろいろなヴァージョンがあるのか。 宇 野:新規採用者研修は基本的ビジネスマナーの習得、次のステップは好感度の高い 接遇マナーの習得を、というように階層毎にレベルを上げるようにしている。 クレーム対応なども実施している。管理職は自分が実践できることは当然のこ とだが、職場全体を引っ張っていかなくてはいけないので、CSを高めるマネ ジメントの研修を実施している。 袖 井:古い新聞の切り抜きを整理していたら2年前の社会保険庁の悪口がたくさん書 かれた切り抜きが出てきたが、当時は今と応対が全然違う。 電話で済む話なのに「とにかく事務所に来い。」とか、事務所に行ってみたら「あ れが足りない」「これが足りない」と言われたとかいっぱい書いてあった。本当 に以前はひどかったようだ。 宇 野:一昨年の12月に「社会保険庁職員行動規範」と「接遇マニュアル」を出して かなり徹底したが、それ以外の批判を受けた部分についても、変わってきてい ると思う。あの頃は、年金相談の窓口が混雑しており、2・3時間待ちという 状態でも、昼休みは開けていなかった。     昼休みを開けるようになったのは今から2年以上前。休日開庁を始めたのは2 年前の夏、お盆の時期。お盆の時期は日曜日も窓口を開けていたが、意外と来 訪者が少なかった。今は月1回第2土曜日に開庁している。 袖 井:新規採用者研修の研修期間はどれくらいか。また、試験は実施しているのか。 事務局:研修期間は2週間で、最終日に試験を実施している。一般職員研修は試験と演 習を実施しているが、かなり勉強しないと回答できない問題になっている。 袖 井:研修の最後にレポートの提出はあるのか。 事務局:レポートに代えて試験ということで実施している。また、研修の感想などにつ いては、全ての研修で研修回顧という形で提出をさせている。 駒 村:試験の成績は何か評価につながるのか。 事務局:現在のところ直接的にはない。ただ、試験結果は全て社会保険事務局に報告を している。 袖 井:この前いただいた資料に研修の理解度についての資料がありましたよね。 宇 野:理解度については、平成17年度から分析を始めたが、今後は継続的に実施し ていくつもりでいる。     今回の新規採用者研修で言うと、今週の金曜日に理解度診断テストを実施する。 その後、研修終了半年後に同じレベルの問題を出題し、どれだけ知識が維持で きているのかの確認を行うことにしている。 資料1【地方社会保険事務局における職場研修の取組について】 吉 岡:説明 川 端:資料1、P4、3《接客・マナー研修》で「民間企業と公務員の接客に対する 意識のギャップを感じた」という感想があるが、先程の接遇研修の様な応対を 実際に職場で実践されているのか。 吉 岡:先程の研修の様な「かしこまりました」「承りました」などの最高基準の言葉を 遣えるまでの教育はできていないと思う。ただ、出発時点の目標が、民間に近 い形までレベルを引き上げるということだったので、そのレベルの言葉遣い、 服装などはかなり研修の効果が表れていると思う。 川 端:職場の風土はどうか。今までの流れで「こんな言葉を遣ったらはずかしい」と いう様な風土は残っているのか。 吉 岡:一つの例として申し上げるが、社会保険事務所で来訪者をどの様な呼び方をす るかということで、「お客様」という呼び方をするのは、当時、私自身も含めて 抵抗があった。若い職員は比較的柔軟に対応していたが、管理職クラスになる とかなりジレンマがあったようだ。しかし、今は「お客様」という言葉が自然 に出てきていると思う。 資料2【女性職員の在職状況及び登用について】 事務局:説明 川 端:資料2、P2の30歳が多い理由は何か。 事務局:国民年金の保険料収納の事務処理が地方から国に移管されたことに伴うものだ と思う。 井 戸:公務員の採用試験は何歳まで受験できるのか。 宇 野:29歳まで受験でき、2年間有効だったはず。 井 戸:9級以上が0名ということは退職したということか。 事務局:退職した。 吉 岡:比較対象とは全省庁ということか。 事務局:そのとおり。 袖 井: 2020年までに指導的地位にある女性を30%以上にするという目標があった はずだが。20%ですか。少ないですね。 駒 村:社会保険庁の職員の方は定年まで勤めるのか。 吉 岡:東京社会保険事務局の例で申し上げるが、勧奨の年齢は上がっている。52・3 歳位だと思う。 袖 井:52・3歳位で退職される方はどういう所へ行かれるのか。 吉 岡:一般的には健康保険組合や基金 袖 井:厚生年金会館等へ行っている人はいるのか。 吉 岡:そんなにポストがある訳ではないので、早期退職者は、社会保険の知識を活か して相談窓口などで働いている。 袖 井:社会保険労務士の資格を持っている人もいるのか。 吉 岡:特に推奨まではしていないが、科目の免除などもあるので、30歳前に資格を 取得する人もいれば、管理者になってから取得する人もいる。ただし、何人い るか把握はしていない。 袖 井:社会保険労務士の試験で免除になる科目があるのか? 事務局:国又は地方公共団体の公務員として健康保険法(厚生年金保険法・国民年金法) の施行事務に従事した期間が通算して10年以上になる者などは、当該科目が 免除になります。 駒 村:業務に支障のない範囲で推奨した方が良いのではないか。 宇 野:人材育成の観点から言うと、そういう人達を応援するというのは必要であると 思う。 駒 村:若いうちから将来のことを考えれば、人事評価に繋がらなくても、しっかり勉 強していた方が自分の為にもなる。 宇 野:課題だと思う。応援する仕組みを創っていかなくてはと考える。 井 戸:民間なら教育訓練給付制度がある。 袖 井:スペシャリストが少ない。年金は比較的見つかるが、健康保険は信頼できる人 が少ないのではないか。こういうところからプロを育てていった方がいい。 宇 野:役所全体が早期退職の慣行は止めようということで、平均退職年齢は上がって いくと思う。 駒 村:30歳代の方はポジション的にはどのくらいのポストか。 宇 野:社会保険事務所で言えば係長・専門官クラス。 駒 村:ポストは段々狭まっていくと思うが、社会保険事務所長になれなかった人のや る気をどう維持していくのか。 宇 野:専門性を高めていくということで維持して行くようにはしている。ただ、最終 的にどういう仕組みを作っていくのかということは見えていない。 袖 井:団塊の世代がそんなに多くないようだか。 宇 野:団塊の世代が少ないと言うか、氷河期に就職したのは35歳未満の方達。だか らこの30代の所に集中している。 袖 井:プロを養成する人口構造を何とかしないといけない。定員を減らして行くとい うのは、定年待ちと採用者を絞るということになるのか。 宇 野:これまではそうしてきた。 年間500人くらい退職者がいる一方で今年度は300人しか採用していない。 来年度はもっと厳しいかもしれない。健保の公法人の関係もあるので採用を控 えないといけない。 袖 井:東京社会保険事務局の研修は独自のプログラムなのか。 吉 岡:地方社会保険事務局研修ガイドラインに沿ったものとなっている。 袖 井:東京社会保険事務局の職員数は何人か。 吉 岡:2千人。 宇 野:地方の研修を本庁研修の一環として位置付け、ガイドラインに沿って実施して もらっている。ブロック化するときに守備範囲が広くなるため、ブロック局の 人材育成機能を高めなくていけないと考えている。 資料3【女性職員の在職状況及び登用について】 資料4【論点メモ】 事務局:説明 袖 井:詳しい内容、論点については、次回議論する予定にしていますが、特に今回確 認したい事項があればお願いしたいと思います。なければ、論点メモは目をと おしておいていただいて、次回に意見を頂きたいと思います。 事務局:本日は大変ありがとうございました。今後の研究会の進め方でございますが、 概算要求前に中間的なまとめをお願いできないだろうかと考えております。ま た、更にご議論を深めていただくために、次回におきましては民間企業におけ る人材育成の取組状況等につきましてご参集いただいております委員の方から ご紹介をいただけないだろうかと考えております。開催時期は5月の下旬に予 定をさせていただければと思います。 以上