第21回政府管掌健康保険事業運営懇談会議事録 1 日時 平成18年2月16日(木)      14:00〜16:07 2 場所 厚生労働省 専用第22会議室 3 出席した委員(敬称略)    稲上、城戸、紀陸、櫻井、高野、中西、花井、山崎、吉田 4 議題 (1)政府管掌健康保険の財政状況 (平成18年度予算概要)<資料1> (2)平成18年度社会保険事業計画(案)<資料2> (3)政府管掌健康保険の事業運営状況等について<資料3> (4)その他<資料4>   @資格確認に係るシステム等のあり方の検討について   A被保険者証への臓器提供に関する意思表示について (5)参考資料   @健康保険法等の一部を改正する法律案の概要について   A政府管掌健康保険 改革ビジョン   B政府管掌健康保険生活習慣病予防健診受診者における   メタボリックシンドロームリスク保有者について 5 議事内容 ○稲上座長  それではただいまから、政府管掌健康保険事業運営懇談会を始めさせていただきます。お 忙しい中をお集まりくださいまして、誠にありがとうございました。  まず初めに委員の交代について、ご報告をさせていただきます。日本労働組合総連合会総 合政策局長の龍井委員が退任をなさいまして、新たに花井圭子総合政策局生活福祉局の次長 が委員に就任なさいましたので、ご紹介をさせていただきます。 ○花井委員  どうぞよろしくお願いいたします。 ○稲上座長  次に委員の出席状況についてでございますが、落合委員が今日は所用でご欠席でございま す。また、青柳運営部長はあいにく本日国会対応のため急遽欠席ということでございますの で、ご了承いただきたいと思います。  なお、本日の議題の1つとしております被保険者証への臓器提供に関する意思表示に関す る説明に当たりまして、厚生労働省健康局疾病対策課臓器移植対策室の片岡室長にご出席を いただいておりますので、ご報告をいたします。  それでは本日の議題に入りたいと思いますが、今回の議事録につきましても前回と同様に 後日事務局にて作成いたしまして、委員の皆様にご確認をいただきました上で公開したいと いうふうに考えておりますので、ご協力くださいますようよろしくお願い申し上げます。  それでは資料1につきまして、まず事務局からご説明をお願いしたいと思います。 ○医療保険課 杉山課長補佐  それでは事務局から、資料1についてご説明を申し上げます。資料1は平成18年度政府 管掌健康保険の予算案の資料でございます。  まず最初に予算案を組むに当たりましての基礎数字の推移につきましてご説明をしたい と思いますので、8ページをお開きいただけますでしょうか。  8ページ以降に基礎数字となります被保険者数、標準報酬月額、また別添資料に資料1− 2として医療費の動向等の資料がございますが、まず8ページでございますが、被保険者数 の推移でございます。  しばらくの間、ずっと被保険者数の減少傾向が続いておりましたが、この折れ線グラフで 見ていただきますように、平成17年度は当初から平成16年度を上回る被保険者数の状況 で現在まで推移をしております。したがいまして、今後もしばらく対前年度増の状況で被保 険者数は推移をしていくのではないかというふうに見込んでおります。  続きまして9ページでございます。これは標準報酬月額の推移でございます。重なってお りますので見にくうございますが、平成17年度は黒丸でございます。昨年の8月の時点で 7年ぶりに標準報酬月額が対前年度増、プラスという状況になっております。ほぼそれ以降、 対前年度横ばい状況でございますので、今後の推移も横ばいというふうに見ております。  続きまして10ページでございます。診療報酬の推移でございますが、年度当初から16 年度を上回る状況で推移をしてきております。このまま若干高めの推移をしていくのではな いか、というふうに見込んでおります。  最後に11ページでございますが、これは保険料の収納率の推移でございます。これも昨 年に比べまして若干でございますが、収納率が。 ○稲上座長  すみませんが、11ページが抜けています。 ○医療保険課 杉山課長補佐  すみません。失礼いたしました。10ページまででございます。すみません。それらの数 字につきまして、4ページ、一番下の欄に基礎計数として挙げてございますが、今ほど申し 上げましたように、被保険者数は微増の状況で見込んでおります。標準報酬月額は横ばいと。 また、標準賞与月額数、推移の数字はございませんでしたが、これも過去のトレンドから若 干上向いているということで、増の見込みをしております。  これらの基礎数をベースにいたしまして1ページ戻っていただきまして、全体の予算でご ざいますが、これに今回健康保険法の改正がございます。また、診療報酬の改定で引き下げ が予定をされております。それらも見込みまして組みました18年度予算案が、1ページの 状況でございます。全体としては単年度で−584 億円という単年度収支赤という状況では ございますが、事業運営安定資金の残高がございますので、全体としては右側の備考欄にご ざいますように、単年度584 億のマイナスが出ても事業運営安定資金の残高として2,000 億円強を引き継いでいくという状況で見込んでいるところでございます。  それから、これまで予算の説明のたびにご質問がございました予算の中の「その他」の中 身につきまして、今回は5ページにその内訳をあらかじめ資料として付けさせていただきま した。  以上、予算案のポイントのみでございますが、資料1の予算についてのご説明とさせてい ただきます。 ○稲上座長  これだけでよろしゅうございますか。それではただいまのご説明につきまして、ご意見、 ご質問をいただきたいと思いますが、ご発言いただきます時にはお手元のマイクをお使いく ださいますようにお願いをいたします。 ○城戸委員  最初に基礎数値のご説明をいただきましたけれども、8ページにあります政管健保被保険 者数の推移でございますけれども、15、16、17と被保険者数が上昇しておりますけれども、 これは景気の回復に伴って政府管掌健康保険の適用事業所に就業する人が増えたというこ となのか、それとも国保から政管へ移ってきたかとか、逆に組合管掌健康保険から政管へ落 っこってきて増えたのかとか、その理由が知りたいと思います。  次の9ページを見ますと、15年度と16年度は落ち込んでいますから、これは景気が悪く なっているんだと思うんですね。16から17にかけては微増ですね、8月以降。ですから、 景気の回復による被保険者数の回復とは思えなくて、例えば組合管掌健康保険から政管に移 ったとか、あるいは後のほうでご説明があると思うんですけれども、適用事業所の指導によ って被保険者が増えたということがあり得るのか、そういう点をお伺いしたいと思います。 ○稲上座長  はい、お願いいたします。 ○医療保険課 杉山課長補佐  今、委員からございましたような、すべての要素が少しずつ入っているというふうに考え ております。それぞれの要素につきまして、どの程度の増要因になっているのかという細か な分析まではできておりませんが、標準報酬月額の増はございませんが、国保からの被傭者 保険のほうに移ってくるということは、ある意味、被傭者の雇用が進んでいるという意味合 いでは、景気の回復傾向も見られる。また、健保組合からの政管健保へ移って来る数も、従 来ほどではございませんが、若干引き続きございました。また、後ほど事業運営状況のご説 明のところに若干出てまいりますが、適用の促進事業というのも進めてまいりましたので、 それらについても影響は多少出ているかと思います。  それぞれの事項につきまして、どの程度それが寄与しているのかの分析まではまだ十分で きておりませんけれども、いずれもの要素が加味されて全体としての増となっているものと いうふうに見込んでおります。 ○稲上座長  城戸先生、よろしいですか。はい、どうぞ。 ○武田医療保険課長  なかなか分析が難しいのできちっとしたお答えになりませんが、私もいま説明がありまし たように、いろいろな要素が合わさって被保険者数が増えているのだと思います。いろいろ な基礎数値を見ておりますと、やはり14年とか15年くらいが底で、そこから回復をして いるというのは見ると明らかでございます。  健保組合が解散をして政管に引き継がれた人数も、14年、15年、それぞれ5万人台、四 捨五入すると6万人近い方々が1年間に健保から政管に移ってこられたという状況にござ いますが、これも14、15の辺りがピークでございまして、落ち着きつつあるというふうに 認識をしております。それにもかかわらず、一貫して被保険者が伸びておりますので、そこ はやはり一般的に被用者が増えているということを反映しているものではないかと思いま す。  それから賃金のほうでございますが、微増なんでございますけれども、過去10年くらい を見ますと、日本全体の賃金の推移に比べまして、政管の対象者は中小が多いものですから、 だいたい伸び率が全国平均よりも0.3 %くらい、0.3 ポイントといったほうがよろしいで しょうか。低く推移をしております。現在、雇用統計、賃金統計のほうで見ますと、全国の 給与は対前年0.5 %くらいでプラスで推移をしておりますので、どうしても中小企業は景 気回復の影響が遅く出てくるということを考えますと、現在平均的に+0.5 で政管がほぼ 0.0 に張りついている状況というのは、わりと一般的な状況かなというふうに考えておりま す。追加コメントでございます。 ○稲上座長  ほかにご意見、ご質問はございますでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。はい、 どうぞ。 ○城戸委員  ここは政管健保の事業運営懇談会ですが、関連する数値、例えば国保の被保険者の推移だ とか、今おっしゃったように、健保から政管へ移った人の数だとか、ちょっと載せていただ くわけにはいかないのでしょうかね。混乱しますかしら。 ○武田医療保険課長  ご指摘でございますので、ちょっと考えさせていただきますが、実は政管の運営懇談会は 年に数回開いておりますが、年度の数字は夏の時点で決算を締めましてご報告をしておりま す。健保組合とか国保の数字は年度単位の数字になってしまうと思いますので、今日はそう いう意味では年度の数字が出ていないんですが、月々の動きを少し年度途中でもご報告した ほうがよろしいかなと思って、あえて数字を出しておりますので、ちょっと比較できる状況 にまだなっていない。夏の決算数字のご報告の際に、改めて検討してみたいと思います。 ○城戸委員  はい、ありがとうございます。 ○稲上座長  ほかにございますでしょうか。それでは引き続きまして、資料の2と3につきまして、事 務局からご説明いただきたいと思います。 ○医療保険課 杉山課長補佐  それでは資料の2からご説明を申し上げます。「社会保険事業計画」、平成18年度版でご ざいますが、まだ案の段階でございます。現在、この案を全国に提示をいたしまして、各社 会保険事務所、事務局で18年度の事業計画の策定をしております。それらの取りまとめを いたしまして、最終的に3月に18年度の事業計画として決定をするものでございます。  まず3ページでございますが、事業運営方針として書かれております。基本的な平成18 年度の事業計画の立て方の考え方でございますが、16年8月の改革推進本部発足以降、緊 急対応プログラムとか「変わります」制限、また改革のセカンドステージといったことで、 社会保険庁改革についてさまざまな取り組みをしてまいりました。これらを実現するための 事業計画という位置づけで、具体的な事項をこれ以降定めているものでございます。  具体的な中身に入らせていただきます。7ページからそれぞれの事業ごとの目標値を置き まして、その目標を達成するための計画を立ててございます。この目標につきましては、社 会保険庁は実施庁ということになっておりますので、厚生労働大臣からそれぞれの事業につ きまして目標の設定がございます。その目標を達成するために取り組んでいくという、そう いう構図になっております。その目標はできるだけ数値化するようにということになってお りますが、定性的な目標と併せまして設定をされております。  まず7ページでございますが、これは適用でございます。被保険者の資格に関する事業で ございますが、目標のところには未適用事業所の適用促進と適用事業所における資格の得喪 等々の適正な届出を促進しなさいという目標になっておりました。数値目標として、これは 平成17年度の事業計画の際も厚生労働大臣から設定されました目標と変わっておりません が、全適用事業所に対する事業所調査の件数を4分の1以上、つまり全適用事業所、厚生年 金で申しますと160 万事業所ございますが、その25%以上を年間に事業所調査を実施をし て、資格に関する適正化を図りなさいという目標になっております。これを事業計画の目標 に掲げまして取り組むこととしているものでございます。  10ページに飛んでいただきまして、こちらは保険料の収納でございます。すみません。 9ページでございます。  厚生年金・健康保険、船員保険の徴収対策の推進ということで、保険料の確実な納入を促 進していく。また、滞納する事業主に対しての滞納処分の確実な実施という目標になってお ります。  そして数値目標でございますが、こちらもできるだけ数値化するということで、まだ17 年度実施途中でございますので、数字として掲げてございますのは平成16年度の実績数値 でございますが、18年度は16年度の実績の数値以上で、かつ前年度、つまり17年度、ま だ若干プラスで増加を続けておりますけれども、前年度と同等の実績を確保するという目標 を数値目標として設定をしております。  また口座振替でございますが、厚生年金は84%、政管も85%以上の口座振替率を実施を しておりますけれども、これを維持をするということで、以上ということで目標の設定がさ れております。これを目指しまして、それぞれ個々の事業を進めていくという計画でござい ます。  続きまして11ページでございます。医療費の適正化という事項でございます。これはレ セプト点検調査を実施をして、医療費の適正化を推進するという目標になっています。  数値目標としましては、被保険者1人当たりのレセプト点検での効果額を目標として置い ております。現在、レセプト点検につきましては内容点検を重点化をして取り組んでおりま すので、内容点検、それから外傷点検のそれぞれ1人当たりレセプト点検効果額、ここの数 字は平成16年度の実績数値でございますが、それ以上を18年度においては達成をすると いう目標を置きまして、その下にございます各事項につきまして実施をしていくという計画 になってございます。  続きまして13ページでございます。健康保険の傷病手当金とか出産手当金とか現金給付 がございますが、この適正化ということで事項でございます。これらの現金給付について迅 速な決定及び適正な支給に努めるという目標になっておりまして、数値目標といたしまして は、17年度からサービススタンダードということで、届出がされた書類の申請書の受付か らご本人にお支払いの決定通知が届くまでの期間を3週間以内というふうにサービススタ ンダードを設定をいたしました。このサービススタンダード3週間以内の達成率100 %の 実現を図っていくという目標でございます。この目標を到達しながら、この3週間以内につ きましては今後さらに短縮化をしていく、短くしてまいるということで、まずは18年度は 17年度同様3週間以内のサービススタンダード100 %の達成を目標に進むという計画で ございます。  それから14ページでございます。保健事業の実施ということで、生活習慣病予防健診事 業中心でございますが、生活習慣病予防健診事業の効果的な実施とそれに基づく事後指導の 実施を適切に実施をするという目標になっております。  数値目標として、健診の実施割合につきまして、40歳以上の被保険者の方々の32%以上、 これも平成16年度の実績数値でございますが、それを上回る達成を目標として掲げており ます。また事後指導、保健婦さんによります健診後の事後指導でございますが、これも対象 者の方々の32%以上の実施という目標を掲げて事業を進めるという計画にしております。  以降、年金との共通の事項につきまして、国民サービスの向上、また予算執行の透明化等々、 共通事項につきまして挙げさせていただいております。この事業計画、抜粋にしております が、全体としては年金等含めましてございますが、本日は政管のこの中でございますので、 政府管掌健康保険に該当するものを、また共通事項に該当するものだけ抜粋で抜き出したも のでございます。  続きまして事業運営状況等について、資料3−1でございます。今ほどは18年度の事業 計画のご説明をいたしましたが、資料3−1は現在の平成17年度の事業運営状況の途中経 過のご報告でございます。  まず1ページ目でございますが、適用の適正化ということで、先ほども事業計画の時に申 し上げましたが、平成17年度も全適用事業所の4分の1以上事業所調査を実施をするとい う目標で事業計画を立てまして実施をしております。  その実施状況でございますが、後ろのほう、ページは7ページに11月末現在の全国の事 業所調査の実施状況をまとめたものでございます。全国平均で11月末で25.64 %でござい ますので、年間の4分の1の目標を達成をいたしております。しかしながら、若干いくつか の事務局におきましては、まだ届いていないところがございます。3月末まで4分の1の達 成を目指して、今後さらに3カ月間進むことになっております。  続きまして元に戻っていただきまして2ページ目、未適用事業所の適用促進でございます。 17年度からそれまでの未適用促進事業に呼び出し加入指導、またそれでも加入をしない事 業所に対して重点的な加入指導実施をしていく。また、それによっても加入しないところに ついては、最終的には職権による適用を実施するという取り組みを実施をしております。  中に数字を出してございますのが、本年12月末現在の数字でございます。括弧内は16 年度年間の実績数値でございます。まだ年度途中でございますので、16年度の数値に届か ない分野もございますが、全体としては16年度を上回る状況で進んでおります。特に一番 下の「上記の取り組みにより加入した事業所数」につきましては、すでに昨年の加入数を大 幅に上回る結果になっております。全体として年度後半に未適用事業所の適用促進事業は進 むことになっておりますので、今後さらにこの部分は伸びるというふうに考えております。  なお、18年度の適用促進の取り組みにつきましては、17年度におきまして重点加入指導 を15人以上の事業所を対象として実施をしておりましたが、18年度は10人以上の事業所 に対象を拡大いたします。また、職権適用につきましても、従業員15人以上の事業所に対 象を拡大して実施をしていくというふうに予定をしております。  続きまして3ページでございますが、同じく未適用事業所の中で17年度に市場化テスト のモデル事業として、東京地区と福岡地区で市場化テストで未適用事業所の適用促進事業を 実施をしていただいております。  その結果は現在までの状況でございますが、ページでいいますと8ページ東京地区、9ペ ージ福岡地区の12月末までの実績でございます。  2ページの17年12月末までの全国的な従来での取り組みの数字と比較をして見ますと、 まず東京地区でございますが、巡回説明をした事業所数に対する加入をした割合、加入した 事業所の割合というのは、全国的に職員が実施をした場合、約7.6 %の加入割合というふ うになっておりますが、東京地区におきましては東京都社会保険労務士会が実施をしており ますけれども、ここが10.4%と職員が実施をするよりも若干高い割合になっております。  一方、福岡地区、9ページのアイ・シー・アールでございますが、これは公営住宅の家賃 回収等を主たる業務とされている民間業者でございます。こちらのほうは巡回説明事業所に 対する適用となった事業所の割合は3.6 %と、職員による全体の割合の半分程度と下回っ ておりますが、事業の進め方が12月までひと通り全部巡回説明まで1回を実施をして、1 月から3月まで巡回説明の事業所にさらに訪問するという計画をされています。したがいま して、巡回説明事業所数は現在310 という数字になっておりますけれども、この数字は今 後動きませんが、再度の訪問等によりまして適用となる事業所数が増えてまいりますので、 最終的にはもう少し高い割合になるのではないかと思っております。  最終的に市場化テストにおきます評価でございますが、これはコストとの比較という問題 も大きなテーマがございますので、年度全体で数値をまとめた上で実際にかかったコスト、 また官側がかけたコストも含めまして、相対的な評価をしていくことになると考えておりま す。現在のところの実施状況では、いま申し上げたような状況が見えるという段階でござい ます。  3ページに戻っていただきまして、市場化テストの実施でございますが、17年度は今ご 説明申し上げましたように2地区、5つの社会保険事務所を対象として実施をいたしましが、 18年度は13の事務局で104 の社会保険事務所、全体の社会保険事務所の3分の1でござ いますけれども、この3分の1の事務所を対象として市場化テストとして実施をしていくと いう計画になっております。4月に入札を実施し、5月から翌年3月まで13地区、これは すべて政令指定都市を抱える事務局ということになっておりまして、大都市部を中心に18 年度は104 の事務所で実施をしていく計画となっております。  4ページでございます。保険料の収納関係でございますが、現在までの推移が10ページ に資料として付けてございます。12月末段階で対前年度0.47%と依然と前年度を上回る経 過で来ております。最終の段階までプラスの傾向を維持をしていきたいということで、それ ぞれ納期内納入の督励指導、また滞納事業所に対する滞納処分の早期の着手といった取り組 みを引き続き実施をしていくこととしております。  次に5ページの医療費の適正化でございます。 ○医療保険課 菅野課長補佐  申し訳ございません。説明者が交代いたします。  医療費の適正化につきまして、ご説明を申し上げます。まず最初に診療報酬明細書等の点 検調査につきまして、ご説明を申し上げます。  別添の4、11ページから14ページにかけてご覧いただきたいんでございますが、これは 社会保険診療報酬支払基金での本年度第1四半期及び第2四半期におきます、医療保険者か らのレセプトの点検を行なった結果、保険点数ですとか診療内容等に疑問がございまして、 再度支払基金のほうに再度審査を依頼をいたしまして、改めて支払基金で保険請求が適切で ないとして査定されたものの結果でございます。  それぞれ最初から第1四半期の査定件数及び査定点数、第2四半期の査定件数及び査定点 数ということで、対前年同期と比較をしております。細かい数値の説明につきましては時間 の関係もございますので割愛をさせていただきますが、政管健保分につきましては、本年度 前半は対前年同期に比べまして査定件数は伸びております。査定点数につきましても、単月 点検分が減少している部分がございますが、縦覧点検等の分と合わせますと、第1、第2四 半期の合計で約500 万点の増となっております。本年度も前年度以上の点検の効果を上げ ておりますが、引き続き縦覧点検を中心といたしましたレセプトの点検の充実に努めてまい りたいと考えております。  続きまして5ページにまたお戻りいただきたいんでございますが、診療報酬明細書等の開 示、レセプトの開示につきまして、ご説明をさせていただきます。  昨年、平成17年4月1日から、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律、いわ ゆる行政機関個人情報保護法が施行されました。政管健保におきましては従来からレセプト の開示につきまして、要領を定めまして被保険者や被扶養者の皆様方からのレセプト開示請 求に対応してまいりましたが、法律の施行に伴いまして、被保険者、被扶養者、ご本人様か らのレセプト開示請求については、法律に基づきます開示請求とし、遺族の方からの請求に つきましては開示依頼として引き続きレセプトの開示を行なっております。  お手数ですが、資料の15ページ、16ページ、別添5とした資料をご覧いただきたいんで ございますが、これは昨年4月から10月末日時点までの7カ月間におきますレセプトの開 示状況でございます。被保険者、被扶養者、ご本人様からが234 人、遺族の方から30人の 方から開示の請求あるいは依頼を受けております。開示、不開示等の状況につきましてはご 覧のとおりでございますが、期間中はご本人様の請求におきまして、不開示、部分開示の決 定をしたものが若干ございますが、ご本人及びご遺族からの請求等に対しましては、ほぼす べてレセプトの開示を行なっておりますことをご報告申し上げます。  資料のほうは6ページにお戻りいただきたいんでございますが、引き続きまして保健事業 の関係につきましてご説明をさせていただきます。  まず最初に17年度の生活習慣病予防健診の実施状況について、ご説明を申し上げます。 資料のほうは17ページ、別添の6になります。  現時点の最終見込んでおります健診の実施率でございますが、36.1%を見込んでおります。 ただ例年年度末、これからの時期には年度の当初で申し込まれた方等が、時期が非常に開い てしまったことによるキャンセル等によって、受診者が落ちる傾向にございます。したがい まして、最終的にはこれより若干低下をするのではないかというふうに考えております。し かしながら、最終的には昨年度の実施率を2%程度上回るのではないかというふうに推計を しております。  申し訳ございません。資料のほうは6ページにお戻りいただきたいんですが、18年度の 生活習慣病予防健診につきまして、ご説明申し上げます。  先ほども一部事業計画の中で申し上げておりますが、政管健保の生活習慣病予防健診の一 般健診につきましては、平成18年度におきまして予算額を対前年比に比べまして18億円 増加ということで予定をしております。このほか、健診単価の引き下げ及び、申し訳ござい ませんが自己負担を若干引き上げさせていただくことによりまして、実施者数は前年度より 拡大するという措置をとらせていただいております。健診単価、それから自己負担の引き上 げにつきましては、下の参考でございます。以上でございます。 ○医療保険課 杉山課長補佐  3−2の資料を最後にご説明をいたします。保健・福祉施設等についてでございますが、 まず社会保険病院でございます。  社会保険病院につきましては、平成15年度から3カ年間で経営改善計画を策定して実施 をしておるところでございます。1枚めくっていただきまして、その経営状況の推移が過去 3年間出ております。経営状況の改善がかなり進んでいる状況になっております。この17 年度、本年度までの改善計画の取り組みを受けまして、平成18年度に整理合理化計画を取 りまとめることとなっておりまして、社会保険病院の取り扱いにつきましては各般のご意見 を踏まえまして、最終的に検討を進めていきたいとしているところでございます。  次に下の段でございますけれども、社会保険病院以外の保健・福祉施設等でございます。 ヘルシーパル、またセンター、保養所といった施設がございますが、これは昨年10月に設 立をされました独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構に出資をいたしまして、5年 以内に廃止・売却をするということになっております。138 施設を出資をしておりますが、 現在まで2施設が民間事業者等に売却をされている状況でございます。  以上、資料の2の事業計画、資料の3、運営状況のご報告でございました。 ○稲上座長  どうもありがとうございました。それでは資料の2と、今ご説明がありました資料の3− 1及び3−2につきまして、ご質問あるいはご意見をお伺いしたいと思います。 ○山崎委員  2点ほどお聞きしたいんですが、1つは資料の3−1の2ページなんですが、いろいろご 苦労されて取り組みに加入した事業所数が、4,100 というふうに出ておりますけれども、 これは従業員規模別にどの程度の従業員規模のところが多く加入したというような、特徴的 な状況はございますか。それとも特にそういう特徴はなくて、全体的に4,000 ほど増えて いるというような状況でしょうか。  もう1つ、資料の3−5のページの一番下の行に2施設が民間事業者に売却されていると いう実績が出ているんですが、これはその後、その施設が同じような施設になったのか、あ るいはまったく違う施設として活用されているのか、また、そこにいた従業員の方々の雇用 はどうなったかということが、もしわかれば、お聞きしたいんですが。 ○医療保険課 杉山課長補佐  まず最初に、資料3−1の2ページの未適用事業所の適用促進のほうでございますが、い ま現在は細かな規模別の数字はとっておりませんが、年度最終にとった段階では、それぞれ 業種であるとか、規模であるとかという分析はすることにしております。  したがいまして、次回、決算のご報告の時にはそうした細かな状況までご報告できるかと 思いますが、現在は数値の報告だけの取りまとめとしておりますので、ご了承いただきたい と思います。 ○稲上座長  2番目のほうはいかがですか。 ○三枝施設整理推進室長  売却後の状況でございます。2カ所が売却されておりまして、1カ所についてはすでに売 却以前に廃止した施設でございまして、従業員等も廃止をもってそれぞれ新たな職に就いて おられるか、職を探しておられるか、ちょっと確認できておりませんが、廃止済みの施設の 売却でございまして、その後事業継続ということはございません。もう1カ所につきまして は、事業継続中の施設の売却でございます。これにつきましては、売却後も従来とほぼ同様 な形での事業継続というふうに伺っております。したがいまして、従業員の方につきまして も、希望者については雇用が継続されているという状況でございます。 ○稲上座長  ほかにご質問はございますか。はい、城戸先生、どうぞ。 ○城戸委員  資料の2ですが、まず11ページに、被保険者1人当たりレセプト点検効果額というのが 出ております。この内容点検効果738 円以上というのは、目標ですか。それとも実績です か。 ○医療保険課 菅野課長補佐  これは実績目標でございます。実績で、平成16年度の実績が738 円でございまして、そ れ以上を目標とするということでございます。 ○城戸委員  そうだとしても、1人当たりという指摘は非常にわかりにくいです。たとえば、点検した レセプトの総額に対して何パーセントくらいの効果が出たとか、そういうことはいえますの でしょうか。1人当たりではなく総額いくらの効果が出て、それは点検したレセプトの総額 のどの位の割合となるか、そういうことはいえないのでしょうか。少々理解しにくいので、 お伺いしたいのです。 ○医療保険課 菅野課長補佐  申し訳ございません。今、委員おっしゃられているのは、いわゆる給付費に対してどれく らい削減があったかという意味かと思いますが、ちょっとそういった形で今、手元にござい ません。申し訳ございません。 ○城戸委員  全部レセプトを点検されたわけじゃないんでしょう。 ○武田医療保険課長  恐れいります。ここでレセプト点検効果額の目標値を出しておりますが、いろいろなとら え方がございまして、委員おっしゃるように、総額に対して何パーセントというやり方もあ ると思いますし、私どもはかつてより被保険者1人当たりという形で実績を把握しておりま した。これは恐らく、恐らくというのは変ですが、保険料をお1人お1人からいただきます ので、負担していただける方に対して、お1人の保険料をいただくものに対して、これくら いの医療費適正化をやっていたということだろうと思います。  ただ、もちろん総額もございまして、例えば平成16年度でいいますと、内容点検が件数 で108 万4,000 件、金額ベースでいいますと、140 億1,700 万円というようなことにな っております。総医療給付費が、例えば16年度でいいますと、3兆3,754 億円ということ でございますので、割れば出ますけれども、だいたいそういうような形になっております。  ちなみにやや余計な話になりますが、私ども、これ、レセプトでいろいろチェックをして おりますのが資格のチェック、内容の点検、外傷点検ということで、外傷点検につきまして は労働災害補償保険制度の対象ではないかということで、チェックをしてございます。これ までその3つを足した額で見てまいりましたが、資格につきましては、ある程度機械的に審 査ができるといいますか。むしろ、資格誤りはすべて正誤訂正をしなければならない。目標 数値というのとはちょっと違うのではないかということと、それから政管の場合には個人カ ードにした時に、実は資格関係の誤りが増えておりますので、そういった外的要因で増えた り減ったりするものについては、目標数値から外して純粋に内容点検だけで目標に掲げたら どうかということで、今年からこの数値目標は内容点検に切り替えようかということにして ございます。 ○城戸委員  140 億円に該当する金額のレセプトを点検されたと。その結果、1人当たり738円の 効果が出たというお話ですね。そうすると、何人分を掛け算すれば総額でいくらの点検効果 が出たかわかると思います。それは点検したレセプトの診療費に対する割合で、どの位にな るかということを伺いたいのです。総額で3兆円に対する比率と言われるとちょっと分母が 違うのではないかという気がいたします。 ○武田医療保険課長  私ども各都道府県にレセプト点検センターというのがございまして、そこでレセプト点検 調査員の方に分担をしていただいております。例えば歯科のレセプトを見る方とか、入院の レセプトを集中的に見る方とか、必ずしも私ども3億2,000 万枚のレセプトをもらってお りますので、全数調査というところまではいかない可能性がございますけれども、なるべく 見るようにということで精力的に見ております。  3兆数千億の現物給付に対して、104 億というのが、これは非常にケタがだいぶ違いま すし、少ないのではないかというようなことも感想としてお持ちになると思うんですけれど も、現実的にはレセプトの中で再審査で誤りを指摘するものというのはそんなに数パーセン トも出てくるものではないと思っておりますし、ちょっと正確な数字はわかりませんが、私 どもで見ておりますのは支払基金のほうでいったん審査済みのものを見ておりますので、そ ういう意味でいいますと、そこの段階で1度チェックがされて、その後の段階で私ども特に 支払基金では十分審査ができない2月分、3月分、4月分を並べてみるような点検方法でや っているということでございますので、パーセンテージで見ると非常に小さな数字になりま すが、総額で見ると、先ほど申し上げましたように、内容点検だけでも100 億円以上とい うことで、それ相応の効果を上げているのではないかと思っております。 ○城戸委員  ありがとうございました。そういうお答えの仕方もあり得ると思うのですが、例えば国勢 調査をしても1%抽出結果というのを出しますよね。だから、点検するパーセンテージが低 いとか、そういうことを言っているのではなく、点検したレセプトの中でどのくらいの効果 があったのかということをお伺いしているのです。 ○医療保険課 菅野課長補佐  申し訳ございません。委員のご指摘をいただいている数字につきましては、全体額、要す るにこの140 億の元になったレセプトの総額がいくらかということですね。 ○城戸委員  そうです。 ○医療保険課 菅野課長補佐  ちょっとそういう形での統計をとっておりませんで、結果として140 億分を査定をした ということでございます。 ○城戸委員  ありがとうございました。もう1点あります。14ページです。例えば政管の場合にこの 健診実施割合は32%以上と書かれておりますけれども、どのくらいの数値が望ましいと思 っておられて、そこまで引き上げたいと思ってるのかということです。それから、健診内容 ですが、後のほうで、C型肝炎健診というのが非常に減っています。それは何か特別の理由 があるのか、減ってもよいのかということです。C型肝炎というのはかなり深刻な病気なの でお伺いしたいと思います。 ○医療保険課 菅野課長補佐  1点目のご質問でございますが、私ども、この目標をどこまで定めるかということに関し ましていろいろな議論等があるわけでございますが、実は昨年、前回の運営懇談会、この席 でご説明を申し上げたんでございますが、政管健保の保健事業に関するアンケート調査とい うものがございまして、それの中で約52%の方がご希望になっているということもござい まして、最終的に全員の方が受けられるというのが目標になるかと思うんですが、当面はそ ういったことも目標にしながら、予算等も含めまして確保に当たっていきたいというふうに 考えております。  それから2つ目のC型肝炎でございますが、実は予算的な話をして大変恐縮なんでござい ますが、実際はこのC型肝炎の予算と実行の面でいきますと、予算に対して非常に実施の割 合が少なかったということもございまして、18年度はそれを現実的な実施を受けられる方 の実数に近いような形にし、ご希望される方はほとんど受けられる数値での予算は確保をし ております。以上でございます。 ○紀陸委員  今の城戸さんのご質問に関連する、念押しなんですけれども、14ページの健診実施の話 なんですが、いずれ公法人化されて、かつ40歳以上の被扶養者も対象者になるということ で、先行き対象者の拡大を含めた数値的な目標というんですかね。それは特に青写真として も描いておられるのか、否か。その点の念押しで教えていただければ。  もう1点、関連するんですが、資料3−1の一番最後の別添の6というのが各県別の健診 の実施率が出ているんでございますが、かなり県によってばらつきがあると思いますんです けれども、県別の格差の理由というんですかね。要因というのが何か把握されておられれば、 その点も併せて教えていただければと思います。 ○医療保険課 菅野課長補佐  すみません。各県別の格差につきましてのご指摘でございますが、私もこれの理由等につ きまして、例えば市町村が行なっております老人基本検査等との関係ですとか、いろいろ調 べてみたんですが、特段どこかの県が健診に関して関心が低いとか、そういったところまで の原因には至っておりません。  ただ1つ考えられますのは、例えば労働安全衛生法に基づきますそういった健診もござい ますので、そういったものも含めて実際どうなのかというところは見なければいけないと思 っておりますが、今のところ、これが理由でこの地域が低いという部分までの結果にはまだ ちょっと至っていないというのが現状でございます。 ○武田医療保健課長  1つ目のご質問でございますが、公法人化した場合に健診の受診率をどのように考えてい くのかというようなことでございますが、これは1つは被扶養者につきましては、いま政管 健保では非常に受診率が低い状況でございます。平成20年度から義務化をされるというこ とでございますが、健診項目や健診実施方法につきまして、今後本省のほうで検討がされる ということでもございますので、それを踏まえてどのような目標で取り組んでいくかを検討 してまいりたいと思います。恐らく、これまでは保健事業をどれくらいやるからこれくらい の保険料が必要だというような議論はしておりませんでしたけれども、平成20年度以降は 保健事業に必要な所要額も含めて、必要な保険料率を設定していかなければならないという ようなことになるのではないかと考えております。  それから被保険者本人のほうの受診率でございますが、先ほど報告いたしましたように、 アンケート結果では52〜53%という数字が出ておりますが、これも平成20年度以降は被 保険者の健診データを保険者として管理をするようにというような規定が入ってございま すので、改めて詳細なニーズ調査をやりまして、実際に労働安全衛生法上の健診をどれだけ 受けられているのかというところも今は把握をしておりませんが、今後はそこの点も含めて 把握をした上で、必要な健診にしっかり取り組んでいくような体制に移っていく必要がある というふうに思っております。 ○花井委員  いくつか質問があります。1つは資料3−1の適用の適正化で、事業所調査の重点化とい うことで、「短時間労働者、派遣労働者が多いと見込まれる事業所に対する調査を重点的に 実施」というふうになっていますが、その後ろにあります市場化テストのモデル事業として やられている、ここの事業者というのが短時間、あるいは派遣労働者が多いところを重点的 に行った結果なのでしょうか、まったく別のものなのでしょうか。  それから、そこに出ております645 人、62人という加入者と被保険者数が出ております が、この数字がどうこうということではなくて、一番最初に城戸先生が質問されましたが、 1年間でどのくらいやめて、それから増えたのがどういう数字なのか。業種などです。とい いますのは、その増減の中身がもう少し分析されてもいいのではないかということがありま す。  それからもう1つは、今度の制度改革の中で標準報酬月額の現行の上下限を上げる下げる というのが出されていますが、そのことによって短時間労働者が相当増えるんじゃないかと いうふうに思われますが、その辺の見通し的なものというのはもう何かお考えになっている んでしょうか。  それから資料3−2ですが、政管健保の保健・福祉施設の問題です。社会保険病院という のは政管健保の保険料で建てているものではないかと思うんですが、この2つ売却されたも のは、それは政管健保の財源の中に戻ってきているんですよねという質問と、これからのこ とですが、政管健保が公法人化され、保健事業というのが非常に従来と違って重要になって くると思うんですが、そういう時に社会保険病院の位置づけがどうなるのか、まったくすべ て売却してしまうものなのか、あるいは加入者のための保健事業に活用できる医療機関とし て残り得るものなのか。その辺の見通しなんかもぜひ教えていただきたいと思います。 ○医療保険課 杉山課長補佐  まず1点目の1ページ、2ページ、3ページに関わります適用の関係でございますが、ま ず1ページにございます短時間労働者、派遣労働者が多いと見込まれる事業所に対する重点 的な実施でございますが、これはすでに加入をしている事業所は業種もわかりますし、どう いう状況かわかっておりますので、重点的にそういうところが適正な届出をしているのかと いうのを絞り込んで調査をするというものでございます。  2ページの未適用事業所でございますが、特に市場化テストをお尋ねでございましたが、 これまで外部委託というのは、私どもからこのようにやってくださいという指示をして事業 をしていただくのが外部委託でございました。市場化テストは民間の事業者、請け負った事 業者がどのように進めていくかもすべて自分たちの持っているノウハウを生かして、任意に 実施をするということで、受託をされた事業所が短時間労働者や派遣労働者が多いところを 重点的に捕まえるほうが加入が促進が進むと判断をされれば、そういうところを集中的にお 探しになるということで、ある意味でいうと、民間事業者は市場化テストの場合はお任せと いうことになりますので指定ができません。そういう意味合いで、ちょっと進め方として全 然違うものでございます。  2点目の標準報酬の上下限の改定の関係でございますけれども、現在、政府管掌健康保険、 厚生年金も同じでございますが、短時間労働者の適用の基準はいわゆる4分の3という基準 を設けてやっておりまして、そこに報酬の額というものを基準として設けておりませんので、 標準報酬の上下限が直接的にそこにすぐに跳ね返るということではないというふうに思っ ております。実際に上下限、特に下限のところでございますが、加入される方々の状況によ ってその部分が見えてくるかもしれません。現在のところ、4分の3の基準とは別のものと いうふうに受け止めております。  それからもう1点、年間で資格を取得される方、喪失をされる方でございますが、直接的 にそういう数字をとる統計にはなってございませんが、処理はしておりますので、何らかの 方法で、細かい数字まではともかくとして、全体の動きとして捕まえられないかどうかにつ きましては検討させていただきたいと思っております。 ○中野企画課長  お尋ねのありました社会保険病院の関係でございますけれども、資料3−2の上のほうに 記載がありますが、社会保険病院のあり方の見直しという平成14年12月の方針に基づい て、現在経営改善の取り組みをしておるところでございます。その結果を踏まえ、18年度 中に整理合理化計画を決めるということでございます。  この当時、まだ政府管掌健康保険を公法人化するということは議論されていませんでした。 そういった状況、新たに生まれてきた状況も踏まえながら、18年度に策定する予定の整理 合理化計画の検討の中で、どういった形でその後の経営形態を考えていくのか、検討をして まいりたいと考えております。 ○花井委員  今のことでちょっと、こちらの事業計画の15ページのところに社会保険病院というのが ありまして、単独で経営自立ができる病院、単独で経営自立は困難とか、あるいは地域医療 にとって重要な病院等々と分かれておりまして、最後に修正となっており、その以降、計画 が変更されている。  そうしますと、例えば3−2の資料の2ページのところに、単年度黒字が50病院あり、 これは財産としても相当な金額かと思うんですが、それが売却された時に本当に安い値段で 売られてしまうことがありますが、保険料で作ったものであれば、もう少し政管の加入者に メリットになるような残し方活用のし方が、あるのではないか。これから都道府県単位に財 政運営がされていくということであれば、なおさらそういう役割が重要になってくるかと思 うんですが、その辺の見通しというのは今後どのように見通しているのか。 ○中野企画課長  資料の2の15ページに記載をしております社会保険病院の整理の考え方でございますけ れども、この中で経営状況を踏まえまして@ABという3種類の分類をした上で、その後の 経営の形態をそれぞれ考えていくということでございまして、これらすべてを整理機構に出 資し、すべて同じような考え方で譲渡、売却をしていくという方針が決まっているわけでは ございません。その取扱いも含めて、どういう形でこの社会保険病院の問題を、最終的に整 理をしていくのかということを、今後の整理合理化計画の中で考えていくということでござ います。  ご質問の中にございました売却益の点でございますけれども、現時点において整理機構に 出資をし、売却の対象とすることとなっているのは、診療所あるいは宿泊施設等でございま す。その売却益は、最終的にはそれぞれの財源となりました勘定に戻していく仕組みになっ ております。 ○花井委員  まだ最終的にすべてどうするか決まっていないということであれば、要望です。今まで政 管健保は大きすぎて、なかなか被保険者あるいは加入者のところまで保健事業というのが見 えない部分があったかと思うのですが、今後、新しくできる組織に活用できるような形で残 して活用することも、ぜひとも考えていただきたい。 ○稲上座長  ほかにご質問あるいはご意見はございますでしょうか。はい、どうぞ。 ○紀陸委員  レセプトのオンラインの提出の件ですけれども、11年度からそういうふうなことでしょ うけれども、特に公法人化のことも含めて、システム上の対応というんですかね。それをど ういうふうに計画をしておられるのか、お聞かせいただきたいというふうに存じます。 ○武田医療保険課長  診療報酬の請求につきまして、これをオンライン化にしていく。年限を定めまして、保険 者もすべてオンライン化に対応するようにという方針が出されておりますけれども、私ども 平成20年の10月から新しい公法人、全国健康保険協会に移行することを考えております ので、その段階で新たなシステムをこれから構築しようとしております。当然のことながら、 新たなシステムを組むに当たっては、そういう対応につきましても対応できるように今後設 計構築を進めていきたいというふうに考えております。 ○稲上座長  よろしゅうございますでしょうか。それでは引き続きまして、事務局のほうから資料の4 についてご説明をいただきたいと思います。 ○医療保険課 菅野課長補佐  それでは資料の4について、ご説明申し上げます。厚生労働省保険局におきましては、被 保険者あるいは被扶養者の方の受診時におきます保険医療機関での窓口での資格確認方法 につきまして、医療機関関係者、審査支払機関、私ども政管健保と保険者等の関係団体等か らなります「医療保険被保険者資格確認検討会」というものを設置をいたしまして、資格確 認のあり方等につきまして検討をしております。  設置経過、検討内容につきましては2ページ目をご覧いただきたいと思うんでございます が、これまで3回にわたりまして、過去のオンラインを使いました資格確認システムの実証 事業等の報告、それからレセプト作成システム等の医療事務機器メーカー等からの説明等を 踏まえて、議論をしておるところでございます。  次に3ページ目以降につきましては、3ページ、4ページ、5ページにつきましては、こ の検討会において配布されたものでございまして、いわゆる保険請求に当たりまして資格関 係の誤りの状況ですとか、あるいは保険証の1人1枚化、個人カード化の状況、それからこ の窓口での被保険者の資格確認システムによる効果といったことについて、構築された場合 の効果といったことにつきましての資料でございます。これにございますように、構築され れば保険者、医療機関とも事務経費等の削減が期待されるというところでございます。  6ページをお開きいただきたいんでございますが、政管健保の場合ですと、平成16年度 でも資格関係の点検によりまして、約370 万件のレセプトにつきまして保険医療機関への 返戻ですとか、被保険者の方への保険給付部分の返還ということをお願いしている状況にご ざいます。検討会におきましては、オンラインによる即時確認システムの検討も行なわれて おりますが、保険証からのカルテ等への転記ミス防止のために、例えば被保険者番号ですと か、仮名氏名といった被保険者証の券面の事項をQRコードとして被保険者証に印刷をしま して、医療機関におきましてコードを機械的に読み取って、カルテですとかレセプトの作成 システムと連動させるということも検討されております。  7ページ目に、このQRコードを仮に政管健保の被保険者証に印字した場合のイメージを お示しをしております。ただこのQRコードの中に、先ほど申し上げましたように、項目等 を収載するんでございますが、この中に収載できますデータ量には限りがございます。また、 政管健保で実施する場合は被保険者の記号、番号をすべて数字化するといったことにつきま しても、検討することになるかと思っております。  検討会におきましては、先ほども言いましたQRコードの印刷等について、これから具体 的な検討に入るということになっておりまして、まだ決定されたものではございませんが、 現在の検討状況につきまして簡単でございますがご報告をさせていただきました。以上でご ざいます。 ○片岡臓器移植対策室長  引き続きまして、健康局の臓器移植対策室長の片岡でございます。本日はこのような機会 を与えていただきまして、厚く御礼を申し上げます。資料4−2に沿ってご説明申し上げま す。  「被保険者証への臓器提供に関する意思表示について」、1枚おめくりください。初めに 臓器移植、移植医療の現状について概要を簡単にご説明させていただいた上で、意思表示に ついての説明をさせていただきます。  臓器移植法の歴史ですが、まず昭和33年に角膜移植、それから昭和54年に角膜及び腎 臓の移植に関する法律が、平成9年10月に脳死下での臓器提供が可能になる臓器の移植に 関する法律施行されております。これまで8年4カ月たっておりますが、これまでの実績で は脳死と判定とされた事例は42例、年間5〜6例というような状況でございます。  おめくりください。各臓器ごとにどうなっているかということですが、臓器移植の実施状 況です。心臓、肺、肝臓、腎臓など臓器ごとになっております。これまでの約8年4カ月の 間の提供件数、提供者数、それから移植実施件数でございます。右側の欄は待機患者数でご ざいまして、今年の1月4日現在の待機している患者数です。心臓であれば80名、肺113 名、 肝臓102 名、腎臓であれば1万2,000 名を超える患者さんがお待ちになっているというよ うな状況でございます。  続きまして4ページでございますが、待機している、移植を待っている患者さんの動向で ございますが、心臓、肺、肝臓についてででございまして、心臓につきまして見ていただき ますと、年齢計のところで移植希望登録者数、現在81名となっております。これまで登録 したけれど登録を取り消された方は、135 名いらっしゃいまして、その内訳ですが、死亡 の欄を見ていただきますと74名となっております。これまでネットワークに登録された患 者は216 名いらっしゃって、そのうち約3分の1の方が亡くなっているというような状況 です。肺、肝臓も同じような状況となっております。  続きまして5ページをおめくりください。各国との状況を比較したものでございます。そ れぞれ臓器ごとになっておりまして、一番左が日本です。残念ながら心臓、肺、肝臓につい ては数字は0.04、0.03、0.02とありますが、ほぼ線が出てこないような状況です。腎臓は 1.35ということですが、諸外国と比べてこのような状況になっております。人口100 万人 当たりの件数で、人口を同じような状況にして比較したものでございます。  6ページをお願いいたします。今度は移植医療の費用の面でどうなっているかということ でございますが、これは日本移植学会が調べたもので、平均的な費用で記載させていただい ております。移植件数が最も多い腎臓で比較させていただいております。  人工透析にかかる医療費、1人当たり年間約500 万円程度といわれております。平成16 年末透析患者数は約25万人いらっしゃいますので、1.2 兆円規模、腎臓移植を待機されて いる患者さん、1.2 万人でも約600 億円という状況になっております。  腎臓移植を受けた場合はどうかということですが、1年目は移植手術費用を含めまして約 400 万円から500 万円程度となっておりますが、2年目以降は免疫抑制剤等の費用が中心 となりまして180 万円程度、以下年ごとに低下していくというような状況でございます。  以上が臓器移植に関する現状についてのご説明でございまして、続きまして7ページ以降、 今回の本題であります意思表示について、ご説明させていただきます。  臓器移植法の理念の中で、臓器提供に関する意思は尊重されなければならないとなってお ります。その臓器提供の意思表示について、意思表示の方法、確認方法でございますが、脳 死下での臓器提供につきましては書面、具体的にはドナーカードによる本人の意思表示が必 要となっております。経過措置の中で、心停止下での腎臓、角膜の提供については、本人が 拒否の意思を示していなければ遺族の承諾で可能となっております。それから政府の責務と しては、本人の意思が尊重されるよう、その方策としてドナーカードの普及等のための必要 な方策を講じるということとされております。  それで具体的にドナーカードですが、皆さんご承知と思いますが8ページ、これがドナー カードでございます。  次に9ページでございますが、これは政管健保さんにもご協力をいただいておりますが、 被保険者証あるいは運転免許証などに貼付するものとして意思表示シールを配らせていた だいております。  次の10ページでございますが、具体的に貼る場合はこのような形で貼っていただいてお ります。  11ページでございますが、これまでの取り組みですが、ドナーカードにつきましては1 億枚を超えるカード数、シールにつきましても2,700 万枚を配備しております。役所など の公的機関、病院、薬局等の医療機関、それからコンビニ、スーパーなどの民間の店舗等に もご協力いただいております。それから政管健保さんにもお願いしておりますが、被保険者 証の交付時にカード・シールの配布などの協力依頼させていただいております。  次に12ページでございますが、意思表示カードの所持状況です。これは2年に1度世論 調査させていただいておりまして、最近の数字、それぞれの欄の一番下になりますが、平成 16年、意思表示カードを持っている者の状況ですが、「持っている」が10.5%となってお ります。それからその下ですが、臓器提供意思表示シール、これは知っているかどうかです が、9.6 %とまだまだ低いような状況となっております。  こうしたことから次の13ページになりますが、いろいろな普及啓発に取り組んでおりま す。移植医療に関する普及啓発として、学校教育における普及啓発活動も重要で、2年前よ り全国の中学校3年生に、移植医療に関するパンフレットをすべての中学校3年生に届くよ うに配布しております。それから公共広告機構によるCM等。  それから意思表示の方法・機会の拡大については、新しいデザインによるカードの配布。 新年度においては、パソコンや携帯電話から臓器提供の意思を登録することができるシステ ムを創設する予定となっております。それから後でご説明いたしますが、国保、健保の被保 険者証における意思表示の記入欄が設定できるように、保険者の判断で設定できるようにな っておりますので、この普及啓発等を行っております。  それから関係機関といいますか、臓器提供病院への支援を充実することが必要といわれて おりまして、18年度の診療報酬改定におきまして、いろいろとご議論いただいたところで ございまして、また、健康局といたしましても、臓器移植ネットワークの助成金について充 実する方向で取り組んでおります。  それで今回お願いしていることでございますが、14ページでございます。平成15年の健 康保険法の施行規則等の改正によりまして、その様式について、注意事項については別途被 保険者に通知することにより省略することができるとされておりまして、その被保険者証等 の余白については、各保険者の判断により写真を貼るほか、臓器提供の意思表示の記入欄、 または臓器提供意思表示シールの添付欄とするなど、適宜使用して差し支えないこととされ ております。現在、滋賀県の市町村国保でありますとか福岡市さん、それから一部の健保組 合では被保険者証カードに臓器提供の意思表示欄、記入欄を設けるという取り組みがなされ ております。  15ページ、最後でございますが、被保険者証に臓器提供の意思表示を直接記入する欄が あったほうがよいかどうかということについても、平成16年の世論調査で聞いております。 「そう思う」が56.0%、「そう思わない」が24.6%となっておりまして、「そう思う」とい う方が多くいらっしゃるというような状況でございます。  以上ですが、臓器移植法の趣旨を踏まえまして、できるだけご協力いただければ幸いでご ざいます。以上で説明を終わらせていただきます。 ○医療保険課 杉山課長補佐  今の資料の次に1枚、参考として、「健康保険被保険者証の様式(裏面)」というものを用 意をさせていただきました。今、ご説明がございまして、これから委員の皆様方にご意見を いただくわけでございますが、仮に政府管掌健康保険の被保険者カードに意思表示の欄を設 けるとした場合、どのようになるかというイメージ図でございます。ほぼ実物大でございま す。字が非常に小さくて申し訳ございませんが、もう少し若干字は大きくできるかと思いま すが、意思表示欄、それぞれ設けますと、全体としてはこのような状況になるというふうに 見込んでいるものでございます。こちらも参考にしていただきまして、臓器提供に関する意 思表示についてご意見を賜りたいと思います。 ○稲上座長  どうもありがとうございました。それでは資料の4−1と4−2のご説明をいただきまし たけれども、ご意見あるいはご質問がありましたらお願いいたします。 ○櫻井委員  4−1の一番最後にイメージがありますね。7ページですか。これで資格を確認といった って、それが本当に資格があるかどうかはわからないのでしょう。どこかへこれがつながっ て、その時点で確認ができるようなものになるのですか。 ○武田医療保険課長  ご紹介をしておりますこの資格確認検討会という検討会の検討事項は、実は大きく分けて 2つございます。  1つは、こういう読み取り機能のためのコードの標準化を議論したらどうか。それからも う1つは今、櫻井委員ご指摘の、例えばオンラインでいま現在資格があるかどうかを確認を する機能を日本全体で整備をしたらどうかというような、2つの大きな点について議論が進 んでおります。  今後のこの検討会の検討状況にもよりますけれども、中での議論は、まずできることから 取り組んだらどうかということで、大規模な資格確認の仕組みを作るのに多少時間がかかる、 または経費をどうするかという面での検討が必要ではないかという議論も出ておりますの で、まず被保険者証にこのようなコードを標準的な仕様で盛り込んだらどうかということを 先に議論したらどうか、という意見が出ております。  一方で、そこまでやるのであればもう一歩進めて、その時点で資格が確認できるような仕 組みを作るべきだという議論、またそれはもう少し時間がかかるのではないかという議論、 こんな議論が出てございます。  ご指摘のように、将来的には資格誤りをだいぶ減らすためには有効な手段だと思いますの で、私ども保険者の立場でございますが、この検討会には協力をいたしまして、医療のIT 化という項目の1つになると思いますので、なるべく前向きに検討がされるべきものではな いかと考えております。 ○櫻井委員  現時点では2つある前段の、言ってみれば医療機関としては、持ってきた保険証を間違い なく写し取ることができるというだけですよね。紙の保険証だってカードの保険証だって、 それを見て間違いなく写しとるというのだったらこれと同じだもの。実際には本人が資格喪 失しているのにそれを持ってきたとか、そういうことの間違いの問題はこれでは解消できな いですね。 ○中西座長代理  櫻井委員がおっしゃいましたように、基本的には医療機関の窓口で保険者のデータベース にリンクして、資格の有無がチェックできるという、そういうシステムを作り上げる必要が あるんだろうと思います。  ただ、資格誤りの中でいろいろな形態の資格誤りがありまして、その中で大きな病院なん かを中心にして見ますと、かなりレセコン、コンピュータに入力する時に誤入力をする。誤 入力をしたものがそのまま保険者にレセプトの形で運ばれて、保険者で跳ねられる。その結 果、支払基金も大変な手数をかけますし、医療機関も結果的に悪い場合には医療費を取りっ ぱぐれるというような事態にまで至ってますんで、このQRコードによってこれが利用され れば、病院等で活用されれば、誤入力の部分だけは防げるのだろうという感じはします。  ただ、これが本当に病院などで使われるのかどうか。読み取り装置も必要でありましょう し、それからレセコンとこれをきちっとつなげるという、どれくらいの経費がかかるのかよ くわかりませんが、そこのところをよく考えて導入しないと、絵に描いた餅に終わる心配も ある。公法人化されてからそれ以降、被保険者証がどうなるのかという見通しもある程度必 要でありましょうし、そういうところの見通しも併せて医療機関に対してこれからある程度 の期間、これはこういう形で被保険者証が流通するんだということを示していただく必要が あるんじゃないかというふうに思います。 ○高野委員  ちょっとお伺いをしたいんですが、恐らくもうすでにどこかで議論されているんだと思い ます。この資料の4−2の9ページにシールの例を示していただいています。これは被保険 者証、運転免許証等に貼るものであるということで、私は脳死判定に従いとか、あるいは心 臓が停止した場合提供しますと、こういうことをですね。  それで先ほどの参考という1枚紙のほうで、「健康保険被保険者証の様式(裏面)」という ふうになっていまして、変更案としては同じように、1番は「私は、脳死判定に従い脳死後、 移植の為に○で囲んだ臓器を提供します」、以下書かれているわけですね。  まず質問の1つは、どの段階でこれに提供の意思を示しても示さなくても、受ける医療に 違いがありませんということがインフォームされるのでしょうか、というのが第1点です。 また、それによって次の質問をさせていただこうかと思っております。 ○片岡臓器移植対策室長  臓器移植法のガイドラインの中に、まず最善の医療を尽くすということになっております。 どの段階といいますか、あくまで最善の医療を尽くすという前提で、その後のこととされて おります。 ○高野委員  そうすると、例えば運転免許証の時とか、あるいは普通に健康の時であれば、恐らくそれ ほど憂慮する必要はないのかもしれませんけれども、保険者証の場合、これを自分で書き込 むということになると、これによって確かにガイドラインに書かれているようにきちんと保 障されているんだ。つまり、提供する意思があってもなくても同じ医療が受けられますとい うそのインフォーム、説明がやはり必要で、それがないとやはりちょっとおかしなことにな っていくんじゃないかという懸念があるので、その点はどうお考えですか。 ○片岡臓器移植対策室長  これまで42例実施されておりまして、それらにつきましては第三者による検証会議を行 っております。その中でも救命医療、救急医療等につきましては最善の努力がされていると なっており、これまでの実績でも問題ないですし、引き続きガイドライン等の普及啓発は絶 えずいろいろなところで行なってまいりますので、今後ともこのガイドラインの普及啓発等 を通じて多くの方々にご理解いただきたいと思っております。 ○高野委員  少し別のことで質問させていただきますが、例えば臨床のことに関しての倫理指針のよう なものも同じくいろいろガイドラインがあるわけですけれども、その場合にはあなたのデー タを、臨床で得られたデータを使わせてください、どうぞ使ってくださいと、こういうふう なことになるわけですけれども、その時にやはりどこかでその自分のデータを使っていいと 言おうが、あるいは自分のデータは使わないでくれと言おうが、同じ医療が受けられるとい う保障をどこかで通知しないといけないというふうになっていると思います。  例えばそれがホームページであろうとも、ポスターであろうとも、あるいは別の形であろ うとも、それはある程度個別の例に任されていると思いますが、いずれにしろそれが確かに そうですということを本人に通知する義務があると思うんですね。ですから、ガイドライン の徹底を図っていきますといわれても、どういう形で本人にお知らせをして、確かに提供す る意思があってもなくても受けられる医療には違いがありませんという説明義務をどこで 果たされるんですか。 ○片岡臓器移植対策室長  どこでといいますか、いろいろな機会でということでしか今の段階ではお答えできません が、脳死判定を開始するに当たっては、それ以前にすべて行い得る適切な治療が行なわれて いるということが前提となっておりまして、それについてはガイドラインでもオープンにさ せていただいているところでございまして、引き続き、まだまだ努力が足りないということ であれば、あらゆる機会で普及啓発等はさせていただきたいと思っております。 ○高野委員  ぜひそうしてください。一般の政府管掌健保に加盟されている方々にとって、いきなりい くらアンダーラインがあっても、「脳死判定に従い脳死後」「心臓が停止した死後」と、これ はもちろん事情を知っている方であれば誰でもそれはわかるでしょうけれども、こうしたこ との説明もやはり私は必要だと思っています。 ○城戸委員  今のご質問に関連するんですけれども、資料の4−2の一番最後のページに「被保険者証 に臓器提供意思表示を直接記入する欄があったほうがどうか」という世論調査の結果が出て ますが、どのくらいの規模の調査で、それから対象者の属性ですね。それから自由記入欄が あるのだろうかとか、「そう思わない」という理由ですね。それがあまりよくわからないん ですね。「そう思う」という人の積極的な理由と、「そう思わない」という人の積極的な理由 というのがあると思うんですね。これは「そう思わない」人が約25%、4分の1で、「どち らともいえない」という人も、これも何かもやもやしていてよくわからないという感じなの で、世論調査される時はどのくらいの規模で、対象者の属性はどういう「のであって、自由 記入欄があるかどうかとか、その理由があるほうがいいんじゃないかとか、そういうことを ちょっと申し上げたいんですけれども。質問と意見です。 ○片岡臓器移植対策室長  世論調査につきましては、平成16年に行っておりまして、全国の20歳以上の人3,000 人 で行っております。この「そうは思わない」ということの理由について、この世論調査の中 では直接は聞いておりません。ですから、「そうは思わない」の理由については、どういう 理由かというのはこの調査の中では行っておりません。世論調査全体ではほかには移植医療 に関する関心があるかどうかとか、いろいろなことを聞いており、その中の1項目です。  このほか、現在、「脳死後臓器を提供したい」「提供してもよい」「どちらともいえない」 「提供したくない」という項目が別の項目でございまして、「脳死判定後臓器を提供したい」 が35.4%、「どちらともいえない」が26.4%、「提供したくない」が32.8%となっておりま す。これも1つの参考にはなるのではないかと思っております。 ○花井委員  意思表示についてです。政管健保の場合の被保険者証はすべて個人が持っているんですね。 そうしますと、赤ちゃんも小学生も中学生もすべてということになっているかと思うんです けれども、法的に意思表示というのは何歳からか。それから書き換えられないかという心配 がある。本人は意思はないけれども、誰かがそこに書き込む。あるいは本人の意思が変更し た時に、その変更したという確実性をどこで担保していくのか。その辺というのはどんなふ うにお考えなんでしょうか。  それからもう1つ、先ほどすでに健保組合でやられているところがあるというお話をされ たかと思います。国民健康保険ですか。今やっているところで問題は何も起こっていないの か、どうなのか。その辺を教えていただきたいと思います。 ○片岡臓器移植対策室長  臓器移植法において、本人の意思表示について、15歳以上を有効と取り扱っております。 これは民法上で遺言することが可能な年齢が15歳となっておりますので、それを参考にし てガイドラインで定めております。  それから健保組合で行われているところは2月から行われておりまして、その状況につい て、詳しいことはお聞きしておりません。  それから国民健康保険では滋賀県で行われておりますが、特段の問題等は聞いておりませ ん。  書き換えについては、実際には、事例の際にはご家族の方にお聞きした上で、これは本人 が書いたものかどうかというような確認はさせていただいております。ご指摘の問題につき ましては、現行の臓器提供意思表示カードでも同じ問題があるかと思いますが、できるだけ ご家族の方にご確認いただいて、本人が書いたものかどうかということを慎重に判断しなが ら斡旋しているところでございます。 ○吉田委員  私の申し上げたいことは2つあります。1つはQRコードをこういうふうに保険証に入れ るということについては私も賛成です。但し、いま櫻井先生がおっしゃいましたように、現 在の保険証では本人の確認が出来ないということですから、運転免許証と同じように本人の 写真を保険証の中に入れれば、他人が使用することを防ぐことが出来ると思うので、そのコ ストがどれくらいかかるかわかりませんが、ご検討頂きたいと思います。  それからもう1つは、今おっしゃったこういう臓器提供の意思を最初からこういう免許証 とか保険証に貼っておくということについては、私も賛成です。  ただし、いま花井委員がおっしゃったように、私の心配は書くところが非常に狭いですか ら、そういうところへ書いて、自分で今日まで提供しようと思っていたのが明日からはいや になった場合に簡単に書き換えられるような方法でないと、いけないような種類の問題だと 思います。  ところが、そう簡単に書き換えられるようなスペースはないと思いますので、その点の担 保を十分にしていただきたいと。 ○櫻井委員  問題は2つあって、いま吉田委員のおっしゃったこととは逆になっているかもしれないの ですけれども、この4−1の3のところに「現在の資格関係誤り」のところで、多いのは資 格喪失後の受診なんです。だから本人を確認しても駄目なんですね。本人の写真があったと しても、本人が資格喪失して資格がないのに持ってくるわけですから、本人を確認しても駄 目なんです。少なくとも3分の1は、これはどうしようもない。ここで、記号・番号の誤り というのは恐らく写し間違いなんでしょうね。それから旧証によるものというのは7%くら いあります。これも本人が持ってくるけれども、古いのを持ってきたということで、本当は 返さなければいけないものを持ってきたものですから、今のでは解決しないですね。だから 半分くらいは解決しないのではないかと思っているのです。  それからもう1つの4−2のほうは、この懇談会でそれを決める場ではないから意見しか 言えないのでしょうけれども、私も今のシールを貼るやり方を普及するべきだと思うのです。 シールを貼るということは相当な意思表示になるし、いやになったらはがせればいいわけだ から。刷り込まれているというのは非常に強制的な意味合いを持つから、シールを普及して、 意思のある人はシールを貼ってくださいということを一生懸命やればいいのではないです か。「しません」というのはシールは貼る必要はないわけでしょう。「します」という人だけ 貼ってください。つまり、今の普通の提供カードを持っていてくださいというのと同じです。  カードを保険証に貼る形で、もし政府管掌のほうでやりたいのならそれが一番問題がない のではないのかな。今も本当はそういうことになっているのでしょう。普及していないから 裏に刷り込んではというのは、ちょっと乱暴なのではないかな。普及させることをまず考え たらいい。アンケートどおり、「そうすべきだ」という人が多いなら、もっとシールを貼る 人が増えるはずだけれども、本当はそうではないかもしれない。アンケートはただそう答え ただけかもしれない。  ここで意見を言ったからといって決まるわけではないみたいだけれども、シールを普及す れば、普及費だけで印刷代も何もかからないから、一番安上がりで、しかも一番問題が解決 する。 ○吉田委員  おっしゃるとおりですけれども、現在貼るシールがあっても、そのPRが悪いのか。私も 今日までシールがあることを知りませんでした。そういうキャンペーンをやっていただくこ とも大事ですけれども、貼ってある意思表示を簡単にかえられるように、但し、他人がねつ 造出来ないようにして頂きたいと思います。 ○櫻井委員  ただ、少ない理由はそれだけではないんですね、日本で普及していないのは。脳死判定に ついて、ちょっと言い過ぎになるかもしれないけれども、くだらない規則が多すぎて、実際 に提供する人は10倍くらいあるはずなんです。ところが、例えば死ぬ前に中耳炎があった から駄目だとかというような理由で跳ねられているから、提供希望者は確か10倍くらいあ ると思うのです。そっちを直せば、十分にもっと臓器提供はできるのです。 ○稲上座長  ほかにご意見は? はい、どうぞ、花井委員。 ○花井委員  私の場合、反対ではなくて、本人が提供してもいいという方がいたら、それはその意思を 表示できるところがあったほうがいいと思っています。それから先生、私が心配なのは、書 き換えやすくじゃなくて、書き換えにくくしておかないと、誰かが子どものところで書き換 えをするんじゃないかということです。悪いほうの心配かあります。最初に自分が意思表示 したことと変わった意思をどこできちんと確認するのかとか、1回自分が書いたものをほか の人が絶対書き換えられないようなシステムをどうするのかとか、その辺をとても気にして いるので、何かお考えがあれば教えていただきたいなと思っています。 ○片岡臓器移植対策室長  今の書き換えられないようにということであれば、新年度から臓器提供の意思表示の登録 システムを設けることとしております。そういう方法もあり、このシステムであれば本人だ けが書き換えるといいますか、本人だけが登録するということも可能となっております。こ のような方策も行おうと思っております。 ○花井委員  すみません。そのことと、政管のカードに載せることは何か関係するんですか。 ○片岡臓器移植対策室長  いいえ。政管のカードに載せることについては、臓器提供に関する意思表示について、多 くの方々に考えていただきたい、考えていただくきっかけということで、必ずしもここに記 入欄を設けたからといって、記載することを強制するものではまったくございません。シー ルとかカードとかいろいろと配っておりますけれども、もっと身近に記入できるところがあ れば記入してもいいというような声も沢山あります。そういうこともありまして身近なカー ドあるいは運転免許証などに自由に記載できるように、身近で記載できるように意思表示の 機会を設けたいという趣旨で、世論調査の結果等も踏まえてお願いしているところでござい ます。 ○吉田委員  今のお話では臓器提供の意思表示をしている人が、危機状況であることを見つけてからも う1回その本人が正式に登録しているかどうかをお調べになっているわけですか。 ○片岡臓器移植対策室長  これは新年度からの話で、今後のことですけれども、斡旋するに当たっては登録システム の内容等も併せて確認するというダブルチェックといいますか、そのような方策は考えたい と思っています。新年度からでございます。 ○吉田委員  どこへ登録するんですか。 ○片岡臓器移植対策室長  日本臓器移植ネットワークという、移植医療に関する普及啓発、それから斡旋を行ってい る日本の唯一の公益法人でございます。 ○吉田委員  それでは、ただ書いても駄目だということですね。 ○片岡臓器移植対策室長  カードに記載されていることによって、本人の意思表示の確認ができますので、これだけ で十分でございます。 ○吉田委員  そうすると、ちょっとさっきのお話と違ってきている。 ○片岡臓器移植対策室長  そうはいっても心配だという方もいらっしゃいますので、そういう方のために登録システ ムというものも今回設けることとしております。 ○櫻井委員  でも、それは駄目だよね。 ○吉田委員  それは駄目ですね。 ○櫻井委員  ドナーカードは、そこらじゅうにばらまかれているのだから。健康保険証はそれでも1人 に1枚だからまだいいので、ドナーカードを誰かがどんどんサインして、人のを書いている かもしれないと心配したら、ドナーカードもやめなければならない。 ○吉田委員  どんなやり方でおやりになるにしても、ともかくきちんと本人の意思が通るように担保さ れる方法でやっていただきたい、ということです。 ○花井委員  例えば政管健保の被保険者はちゃんと把握してますね、社会保険庁で現在。そこにちゃん と登録されるとか、そういうのがあるのかないのかどうかということなんですね。 ○櫻井委員  登録するのなら健康保険証などに書く必要ないね。登録すればいいのだから。 ○吉田委員  そうですね、なるほど。 ○花井委員  ただ、それを持っていないと、その時に。 ○櫻井委員  だって登録してあれば、コンピュータで確認すればすぐわかりますよ。 ○ 稲上座長  まだ、いろいろご意見はおありになるかもしれません。これはご意見をいろいろ、私の理 解でも大変有意義なお話をいろいろいただいたと思いますので、検討していかれる時のご参 考にしていただければと思います。  時間が押しておりますので、最後になりますけれども、お手元に参考資料がいくつか配ら れております。参考資料の1から3までにつきまして、事務局からご説明をお願いしたいと 思います。 ○医療保険課 杉山課長補佐  それでは参考資料でございますが、中身の説明は省略をさせていただきますが、資料につ いての概要だけ申し上げます。  まず参考資料の1でございますが、10日の日に閣議決定をされました「健康保険法等の 一部を改正する法律案」でございます。これから国会でご審議をいただきますものの概要で ございます。政管健保の関係につきましては、25ページから26ページにかけまして、公法 人化等々につきまして記載がされているものでございます。参考としてお配りをさせていた だきました。  それから参考資料の2でございます。これは昨年12月に政管健保の改革ビジョンとして 発表したものでございますが、緊急プログラム、さまざまな改革プログラムに沿いまして、 また公法人化に向けて、これから政管健保、このようにサービスの提供、また適正化といっ たことを進めてまいりますといった事項をまとめたものでございます。 ○医療保険課 菅野課長補佐  それから参考資料の3でございます。これは昨年度、平成16年度の政管健保生活習慣病 予防健診を受診いただいた方のうち、メタボリックシンドロームリスクを保有している方の 割合等につきまして、都道府県ごとの数値等を集計したものでございます。集計基準等につ きましてはお示ししておるとおりでございますが、今後の健診事後指導などの保健事業等も 進めていく上におきましては、こういった結果も踏まえながら進めていくことも有効ではな いかというふうに考えておりますが、本日は参考資料ということでご提示させていただきま した。以上でございます。 ○稲上座長  何かお気づきの点あるいはご質問なりございますか。はい、城戸先生、どうぞ。 ○城戸委員  今日はものすごく内容が沢山ありまして、盛り沢山で、これ全部紹介するのは大変だと思 うんですね。参考資料を今パッと目を通して何か意見を言えといわれても困るので、どこか に自分たちの意見とか質問を受け止めてくださる機会を作っていただくことはできません でしょうか。会議の持ち方というか、こんなに盛り沢山だとまいってしまうという、未消化 のところが沢山あって。 ○武田医療保険課長  恐れいります。ちょっと会の進行につきまして、あれこれご議論、ご意見いただきたい点 が多かったものですから、少しボリュームが多くて申し訳ございません。参考資料1は先週 閣議決定いたしました健保法の改正の中身でございまして、それから参考資料2は社会保険 庁としてこの事業、年金と医療の事業、それぞれどう進めていくかをそれぞれ長官のほうか ら公表したものでございます。それぞれ私どもの厚生労働省のホームページ、それから社会 保険庁のホームページですでに公表しておりまして、ご意見はいただければ反映をさせるよ うに、そういうホームページを通じて公表及び意見をいただくということはさせていただい ております。  それから参考資料3につきましては、これは1つのデータということでございまして、こ れから都道府県別に保健事業を進めていくということで、都道府県別にいろいろなデータを 分析していく必要があると思います。本日は沖縄のほうでデータの提供を求められまして、 私どもが提供したデータが報道機関のほうに出されておりましたので、事後的になりました が、併せてこの場に提供させていただいたというものでございます。  そういう意味でいいますと、これからさまざまなものが出てまいります。なかなかこの懇 談会も頻繁に開けないので、1回辺りの資料が多くなりますが、私どもこの懇談会の場を含 め、ほかのさまざまな機会でもいろいろな国民の皆様方からご意見をいただいていきたいと いうふうに考えておりますので、その点申し訳ございませんでした。 ○城戸委員  前もって送っていただく、それで目を通してきて意見を言うというやり方もあるかと思う んですが、確かに今回送ってきていただいたんですが、3枚か4枚くらいだったので、こん なに膨大な資料が出てくるとは思わなかったので。内容も大変難しい問題がいろいろありま した。深刻かつ難しい問題がありましたので、そういう感想を持ちました。 ○吉田委員  時間もないのに申し訳ありませんが、今この場でのご返事はいりませんけれども、ちょっ と気がつきましたことを1つだけ申し上げます。今いただいた資料のメタボリックシンドロ ームというのですか。それで見ると、沖縄の数値が非常に悪いように出ています。片方で今 日いただいた資料の3−1の一番最後のページの成人病予防健診の実施率では、全国の平均 が33.4に対して沖縄は最も高くて53.4と20%も多いわけです。それは生活習慣病予防の 健診だけしても、こういうリスクは残るということでしょうか。一方で、沖縄の平均寿命が 長いとすると、メタボリックシンドロームというもののリスクもあまりないのかなという感 じがします。私はまったくの素人ですけれども、そういう疑問を持ちましたので、次の機会 にでも教えていただきたいと思います。 ○櫻井委員  僕もちょっとメタボリックシンドロームには感想があるので。学者の先生方はいろいろだ し、どっちかというとマスコミ的なものに役所も飛びついていることに非常に不満があるの です。ここに書いてあるように、例えば糖尿病とか高脂血症とか高血圧症というのはきちっ とした疾病ですから、疾病概念がきちっとしているものに腹囲を測って、腹が太い人は何と かということをやっただけなのです。国民全体のポピュレーションとして扱う予防のために 1つのきっかけにするのはいいのだけれども、病気も含めて考えるのはおかしい。  昔からXシンドロームとか、「死の四重奏」とか言ってきたこととまったく同じことなん ですね。むしろ「死の四重奏」のほうがよっぽどいい言葉だったと思うのです。メタボリッ クシンドロームというのを、訳せばこれは代謝症候群とかになるはずなのに、日本語にする と「内臓脂肪症候群」と訳して、全然違うことをいって、カタカナが何となくかっこいいか らといって、これを役所が使って何かやっていることに、私は非常に不満に思っているとい うことだけ申し上げておきます。学者の先生方がもしかしたら怒るかもしれないけれども、 これは絶対おかしいと思います。 ○稲上座長  何かご意見がございますか。 ○武田医療保険課長  私どもの健診の受診率とリスクとの関係、また医療費との関係というのは今後の分析対象 でございまして、こうだからこうだというところまでは言えるものは持っておりませんが、 沖縄の状況につきましては、非常に長寿県として有名だったんですけれども、最近は平均寿 命でかなりランキングが落ちてきたということで、なぜだろうかというのが沖縄では議論さ れているようでございます。そういうこともあって、全国と比べてどうも肥満が多いようだ けれども、政管のデータでわからないかということで、私ども集計をいたしましてご提供し たという経緯がございます。これを踏まえて、やはり食生活の変化が原因ではないだろうか と、さまざまな議論のきっかけになっているようでございます。  ただ、今まさにご指摘いただきましたように、沖縄は受診率が高いのですが、ほかの地域 は受診率が低いので、サンプル数の問題といいますか。本当に都道府県ごとの数字が厳密な 意味で比較ができるのかどうかというのは、学問的にはいろいろ議論があるだろうと思いま すので、そういった前提付きで見ていただいたほうがよろしいかなというふうに思った次第 でございます。 ○稲上座長  時間が来ておりますが、何かご発言ございますでしょうか。本日の審議は以上で終わらせ ていただきたいと思いますが、最後に事務局から何かご発言があると伺いました。 ○武田医療保険課長  本日は運営部長欠席で申し訳ございませんでした。今日の議事の内容につきましては、部 長にきちんと報告をさせていただきたいと思います。  部長に代わりまして最後に一言申し上げたいと思いますが、長時間にわたり、貴重な意見 を多くいただきましたことにつきまして心からお礼を申し上げたいと思います。今後、本日 お示ししました事業計画につきましては、各方面のご意見を踏まえて、一部修正を行なった 上で確定をするという予定でございますので、ご意見を反映させまして、効率的、効果的な 事業運営に努めてまいりたいというふうに思っております。  それから先ほど大変多くの議論をいただきましたこの臓器提供の意思表示の欄につきま しては、本日いただいた議論を踏まえて、引き続き少し議論をすることが必要かなというふ うにも受け止めましたので、慎重に進めていきたい。担当局のほうとも十分相談をしてまい りたいというふうに思っております。本日はどうもありがとうございました。 ○稲上座長  それではこれで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。                                      〔了〕