社会保険事業運営評議会 第10回議事録        日時 平成17年10月19日(水)15時00分〜17時00分        場所 厚生労働省専用第15会議室        出席された参集者(敬称略)         井戸美枝、遠賀庸達、小澤良明、加納多恵子、紀陸孝、         鈴木正一郎、龍井葉二、宮武剛 1.開会 ○宮武座長  それでは定刻になりましたので、ただ今から第10回社会保険事業運営評議会を 開催いたします。本日も大変お忙しい中ご参集いただき、誠にありがとうござい ました。ご都合で、本日は稲上毅委員が欠席でございます。また、鈴木委員はこ ちらに向かっておられる最中だと思いますので、始めさせていただきます。  では開催に当たりまして、長官のほうから一言ご挨拶いただきます。 ○村瀬長官  本日はお忙しい中ご参集賜りまして、誠にありがとうございます。私からは本 日ご審議いただきます内容と、前回9月9日以降、社会保険庁でさまざまな動き がございましたので、簡単にご報告を申し上げます。  初めに9月9日以降の新たな動向でございますけれども、1つは、新組織の実 現会議でございますが、9月27日と10月17日、2回にわたりまして開催をして いただいております。9月27日には120 項目にわたる新たな改革プログラムをご 審議いただき、ご承認をいただいております。  それから人事評価制度。10月から施行するということで、ホームページ等にも すでに開示させていただいておりますけれども、ご審議いただき、お決めいただ いております。10月17日より8ブロックで導入研修が始まっておりまして、本日 も近畿ブロックで実施をしてございます。本日は次長が近畿ブロックに行ってお りまして、説明をしておりますので、会議を欠席させていただいております。  それから10月17日に新たな組織に向けての論点整理が行なわれまして、その 中でこの運営評議会につきましてもどういう形で位置づけるかということも議論 の対象にするということが方向づけされております。次回、11月7日には宮武座 長においでいただき、運営評議会でどのような審議がなされているかということ につきましてご報告いただくというスケジュールもできています。  それから、進行形並びに今後われわれの組織にとって非常に大事なことという のは2点ございまして、1つは医療保険制度の改革でございます。現在、厚生労 働省として試案をまとめておりまして、本日公表する予定になってございます。 それから政府全体の問題といたしまして、被用者年金の一元化の問題。これにつ きましては12月までに方向感をとりまとめるということで、現在議論が進んでお りまして、社会保険庁からもメンバーとして出席してやらせていただいている次 第でございます。  一方、トピックスという関係で、10月以降どのような取り組みを行っているの かを簡単にお話し申し上げますと、まず第1点はこちらでもご審議いただきまし た年金・健康保険福祉施設整理機構、10月1日で設立をさせていただきまして、 行動を開始しております。それから10月3日からは60歳到達者に対する裁定請 求書の事前送付、31日からは年金ダイアルで受付の開始をさせていただく予定で おりまして、順調に進んでございます。11月には国民年金の課税所得控除証明書 の発送も今年度から始まるということで、社会保険庁にまつわるいろいろな絡み の行動がこの10月、11月に国民の皆様方に発信されるということになろうかと思 っております。  そして本日ご議論いただきますテーマ2点ございまして、1点目は16年度の事 業実績、それから17年度の事業計画の中間報告ということで、事細かにどういう 状況にあるかということをご報告申し上げますので、この部分についてご審議を お願いできたらと思っております。  2点目は、前回も行動計画の改定につきましてお話し申し上げておりますけれ ども、国民年金の行動計画の見直しが完了いたしまして、新たな行動計画の内容 につきましてご報告を申し上げます。非常に盛り沢山な資料の中でご審議いただ くことになりますけれども、よろしくお願い申し上げたいと存じます。 2.議事 ○宮武座長  ありがとうございました。それでは議事次第に沿って進行してまいります。今、 長官がおっしゃいましたように、資料が大部ですので、資料1及び資料2の説明 をしていただいて、その後ご意見、ご質問を受けて、資料3に移っていくという 形にしたいと思います。  それでは事務局のほうから、資料1、2の説明をお願いいたします。 ○高橋総務課企画官  総務課企画官の高橋でございます。横長の資料1−1で実績評価の流れをご説 明します。  本日ご説明申し上げるのは、平成16年度に達成すべき目標についての実績報告 及びその評価でございまして、流れといたしましては、16年1月に中央省庁等改 革基本法によりまして、厚生労働省の本省から社会保険庁に対して目標を示すこ とになってございます。これに基づきまして、社会保険庁では事業計画を2月、 3月に策定いたしまして、16年度に実施をいたします。その後、決算や諸統計の 集計が整いました段階で、16年度につきましては17年8月、先般8月に社会保険 庁長官より厚生労働大臣あて実績報告をしてございます。この実績報告に基づき まして、本省におきまして評価をするという段取りでございます。その枠の中に ありますように、中央省庁等改革基本法16条によりまして、厚生労働大臣が実績 評価を行なって長官に通知することになっておりますが、これに当たりましては 有識者、第三者の意見を伺うような方向になっておりまして、本日の運営評議会 におきましてご意見をいただき、その後に評価書を本省が発する段取りでござい ます。  1枚おめくりいただきまして、この評価を行なうことがどのように今後反映す るかということでございますが、いわゆるPDCAサイクル、計画・実行・点検・ 改善でございますが、16年度の計画は15年度末に作りまして16年度実施、17年 の8月、10月で報告、評価となります。17年度の計画は先般、今年の2月、3月 に運営評議会でご議論いただきまして策定させていただきましたが、16年度の今 般行ないます評価を受けまして、17年度後半の取り組みに生かすとともに、18年 度計画の策定に生かしてまいりたいということでございます。  17年度の計画につきましては、計画策定の段階に、この評議会におきまして中 間段階での報告をすべきだとのご指摘をいただきましたので、本日中間報告もさ せていただきます。この中間状況あるいは今後の取り組みを踏まえて、今後18年 度計画につきましては2月、3月に策定手続きを進めてまいります。まだ16年度 の計画でございますので、定性的な目標が今回多くなっております。17年度計画 からはできるだけ数字による目標を立てるようにしておりますけれども、そうい う点をお含みおきいただきましてお願いをしたいと思っております。  次の縦長の資料1−2でございます。これが報告書でございますが、若干多分 でございますので、かいつまんで説明させていただきます。  目次をおめくりいただいた後、1ページ、事業概況でございます。社会保険事 業、(1)適用事務でございますが、健保、厚生年金の適用事業所数につきまして は、厚生年金163 万事業所、政管健保150 万事業所ということで、適用事業所数 は増加をしております。同様、被保険者数につきましても、16年度は増加してご ざいます。  中ほど「一方」のところですが、国民年金につきましては3316万人でございま して、被保険者数は減少になってございます。  大きな(2)保険料等納付事務でございますが、厚生年金98.2%、政管健保97.6% と、非常に高い水準で推移しておりますが、いずれも前年度より0.3 ポイントず つ上昇してございます。  一方、国民年金の保険料につきましては、当該年度分、納付期限の年度内に納 入された分でございますが、63.6%の納付率、前年度より0.2 ポイント上昇。過 年度分、保険料の時効が2年でございますので、1年過ぎてから納付した分も含 めますと68.7%、前年度より0.4 ポイント上昇に留まってございます。  次のページでございますが、(3)保険給付事務でございます。政府管掌健康保 険医療給付費3兆5000億円、年金給付につきましては厚生年金21兆5000億、基 礎年金11兆、国民年金2兆、こういう状況になってございます。  (4)以降につきましては、後ほど説明いたします。次のページの(7)決算 でございますが、政管健保の16年度単年度収支決算につきましては、15年度から 2年連続で2464億円の黒字になってございますが、今後の収支見通しを勘案しま すと、依然として予断を許さない状況にございます。  年金事業につきましては、平成16年度の単年度収支決算は厚生年金2359億円 の黒字でございますが、これは厚生年金基金の代行返上によります一時的な増収 でございますので、これを除けば5兆1000億円の歳出超過でございまして、国民 年金も同様にすでに積立金から補足する段階に入ってございます。  次に大きな2の社会保険庁の改革でございますが、16年の通常国会におきます 年金改革法の国会審議などにおきまして、社会保険庁に関するさまざまなご指摘 をいただきました。非常に厳しいご指摘もいただきますとともに、大いに反省す べき点が多かったわけでございますが、そのため16年7月より社会保険庁改革を スタートさせてございます。  (1)、まず7月の時点で民間より新たな長官をお迎えいたしまして、改革に着 手いたしました。次のページ、4ページでございますが、庁内に社会保険庁改革 推進本部をおきまして、経団連等にご協力をいただきまして、民間からのプロジ ェクトリーダーなどを迎えてプロジェクトを推進してまいりました。あとはB、 本運営評議会を設置いたしまして、さまざまなご意見をいただき、改革を進めて まいりました。また、C社会保険庁の在り方に関する有識者会議、内閣官房長官 の主宰による官邸の会議が開かれまして、社会保険庁の組織の在り方についての 議論がスタートいたしました。  (2)でございますが、80項目からなる緊急対応プログラムを策定し、業務改 革を推進してまいりました。@、表題のみでございますが、国民サービスの向上、 業務・システムの見直し、予算執行の透明性の確保、個人情報保護の徹底、保険 料徴収の徹底ということで80項目の改革を推進してまいりました。  6ページでございますが、大きな3.「国民の信頼を損ねる事案の発生」でござ います。誠に恥ずかしい限りでございまして深く反省をしておりますが、社会保 険庁につきましては、昨年、国民の信頼を損なう極めて大きな不祥事が多数発生 いたしまして、国民の信頼の回復を図るために調査を行い、再発防止策を講じる。 こういう点の努力をしてまいりました。  また、多数の事案が発生した背景には、社会保険庁の内部統制、ガバナンスの 不足でございますとか、内向きな体質でございますとか、こういう点がございま すので、これを刷新するための改革に取り組んでまいりました。保険料の無駄遣 いがあるのではないか、あるいはカワグチ技研との関係によりまして現職課長が 逮捕されるという不祥事もございました。また、大量購入書籍の監修料の問題、 年金個人情報の業務目的外閲覧でございますとか、年金のプログラムミスにより ます年金過払い、未払い、こういう点がございまして、厳しく反省をした次第で ございます。  ページをおめくりいただきまして、10ページ以降に個別の目標に対する状況を 掲げてございます。  10ページの上のところに、四角の中に入れておりますのが、本省から示された 16年度に達成すべき目標でございます。まだ16年度の時点では数値の目標が非常 に少なく、定性的な目標になってございます。  1つ目は(1)政管健保、厚生年金の適用対象事業所の適正な把握に努め、適 用を促進する。これにつきまして構造といたしまして、関連する指標を整理いた しまして、その後に取り組み状況を文章で記述するという。こういうスタイルに してございます。以下、数字を中心にポイントを説明させていただきます。  10ページでございますが、新規適用事業所につきましては、先ほど申し上げま したように、16年度は、政管健保につきまして増加をしております。厚生年金に つきましては、15年度が6万事業所、16年度が5万8000事業所ということで、 15年度の新規適用事業所数が多くなっておりますが、これは実は農林漁業団体職 員共済組合を厚生年金への統合がございまして、これで8100事業所が15年度に 増加したということでございますので、これを除けば増加のペースは実質上増と いうことでございます。  また、事業所の閉鎖等によります全喪事業所数は減っておりまして、差し引き 適用事業所数につきましては健保が149 万、厚生年金が163 万ということで、こ の表を見ていただきますと、平成9年からをピークに毎年減り続けてきたわけで ございますが、16年度、初めて増加に転じてございます。  ページをおめくりいただきまして、そのための対策でございますが、次の12ペ ージの、取り組み状況の下の注のところでございます。適用促進の手順とござい ますが、まず適用の手続きは事業主様から任意にとっていただくわけでございま すが、これにつきまして届出忘れなどがある場合に社会保険事務所で法務局の商 業登記などを調べまして、新たに事業所が設置されていながらまだ適用の届出が ないものにつきましては未適用事業所の把握を行ないまして、文書による加入指 導を行ないまして、その上で社会保険労務士等の方に委託しまして、巡回説明を させていただきます。16年度から新たな取り組みとしましてはC、Dでございま すが、それでも手続きがされない事業所に対しまして、社会保険事務所への呼び 出しによる指導でございました。戸別訪問による加入指導を行ないました。17年 度から新たに法律に基づきまして、それでも手続きがないところには職権で適用 することとしてございます。  次の14ページは説明を省略いたしまして、16ページをおめくりいただきます。 (3)政管健保、厚生年金の事業主に対する調査を効果的に行なうことでござい ますが、中ほどの被保険者数にありますように、被保険者数も増えてございまし て、一番下にありますが定時決定調査、調査官調査がございまして、定時決定調 査は通常の年間に毎年度届出が出てくる際にチェックをするものでございまして、 こういうものにつきましては重点化をしまして、派遣労働者ですとか、高齢就労 者でございますとか、短時間就労者、外国人就労者など、こういう方を多く雇用 されている事業所を中心に重点的にチェックをするということによりまして、定 時決定時調査は減らした上で、一方問題のある事業所、このような手続きに不慣 れな事業所を中心に指導を行なう調査官調査の件数を増やしてございます。  1ページおめくりいただきまして18ページでございますが、次は国民年金でご ざいますが、20歳の時点で住基ネットワークなどを使いまして完全適用を図って いるわけでございますが、20歳到達者の適用率につきましては、住基ネットも使 っていますので100 %の適用率でございます。  しかしながら、この次のところに届出による20歳到達者の適用数65万7000人 でございますが、届出による適用をしていただけない方には職権で適用のための 手続きをしまして通知をさせていただく。こういうことをしてございますが、16 年度におきましては届出が65万7000人、職権適用が63万人というほぼ半々とい うことでございますが、若干届出分が増えまして、職権分が減ったということで 少し定着度が進んでいるという状態でございます。  次の取り組み状況の文書のところの一番下をご覧いただきたいのですが、「な お」のところでございますが、問題点といたしまして、20歳到達者のうち自主的 な届出により適用しております65万7000人につきましては保険料納付率が 77.4%でございますが、届出がなかったために職権により適用しました63万人に つきましての納付率が27.7%に留まっておりまして、そういう意味で100 %の達 成ではありますが、対策の今後の取り組みが必要と考えてございます。  次のページは省略させていただきまして22ページをお開きいただきますと、基 礎年金番号による正確な管理ということでございますが、平成9年に基礎年金番 号を作りました際、それまでは国民年金及び厚生年金、それぞれ複数番号を1人 の方が持っていらっしゃるという状態でございました。これは年次的に18年度ま での計画で順次照会をさせていただきまして、1人1番号に統合するという取り 組みをしてまいりました。その進捗状況でございます。  次にページをおめくりいただきまして、26ページでございますが、保険料の収 納率でございます。  まず、健康保険、厚生年金の保険料の収納率でございますが、基本的には中ほ どにございますように、97%、98%という高い収納率の結果となってございます。  またページをおめくりいただきまして30ページでございますが、国民年金事業 の納付率でございます。国民年金の納付率の計算の仕方ですけれども、保険料納 付対象月数、お払いいただくための月数から免除ですとか、こういうものを引い たものが保険料納付対象月数でございます。対象月数に対して現実に納付のあり ました月数で割りまして納付率を計算しますが、保険料の納付につきましては時 効が2年でありますので、1年目に遅れずに納付される方と若干遅れてお払いい ただく方がございまして、遅れずに払っていただけている分が当該年度分でござ いますが、一番右側16年度63.6%になってございます。前年から非常に取り組み を強めておりますが、15年度と比べて0.2 %の増に留まってございます。  一方、過年度分でございますが、1年以上遅れた納付を含めますと、あと5% ほどありますので68.7%ということでございます。この状況は12年度から横にご 覧いただきますと、当該年度分と過年度分の差、12年度では約2%でございまし た。それが近年、この過年度分が2年目にお払いいただく分がかなり増えてきた。 こういう状況にございます。  それから、次の31ページから国民年金の納付率向上のための取り組み状況を記 載してございます。行動計画、アクションプログラムを作りまして、行動計画の 着実な実施のために電話による納付督励、戸別訪問による納付督励、集合徴収案 内、32ページでございますが、納付しやすい環境づくり、コンビニエンスストア での納付月数かなり増えてございます。  また、33ページですが、免除制度の周知、保険料納付意識の徹底のために年金 加入状況をお知らせする。あるいはそれでもお払いいただけない場合には、最終 催告状を発送する。また、(5)番でございますが、年金広報、年金教育の推進。 次のページにそのセミナーの実施状況を記載してございますが、このような取り 組みをしてまいりました。  それから若干ページをめくっていただきまして、38ページでございますが、医 療費の適正化ということで、健康保険のレセプト点検の目標につきましては前年 度の点検、1人当たり点検効果額を上回るという目標になってございました。中 ほどに被保険者1人当たりレセプト点検効果額という欄がございますが、これは レセプト点検をいたしまして問題があるということで削った分の被保険者1人当 たりの年間の額でございますが、政府管掌健康保険につきましては1人当たり 3747円で、15年度に対しまして7円の増となってございます。船員保険は例年額 が多いわけでございますが、多少年度によるブレがございます。  次に何ページかおめくりいただきまして、50ページをお開きいただきたいと思 いますが、大きな4.保健事業及び福祉施設事業に関する事項、(1)政管健保の 生活習慣病予防健診事業を効果的に実施するとともに、それに基づく事後指導を 実施することでございますが、これにつきましては健康診断の実施者数でござい ますが、16年度におきましては348 万人ということで前年度からかなり増えてご ざいます。中ほど、健診の実施割合がございますが、この実施割合と申しますの は40歳以上の被保険者に対します健診実施者数の割合でございまして、16年度 33%と15年度の30%に対して増えてございます。まだまだニーズ調査でも高いニ ーズとなってございますので、充実が必要と考えてございます。  次に1枚おめくりいただきました52ページでございますが、保健福祉施設事業 でございます。福祉施設につきましては売却ということで進めてございますが、 社会保険病院につきましては15年度から3カ年で経営改善を図った上で対処方針 を検討するということでございますが、中ほどの単年度収支状況をご覧いただき ますと、14年度赤字病院が30、黒字病院が46でございましたが、人件費の節減 など大幅な努力をいたしまして、16年度は赤字病院が5、黒字病院が70と経営改 善をしてございます。  それから1ページおめくりいただきました54ページは効果的な広報でございま して、例えばホームページアクセス件数などは15年度の3923万件から16年度5392 万件と、かなりの定着を見てございます。また、年金教育の実施校につきまして は、中学、高校へ伺いましてセミナーを行なうということでございますが、15年 度の8000件から16年度1万件と増加してございます。  それから1枚おめくりいただきました56ページ、年金相談でございますが、こ れにつきましては57ページから取り組み状況を記載してございます。社会保険事 務所では年間705 万件の方の来訪をいただいております。また、全国71カ所年金 相談センターがございますが、127 万人おいでいただいております。また、電話 による年金相談につきましては、16年度に13カ所の年金電話相談センターを増設 いたしまして、全国23カ所となりまして、年間200 万本の電話に対応してござい ます。  年金相談の充実を図るために、下のほうにありますが、年金相談時間の延長で ございますとか、休日相談でございますとか、次のページにありますように、毎 週月曜日の延長、土日の相談、モデル実施、あとはAですが、インターネットを 利用した年金個人情報の提供、Bファクシミリを利用した年金相談などの充実に 取り組んでまいりました。  またページをおめくりいただきまして、62ページでございますが、レセプト開 示等について推進するという点でございます。レセプト開示件数5207件というこ とで、前年より増加をしております。  以上、各項目でございまして、これ以降のページにつきましては昨年緊急対応 プログラムにかかる取り組みをそのプログラムの項目に沿って再整理したもので ございまして、同じ内容でございますので説明を省略させていただきます。 ○吉田政策評価官  引き続きましてご説明をさせていただきます。私、厚生労働省の政策評価官の 吉田でございます。よろしくお願いいたします。  お手元の分厚い資料の参考資料1というものをお手に取っていただければと思 います。冒頭、資料1−1でご説明申し上げましたようなプロセスで、実施庁た る社会保険庁の政策評価を厚生労働大臣が法に基づき行なうということになって おりますが、その大臣として行ないます評価の案というのが、今お手元にご覧い ただいております参考資料の1でございます。めくっていただきますと、これは 両面刷りになっておりますが、1ページ目、2ページ目が文章編、いわば総括講 評ということになっておりまして、3ページ以降が先ほど来ご説明ございました 社会保険庁からいただきました16年度の実績報告に基づき、それぞれの項目をシ ートとして整理をさせていただいております。  16年度の実績を評価するということでございまして、この評価事業、13年度か ら今回4回目でございますが、とりわけ今回におきましてのポイントを2点ほど まず申し上げたいと思っております。  1つは、この評価事業は先ほど来繰り返し申し上げておりますように、年度当 初に大臣から実施庁にお示しをした目標の進捗状況を報告いただき、それを評価 するという仕組みでございますが、16年度社会保険庁にとって、あるいは社会保 険行政にとりまして非常に大きな変革の年、多事多難な年でございました。種々 反省すべき点もあると思っておりますので、当初お示しをしました評価ポイント と申しましょうか、目標という評価だけではなくて、大きく動いております、あ るいはご批判いただきました項目についてのコメントを、このお手元の参考資料 の1でご覧いただきますと、1ページ目、文章編にいくつかの段落がございます が、4つからの段落の中に総評として盛り込ませていただこうと考えております。  「社会保険庁をめぐっては」というところからの文章でございますが、先ほど 来ご報告申し上げておりますように、16年度、不祥事あるいは国民の皆様方の疑 惑を招く事態、そして国民の皆様方の視点に立っていないサービスですとか、あ るいは執行の無駄、非効率な業務運営、保険料徴収の不徹底、内部統制の不足、 個人情報の不適切な取り扱いといった問題が指摘され、厳しいご批判、あるいは 解体的な出直しを求める声というものも私どのほうに届いております。  このような事態、総括を申し上げれば、国民の信頼を大きく損なったという点 で誠に遺憾でございますし、社会保険庁の業務改革、そして組織改革といういま 進めておりますこの取り組み、双方抜本的に図っていくことが必要であると考え ております。  具体的に評価事項の中に申し入れました国民サービスの向上、あるいは保険料 徴収の徹底という項目に加えまして、2ページ目にございますけれども、予算執 行の透明性、個人情報保護の徹底、内部の改革も、この当初にお示しをした目標 を離れて、16年度内の動きとして取り組んでいるところでございますし、有識者 の方々のご意見も踏まえて人事評価制度の導入、あるいは組織の在り方の改革と いうことも今後断行していかなければならいと思っております。  そういう意味で、16年度の評価でございますけれども、今後とも社会保険庁が いま示しております、またこの運営評議会においてもご議論されたと承知をして おります種々のプログラムに沿いまして、改革に向けた取り組みに最善を尽くし ていく必要があるということを、個々の評価項目に対する進捗状況評価というの を超えて、私どもとしては1点押さえさせていただきたいと思っております。  16年度評価の特徴の2つ目でございます。お手元のA3版の資料でございます が、1−3というものをご確認いただければと思います。分厚い参考資料1の3 ページ目以降の個々の項目について本日の会議用に便宜整理をさせていただきま したシートが、この大きなA3版の資料1−3ということでございます。  項目だてとしましては、前半、社会保険庁のほうからご報告申し上げましたよ うに、それぞれの目標の項目だて、1つ目が適用、めくっていただきまして2ペ ージ目の2つ目が大きな塊で言うところの保険料の収納、3ページ目からが保険 給付事務、4ページ目の下のほうがいわゆる施設事業、そして5ページ目が広報・ 情報公開・相談等という大きな5つの柱ごとに整理をさせていただいております。  この中、シートでご覧いただきますと、左のほうに評価結果がございます。従 来、社会保険庁、実施庁の評価に当たりましては、それぞれの項目についてそれ ぞれの項目に応じた表現をもってして評価として私ども整理をさせていただきま したが、改めて過去の評価などを拝見するに、やはりある程度それぞれの事項ご とがどこまで進んでいるのか、もう少し見やすくできないかというようなことも 考えまして、今回あえて申し上げたいところでありますが、この21の項目につい て4つのパターンに分けた評価結果という形で、まず大括り整理をさせていただ いて、それぞれの項目に応じた評価というものを盛り込ませていただいた。これ が16年度の特徴の2点目でございます。  4つの大きなパターンと申しますのは、目標を達成したというグループ。これ は実は1ページ目にございます1の4、先ほどもご紹介ありました20歳到達の適 用のところ、1つでございますが、こういう項目が1つ。2つ目のパターンとい たしまして、目標の達成に向けて進展があったというグループ。3つ目のグルー プとして、目標の達成に向けて着実な取り組みがあったというグループ。そして 目標の達成に向けた取り組みが不足しているという、このあえて4つの表現にお いて、まず評価結果というものを整理させていただきました。  率直に申し上げざるを得ませんが、このような形で今回、過去の評価事業も踏 まえまして整理をするべく、今ここまで作業をしてまいりましたが、やってみま すと、あえて図式化して申し上げますと、目標に対してずいぶん1年間の取り組 みによって進んだけれども、まだ目標までは達していないというグループは、先 ほど申しました進展があったという形にまとめさせていただいておりますが、1 年間である程度努力は進んではいるけれども、まだ目標には遠いな、もう一頑張 り、二頑張りいるのではないかというもの。あるいは、こういう言い方はどうか と思いますが、そこそこから始まり、1年間の取り組みによってそれなりの成果 は得たけれども、まだそこそこで終わっているというような、極めてアバウトな 物言いで申し訳ございませんが、図式的にいうと、そのような項目をきれいに、 より細緻に評価という形で分類していくということは、なかなかまだ実施目標と いう形でお示ししております大臣から社会保険庁への目標と、それを測る指標、 あるいは数値目標化というところの作業が道半ばでございますので、もう少し今 後の課題として整理をさせていただく中で検討してまいりたいということを、ま ず私どもとしては感じております。  その上で、いま申し上げたような4つのパターンにそれぞれ21項目を分け、2 つ目で申しておりました進展があったという項目につきましては1ページ、1. 適用事務の(1)にございますような政管あるいは厚年の適用の把握を含めまし て9項目、あるいはめくっていただきまして、3ページ目にございますが、保険 料徴収、3の(3)、先ほど来ご報告申し上げております国民年金の保険料の徴収 をはじめとして、11項目については「着実な」という表現でまとめてございます。  ただ、例えば今お開きいただきました3の(3)国民年金の保険料につきまし ても、その欄でいうと大きく縦の列でいいますところの右から2つ目、一番上の ○に「数値目標については、いずれも前年度実績を上回っており、収納率の向上 に向けた取り組みの成果が現れている」という記述を行なうとともに、その下、 3つ目の○でございますが、「当面の中長期目標として掲げた『平成19年度にお いて納付率を80%まで回復させる』という目標と、ここ2年間の状況というもの はまだ深刻な状況は改善されておらず、依然として厳しい水準にあるということ を重く受け止めなければならない」ということをまず認識した上で、今後の取り 組みあるいは16年度以降、17年度、本年度も含めまして取り組んでいただいてお ります社会保険庁の取り組みというものを、次の評価の機会にまたきちっと見せ ていただこうということを考えております。  以上、全体としての評価でございますが、私どもといたしましては、本日のこ の議論も踏まえまして整理をした上で、なるべく早くに大臣から社会保険庁に通 知をしたいと考えております。以上でございます。 ○高橋総務課企画官  若干説明が長くなりますが、続きまして資料2まで続けて説明をさせていただ きます。  資料2は同じくA3版の横長でございます。これをお開きいただきます。17年 度事業計画を今年の2月、3月の運営評議会でご議論いただいた上で、17年度実 施してまいりましたが、これにつきましての中間状況のご報告でございます。  17年度の中間取り組み状況の一番左側には、同じく17年度の目標、本省から示 されている目標を記載してございますが、17年度におきましては先ほどの16年度 目標に比べまして、本省からの目標もある程度数値目標が増えております。また、 このほか本省からの目標に加えまして、社会保険庁独自に計画数値というのを設 けて、できるだけ数字で進捗が把握できるような取り組みをしてまいりました。  真ん中に取り組み状況を文章で記述しておりますが、時間の関係上若干省略い たしまして、右側の数値の状況のところをかいつまんでご説明させていただきま す。17年度計画は計画数値、その右側に17年8月末現在ということで、統計の都 合から現時点直近のもの8月末現在でございますので、これでまとめてございま す。  その上で、20歳到達は到達適用率ですので中途で見ても100 %ということでご ざいますが、例えばその次の届出遅れにかかる勧奨状送付件数といったものは、 これは国民年金の届出が遅れた場合に勧奨状を送るという件数ですので、指標と してはこの数字が小さければ小さいほど届出遅れが少ない、こういう指標になる わけでございますが、これにつきまして計画394 万件のところを190 万件という ことで、下に括弧書きで年間計画の48.4%と書いてございますが、これは右側の 年間計画値に対する現在の17年8月末現在を割った数字でございます。4月から 8月まで5カ月分でございますので、単純計算では12分の5、41%を超えている と年間より、平年度ペースよりも少し前半の数字が多かったということになるわ けでございます。  ちなみにここの届出遅れに関する勧奨状はあまり多くないほうが本来いい数字 でございまして、そういう意味で41%を超えて数が多いということでございます が、これはこういう中間段階で指標をとることの難しさでございますが、1年間 同じように数字が出ているものもありますが、年度の前半に多いもの、後半に多 いものがございます。この届出遅れの関係では、毎年4月のさまざまな会社に新 たに入られるですとか、学校を卒業されるですとか、こういうことでの移動が多 いので、4月年度の前半にこういう勧奨状が多くなるという経過がございます。  下のほうの新規適用事業所数などは、これも年度前半の数字が多くなってござ います。その下の巡回説明ですとか、重点加入指導ですとか、事業主さんへの適 用指導でございますが、これにつきましては年間計画の10%あるいは19%となっ ておりますが、これも年間のサイクルでございまして、年度の前半には適用対象 事業所の把握などを行ないまして、年度の後半に巡回説明ですとか重点加入指導 を行なう。こういう点で前半の取り組み状況の数字は小さくなってございます。  1ページおめくりいただきますと、真ん中から下のところ、国民年金の収納率 の関係の催告状発行件数ですとか、電話納付督励件数ですとか、戸別訪問件数で すとかの実施状況を記載してございます。これにつきましては※印にありますが、 社会保険事業計画では行動計画で定めるという点で、その行動計画が5月から次 の4月までと、こういうサイクルにしております関係上、4カ月分でございます。 4カ月分でございますので、12分の4で3分の1、約33%を超えていれば順調と、 こういうような状況でございます。  1ページおめくりいただきまして、保険料納付率、上のほうでございますが、 年間の17年度目標値69.5%に対しまして59.6%というのが4月から7月分まで、 7月分の保険料を8月末に納付ということになっておりますので、7月分で計算 してございますが、59.6%ということでかなり目標に対しては低くなっておりま すが、対前年度月比では+0.5 %という状況でございます。  その下の厚生年金の保険料収納率でございますが、これも例年年度の前半が少 ない傾向にありますが、対前年同月比では+0.7 %等でございまして、比較的好 調でございます。  次のページの上のほうにございますのは、共同調査あるいは滞納整理とござい ますが、これは労働保険との徴収一元化ということで、共同で調査をするという ことをやっております。これにつきましては年度の後半に行なうということで段 取りを進めておりまして、前半の数字が小さいというものがございます。  それから今年度より新たな取り組みとして着手いたしましたサービススタンダ ード、申請をいただいてからお客様のもとへお届けするまでの期間を2カ月以内、 あるいは案件によっては3カ月半以内という期限を設けまして、その達成率を指 標化したものでございます。ご覧いただきますとおり、ものによりまして若干差 がございますが、年度後半に向けまして達成率の低いものにつきましては原因を 分析し、取り組んでまいりたいと思ってございます。  次のページにはレセプト点検でございますとか、同じサービススタンダードの 傷病手当金等の関係の状況、ものによって差がございますので、これにつきまし ても後半取り組んでまいりましたと思っております。  その次ページ、6ページにおきましては、年金加入状況の通知件数というのが 0となっておりますが、これは11月に社会保険料控除証明書と合わせまして通知 を行ないますので、現時点では数字は0と、こういうことになってございます。 健診実施割合は順調なペースでございます。  次のページは国民サービスということでございますが、先ほどのサービススタ ンダード、内容重複してございます。  もう1枚おめくりいただきまして8ページでございますが、予算執行の透明化 ということで随意契約件数を削減するというようなことで、対前年度20%以上削 減という目標に対してやってまいりました。すでに16年度実績の15%を削減して おりますので、随意契約件数につきましてはかなり削減が進んでおります。基本 的には社会保険事務所ばらばらでの調達ではなくて、事務局あるいは本庁で一括 調達をすることによって入札割合を高めていく。こういう努力をしてございます。  以下、ホームページアクセス件数ですとか、あるいは年金セミナーの実施。年 金セミナーにつきましては、年度の後半に中学、高校の2学期、3学期に例年行 なっておりますので、前半の数としては小さくなってございます。以上、説明が 長くなりましたが、以上でございます。 ○宮武座長  ありがとうございました。それでは今、事務局から資料1、資料2の報告を受 けましたので、皆様方から質問なりご意見なり、何でも結構でございます。ご自 由にご発言をいただきたいと思います。どうぞ、鈴木委員。 ○鈴木氏  全般の印象を少し申し上げます。最初の運営評議会で、こういう仕事の流れの 仕方は効率的ではないのではないかということを申し上げましたけれども、この 年度の目標を策定する、それを実施し、その実績報告をこういう形で評価して、 こういう報告書になるということでありますが、最初にボリュームが多いという ことがありましたように、この評価においてももう少し効率化したほうが良いの ではないのかなという気がします。  ですから、この評価項目についても、もっとポイントを絞って目標を設定して、 それに対して効果報告がなされ、評価をしていただいたほうが良いのではないか。 社会保険庁の中でアクションプログラムとしていろいろな細かい目標があって、 それを達成していく。これは非常に重要ですけれども、厚生労働省の間でやりと りする項目としては、少し不適切ではないのだろうか。こんなことまでやらなけ ればならないのかという気がします。これはお互いに事務が大変だろうと思いま すから、大幅に見直していただくと、より効率的ということが第1点です。  2点目の印象ですけれども、最初に申し上げなければならなかったのかもしれ ませんけれども、村瀬長官が平成16年の後半から就任されて、いろいろな努力を されていることは高く評価しなければならないと思います。残念ながら、まだそ の効果が出るというところまでいっていないのかもしれませんけれども、こうい う努力をどんどん続けていただくことによって、これから成果が出ることを大変 期待をしているということであります。  それからもう1点、この評価の中で少し民間の会社の評価という年度評価とは 相当違ったやり方がされているということであります。当然民間の会社ですと、 いくら儲けたのだ、お前の現在のバランスシートはどうなっているのだとかとい うことが評価基準になります。予算をこうやって透明化してということはあるの ですけれども、やはりそういう意味で事業という切り口から見ると、いったいど んな状況になっているのだというチェックが一番基礎にあって、それにいろいろ なものが肉付けされていくというほうがわかりやすいのではないのか。何をやり ましたということよりも、保険事業として見たらこんなふうになっているのだと いうようなことを、しっかり評価する。むしろ、そこのところをきっちり評価す る。どれだけ赤字が出ているのだということが明確に出ているから、ではこの事 業をどうするのだということが国民ともどもと議論ができるというように思いま すから、そこのところをもう少しお考えいただけるとありがたい。全体の印象を 3点申し上げておきます。 ○宮武座長  この点はいかがですか。お答えいただけますか。 ○吉田政策評価官  評価官でございます。今、鈴木委員のほうからいただいた点、1つ1つ、いず れももっともであるというふうに私、受け止めさせていただきました。評価のポ イントを絞ること、あるいは特に厚生労働大臣として行なう場合の評価指標につ いて戦略的にあるべきということについては、次回、18年度からの評価項目の策 定に当たりまして、あるいは指標の策定に当たりましてというところに十分生か していきたいと思いますし、17年度の評価、もうすでにこれは走っている年度の 結果を出す作業が残っておりますが、その中にも十分参考にさせていただきたい と思います。  特に3点目にお話しになりました民間企業における、あるいは民間事業体にお ける評価とずいぶん違うというご感想。実は私ども実施庁たる社会保険庁の評価 以外にも独立行政法人の評価ですとか、あるいは本省事業そのものの評価ですと かということをまた第三者の方々のご知見もいただきながらやっております中に、 各方面からいくつか同じようなご指摘もいただております。その辺り、それぞれ 1つずつ丁寧にどういうやり方があるのか。私どもも課題だろうと思っておりま すので、この実施庁評価に当たりましても勉強して、次回以降考えたいというふ うに思っています。  例で申し上げますと、よくいわれておりますのは、事業体として完結するには 切りわけの問題ですとか、コストをどう評価するか。何をやったはいいけれども、 そのためにどれだけの時間、コストがかかっていて、そのアウトプットがどうな のか、アウトカムがどうなのかという、そのご指摘をいただくこともございます。 われわれとしても、後学的にという言い方は少し担当者として無責任かもしれま せんが、頭の中ではわかっているつもりではございますけれども、それをどうや って事業の中で生かすかは十分これから課題として受け止めさせていただきたい し、努力をしたいというふうに思っております。 ○宮武座長  続いてどうぞ、龍井委員。 ○龍井氏  今の鈴木委員のご指摘と私まったく同じ意見だったのですが、今のお答えも伺 った上で補足をあえてさせていただきたい。社会保険庁改革初年度ということで、 全項目にわたってとにかく出してみようということは、先ほどご指摘になったよ うに必要なことだと思うのですが、もう1つこの評価の在り方の重点化も当然で すけれども、やはり計画の立て方そのものまでもう1回見直す必要があるのでは ないか。  つまり、今ご指摘になった重点化というのは当然計画目標そのものが、いって みれば社会保険庁改革の矢面に立っていますので、やはり社会保険制度というか、 あるいはその事業そのものの信頼性、安定性、持続可能性ということにどう結び ついていくのかということです。それに沿って例えば数値目標であったり、活動 目標であったりすべきであって、例えば後ほど議論になるかもしれませんけれど も、徴収のためにこれこれやりました、それはもちろん1つ1つの行動目標があ りますけれども、では、その1つ1つの行動がどういうふうに効果に結びついた のか。それはまた計り知れないわけなので、そこを切り離してそれだけ何件達成、 目標に対してやりましたといってみても、本当にそれが、ありていにいって現場 で本当に達成感があるのか。そういう感じがするわけです。  したがって、先ほどの実績評価の流れの中で、中間で今やっていることが最終 的には次年度の目標に反映されるとなっているのですが、ここまで多分積み上げ てきてやっていることが途中でやること、あるいはさらにまたこれを途中でやる ことが、つまり四半期か何かでやることが、現場の段階でそれがどういうふうに 受け止められフィードバックされて、その次の目標に、まさにやる気の問題も含 めてつながっていくのかということがないと、結局フィードバックがされない限 りは年何回かの集計で終わってしまう。逆にいうと、例えば先ほど鈴木委員の言 われた重点化ということであれば、そこにもしも1年なり2年の目標を戦略的に 置くということがあれば、そちらの人も資源も、その年度に関しては移していく ということもあり得るわけなので、ぜひそういうフィードバックが可能のような 流れ図に、この際変えていただくことも含めて、次年度の計画の在り方そのもの も検討していただきたい。  したがって、多分運営評議会の在り方も、今のペースだとそれがもう固まった 段階で報告を受けるということになるかもしれないので、何かそういう議論をす る、あるいはそういうことを皆さん方の中で議論をきちんとしていただくような 場とか仕組みをぜひ作っていただけたらと思います。 ○高橋総務課企画官  今いただきましたご指摘のとおりだと思っておりまして、今回この16年度の計 画につきましては、非常に全体上に沢山の社会保険庁が立てる計画につきまして も網羅的、総花的でございますので、どこが重点なのかというのが確かに見えに くい。あるいは現場の社会保険事務所の職員あるいは事務所長にとって、どこが 力点でやるのか。全般にわたってこれも頑張る、あれも頑張ると、こう書いてあ るものですから、そこに人的な資源の投入の仕方ですとか、そこのところが見え にくいという点で、結果、本来の意味での計画というのになっていないのではな いか、こういう反省をしてございまして、来年の18年度の計画につきましては、 まず案の段階で1度運営評議会にてご議論いただこうと思っております。その上 で、次回につきましてはそういう点での工夫をしていきたいと思っております。  ただ、なかなかどういう行動をとるとどういう結果、アウトプットに結びつく のか、なかなかその結びつきが、分析が難しい。例えば徴収ですと、どういう督 促をするとどういうアウトプットが出てくるのかというのはなかなか難しい点が ございますが、そういう点も含めた今後の研究が必要なのではないかなと思って ございます。 ○宮武座長  井戸委員、どうぞ。 ○井戸氏  鈴木委員と少し重なるかもしれないのですけれども、長官が新しく就かれてか ら、すごくサービスが様変わりしたように感じます。それはやはりホームページ のアクセス数もかなり増えていますし、それから年金の見込額をご自分で試算さ れるという数字もすごく増えているので、もう少し時間をかければもっとよくな っているのではないかというのが率直な感想です。  それから評価に関してのご報告をお聞きしましたけれども、やはり私も費用対 効果という評価が絶対必要なのではないかと思います。重点化ということもおっ しゃいましたけれども、そのとおりで、目標を数値化する項目が非常に多いので、 どれをどういうふうにしたら最も効率的なのかというのを見せていただきたいと いうこと。それからコストを、例えば年金相談などにしても経費がかなりかかる と思いますけれども、1回当たりなら1人いくらの費用が出れば、例えば職員で 賄うことができるのか、外部に委託したほうが良いのかというような、そういう 選定の方法とかというのにも関わると思いますので、非常に難しいとは思います けれども、コストの面をわかる範囲で今度出していただきたいと思います。 ○宮武座長  どうぞ、関連して、また後でまとめてお答えいただくこともできますので。  1つ私から聞きしたいのですが、社会的な関心が高いところは今のご説明の16 年度事業実績報告書の中で、30ページに国民年金の納付率が書いてございますが、 納付率が63.6%と、わずかな伸びに留まったわけですが、説明をお聞きしますと、 過年度分、正規の納付期間ではなく遅れて納めた方を含めれば68.7%で、この差 がずいぶん以前よりも大きく開いてくるという傾向をおっしゃったわけでありま すけれども、そうしますと今、目標として8割の納付率まで上げたいということ を言っておられるわけですが、逆にいうと、遅れて納めた過年度分というのを8 割に上げたらいいということになるのでしょうか。 ○青柳運営部長  過年度の数字は、正確には2年たって時効になった時点でないと確定をしない という問題があります。つまり目標に掲げてわれわれが努力していくということ を考える上では、数字の確定に関して即効性に欠けるという欠点を片方では持っ ていると思います。  しかし、同時に16年度あるいは17年度を非常に重点的にやっております、例 えば差し押さえも含む強制徴収というようなことに力を入れてやりますと、逆に いえばこれは時効になる前のものでしか強制徴収をかけられないという意味では、 これを一生懸命やればやるほど方向としては過年度の納付率が上がるという現象 に結びついてくるという点もあるので、私どもとしては現年度という即効性のあ る数字を眺めつつ、そういったわれわれの仕事の取り組みという点で考えた時に、 強制執行まで含めたことが反映できる過年度の数字を両方眺めながら仕事を進め ていくというのが当面のやり方としては次善の策かなというふうな感じを持って います。  したがって、目標そのものを今、宮武座長のお尋ねのように、直ちに80%とい うのを過年度で見るのというようなことは今は考えておりませんけれども、両方 の数字を見ながら仕事を回していかなければならないというのが、現時点でのわ れわれのこの問題への理解であります。 ○宮武座長  そうしますと、36ページには法定免除、半額免除、学生納付特例の推移が書い てありますが、納付率は納付月数、総月数を分母にして、そしていくら払った方 がおいでになるか、納付月数を計算なさっているわけです。  法定免除は分母である対象の納付すべき月数には入っていないはずですね。半 額免除、それから学生納付特例は入るわけですね。分母がだいぶ整理されてきた という状況になりますね。これが来年度7月から半額免除、全額免除以外で4分 の1免除、4分の3免除が入ってきますけれども、そうなるとどうなるのですか。 それもやはり納付すべき月数に4分の1とか4分の3という形でカウントされる わけですか。 ○青柳運営部長  はい。 ○鈴木年金保険課長  1点だけ、今の座長のおっしゃった学生特例は分母に入っておりません。 ○宮武座長  すみません。少し進行を邪魔して恐縮でございました。どうぞ。 ○井戸氏  31ページのところに免除制度の周知と届出推奨に取り組んだと書いてあるので すけれども、具体的にはどういうふうなことをされているのかをお聞きしたかっ たのです。結構、若年納付特例とか、免除も今度多段階になりますけれども、免 除制度というのがご自分が該当するかどうかというのがよくわからないというご 質問を非常に受けるのです。市町村で所得を把握されているわけですから、あな たは免除に該当しますよとか、世帯で見るので少し難しいとは思いますけれども、 もう払えないから払わないというのではなくて、ハガキを出していただくとか、 若年者はなかなか難しいかもしれないのですけれども、どういうふうに周知され ているのかということと、もしハガキとか出してらっしゃるのであれば、もっと アピールされると、免除の申請をされる方が非常に増えてくるのではないかと思 います。 ○鈴木年金保険課長  ポイントをついたご指摘だと思います。今、どういうふうに周知しているのか という点につきましては、37ページをご覧いただきますと、私どもがやらせてい ただいたことが書いてございまして、基本的には周知という意味での広報とかチ ラシとかパンフレットだけではなくて、今おっしゃった所得情報というものがご ざいますので、それを活用いたしまして、個別に対象者を特定して、あなたは免 除ですからほっておくと年金に結びつきませんけれども、いま手続きをしていた だければ結びつきますよというような取り組みを1つ1つやらせていただいてい るということでございます。  それだけではなくて、例えば最近失業なんていうのもございますので、ハロー ワークと連携して例えば免除に入っていただけるような取り組みとか、いろいろ な局面をつかまえてとにかく周知を図っていきたいと思っておりますので、また 今後とも御指導をいただければと思っております。 ○青柳運営部長  もう1つだけ今のことで付け加えさせていただきますと、今年の免除の届出か ら初めて試みさせていただいているのですけれども、全額免除になるような方と いうのはいろいろなご事情があると思いますけれども、簡単に1年や2年でその 状態が改善されないという方も大変多いのではないだろうかというふうに考えま すと、例えば最初に免除の申請をしていただく時に、翌年以降また改めて届出を しなければならないということになると、届出が遅れたりとか漏れたりというこ ともあるものですから、私どもとしては最初に全額免除の申請をしていただく時 に、もしわれわれの持っている所得情報で来年度以降も該当するようであれば、 引き続き免除を受けたいかどうかというご意向をまずはきちんと把握をさせてい ただいて、もしご本人のほうからそうしたいというご意向がきちんといただけれ ば、われわれとしては所得情報に基づいていわば半分自動的にというと極端な言 い方かもしれませんけれども、改めて届出がなくても、その意向を自動的に確認 すれば免除の届出を大幅に簡略化できる。こういう取り組みも始めさせていただ きました。  それからもう1つは制度的なことですが、免除については従来免除を申し出た 時以降でなければ免除ができないという扱いになっていたのですが、条件に該当 するということが確認できれば、遡ってその条件に該当した時から免除の取り扱 いができるという制度的な手当てもしていただきましたので、免除をより適用し やすくするということをこの17年度から少し意識的に取り組ませていただいてお ります。 ○鈴木氏  一番関心の深い保険料の確実な収納ということでいろいろ努力されておられて、 先ほど、その成果が出ると大変ありがたいと思っている、期待しているというこ とを申し上げたのですが、しっかりとしたアクションプログラムを作られて、事 務所ごとに目標をしっかり管理しておられる。それは大変結構だと思いますが、 この結果だけ見ると、若干その進捗が遅れている。これは評価の中にも、極めて 厳しい水準にあることを重く受け止めなければならないという評価があります。  いろいろなことをやりだして、平成16年はそれ程良くなくても、平成17年に 入れば急激に良くなるというような期待があったのですけれども、この中間報告 だけで見ると、対前年0.5 %と向上していることは間違いないのですが、目標と は相当乖離しているということで、さらにこの間もこれからどうするのだという ことを議論して、やるのですということで、多分これが資料3に出てきているの だろうと思いますけれども、正直いうと不安があるといいますか、本当にやるこ とと結果がどう出てくるのだということを、もう少しみんなで議論していただい て、目標に向かって本当に着実に伸びていくのだという結果を出していただけれ ばありがたい。これは強いお願いを申し上げておきます。 ○宮武座長  どうぞ、遠賀委員。 ○遠賀氏  参考資料1の数値目標達成状況が空欄になっているのはなぜですか。 ○吉田政策評価官  例えば参考資料の6ページをお開きいただきますと、目標1(2)政管、船保、 厚年の適用に関しての指標がございまして、今ご指摘ありましたように下から2 つ目の行、数値目標の達成状況「−」となっております。これは私どもの頭の整 理としましては、先ほど来申しておりますように、目標としての届出の慣行とい うのを掲げておりますが、これに対しての数値目標という形で立っておりません。 ここに掲げております説明会開催件数あるいは調査官総合調査件数というのは、 いわばこの目標に関する参考指標という位置づけで私どもとしては整理をさせて いただいております関係上、数値目標がない部分、達成状況としては評価ができ ない。ただ、それをもってして何ら定量的なと言いましょうか、ある程度この評 価手法をこういう形でまとめ公表させていただくという中には、もちろんそれを 通じて社会保険庁自身にいろいろとお考えいただくこともありますが、社会保険 庁の取り組み事項を国民の皆様方に広く情報公開する、情報開示をするという効 果もあろうかと思いますので、この効果指標をまとめるに当たりまして、できる 限り参考資料というものもさせていただいたという整理でございます。 ○宮武座長  よろしいですか。 ○遠賀氏  把握していないということではないのですね。 ○吉田政策評価官  違います。ある意味で整理の問題でございまして、目標を立てた時に数値目標 というものを明確に位置づけていない。これは今後先ほど来、重点化というご議 論をいろいろなご指摘をいただきましたので、次に向けての課題と受け止めさせ ていただきます。 ○宮武座長  後でご質問なりご意見なり追加でお聞きできますので、資料3をご説明いただ けますでしょうか。 ○和田企画課課長補佐  企画課の和田でございます。資料3についてご説明をさせていただきます。  資料3「国民年金保険料収納対策に係る17年度行動計画」改定版でございます。 17年度の行動計画につきましては、6月30日の運営評議会でもご説明をさせてい ただきましたが、年度の前半を中心といたしまして、まず第1次の行動計画を策 定いたしまして、年度の折り返しを迎えた時点で改めて年度後半に向けた行動計 画、改定版を策定するという2段階の取り組みを行いたいと考えております。本 日は改定版の基本的考え方について、ご説明をさせていただきます。  1ページをお開きください。1ページはまず第1次行動計画のポイントでござ いますが、年度前半の計画につきましては目標納付月数の獲得を中心に策定した ものでございまして、この目標を達成するための督励件数を具体的な行動目標値 として掲げたものとなっております。  その際、各督励等の主な改善点、2ページでございますが、各督励等4つそれ ぞれ挙げております。まず、電話納付督励につきましては、委託事業者の官報で の公募、あるいは接触率80%等の目標値の導入などでございます。Aの戸別訪問 督励につきましては、国民年金推進員の増員と成果主義の導入に基づく好実績者 ノウハウの水平展開などでございます。Bでございますが、口座振替の勧奨を5 つ目の督励業務として、実績管理から目標値管理に変更するということでござい ます。Cは督励結果による次の督励への連携を意識したフローチャートを作成し ていくというものでございます。  これは第1次の行動計画ということでございますが、3ページからは改定版行 動計画ということでポイントを掲げさせていただいております。  第1次計画からいくつかの要素を取り込んでいきたいと考えております。まず @、第1号被保険者の変動でございますが、これにつきましては平成16年度末値 で推移するとの前提で見直しを行います。  それからAでございますが、法律改正等による影響。これは若年者の納付猶予 等、法律改正の影響をも踏まえまして、低所得者層について年金権の確保対策を 目標値化としていくということでございます。  それからBですが、効果率、寄与率、こちらにつきましては8月から事務所単 位での出力が可能となりましたので、事務所単位の効果率等に基づき見直しを行 うということでございます。  それからCですが、所得情報の磁気媒体化などによりまして、強制徴収の拡大 を行うこととしております。事務局単位での強制徴収目標の提示と計画への反映 を行うということでございます。  4ページでございますが、いま申し上げた要素を踏まえまして、行動計画の改 定に当たりましては従来の中間層への督励に特化した行動計画を見直しまして、 免除等及び強制徴収対象者に対する行動目標を新規管理項目として追加いたしま して、層別化による効率的・効果的な行動計画に改定していきたいと考えており ます。そして行動計画の具体的展開・実施と進捗管理の徹底により、目標納付率 の達成を図ってまいりたいと考えております。  具体的には、@ですが、低所得者層、免除等の対象者層につきましては、免除 勧奨を拡大いたしまして年金権を確保するという観点で全額申請免除であるとか、 あるいは若年者納付特例等について申請指導による適用分の目標設定を行うとい うことでございます。  それからAでございますが、度重なる督励にも応じないという方には強制徴収 の実施によりまして不公平感の是正を行っていく。これによって目標納付月数の 獲得を行っていくということでございます。平成16年度は3万件でございました が、平成17年度は10万件、この計画改定に当たっての事務局の積み上げ目標で は14万件に拡大するということを見込んでおります。  それからBでございますが、中間層に対しては各納付督励に基づく目標納付月 数の獲得を図るという考え方のもとに目標設定を行うということでございます。  5ページにいま申し上げました考え方に基づいて行動計画の概要、1枚紙でお 示しをしております。左側にありますとおり、平成16年度末の実績値は63.6%と なっておりましたが、@の免除等対象者層につきましては、免除等の申請指導に よりまして低所得者層の年金権の確保対策をしっかり行うということ。それから B強制徴収対象層がありますが、こちらにつきましては強制徴収の取り組みを強 化していく。それからCの中間層に対しましては、納付に確実に結びつけられる 納付督励を目標設定のもとで行う。これによりまして、平成17年度末の目標値で 69.5%を達成するという計画をしております。  以下、6ページ以降は参考でございまして、ただいまご説明した内容を概略図 にしておりますが、時間の関係もございますので説明は省略させていただきます。 以上でございます。 ○宮武座長  ありがとうございました。資料1、2とも関連してまいりますので、どのよう なご意見でもご質問でも結構でございます。ご自由にお出しください。どうぞ、 紀陸委員。 ○紀陸氏  少し細かい点で恐縮ですが、事務所と事務局というのはどう違うのですか。 ○鈴木年金保険課長  事務局と申しますのは各都道府県に1つずつ置かれております支分部局でござ いまして、実際に仕事をいたしますのは全国に312置かれております事務所でご ざいます。 ○紀陸氏  それに関連しまして、先ほどのいろいろな目標達成について事務所ないし事務 局がどういうような行動をとるかというのが基本になるというようなご説明があ りまして、当然だと思いますが、この事務局ベースのいろいろな達成目標、それ は例えば前回も資料をお示しいただきましたけれども、都道府県別に年金の納付 率もかなりばらつきがございます。その中でそれぞれの局なり事務所の目標設定 の仕方といいますか、一律にこうやるとかというようなことなのか、あるいはそ れぞれ県なり地域の状況を踏まえて多少設定の条件を変えるとか、そういうよう なやり方はどの様にされておられるのか、実情をお伺いできればと思います。 ○鈴木年金保険課長  まさに、地域によって様々でございまして、納付率がある程度高い地域と、低 くて、いわばまだまだ掘れば掘るだけ宝の山が転がっているような地域とはかな り対策も違ってくるだろうと思っております。  したがいまして、これは上から一律にこうしろということではなくて、各事務 所、各事務局が一定の勘案要素を踏まえてまず目標を作ってほしい。その目標を 積み上げまして、私どもで調整をして全体の、今年度で申し上げますと69.5とい う目標が達成できるような計画を作っていこう。基本的にはこういう考え方でや っております。  いま紀陸委員がおっしゃったような各地域の属性、例えばうちの地域は免除が かなり取れているから、納付対策のこういうところに力を入れていこうとか、あ るいはうちの地域はまだまだ免除の徹底ができていないからここをやっていこう とか、そういったような地域ごとに見た重点というのが、それなりに踏まえられ たものが上がってきているのだろうと考えております。 ○宮武座長  よろしいですか。どうぞ、龍井委員。 ○龍井氏  なかなか当面の8割ということを考えていくと、ご努力をされていることはよ くわかるのですが、率直にいって従来のご努力の延長で飛躍的に改善というのは 難しいかなというのが印象です。  資料1−2の19ページで、20歳到達者のところのコメントの最後に、届出がな いために職権適用した人の納付率は27.7%だと。結局ある瞬間でこの制度に組み 入れても数字が思わしくない。というのは、前々回か前回か申し上げましたよう に、やはり大変な誤解があって、いわゆる自助努力ということで入らなくてもい いのだという認識です。これはまだベースにあるのではないかと思います。だか ら、この瞬間見つかってばれてしまったということであって、これが義務という か、あるいはわれわれからすれば権利でもあると思いますが、その辺の周知が、 年金教育などという段階ではなくて、今の段階で本当にそういうものなのだとい うことを含めた中でやっていかないと、こうしたデータの収集からチャートに書 かれているような1個1個の積み上げで改善するとは思えない。  ぜひ検討していただきたいと思っていますのは、これだけの資源を例えば推進 月間ではありませんけれども、1カ月間に全部投じてみる。例えばテレビCMか ら電車の中の広告から、あるいは動く場合ももうそこで所員全員が出てもいいく らいに、とにかくそのくらいにその期間にそういう意識改革も含めてやるぐらい の、単なる広報じゃなくて、いってみれば制度改善運動みたいなね。そういうよ うなくらいのことをやっていかないと、とても変わらないのではないか。  私は、それは月間というのは今までですとまさにキャンペーン月間で、今まで もいろいろな行事は試みていますけれども、これはキャンペーンではなくて、そ ういうまさに実施資源を集中するという。もちろん使用者団体は使用者団体で、 われわれ組合は組合で、そういうこともまたできることがあるかもしれません。  まさに国民運動的なヘゲモニーをとっていただいて呼びかけるくらいのことを 1度検討されてみたらどうかと思います。それがうまくいけば、また次年度、同 じパターンかどうかは別にして、その集中というのはまた月間なり週間なりで可 能と思います。いずれにしろ、そのくらい思い切ったことを1度やるということ を、ぜひ計画の中で検討いただければと思います。 ○宮武座長  お答えいただけますか。どうぞ。 ○青柳運営部長  今の龍井委員お尋ねの中にもありましたように、従来、年金週間というような キャンペーンを秋にやっていますし、また広報を重点的にという観点からは、年 度末にも新しい制度、例えば保険料の変更があるケースが多いものですから、新 しい制度のご案内をかねてある程度集中的に広報予算を投入するということは実 はやらせていただいています。  しかし、この広報のやり方についても、私どももいろいろ中でも反省がありま すし、また制度を所管している年金局ともっと足並みを揃えて、特に年金制度そ もそも入らなければならないということまで遡ったアプローチをしなければなら ないというのは、ご意見のとおりだろうと思います。  近々少し取り組んでみたいと思うアプローチの中では、例えば年金というのも 非常に情報の提供の仕方が散発的な部分が生じてあって、例えば免除をどうぞと か、保険料を払ってくださいとかというのはあるのだけれども、いったい公的年 金制度とはどういうふうに国民の、自分たちの暮らしに関わっているのだろうか。 それから、さっきお話のあったように、これはいってみれば社会的共通資本とも 言うべきものなのだから、入らないとか入るとかという自由がきくようなもので はないのだということを、トータルとしてわかっていただくための試みというの が少し不足していたのではないだろうか。  村瀬長官に言わせると、総合カタログのない商品を売っていると、お叱りを受 けているところであるのですけれども、まさにそういう総合カタログというもの をきちんと1回作ってみて、そういう総合カタログをまず若い人も含めてきちん と情報提供するというようなところからやらないといけないのかなというのが、 恥ずかしながら現時点でのわれわれの認識であり、今度試みてみようと思ってい る新しいアプローチというふうにご理解いただければと思います。 ○龍井氏  だから、そういう従来の延長線では駄目だと思います。せっかくここにこれだ けキーパーソンが集まっているわけでしょう。労使、市町村、そして社会保険労 務士、それがみんなそういうことでまさに運動としてやれば、かなりできること があるわけですよ。この省庁の中での今おっしゃったような仕事の関係とかとい うのではなくて、まさにこういうところを使っていっぺんやるくらいのことはぜ ひ呼びかけていただいて、何かそういう思い切ったことをぜひやってほしいと思 います。 ○青柳運営部長  宿題として預からせていただきます。 ○小澤氏  今のお話に関連するのですけれども、前にも少し触れましたけれども、モラル とか倫理とかルールとかということに対する国民の近年相当意識が希薄になって いて、税の問題もそうですけれども、公的年金に対する態度も、要するに自分が 年金を払ってなければもらえないからいいのだみたいな、そういう非常に今のお 話のいろいろ誤解もあるし、PRも足りない。  一番は福祉の問題にしても環境の問題にしても、例えば子どものうちから徹底 的に仕込んでもらって、総合学習とかいろいろありますけれども、どこまで私も 教育委員会あるいは小中学校等でそういう教育をしているのかよく把握しており ませんけれども、省庁の枠を乗り越えて、もう少し社会全体として、政府全体と して、こういう国民としての義務みたいなものは、相当問題になっているわけで すし、もう少し大がかりに、社会保険庁だけの問題ではなくて、全体的に1つは 取り組む必要がある。これは少し外れた意見かもしれませんけれども、そういう ふうに感じました。  それから資料2の17年度の取り組み状況のご説明をいただいて、これはこれで 評価も大変結構だと思います。ただそれから外れて少し質問ですけれども、例え ば20歳の到達者で一応しっかりと職権による資格取得処理をすでに行なっており ますし、把握もできているわけで、これからはそういう点はいいとは思いますけ れども、ただ今のような問題が1つある。  もう1つは今までの未加入者、未納者の問題がどういうふうになっているのか についての対策でございます。従前からの未加入者、未納者。そこのところをも う少し説明していただきたいということと、それから健診の問題ですけれども、 成人病対策です。  いずれにしても、過日の新聞等で報道されておりましたけれども、政管健保で すとか厚生年金の未適用事業所ですが、ここでも今、評価のところでも問題にな っておりますけれども、事業主が健診を実施することは当然のことで決められて いるわけでありますけれども、そこをもう少ししっかりと強力に指導というか、 何かやはり指導以上のものが欲しい。市町村の立場でいいますと、結局自営業者 ですとか主婦の皆さん、奥さんとか、そういう方は市町村の健診に流れ込んでく るわけです。結局、われわれの厳しい財政環境の中でそういう圧迫をすでにもう いろいろと感じているところでございまして、市町村で行なっている健診事業の ことを考えますと、もっと事業主の皆さんに対して、健康診断をしっかりと強制 的にもやらないと大変なことになる、というようなことにしていただけないか。 これからの高齢社会の中で医療費全体の問題もありますし、小さくいえばわれわ れ市町村の財政の問題もありますから、ぜひそこら辺のところをお願いしたいと 思います。事業主が責務を実施していないということに関しての何か対策をもう 少し強力なものができないかということはどうなのでしょうか。お考えになって らっしゃるのでしょうか。 ○宮武座長  いかがですか。お答えいただけますか。 ○鈴木年金保険課長  いくつかご指摘いただきました、「まず子どものうちから」というのは私どもま ったく同じ気持ちでございまして、文部科学省、その他いろいろなところにお願 いしております。例えば教科書に書いていただくとか、試験に出していただくと か、そこまでできれば、必死になって皆様は頭に入れますが、しかしこれはもう 私どもがお願いするしかないという世界です。そういう意味で、ただ今のような 声をいただくのは非常にありがたいことだと思っております。  それから2点目に従前からの未加入の方の対策でございますけれども、これは じっとしているとまったくわからない人たちでございますので、例えば国保の持 っておられる情報と突き合わせてみて、国年に抜けている人を見つけていくとか、 あるいはその方が2号になった時、2号から1号になった時を積極的につかまえ て記録に載せていく。1回記録に載せれば、これは未加入ということになりませ んので、そういった地道な努力を重ねていくしかないと思っております。  それで確信的未納というと怒られるかもしれませんけれども、そういう方々が 実はいらっしゃるのも確かでございまして、そこにつきましては私ども従前から 申し上げておりますように、きちんと払っていただいている方との公平感をきち んと担保するために強制徴収という厳しいことをやっていく範囲を広げていかな ければならないと考えて、取り組みを始めさせていただいているわけでございま す。  先ほど座長からも過年度についてのコメントがございましたけれども、私ども そういったいただく対策をやればやるほど、最終的に何パーセントの方が納めて いただいたのかというのが指標としてある意味で真実なのだろうと考えておりま す。そういう意味で申しますと、現年度のパーセンテージというのはある意味で 一時点での率にすぎないというのも一面の真実と考えております。  したがって最終的には何割の方が国民年金の保険料を納めていただけるのか、 そこが大事でございますので、過年度も含めた捉え方というのがある意味真実を ついているところがあると思っております。 ○武田医療保険課長  健診についてご指摘ありましたので私から答えさせていただきます。事業主の 義務をきちんと位置づけてやらせたらどうかというご指摘ですが、まず今の職場 の健診につきましては、労働安全衛生法上の事業主の義務がありまして、それに 加えて医療保険者がサービスとして保健事業を実施しているということでござい ますが、私ども非常にこれまで医療保険者の義務というよりは、サービスとして の実施という側面が強かったものですから、なかなか予算の範囲内で実施をする ということで、政管健保は健保組合に比べても非常に低い受診率で推移をしてお ります。  特に今ご指摘がありました主婦ということになりますと、被扶養者になります ので、これは労働安全衛生法上の義務もかかりませんし、医療保険者としての私 どもも取り組みが遅れている分野でございまして、非常に低い受診率になってお ります。その点、市町村の老人保健事業で救っていただいているというのが確か に現状だろうと思いますが、今般の医療制度改革の中で、この被扶養者も含めて 医療保険者の義務とはっきり位置づけて、市町村事業ではなく医療保険者が予防、 それから医療給付、両面にわたって責任を持てという方向が出されようとしてお ります。  そうなりますと、財源的な手当ても問題になるわけですけれども、実際問題と いたしまして、この被扶養者の方々にどういう手法で健診の機会を確保していく のか。市町村のこれまでのノウハウもいただきながら取り組んでいかなければな らないのではないかと思っております。そういう意味では各地域地域でいろいろ ご協力も得ながら取り組んでいきたいと思っておりますので、今後の大きな課題 だというふうに認識をしております。以上です。 ○鈴木氏  この納付率の向上というのは非常に大きなテーマで、資料3についての感想も 先ほど申し上げたのですが、いろいろ行っているアクションとその効率について 検証して正しい方向に持っていく。話としてはそのとおりだと思います。  しかし、今、市長もいろいろお話になられたように、不心得が沢山いるとなる と、強制徴収をどうするのだというところが非常に大きなポイントになってくる という気がします。16年度の3万件数を17年度に10万件にする。目標としては 14万件だということなのですけれども、この10万件とか14万件というのがかな り効果的なボリュームなのかどうか。ここをどう判断しておられるのか、少し伺 いたいのですけれども。 ○鈴木年金保険課長  強制徴収につきましては今年、10万件ということで各局、各事務所に示したわ けでございますけれども、現場からはもっとできるということで14万件という目 標になってきました。これは非常に心強いと思っております。  それでまさに鈴木委員がおっしゃったように、では10万件とか14万件という 数字の評価がどうなのかということでございますけれども、極めて理念的に申し てしまえば、免除対象者以外は納付義務があるわけでございますから、税金と同 じように何回か重なればいきなり強制徴収というのが究極の姿かもしれません。 しかしながら、そこに行くまでには、例えば税金との性格の違い、あるいは私ど もの人員体制の問題というものもございますので、まずは確信的な未納の方で、 誰が見てもこの方は払えるというような方からきちんといただいて、不公平感を なくしていくということだと考えております。  その意味で、いずれは60万件に最終催告状を出したいということをお示しして おりまして、例えば昨年度3万件やったうちに6割近くはその過程で実際に保険 料をお払いいただいていて、差し押さえまで至っていないというようなデータも ございますので、強制徴収という姿勢を示す、それが目に見える形になることに よる波及効果というのは非常に大きいのかなと、そういう面も期待をいたしてお ります。 ○鈴木氏  これがポイントになるような気がしますので、これをどう効果的に拡大してい くのか、ぜひ検討していただきたい。  それからもう1つ申し上げたいのですが、それ以外の2ページで、電話納付の 督励云々と、いろいろな1、2、3、4と書いてありますけれども、社会保険新 組織の実現に向けた有識者会議で、東京電力の木村委員から、電気は80%口座振 替でやっているのですよという話があったと伺っています。社会保険庁の振替率 というのは37%。もちろん内容も違うということはあるのでしょうけれども、確 かにこの数字は少し低すぎる。これをもっと強力に進める。これはいったんやれ ばかなり納付率は確保されるでしょうし、手間もかからないわけですから、ここ を大きなポイントに取り上げたらどうかということが2点目です。  それからもう1点、ここに書いてありますけれども、免除できる人はきちんと 免除する。これは結構なことだと思います。そうしておくほうがいいのだろうと 思いますけれども、これは前回も申し上げたのですけれども、納付率向上のため にこれが行なわれるのだという認識はやめていただきたい。  資料に戻りますけれども、資料1−2の37ページに堂々と「免除制度について は国民の年金権を確保するとともに、納付率向上のため」と書いてあるので、こ ういう表現をもって納付率向上をやらないように申し上げておきたい。 ○宮武座長  どうぞ、加納委員。 ○加納氏  私には子どもが3人いるのですが、20歳になって年金は全部親の私が一生懸命 払っていたのです。私が一生懸命子どもに内緒というか、本当は自分の年金は自 分で払うべきで、親に払ってもらうべきことではないので、これは果たして親と してやってきたことが正しかったのかどうかと思いますが、本当に納付率を上げ るには、20歳になった子どもがまだ収入がないので親が払う。ここがとっても本 当は大きいのではないかと思いました。  それから全体でもう時間がないから言ってしまいますが、いろいろなサービス、 電話なりホームページでお答えしますよとおっしゃっていますが、実は昭和16年 生まれ以降の人のことは出ているのですが、15年のもうすぐお誕生日というのに 何も書類が一切来ないのです。この資料の中では16年以降に生まれた人は出てい るのですが、15年でもまだ64歳の者もおりますし、本当に65歳から老齢基礎年 金をもらおうかどうしようかとか、いくらもらえるのかという一番関心のあるデ ータが出ていないので、この会が終わってから個人的にお聞きいたしますけれど も、ホームページを見ればいいとか、ファクスでここへ聞けばいいとかいわれて も、市からもどこからも何のお知らせも来ていないのが実情です。それから社会 保険事業所にお電話してもいつも話し中で通じない。これが現状です。 ○宮武座長  鈴木委員といま加納委員のご質問、ご意見なりでお答えできるところだけ的確 にお願いします。 ○鈴木年金保険課長  鈴木委員からご指摘をいただきました免除の位置づけでございます。私どもも いたずらに率を上げるためという言い方はすべきではないと思っておりまして、 できるだけご本人の年金権の確保につなげていくということだと思っております。  ただ1点だけ申し上げれば、資料1−2の36ページにございますけれども、昔 かなり納付率が高かった頃というのは、実は申請全額免除の数が非常に多かった わけでございます。例えば13年度でいくと、277 万人くらいいたわけですが、今 の同じような免除者は176 万人でございまして、そこにかなり開きがあって、昔 の納付率に寄与していた原因の1つが免除であったことは事実だろうと思います。 しかし、いずれにしても御指摘の点は重々注意しながら進めさせていただきたい と思っております。 ○宮武座長  加納委員のご質問にはお答えできますでしょうか。 ○中野企画課長  加納委員から参考資料の関係のご質問がございました。関連でございますので 参考資料5をご覧いただきたいと存じます。  私ども先ほどお話にございましたような、被保険者あるいは受給者になろうと するような方々のさまざまなご疑問やお尋ねに的確にお答えしていこうというこ とで、10月31日から統一的な電話相談体制を組むことにいたしております。資料 にございますように、2つの1165(イイロウゴ)という語呂で電話番号を用 意いたしまして、全国どこからでもこちらにおかけをいただいて、さまざまなご 疑問をお尋ねいただけるような体制を組んでいきたいと考えております。  この資料の3ページにございますけれども、これに先行いたしまして、今週の 月曜日から社会保険庁の中央年金相談室のブースを拡張いたしておりまして、そ ういったことを通じて電話がかからないということのないようにしてまいります ので、よろしくご指導いただければと思います。 ○青柳運営部長  併せまして、参考資料6も見ていただきたいと思います。私どもも今年の10月 3日から、年金請求が楽になる、こういった請求を簡便にできるような体制を作 ろうということ、裁定請求書を私どものほうで把握をしております情報をすべて 印字した形でお送りをさせていただきます。そういうことによりまして、わざわ ざ難しい年金裁定請求書にご記入をいただく手間を省くような形にしてまいりま す。当面、今年60歳になられる方、その3カ月前からということで着手をしてお ります。今後、これを随時毎年こういうことを積み重ねてまいりましたと思って おります。  ただ、加納委員にまたすぐ叱られてしまいますけれども、すべての年齢の方に 本当はやれると一番いいのですが、年金情報の事前の整理の都合で、例えば65歳 になる3カ月前にそういうことがお送りできるのは、この資料の2ページにもあ りますように、16年1月2日以降生まれの方で、そういう意味で少し15年のお生 まれの方にご迷惑、十分に行き届かない部分がありますので、その部分は先ほど 中野からご説明申し上げましたように、相談を少し充実して、よりかかりやすい 体制を作らせていただきますので、ぜひそちらのほうでご勘弁をいただければと 思います。申し訳ありません。 ○龍井氏  1点だけデータの質問です。先ほどの1−2の19ページの強制適用の場合の納 付率のデータが出ているのですが、これは20歳到達者以外についてもデータがあ りますでしょうか。先ほどご指摘のあった10万から14万というのは確かにキー にはなるのですけれども、それが本当に納付率の向上にきちんと連動するかどう かというのがもう1つのポイントなわけで、そのために知りたいのです。 ○廣瀬数理調査室長  今、委員お話があったのは、ここで20歳到達者で自主的、あるいは届出がない ものに職権をしたものという2つの分類をしておりまして、20歳に限ってここは 出しているわけでございますけれども、これは例えば全年齢というと極端でござ いますが、自主的にやったものとそうでない手帳を送られて強制的にという、こ の2つのグループに分けて納付率が出せるかというご質問でございますか。  自主的のもの、それから強制適用されたものという2つの区分に分けたものを 作成することは可能でございます。少し作成するお時間をいただければ、作業を させていただきたいと思います。 ○宮武座長  それでは時間がまいりました。村瀬長官、ずっとお聞きいただいておりますの で、冒頭から評価項目を重点に絞れ、などの注文がいろいろ相次ぎました。それ も含めまして、簡単にお答えいただければと思います。 ○村瀬長官  それではいくつかお答えをさせていただきます。社会保険庁として達成すべき 目標の観点でございますけれども、さまざまな形でご批判を受けまして、それを 早期に改善をするということを大前提に考えております。そういう点では例えば 予算の無駄遣いを徹底的にやめるであるとか、項目単位にやれることをすべてや って、インフラを整えようというのが当初の考え方でございます。そういう点で は非常に計画自体が総花的になっているというご指摘はもっともだろうと思って おります。  ただし、まずここをクリアしませんと、社会保険庁に対するご批判が解除でき ないだろうということで、これをまず徹底的にやりたいということでやらせてい ただいたということをご理解いただけたらと思います。  それから前回の運営評議会でもご議論いただきましたけれども、予算の執行と 効果との関係がどうも不明確である。民間企業での考え方とは違うということに 対しまして、私から管理会計のシステムができてない、また予算は予算として財 務省へ要求をする、予算が決まった段階で予算間の転用というのはなかなかでき てない仕組みになっているということをお話し申し上げたと思います。現在の国 のやり方については、一定の限界はあろうかと思いますけれども、やはり事業に なっている以上は費用対効果が明確にできる、場合によってはこちらをやるより もこちらにシフトしたほうが効果が出るものについては、そちらへシフト替えを していただくということは、今後、役所間の問題はあろうかと思いますけれども、 要請はすべきものはしていきながら、できるだけ費用対効果を明確に見ながら計 画の見直しを瞬時にできる。こういう仕組みを私自身は構築をしていきたいと考 えております。  したがいまして、まさに前回お話し申し上げましたけれども、費用対効果の問 題を明確にした仕事のやり方というものを大切にしていく必要があるのだろうと 思っております。  2点目で、先ほど何らかの取り組みを強化してというお話がございましたけれ ども、本年度は年金につきまして年金週間という形で11月にやらせていただきま すけれども、いま素案としましては、来年度は11月をできれば年金月間という形 で徹底的に1ヶ月を年金の広報、収納も含めて全国的な運動まで盛り上げる仕組 みができないかということを考えておりまして、本年度効果にはなりませんけれ ども、何らかの時に1度皆さん方にご議論をしていただけたらと思っております。  それから3点目に国民年金の収納率の観点につきましてお話し申し上げたいと 思います。国民年金の収納率を上げるための最大のポイントは、前からお話しし ておりますように、市町村から頂戴をできる所得情報に基づきまして、仕事のや り方を効果的、効率的、そして結果が見える形にしていきたい。これが一番大き なポイントでございます。市町村から所得情報をいただくという観点からいきま すと、実は前年度の所得をわれわれが頂戴できる早いタイミングが7月でござい ます。  したがいまして、その所得情報に基づきまして、先ほど申し上げましたように、 例えば強制徴収をやろうとすればある一定額以上の収入のある方というのを未納 者ということになりますと、まさに7月にデータをいただいて、8月以降、これ から本番という話になります。また、免除勧奨という観点からいきましても、4 月から7月の間は前年度免除の方に対して本年度も免除対象になれば免除申請さ れますかという勧奨はできますけれども、新たな方を含めて全体での免除勧奨は できない。これも実は7月以降の話になります。  したがいまして、所得情報に基づいていろいろな行動を起こすということは7 月以降がまさに本番でございまして、これから来年の6月まで待てませんので、 基本的には3月までかけて、これをいかに収納システムの中に入れ込むのかとい うことが最大のポイントになってくるのだろうと思います。  それからいろいろなことをやっていくためにも、今回所得情報等に基づきまし て3つの層に分けて仕事をやるということを前からお話し申し上げておりまして、 資料3の7ページを見ていただきたいのですが、高所得者層、中間層、低所得者 層と分けておりますけれども、従来は未納者でありましても、未納者の一団とし て同じことを同じ仕組みでやってきたわけでございます。ところが今回、未納者 に対する所得を頂戴できることによりまして、明らかに高所得者については強制 徴収を前提としてビジネスモデルで収納対策が講じられる。  一方、所得がない方については、それでも頑張ってお納めいただける方と、や はりお納めできないということになれば免除なさる方、もしくは特例をされる方 等を分けていくということで、この方々についてはあえて収納対策の催告状を送 る必要はまったくないわけでございまして、こういうものは分離できる。そうな りますと、中間層の方に対していかに効率的な収納対策を講じるか。この講じる 時の最大のポイントは接触率、面談率だと思っておりまして、やはりいかに皆様 方が例えば自宅にお見えになる場合にわれわれが会えることができるか。そうな りますと、例えば夜間しかお見えにならない方にいくら昼間収納対策を講じても 駄目なわけです。  そうなりますと、夜間やっていただけるような民間の方に委託することを含め て、いろいろな知恵がここに出てくるのだろうと思っておりまして、そういう点 では鈴木委員からずいぶんご心配いただいておりますけれども、私は9月以降本 格的な収納対策で相当数上向きになっていくのだろうというふうに考えておりま す。また、これを徹底的にやらない限りは、今の保険料制度おける収納対策がど こまでいけるか、見極めできないのだろうと思っておりまして、ここを徹底的に やっていき、それについて中間報告も踏まえて皆様方にしっかりご検証いただけ たらと考えております。  全体の収納対策が限りなく8割にどう近づけていくかという部分でございます けれども、計画上でいいますと、先ほどうちの鈴木課長が言いましたように、例 えば収納率が8割に近づけるためにやはり免除勧奨者というのを今よりも100 万 人以上増やさないと駄目である。また、強制徴収も長期未納者を含めて60万人体 制ということで120 万の方々に2年間で強制徴収を実施する体制を整える。こう いうことによって波及効果でもって収納率を上げたいと考えておりまして、早く これができる体制をどう構築していくのか。  また、免除につきましては、先ほど青柳部長が言いましたように、毎年毎年申 請免除方式をとっている部分については、もっと効率的にやる方法を市町村とも 協力しながらやっていく必要があるだろうということで、いくつか手だてを講じ れば、私は見える姿が出てくるのだろうと、こんな形で考えております。ここは 何としてでもやっていきたいと、こういう意思表示をさせていただきたいと思っ ております。以上でございます。 3.閉会 ○宮武座長  ありがとうございました。それでは今後の日程について、事務局からお知らせ ください。 ○中野企画課長  貴重なご意見、本日は大変ありがとうございました。次回につきましては平成 18年度の社会保険事業計画の案につきましてお諮りをしたいと考えております。 ご議論いただければと思っております。来年の2月に開催をさせていただきたい と考えております。  具体的な予定につきましては、また改めまして各先生方にご連絡をさせていた だきます。よろしくお願いいたします。 ○宮武座長  どうも本日はありがとうございました。それでは会議を終わります。                                       〔了〕