第20回政府管掌健康保険事業運営懇談会議事録 1 日時 平成17年8月8日(月)      14:00〜16:05 2 場所 厚生労働省 専用第15会議室 3 出席した委員(敬称略)    稲上、落合、紀陸、櫻井、龍井、中西、山崎、吉田 4 議題 (1)政府管掌健康保険の平成16年度単年度収支決算<資料1> (2)政府管掌健康保険の事業運営について<資料2> (3)政府管掌健康保険の保健事業について<資料3>     (4)政府管掌健康保険の保健事業に関するアンケート調査<資料4>   (5)健診事後指導及び運動指導による一次防止の概要<資料5> (6)参考資料   @政府管掌健康保険の改革について   A社会保険庁改革の在り方について 5 議事内容 ○稲上座長  それでは、政府管掌健康保健事業運営懇談会を始めることにしたいと 思います。  本日は、お忙しい中、お集まりをいただきまして、まことにありがと うございました。  最初に、委員の交代についてご報告をさせていただきますが、UIゼ ンセン同盟会長の高木委員が委員をご退任になりまして、新たに落合清 四会長代行が委員に就任されましたので、ご紹介をいたします。  次に、本日の委員の出欠についてでございますが、城戸委員と高野委 員が所用でご欠席でございます。  それから、本日の議題の1つになっておりますが、「健診事後指導及 び運動指導による一次予防の概要」に関する説明に当たりまして、オブ ザーバーとして、財団法人社会保険健康事業財団の松田業務部次長にご 出席をいただいておりますので、ご報告をいたします。  それでは、本日の議題に入りたいと思いますが、いつものとおり今回 の議事録につきましても、前回と同様に後日事務局において作成をいた しまして、委員の皆様方にご確認をいただきました上で公開したいと考 えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  それでは資料1につきまして、事務局からご説明をお願いしたいと思 います。 ○医療保険課 鈴木課長補佐  それでは事務局でございます。説明させていただきます。  まず資料1−1、1−2をお願いいたします。最初の議題でございま すが、「政府管掌健康保険の平成16年度単年度収支決算の概要」という 縦長の資料1−1に基づきまして、説明いたします。  その枠の中に書いてございますように、今般16年度の収支決算がまと まりましたが、医療分で2,405億円の黒字、介護分で59億円の黒字と、 全体では2,464億円の黒字でございます。  次の丸で、単年度黒字決算は平成15年度から2年連続ということでご ざいまして、黒字の幅は予想を上回るものでございますが、昨年に引き 続き黒字でございます。しかし、先々を考えますと財政状況は悪化する と、こういう予測が立つものですから、その次の丸では依然として予断 を許さない状況というふうにまとめさせていただいております。  その収支の内訳を見てまいりますと、「(1)医療分の収支について は」というところをごらんください。  @のところで収入面でございますけれども、平成11年度以降6年連続 で平均標準報酬月額が減少という状況でございますが、被保険者数の方 が7年ぶりに増加に転じたということがございまして、保険料収入とし ては増加ということでございます。ただ収入全体では、若干の減少でご ざいます。実際黒字になった要因としては、Aの支出面の方が大きゅう ございまして、支出面では老人保健拠出金の減少、診療報酬改定等によ る医療給付金の増加の抑制等により、対前年度比で2,069億円の減少と いうことでございます。  その内訳を少し、3ページの方をごらんいただけますでしょうか。こ ちらは医療分の15年度決算、16年度決算の対比をした表でございます。 そこで一番大きゅうございますのが、真ん中ほどに支出の欄で老人保健 拠出金とございます。ここのところが、対前年度で2,586億円のマイナ スということでございまして、ここには2つほど要因がございまして、 1つは制度改正の影響。これは14年の健康保険法の改正によりまして、 老人医療の対象者が1年に1歳ずつ対象年齢が引き上がっていくという 今過程にございまして、それに合わせまして公費負担の割合が上がって いく、すなわち拠出金の割合が減っていくということでございまして、 こういった制度改正効果が1つにはございます。  それからもう一点は、その老人保健拠出金の下に、括弧して「(うち 前々年度清算分)」とございますけれども、15年度はその括弧の中が534 億円と。これは前々年度の清算として、534億円追加して支払わなけれ ばならなかったと。一方、16年度は349億円のマイナスということで、 清算した結果349億円が戻ってきたということで、この14年度の老人保 健制度の制度改正効果とかそういったものがございまして、予想以上に 老人医療費がかからなかったということで、ここで前年度比883億円の マイナスと。  また、退職者の給付金の拠出金の方も259億円のマイナスということ で、この2つだけで1,000億以上前年よりも支出が減少すると、こうい う要因があったということでございまして、これが大きな黒字の要因で ございます。したがって、一時的なものではないかというふうに考えて いるところでございます。  すみません、また1ページの方に戻っていただきまして、(4)のと ころでございますけれども、その単年度では今申し上げたとおりであり ますけれども、中長期的な目に立ちますと(4)のところで、平成16 年度末の事業運営安定資金残高は、医療分で2,164億円ということでご ざいます。少し飛ばして次の段落でありますけれども、医療分の残高は 昨年末に公表しました平成17年度からの5年間の収支見通しにおける 平成16年度末の事業運営安定資金残高と比較すると、1,000億円増加と。  資料1−2の1ページ目を合わせてごらんいただければと思いますけ れども、これは以前運営懇でもご報告申し上げましたけれども、昨年の 12月に5年間の収支見通しを見直して、公表させていただいたもので ございます。17年度の概算要求ベースでございますので、16のところは 数字がありませんけれども、その17年度の欄の事業運営安定資金残高が 1,600億。これから単年度の収支差として、プラス400億と見込んでお るものですから、この差し引き1,200億円が当時予測をしておったもの でございます。これと比べまして、1,000億ほどいいというような状況 でございます。ただ、その先を見ていただいてもわかりますように、収 支の構造というものは基本的に変わっておらないものですから、依然と して予断を許さない状況が続いていくと、こういうふうに考えていると ころでございます。  以下、最後に5ページをちょっとごらんいただけますでしょうか。資 料1−1の5ページで確認でありますけれども、そこの真ん中ほどに単 年度収支差のところで、15年度からプラスでそれが16年度に大きくな っているということが確認できると思います。それから事業運営安定資 金の方は2年間マイナスでありましたけれども、16年度はプラスになっ たという点。それから、被保険者数はプラスになり、平均標準報酬月額 などは大分、前年度よりは減少幅が小さくなっておりますが、依然とし てマイナスという状況が続いていることが確認できるかと思います。  あと資料1−1、1−2の後ろの方は参考につけておりますので、説 明の方は省略させていただきます。  以上でございます。 ○稲上座長  ありがとうございました。  それでは、ただいまのご説明につきましてご質問、ご意見をいただき たいと思いますが、ご発言いただきますときにはお手元のマイクをお使 いいただきたいと思います。  どうぞ、どなたからでもお願いをいたします。はい、どうぞ。 ○櫻井委員  資料1−1というのと、1−2という資料のことです。16年度の報告 は、それで問題ないのでしょうけれども、資料1−2の2枚目に「参考」 というのがあって、将来見通しを去年の16年にやったのが最初のページ で、その次のページが現在見通ししているという意味ですね。まずそう いう意味でいいですか。 ○医療保険課 鈴木課長補佐  すみません、不親切で。1ページ目と2ページ目は、セットで16年の 12月に公表したものでございまして、違いは賃金の伸びのところでござ いまして、1ページ目の方は政府の経済見通しと同じ数字を使っておる のですが、政管の場合は中小企業が多いということで、全体よりも若干 低いのではないかという想定を立てて、その賃金の伸びを0.3%全体か ら下げて計算をしたというものでその参考推計と、昨年12月時点の推計 の参考数値ということでございます。 ○櫻井委員  この見通しについては、今の16年度の決算が出たところで、余り変わ らないということでいいですね。 ○医療保険課 鈴木課長補佐  これ、推計自体は17年度概算要求ベースということで出させていただ いておりますので、現時点ではこれを直ちに変更するというものではご ざいません。ただ、足元の数字が変わってきているという状況でござい ますので、そういう意味では、若干この出発点が少し変わっているとい うようなことはあろうかというふうに思っております。 ○櫻井委員  そういう意味で見ると、これは、今は黒字だけれど、将来は予断を許 さないということです。厚労省は全体の医療費について医療費が高騰す るから大変だ、大変だと大騒ぎをして、実際はそうでないことがほとん どなのです。余り先のことを議論してもしようがないから、平成17年度 というところを見てほしいのです。16年度の決算が出ましたから、今17 年度の途中なわけですけれども、それの予測をしていることになります。  それで、比べてみてもらうとわかるのですけれども、16年度と17年 度の予測ですが、まず収入が非常に減ってしまうことを予測している。 この17年度、今の予測についてそれでいいのかという疑問と、それから、 保険給付は2,000億円くらい増えると予測している。  17年度というのは保険改正がないわけですから、ふえるとすればよく 言われる自然増なのですけれども、それにしても2,000億円ということ は5%ぐらい給付がふえるだろうという予測になります。老健と拠出金 が減るのと、退職金がふえるのは大体行ってこいみたいになっています から、16年度と比べての予測とすれば、保険収入が減って、給付は5% 増えるという予測をしていることになるのですけれども、そう理解して 良いですか。 ○医療保険課鈴木課長補佐  保険料収入が低く見積もられて、給付費が高めに見積もられていると いうというご指摘でございます。  収支の見通しそのものは、17年度の概算要求ベースで策定させていた だいたものでございます。 ○櫻井委員  医療分だけだと収入は同じなのかな。 ○医療保険課 鈴木課長補佐  6兆。 ○櫻井委員  ちょっと勘違いしましたが、給付が約2,000億減るだろうという見込 みですね。そうすると、16年度の決算と他は余り変わっていないですね。 つまり資料1−1の3ページの16の決算というのを見ればいいのでし ょう、Bというのを。 ○医療保険課 鈴木課長補佐  3ページのBの方が……。 ○櫻井委員  17年度は1ページ目も2ページ目も同じだから、それを比べればいい わけですね。それで、何が違うかというのを比べてみると、もう一遍言 い直しますが、収入はほとんど変わらないという見込みで、保険給付が 約2,000億増えますと。だから、収支差は400になるとしています。こ れはちょっとおかしな推計なのではないですか。            16年度と17年度とは同じぐらいの給付か、ちょっと増えるかもしれ ないけれども、それは自然増という程度の問題で、もっと黒字になるよ と思われます。今年度の予想でさえ、過剰に減らしているのではないか。 それをどんどん積み上げていきますから、何年かたつと、ものすごく赤 字だと言って騒いで医療費抑制のための国民運動を展開しているのだけ れど、それはおかしいのではないかな。もう少し正確なことを出してほ しい。 ○武田医療保険課長  櫻井委員のおっしゃるように、過去において医療費の推計とそれから 実績でずれが多く生じたということは、率直に申しますと経済の伸びの 見込みも大分ずれますので、その医療費の伸びの見込みにつきましても、 さまざまな制度改正が途中でありましたりして、見込みと実績がずれる ということについて、いろいろご批判をいただいているところはご指摘 のとおりだと思います。  ただ、この政管についてやや申し上げますと、私どもまず概算要求、 政府の予算の策定プロセスと並行してこの見込みを立てますので、概算 要求の段階で見込みを立てまして、年末の予算編成の段階では、それま での一番新しい数字をもとに見直しを行いまして、予算編成をいたしま す。   その後、その翌年になりまして、補正が必要であれば補正をして最後 に決算を打つということで、1つの年度でも幾つかの数字が出てきてし まいます。そこが大変、見たときに混乱を招く原因だろうと思いますが、 ご指摘の17年度の数字につきましては、まず保険料収入の方につきまし ては、ある程度人が増えるんだけれども、賃金がまだ依然としてマイナ スだという前提で、見た目が余りこう伸びないような、櫻井先生ご指摘 のようにほとんど伸びていないというような予測で予算編成も行ってお ります。  それから給付の方につきましては、概算要求の段階に比べまして、私 どもだんだん16年度の決算の数字に近い数字が出てまいりますので、そ れに見合った形で数字の精査をいたしまして予算編成をいたします。  今日の資料で、その資料1−2の5ページ目に実際に予算編成の段階 の数字がございまして、保険給付費で言いますと4兆飛んで758億の医 療費を見込んでおるところでございます。1つ背景として申し上げます と、16年度の決算といいますのは、今年の2月の医療費までを16年度 の保険給付として整理をしております。17年度は、今年の3月から来年 の2月までの医療費で年度区分をしております。  これは先生方もご存じの方はご存じだと思いますが、今年のインフル エンザの発生が、ややピークがおくれておりまして、例年1月末から2 月の頭にかけてインフルエンザの発生のピークがまいりますが、今年は 2月から3月にかけてインフルエンザの発生のピークが来ております。 その関係で、見かけ上1月、2月の医療費が多少低く、それから見かけ 上3月、4月の医療費が高く出ております。花粉症の影響もございます が。  したがって、それが16年度の決算をした段階で、比較的医療費が落 ち着いた動きに見える要因の1つになっております。個別に見てまいり ますと、そういう細かい要因もございまして、年度で見たときに医療費 が、少しこっちが下がった分こっちがふえるというようなことがござい ますけれども。  申し上げたかったのは、医療費の伸びにつきましては、そのときその ときの一番新しい数字まで追いかけまして、予算編成なりその後の決算、 補正ということを行っておりますので、そういうなかなか医療費自体は、 正確な見通しが困難なものであるということをご理解を賜りたいと思っ て、ご説明を申し上げました。 ○櫻井委員  今のお話、ここで言っている年度というのは2月までなのですね。 ○武田医療保険課長  私ども4月から3月までのその収入・支出ということで決算をいたし ますので、3月診療分が4月に請求がまいりますので、そういう意味で 3月から2月分までの。診療分で言いますと3月、2月で決算、予算を しております。 ○櫻井委員  だから、今のことで本当に一番新しい資料を使って推計をするのであ れば、17年の3、4、5、今8月だから、6月ぐらいまでの資料を使っ て予測すべきです。今年の3月にインフルエンザ分が増えているという というのは、それは恐らく間違いだろうと思うのです。遅れたといった って2月に流行したのであって、3月は花粉症の部分が増えたというの は、あるとは思うのだけれども。  でも、17年度といったらもう既に何ヵ月かこなしたところの推計で、 16年度は2,400億黒字だったけれども、17年は400億しかなくなりま すと推計するのは、いかにも黒字はすぐなくなってしまいますというこ とで危機感をあおるだけあおって、医療費抑制の資料に使うような気が して仕方がないのです。もう少し正確な予測を立ててほしい。これはこ こで余り言っても仕方がないから、これだけにしますけれども。 ○武田医療保険課長  もう一つちょっとすみません、要因のご説明を忘れておりまして、平 成16年度の診療報酬改定でございますが、16年度はプラスマイナス、 本体ゼロ、改定マイナス1%ということですので、16年度の私ども政管 の関係で申し上げますと1%の診療報酬マイナス改定ですと、収支差で 約500億円の節約効果がございます。17年度はそういう要因がございま せんので、16より17が多少高めに見られるというような要因がござい ます。  それから、これ以上細かいことを申し上げてもあれですが、今年の3 月の政管の保険給付費は、対前年に比べて6%以上伸びておりましてで すね、そこはいろいろな要因があるので、直ちにそのインフルエンザが すべてとは申し上げるほどの論拠は私ども持っておりませんけれども、 ちょっと出だし高めに推移しているという状況でございます。  ただ、いずれにいたしましても、私どもは常に予算作成に当たりまし て一番新しい時点での数字で、なるべく可能な限りずれのない見込みを 立てるように努力しておりまして、決して意図的なことは全くございま せんので、その点ぜひご理解を賜りたいと思います。 ○稲上座長  それでは、ほかにご意見。はい、どうぞ。 ○紀陸委員                             資料1−2の後ろの方で7ページの右方の貸借対照表のところに、こ の貸方の欄に、上から2段目の固定負債のところでありますが、1兆 4,792、約1兆5,000億の固定負債があるということで、この注2にこの 固定負債は一般会計からの繰り入れで償還するものだというふうな記述 があるのでございますが。  今度、政管健保が公法人、国と切り離された形になるとすると、この 固定負債の取り扱いをどういうふうにされるのかですね、その仕組みの 変更みたいなものをお考えであれば、お伺いをしたいと思います。 ○医療保険課鈴木課長補佐  先ほどの1−2の7ページの固定負債の取り扱いでございますけれど も、ここに書いてございますように、一般会計からの繰り入れで償還す るということで、現在までなされていないものでございまして、これを 公法人になって今後どうするかということについては、これから財務当 局などとも議論しなければいけないというふうに考えているところでご ざいます。 ○稲上座長  はい、どうぞ。 ○龍井委員  データの点で2点ご質問したいと思っているのですが、1つは保険給 付の内訳の、医療給付と現金給付とあるわけですけれども、今までの流 れを見る場合でも、それから今後を見通す場合でも、特に現金給付につ いてどんな内訳かということをちょっとお示しいただきたいなと思って います。  もし、この場でなければ次回でも結構なのですが、わかる範囲であれ ばお答えをいただきたいと思っているのは、例えば医療保険部会でも話 題になっていますような傷病手当金についてですね、その受給者の人数、 それから平均の月数、あるいは平均標準報酬額といったような基本的な データについてお示しをいただければと思っています。これは一応最近 の実績値でお伺いできればと思っています。  それからもう一つは、1−2の5ページのところで、これも今までの 運営部会でも何回か質問があったと思うのですが、支出の下の段のその 他、ここも推移を見ると余り今後も変わっていないだろうと見通しを立 てられているのですが、これの具体的な中身について今の段階でわかれ ば、内訳を教えていただきたいと思います。とりあえず以上です。 ○医療保険課 鈴木課長補佐  詳細はまたあれですけれども、大きいところを申し上げますと、現金 給付につきましては傷病手当金とか出産給付金とか、高額療養費とかあ るのですが、このうち5,200億円のうち1,400億円余りが高額療養費で ございまして、これが前年度から220億円ほどふえておりまして、現金 給付の伸びの主な部分は、高額療養費の増ではないかというふうに考え ているところでございます。全体は今ちょっとあれなので、また資料の 方を出させていただきます。  それから、支出のその他でございますけれども、その他は業務勘定へ の繰り入れとか、これは適用徴収の事務費とか保健事業費でございます。 それから諸支出金ということで、誤って収入してしまったものを返還す るお金とか、こういったものが入っているところでございます。  以上です。 ○龍井委員  先ほどの後段の部分は、今後もそのぐらい減額がかかっていないので 何とも言いようがないのですが、それはまた次年度もそのぐらいのこと というのは、見込まれるというご判断なのですか。 ○医療保険課 鈴木課長補佐  拠出金の関係でございますか。  例えば業務勘定への繰り入れというのは、事業費が入っておりますの で、例えば福祉施設の事業費であれば、例えば15年度から16年度では 大分減少しております。それから来年度はこれから、今後についてはそ れぞれ予算編成という形でやっていくということになりますけれども、 そういう意味で必ずしも全くこれが減らないということではございませ ん。 ○龍井委員  いずれにしても、内訳の資料をまた別途出していただけます。 ○稲上座長  何か追加のご説明はありますか。 ○武田医療保険課長                       恐れ入ります。この政管懇がそんな毎月のように開かれているわけで もないものですから、今のご質問の現金給付の方は内訳が今手元に詳し いものがございますが、その他の方は少し内訳にわたって説明をしてし まいたいと思いますので、用意でき次第。 ○医療保険課 鈴木課長補佐  はい、すみません。その他の部分で申し上げますと、16年度決算で業 務勘定への繰り入れが1,044億円。うち適用・徴収・給付にかかる事務 費が179億円。保健事業費が767億円。福祉施設事業費が97億円。それ から先ほど申し上げました諸支出金が、40億円ということでございます。  特に減少が大きいのが福祉施設事業費ということで、15年度決算では 175億円でございましたので、これがマイナスの78億円ということで、 減少としてはこの部分が一番大きくなってございます。  以上です。 ○稲上座長  ありがとうございます。  ほかにございますでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。  それでは資料2につきまして、引き続き事務局からご説明をいただき たいと思います。 ○医療保険課 杉山課長補佐  それでは資料2、「政府管掌健康保険の事業運営状況」でございます。  1ページ目は事業所数、被保険者数等のここ5年間の推移表でござい ます。まだ分析はできておりませんが、16年度数字的には適用事業所数 で0.7%の増、被保険者数でも0.6%の増となっておりますが、景気の回 復傾向の影響が一番大きいのではないかというふうに見込んでおります。  下の段には、この適用事業所数の増加の具体的な要因でございますけ れども、新たに適用事業所になったところ、新たに加入をしてきたとこ ろが前年に比べて約10%の増というふうに急激に伸びております。一方、 全喪事業所、これは適用事業所でなくなるということでございますけれ ども、ここは平成15年から極端に減ってきておりますが、平成16年度 も対前年度で26%近い減少となっております。これは後ほど若干触れま すけれども、景気の動向と同時に平成15年度から全喪事業所の適正化と いう取り組みをしてまいりました。かなり大きな数字の幅でございます ので、これらの適正化対策も効いてきているのではないかというふうに 考えております。  続きまして、2ページでございます。加入に関するところは適用の適 正化ということで、幾つかの施策を実施をしておりますが、1つ目は事 業所調査の重点化ということで、これは各種適正な届け出がなされるよ うにということで、適用事業所への調査を実施をして誤った届け出、届 け出漏れがないかといったようなことの確認をさせていただいて、適正 化を図っているものでございますが、全事業所を毎年実施することが困 難ということでございますけれども、どうしても届け出が漏れたり、誤 った届け出が多いというような業種が見られるようなことから、昨年、 平成16年度には重点化ということを図りまして、実施をいたしました。 具体的には、短時間就労者であるとか派遣労働者が多いといったような 事業所を重点的に調査をするというような取り組みをいたしました。  調査官というものが実施を、総合調査というのをいたしますけれども、 その実績は平成16年度で約33万事業所ということで、平成15年度に比 べて7%程度増加の実施をいたしました。  また、これは本年でございますが、外国人講師を雇用する語学学校の、 外国人講師の方々の届け出の漏れというのがさまざまな方面から指摘が ございまして、平成17年度の前半におきましては、この語学学校の外国 人講師の方々を中心にした調査の実施を現在しておるところでございま す。  また後半におきましては、同じような勤務状況にございます日本人講 師も含めまして、非常勤講師を多く雇用する専修各種学校、私立学校、 こういったところについても選定をして実施をするというようにしてお ります。  このように、すべての事業所をまんべんなくやるべきでございますが、 重点化を図りながら適正化を進めているところでございます。  次に3ページでございます。先ほど全喪届の急激な減少の数字を見て いただきましたが、過去の傾向からも破産件数が減る場合には、相当に 全喪届は減るわけでございますけれども、特に平成15年度から極端に減 っておりまして、平成15年度からこの3ページの中ほどに「これまでの 取り組み」と書いてございますが、平成15年度から、これまで届け出の 規定がございませんでしたけれども、改めて省令の中に適用事務所でな くなった届け出についての届け出を規定をいたしました。  また事業の廃止、休業といったことの証する書類の添付というものを 義務化をいたしました。そして、届け出の受付の際の確認方法、また調 査確認方法等の取り扱いも15年の11月には出しました。そして、昨年 それらの取り扱いをいたしましたけれども、十分に機能していない、依 然としていわゆる偽装脱退と言われるような疑いがあるというようなこ との、ご指摘いただきました。  昨年1月から9月末までに届け出がありました約4万件につきまして、 総点検を実施をいたしました。これは運営懇談会でもご報告をさせてい ただきましたが、それらの施策を昨年実施をいたしました。これらの適 正化の効果も、先ほど見ていただきました26%近い減少になっておりま すが、効いているのではないかというふうに見込んでおります。  下の段、未適用事業所の適用促進でございますが、これは本来加入を すべき事業所で、まだ届け出をしていない事業所に対して指導し、加入 を進めるという事業でございます。  次に4ページめくっていただきまして、これまでも巡回説明を通じま して加入の必要性をご説明してまいりましたけれども、かなりの未加入 事業所が存在をするということから、昨年取り扱いを厳しくするという ようなことから、呼び出し指導また個別訪問を繰り返し実施をして行っ ていく重点的な加入指導ということについて、実施をいたしました。  また、これは前回の運営懇談会でご説明を申し上げましたけれども、 最終的な適用の対策として、職権による適用ということについても取り 組むことにいたしまして、17年の3月に通知を発出いたしまして、本年 17年度からこの職権適用による未適用事業所の適用促進という事業が 動き出しているところでございます。  一番下の市場化テスト、モデル事業でございますが、これも前回モデ ル事業を実施をいたしますという報告だけいたしました。本年、5カ所 の社会保険事務所を対象といたしまして、市場化テストのモデル事業と して、この未適用事業所の適用促進事業に取り組むことといたしました。  5ページに具体的なものが記載をしてございます。対象社会保険事務 所は東京地区と福岡地区で5社会保険事務所でございますが、4月に入 札をいたしまして、5月にこの下にございます東京地区につきましては 東京都社会保険労務士会、福岡地区につきましては株式会社アイ・シー・ アールというこの両社が、市場化テストのモデル事業として、未適用事 業所の適用促進事業に着手をしております。  6月から実質的には開始をいたしましたので、まだ十分な実績は上が っておりませんけれども、これから着実に実施が行われていくのではな いかというふうに見込んでおります。  その後は、16年度に実施をいたしました未適用事業所に対する適用促 進事業の実績でございます。  平成14年度に雇用保険とのデータの突合をして、不突合分が約50万 件出ましたけれども、それらの中から順次、また新たに新設の法人とな った事業所の情報等を使いまして、ここ3年間実施をしてまいりました けれども、16年度にはここにございますような取り組みをしてまいりま した。  もちろん、この取り組みによりましてわかりました適用に至っていな い事業所につきましては、先ほどの説明しましたように重点加入指導、 また最終的な職権による適用といったようなことから、今後加入へとい う流れに指導を強めてまいる所存でございます。  資料飛びまして、9ページでございます。「保険料収入の確保」とい うことで、平成16年度の収納率が出ました。一番右側の平成16年度、 下の段3つでございます。収納率としましては97.6%ということで、平 成15年度に比べまして約0.3%の増加となりました。  昨年、平成7年以降、収納率が初めてプラスに転じましたけれども、 平成16年度も、引き続き順調に収入の確保という取り組みを実施するこ とができました。  その具体的な方策は10ページでございます。保険料の収納の確保とし ては大きく3点でございまして、口座振替を進めまして保険料納付の着 実な納付を図っていくということと、納期内に納入をしていただくこと の励行指導ということ、これは年間を通じて着実に事業主の方々と話を させていただいて進めております。  またさまざまな理由から、保険料を滞納するという状況が出ますけれ ども、その場合につきましても速やかな納付の督励と、また必要に応じ てでございますが、滞納処分の早期着手、また財産調査の徹底というよ うなことから、確実に保険料の収納に努めるという取り組みを年間を通 じてやってまいりました。  また1枚ちょっと戻っていただきまして、9ページでございますが、 全体としてはそのように収納率も増加の傾向にございますが、一番下の 段にございますように過年度分、現年度分と分かれております。現年度 分は、当該年度に発生した保険料を当該年度に納めていただくというも のでございますが、これは着実に進めておりまして、平成16年度には 99.4%と非常に高い率を示しておりますが、前年度以前分でございます、 過年度分につきましては22.6%ということで、対前年度1.1%の減少で ございます。  全体として非常に収納は着実に進めておりますが、一旦滞納となりそ れが長期化、大口化をしていくとなかなか収納に結びついていかないと いう現状がございまして、なかなか難しい案件が蓄積をされていくとい うことから、過年度分はマイナスというふうになっております。ここが 今後の大きな課題というふうに考えております。  続きまして、11ページでございます。「医療費の適正化」でございま す。レセプト点検調査でございますが、次の12ページに数字編をつけて ございます。平成16年度につきましては、トータルとしては件数、金額 とも点検効果額は増加をいたしました。なかんずく、15年度から重点的 に取り組んでまいりました、縦覧点検による内容点検は件数にして約 20%、金額にして約10%という非常に大きな増加をいたしました。  一方外傷点検の方がマイナスになってしまいました。縦覧点検による 内容点検を重点化したことで、外傷点検から若干意識が外れてしまった のではないかということで、反省をしております。17年度、ここも着実 に実施をして、点検効果を上げていきたいというふうに考えております。  11ページに戻っていただきまして、(2)として「レセプト開示に関 するお知らせ」でございます。これは16年度ではなくて17年度、今年 度に取り組んでいくものでございますが、さまざまな方面からご指摘を、 またご提案をいただきまして、医療費通知、昨年から従来の年2ヵ月分 の医療費通知から、1年分を実施することにいたしましたが、その裏面 にレセプトの開示に関するお知らせを記載して、被保険者の方々に周知 をするということといたしました。  また、被保険者お一人お一人に届く貴重な医療費通知でございますの で、そのほか政管健保の給付といった、さまざまなお知らせもここに盛 り込むこととしているところでございます。  以上、平成16年度の事業運営状況でございます。 ○稲上座長  どうもありがとうございました。  それではご質問、ご意見をいただきたいと思います。はい、どうぞ。 ○龍井委員  1つは、4ページですか。ちょっと言葉じりのような質問で恐縮です が、ここで強制適用の基本に立ち帰ると、実績でもそれは見てとれるよ うになっているんですが、これは逆に言うと今までは何だったのかなと いうふうにも読み取れてしまう。だとすると、今までそこが徹底できな かったというのはどういうふうに理解すればよいのかなということで、 もしコメントがあれば、お聞きしたいところですね。  それからもう一つは、6ページの適用に至っていない、これも何回か ご報告を今までもされているんですが、これは何といいますかね、理由 というか、要因というか、その辺について何か把握をされているのか、 されていないのか。つまり先ほどの強制適用の話とも関連するんですが、 本当にこれがいわば確信犯的にされているものと多少、知識のことだけ ではないのかもしれませんけど、何か別の要因があるのか。ちょっとそ の辺の分析をされるようなことが、全件についてリークというのは、そ れは大変だけれども、そういう傾向みたいなことについて何か把握をさ れているのか、あるいはそういうことができるような何か取り組みをさ れているのか、その2点です。 ○医療保険課 杉山課長補佐  はい。お2つのご質問は、同じような理由でございまして、これまで 巡回説明ということで、さまざまなところからいただいた情報で訪問を して、加入すべき事業所であるかどうかという確認と、加入する必要の ある事業所であれば制度の説明と加入の届け出についてご説明をしてま いりました。  しかしながら、その時点で終わっていたというのが15年度までの実施 でございました。なぜその時点で終わって、つまり適用に至っていない 事業所という状態で残っているのかということでございますが、これは 制度や届け出について知識がないと、知らなかったということではない。 ほとんどの場合はですが。また、そういう方々については届け出や制度 についてご説明をいたしますので、ご理解をいただいたところについて は、届け出をし加入をしていただくというふうになっております。  したがいまして、適用に至っていない事業所は制度のことも承知でご ざいますし、届け出の仕組みについてもご承知でございます。つまり加 入をすることが保険料の負担に即つながる。その保険料負担が事業所を 継続していく上で非常に負担が重いということで、保険料を払えないと いった方が非常に多いと。また、制度もそのものに対する不信感から加 入したくないという方。大枠で申しますと、この2つの種類が一番多い かと思います。  これまでは巡回説明という名前のとおり、制度の説明、届け出の必要 性のご説明をするところで終わっておりました。しかしながら、この文 書にございますように強制適用という、自分が入りたいとか、入りたく ないということで選ぶ制度ではございませんので、一定の条件のもとで 加入をしていただくのが基本でございますので、保険料が納められない といったようなことにつきましても、粘り強く説得を続け、届け出をし ていただくという指導を重ねて実施をしていくと。さらに、すべての事 業所を強権的に職権適用でというのは、物理的にも困難な部分がござい ますので、特に事業規模の大きいところから優先的に説得を強めまして、 最終的には法律に従って、行政の職権による加入をしていくという手続 に入っていくものでございます。  そういう意味で、これまでの取り組み自体が弱かったということでご ざいますし、またそうなってしまう原因として加入をされない事業所の、 実際に保険料を払えない、また加入をしたくないという意思が非常に強 いということに、原因があったのではないかというふうに考えておりま す。 ○稲上座長  はい。どうぞ。 ○山崎委員  今のご質問に関連したことですが、未適用事業所に対する今年度の取 組として、従業員15人以上の事業所には重点的に加入指導をするとさ れていますが、8ページをみますと、従業員5人前後の事業所に対して も加入指導をすることが書かれています。この小さな事業所に対して今 年度はどのような方策を講じようとしているのでしょうか。 ○医療保険課 杉山課長補佐  全体につきましては、5人未満であろうと加入の必要性はございます ので、文書による加入指導、また巡回説明と、訪問してのご説明といっ たところまでは、基本的に規模に関係なしに全部実施をしていくという 方針でございます。  しかしながらそれ以上、呼び出し、重点加入指導、職権というところ は、非常に業務量もかさばりますし、物理的に職員の問題から全部がで きないということもございますので、平成17年度は15人以上のところ から優先的という取り組みをしております。平成18年度は10人以上の ところから優先的にというふうに、段階的に事業規模のラインを下げて、 実施をしていくという方向で進めることとしております。 ○山崎委員  そうしましたら、これは特に呼び出しに応じなかった事業所と、事業 主がいなかったのではなくて、応じなかったと、これについてはどのよ うなことでフォーローしていくと。 ○医療保険課 杉山課長補佐  実質的には、呼び出しにはほとんどのところが応じていただけません ので、結果的に訪問をするということになってまいります。 ○稲上座長  はい、どうぞ。 ○龍井委員  ちょっとやはり私ども、今まで特に一番景気の変動が大変だったとき の中小零細の経営者が大変だというのは、私どもも事情が理解できない わけではないんだけれども。問題は、さっきおっしゃった知識としては 知っているんだけどといっても、本当にこれは、つまり支払い能力に関 係なく入るんですよということがどの程度徹底されているのかというの は、やはり一部新聞報道もありましたし、私どもが都道府県でやってい る相談電話でも実際あった例、今でもある例なんですが、やはり一部社 会保険労務士さんなんかの人たちの中には、無理しなくてもいいんだよ というような指導といいますか、アドバイスといいますか、そういう例 もやはり見受けられるので。  必ずしもその窓口と事業主の関係だけではなくて、もっと中間的なと ころで徹底される余地、あるいはそこが結構効果を持つこともあると思 いますんで。ぜひその辺の目配りをした、段階的というのは、実務的と いうのはわかりますけれども、やはりそれはあくまで施策の重点化の話 であって、この態度が、態度というか、宣伝にしますよということのア ナウンスはぜひ徹底していただくように重ねてお願いしたいと思います。 ○稲上座長  ほかにございませんか。 ○紀陸委員  今の資料2の11ページでございますか、医療費の適正化ということで、 項目が挙がっているのでございますが、ここに出ているのがこのレセプ ト点検だけなのです。保険者として、社保庁としての今の段階でこの医 療費の適正化の問題でこの段階で報告するのに、これだけというのはち ょっと寂しいような気もするんですけれども、ほかにこうもっといろい ろお考えのところがおありだと思うんでございますが、まずその点をお 伺いしたいと思います。  いま一度、11ページの医療費の適正化、この適正化と言いながらも、 項目としてはレセプト点検、それから開示、この件だけなんですね。こ れではちょっと寂しいなというような感じもいたしますんで、このレセ プト点検だけに絞っていないで、ほかの点にももっとおありかと思いま すので、基本的な取り組みのお考えを聞かせていただけたらなと。 ○医療保険課 菅野課長補佐  医療費適正化ということで、こちらの項目としてはレセプト点検調査、 それから医療費通知ということで掲載をさせていただいておりますが、 この後にご説明をいたします、生活習慣予防健診を始めといたします、 そういう保健事業のすぐ目に見える効果という部分では非常に難しい部 分はあろうかと思いますけれども、そういった健診ですとか、指導の面 でも医療費の適正化というのを最終的には目的にしておりますので。直 接的に医療費を削るという事業でいけば、このレセプト点検調査と、そ れからレセプト開示。その他受診に対する、適正な受診と申しますか、 そういった指導。  それからもう一つは、健診によります疾病への重篤化の防止というよ うな観点、これらを総合して私ども保険者として医療費の適正化という ことで進めてまいりたいと考えております。 ○紀陸委員  この関連で幾つかちょっと細かい点がございますんで、お教えいただ きたいんでございますが。この12ページ、13ページのところなんです けども、12ページのところで医療費の返還ないし、請求額の調整ですね。 これが16年度で、この計の欄でございますが、499万件という非常に大 きな数なんですね。これだけの返還ないし調整の数字なんでございます が、この13ページでこれが容認されるというんですかね、この件数が 16年度の右の棒グラフのところで31万8,000、それから29万6,000、 足して約61万ということで、約500万の請求に対して容認が61万、1 割程度なんですね。その場合に容認されなかった理由とかですね、ごく 1割程度の容認に至っている理由の評価と申しますかね、その辺につい てお教えいただければというふうに思います。 ○医療保険課 菅野課長補佐   すみません。容認、支払基金への再審査をお願いをいたしまして、最 終的に容認をされない理由というご質問ということで、ご理解させてい ただいてよろしゅうございますか。  私ども日々のレセプト点検を通じまして、いろいろ診療内容に関しま すことですとか、そういったことに関しまして、支払基金の方に再審査 ということでお願いをするんですが、やはりそれは医学的な見地ですと かそういったことによりまして、最終的に診療上、この治療上必要であ るというふうに判断をされるケースもございますので、端的に言えばそ ういったものが主なものになるのではないかと思っております。 ○武田医療保険課長  ちょっと念のためにつけ加えますと、12ページと13ページを比べて いただくときに、請求額の調整を求めた件数499万4,000件というのが 16年度ございますが、資格点検、これは例えば資格喪失後受診の場合と かが、件数的には多くなっておりまして、13ページでの単位で申します と内容点検、これ108万件という内容点検について、容認をいただいた のが13ページの数字というふうに見ていただいたらよろしいかと。対比 という意味では、そういうふうに見ていただいたらよろしいかと思いま す。 ○紀陸委員  13ページの内容点検がメインだということ、だけということでござい ますか。 ○武田医療保険課長  内容点検の数字でございます。 ○紀陸委員  499万に対してではなくて、108万に対してこの61万ですか。それは ちょっと勘違いしました。  それにしても、容認されたものと容認されなかったものですね、それ の保険者として妥当性というのですかね、それぞれの理由の妥当性とい うものについてどういう評価をされているのか。 ○武田医療保険課長  これは支払基金の審査に対する、これは保険者のみならず医療機関の 側からも、審査結果に対して再審査の申し出を行うことができますが、 保険者としての意見と支払基金の審査委員会の意見と見解が異なる場合 に、もう一度再々請求というものを出すケースがございます。  その再々請求でも、審査委員会の方で原審どおりということであれば、 保険者としてはそこまでというようなことになりますが。私どもといた しましては、特に支払基金との間で意見が大きく異なった場合、または 県ごとに審査の結果が異なるような場合につきましては、支払基金本部 に対しまして、ちょっと理事長がいらっしゃるので、なかなか前で言い にくいのですが、場合によってはこういう点、意見が食い違うというこ とについては、支払基金本部の方にも申し上げるようなことも考えてご ざいます。ただ、件数的にはそれほど多くないですから、これからそう いうことも取り組んでいきたいというふうに考えるわけでございます。  ただ、もちろん支払基金の審査につきましては、保険者側のみならず、 逆に医療機関の側からまた別な観点で意見が出てまいりますので、そう いった観点の意見がさまざま集約されて支払基金の方で調整がされると いうふうに理解をしております。 ○紀陸委員  レセプト点検調査のやり方というのですかね、それは特に非常に数が たくさんでしょうから、その費用対効果というような観点でどういうふ うに効率的にやっていくのかですね。いずれまた、この組織が変わって いくのでしょうから、そうした場合に、今よく言われているのは市場化 テストみたいな、ああいうものの対象も、この点検調査の仕事をゆだね るというお考えがおありなのかどうか。 ○武田医療保険課長  このレセプト点検の方法につきましては、民間の健保組合さんは外注 をされるケースが多いというふうに伺っておりますが、われわれ政管健 保は基本的に外注をせずに、レセプトのための専門員を謝金を払ってき ていただいていまして、点検をしているような状況でございます。  社会保険庁改革プログラムの中でも、民間健保組合のやり方も含めて 検討するということになっておりますので、現在のやり方がベストかど うか検討させていただきたいと思っております。  ただ、なかなかこれ難しい問題が幾つもございまして、レセプト点検 の非常に知識・経験のある方を継続的にお願いをするには、むしろ直接 お願いをしてこちらに来ていただいた方がいい場合もございまして、民 間会社を使いますと、非常にもう人の入れかわりが激しいというような こともございますので、よく実情も見て検討してまいりたいというふう に考えております。 ○稲上座長  ほかにございますでしょうか。それでは少し時間も押しておりますの で、次の議題に移りたいと思います。  資料の3と4につきまして、これも事務局からご説明いただきたいと 思います。 ○医療保険課 菅野課長補佐  それでは私の方から、政府管掌健康保険の保健事業に関しまして、お 手元の資料3及び資料4、この資料4は、本年3月に実施いたしました 政管健保の保健事業に関しますアンケート調査結果、この2つの資料に つきましてご説明をさせていただきます。  ただ、最初資料3の説明におきまして、適宜資料4のアンケート結果 を織りまぜましてご説明をさせていただきまして、その後アンケートの 主な概要の結果につきまして、資料3でご説明した事項を除く主な事項 につきまして、ご説明させていただこうと思います。多少、そういった 点で資料の行き来がありますことをお許しいただきたいと思います。  まず、資料3についてご説明申し上げます。  最初に、生活習慣病予防健診事業でございますが、平成16年度は全国 で約348万人の方に受診をいただきました。昨年度に比べまして、受診 人員では約10%増加をしております。この生活習慣病予防健診につきま しては、政管健保の財政状況等から年々予算が減少しておりますが、健 診単価の見直し等によりまして、受診者数につきましては若干低下した 年次はありますけれども、年々受診者の増を図ってまいりました。  今後の方向という点でのご説明をさせていただければ、この健診事業 につきまして、毎年各方面から受診者枠の増という要望をいただいてお るところでございます。  先ほど申し上げました、資料4のアンケート調査でございますが、お 手数ですが、この資料4の9ページ以降に、アンケート調査における健 診事業に関します質問を記載しておりまして、11ページにこの健診の受 診規模、ニーズということになるんでございますけれども、ニーズに関 しまして30歳以上の回答をいただきました方約1万1,000人のうち、約 53%の方が希望をされているという状況でございました。  資料の3に戻るのでございますが、これらを踏まえまして私どもとい たしましては、今後ある程度これを目標といたしまして、健診単価の見 直しですとか、厳しい財政状況ではございますが、必要な予算の確保に できるだけ努力をいたしまして、現在40歳以上で約3割弱の受診率をで きるだけ増加をさせていきたいと考えております。  それから健診の受診者のうち、日常生活に注意を要すると判定された 方を対象に、保健師の事業所への訪問によります生活習慣改善指導、私 どもいわゆる事後指導と申しておりますけれども、この事後指導を社会 保険健康事業財団に委託して実施しております。  この事業で昨年度は、約50万人の方を対象として実施をいたしました。 この社会保険健康事業財団への業務の委託についてでございますが、次 の2ページ目をお手数ですが、ごらんいただきたいんですけれども、こ れが政管健保の健診事業の委託概要を示した図でございます。  簡単にご説明を申し上げますと、最初に社会保険庁の保有します、35 歳以上の方の被保険者記録をもとに健診申込書を作成いたしまして、都 道府県ごとにございます地方社会保険事務局より、政管健保にご加入を いただいております事業所あてに送付させていただいております。この 図でいきますと、右上の部分になります。次に、この申込書に健診を希 望する方の必要事項を記入していただきまして、受診を希望される健診 機関名とともに都道府県にございます社会保険健康事業財団の支部にお 申し込みをいただいております。財団支部におきましては、健診機関と 日程等の調整を行いまして、健診をされる方の氏名等を健診機関に連絡 をいたしまして、その後、指定された日に健診機関において受診をして いただいております。ここまでは、右下の部分になってまいります。  健診の結果につきましては、事業所を通じましてご本人様の方にご通 知申し上げるんでございますが、同時に、この真ん中の奥になるんです が、健診機関から財団支部にも健診の結果を報告をされ、財団支部から 財団本部のコンピューターにデータが送られまして、健診の結果につき ましては、本部において一元的に管理をされております。さらに先ほど 申し上げましたこの右上、この図でいくと少し上の部分、真ん中辺にな るんですけれども、この検診の結果、日常生活に注意を要すると判断さ れた被保険者の方につきましては、財団支部において該当の方を抽出す るとともに、財団支部に在籍をしております保健師が事業所の事業主の 皆様のご協力をいただきまして、事業所におきまして個別に健康相談や 講習会といった、集団学習指導といった事業を実施をしております。  この実施内容等につきましては、後ほど社会保険健康事業財団のご担 当の方がお見えですので、詳しくご説明を申し上げますけれども、この 3ページ目をお開きいただきたいんでございますが、昨年度は全国で常 勤、非常勤合わせまして約700名の保健師によりまして、個別指導につ きましては約46万人、集団指導につきましては約4万人の方に集団学習 等を受講をしていただいたところでございます。  この事後指導に関しましてですね、保健事業アンケートの方でもこの 事業に関します調査を行っておりまして、13ページ以降に被保険者の皆 様方のご意見等についてまとめさせておりますが、15ページにございま すように、対象者の7割以上の方が希望をされているということもあり ますし、ちょっと前後するんですが、14ページにありますように、この 事業がまだ3割程度の方にしか認知をされていないといった状況を考え ますと、今後被保険者の方に対します広報ですとか、あるいは勧奨とい ったことを積極的に実施していく必要があろうかというふうに考えてお ります。  申しわけございません、資料3の方4ページの方にお戻りいただきた いんでございますが、次にそのほかの保健事業につきましてご説明をさ せていただきます。  政管健保におきましては、健康づくり事業の1つといたしまして、平 成15年度から一次予防を中心とした健康づくり事業を実施しておりま す。この事業は、健診の結果や普段かかりつけのお医者様から生活習慣 の改善が必要とされた方を対象といたしまして、社会保険センターや社 会保険健康センターにおきまして、保健師や運動療法士から生活習慣予 防のためのプログラムの作成と、月1回程度のフォローアップを6カ月 間にわたって実施するものでございまして、フォローアップ期間中にお いても必要に応じて、健康スポーツ医等のお医者様の助言を受けながら 実施をしております。  平成16年度におきましては、約16万人の方にプログラムの作成を行 いまして、延べ77万回のフォローアップを実施いたしました。この効果 等につきましては、また後ほど社会保険健康センター、ペアーレと申し ておりますが、における実施状況につきまして、社会保険健康事業財団 の担当の方からご説明申し上げることとしております。  また、アンケート調査におきましても、資料4の16ページ以降に被保 険者の皆様方に必要性等についてご回答をいただいておりますが、次の ページにありますように認知度はちょっと低い状況ではありますけれど も、その次、すみません、18ページにありますように、全体の約半数の 方が指導を受けたいというご希望がございまして、この事業につきまし ても、今後広報ですとか受診機会の拡大といった事業内容の充実に努め て参りたいと考えております。  資料3の方、4ページの方に恐縮ですが、お戻りいただきたいんでご ざいますが。本年度、17年度におきましては、実施場所を昨年までの社 会保険センターですとか、社会保険健康センター以外の施設にも拡大を いたしまして、厚生労働省指定運動療法施設にも拡大をいたしました。 この厚生労働省指定運動療法施設は、昨年11月現在で全国に126施設が ございますが、本年度はこのうち実施の希望をいただいた34施設におき まして実施をすることとしております。これに従来の社会保険センター 等の90カ所等を合わせまして、124カ所で実施をする予定としておりま す。  次に資料の5ページ目になりますが、政管健保の軟式野球大会の廃止 についてご説明申し上げます。政管健保の軟式野球大会につきましては、 体育事業を通じました健康づくりを奨励するという観点から、昭和22 年から朝日新聞社様や全国軟式野球連盟様のご協力、ご後援を始めとい たしまして、開催都道府県、地元自治体の皆様方の多大なご協力により 実施されてまいりまして、昨年、平成16年度まで52回にわたり全国大 会を開催してまいりました。  なお、政管健保の全国規模の体育事業としましては、この事業のほか 全国陸上競技大会ですとか、全国水泳大会といった事業もございました けれども、いずれも昭和40年代には廃止をされております。  この野球大会につきましても、ごらんのとおり延べ参加チーム数、延 べ参加者数とも年々減少をしており、また野球大会を実施することに関 しましても、さまざまなご意見等がありますことから、平成17年度の開 催を一旦中止いたしまして、保健事業アンケート等の結果を踏まえまし て、18年度以降の開催の可否を決めるということにいたしました。アン ケートの結果につきましては、資料4の28ページ以降にお示しをしてお ります。  全国野球大会の必要性につきましては、申しわけございません。30ペ ージにありますように、どちらかというとあった方がよいという回答を 含めましても、必要であるとの回答は約28%という状況でございます。  またスポーツに対します、被保険者の皆様方のニーズが野球以外にも非 常に多様化しているという現状も踏まえまして、来年度、平成18年度以 降の全国軟式野球大会につきましては、廃止とさせていただくことをご 報告させていただきます。  また、資料3の方にお戻りをいただきまして、6ページになります。 今後の保健事業の方向性ということで、参考といたしまして、本年4月 に厚生労働省保険局より各都道府県に示されました保健事業の問題点と、 今後の方向性につきまして若干ご説明したいと思います。  こちらにも記載してございますように、現状、各医療保険者が実施し ております保健事業につきましては、健診実施後の事後指導が不十分で あるという点を始めといたしまして、幾つかの問題点が指摘をされてお ります。  これらの問題点を解決する1つの方策といたしまして、各医療保険者 と関係者が各地域において連携し、共同して保健事業を実施したり、地 域の医療費の分析を行って、効果的な医療費適正化対策の取り組みを行 うことを目的といたしまして、各都道府県に保険者協議会を設置するこ ととされておりまして、今年度中には全都道府県において設置をされる 予定となっております。  この保険者協議会を通じました、各保険者の連携の必要性ですとか、 活動内容につきましては、その次以降の8ページ、9ページ以降に記載 をしておりますが、9ページにありますように被保険者教育や被保険者 指導といった事業に関しましては、現状、政管健保も含めまして、健康 保険組合等、各保険者が単独で実施しているわけでございますが、これ らにつきましては、今後この保険者協議会において共同して実施するこ とも検討していくなど、政管健保としても積極的にかかわっていくこと になると考えております。  この資料の最後10ページに、先ほど言いました現時点での各都道府県 の設置状況を記載をしておりますので、後ほどごらんいただきたいと思 います。  最後になりますけれども、資料4、保健事業に関するアンケート調査 の結果概要につきまして、若干補足的にご説明を申し上げます。  この調査の目的につきましては、調査概要の1ページ目、2ページ目 に記載をしておりますが、政管健保の被保険者の皆様方約6万人、それ から都道府県社会保険協会の会員でございます事業主様約2,300人と、 日ごろより社会保険事業の運営にご協力をいただいている立場から、社 会保険委員の方のうち、都道府県社会保険委員会連合会の役員715人の 方を対象として、アンケートをお願いをいたしました。  2ページ目の最後に、それぞれの回答状況に記載をしておりますが、 被保険者の方につきましては、約26%の方から回答をいただきました。      4ページから6ページには、調査対象とさせていただいた方々の基本 的な属性等について記載をしておりますが、その中で5ページの事業所 の規模別割合でございますが、20人未満の事業所に属する被保険者の方 の割合が、ここでいうと約53%と半数を超えておりますが、平成15年 9月に私ども企画課の数理調査室におきまして、政管健保の事業所の規 模別実態調査を実施しております。それによりますと、20人未満の事業 所に属する被保険者の方の割合は、約35%となっておりまして、この調 査では20人未満の事業所の被保険者の方の割合が高くなっていること が特徴かと思います。  それからその次のページでは、事業所の健康管理体制の状況について 健康管理の担当者ですとか、部署の配置の状況について回答をいただき ましたが、10人未満の事業所の約7割以上の事業所では、専任の担当等 が置かれていないといったような状況にございます。  そのほか資料の中では、パンフレットの配布状況ですとか、そのほか いろいろ案件に対して、認知度等についてお聞かせいただいております が、時間の関係もございますので、今回は説明を省略をさせていただき ます。  最後に1点だけ、このアンケートの最後に自由意見記入欄を設けまし て、保健事業に限らずご意見を自由にご記入をいただくということにし ておりました。  その結果、全体で約3,000名を超える方々からさまざまなご意見等を いただきましたので、最後31ページ以降にまとめさせていただきました。 いただいたご意見の傾向につきましては、ごらんのとおり私ども社会保 険庁に対しまして、さまざまなご批判ですとかご意見をちょうだいして おりまして、保健事業以外の社会保険庁に対するお叱りの言葉も多数い ただいております。主な意見の内容につきましては、またその次のペー ジ以降にまとめさせていただいておりますが、全体を通じまして、保険 料のむだ遣いですとか、お預かりしている保険料や事業の内容について の透明性の向上といった点について、ご意見、ご批判を多数いただきま した。  私ども改めてこれらのご意見、被保険者の皆様方や事業主の皆様方か らのご意見を真摯に受けとめまして、経費の効率的な使用ですとか事業 内容を被保険者の皆様方のニーズも踏まえたものとするなど、今後の事 業運営に生かしていきたいと考えておりますことを申し上げさせていた だき、保健事業アンケート結果のご報告を終わらせていただきます。  以上、長々とご説明いたしましたが、保健事業関係の説明を終わらせ ていただきます。 ○稲上座長  どうもありがとうございました。  それではご質問、ご意見伺いたいと思います。どうぞ。 ○龍井委員  アンケートの結果をぜひ定点観測的に、もっと項目を充実させて継続 してほしいというのが要望です。  それから2点目は、一つ一つ申し上げませんけれども、やはり制度の 周知について、事業主の方と被保険者の方がやはり大分差がある。これ は、ある面やむを得ない面もあるのかもしれないけど、ある面ではもっ とこれは認知・周知がされるべきだろうと思うのですね。  ですからその辺の方策はですね、私自身も政管に加入しているのです が、事業主からそういう説明があったというためしはないわけで、その 辺の方策もぜひ、この結果を受けて工夫してほしいという要望です。 ○武田医療保険課長  これまでの政管健保の事業運営が、事業主を通じて、あるいは社会保 険委員さんを通じてということが中心的な手法であったがために、なか なか被保険者まで情報が届いていないのというのが、あらわれているん だろうというふうに思います。  今回、初めてこういう形でアンケートを実施いたしましたので、ただ いまいただいたご意見、アンケートの継続的実施でございますとか、被 保険者に対する直接的情報提供といった意味での工夫は、十分意見とし て受けとめさせていただきまして、今後の事業展開に反映をさせていた だきたいというふうに思います。 ○稲上座長  はい、どうぞ。 ○櫻井委員  健康診断、健診事業に関することですけれども、生活習慣病予防健診 を資料3の1番上に350万人ぐらいの人が受けているということですが、 これを受けられる医療機関というのは、全国でどのくらいあるのですか。 ○医療保険課 菅野課長補佐  健診の実施機関数でございますが、平成16年度は全国で1,529ござい ました。1,529機関でございます。平成17年度につきましては、まだ現 在、私ども全部は調べておりませんけれども、約1,651機関で健診が実 施できる予定でおります。 ○櫻井委員  健診事業の問題点と今後の方向性という参考資料が出ていまして、見 直していくということですから、ぜひ十分見直しをしてほしいと思いま す。これは前から申し上げているのですけれども、政管健保の会社とい うのは極めて少人数の、数人とか十何人とかの小さな会社が多くて、地 域に散在している。言ってみると老人健診で言えば、家の近くに医療機 関があってそこへ行ってかかるというような健診事業と非常に近いので す。  全国で1,500とか1,600ということは、これは割り算しても仕方がな いでしょうけれども、1つの県で40とか50とかそれしかないわけです から、とても地域の近くでかかれるところが幾つかあるということがな いのですね。  これは、健診事業というのは、ある意味では浅く広くひろめなければ いけないということと、ここの見直しにも書いてありますから、もう少 し政管健保については地域に密着したものにするべきだというふうに、 ぜひ見直しをしてほしいと思います。これは要望です。  それからもう一ついいですか。いわゆる労働安全衛生法、安衛法で事 業主に健診事業を課しているわけですけれども、その事業所の健診の状 況と、この政管健保の生活習慣病の健診の関係、あるいははっきり言え ば事業主がこれをもって安衛法の健診に変えてしまっているとか、そう いうようなことの実情は何かわかっていませんか。 ○稲上座長  はい、どうぞ。 ○医療保険課 菅野課長補佐  労働安全衛生法におきましては、いわゆる医療保険者が行います健診 を受けた者については除くとされておりますので。私どもとしては安衛 法といわゆる保険者が行います検診とで、かなりの部分の検診はカバー をされているのではないかとは推測はしておりますが、具体的にどうい う関係になっておるかということにつきましては、ちょっと今までも調 査したことがございませんので、申しわけございませんが、今すぐには 申し上げることができません。 ○櫻井委員  法律的根拠がどうあろうと国民というか労働者にとって、安衛法の法 律を受けようと、健康保健法の政管の健診で受けようとそれはどっちで も構わないのですけれど、一義的には安衛法になっているはずですね。 安衛法で除くではなくて、こっちの健診では除いているはずだろうと思 うのだけど、そこのところの確認はどうですか。 ○ 医療保険課 菅野課長補佐  労働安全衛生法の66条になるかと思うのですが、第5項ただし書きで、 労働者が事業者の指定した医師、または歯科医師以外の医師、または歯 科医師で行う厚生労働省の規定による規定による健康診断を受け、その 結果を証明する書面を事業主に提出したときは、事業者が行う健康診断 を受けなくてよいとされておりますので、いわゆる健康保険、いわゆる 医療保険による健診を受けた場合は、その結果を事業主の方にご提出を いただくということで、安衛法の健診の方は免除といいますか、除外と いいますか、受けなくてもいいというような形になっておろうかと思い ます。 ○櫻井委員  こっちが第一になるのではないですか。 ○武田医療保険課長  ただいま櫻井先生のおっしゃいました、どちらが第一義かということ で申し上げますと、やはり労働安全衛生法の事業主の義務でございます ので、医療保険者の方は法律上の規定は努力義務として書かれておりま す。したがって、労衛法の方は必ずやらなければいけない。ただ、保険 者の方が努力義務として健康づくり事業の一環として健診をやれば、事 業主の義務はその限りにおいて免除をされるという構成になっておりま す。  ただ、健診項目が恐らく、ちょっと正確に比較したものが手元にござ いませんが、基本的な項目に労衛法の方はとどまっていると思いますの で、医療保険、生活習慣病健診の方が項目の方がより充実をされている というふうに理解をしております。 ○吉田委員  今日のご説明で、体育活動を通じて健康的な生活を送っていただくた めにということでお始めになって、52年間も続いたという全国軟式野球 大会をおやめになったということなのですが。  私どもの工場は、富山県にありまして、何年か前には、当社工場野球 部がもう一試合勝てば県営球場へ行けるんだということを、うちの工場 の者が言ってましたので、ああそうか、政管健保でそういうことをやっ ているのかという認識を新たにしたことがありました。県営球場なら私 も東京から応援に行くよとこう言ったんですが、そこで負けまして、残 念ながら見には行かなかったんですが。  こういう積極的なことを政管健保さんがやっておられて、そういう明 るいイメージでやっておられたことは非常に意味があったのではないか と思います。それが52回も続いたということは、大変価値があったこと ではないかと思いますけれども、やはり若い人達のスポーツに対する好 みについても多様化してくるとか、いろいろなことの中でこういうふう に今度おやめになるということは、大変長い間いいことをされたという ことで敬意を払いますし、また費用対効果ということでいろいろお考え になって、今回おやめになるというご決断をされたことにも敬意を払い たいと思います。  以上でございます。 ○稲上座長  ほかにご意見、ご質問ございますでしょうか。  それでは、先ほどのご説明の中にも出てまいりましたんですが、資料 5につきまして、これは松田次長の方から、まずご自分のご紹介をちょ っと簡単にでもしてくださいますでしょうか。 ○社会保険健康事業財団松田業務部次長  社会保険健康事業財団の松田と申します。  当財団は、社会保険庁の委託を受けまして、平成2年度に設立された 財団です。主な事業の柱は3本ございまして、1本目は健診と事後指導 という柱です。そして、2本目が先ほど来から出ておりますペアーレ、 社会保険健康センターの運営。そして、3本目は調査研究ということで うたわせていただいております。今回はその2つの柱について、簡単に ご説明させていただきたいと思います。  まず健診事後指導は生活習慣病予防健診を受診なさった方、被保険者 及び被扶養配偶者を対象として健診結果データに基づいた生活習慣改善 の助言をすることによって、相談者の積極的な健康づくりを支援するこ とを目標として実施しております。  対象者はこちらに書いてありますように、生活習慣病健診は結果は1 から6の指導区分に色分けされます。その中の指導区分の2と3、軽度 異常、経過観察の方たちです。つまり黄色信号の方たちを対象として、 保健師の活動をさせていただいています。保健師の助言が的確に目標設 定できましたらば、青信号にも行くでしょうし、保健師の指導が適当で なければ要医療の世界に行ってしまうという、保健師の醍醐味が発揮で きる対象区分だと思っております。原則としてこの指導区分2と3を実 施しております。  健診事後指導までの流れですが、1ページ目の下にございますように、 健診医療機関から健診結果通知を財団にいただいています。そして、財 団が端末を使いまして、伺う訪問事業所を選定いたします。つまり保健 師は706名しかおりませんので、限られたマンパワーをいかに有効活用 するために、端末を使いまして事業所をセレクトいたします。  そして、セレクトしました事業所さんに日程調整の通知を出します。 そこで双方で日程調整を済んだ時点で財団の保健師を、事業所さんに派 遣しております。  次、2ページ目お開きいただけますでしょうか。2ページ目、恐れ入 ります、ミスプリの訂正お願い致します。一番最初の「面接相談」と「事 業所訪問による相談」というのが、思いっきり2つずつ書いてあります ので、1つずつ削除をお願いいたします。  手法といたしましては、個別相談と集団学習ということで、私どもは 個別相談を主眼に置いております。個別相談の中に面接相談、文書相談、 電話相談という3本の柱がございます。  面接相談は事業所訪問による相談と、来所相談による相談、これは支 部の事務所やペアーレの事務所にお越しいただく手法です。  そして、右側の下に出ております、健康増進コースは、厚生労働省が 岡山明先生を中心に個別健康教育の手法を作られましたが、これを政管 健保事業の現場になじむよう改良したものです。私どもの面接というの は非常に対象者が多いので年に1回、しかも約20分の面接相談を原則と して実施しております。  しかし、中には複数回お会いすることによって、効果が上がるのでは ないかという方たちもいらっしゃいますので、その方たちに対しまして は健康増進コースという手法を取り入れまして、フォローアップコース、 禁煙チャレンジコース、減量チャレンジコースという3本の別々のコー スを用意しました。年に複数回、しかも保健師の都合や相手の方のご都 合ではなくて、エビデンスに基づいた手法で、2年間かけて編み出した プログラムでございます。  それから5番目、情報管理システムは、先ほど1,600近い医療機関の 健診データをいただき、健診データ活用システム、受診勧奨支援システ ム、健診事後指導支援システムという3本のシステムを動かしておりま す。  次に実績ですけれども、ご存じのように政管に加入していらっしゃる 事業所さんというのは、非常に特徴がございます。例えば製造業、サー ビス業、それから建設業、サービス卸売業、この4職種だけで90%を占 めております。ということはどういうことかと申しますと、保健師が伺 ってもその事業所にはほとんどいらっしゃらないという現状がございま す。まずそこで、事後指導を展開する難しさが1つございます。  それからもう一つは、1事業所あたりの人数が非常に少ないというこ とで、なかなか件数をアップするのが難しい。例えば昨年度私どもが訪 問いたしました1事業所あたりの人数は4.6名です。  そして3つ目の特徴は、先ほどアンケートにもございましたが、健康 管理の担当者、それから担当部門が決まっていないという事業所さんが 7割ございます。これは、事後指導という商品を積極的に売りたくても 売る相手が、受け取っていただける直接的な相手がいらっしゃらないと いう現状がございます。このような3つの特徴がある中で、事後指導を 展開しております。  「ないない尽くし」の中で、じゃあ「実績を上げられない」のかとい ったらそうではなくて、量の拡大と質の向上ということで努力している ところでございます。  例えば量の拡大ですと、土日、それから夜間の対応、それから1日複 数事業所の訪問、これはもう当然のことと思いますけれども。それから 先ほど申し上げました効率的に動くために端末を駆使しての事業展開。 それから私どもの支部の支部長、部長というのは、社会保険のOBでご ざいますので、そのOBという立場を利用した広報活動というのを積極 的にするということなどで量の拡大を図っております。  それから質の向上に関しては、その質が悪ければリピーターというの はあり得ません。当財団の場合、今73%リピーターになっております。 やはりその質の向上というところでは、系統立った研修の実施、平均面 接時間20分を有効活用するために、独自で開発したパンフレットやパソ コンを駆使しての事後指導、その他の媒体も政管事業所に合わせたもの を作成しているということ。  また、面接技術につきましては、各自の時間、それから自分の費用を 使ってももちろんやっております。非常に手前みそで申しわけございま せんけれども、政管の事業所訪問への難しさに対応するために努力して いるところでございます。この2ページ目の下に実績を示しております。  平成2年設立以来、個別相談はずっと右肩上がりで実施しております。 個別相談46万、それから集団学習4万件、それからこちらにございます 健康相談と申しますのは、健診結果を持たない方たちのご相談、つまり 若い方たちのご相談へ対応した件数としまして、4万6,000件上げさせ ていただいております。合計約54万8.000件という方たちと昨年度はお 会い致しました。。  なお、これをブロック別に見ますと、非常にブロック差が出てきてし まいまして、九州・沖縄、北海道・東北というのは、非常に当財団では 稼ぎ頭ですけれども、反対に近畿は、ちょっと低迷しているかなという ことで、ブロック差をこれからどうしていくかということも、私どもの 課題としております。  それから次に3ページ目。きょうは事後指導の効果ということで2つ ご報告させていただきたいと思います。  まず1つ目は、健康増進コースの効果です。先ほどご説明させていた だきましたように、年1回ではなく複数回お会いすることによって、ど のように健診結果が変わってきたか、どのように禁煙状況が変わったか、 減量ができてきたかというものでございます。まずフォローアップコー ス。こちらは最近2回の健診結果が、下記@からBに適応する者、また は最近1回の健診結果が下記@からBに適用し、かつ相談者がコース実 施を希望する者ということで、以下@からBを書かせていただいており ます。  この方たちを対象としてピックアップいたしまして、1年間フォロー しました結果、ちょっと症例数は少ないのですけれども、481名の方を 追いかけてまいりましたらば、ここの図に示させていただいているよう な効果が出ております。  また禁煙は、66%の方が禁煙ができました。そして減量は、必ず目標 値を設定いたしますので、その目標に対して減量が成功したか否かとい うことで評価しておりますが、73%の方が減量に成功したということで、 ご報告させていただきたいと思います。  それから最後4ページ目は、年1回20分の事後指導の効果でございま す。バイアスがかからないように、平成6年度から11年度の6年間、健 診を受けた方52万人をまずピックアップいたしました。この52万人の 中には、事後指導を全く受けない方から、毎回受けてくださる方、5回 受けてくださる方が含まれています。  このグラフの見方ですけれども、まず平成6年のときに事後指導の対 象指導区分である指導区分2と3だった方たちが、平成11年度に指導区 分4と6、つまり要医療の世界に行った方たちが一体何%いるかという ものを追いかけてみたものでございます。  下の表でごらんいただく方がわかりやすいと思います。例えば男性、 すみません、ちょっと文字化けしておりますけれども、男性の血圧をご らんいただきたいと思います。血圧で事後指導を全く受けない方たちは、 5年後に22.2%の方が要医療の世界に行ってしまわれた。反対に毎年確 実に、たった20分ではありますけれども、5回事後指導を受けることに よって2.5%にとどまっている。ここに約10倍の差がございます。  同様、ほかの検査項目、数値ではかれるものに関しましては、継続的 に事後指導を受けることによって効果があるというものでございます。  なお、男性の血液と女性の肝機能は、母数が少ないためにちょっと地 をはうようなグラフになってしまいました。  当然裏返しとしまして、生活習慣の改善状況も調査しておりますけれ ども、望ましい生活習慣度というものがすべての項目について見られま したけれども、特に男性は食事の改善度が非常に高かった。女性は、運 動を実施するようになったということで、改善された結果がこのように 健診結果に反映されてきたものだと思っております。  それでは続きまして、残り1分で一次予防に対する評価のご説明させ ていただきたいと思います。  一番最後、5ページ目と6ページ目でございますけれども、こちらは 私どもの社会保険健康センター、「ペアーレ」という愛称で呼ばれてお りますけれども、保健師と運動指導士によって6ヵ月間にわたる運動プ ログラムを実施した結果でございます。  こちらはアウトカムといたしまして、検査結果と最大酸素摂取量を用 いまして、実施いたしました。  その結果、一番最後6ページ目をごらんいただきたいと思いますが、 GOT、GPT、ヘマトクリット以外は、改善の効果が出ました。ただ、 その改善幅につきましては、確かに健診事後指導と比べまして、改善幅 は多少少なくはなっています。  以上ですが当財団で実施しております事後指導等の活動状況でござ います。 ○稲上座長  どうもありがとうございました。何かご質問がございますでしょうか。  はい、どうぞ。 ○龍井委員  とても貴重なデータだと思いました。それでちょっと心配なのは、全 体の改革の中で、私ども今ご報告を伺うまでこの財団の活動というのは ほとんど存じ上げないで、何かまた怪しげなところかなと思っていたの ですが、全くそうでないことがわかりまして、ぜひこれは充実してほし い。  ちょっと先ほどのご報告の中で、保健師の方が706人というのは、こ れは、予算上の制約ですか。つまりもう少しこれがバックアップ体制が できれば、この活動が保健師の数からいっても充実できるということな のかと。  それから社会保険庁の方に伺いたいのが、社会保険庁というか、これ 厚生労働省なのかな。つまり、これが今医療提供体制のところで議論さ れているような、要するに医療全体の、地域をベースにしたネットワー クづくりの議論がされている中で、こういう活動というか、こういう機 能がどう位置づけられていくのかなと。私は、これは十分に評価してい くべきだなというふうに感じているんですけれども、何かその点でコメ ントがあればお聞きしたいと思います。 ○社会保険健康事業財団松田業務部次長  前段につきまして、当財団としてはまだまだ保健師の増は可能だと思 っております。 ○龍井委員  ですから、その制約の要件。 ○社会保険健康事業財団松田業務部次長  すみません。ちょっと打ち合わせなしで、私どもは微妙な立場でござ いますので、申しわけございません。あとのご回答よろしくお願いしま す。 ○武田医療保険課長  委員ご指摘になったように予算の制約がございましてですね、保健事 業費を計上しておりますが、大部分が健診費用ということで、その健診 事後指導、それから健診の申し込み費用で財団に委託費を出しておりま すが、ここの予算上の制約がございまして、予算上の制約といいますか、 まずどっちが先かというのがございますが、健診の受診者のうちの、2、 3の区分のうち希望者ということでやっておりますので、これから健診 受診率を伸ばさなければならないと考えております。  したがって、そういう意味ではこの事後指導も充実をしていかなけれ ばならないのかなと思っておりますが、一方での政管の厳しい財政状況 の中で、どの辺で調和点を見出していくのかなということだろうと思い ます。  それからもう一つ、政管だけではないご指摘をいただきましたが、こ れから地域地域で保険者が協力しながら保健事業を展開していくという、 もし流れになりますと、そこはご相談の上でどういう実施体制を考えて いくのかということを、保険者間で協議をしていくということになろう かと思います。  ただ、先ほど資料の中でご説明させていただきましたように、保険者 協議会が今まさに立ち上がりつつあるところで、具体的事業展開まで行 っているところがまだ非常に少ないというふうに聞いておりますので。 保険者がそれぞれ協力すると言ったときに、その自分たちの持っている 資源、人的資源、予算的資源ということになりますが、それぞれどうい う資源を持って、どこまで協力できるのかというのを地域地域で話し合 っていくということになるのではないかというふうに思います。  とりあえず以上でございます。 ○龍井委員  すみません、1点だけ。事情はわかりましたけれども、その予算上の 制約というのを先ほど前段の方で議論があったように、こういう事業を 通じて逆に医療費が減っていくというサイクルは、かなり多分医療費の ところまで実証可能なようなレポートが出ていると思うんですね。です から、そこはぜひ総合的に検討していただきたいと思います。 ○櫻井委員  さっきの繰り返しになるのですけれども、この社会保険事業財団の仕 事については、非常に頑張っていらっしゃるのでそれなりの評価はして いるのですが、今ご報告ありましたように、集団学習等も入れて50万人 程度というと、健診を受けている人が350万人ぐらいですから、7分の 1、10何%としか事後指導を受けていないのです。さっき言いましたよ うに政府管掌というのは、小さな会社で忙しい会社ですから、地域で本 人たちの自由な時間に受診できるような、地域のすぐそばで受けられる ような受診の場所と、事後指導の場所をつくるという、地域密着型の健 診事業を考えなければいけないだろうと思います。  さっき言いましたように、全国で1,000数百という程度の、どちらか というと健診屋さん的な医療機関か、社会保険病院とか船員病院とかい うところが、健診部門ということで、朝来るとずっと流れ作業みたいに やって、3時間ぐらいたつとコンピューターに数字出して渡してしまっ て、はい、さようならみたいな、まさに健診屋さん的なことをやってい るということの根本を直さなければ、だめだろうと思っています。  身近なところで、身近な医療機関で健診を受けて、そこで事後指導も 受けるような体制をつくってあげれば、政管健保の人にとって一番いい ことができる。だから、最初から申し上げているように見直しのところ で、事後指導のことも含めてぜひ見直しお願いしたいと思うのです。  そう言っては申しわけないけれども、この事業団をどんどん大きくし て、全国で1カ所こういうものつくって、それで全部やろうといっても、 それはとても無理ですね。全国に小さな事業所がいっぱい散らばってい るわけですから、それをどうやってカバーしていくかということを根本 的に考えるべきだというふうに思います。 ○稲上座長  ほかにご意見、あるいはご質問ございますでしょうか。  それでは最後になりますけれども、お手元に参考資料1と2がありま すが、これにつきましてご説明をいただけますでしょうか。 ○医療保険課 鈴木課長補佐  それでは事務局から、参考資料1と2がございます。時間の関係がご ざいますので、要旨をかいつまんでご説明申し上げます。  まず参考資料1の方が、前回の運営懇以降、医療保険部会の方で政管 健保の改革について4月20日にご議論をいただいております。そのとき に提出された資料がこの参考資料1でございます。  かいつまみますと、3ページをごらんいただけますでしょうか。「政 府管掌健康保険の改革(イメージ)」と書いてある絵でございます。従 来が、これ左にございまして、国の中には厚生労働大臣、制度の所管の 厚生労働大臣と、それから保険者としての社会保険庁がある意味、こう 重複をしながらあるということで、その下の方に書いてございますが、 制度と保険者が一体であるがゆえに柔軟な対応が困難とか、あるいは被 保険者等の意見が反映されてないとかこういった課題から、真ん中の方 に矢印がございまして、保険者機能の発揮という観点から右の方にして いこうという資料でございます。  右の方は、国から保険者を公法人といたしまして、公法人の枠の中の 上の方にございますところにありますが、被保険者等、事業主・被用者 が構成する意思決定機関というものを設けまして、重要事項について決 めていくと。それから、下の方にぶら下がっていますけれども、各県支 部ごとにありまして、県単位での財政運営というようなことという形で、 下の方の枠外にございますが、自主・自律の保険運営、都道府県単位の 財政運営、適用徴収は厚生年金と一体と。こういったことを中心にご議 論いただいています。  もう一枚だけ医療保険部会の資料をご説明しますと、7ページの方に ございます。7ページに、これもまた絵ですけれども、「今後の政管健 保・厚生年金の適用・徴収業務のイメージ」ということでございまして、 全体の中から保険給付の部分を切り出していくと。それから、適用徴収 は年金の新たな実施組織でやっていくというようなことで、この資料を 出させていただいています。  議論の方は、都道府県別の保険料率などについていろいろご意見があ るところでございますが、全体としては秋の厚生労働省試案の提出に向 けて、この部会の方で議論を深めていく、これから議論の整理をしてい くと、こういう段階に今あるところでございます。その報告が1点でご ざいます。  それからもう一つ、参考資料2の方でございます。前回もご報告申し 上げましたが、「社会保険庁の在り方に関する有識者会議」ということ で、官房長官の会議の結果として、5月31日に報告をまとめていただい ています。  この中で政管健保の、これは年金も全体的な庁改革のもの全体でござ いまして、政管健保の関係の方が6ページあたりからなんですが、要旨 としては7ページの1つ目の丸にございますけれども、こうした関係審 議会等における議論も踏まえると、政管健保については、3つぽつがあ りまして、安定した財政運営、それから保険者機能の十分な発揮、それ から各都道府県単位で一定の自立性を有すると、こういったことが求め られると。  そこで、国とは切り離された全国単位の公法人を保険者として設立し、 財政運営は都道府県単位を基本として、「保険給付」、「保健事業」、 「保険料設定」等の事務を実施していくということ。それから、次の丸 では「意思決定機能」、「業務執行機能」、「監査機能」について責任 の分担を明確にしつつ機能強化を図る。また次の丸で「適用」、「徴収」 の事務については、公的年金の運営主体においてあわせて実施と。  それからもう一点だけ(2)のアのところで、「意思決定機能につい て」とありますけれども、丸で保険料を負担する者の意見に基づく自主 自律の事業運営を確保するため、関係事業主、被用者及び公益を代表す る有識者で構成される「意思決定機関」を設置し、運営の基本方針、予 算等の重要事項について決定すると。このパラグラフの一番最後の行で、 各都道府県別に同様の構成による評議会的組織を設けると、こういう組 織の形が示されております。  それから一番最後のページに絵が、改革の実施スケジュールというも のがございまして、18年、フロー図がございます。左側の真ん中のあた りで、18年のところで関係法案の提出ということ、それから下の方に、 20年の秋と書いてございますが、政管健保公法人の設立準備ということ で、一番下のところが20年の秋ということで、政管健保公法人の設立と いうことで報告をいただいています。  現在この後を受けまして、厚生労働大臣の主催する社会保険新組織の 実現に向けた有識者会議というところで、先ほどの医療保険部会の議論 の結果を見ながら、政管健保の組織についても検討するということにな っている状況でございます。  以上でございます。 ○稲上座長                            どうもありがとうございました。不手際で少し時間がなくなっており ますが、何かご意見あるいはご質問が特にございましたら。はい、どう ぞ。 ○山崎委員  政府管掌健康保険改革については、都道府県単位での検討がなされて おりますが、現在、政府の地方制度調査会において道州制、大都市制度 についてどのような区分けにするか等の検討がされていると聞いており ます。近い将来どのようになるかは定かではありませんが、道州制への 移行との関係はどうお考えですか。 ○武田医療保険課長  これはこの政管健保固有の問題だけではございませんで、医療制度改 革全体にその都道府県単位の運営を、都道府県の単位を軸とした保険運 営を考えていくというのが、何年か前に出されました医療改革全体の方 向性として出されておりまして、そこでその都道府県単位とする1つの 理由として、医療に関して、例えば医療計画でございますとか、保健医 療行政を都道府県単位でやっている事務が多いというのが、1つの要因 として挙げられてあったのではないかと思います。  したがいまして、ブロック化といったときに、または道州制といった ときに、その医療についてどこが基礎的自治体として、また基礎的な圏 域として考えていくのかというところがもし変わってまいりますと、ま たその医療改革の考え方も変わってくるのではないかと思いますが。当 面は先ほど申し上げました理由で、都道府県単位を軸としてということ で、政管についてもそこを軸として考えていくという方向性を出させて いただいているということでございます。 ○稲上座長  ほかにございますでしょうか。はい、どうぞ。 ○櫻井委員  これはここで言っても仕方がないことなのですけれども、政管健保の 運営を都道府県単位に持っていくということについては、それは1つに はいい案だろうと思っているのですけれども……。  しかし、保険料率を県別に定めるというような議論が進んでいるのは、 せっかく国民皆保険で国全体の、1億2千何百万人が1億2千何百万人 を支え合おうということからいうと、おかしなことをすることになるわ けです。例えば、長野県の何とか医療費が少ないから、長野県の保険料 率下げるといったら、長野県の中だって、60幾つだか70だかの市町村 の中の順番をつけていますから、市町村ごとに保険料率変えなければな らないとか、変なことが起きてしまうずです。  もっと大きく考えれば、政管健保は今1,000分の82でやっています けど、組合健保も15年度、16年度2年間連続黒字で、保険料率は一番 低いところは1,000分の50幾つでやっているところがあるわけで、これ はもともとおかしいんですね。国民皆保険だったらみんなが同じ保険料 率の保険料を払って、それで支えるべきであって、政管健保と組合健保 の保険料率を比較して、組合健保が低くて、それは努力をしているから で、政管健保は努力していないのかって言われたら、そんなことないと ぜひ言ってほしいのです。政管健保は一生懸命努力しても、それは労働 条件の悪い、小さな工場とかで、お給料も安くてひどい条件で働いたり しているから政管健保の保険は苦しいので、1,000分の80幾つになって いるのです。組合健保は、組合の努力のためではなくて、たまたま環境 のいいところでいいお給料をもらっているから、保険料率が少なくて済 んでいるというのは、おかしな話です。  国民がみんなで助け合うならば、そういう問題ではなくて、同じ保険 料率で保険を出すべきだということで、県別にすることはおろか、健保 組合も全部一緒の保険料率にして、その上で各県の運営努力をするとい うのだったら賛成できるけれども、保険料率まで変えるというのは、国 民皆保険をやめて、県保険にするということと同じで反対です。  もっと言えば、市町村でいいところは、そこだけで何とか市保険にし ますという、何とか市の中でも何とか町はいいという話になるし、何と か町で佐藤さんのところは医療費を全然使わないけれども、山本さんの ところはうんと使っているから、山本さんのところは保険料率を高くす るといったら、これは保険にならないです。  国民皆保険というのは1億2,000万人が同じように負担をして、保険 料を出してそれでやっていこうということだから、政管健保もぜひそれ で頑張ってほしいと思います。  これは意見だけですから、結構です。 ○稲上座長  ほかにございますでしょうか。  それでは、時間を過ごしておりますので、長時間にわたりましていろ いろ熱心にご議論いただきまして、どうもありがとうございました。  本日はこれで終わりにさせていただきます。 1