社会保険事業運営評議会 第6回議事録        日時 平成17年3月16日(水)15時00分〜17時00分        場所 厚生労働省専用第15会議室        出席された参集者(敬称略)         井戸美枝、遠藤寿行、遠賀庸達、鈴木正一郎、龍井葉二、宮武剛     1.開会 ○宮武座長      定刻でございますので、第6回の運営評議会を開催いたします。本日も大変お忙 しい中、お集まりいただきましてありがとうございました。ご都合で稲上毅さんと 紀陸孝さんが本日は欠席でございます。村瀬長官は所用のために途中から出席とい うことで聞いております。  また、紀陸さんからは日本経済団体連合会の国民生活本部の副本部長である遠藤 寿行さんを本日の会合に代理で出席させていただけないかという申し出を受けてお りますので、第2回目の連合の方でもそういう措置を取ったことがございますの で、皆様で御異論がなれば代理出席ということでお認め願いたいと思います。           (「はい」「異議なし」の声あり)  それではお待たせしました。遠藤さん、どうぞ御着席ください。 2.議事 ○宮武座長  それでは本日の議事に沿いまして進行をしてまいりますが、まず、本日の配付の 資料について事務局の方から説明をお願いいたします。 ○高橋総務課企画官  総務課企画官の高橋でございます。よろしくお願いします。  それでは本日、お手元にお配りしております資料の資料1、社会保険事業計画、 前回、御説明させていただきましてたくさんの御意見を賜りましたので、それを踏 まえまして修正をいたしました。資料の1−2で計画の中でアンダーラインを引い ているところが修正箇所でございますが、それを整理した横長の表に沿いまして説 明させていただきます。  本体ですと15頁に該当するわけなのですけれども、前回いただいた御意見の中 で、まず、労働保険との徴収一元化等の関係で労働保険と社会保険との共同調査の 計画数値があるわけでございますけれども、これが1,500件と比較的小さい数字で ございまして、これにつきましてこれはまだ厚生省と労働省の統合後、始まったば かりで今後、増えていくと、こういう理解でよろしいかと、こういう御指摘をいた だいたわけでございますが、この点につきまして右の修正内容でございますけれど も、読んだ方がわかりやすいように平成15年度から取り組みを開始した、こういう 点を明確にいたしまして、また、これまで実施している取り組みを今後、一層推進 するということでまだまだ数を増やしていくと記述を修正してございます。  次でございますが、本編ですと16頁でございますが、年金の裁定請求から年金証 書が届くまでの期間を示した、目標を示したところでございますが、そこにつきま して長いもので3か月、障害基礎年金ですと3か月半、老齢ですと2か月、こうな っているわけでございますが、これが一般の感覚から長いのではないかと御指摘を いただきまして、また、老齢基礎年金などの場合に通常2か月、また、加入状況の 再確認を要しない場合は1か月以内、こういう記述にしてございましたが、これに ついてどういうふうに今後なっていくのかという御指摘をいただきました。  そこで記述の中身につきましてはこれにつきまして今後、事務処理日数の短縮化 を図る、こういう趣旨から、まず、この3か月半ですとか、2か月とかという目標 値は平成17年度の当面の目標であるということを明記いたしまして、また、事務処 理日数の短縮化を図るための取り組みということ、趣旨を明記いたしまして17年10 月からターンアラウンド方式ということで裁定請求書をこちらのコンピューターに 入っているデータを事前に入力してお送りすることによって事務処理を短縮化する とともに利便性を向上することを、また、58歳到達時におきまして年金加入記録の お知らせを本人宛にお送りさせていただきまして事前に加入記録を確認していただ く、こういうことで裁定請求の際の確認をできるだけ不要とする、こういう記述を 明記いたしました。  次の頁でございますが、本編ですと23頁になるわけでございますが、17年度から 実施するID・パスワード認証方式による年金加入記録の回答業務でございます が、個人情報の保護との関係でしっかりすべき、こういう御意見をいただきまし て、これにつきましても17年度から行うものにつきましてインターネット上、I D・パスワード認証でやるわけでございますけれども、本人確認を厳格に行うため に予めID・パスワードを直ちに発行する、すぐ見れるようにするというのではな くて、インターネット上で申請して、それを自宅に郵送する、こういうことで本人 確認を厳格に行うという趣旨を明記いたしました。  本編ですと24頁になりますが、健康保険の保健事業につきましてサービス内容そ のものについてのデータを持った上でニーズをきちんと把握して判断に役立ててい く、こういう仕組みが必要ではないかと御指摘いただきまして、これにつきまして は事業者向けにアンケート調査を実施してございまして、保健事業をどのようなニ ーズがあるかということを把握した上で17年度におきましてはこれを踏まえて保健 事業の実施内容をどのように今後していくかというのを検討してまいりたいことの 記述を追加いたします。  本編ですと26頁になりますが、サービススタンダード、さきほどの年金の裁定請 求の申請ですとか、現金給付の裁定請求の申請をして証書等が自宅に届くまでの期 間を標準期間、必ず達成すべき目標期間を明示したものでございますが、これが当 面の目標なのか、最終目標なのかがはっきりわからない、こういう御指摘をいただ きましたので、記述の方ではサービススタンダードは平成17年度から新規に設定す るものでありまして、今後、設定項目の増加でございますとか、日数の短縮化でご ざいますとか、これを推進していくということを明記いたしました。  次の頁でございますが、本編ですと27頁になりますが、よくテレビのワイドショ ーなどでも社会保険事務所の窓口では3時間待ちであるとか、電話がかからないと か、こういうことが報道されると全国どこでもそのように見ている方々が思ってし まう、こういう御指摘をいただきまして、これにつきまして右側でございますが、 窓口の混雑状況、事務所別、曜日、時間帯別の平均待ち時間、これを調べましてそ の情報をホームページに掲載するということを2月から始めておりまして、まだ、 東京、神奈川、千葉、埼玉でございますが、これを全国的に実施することに17年度 してございます。これによりまして混雑の多い事務所、非常に少ない空いている事 務所がわかるようにするということでございます。  次でございますが、本編ですと28頁、競争入札の割合でございますとか、印刷物 の調達コストにつきましての目標を掲げておるわけでございますが、これが予算の 一部の目標であって全体がどうなるのかわからない、こういう御指摘をいただきま して、これにつきまして国の予算でございますので、今後の金額ということ、枠を はめるという明示、示すということはなかなかできないわけでございますが、17年 度予算につきまして16年度との対比で社会保険庁の事業運営経費が全体でどれだけ 削減することができたかの記述を明示いたしました。  本編ですと29頁でございますが、国民年金保険料の口座振替など、被保険者等に 対して良いことのPRをすべきである、こういう御指摘いただきまして、広報の部 分に記述を追加いたしまして国民年金の保険料について口座振替割引でございます とか、低所得者の保険料の減免、学生、若年者の納付猶予等々につきましての広報 を行うということを明示いたしました。  本編29頁の部分でございますが、政管健保についての情報提供がこれまで事業者 向けにはされているけれども、被保険者向けには不足しているではないか、こうい う御指摘でございまして、広報の部分に記述を追加いたしました。政管健保の保険 給付も健診・健康相談等の保健事業の実施などについてホームページに掲載する 他、被保険者に対してリーフレットなどにより、直接、周知する広報を実施すると いうことを加えました。  次でございますが、本編ですと29頁でございますが、社会保険労務士や社会保険 委員など、社会保険のサポーターに情報提供をして制度の周知や理解を広げていく べき、フィナンシャルプランナーですとか、こういうところも広げていくべき、こ ういう御意見をいただきました。これにつきましての記述としては社会保険委員、 国民年金委員、社会保険労務士等の協力・連携による周知・理解の推進という字句 を加えまして実際、社会保険委員、国民年金委員はこのような広報をしっかりやっ ていただくということで委嘱してございますし、また、社会保険労務士会でござい ますとか、フィナンシャルプランナー協会等にもこれまでの運営評議会にお出しし ているような資料をお渡しして情報提供しているということでございます。  全般論といたしまして、マイナスイメージの払拭からプラスイメージの拡大を印 象づけるような記述にしてはどうか、こういう御意見をいただきまして、全体を通 しまして17年度に新たに取り組む事業、非常にたくさんございますが、こういうも のにつきましてはひとつひとつ17年度、新規実施、あるいは16年度に新規に着手し た、こういうことを明記するということにしてございます。  また、下の方でございますが、前回、お出しした資料では現在、都道府県の社会 保険事務局単位の数字を作成した上でそれを積み上げて全国数値の計画数値にす る、こういう事項がいくつかブランクになっておりましたが、以下のように数字を 記述を加えてございます。以上でございます。 ○稼農企画課課長補佐  引き続きまして企画課の稼農でございます。資料の説明をさせていただきます。 資料の2という横の資料をお願いいたします。  先般、日付を入れておりますが、平成17年2月21日に公表いたしておりますが、 社会保険オンラインシステムの刷新可能性調査報告書の案でございます。ポイント をまとめてございまして、本体の概要資料につきましては参考資料1としてお付け いたしておりますので、のちほど御覧いただければと思います。ポイントに沿って 御説明いたします。  刷新可能性調査でございますが、電子政府構築計画に基づきまして旧式のシステ ム、いわゆるレガシーシステムと呼ばれておりますが、これにつきまして政府全体 で業務及びシステムの分析・評価及び今後の刷新の可能性につきまして調査すると いうことでございます。  社会保険オンラインシステムにつきましては16年1月からIBMビジネスコンサ ルティングサービスというコンサルティング会社に委託して調査を実施いたしてお ります。調査の中身でございますが、この報告書案、大きく2つのポイントがござ います。まず、ひとつがここに1頁目に挙げております業務改善の提案でございま す。業務面の話でございます。これにつきましてはここに箱で整理しておりますけ れども、課題といたしまして大きく3つ程、挙げられております。  ひとつめの○が国民サービスの向上ということでございますが、社会保険事務所 へのアクセス性、あるいは通知書や届書がわかりづらいなどということが指摘をさ れております。これについての改善方策といたしましては、提案されておりますの はコールセンターの機能充実、あるいはインターネットの利便性向上などでござい ます。このような改善策措置が講じられれば利用者の社会保険事務所の来所の負担 が軽減する、あるいは混雑が軽減されるということでございます。  コールセンターの機能充実とありますが、現在、都道府県単位で年金電話相談セ ンターというものを17年4月1日現在で23か所、整備するということになっており ますが、今後はそれの集約化等を図って充実していくという方向であります。  次の○でございますが、業務品質の向上ということで、個々の職員のスキルに依 存しているという課題がございます。改善の方策といたしましてはナレッジマネジ メントの構築、職員研修の充実等でございます。  一番最後の○のところでございますが、業務の効率化・合理化についての課題と しての指摘でございます。システムの保有データ同士を目視で突合して確認してい るものがあるということ、あるいは入力・交付等の業務を職員が行っている例があ る、あるいは業務の集約化により効率性を向上させる余地があるとの指摘でござい ます。  これにつきましての改善策としましてはできる限り、業務を自動化して目視等を 減らして機械的な自動化で対応する。あるいは既保有情報を活用するということ、 あるいは入力・交付等の作業的な業務についてはできるだけ外部委託化、アウトソ ーシィングをする。また、業務について集約化を図って効率化を図るということが 言われております。  その欄の効果等の部分で数字的に指摘をされておりますけれども、こういった業 務の合理化・業務配置の最適化によりまして職員で約2,500人分、職員以外で約1,4 60人分の業務量を削減または外部化できるのではないかということでございます。 ここにつきましては次のポツにもございますように要員をシフトして強化すべき業 務も提言されております。  2頁目でございます。2頁目は2つめの報告書案のポイントですが、システム自 体の刷新の方向性についてでございます。この報告書案におきましてはシステムの 刷新の可能性の大きな方向性といたしまして、大きく3つの案が示されておりま す。  最初のポツですが、初期コストをあまりかけずに早期に運用コストの削減を狙う 漸進型の刷新案というのがひとつでございます。その次にありますようにシステム の全面的な再構築によって最大の運用コスト削減を狙う、全面再構築型の刷新案と いう、大きくこの2つです。その中間的な位置づけといたしまして、記録管理シス テムがコストの大きな部分を占めること、あるいは特に年金給付システムにおける 大規模改修が予定されていることから、主に三鷹のシステム、被保険者部分です が、その再構築を行うというものが中間的な刷新案として部分再構築型の刷新案と いうことで3つの案が提示されております。  その次のポツにございますようにいずれのこの方向性につきましても現行システ ム上の制度改正による継続的かつ大規模な改修と並行して進めることとなります。 開発体制の構築や移行スケジュールの設定にあたり、十分な検討が必要というふう にされております。  具体的な金額のイメージでございますが、次の頁にございます。御説明します。 3頁です。刷新案、大きく3つございますが、全面再構築型の刷新案が一番右にご ざいまして、一番左が漸進型でございます。一番上のトータルコストの欄でござい ますが、初期コストと5年分の運用コストにつきましては現行と比べてどれぐらい の削減になるかということでございます。一番右の全面再構築型でありますと16% の削減効果という試算がされております。それに比べまして漸進型でございますと 4%というふうになっております。  初期コストでございますが、移行性の部分でございますが、初期コストの欄でい きますと一番右の全面再構築型は全体を再構築するということで約1840億円という 経費がかかるという試算でございます。一番左の漸進型でございますと740億円と いうことでございます。その開発期間でございますが、移行性の欄の一番下でござ いますが、全面再構築型でございますと3.5年、1.5年、2年、併せて7年の開発期 間を要するということでございます。漸進型でありますと3年ということでござい ます。このように刷新の方向性の違いで大きく状況が異なってまいります。全面最 構築型でありますと7年の開発期間と1840億円の費用がかかるということとなって おりまして、障壁はなかなか高いと報告書でも触れられてございます。  続きまして4頁でございます。(3)調達方式の刷新でございます。最初の○で ございますが、現行の包括的な契約からハードウェアは賃貸借契約もしくはリース 契約へ、ソフトウェアは請負による委託契約へ変更する等によりまして、契約と費 用の透明性を確保することが提案されております。また、NTTデータからソフト ウェアの利用許諾権を得るために必要な、いわゆる残債と呼ばれていますが、これ が総額で2010億円あるということでございます。その残債の返済と利用許諾契約を 分離して別個に扱えるようにするなど、NTTデータと交渉することが必要である と指摘されております。  3番目でございますが、ITガバナンス強化のための提案ということでございま す。現在、社会保険庁改革取り組んでおりましてガバナンスの強化というのがひと つのキーワード、大事な視点となっておりますが、このシステムの開発管理体制に ついてもITガバナンスの強化ということが言われています。特に2番目のシステ ム開発管理体制の強化というところでございますが、社会保険庁は現在、システム ノウハウを必要とする業務について外部委託業者に頼らざるを得ず、管理・監督機 能が充分働いているとは言えない。ITガバナンスの欠如という点が指摘されてお ります。  次の○ですが、社会保険庁がシステム開発の全工程にわたって主体性を発揮して 運営するために、外部委託会社を活用しつつ、コストの面からシステムのリソース の管理及び品質管理を行うことを重視する管理型の組織を目指すべきであるという ことでITガバナンスの強化について指摘をされております。  次の頁、5頁でございますが、今後の刷新可能性、あるいは社会保険オンライン システム見直しのスケジュールでございます。現在が2004年度の最後の部分でござ いますので、下の段にございます刷新可能性調査が終わりを迎えるところでござい ます。現在では案の段階ですのでこれにつきましてCIO補佐官等連絡会議等に御 相談をして年度内にこの案が取れまして報告書となります。  それを受けまして来年度、17年度に入りまして社会保険庁として最適化計画とい うものを策定する作業に入ります。平成17年度中に最適化計画を策定いたしまして 18年度以降、その最適化計画に則った取り組みを行うというのが大まかな流れでご ざいます。17年度の取り組みですが、最適化計画を年度いっぱいかけて作ります が、まず、ここに吹き出しでございますけれども、平成17年6月までにその見直し の方針を策定するということといたしておりまして、今後、見直しの方針を立てて 計画の策定へという段取りとなっております。資料2は以上でございます。  続きまして資料3に移らさせていただきます。独立行政法人年金・健康保険福祉 施設整理機構法案につきまして御報告させていただきます。1頁を御覧ください。  御案内のとおり、年金福祉施設につきましては年金制度の厳しい財政状況や国民 のニーズの変化等を踏まえまして今後、年金福祉施設の整備には新たに年金保険料 財源を投入しないとともに、整理合理化を進めるという方針で取り組んでございま す。その整理合理化、譲渡または廃止でございますが、これを行うための独立行政 法人年金・健康保険福祉施設整理機構を設立することとしまして、その名称、目 的、業務範囲等を法律で定めるということでございまして、この法律案につきまし ては3月4日に閣議決定を経まして国会に提出をされております。  具体的な中身ですが、法人の名称といたしましては整理機構という名前でござい ます。目的につきましては下から2行目でございますが、年金福祉施設等の整理を 図って、厚生年金保険事業、国民年金事業及び政府管掌健康保険事業の適切な財政 運営に資することを目的としております。  3番目で役員でございますが、理事長1人と理事、監事を置くという規定を置い てございます。4番目でございます。役職員の身分でございますが、いわゆる非公 務員型でございます。ただし、役職員には守秘義務が課されますとともに、刑法等 の罰則の適用につきましては公務員みなしの規定を置いてございます。  法人の業務については年金福祉施設等の譲渡または廃止です。その間、譲渡また は廃止が行われるまでの間につきましては国から引き継いで年金福祉施設等の運営 及び管理を行うということとされております。機構の解散という項がありますが、 この法律自体、5年間の時限立法という形になっておりまして、法律上、この法人 の成立後5年を経過する日にこの法人は解散するということが明記されてございま す。9番目でございますが、この法律の施行期日ですが、公布日になっておりま す。機構の設立予定日は平成17年10月1日でございます。  次の頁にイメージ図をつけてございます。2頁目でございますが、現行は左にあ りますように社会保険庁が年金の福祉施設につきまして国の所有として持っており まして、その経営を公益法人に委託しているという仕組みとなっております。これ が右側にいきますと独立行政法人の設立後でございますが、設立後は社会保険庁か ら独立行政法人に対しまして年金福祉施設について出資をいたします。出資を受け た独立行政法人は売却までの間、公益法人に対して経営を委託するという方式にな ります。下の方に矢印で書いてございますが、その福祉施設について売却がされま すと、その購入代金が独立行政法人に入ってまいります。この購入代金から左の社 会保険庁に対して矢印にありますように独立行政法人の運営経費を差し引いたもの が社会保険庁に戻ってきて、それぞれの特別会計に戻るというような形となってお ります。  次の頁、3頁目でございますが、これが独立行政法人への出資対象施設でござい ます。大きく分けまして区分で年金の福祉施設と政府管掌健康保険の保健施設とい う2つがございまして、出資対象は一番下にあります328施設となってございま す。  ○がずっとつながってきておりますが、社会保険病院のところにつきましては○ がついてございませんが、社会保険病院につきましては健康保険法の改正の際の附 則に基づきまして14年に社会保険病院の見直しの方針というものを定めておりまし て、それに基づきまして整理・合理化をするということとしております。ただし、 注の1にございますように、独立行政法人が設立された後に譲渡が適切とされた社 会保険病院については追加的に出資することを検討するということでございます。  その4頁以降はそれぞれの施設の事業内容を記してございまして、7頁以降に具 体的な施設の名称と設置場所について定めておりますので御覧いただきたいと思い ます。  資料4でございます。秋の年金広報の結果についてでございます。これにつきま しては前回、お付けすればよかったのですが、秋の年金広報につきましては今回、 社会保険庁として初めてその効果分析を行いましたということで前回、青柳部長の 方から概要の説明をいたしました。それをまとめたものでございまして、1頁目を 御覧いただきますと、秋の年金広報の結果でございますが、16年11月に年金週間と いうことで広報を行っております。  広報のテーマとしましては公的年金制度の基礎的内容の周知、あるいは(2)で 制度改正の周知、(3)で年金相談窓口の時間延長に係る周知ということで、費用 としましては233,000千円ということで実施をいたしております。  次の頁、細かくは申しませんが、2頁目でございますが、広報の手段としまして は新聞、これが中央紙4紙、讀賣につきましては15段でやっております。あと地方 紙、47紙、あとリビング紙、サンケイリビング、その他、雑誌、Tokyo Walker等あ るいは(4)で交通広告、中吊り広告も使ってございます。また、(5)でインタ ーネットのバナー広告も実施いたしております。その他、ポスターの掲示等を行っ てございます。  これにつきまして3頁目でございますが、効果の測定の調査を行ってございまし て、インターネットによるサンプル調査、あるいは讀賣新聞の購読者への電話調 査、サンケイリビングの購読者に対する調査という形で調査を行ってございます。  結果につきましては参考資料の3でございますが、これが秋の年金広報につきま して企画の会社にその結果を分析してもらったものでございまして、詳しくはこち らの方を御覧いただければと思いますが、今の資料の7頁でございますが、全体で 言いますと、資料4の薄い方の7頁でございますが、新聞広告の接触率は18%であ りましたけれども、広告内容を確かに読んだ者の率は低いということもございまし て、接触率・認知率の向上を図ることが課題と考えられております。  参考資料3にありますように年代別の調査、意識等もかいま見える調査となって ございますので、今後の年金広報にあたりましては十分踏まえて実施していきたい というふうに思っております。  あとは参考資料でございますが、参考資料1が刷新化可能性調査の全体でござい まして、参考資料2は実際に整理機構法案の法律案そのものをお付けいたしており ます。参考資料3が今の年金広報の結果でございます。  参考資料4でございますが、これは2月21日に開かれました第7回の有識者会議 で金子座長から提出されました座長メモでございます。組織の組織改革についての 座長メモでございまして、新組織のグランドデザインを描くに当たっての考慮要因 ということで基本的なコンセプト、新組織の業務範囲、医療と年金の分離、関連事 業の切り離し、民間で実施可能な事業の外部委託、組織のスリム化ということでた たき台が示されたものでございます。御参考におつけいたしております。今後、5 月に向けまして有識者会議の方でも社会保険組織の在り方について取りまとめが行 われる予定となっております。  最後に参考資料5でございます。1枚紙の横紙でございますが、社会保険業務の 市場化テストについてでございます。前々回に資料をおつけしましたけれども、今 回、ここで改めてお出ししました趣旨といたしましては、以下の3事業につきまし てそれぞれの実施場所が3つとも、決まったということでございまして、一番上の 厚生年金と政府管掌健康保険の未適用事業所の促進事業ということにつきましては 前々回にこの5か所でやりますということを御報告いたしたところですが、国民年 金の収納事務につきましては御覧の弘前、足立、熱田、大阪の平野事務所、宮崎社 会保険事務所の5か所で実施したいと思っております。年金電話相談センター事業 につきましては、御覧のとおり、茨城と広島の年金電話相談センターで実施するこ とといたしております。  それぞれ実施に向けて鋭意、準備作業をいたしておりますが、この社会保険業務 の市場化テスト、モデル事業の実施でございますが、社会保険庁のホームページに 市場化テストのコーナーを設けてございまして、そこに作業の進捗状況等につきま しては今後も載せていこうと思っておりますので、機会がありましたら御覧いただ ければと思います。資料の説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。    ○宮武座長  ありがとうございました。今回も多岐に渡る資料でございますが、事業計画案な り、オンラインシステムの報告書のポイントでございますとか、別に順番は決めま せんので御質問なり、御意見なりがありましたら御自由に発言願いたいと思いま す。どうぞ、龍井委員。 ○龍井氏  まず、資料1に関連するところで申し上げたいと思うのですが、前回のここでの 議論を受けて修正、補強していただいたのは大変画期的なことだと思っていまし て、改革の一歩という手応えがあると率直に評価させていただきたいと思っていま す。  その上で3点程、ひとつは計画の中身ではないのですけれども、せっかくこうし て運営評議会の議論を位置づけていただいたということがありますので、今後、こ の計画内容と運営評議会がそのまま残るかどうかは別にして、そういう検討の場が きちんとより明確になるような施策を講じていただきたい。  2点目は、この1−1、24頁のところで補っていただきましたアンケート結果を 踏まえて保険事業の実施内容について検討する中身です。例えばいわゆる目標だけ ではなくもっと具体的な計画段階、あるいは数値目標段階といったところにきちん とフィードバックをされて、その後も検証可能になるような、そういう意味で受け 止めさせていただきたいと思っているのですが、そういう理解でいいかということ です。  3点目は、4−4の29頁の前回、議論になりましたサポーターとしての社労士の ことを記載していただいたことはとてもいいことだと思うのですが、これも率直に 言わせていただくと私どもが相談で受けている限りではやはり未加入を指導してし まったり、あるいは偽装のアドバイスをしてしまったりというようなことも実は仄 聞されるわけで、そのケースが多いとは思っていませんが、そういうことが起きな いような今後の研修というのでしょうか、指導というのでしょうか、それはぜひ、 併せて詰めていただきたい。 ○宮武座長  それでは御答弁願えますか。 ○武田医療保険課長  保健事業につきましてアンケートを実施いたしまして、その結果を踏まえていろ いろ検討させていただきたいというふうなことで、事業計画の表現も追加をさせて いただきましたが、いろいろございます保健事業のメニューでございますとか、例 えば健診についてどれだけのニーズがあるのかということを必ずしもこれまで把握 ができていなかったとか、各種反省点がございます。  事業計画に直ちに反映できるものと一定の予算額を確保しないと、例えば健診の 数のように予算で縛りが設定をされてしまっているものもございますので、どのよ うな形になるのか、それぞれのメニューによって異なってまいりますが、例えば予 算で決められているものについては来年度の予算要求の際に参考にさせていただく とか、直ちにできるものについては直ちに取り組むもの、また、来年以降の目標と 言いましてもなかなか目標設定に馴染むものと馴染まないものがありまして大変難 しいのですが、来年以降の計画に生かしていくもの、それぞれ出てくると思います ので、委員の御指摘を踏まえてより今後の事業に反映できるように結果を活用させ ていただきたいというふうに思っております。 ○青柳運営部長  その他のものについて私の方からちょっと総括的にお答えするのがいいかもしれ ませんので、1番目の点については正直申し上げましてこうやって事業運営評議会 を作って委員の皆さんに御参画していただいたひとつの意義というのが、まさにこ うやって事業計画を御議論いただいて、それに基づいて我々が事業をやっていくと いう流れを作ることにあったというふうに思っております。その意味ではむしろ私 どもの方がこの事業計画のたたき台にいろいろ御意見をいただきましてこうやって 良いものができてきたということについては、この場を借りて改めてお礼を申し上 げなければいけないというふうに思っております。  これがそういう意味で良い流れになって引き続ききちんと行われていくように、 特に庁の組織のあり方、有識者会議等でも議論があるので、おさおさ怠りなくとい う御意見だろうと思いますので、私どももその意味ではそのような運びで今後の取 り扱いについても有識者会議へのお願いを含めてやらせていただきたいというふう に思っております。  3番目のお話でございましたサポーターに対する研修・指導というお話がござい ました。実はサポーターと言っても厳格な資格制度になっている社会保険労務士の 方々と社会保険委員、その他、ちょっと扱いも違うのかなと思います。社会保険労 務士については私ども、社会保険労務士会連合会等からお聞きしておる範囲におい ては連合会がきちんとした研修を現実に実施もされておりますし、それに基づいて さきほど御懸念のあったようなことがないような取り扱いをされているというふう に伺っております。  社会保険委員、あるいは国民年金推進委員等についてこれまでも研修、その他、 いろいろな機会を設けておりましたが、今後は例えば社会保険大学校の機能を活用 し、そういった形の研修の機会、あるいは皆様の理解なりを共通化していくという ようなことも今後の課題としてはいろいろ取り組んでまいりたいというふうに考え ております。   ○宮武座長  よろしいですか。どうぞ、各委員とも、御自由にお願いいたします。 ○井戸氏  すみません。今、社会保険大学校のお話が出たのでちょっとお聞きしたいのです けれども、業務品質の向上というのが資料2に書いてあるのですけれども、職員さ んの研修というのはどのようなものかを教えていただければ。 例えばおこがまし いのですけれども、私たちが実際に業務をやっているときに実はこういうふうにロ ープレみたいなものでやったらどうかとか、いろいろなことが細かいことが現場の ことが見えてアドバイスみたいなことができればなと思いますので、よく内容がわ からないのですけれども、多分、聞いていらっしゃるだけのことが今まで多かった と思うのですけれども、それをもうちょっとロープレ形式にするとか、そういうの が何かわかればいいかなというのがひとつあります。 ○石井サービス推進課長  サービス推進課長の石井でございます。社会保険大学校を所管しておりますので その立場で今の御質問についてお答えいたしますと、社会保険大学校の研修の仕組 みを大雑把に申し上げますと、地方庁に勤務しておられる16,500人の職員、本庁1, 000名の職員、この2つを新人のときから段階的に教育、啓発していくという機能 を持っているわけでございまして、地方庁分について申し上げますと、例えば入庁 いたしまして新人ということで研修をいたします。次に、実務の方につきまして3 年程度経過したところで、その段階での経験を踏まえた適用・医療実務、年金実 務、徴収実務等の研修というものをやっております。  さらに8年から10年ぐらい、ちょっと年齢的な、あるいは経験年数的なものもあ るわけでございますけれども、だいたい入庁して8年から10年ぐらい経ったところ で中堅職員の研修というのをやっております。今、申し上げた新人、3年乃至4年 ぐらい経過したところでの研修、中堅職員としての研修、これはすべての職員を対 象として実施しております。  これらの他と並行して、例えば年金相談でありますとか、あるいは保険料の徴収 でありますとか、その他、専門的な業務ということで区分できるものがおよそ15程 あるわけでございますけれども、そういう業務に携わるということになった場合 に、そうした職員を対象に行う業務研修という、言わば専門性の極めて濃い研修を やっております。さらに管理職になる段階ででございますけれども、管理職研修と いうものもやっておると。  今し方、井戸委員の方から例えばロールプレーイングという方式についてのお話 があったわけでございますけれども、実はいろいろと社会保険庁、接遇のあり方も 含めていろいろと御意見を頂戴しておるわけでありまして、地方庁も含めてその実 態を私どもなりにやはり見ますとそういう御指摘はやはり当たっているところが少 なからずあるという、そういう反省にも立ちましてここ2年程でございますけれど も、これらの研修において特に接遇についての研修を強化しております。  この部分は私どもは役所のスタッフが行うというよりもむしろ民間において様々 な民間企業なり、あるいは人材の要するにそういう面での啓発を専門にする、そう いうコンサルティングの会社がございますので、そちらの方から講師をお願いいた しましてかなり内容を濃くやらせていただいておりまして、その中に単なる座学で はございませんで、ロールプレーイング形式の研修というものも折り込んでやるよ うにしております。  ロールプレーイングによる研修というのはやはり研修生も事後的な評価を見まし ても非常に啓発されるところが大きいということになっておるわけでございまし て、17年度もさらに大学校の研修、専門性と実務に密着するものということで見直 しを今、かけているところでございますけれども、今、お話のあったロールプレー イング形式のさらなる導入ということもひとつの柱として地方庁の研修も含めて強 力に進めていくことにしておりますのでよろしくお願いいたします。   ○宮武座長  井戸委員、よろしゅうございますか。鈴木委員、いかがでしょうか。 ○鈴木氏  資料1−1、社会保険事業計画をこういう格好で最終的にまとめられたわけです が、やはり何と言いましても保険料の徴収率がこの計画どおり、各事務所において きっちり守られていくのかどうかということは最大の関心事であろうというふうに 思います。ぜひ、期待を裏切らないようにこの計画をきっちり守っていただければ ということが1点であります。  第2点、社会保険のオンラインシステムの更新についての検討をしておられる と。ここに案が3つ程、出て、それぞれ大変大きな費用がかかるということであり ます。こういう話をするときに我々、民間でも同じなのですけれども、日本人がこ ういうシステムを作ると大変複雑になる。非常にお金がかかる。あまりにも複雑な ものを作るばかりに残念ながらいろいろなミスが出てきたりするというようなこと があるわけです。こういった非常に歴史を背負っているわけです。長い歴史を背負 っているものですから、その都度、その都度、いろいろな条件が出てくる。しょっ ちゅう変わっていく。その背中に背負っている荷物がどんどんどんどん増えていく のだろうと思うのです。だから、もの凄い費用をかけないといけない。もの凄い時 間をかけないと回答ができない。内容が間違っていくと。  これ、私、想像で申し上げていますから間違っていたらあれなのですが、そうい うことがもしあるのだとするならば、こういう検討の中にそういう過去のものをた くさん背負っているものをどう処理、もうこれだけ、この部分に関してはここで1 回、こういう格好で打ち切ろうよ。これはここで打ち切ろうよというような議論を して、もっともっと簡素化したシステムで新しいものが構築できるともっといいの かなと。  私、内容わからず申し上げて恐縮なのですが、ですから、スウェーデンなんかは どんどんどんどんと皆が必要とする処理がじゃんじゃんと頼まなくても来ているな んていう話なんかよく聞くのですけれども、そういうふうにどんどん単純にできる ようなことにシステムを組んでいくということがあるわけで、このもの凄い複雑な 凄いものを背負わされて、そしてやつらと一緒にしろという、ノルマを与えられる とちょっと辛いところがあるのではないのかなということがあります。その点、こ の検討にあたってそういうところももう整理をするというような作業も行われてる といいのではないのかなということをひとつ感じます。  もうひとつは年金・健康保険福祉施設の整理機構というのが新しくできて、これ も予定どおり、整理始まるわけです。やはりこういう施設の売却というのは大変い ろいろな問題が絡んでいると思います。独立行政法人なるものがまたひとつ何か新 しくこういうものができるのだなというのがひとつは残念なのだけれども、しか し、こういうふうにしなければ透明性であるとか、効率性が得られないとするなら ば、これはもう作っていただくのは止むを得ないと思うのですけれども、作った以 上は今、言ったように透明性であるとか、効率性ということがきっちりやはりそこ の中で行われなければいけない。その点に対してはきっちりした報告がほしい。  これ、大変、物を売るというのは難しいと思うのです。簿価がいくらになってい て、世の中の価格がそれより低いなんていうことになるといったいどうがすればい いのだ。そうすると5年の時限だというようなことがあるでしょうから、そこで安 易な売却を行わなければいけないなんていうプレッシャー、片一方ではかかってく るでしょうし、そういう大変難しい問題があるということをやはり踏まえ、この問 題、透明性と効率性ということをきっちり実行していただきたいということをお願 いしておきたいと思います。以上です。 ○宮武座長  大変厳しい御指摘が出ました。どうぞ。 ○青柳運営部長  どうもありがとうございます。総括的にちょっと私の方から今の御懸念、お訊ね についてお答えして必要があれば各担当の方から補足をしたいと思います。  まず、保険料の徴収率についてはこれはもう予てより鈴木委員から繰り返し御指 摘をいただいているとおりでありますので、私ども、目標を目指して取り組んでい かなければいけないということで一生懸命やらせていただきたいと思います。当 面、この16年度が初年度ということでどうかということに関わってくるわけであり ますけれども、毎月の進捗管理をしている観点から申しますと1月末の最新のデー タ、私の承知している限りでは前年度に比べればプラスではあるものの、若干、目 標に比べれば物足りない部分があるという数字が残念ながら出ております。  しかしながら、これも最終的に年度末の段階で全部、数字を締めてみないと正確 なものは出てこないかもしれませんが、逆に言えば徴収についての督促体制、かな り進んでいることから15年度も若干、そういう傾向は見えたのですけれども、当年 度の、すなわち16年度に新たに発生した債権についての回収のみならず、この国民 年金の保険料、2年間の時効がありますので、過年度、すなわち本来であれば15年 度中にお支払いいただかなければいけなかった保険料、乃至は14年度中にお支払い いただかなければいけなかった保険料について、その過年度の分の徴収率というの は15年度もそういう傾向がありますけれども、若干、前よりも上がりつつある。  すなわちきちんと特例の趣旨が伝われば年金の受給権を確保する乃至は少しでも 年金額をきちんと確保するという観点からは古い、言わば債権のところから埋めて いただいた方が御本人の利益になるというケースもあるものですから、その意味で 言えば目の前の本年度に新たに発生した債権についての回収のみならず、過年度に ついての保険料納付率の推移というものも十分に見ながら、本当に被保険者お一人 おひとりにとって一番いい方法でこの徴収の問題を進めていくということが、そう いうきめ細かな取り扱いが必要なのではないかというふうに思っております。いず れにしろ、これはきちんと年度の状況がまとまったところで、改めて、この事業運 営評議会で御議論いただきたいと、御評価をいただきたいというふうに考えており ます。  2点目のオンラインシステムについてはまさに我々の抱えている直面している問 題をそのままに把握いただいて御理解いただいておりまして、大変頭の下がる思い がさきほどの御発言を伺いながらいたしました。  特に年金制度の場合には非常に古い40年、50年に渡る期間を現在の年金額という 形で、あるいは年金の裁定という形で評価しなければいけないものですから、本当 に年金制度の歴史そのものを背負って今日の姿があるというのがまさに御明察のと おりであります。  その点については私も年金制度の改正に何度が携わった身としては、特に基礎年 金というのを昭和61年以降、全国民共通の年金制度にして、この部分についてはな るべくシンプルな制度にするということを心掛けたつもりでありますが、現在、年 金を貰っておられる方々の大多数は逆に言えば基礎年金導入以前の加入記録のあっ た方々が大半でございますので、その方々の年金については残念ながら非常に長い 経過措置を背負って年金額をお支払いしなければいけないということで、残念なが ら現在、年金、受給いただいている方々については非常に複雑な制度のままに年金 をお支払いしなければいけなくて、そのことがシステムの負荷というものを非常に 高めていると、これも御懸念いただいたとおりの姿だろうと思います。  ただ、この問題もある意味で非常に二律背反するところがありまして、例えば厚 生年金などで申しますと、ある意味では非常に大きな割り切りをかつてしたことが あります。昭和32年以前の年金の加入記録についてはこれを原則として採用せずに 32年以降の記録だけで年金のいろいろな年金額を計算するというような大胆な割り 切りをかつてこういった機械化が導入される以前にしたことがございますが、逆に 言えばそれは年金受給者の数が非常に少なくてそのことによる影響の少ない時期だ からできたということもあります。  今日のように逆に年金受給者の数が3千万にもなろうとしている時期であれば、 その大きな割り切りをすることによって影響を受ける方が大変多く出られるという 悩みもあるわけでありまして、そういう年金の歴史、年金受給者の方が逆に数が多 いがためにあまり大胆な割り切りをしたときに、損得というか、影響の大きさもま た測り知れないという問題、この両方を抱えながら、ただ、年金事務処理に関して 言えば基礎年金番号という画期的な仕組みを入れたことによって非常にシステムで 年金事務処理することの効率化が図れたといういい面もございますので、御心配な ことがないように、また、制度の問題である以上、社会保険庁だけで決められない 問題も抱えつつも、簡素化という1点をやはり念頭に置きながらシステムの問題に 取り組んでいくと、これは御指摘いただいたことを肝に命じて取り組んでいきたい というふうに考えております。  最後の年金・健康保険福祉施設整理機構の問題につきましては、私ども、抱えて いる悩みをいろいろ御賢察いただいて何も私どもの方からいまさら言い訳めいたこ とを申し上げるポイントはなかろうかと存じますが、この問題についてはお訊ねの 中にもありましたように、これまで例えばグリーンピアの処理でありますとか、あ るいは労働保険関係の施設の処理について、新聞報道等によれば叩き売りと言われ ても止むを得ないような形での処理があったということが、逆に今回の年金福祉施 設の処理にあたっては決してそういうことを繰り返さないようにということで厳し く与党の方からも箍のはめられている部分でもございます。  これらの施設は国有財産でもありますので、簿価という点で言えば国有財産台帳 という形で一定のルールの下に簿価をきちんと決めるというルールが片方で行われ ております。しかし、これはあくまでも帳簿上の価格でありますから、市場に出し たときにどういう評価になるかということとは別の問題でありますので、我々のこ の議論のスタートは不動産鑑定をきちんとして時価評価をまず、明確にすると。こ こから時価評価に即した売却というものをやっていただく。これが議論の出発点で あろうかと思います。  そのためにこそ、残念というふうに御評価をいただいたわけですが、独立行政法 人を5年間の時限で作って、この独立行政法人は理事長はじめ民間のまさにこうい う問題についての専門家の方々の助力をいただいてきちんと時価評価額を反映した 形での売却が進むように取り組んでまいりたいと考えておりますので、この点につ いては御懸念のようなことがないように一生懸命、やらせていただきたい。また、 その進捗状況についてはこの運営評議会にも御報告をしながら進めてまいりたいと いうふうに考えております。 ○中野企画課長  遅れてまいりましたので、説明が重複してしまうかもしれませんけれども、若 干、補足をさせていただきたいと思います。システムの刷新の資料2の2頁目を御 覧ください。私どもの社会保険オンラインシステムが制度の歴史を背負っていると いう点について今、部長の方から申し上げたとおりでございます。その部分はなか なか如何ともし難い面があるわけでございますけれども、具体的にアプリケーショ ンの構造、作り方の中でも歴史を背負っているために複雑化しているという部分が ございます。その部分はこの2頁の表にございますようなアプリケーションの簡素 化というところでアプリケーション面での簡素化を図り、従来、歴史的なものを背 負って複雑化したものを単純化するという取り組みをしていきたいというふうに考 えています。  もう1点、御指摘の中にあった点として、あらゆる業務をシステムの中に作り込 んで処理をしていくという考え方をとるのではなくて、私ども、社会保険庁の中に システム検証委員会という組織を作りまして、今後、業務の改善をコンピューター システムに反映させる前に、そのシステム改修に見合うか、別の選択肢がないの か、別の業務の処理の方法がないのか、場合によっては外部に委託に出す、あるい はアルバイト職員を雇って処理をするというふうなことの方が効率的に処理できる 場合もあるのではないかということを十分議論をした上で、システムの改修に取り 組んでいくという取り組み方を始めております。今後、そういうコスト意識を持っ た取り組みを進めていきたいと思っております。 ○宮武座長  よろしゅうございますか。どうぞ、遠藤委員。 ○遠藤氏  資料1−1、1−2の事業計画のことで質問をさせていただきたいと思います。 さきほど保険料徴収のことについて説明がございました。こちらの資料の1−2の 88頁の方で年度別納付率の概念という図、毎年度の目標の徴収率がグラフが出てい ます。それぞれ対策を打ってこれだけの徴収率に持っていくという概念図だと思う のですが、それぞれの対策と毎年の徴収率のアップがマッチングしているのかどう か。その辺、御説明をいただければありがたいというのがひとつでございます。  あとは要望でございますけれども、この資料1−2の中程に月次の計画が出てい ます。これを国民の目から見たときに、例えば国民にとってどういう計画が毎月、 毎月、行われていくのかという見方が残念ながらできていない。  したがいまして、対国民向けとか、あるいは対事業者向け、あるいは社会保険庁 内部という区分けでも結構だと思うのですが、そうした国民にとってわかりやすい 月次計画を見せる方法はなかったのかなと思います。できればそういう示し方を今 後、していく必要があるのではないかというのが要望でございます。  龍井委員が御発言されたと思うのですが、この事業計画が進捗状況がどれぐらい になっているか、これにつきましてもやはりこの運営評議会が今後、引き続き行わ れるのであれば、ぜひ、途中でこの運営評議会にも御報告をいただきたいと思いま す。94頁のダイヤグラムの中を見ますと社会保険庁さんと地方事務局さんとの間で は進捗状況の報告等が行われて、それが厚生労働省本省の方にも報告がいくという 形にはなっているのですが、ぜひ、この中間のどこかで結構だと思うのですけれど も、報告などを受けさせていただければありがたいと思います。以上でございま す。 ○宮武座長  答弁はどちらからしていただけますか。 ○高橋総務課企画官  2点目、3点目の点でございます。月次計画の表の部分でございますが、確かに この部分は地方の事務局で作業の進捗管理的な意味でそれぞれの場所を各月次に落 としてきた。こういう御指摘のとおり、どちらかと言うと業務管理的な要素がある なと。国民全体にわかりやすくという点につきましては、また、これ、こういう事 業計画につきましてはホームページに掲載する等してまいりますが、そういう点に つきまして今後、事業がいつ頃、国民に対するサービスがどう変わるですとか、そ ういう点はその次、そのスケジュールがわかるような広報の仕方、これにつきまし て検討してまいりたいと思っております。  あと、今後、計画の進捗管理を行ってまいりますが、それにつきましては実績報 告、中途等でとってまいりますので、それにつきましては運営評議会で報告してま いりたいと思っております。 ○小寺国民年金事業室長  1点目の御質問でございますが、国民年金の保険料の行動計画とその収納率がマ ッチングしているかという御質問であったかと思いますが、資料の1−1でござい ますが、87頁を御覧いただきたいと思いますが、この真ん中のところの(2)でご ざいますが、催告状、電話の納付督励、個別訪問、集合徴収、主にはこの4つの施 策を頭に置いて計算をしておりますが、このときに16年度の行動計画を作りますと きに15年度の実績において、例えば催告状、何件、発送したらいくらの納付があっ た、あるいは電話納付督励でもそうでございますが、何件、電話をしたらいくらの 納付があったというようなことを各社会保険事務局毎に違っていますので、それを 各社会保険事務局に提示をいたしまして見込みを作ってあります。  その他に17年度以降になりますと、この同じ87頁の下の参考で書いておりますけ れども、法律改正が順次施行されていくということでございますので、そういう法 律改正の効果を見込んで平成19年度に80%にもっていこうということでの策定をい たしております。  今回は事業計画の議論でございますので平成17年度の話を申し上げますと現在、 17年度の行動計画を作ろうということで各事務局と今、相談をしているところでご ざいますが、そういう意味で申しますと効果率につきましては、16年度がまだ途中 段階でございますので見えておりませんので、まず、年度で前半で作って後半部分 については16年度の効果率が出てまいりますので、この効果率でもって10月以降と いうのがもうちょっと効果率にマッチングしたもので見直したらどうかみたいなこ とを議論しているところであります。以上です。 ○遠藤氏  そうしますと87頁の下の方の法律改正事項の納付率への影響が、結構大きな数字 になると思うのですが、これはほぼ達成できるものなのでしょうか。どの程度の信 頼性があるかどうかということなのですけれども。 ○廣瀬数理調査室長  数理調整室でございます。今、ございましたのは法律改正の影響というところで ございますけれども、確かに19年度に平均で累積いたしまして9.2%、言ってみれ ば16年から19年までの納付率の上昇分のうちの約半分を占めているというところで ございます。これはもともと推計を立てる上でこのぐらいの影響があるだろうとい うこと、これはいろいろ庁で調査を行っておりますのでそこから推計しているもの でございます。  ただ、あくまでもこれは天から降ってくるわけではなく、例えば免除にしろ、口 座振替にしろ、向こうからやってくる、お客様の方からやってくるわけではなく、 こちらの方から精一杯行うことによってこのぐらいの効果があるだろうという形で 推計してきているところでございます。ということで考えておりますので、このぐ らいはまず制度改正の方でのサポートがあると、あと、残りの部分というものは職 員、我々の方で努力という形でもってその両輪で80%という納付率を達成していこ うというもので作られているものでございます。以上でございます。 ○遠藤氏  ぜひ、御努力をお願いいたします。 ○宮武座長  それに関連して言いますと基礎年金給付、国庫負担3分の1から2分の1に引き 上げたときにどういう影響が出るのかと予測しておられますか。要するに大変お得 な制度変更になるわけですが、それが納付率の向上につながるか、内々には推し量 っておられませんか。 ○廣瀬数理調査室長  今ありました「国庫負担そのものが3分の1から2分の1となる」、このPR効 果と申しますか、そういうものまでを推計に含めているかということですと、その 点は盛り込んでいないというところでございます。 ○井戸氏  すみません。ちょっとお話が飛んでしまうのですけれども、オンラインシステム のことでお聞きしたいのですけれども、このシステムに関する今回の調査というの は今の年金のシステムのお話をされていたのですけれども、これは政管健保とか、 船員保険の4つであるのかなと思うので、費用の面から全体をまとめてちょっと議 論するというのは無理があるかなというふうに思います。  というのは医療と年金、システムの構造をそのものが違っていて、医療では例え ば今、3割負担なので10万円医療費がかかったら3万円、自己負担するわけですよ ね。そうするとかなり大きな支出なので、その支出に関して明細とか、支出内訳と いうのが病院からは貰えるのはあるのですけれども、実はほとんど出てこないとい うのが現状なのです。  システムを今度、変えていかれることになるとすれば、混合診療の議論がなされ ていますので、自分がいくら払って、その負担割合、要するに介護みたいに報酬単 価がいくらでどういう治療を受けたからいくらかかっているというようなことが病 院側からではなくて保険者側から一月の費用明細が求められるようになるのではな いかなと思っているのです。  だから、それを出すには凄いコストも当然かかってくるとは思うのですけれど も、今からそれに見合ったシステムの導入を前提にしておかないとサービスの水準 というのが何か低く見られがちでないかなというふうに思っています。ですから、 年金と分けてということを考えるということに対しては今回のシステム刷新の方向 性を示していますけれども、医療の部分に関しては現行のシステムの改修だけで間 に合うのかなとも思うのですけれども、その辺のところがよくわからないので御検 討の経緯というものをお聞かせ願えたらなというふうに思っています。 ○青柳運営部長  まず、ここで言うシステムというのは広いシステムという意味でのシステムと狭 い意味でのシステムと両方があるものですから、ちょっと議論も混乱してしまう部 分があるのですけれども、例えば何百億かかるという議論で今しているところのシ ステムは狭いシステム、2番目の項目で当たるところで狭いシステムとまず考えて いただきたいと思うのですが、これは現在、医療保険、年金は三鷹で、例えばその 他の保険料の納付、あるいは被保険者として適用する記録、これは医療保険も年金 も三鷹の業務センターで記録はされているのですが、実際の給付の仕組みをそうい う意味でシステム化しているのは高井戸にあります年金についてのシステムだけで す。つまり加入記録があって、それを年金の受給記録に結びつけていくという作業 は高井戸にあるシステムが年金についてのみやっています。  したがって、医療保険についてはそういう給付のシステム化というのはこの体系 の中では行われてないのです。逆に医療保険については支払いのところは御存知の ように各医療機関が診療行為をすると、それをレセプトという形にまとめて、例え ば被用者保険であれば社会保険診療報酬支払基金というところに請求をして、支払 基金が審査をした上で、各保険者にこれで払っていいですかということを請求書と いう形でもってきて、保険者がチェックをした上でそのとおりであれば支払基金を 通じて各医療機関にお支払いをする、こんなようなやり方になっているものですか ら、この仕事の仕組みはさきほど申し上げた何百億かかるという意味でのシステム とは別の言わば流れでできているということがまず1点あります。  その上で、医療保険の方についてもうちょっと患者の方が実際に自分たちの医療 費、どのぐらいかかったのかということを知るような仕組みがないかというお訊ね になると思いますが、これについては従来、医療費通知という形で非常に限定され た年に何回、例えばあなた及び家族の人が医療保険、こういうふうにかかりました よということをやらせていただいたのですが、今後は1年分の医療費についてどう いう形でいくらぐらいかかったかということを通知できるようにということで、そ ういう意味での仕組みの改善をしたいというふうに政管健保についても考えていま す。  もちろん医療保険は私どもがお世話している政管健保以外にも組合健保さんやあ るいは自営業であれば国民健康保険ということでそれぞれの保険者の置かれている 状況は様々でありますから、社会保険庁として責任を持ってお答えできるのは政管 健保だけなのですけれども、政管健保についてはいずれにしろ、今、申し上げたよ うに1年分の医療費の通知ができるような仕組みに改めたいというふうに思ってい ます。  また、医療費通知が来るまでの間、では、自分の払った医療費、わからないので はないのかというお訊ねについては、今度はレセプトという形で医療機関から社会 保険診療報酬支払基金を通じて各保険者に請求のある請求書についての、これは個 人情報の開示という対応になりますけれども、これも今でも御本人から請求があっ た場合にはレセプトの開示という形でお答えをするということは対応していますけ れども、この4月から行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律が施行され ますので、それに見合った形でより御本人からの請求に対応しやすいような仕組み を今、見直しも図っていますので、そういう形での医療費についての自分の情報が 知りたいということへの対応もできるようにさせていただいています。 ○武田医療保険課長  この社会保険庁の業務で使っておりますシステムにいくつかの種類がございまし て、今回の刷新可能性調査で主にレガシーと言われているところを中心とした刷新 可能性の調査をやっています。今、話に出ました、例えばレセプトというのが毎 月、保険者の方に送られてくるのですが、これは紙で保管せずに画像情報、その他 電子情報で保管するというようなシステム開発を行って運用しておりますけれど も、これは今回の刷新可能性調査の中には実は含まれていない。そういうシステム と言ってもいろいろな種類があって、このメインフレームで処理されているもの と、また、別のシステムというのがあって、複雑に全体のシステムを形づくってい るということであります。  今、お話に出ましたように、今後、患者負担と保険給付の関係というのはだんだ ん込み入った形になってくるのだろうと思いますが、医療費総額は通知をさせてい ただきましたが、中身がわからないということになりますと、レセプトを実際に見 たいというニーズはだんだん増えてくると思います。それが今、紙ベースで処理を されておりまして、私どもの方で画像に直して電子的な保存ということですが、こ れも将来的には電子情報のままで医療機関から支払機関、支払機関から保険者の方 に流れてくることを、ぜひ、政府全体として目指したいという方向にはございま す。  そういうことがありますのでシステム自体も変わっていくと思いますし、また、 政管健保につきましては組織形態の見直しも今、議論されて医療と年金の分離とい った問題も俎上に上がっておりますので、そういう中でどういうふうにしたら、ま ず、どの業務が切り分けられるのか、また、どういうふうにシステム構成をすれば 一番効率的なのか、やや難しい問題がいくつか今後の展望を考えますとございま す。その中でなるべく効率的で、かつ御指摘がありましたようなやはり医療と年金 の業務の性格の違いというものはどうしてもございますので、それを踏まえて最適 なシステム構築ということでもう少し議論、検討させていただきたいというふうに 思っております。 ○龍井氏  今の課長の発言と関連するのですけれども、今後の検討の進め方です。調査の視 点のところで書かれているように今回も非常に限定された範囲で、今、いみじくも 御指摘になったように組織のあり方の議論、例えばということで基礎年金税報酬の 議論、あるいは加入要件そのものも見直ししていくというような議論もこれからあ り方の議論の中では多分、出てくるのであろうと思います。  もしも、そういう議論になってしまえば、もう嫌でも全面再構築型にいかざるを 得ないのかなということもあり得ると思います。これからの検討をしていく場合に そういうものを制度設計なども見込んで6月と言われていますが、どういう場でそ の判断をされようとしているのか、もし、今の時点でお考えがあればお聞きしたい と思います。  資料3についてですが、1点目は非常に単純な質問で、一応、5年という年限が 限られているわけですが、仮の話としてそれまでにこの任務が完了しなかったとい うことも残念ながら想定はされるわけです。そういう場合はどういうことになるの かという素朴な質問が1点目。  2点目は、この譲渡か廃止かというとても難しい判断だと思うのですが、これは 当然、社会保険庁としては出資をするだけですから、いちいち指示をするわけには いかない。ただし、廃止ということになれば当然、これ、雇用問題にも直結します し、あるいは健康管理センターが果たしている機能のように売れないからなくせば いいという話でもない。そうなると実施計画の内容そのものについての判断、是非 の判断というのはどこかでいるのかなと思います。独立していると難しいのですけ れども、それをどんな仕組みで考えておられるかということが、もし、今の時点で わかれば教えていただきたいと思います。 ○中野企画課長  まず、オンラインシステムの最適化の方針、見直し方針の策定の部分についての お訊ねでございます。社会保険庁をめぐる、なかなか難しい状況がございます。そ れを踏まえながらどう進めていくか。私どももその外部の状況を見ながら対応して いくこととしております。  現時点でこのレガシーと言われているコンピューターシステムの見直しについて 政府全体でのスケジュール、進行について申し上げますと、6月までに見直し方針 を決めるということになっております。この部分についてはそれぞれシステムを所 管している省庁がそれぞれ様々な状況を判断して自分たちの方針を決めていくとい うことなりますので、社会保険庁につきましても社会保険庁内の検討委員会で議論 をしてまいりますし、その方針についてはCIO補佐官のアドバイスをいただきな がら進めていくということになります。手続きとしてその方針についてはパブリッ クコメントにかけることとされておりまして、そうした手続きを経て6月に方針を 決めていくことになります。   ○朝浦参事官  独立行政法人の件、2点、御質問がございました。仮に5年で譲渡または廃止で きなかった場合でございますけれども、参考資料3の1頁目の6に書いてございま すけれども、法人の解散のところで機構は成立後5年を経過する日に解散すること とし、その資産又は債務は解散の時において国が承継するという規定を書かせてい ただいておりまして、独立行政法人が持っている資産及び債務についてはここでは 国と書いておりますけれども、それぞれの特別会計が承継するという法律上の手当 はしているところでございます。  独立行政法人が行う業務につきまして国の関与はどの程度まであるのかという御 質問だったと思いますけれども、売却に関する基本的な考え方ですとか、あるいは その際の雇用問題についての配慮につきましては、独立行政法人を作りますときに 厚生労働大臣がいわゆる中期目標というものにそういった事項についての記載をい たしまして、それを独立行政法人に指示をし、その指示の下に独立行政法人が中期 計画を作ると、こういった仕組みになっておりますので、その段階で具体的な方針 については検討してまいりたいというふうに考えております。 ○龍井氏  それはそうだと思うのですが、あまり叩き売りにならないようにすると言っても そうはいかない場合があるわけですよね。そのときの判断がもうその価格で不本意 ながらやってしまうのか、あるいは廃止なのか、計画にあったとしても具体的な判 断についてチェックというのでしょうか、それが妥当かどうかということがどこで 判断されるかという趣旨の質問です。 ○朝浦参事官  独立行政法人の制度におきましては独立行政法人の評価委員会というものが設け られておりまして、厚生労働省の中に現在、年金関連の評価委員会はございません けれども、新しくこのための部会を設けて、ここで事後的なチェックをするという ことになろうかと思います。 ○宮武座長  よろしいですか。福祉施設の中では例えば老人ホーム、これはおそらく軽費老人 ホームですか、終身利用型の有料老人ホームもありますけれども、この資料3の4 頁に老人ホームと書いてありますが、これは老人福祉法に基づく有料老人ホームと 書いてございますが、昔で言うよく言っていた軽費老人ホームのことを言っている のでしょうかね。 ○朝浦参事官  老人ホームはいわゆる有料老人ホームを指しておりまして、当初、長期入居型と して作っていたものが一部、宿泊型になったものもございます。全体として見れば 軽費老人ホームという類型ではなくて有料老人ホームという形態でございます。 ○宮武座長  いずれにしろ、そこに入居者がおいでになるわけですよね。それは5年間の中で どんなふうにされるのですか。 ○朝浦参事官  それぞれの施設毎に対応は異なってくると思いますけれども、かなり入居者の方 が多くて地域にとって極めて重要だというようなところについては施設の機能の維 持を条件とした譲渡という形になりますでしょうし、他の有料老人ホームでも十分 対応可能であるというようなことで判断された場合には、施設の機能の維持という のは条件につけないで譲渡をするというような対応になろうかと思います。 ○宮武座長  私の一部の印象ではもの凄く古いですよね。老朽化していますよね。 ○青柳運営部長  今、座長のおっしゃった老人ホームはむしろ後ろの資料を見ていただくとおわか りだと思うのですが、老人ホームということでおそらくイメージされているのはこ の資料の7頁の老人ホーム、32か所あるような施設を御念頭に置いておられるのか なと。たまたま話題になった終身利用老人ホームは8頁の方にサンテールという形 で書いて、実は1個しかないのですけれども、これはさっき参事官の方から話した ようにかなり本格的な有料老人ホームです。  おそらく御覧になったのは7頁の方のものだろうと思います。これについては確 かにかなり昔にできたものもあったりしてそれはそれでそれぞれの対応に応じて、 入居者の方に御迷惑をかけないように整理をしていくということで臨ませていただ きたいなと思っています。 ○宮武座長  逆に言うと、残されるのは何なのでしょうか。 ○青柳運営部長  さきほども説明がありましたように社会保険の関係の福祉施設と言われている施 設の中で残るのは1つは社会保険病院、船員保険の施設についてはこれは御存知の ように事業主が別個に福祉施設保険料を払ってお作りになっているという施設なも のですから、私どもが勝手に処分できないという部分もあって、これは事業主、被 保険者の御相談を別途する中で個別の施設の廃止などを、これまでも御相談いただ いているという経緯があるものですから、これは別枠ということでやらせていただ いています。 ○宮武座長  遠賀委員、いかがでございますか。何かございましたら。 ○遠賀氏  資料1−2の88頁によりますと、16年度の目標率は65.7%達成見込みというふう になっておりますが、現状はどうなっているのでしょうか。この目標達成は厳しい 状況にあるかと思いますが、その厳しさの原因はどこにあるのか、また年度末に向 けてどのような取り組みをしていらっしゃるのか、そして来年度計画にどのように 反映させておられるのか。  もう1点、広報について、先日、テレビのクイズ番組で国民年金保険料の13,300 円を40年間払った人が何歳まで生きれば掛けた分が受け取れるかという問題があり ました。73歳と正解を出した人は一人だけで、解答者の多くは100歳以上と答えて いました。すなわちほとんどの人は元がとれないというふうに思っているのです。 しかし73歳という解答を聞いて、視聴者も含めて意外に他の金融商品に比べて割が いいと思ったのではないでしょうか。  さらに、年金改革論についての報道で、若い人は将来、元がとれないとか、年金 が貰えないとか色々言われているため、その影響力もあってか、国民年金の未納者 の中にはこのように勘違いや行政不信、あるいは感情的になっている人も多くいる かと思います。このような情報不足により、結果的に年金が少なくなったり、受け られなくなったりといった本人の不利益になるわけで、もっと現在の年金制度の仕 組みについて年金特集など、テレビの番組の中でも正しく取り上げてもらう必要が あるかと思います。いろいろ難しい点はあるかと思いますが、社会保険庁がそのよ うな番組を作成、放映していただければ良いかなと思います。 ○宮武座長  大変いい御意見でございますが、第1点目あたりから回答をお願いいたします。 ○小寺国民年金事業室長  国民年金事業室でございますが、1点目の現在の実績状況はどうかという御質問 でございますが、部長がさきほど申し上げたように非常に目標数字から言うと平成 16年の65.7%という目標を掲げているわけでございますが、そういう意味からいき ますと、1月末におきまして前年度に比べて若干、上でありますけれども、その目 標に掲げている率からすると非常に厳しいという状況でございます。今後の取り組 みでございますけれども、ひとつ大きく違って良い材料と申しますか、実は昨年の 10月から所得情報が市町村の方からいただけるような仕組みに法整備が行われてお りまして、本人の所得をつかまえて免除等、あるいは強制徴収等の施策が打てるわ けでございますが、そういうものが法整備されたということがございますので、そ ういう意味では今後、若干、まだ情報も貰えない市町村もありますけれども、ほぼ 貰える状況にあります、そういった情報を入手しまして被保険者の的を絞った対策 が打てる、実施可能になるということでそういう免除対策、あるいは強制徴収対策 に今、一生懸命になっているということでございます。  その他、月1度、各事務局毎に対策本部を設けまして各事務局毎にそれぞれ地域 特性を生かした対策について検討しているわけでございますが、そこに長官を始め としまして次長、部長も行ってその議論に加わってリードしているという状況でご ざいます。したがいまして、この10月からの所得情報を活用したそういう諸施策に ついて今、一生懸命努力をしているというところでございます。 ○高橋総務課企画官  2つめの広報につきましてでございますが、テレビですとか、そういう金額、お 金の大変かかる広報はなかなか難しいということございますけれども、あるいは政 府広報でいろいろ枠を押さえている時間帯でございますとか、あるいはまた放送番 組などで、さきほど先生がおっしゃったようなクイズ番組で取り上げていただける とか、こういうのは非常にありがたいことだなというふうに思っております。  また、広報の中に間違ったことをテレビで取り上げられて誤解が広まる、こうい うこともあったりしまして、こういう場合にはそこのところは是正を申し入れると かもしてございます。今後、どういう広報戦略をとっていったら効果的かと、少な いコストで効果が上がるかということについて検討してまいりたいというふうに思 っております。 ○宮武座長  遠賀さん、よろしゅうございますか。いかがでしょうか。どうぞ。 ○龍井氏  さきほどの質問の追加になるかもしれませんけれども、今回の関連福祉施設等の 譲渡乃至廃止というのが趣旨としては財政運営に資するということを主目的とされ ているのですが、いわゆる施設というものの、例示をしますと5頁の社会保険セン ター、健康センターのような、モデル事業を実施する、あるいは6頁の健康管理セ ンターのように健診による各種検査を実施する、これはまさに施設等の等にあたる わけです。例えばこれがどういう譲渡という場合にどんなことが想定されるか、ち ょっとイメージがわかない。仮にさっきお話のあったように維持可能ということを 最初は約束をしたとしても結果的に立ち行かない場合にはなくなってもしょうがな いという判断をされるのか。  その辺を少し一律にではなくて、機能と施設とをやはり仕分けをした対策が必要 かなと。それは当然、計画の中で縷々判断されることだと思いますので、この運営 評議会の場で報告をしてもらえば済むということではないとは思いますけれども、 やはりそこはちゃんと説明責任がとれるような仕組みとやり方をぜひ、進めていた だきたいと思います。 ○青柳運営部長  今の点に関連してなのですが、龍井委員からの御要望をしっかりと受け止めて対 応させていただくのですか、今回のこの措置は大きく言えばやはり年金の保険料を 本来の仕事以外に使うなというところが問題の出発点なのです。したがいまして、 ハードであるところの施設以外の事業についても実はここにはそのハードの施設と 絡んで事業のところしか明示されていませんけれども、その他にもいわゆる委託事 業という形で様々な事業を年金の保険料を使いながら私ども、これまでさせていた だいた経緯があるのですけれども、そういった言わば事業についても原則として全 部廃止をする。  一番わかりやすい例を挙げると、これは大変御不興を買った部分もあるのですけ れども、厚生年金の整形療養事業ということで厚生年金の被保険者の方が事故に合 われて障害年金はもちろん出るわけですが、そういう方々に対して厚生年金病院 で、例えば義手、義足といったようなものを給付をする、こういったような事業も やっておりました。  しかし、これについてもさっき申し上げたように年金保険料を原則として本来の 事業以外のものに使うなというところには抵触をするものですから、残念ながら今 年度を限りとして廃止をさせていただくという決定もさせていただきましたので、 その意味で言えばそういった事業、他にきちんと言わば代替的にやってもらえるも のについてお願いをしながら不便をおかけしないということでやらなければいけな いということはもちろんのことながら、原則として年金保険料では使わないという ことで取り組ませていただいているという点だけ補足をさせていただければと思い ます。 ○龍井氏  すみません。それは承知していて、ただ、役に立っていたとするならば、今、い みじくもおっしゃったようにどこが継承するのかということが、その手当が、ケア が必要ですよね。それを確認してくださいという趣旨です。 ○村瀬長官  遅れて来ましてすみません。のちほど運営部長から詳細を聞きましてまた必要で あれば私の方からお話をさせていただきたいと思います。本日、参考資料4で新し い組織に関するたたき台ということで、有識者会議のメモをお話し申し上げたと思 いますけれども、本件に関しまして3月31日に有識者会議でグランドデザインをお 作りいただく予定になっています。その関係で、自民党等にもワーキングチームが できておりまして、今、それに向けて動きがございます。今朝ほども一部、新聞に も出ておりますけれども、自民党の厚生労働部会の幹部の会合があったりというこ とで、これからまた私も出なければならないものですから、申し訳ないのですがお 詫びを申し上げたいと思います。  組織につきましては現段階でまだ決まっておりませんけれども、大きな方向づけ ということからいきますと、さきほども御議論がありましたけれども、政管につい ては年金と切り離す方向で議論が進んでおります。これにつきましては社会保障審 議会の医療部会、明日、開かれます社会保障制度全体のあり方の中でも多分、御議 論がされるのだろうと思っております。  では、その部分がどうなるかという形態論につきましては、まだ、最終的にはそ のまま外局でやるのか、独立行政法人でやるのか、公法人でやるのか等、決まって おりませんけれども、大きな流れとしては政管健保は保険者機能をより発揮するた めに公法人の方向で議論が進んでいるのが大勢ではなかろうかというふうに思って おります。  一方、年金につきましてはまだ国でやるのか、それとも独立行政法人なのか、公 法人なのかということにつきましては議論百出でございまして、全く方向感が見え ない状況です。その中で我々がお話を差し上げていますのは、どのような組織にな ろうともやはり今やっている仕事をさらに効率的に効果的にやっていくことが重要 だと思います。これはもう当たり前のことだと思いますが、そういう点では運営評 議会の皆さん方にもそこを視野に置いて今の社会保険庁がどんな仕事をしていった らいいのか、厳しくやはり御指摘をいただきたいと思いますし、それに向けて的確 なアドバイスをよろしくお願いを申し上げます。  組織の方向感が出た段階で、さきほど井戸さんからもお話がありましたように今 後どういう仕事になっていくのかということもやはりお示し申し上げなければいけ ないだろうと思っています。組織の方向感が出た段階でまたいろいろと御相談事を させていただけたらと考えておりますので、時間の途中で失礼させていただきます けれども、悪しからずよろしくお願い申し上げます。 ○宮武座長  ありがとうございました。長官は中座されます。遠藤委員どうぞ。 ○遠藤氏  社会保険オンラインシステムの見直しですが、事務費について特例法の延長とい う形で保険料が一部使われていると認識しているのですが、これの見直しにあたっ て財源問題等も出てくると思いますので、その辺についてはよく慎重に御検討して いただきたいと思います。とりわけ仮に保険料財源を使うことになったときには、 やはり国民に対する丁寧な説明が必要になってくると思います。  これは質問なのですが、仮に年金制度改正などが今後も5年ぐらい毎に続くとし た場合、この全面再構築型刷新案についてはまたこの上に費用が上乗せされるとい う認識でよろしいのかどうか。  新しい独立行政法人整理機構につきまして社会保険病院が当面は出資を行わない ということになっているとのことですが、仮にこの追加出資をすることになった場 合は、なるべく早い段階で移してやらないと新しい独法の方も事業はなかなか難し いので、早めの対応が必要と思います。  広報については詳細な報告をありがとうございました。よく言われることでござ いますけれども、ターゲットとするグループに適したメディアがそれぞれあると思 いますので、今後もそうした考え方で年金広報を実施していただければありがたい と思います。以上です。 ○中野企画課長  社会保険オンラインシステムの見直しについてのお訊ねでございますが、この刷 新可能性調査については現時点で制度改正が見込まれているものは一応、折り込ん でおります。しかし、そこはあくまで具体的にと言うよりも大括りの考え方として 折り込んでおります。この資料2の3頁の運用コストという部分ございますが、こ ちらの中にそういった現行の制度改正に伴うシステムの改修の経費、アプリケーシ ョンの改修費用等という形で計上しておりますが、そういった部分に一応、折り込 んでおります。  現在、想定されていない改正がこの間に行われることになれば当然、その部分は 全く想定外のものとして上乗せになってくることになるわけでございます。 ○青柳運営部長  社会保険病院の件はなるべく早くというお話があったのですが、御存知のように 現在、平成15年から17年までの3年間で計画期間を置いて、その後に言ってみれば 引き続き独立でやっていけるもの、なかなか苦しいところはあるけれども、地域と しての非常に必要性の高いもの、その他、その他というのはどちらかと言うと社会 保険病院として継続する必要はないかなと思われるものという仕分けをしていくと いうルールが実は決まっています。  したがいまして17年度いっぱいまでのところで仕分けをした上で18年度以降にそ ういう譲渡に適すると思われたものは譲渡していくというのが一応、原則です。も ちろんその前に見極めがついたものについて早めに対応するということ自身は禁止 されているわけではないのですけれども、全体的には18年度以降ということになる というふうにお考えいただければいいかと思います。 ○井戸氏  社会保険事業計画には載っていないのですけれども、社会保険関係の手続きに関 してほとんどがもう電子申請できるシステムがもう完成しているのです。社会保険 事務所に出かけなくても企業さんとか、自宅から届け出とか申請とかできるように なっているのですけれども、利用状況が少しお聞きするとあまり増えていないとい うのがありまして、社会保険庁としてこの電子申請の利用促進の推進の考え方とい うのを少しお聞きしたいと思います。 ○青柳運営部長  社会保険の電子申請の関係は今、ちょっと手元にある数字だと平成15年10月から 今年の2月末までの間でトータルで3,300件ぐらいの申請になっているようです。 ただ、この中には磁気媒体プログラムを利用した電子申請で事業所が1回の申請の 中にたくさんの情報を例えば資格取得だとか、喪失だとかという情報を入れている というケースもあるらしいので、3,300件がそのままつまり資格取得1件に相当す るというわけではないということだけは御留意いただきたいと思います。  2年近く経って3,000件というのは少ないのではないかなというのはまさにおっ しゃるとおりかなというふうに思いますが、これにはどうも理由があるらしくて、 ひとつは電子申請を行います場合には電子証明書というものを介在しないと申請が 行えないということになっているわけですが、この電子証明書が法人の場合で昨年 の12月末現在で約申請件数11,000件、これは社会保険だけではなくてすべてのオー ルジャパンでのいろいろな手続きのために必要なものということ、込みで11,000 件。個人の場合にはこれは今年の2月時点での情報ですが、いわゆる電子証明書の 発行枚数が約7万枚というようなことでありまして、1億2千万の人口からすると まだまだそういった電子証明書そのものの普及率が低いということが背景にはある だろうと思います。  ただ、これの手続きも私もあまり詳しくは存じていないのですけれども、今の段 階では法人の例えば事業主が電子証明書を取得する場合には法務局経由で一定のお 金を負担してやらなければいけないというようなこともあるらしくて、ここら辺、 小さな企業などではなかなか乗りにくいという理由になっているのかもしれませ ん。もうひとつは具合が悪いのはいろいろな添付書類が必要なものが社会保険など でも申請書にあるのですけれども、そういうものについては電子申請でやるメリッ トがあまりないという問題もあるようです。  ただ、できない理由ばかりぐずぐず言っていてもしょうがないので、実はこの電 子申請については昨年の12月に閣議決定が行われていまして、その中で年間の申請 件数の手続きの多いもの、これは社会保険の手続きなど、当然入るわけですが、17 年度末までのできるだけ早い時期にアクションプランを作って公表しろという宿題 が実はありますので、今、井戸さんの方からお話のあった件についてはこの閣議決 定に基づいて私どももアクションプランを作成して具体的にそれが進むようなやり 方を考えていかなればいけないと思っています。  また、そのやり方等についてはこの運営評議会でも何らの形で御相談したり、あ るいは御報告したりして進めていきたいと考えています。 ○宮武座長  よろしいですか。他にございますか。どうぞ龍井さん。 ○龍井氏  最後に、参考資料5なのですが、市場化テストについて今の範囲でお答えいただ ければと思っている質問があります。前回だったか、前々回だったか、最初の資料 が出されたときにどういう基準でという質問をさせていただいて、まだ、具体的で なかったのでその後の検討状況があればお聞きしたいということです。やはりいよ いよ具体化の段階に入ってくると実績というものをどう見ていくかということが重 要です。例えば、徴収、あるいは収納、あるいは適用促進について個人請負的な形 で人を雇ってとにかく出来高払いでインセンティブを与えていくという場合、低い 労働条件にすればノルマの達成率は高まるかもしれないし、非常に長い労働時間の 下でということもあり得るわけです。それを結果で比べられたらこれはたまったも のではないわけなので、そのアウトプットでは見えないところについてどの程度、 目配りができるのかどうか。  あるいは相談の場合も多分、件数しか実際はできないのかもしれないけれども、 ちゃんと答えているのか。中身の質の問題は盗聴でもしない限りできないわけで す。だとしたら例えば苦情処理のようなことを後でフォローできるようにすると か、何か仕組みを考えないと、ただ、数字が出て比較しましたということでは多 分、測れない要素があると思うので、ぜひ、その辺の配慮をいただきたい。これは 最後の要望です。   ○青柳運営部長  まだ、詳細をこれから詰めなければいけないところが多いものですから、現時点 で今のお訊ねに全部、お答え、現時点ではできないところがあるのですが、ただ、 御懸念があったうちのいくつかについては私どもの考え方を申し上げれば、ひとつ はどうやって言わばそういった市場化テストの進捗状況を社会保険庁として責任持 って管理するかという話のところは大事な話だと思っています。  これは片方ではやはり任せる以上、あまり細かいこと、箸の上げ下げまでこちら が注文をつけて、まさに市場化テストの意義を失わせしめてはいかんというところ はある反面、ただ、まさに品質評価というものをきちんとしなければいけないとい う点では最低限、例えば相談件数の報告のみならず、きちんとしたモニタリングを しなければいけないだろうと。  それもどちらかと言うと利用者本位でやはり考えるべきだというふうに思ってい ますから、例えば非常にわかりやすいプリミティブな例を挙げれば礼儀正しく行わ れているかとか、相談内容が的確に把握できているかとか、迅速な対応になってい るかとか、わかりやすい説明になっているかというようなことを、例えばきちんと 電話対応の状況等を聞き取りによってモニタリングするというようなことをやって いかなければいけないのかなというのはイメージとして現時点ではあります。  どうやってそれを評価していくかのか。特に適用の促進、1番目の未適用事業所 に対して適用促進などについては、未適用事業所を加入させるという、未加入事業 者数だけたくさんカウントすればいいのかということではなくて、やはりそれがき ちんと本来の適用につながっていかなければいけないということがあるだろうとい うふうに思います。  したがって、そこら辺は業者の選び方の問題であると同時に、成果をどうやって 評価するかという、つまりインセンティブの与え方という仕組みにも工夫がいるだ ろうというふうに思っていますので、そこはだから、入口のところのみならず、そ うやってやることが結果的に加入に結びついていくような言わばインセンティブが きくような報酬の支払い方というか、そういうところも少し工夫するのかなという ふうに思っています。いずれにせよ、最初に申し上げたように今後、もうちょっと 詰めてまた御相談をするなり、御報告をするなりということで進めていきたいと思 っています。 3.閉会 ○宮武座長  それでもはもう時間もまいりましたので、今回、いただきましたいろいろな意 見、注文をぜひ参考にしていただきたいと思います。  それでは今後の日程等について事務局から連絡をお願いします。 ○中野企画課長  今後の予定でございますけれども、4月につきましては社会保険業務センターを 視察していただいたらどうだろうかというふうに考えております。5月につきまし ては20日金曜日でございますが、15時から開催をさせていただきたいというふうに 考えております。テーマとしましては平成17年度の国民年金保険料収納に係る行動 計画といったことをテーマに御議論いただければと考えております。 ○宮武座長  ありがとうございました。それでは本日の会合はこれをもって終わります。どう も御苦労様でございました。ありがとうございました。 ○青柳運営部長  どうもありがとうございました。 -42- -41-