社会保険事業運営評議会 第4回議事録         日時 平成17年1月21日(金)15時00分〜17時02分         場所 厚生労働省専用第18〜20会議室         出席された参集者(敬称略)           井戸美枝、稲上毅、遠賀庸達、紀陸孝、龍井葉二、宮武剛 1.開会 ○宮武座長  定刻になりましたので、ただいまから第4回の運営評議会を開催いたします。本 日も大変お忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。急用 ができたということで、鈴木委員が欠席でございます。  では、開催に当たりまして、村瀬長官から一言ご挨拶をいただきたいと思います。 ○村瀬長官  皆様こんにちは。本年もよろしくお願い申し上げます。  まず、私の方から1月14日に発表させていただきました社会保険庁の不祥事関係 につきまして、おわびを申し上げます。  今回の調査は、厚生労働大臣の方から社会保険庁にたまった「うみ」を出し尽く せということで、昨年の10月以降、厚生労働省信頼回復対策推進チームのもとで社 会保険庁の職員約3,000名に対しまして、ヒアリングを行い、その結果まとめた内容 でございます。  具体的には、今日書類を出させていただいておりますけれども、1つはカワグチ 技研、それからニチネン企画関連で多くの職員が金品等を受領、あるいはゴルフ接 待を受けたということがございまして、極めて公務員としては国民の皆様に対して 申しわけない行動であったと深く反省をしている次第でございます。  本件に関しましては、国家公務員倫理法の絡みで、倫理審査会と今最終的な処分 関係について打ち合わせをしている最中でございますけれども、厚生労働大臣から は早急に厳正な処分をしろという指示を受けておりまして、鋭意努めている最中で ございます。  それと同時に、二度とこういうことが起こらないように再発防止策をしっかり講 じろというのを大臣からも言われておりまして、綱紀粛正に向けて、具体的な内部 統制機能の再確立であるとか、倫理法にまたがるいろいろな勉強会であるとか具体 的な展開を進めている最中でございまして、今後こういうことがないように持って いきたいと思っております。  それから、我々の業務は社会保険業務について国民の皆様の信頼を回復すること でございます。この信頼の回復に向けて、先般80項目にわたります緊急プログラム をオープンさせていただいて、今鋭意やっているわけでございますけれども、この 部分についても積極的に、かつダイナミックに展開をいたしまして、国民の皆さん 方から少しでも信頼を回復できるような形で行動を起こし信頼をかち取りたいと、 考えている次第でございます。  そういう点で、今日のメンバーの皆様方には、今までいろいろな形で、厳しくご 意見をいただいておりますけれども、さらにもっと厳しい目で社会保険庁がやって いることを見ていただきまして、改善すべきところはどんどん改善する、悪いとこ ろはどんどん直せということで、ご指示をいただけたらと思っている次第でござい ます。  今日は、年金相談体制の問題、それから個人情報保護の問題等、資料をご説明さ せていただくと同時に、今まで取り組んできた、例えば調達委員会等がどうなった かとか、ご説明をお聞きいただきまして、特に10月以降の具体的な展開、または来 年度に向けて今やろうとしていることについて果たして正しいのか、もっと違う方 法があるのかどうか、厳しくご審議をいただけたらと思いますので、ひとつ座長よ ろしくお願い申し上げます。 ○宮武座長  はい、わかりました。 ○中野企画課長  それでは、カメラの方は退席をお願いします。  その間に、お手元のマイクの使い方についてご説明をさせていただきます。  マイクの中央にボタンがございますので、こちらを押していただきまして、ここ に赤いランプがつきます。それをご確認の上、ご発言をいただきたいと思います。 ご発言が終わりましたら、ランプを消していただければと思いますのでお願いいた します。 ○宮武座長  それでは、議事に入る前に、平成17年1月1日に社会保険庁の組織が改編された と聞いておりますので、事務局の方からご説明をお願いいたします。 ○中野企画課長  それでは、私の方からご紹介をさせていただきます。  平成17年1月1日付で、従来の総務部の地方課及び社会保険監察室を発展的に改 組いたしまして、サービス推進課及び社会保険指導室を設置いたしました。  これらの組織におきましては、利用者に対するサービス改善の推進、国民からの 苦情、意見等への対応と業務への反映及び地方組織における業務運営の強力な指 導・支援を行うことによりまして、「サービス向上」という観点から、社会保険庁 のサービス全体を横断的に統括していくことといたしております。  本日、こちらに出席しておりますけれども、担当課長の石井課長でございます。 ○石井サービス推進課長  石井でございます。よろしくお願いいたします。 2.議事 ○宮武座長  それでは、議事次第に沿いまして、本日の進行を行ってまいります。  最初に、本日の資料についての説明を事務局からお願いいたします。 ○稼農企画課課長補佐  資料の説明をさせていただきます。  本日は、資料が大きく3部構成になっております。  資料1が年金相談体制等の資料でございます。資料2が個人情報の保護の資料で ございます。参考資料が先ほど長官のご挨拶にもありましたとおり、これまでの取 り組みや公表資料を主だったものをつけてございまして、分厚いものになってござ います。  まず、最初に、長官の挨拶にもありましたけれども、不祥事関係の資料につきま して、参考資料の1でございますが、簡単にご説明いたします。  参考1の最後に1枚で概要がございます。横の図柄が入ったものでございますが、 これで簡単にご説明いたします。  まず、一番左上に金銭登録機関係でございます。これは保険料徴収の徴収業務に 用いる端末の機械でございますが、平成14年度に調達をいたしております。これに つきましては、早期の導入の必要性がございましたが、渡邉元課長の経理課補佐へ の指示によって業者選定・契約形態に影響しているという調査結果でございます。  カワグチ技研から平成14年度内に調達することを決定した結果、不適切な契約形 態、地方での随意契約ということが生じたというものでございます。  真ん中の箱が届出用紙等印刷システムでございますが、パピアートと呼ばれる機 械でございます。これは平成11年度にカワグチ技研から導入いたしております。  これにつきましては、担当班長が当時、上司の了解を得ずに契約締結前に事業を 計画している旨の文書を業者に手交していること、また、200万円を監修料名目で受 け取っているということがわかっております。それとともに、システムの導入前後 の業務管理がなおざりであったということでございます。  次の箱でございます。図書購入及び印刷発注でございますが、過去5年間にニチ ネン企画から導入した図書等につきましては、合計で11億7,300万円ということでご ざいます。この印刷物のうち、1品目につきましてはニチネン企画に受注させるよ うに渡邉課長からの指示があったということでございます。  この3件につきましては、下にございますように、3,000名を超える調査をいたし まして、カワグチ技研、ニチネン企画の役員から金品等を受領した者が100名という ことでございまして、内訳はご覧のとおりでございます。今後、利害関係の有無に ついては、精査が必要となってございます。処分につきましては、14日付で渡邉元 課長の懲戒免職処分ということでございます。  あと、届出用紙等印刷システムにつきましては、既に懲戒免職済みの担当班長で ございます。今後、厳正な処分を予定いたしておるところでございます。  再発防止といたしましては、下の箱にございますように、決裁手続の厳格化、あ るいはB番にございますように、また後ほど資料で触れますが、調達に関しまして、 社会保険庁調達委員会を設置して厳正な審査を行っているというものでございます。 右のC番でございますが、随意審査委員会による事後審査と副大臣への事前報告と いうようなもの、あるいは内部の監査の強化、それと運営評議会におきまして運営 全般にわたりまして、いろいろなご意見・ご指摘をいただきたいということでござ います。  上の箱に戻りますが、そのほかコンサルタント契約、あるいは監修料に係る追加 調査ということで公表をいたしております。  コンサルタントにつきましては、社会保険事務局OBのコンサルタント契約者が 16事務局で26人ということでございます。これにつきましては、現在勤務している 公益法人に対し処分等の検討を要請し、コンサルタント契約しないよう徹底をいた したいということでございます。  監修料につきましては、2番目の○ですが、各課の庶務担当から経理課予算班の 方に預けられまして、各課の職員数に応じて配分ということでございますが、職員 同士の助け合いの慣行を延長したものではございますが、組織的管理と言わざるを 得ないということでございまして、これにつきましては一番下にありますように、 監修料の受け取り禁止、あるいは幹部職員等によります給与の自主返納ということ で、16年10月以降、自主返納の申し出総額が約1億5,000万円となっております。  不祥事の調査報告につきましては、以上でございます。  続きまして、本日の資料につきまして、ご説明をさせていただきたいと思います。  まず、資料1でございます。  年金相談体制等でございます。  まず、1ページをご覧ください。  年金相談につきましては、ご案内のとおり社会保険事務所等におきまして、年金 相談を承っておる、あるいは電話相談等を行っておるところでございますが、大き く言いますと、この1ページのイメージ図でございますが、社会保険オンラインシ ステムの導入前後で大きく形態が変わってきております。  左側が昭和58年のオンライン導入の以前でございます。模式図として示しており ますがこのころは各地方の社会保険事務所では、オンラインの画面がございません ものですから、記録がそれぞれのところでしかないと。全国へつながったものがな いという状況でございましたので、まずA社保にある方が相談に行かれた場合に、 この方の記録が各地方にいろいろな職歴等で記録の保管が複数の事務所にまたがる ような場合には、それぞれの事務所に記録の照会をA社会保険事務所からかけると。 その回答を待って、後日、年金相談の回答をするというような仕組みで年金相談を 行っておりました。  これがオンラインの導入後になりますと、右の方でございますが、現在では、ご 相談にいらっしゃった方につきましては、その場で社会保険オンラインシステムの 端末機を社会保険事務所等でたたきまして、記録を画面で見ながら、あるいはそれ をプリントアウトして、相談者の方と即日回答というようなことで業務が行われて いるということでございます。  こういった業務の変遷につきまして、若干次のページから簡単ではありますが触 れさせていただきたいと思います。  2ページ目でございますが、社会保険サービスの事務処理の変遷をまとめたもの でございます。  本日は、厚生年金保険の一番上の段を中心にご説明いたしたいと思います。  被保険者の記録管理でございますが、以前は被保険者記録台帳という形で、本庁 の方で昭和17年6月以降保管をしておったのですけれども、昭和20年に入りまして、 戦災による焼失防止のために地方へ記録を移管いたしております。それが昭和32年 まで続いております。その後、昭和32年7月の段階ですが、それ以降の取得とか月 額変更の記録などにつきまして、地方から本庁の方へその都度進達をするという形 で記録が本庁の方にまいるようになっております。  本庁の方での記録の持ち方でございますが、当初は被保険者記録を穴の開いたパ ンチカードで記録保存をいたしておりましたが、その後昭和38年からは紙が多くな ってきたということもありまして、磁気テープで保存するようになっております。  年金の支払いの方ですが、その下の段ですが、昭和39年11月から順次高井戸の方 で一括して本庁の方で支払い事務を行うというふうになってきています。それまで は、事務所単位での支払いというようなことでやってきておりました。  続きまして、3ページに移らせていただきます。  3ページのところにありますが、年金裁定のところでございます。それまでは、 地方庁で手作業の裁定をやっておりましたけれども、43年1月に本庁の方に電子計 算機が入りまして、ここで本庁の電子計算機による裁定というのが始まります。こ の43年1月に時を同じくいたしまして、一番下の箱になりますが、年金相談体制の ところですが、高井戸の庁舎に年金相談の専用電話が設置されるというようなこと がありました。年金の支払のところで、厚生年金の方に戻りますが、昭和45年10月 のところの欄ですけれども、支払事務につきまして、高井戸の庁舎内でオンライン が開始されております。言いかえますと、高井戸の庁舎の中では、支払事務関係の 記録がみんな見ることができるというような状況になったわけでございます。  それと同時に、その下の段で、記録につきまして裁定原簿と氏名索引を画面で見 ることができるようになったということで、徐々にここをそろえていきまして、47 年には全受給者の記録につきまして画面で見ることができるようになってございま す。  続きまして、4ページに移らせていただきます。  年金相談のところで、厚生年金の部分の一番下段でございますが、昭和52年4月 のところに書いてございますが、被保険者記録の画面照写ということで、今度は被 保険者の記録管理の部分につきましても、画面で見ることができるようにというこ とで段階的にやっております。  まずは、50歳以上の方から整理しております。これは裁定請求の近い方の方から 整理をしてきたというものでございます。その右ですが、昭和54年9月になって、 年金額の試算システムを導入いたしております。一番下の段、その他の段でござい ますけれども、年金の相談体制の方です。昭和50年代の動きでございます。50年2 月から全国13カ所に端末を設置した年金相談コーナーというのを社会保険事務所内、 あるいは駅前等の人がよく集まるところに設置をしてございます。そういう動きが ございます。  本庁の方では、高井戸庁舎に年金相談センターが設置をされております。  5ページ目に移ります。  これは昭和55年以降の年表でございますが、一番左にございますが、ここでオン ラインの前期計画ということで、対象業務としましては、年金相談・照会業務、あ るいは健保・厚年保険料計算・収納業務につきまして、全国の社会保険事務所との オンラインが引かれるということで、58年2月に完成をいたしております。  こういった過程の中で、厚生年金保険の一番上段にある年金相談業務のところで すが、57年10月に被保険者の記録につきまして、氏名で検索ができるようになって おります。58年3月からは、被保険者記録の画面照写が45歳以上ということで、段 階的に下がってきております。  こういうことで、本庁と地方庁がオンラインで結ばれたということがございまし て、その後61年から63年にかけては、オンラインの後期計画ということもございま して、こういった動きの中で、年金の裁定業務のところがオンライン裁定というこ とで書いてございます。これは、社会保険事務所の方で裁定請求書をいただきまし て、その項目を打ち込むという作業を行いますと、オンライン回線を通じまして、 本庁の方に高井戸庁舎でございますが、情報が飛んでくると。そこで、裁定処理を して、その結果を今度またオンラインで社会保険事務所に配信をすると。で、社会 保険事務所の方で年金証書等が印刷をされて受給者の方に届くというようなことで、 今はオンライン裁定業務という事務の仕組みとなっております。  次のページをご覧ください。  6ページでございます。  6ページのところ、平成9年1月のところにありますが、ここで基礎年金番号が 導入されております。全国民共通の基礎年金制度が開始されましてから、記録の管 理の面で一元化を図るということで、基礎年金番号が導入されております。  一番下のその他の欄でございますけれども、平成3年から年金相談サービスセン ターという形で、社会保険事務所以外の場所で年金相談を受ける場所を設置・拡大 いたしてきております。その後、平成15年1月には、年金電話相談センターという 形で、これは都道府県単位に電話相談を受ける場所の整備ということで、順次拡大 を図ってきております。  個人情報の提供のところが一番下の段にございますが、平成14年4月にホームペ ージにおける年金の簡易額試算というのをスタートさせております。また、16年1 月からは、55歳以上の方でございますが、ホームページにおける年金額試算の受け 付けということを始めております。また、16年3月には、58歳通知ということで、 裁定請求が近くなった58歳の年齢到達された方々に対しまして、事前に記録をお送 りするということのサービスを開始いたしまして、あわせて年金見込額を希望があ れば送付するという形で事務を進めております。  このように、徐々にハード整備をしつつ、最近におきましては個人情報提供とい うことで、役所の方から情報を提供すると、しかもITを使いまして、インターネ ットを活用した情報提供促進へという形で、大きくいえば動きが出てきているとい うことでございます。  個人情報提供につきましては備考の欄にありますように、今、55歳以上の年金額 試算の受け付けにつきましては、インターネットで受け付けはいたしておりますけ れども、その回答は紙で、郵送で回答をいたしておりますが、これを17年のことし の1月31日からは公的個人認証等を用いまして、インターネットでご回答できるよ うな仕組みにしたいと考えております。  また、見込額試算の受け付けの年齢でございますが、現在55歳でありますが、そ れを17年度には50歳以上ということで引き下げを行いたいと考えております。  将来的には、インターネットで受け付けた見込額試算等につきましては、即時に インターネットで返せるような仕組みの検討をいたしたいということでございます。  また、一番下でございますが、裁定請求書につきましては、今、58歳通知で記録 確認を事前にしていただいておりますので、確認がされた方々につきまして、裁定 請求が近づいた時点で、事前に必要な記録の部分を印字した裁定請求書をお送りし て利便性の向上、事務手続の簡素化を図りたいと考えておりまして、これは、17年 度以降早期実施に移したいと考えております。  この関係で、ご紹介したいものがあります。  参考資料2−1をご覧ください。  これが社会保険庁のホームページの中にございます年金加入記録照会・年金見込 額試算のページでございます。  右にアクセスのログを入れておりますので、後ほどやっていただければと思いま すが、先ほど申しました、年金簡易額試算につきましては、一番左のものでござい ます。これはご自分で簡単に試算ができるものでございまして、ご紹介しますと、 例えば4ページをご覧ください。この4ページの画面にありますように、「あなた の、これまでの年金の加入期間を入力して下さい」ということで、ご自分で自分の 加入記録を入れるということでございます。そうしますと、5ページの頭にありま すように、「あなたは現在59歳ですね。これから60歳までに見込まれる年金の加入 期間を入力して下さい」ということで、今後60歳までの期間を入れていただくとい う形になります。その後、もう1枚めくっていただきまして、7ページでございま すが、結果が出ます。「あなたが入力された期間と平均給与月額に基づいて、簡易 試算を行った結果は次のとおりです」という画面になります。一年間に見込まれる 年金額がおよそ年額でということで、数字が入っております。そのまま、80歳まで に受け取るとした場合、幾らかということで、この試算例では2,068万円ということ でございます。  ※の2番目ですけれども、この年金簡易額試算でございますが、「あなたの共済 組合の加入期間は、老齢基礎年金の額には含まれています。また、退職共済年金の 年金額は含まれておりません」となっております。  共済関係の記録、裁定につきましては、共済組合がやってございますので、基礎 年金の記録の期間としては、この試算システムで入っておりますが、退職共済年金 の額につきましては入っていないということでございます。  今の資料の1ページ目に戻っていただきたいと思います。  1ページ目の右端が、これが年金見込額試算の申し込みでございます。これは、 その箱の下にありますように、55歳以上の方がご利用できまして、このインターネ ットの画面から社会保険庁に対しまして、自分の年金見込額試算の申し込みができ るということでございます。現在は、これで申し込んでいただいた方につきまして は、記録を計算いたしまして、後日郵送でお送りしているということでございます が、これを個人認証を用いてインターネットで返す、あるいは将来的には即時に回 答できないかということで検討していきたいと考えております。  また、真ん中の箱でございますが、今はまだ社会保険庁のホームページに入って ございませんが、17年1月31日、もうすぐでございますけれども、ここで年金加入 記録照会、あるいは年金見込額の試算の申し込みを受け付けるということでござい まして、これが公的個人認証制度を用いて、期間はしばらくかかりますが、これで 申し込んでいただければ、公的個人認証をつけて申し込んでいただいて、個人確認 ができますものですから、回答を郵送ではなくて、このいただいたアドレスに送り 返すということで、1月31日にスタートする予定でございます。  資料2−1につきましては、以上でございます。  資料1の年金相談体制に戻ります。  年金相談体制の資料の7ページをご覧ください。  これは、年金相談の件数と年金受給者数の推移を指数であらわしたものです。  昭和61年度を100とした場合の伸び率を示しております。年金相談件数の方は下の 箱の注にありますとおり、これは年金相談の内容ごとにカウントしたものでありま して、例えばお一人の方が被保険者記録の確認と見込額の試算を相談された場合は 2件というふうにカウントしてございます。また注の2ですが、この年金相談件数 は、20の事務所を対象とした実態調査等によりまして、全国推計に置き直したもの でございます。  これで見ていただきますと、年金の受給権者数でございますが、これは延べ数で ございますけれども、これにつきましては61年を100としますと、平成15年度は一番 上にあります■でございますが、229ということになって、毎年、毎年、受給権者数 が伸びていることがわかると思います。  これに対しまして、下の▲のグラフでございますが、これが年金相談件数の全国 規模でございますが、これも右肩上がりに上がってきております。特に、61年のと ころと平成8年から9年にかけての部分が山ができております。これは、61年のと きには、基礎年金制度が実施されておるということであり、8年から9年は基礎年 金番号が実施されておるということでございまして、大きな制度改正や新たな制度 の実施の場合に、年金相談が特徴的に増えているということがわかると思います。  続きまして、8ページをご覧ください。  8ページでございますが、これは平成15年度の年金相談の来訪者数でございます。 社会保険事務所等に相談にいらっしゃった人の数を全国ベースで全国集計したもの でございます。この数字は14年度からとっておりますので、14と15の比較しかござ いませんが、右の下から一番下のところを見ていただきますと、全国総合計で平成 15年度が858万6,000人ということでございまして、14年度と比較しますと、伸び率 で110%ということになっておりまして、相談者数も増えてきております。  続きまして、9ページでございます。  年金相談の現行の体制でございます。これは右の方に、上にありますように、社 会保険事務所が全国で312カ所、真ん中が年金相談センター、これが71カ所でござい ます。年金電話相談センターが16年12月末現在で17カ所ということとなっておりま す。  また、左の下の方にありますけれども、インターネットによる照会ということで、 先ほどのホームページをご紹介いたしたところでございます。  このうち、年金電話相談センター17カ所とございますが、このうちの2カ所につ きまして、市場化テストのモデル事業として実施するということで検討をいたして おるところでございまして、後ほど資料をご説明したいと思います。  続きまして、11ページをご覧いただきたいと思います。  年金相談センターにおける相談内容の割合でございます。  これは、平成15年度における年金相談センターの中での相談割合を図にしたもの でございますけれども、ご覧のとおり、全体の相談の中で被保険者記録関係が32%、 年金見込額の関係が21%、裁定請求手続関係が20%ということで、この3つだけで 7割程度を占めております。また、年金制度一般が13%、あと支払い関係で9%と なっております。  続きまして、12ページでございますが、前回と前々回の運営評議会におきまして、 お盆の時期での年金相談のモデル延長と、年金週間の11月の土日開庁につきまして、 ご説明いたしましたけれども、それを受けまして、社会保険庁では毎週月曜日に時 間延長を始めております。  これは、今年度中の予定でございますけれども、まず1番でございますが、12月 6日以降の毎週月曜日に社会保険業務センター、それとすべての社会保険事務所及 び一部の年金相談センターで受付時間を午後7時まで延長して、年金相談を実施い たしております。  注の2にありますように、1月31日と2月28日はシステムの都合によって、時間 延長はいたしておりません。  時間延長の5時以降に年金相談にいらっしゃった実績はご覧のとおりでございま す。  続いて、2番目でございますが、休日の開庁による年金相談の実施でございまし て、1月22日、明日からスタートいたします。2月19日と20日、3月12日と13日の 5日間につきまして、年度内はまず休日に社会保険事務所等を開庁して、年金相談 を実施いたします。受付時間は、午前9時30分から午後4時までとなっております。 受付時間や実施する社会保険事務所等につきましては、各社会保険事務局で異なる 場合がございます。  続きまして、13ページでございます。  今後の年金相談の方向性をまとめたものでございます。ご覧いただきましたよう に、受給権者が毎年増えてきておりまして、年金相談の件数自体も毎年増えており ます。このような中で、上にありますように、方向性といたしましては、大きく2 つあると思います。  1つは、被保険者、受給者は、社会保険事務所に行かなくて済むようにというこ とで、できるだけ、わざわざおいでいただかなくても相談対応ができるようにとい うのが1つでございます。  また、裁定手続にいらっしゃる方々につきましては、できるだけ少ない来訪回数 で済むようにというのが、今後の方向性の大きな2点目でございます。  それを、お客様の属性ごとに分解したものが次の表でございますが、被保険者の 方々に対しましては、来訪相談をできるだけ削減ということでございます。右の方 法のところでございますが、被保険者の方々は、自分の記録がどうなっているかと いうことに関心が高いものでございますから、相談の必要性をできるだけなくそう ということで、ポイント通知の方向、あるいは保険料納付額をこちらから通知する、 あるいはインターネットを活用するといったような方向で、必要性がなくなってい くのではないかということです。  2番目の箱が、裁定請求者でございます。裁定請求される方は来訪回数をできる だけ少なくということが目標でございますが、1つは裁定手続についての充実でご ざいますが、加入履歴の通知あるいは見込み額の通知ということで、こちらの方か ら通知していく。あるいは裁定請求書についても事前に送付をいたすというような 方向、あるいは電話などでの手続の説明を充実させるというふうなことでございま す。  また、手続面につきましては、わかりやすい届出手続・書類ということ。あとは インターネットなどを活用した説明ということでございます。  一番下が受給者の方でございますけれども、来訪相談をできるだけ削減する。電 話相談やインターネットへということで誘導をしていくというのが大きな方向性の 目標でございます。  相談件数の削減につきましては、わかりやすい通知書類への変更ということ、あ るいはインターネットによる利便性の向上でございます。受給者の方々につきまし ては、例えば額が変更されるとかというような場合に、額変更の通知がいったりし ますけれども、通知の内容がわかりづらいというようなことなどが相談件数増の要 因になっているということもございますので、通知書類等について、できるだけ簡 略化してわかりやすいようにということで、検討を進めていきたいと考えておりま す。  次のページでございます。  年金相談の手引書についてですが、年金制度改正が行われまして、年金制度も複 雑といいますか、新しい体制となってまいりますけれども、そのような中で、今後 年金相談の実施に当たっての手引書づくりに向けて進めていきたいと考えておりま す。  コンセプトといたしましては、現場の要望に沿った年金相談の新たな手引書の作 成ということでございまして、現場の意見もアンケート調査などで調べまして、テ ーマを明確化して仕様書をつくっていきまして、企画競争の形で選定委員会を設け て年金相談の新たな手引書づくりに向けて準備を進めていきたいというふうに考え ております。  資料1については、以上でございます。  関連しまして、参考資料の2−2をご覧ください。  これは、平成16年10月に、現在行っております社会保険オンラインシステムの刷 新可能性調査の過程で、サービスにつきましてもアンケート調査を行ったものでご ざいます。  ページをおめくりください。2ページでございますが、中ほどに実施方法という のがございます。  対象者は、社会保険事務所を利用された方でございます。実施場所につきまして は、右の方に都道府県事務局ごとに1カ所抽出いたしまして、その事務所に来訪さ れて利用された方につきましてアンケートをいただいたものです。時期は2004年7 月20日と26日でございます。  調査の客体数でございますが、一番下にありますが、配布枚数が7,979枚、回収枚 数が2,156枚ということで28%の回収率となっております。  主なところをご紹介したいと思います。  まず、4ページをご覧ください。  これは、「本日はどのような目的で来所されましたか」というようなご質問に対 する回答ですが、先ほどの円グラフと同様で、年金加入記録の照会、年金見込額の 照会、年金請求の手続というのが抜きんでて、3つが多いというようなことでござ います。  続きまして、問8です。11ページをご覧ください。  これは、「本日来所された事務所以外に、相談や手続ができる窓口がさらにある とよいと思いますか」という質問でございますが、この文章編で、下の箱に書いて あります一番上ですが、「ぜひほしいと思う」、「あるとよいと思う」と回答した 人を合わせますと、全体の7割近くを占めておりまして、窓口の拡充というのが求 められていると考えられるということでございます。  続きまして、次のページをご覧ください。  「窓口の開所時間についてどう思いますか」ということでございますが、これは 「非常に都合がよい」と「まあまあ都合がよい」ということで、肯定的な回答をし た人が全体で19%。否定的な回答の「やや都合が悪い」、「非常に都合が悪い」と いうことで回答された方が22%というような状況でございます。  続きまして、その次のページ、13ページをご覧ください。  ここでは、「本日と同様な相談・手続について、どのような時間帯に窓口が開い ていると都合がよいですか」というような調査項目でございまして、結果の棒グラ フがありますが、一番要望が強かったのが「土曜日」、続きまして「日曜日」、で 「平日の夜間」というようなご要望が多かったようでございます。  続きまして、問12でございます。16ページをお開きください。  問12です。「本日来所されてから、窓口で相談・手続が始まるまでの待ち時間は どれぐらいでしたか」ということでございます。円グラフがありますが、「10分未 満」という方が44%です。「10分以上20分未満」になると全体の47%ということに なります。これに対しまして、「1時間以上」待ったという人が全体の約3%を占 めておりまして、その平均待ち時間は、1時間31分というのが1時間以上の方の平 均ということになっております。  続きまして、19ページをご覧ください。  これは、書類の記入項目でございます。すみません。ちょっとミスプリントがご ざいまして、「非常に多い」、「やや多い」と否定的に感じている人が合わせて 10%と書いておりましたが、こちらが20%でございまして、下の段が20%とありま すが、下の段が10%でございます。「非常に多い」、「やや多い」と否定的に感じ ている人が20%。「非常に少ない」、「やや少ない」と肯定的な回答をしている人 が合わせて10%というような状況でございます。  続きまして、問16、22ページをご覧ください。  「職員の対応、事務処理は迅速でしたか」ということでございますが、これは下 の文章編のところですが、職員の事務処理については、「非常に迅速」が29%、 「まあまあ迅速」が36%ということで、合わせると全体の6割以上が迅速であると いうふうに感じているというのが調査結果でございます。  続きまして、次のページでございますが、23ページ、問17、応接態度でございま す。  職員の応接態度につきましては、全体の7割程度が「非常によい」、「まあまあ よい」というような結果となっております。  続きまして、26ページをお願いします。  「本日の相談・手続を通して、あなた個人の情報の扱われ方はいかがでしたか」 というプライバシーの話でございますが、これも下の文章編で読みますが、「非常 によかった」、「まあまあよかった」を合わせると、全体の5割ぐらいが良好だと いうこと。一方で、「やや気になった」、「非常に気になった」と感じている人も 少数であるが存在するということでございまして、どのような点が気になったかと いうのが右の棒グラフでございますが、142という指数になっていますが、「相談内 容が他の来所者に聞こえるのではないか」というようなところが気になられたとい うような結果が出ております。  このアンケートの最後でございますが、30ページをお開きください。23番でござ います。  「これまで伺ったことを通して、あなたが特に重要と考えるものを@からOの中 から重要度順に3つ選んでください」ということでございますが、上の多い順から Kがありますが、「対応職員の説明がわかりやすいこと」が重要だと、次の@では 「相談・手続に関する情報提供が充実していること」、C事務所の開所時間が延 長・土休日に開所していること」、次が「待ち時間が短いこと」、その次が「対応 職員の応接態度が親切・丁寧であること」、その次が「相談・手続が終わって、疑 問点・不明点が残っていないこと」などでございます。  これがアンケート調査の結果でございまして、本日相談体制のお話でしたので、 若干触れさせていただきました。  続きまして、資料の2でございますが、本資料の方でございます。  個人情報の保護の説明をさせていただきたいと思います。  1枚めくっていただきまして、1ページでございます。  社会保険庁における個人情報保護対策についてですが、一番上の箱のところにあ りますが、これは当然のことですけれども、社会保険庁が保有いたしております被 保険者情報とか、年金受給権者の情報といった個人情報は、数が膨大であるのみな らず、職歴や報酬などのセンシティブな情報を含むものでございます。これらの個 人情報を取り扱う官庁といたしまして、国民一人一人の大切な個人情報の保護及び 管理について万全を期していくことが、事業運営に対する理解と信頼を高めていく 上での基本となるものでございます。  現在、下の箱にありますように、社会保険庁におきましては、データ保護管理規 程を定めておりまして、それに基づいて保護管理者等を置いて管理体制を敷いてお るというのが現状でございます。  次のページをお開きください。  そういう体制でやってきておるのですが、これまで各種報道もございましたが、 問題点が指摘されております。それに対する取り組み状況をご紹介いたしたいと思 います。  問題点の箱の一番左上ですけれども、職員による年金加入記録の業務目的外閲覧 をしていたことが判明するなど、個人情報保護の徹底のための措置が不十分である という御指摘でございます。これにつきましては、矢印の右側でございますが、個 人情報へのアクセスに対する監視機能を強化しております。  1つ目が、平成16年5月に行ったものですが、これは規定を整備いたしまして、 業務目的外の閲覧を明文で禁止いたしております。  また次の・でございますが、端末操作に必要な磁気カード番号を固定化いたして おります。それまでは、社会保険事務所で端末を操作する磁気カードについては、 課の単位で払出しという形で職員に払出して、払出簿という形で台帳管理をいたし ておりましたが、それを初めから一人1枚化ということで固定化をいたしました。 平成16年7月から一人1枚化にしております。安全性確保のために、本人認識別の パスワードを導入いたしております。また、1月からは、社会保険事務所等におき ます業務目的外閲覧行為のチェックをするシステムを導入することとしております。  問題点の2番目でございますが、個人情報に関します業務委託におきまして、委 託業者からではありますが、第三者に個人情報が最大で9,000人分流出するなど、監 視のための体制が整備されていないのではないかということでございます。  これにつきましては、個人情報に係る業務委託先の選定及び監督の厳格化という 措置を講じてまいりたいと思っております。平成16年度中に、それぞれの基準づく りをいたしたいと思っております。  一番下でございますが、問題点の左側です。平成17年4月からの「行政機関個人 情報保護法」の施行に当たって、新法に対応できる体制の整備を図る必要があると いうことでございます。新しく平成17年4月から新法が施行されますので、それに あわせまして、研修の実施や諸規定の見直し、あるいは開示請求の窓口の整備とい う諸準備に取り組むということでございます。  続きまして、4ページ目を開けてください。これが今までご説明した対策につき まして図示したものでございます。  社会保険事務所で、磁気カードの番号の固定化をしたということ、あるいはアク セスに対する処理結果の確認ということでございます。  社会保険業務センターにおきましては、専用回線の利用による安全性の確保を今 やっておりますし、電算室への入室につきましては、IDカード、暗証番号及び監 視カメラによりまして、入退室の管理をしておりますということでございます。  一番右の箱でございますが、すべての職員及び非常勤職員に対する研修の実施と いうことで、昨年9月から各事務所で、個人情報保護についての研修ということで、 研修資料を本庁の方でつくりまして、配付してやっていただいておるところでござ います。  この関係で、9ページをご覧ください。  先ほど、行政機関個人情報保護法につきまして、ご説明をいたしましたけれども、 主な点だけご説明いたします。  新しい法律の留意点のところですが、対象となる個人情報につきましては、これ までは電子文書だけであったのが、紙媒体に記録されている個人情報にも法の規制 対象が拡大されるということでございます。  それと、真ん中にあります個人情報ファイル簿の作成ということで、紙情報も含 めまして、個人情報の集合物につきましては、利用の目的など所定の事項を記載し た帳簿を作成しまして、インターネット等で公表しなければならないということと されております。  また、罰則でございますが、一番下です。  これまでの個人情報保護法では、罰則規定がございませんでしたが、新個人情報 保護法におきましては、例えば一番上ですが、正当な理由なく個人の秘密が記録さ れた個人情報ファイルの提供をした場合には罰則、あるいは不正な利益を図る目的 での個人情報の提供があった場合には罰則ということで、これにつきましては、右 にかぎ括弧でくくっておりますが、行政機関の職員のみならず、個人情報の業務を 委託した受託業務の従事者につきましても、罰則が適用されるというようなことで ございます。  資料2の説明は、以上で終わらせていただきます。  残りですが、簡単に参考資料の方をご説明いたしたいと思います。  参考資料3でございます。社会保険庁予算案の概要でございますが、先般の運営 評議会におきまして、社会保険事務費等につきましてご議論をいただいております。 平成17年度政府の予算案、社会保険庁の予算案が固まりましたので、ご報告いたし ます。  全体としましては、この1ページにあるとおりでございまして、歳入歳出76兆円 ということでございます。国庫負担の額につきましては、ご覧のとおりとなってお ります。  3ページ目をご覧いただきたいと思います。  全体の概要でございますが、平成17年度におきまして、社会保険庁改革の推進と いうことで全体でございます。  社会保険庁の事業運営費、大きな字で書いてございますが、これにつきましては、 前年度予算に比べまして、342億円削減をいたした予算となっております。これは、 下の太字にありますように、福祉施設に係ります保険料による整備費や委託費を廃 止するということと、事務コストの縮減、あるいは事業効率の向上を念頭に事業運 営経費全般について見直しを行った結果、こういった削減を行っております。  また事務費でございますが、11ページをご覧ください。年金事務費につきまして は、特例措置を継続するという予算案となっております。国の厳しい財政事情に鑑 みまして、年金事務費財源の一部に保険料を充当する財政上の特例措置を継続する ということでございます。  ただし、保険料負担についての国民のご理解を得られますように、特例措置の対 象となる事務費の範囲を明確にいたしております。  保険料負担とする特例対象は、国民の理解が得られるように制度運営に直接かか わる適用、徴収、給付、システム経費に限定するということでございます。  最後のページ、12ページをご覧いただきたいと思いますが、この絵で書いており ますが、右上の太線の黒く四角く囲ったところが国庫負担でございます。国庫負担 につきましては、人件費や管理費につきまして、保険制度を支えるための経費とし て、この部分は国庫負担でということでございます。人件費や職員宿舎費、あるい は職員の厚生経費などでございます。  そのほか、@からCにあります事業運営に直接かかわる経費でございますが、適 用関係、徴収関係、給付関係、システム関係経費につきましては、保険料財源とい うことで、予算案となっております。  予算案は以上でございます。  続きまして資料4につきましては、時間の関係もあり、省略をさせていただきま す。  参考5でございますが、政管健保の収支見通しの資料でございます。  政管健保につきましては、健康保険法におきまして、おおむね5年を通じて財政 の均衡を保つことができるものでなければならないとされております。加えて、少 なくとも2年ごとに一般保険料率がおおむね5年を通じて、財政の均衡を保つこと ができることを確認して、その結果を公表するということとされておりますので、 平成17年3月末までに、平成17年から21年度の5年間についての収支見通しを確認 し、公表する必要があるということでございます。  その数字が資料の4ページになります。4ページをご覧いただきますと、平成17 年から平成21年までの政府管掌健康保険の収支見通しの数字が出ておりますが、こ れにありますように、今回の試算によりますと、平成19年度までは、財政が均衡す るということで、直ちに保険料率を引き上げなければならないという状況にはござ いません。しかしながら、今の保険料率のままでいきますと、平成20年度には事業 運営安定資金が枯渇するということで、一番下の段の事業運営安定資金が▲がつく ということで、いずれ保険料率を引き上げる必要が生ずるという状況となっており ます。  いずれにいたしましても、この試算は、あくまで試算でございますので、経済状 況等により変動が生じることがございますので、その点には留意が必要でございま す。  参考6を説明させていただきたいと思います。社会保険業務の市場化テストにつ いてです。  年末に2回の大臣折衝を経まして、社会保険業務の市場化テストにつきまして、 3つの事業で実施をするということでございます。  市場化テストは、平成17年度はモデル事業ということで実施をいたすこととして おります。一番上にありますのが厚生年金保険、政府管掌健康保険の未適用事業所 に対する適用促進業務でございます。これにつきましては5カ所の社会保険事務所 で実施をしたいということでございまして、対象の社会保険事務所は、ご覧のよう に東京管内で3事務所、あと福岡で2つの事務所、合わせて5つの事務所で実施を 予定いたしております。  また、2番目が国民年金保険料の収納業務でございます。これも5カ所の社会保 険事務所を対象として実施する予定でございますが、場所については調整中でござ います。  最後に、年金電話相談センター事業でございますけれども、これにつきましては、 2カ所の年金電話相談センターでテストを実施するということでございます。場所 については、調整中でございます。  参考7につきましては、平成16年度上半期における契約状況につきまして、本庁 と地方庁分につきまして、契約の調査をいたしたものでございます。  1枚目にありますが、全体の総契約件数が6万6,878件となっております。そのう ち、競争入札が517件、随意契約が6万6,000件ということになってございます。  時間の関係がありますので、詳しくは資料をご覧いただきたいと思います。  参考資料の8でございますが、年金給付システムの総点検の結果ということでご ざいます。  これまで、何度か年金給付の給付誤りという形で、公表をしてまいったところで ございますが、現在、昨年12月に向けまして年金給付システムの総点検作業という のを行っております。12月をめどに総点検をやってまいりましたものですから、12 月の段階で確定したものにつきまして、12月17日に公表したのがこの資料でござい ます。  この段階では、事象はわかったけれども、件数とか詳細な内容がわからないもの がありますので、これにつきましては引き続き調査をやりまして、わかり次第公表 していきたいと考えております。  参考9が最後の資料でございます。  参考9でございますが、これは社会保険庁の調達委員会における審議の概要でご ざいます。  一番下に※で書いてございますが、この調達委員会は民間のアドバイザリースタ ッフの方もご参加いただきまして、平成16年10月1日に発足し、これまでに6回開 催いたしております。上の絵にありますように、各事業課から調達計画書を提出い ただきまして、調達委員会で審査をいただくという形でございます。  右が審査結果でございますが、これまで79件のうち、52件につきまして、調達委 員会の審査を経て改善を行ったということでございます。  承認区分といたしましては78件が承認でございます。うち、52件が改善後承認と いうことです。不承認が1件ということ。これは調達の必要性が認められないとい うことで不承認となってございます。  一番下に、調達額というのがございますが、調達の計画額の段階では121億円とい う調達の計画額でございましたが、審査をした後に概算の見込額は105億円となって おりまして、16億円の削減ができております。  資料の説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。 ○宮武座長  ありがとうございました。大変、大部で多岐にわたるご説明でしたので、取っか かりが難しいかもわかりませんが、最初にご説明いただきました年金相談とか個人 情報の保護あたりから、ご質問なり、ご意見なりがありましたら、自由にお願いし たいと思います。 ○龍井氏  参考1についてですがよろしいでしょうか。冒頭、長官から非常に厳しいご挨拶 とご報告がありまして、基本的には今進められている有識者会議の方で検討される ことだと思いますので、非常に感想的なことだけ申し上げておきたいと思います。 やはり私ども運営評議会ということで、実態についていろいろ勉強させていただき ながら、今回の事態を重く受けとめなくてはいけないと思っているのですが、今1 枚のチャートで概要をお示しをいただき、迅速な対応がとられたということはうか がえました。  ただ、これだけなのかなというのが率直な思いであります。特に例示で申し上げ ますと、一番右側にあります、監修料にかかわる問題につきましても、再発防止と して受給禁止と、これはある意味で当たり前のことだと思うのです。  ただ、ここに秘められている課題について、やはりもっと解明していただきたい なと思います。これも仄聞するところ、恐らくこの監修料が行き渡った個人のとこ ろで使われたということだったら多分問題になっていないわけですよね。逆にプー ルされて、しかもそれが承るところでは、一部が深夜のタクシー代に使われていた ということもあるのだとすると、果たしてそういう勤務が強いられているという実 態がどうなのかという問題があります。また、それが管理監督責任者のところで、 きちんとした周知が行われていなかったということで今回処分されているわけです けれども、もちろん監督責任が問われることは当然だと思います。ただ、人の立場、 あるいはその人の監督責任の不行き届きということで済む問題なのか、それとも、 これもこの間ずっと指摘をされていますような、俗に言う三層構造と言われている 構造的な問題に起因するのか。やはりそこがきちんと解明されないと、もとを断っ て処分したから再発しないのだという問題とは違うのではないかという面もあると 思うのです。その辺はぜひ在り方懇の中でも議論していただきたいと思いますし、 その延長で、言ってみれば性急なと申し上げますか、いわゆる経営形態の問題にス トレートにそれが結びつけられ、あるいは一部マスコミでも解体論も含めた論調が 展開されていることはどうなのかということです。  当然、こういう問題と無関係ではないと思いますけれども、そのまま経営形態に 起因する問題であるのか。これはここの会議でも、最初に問題になっていましたよ うに、今起きていることは、それは官であれ、民であれ、独立法人であれ、何でも どういう形態であっても起ってはいけないことで、そうならないシステムをつくら なくてはいけないわけですが、そのことがそのまま経営形態の問題というふうに、 流れているような印象を受けます。ぜひ、その辺の対症療法ではない、かといって 構造的解明を経営形態ではなくて、具体的にきちんと分析をされた上で対応してい ただきということの要望だけ申し上げておきたいと思います。 ○村瀬長官  今の件について、若干触れさせていただきますと、まず1つは調査結果がどれく らいの中身まで入っているかということで、冒頭3,000名というお話を申し上げまし たけれども、一応全部個人からのヒアリングをもとにやってございます。  したがいまして、ヒアリングには当然限界があるということで、ヒアリングをし た人には、署名・捺印をちょうだいしているということでございます。そういう点 では、ヒアリングをして答えた方がもし違う答えが出てきたということであれば、 当然、署名・捺印の問題で責任を問われるということでございますので、我々とし てはそこまでしっかりやった上での答えだというふうに思っております。それが1 点です。  それから2つ目に、今回の問題のもろもろの原因がどこにあるのだろうかという ことで、1つはガバナンスの欠如という問題が、ここが最大のポイントだろうと思 っております。それは、どういう意味かといいますと、1つは厚生労働省のキャリ アと社会保険庁プロパーの人間との関係の問題、それから社会保険庁のプロパーの 人間と地方事務官制度との問題等々も含めまして、やはり業務がいい意味で切り分 けをしてやっていたという部分が、結果として牽制機能が働かなかったと思ってお ります。ある意味では組織以前の問題としまして、社会保険庁を運営していく中で のガバナンス体制をどう確立するか、これが最大のポイントだろうというふうに思 っております。  したがいまして、この部分は、組織がどうであるかにかかわらずできる話でござ いまして、人的な面でのガバナンス体制というのは、4月1日の人事異動も含めて、 今どういう対策を講じるかを考えている最中でございます。 ○宮武座長  ほかに、この問題も当然ながらご自由にご議論ください。 ○遠賀氏  ここにありますように金銭登録機、それからパピアートの件ですが、テレビや新 聞等のマスコミの記事によりますと、あまり使われていないということが言われて いるようです。これを使用するにあたって現場の人たちの要望や意見を聞いたので しょうか。それとも現場の人たちの意向を聞かずに、これらの機器を発注してから、 現場に購入するよう指示を出したのでしょうか。昨日の新聞にも書かれていました が、もしそうだとすればこれはメーカーと社会保険庁の癒着というふうにとられか ねません。これらを本当に作る必要があったのでしょうか。その点はいかがでしょ うか。 ○青柳運営部長  金銭登録機とパピアートに分けて、ちょっとご説明させていただきたいと思うの ですが、まず金銭登録機は現在国民年金推進員3,000名の方が皆さん持っておられま す。現在でも使っておる機械だということは間違いなく申し上げられるだろうと思 います。ただ、マスコミで取り上げられたときに、導入当初に使い勝手の悪い部分 が確かにありまして、それが使い勝手が悪いという一つの風評につながっているこ とはあるだろうと思います。  その後、例えばシステム的に使い勝手をよくするというふうなこともやりました。 また、16年度は競争入札という形で、カワグチ技研とは別の会社から最終的にこれ を調達することができたということもありますので、使い勝手の面と、それから調 達方法の両面で金銭登録機というのは改善もしておりますし、また国民年金推進員 の方が金銭登録機を使わないでやろうとすると、いってみれば、台帳を持ち歩いて 仕事をするようなことになってしまって、大変個人情報保護の観点からも問題があ るということも、現に導入前には問題がございましたので、今後も使い勝手のよい ものに改善していくということを前提に、この金銭登録機というものを利用してい きたいと考えております。  それから、パピアートにつきましては、金銭登録機に比べて、また3年ぐらいさ かのぼる、平成11年度当時のことでございまして、社会保険の届出、先ほども相談 業務を中心に説明させていただきましたけれども、大変多種多様なものがあって、 その届出の種類自身を少し整理していかなければいけないという大きな問題を持っ ているわけであります。なかには年に一遍か二遍ぐらいしか、窓口では使わないよ うな届出書類も、昔はたくさん倉庫に積んでおいて、そこで事務局でそれぞれまた 保管をしてというような形で、大変非効率な管理をしておりました。したがって、 これを導入した際にはパソコンとプリンターが一体になった専用装置で、お客さん が来るたびに、それを印刷して対応すれば、莫大な送付経費なんか要らないのでは ないか。こういう発想であったというふうに聞いております。  しかしながら、世は既にペーパレス時代ということになっておりますし、平成11 年度当時と比べても、我々の執務関係を一つとってみても、パソコンの性能も格段 に上がっておりますし、現在では恐らく市町村でもパソコンを自由に使いこなして 仕事をするというふうな時代になっておるということだろうと思います。現時点で は、こういったものはもはや必要ないということで、この平成16年度の年度途中か らすべて撤去するということにさせていただいております。  平成11年度の時点で必要だったものが、いつまでもずるずると使われていたと、 あるいは十分に使用実績も社会保険庁が把握をしていなかったと。この点について は既に会計検査院からもご指摘をいただいたところでありますので、私どもも大い に反省をし、改めなければならないというふうに考えております。 ○遠賀氏  今後は何ごともきちんと把握し、無駄なお金を使わないようにお願いいたします。 ○宮武座長  どうぞ、ご自由にご発言ください。井戸委員どうぞ。 ○井戸氏  年金相談のところで、システムのところの資料1をずっと見ていたら、昭和63年 2月からシステムの設計思想というものが全く変わっていないというのを見まして、 ちょっと正直なところびっくりしたのですね。年金制度が非常に複雑になってきて いるので、当然更新をかけていろいろ変えられているとは思うのですけれども、そ ういう継ぎはぎというと、ちょっと言葉がきついかもしれないですけれども、そう いう改正をもともとのシステムを変えずに、積み重なったことによって、この未支 給の部分とか加給年金の誤りが、これが果たして出てきたのかどうかということを お聞きしたかったのが1点です。  それから、もう1点ですけれども、この資料1のところに、年金相談センターに おける相談内容の割合というのが11ページとかにまとめてあるのですけれども、当 然年金相談に見えられるわけですから、被保険者記録ですとか、見込額とか、裁定 請求というのが圧倒的に多くはなっているのですけれども、古い設計思想のまま、 Q&Aがそのまますぐに、システムのところを見て答えを出せるものなのかどうか とか、それからここもずっと全部連動してくるのですけれども、例えば年金相談の 手引書、これは私も毎年買っていますけれども、非常によくできてはいるのですが、 どこをどう見たらいいのかというのが、社労士でもすごく時間がかかるようなもの なのですね。それが迅速に、果たして社会保険事務所で使われているものなのかど うかということです。  それから、すみません。あと1点だけなのですけれども、その他というところが あるのですけれども、年金以外のその他のところをどういうふうに統計をとってい らっしゃるのかというのをお聞きしたいのですね。  今さっき、資料1のところの、そういう不祥事のお話があったと思うのですけれ ども、やはり襟を正していただいて、国民一人一人が社会保険庁の理解者になって もらわないとだめだと思うのですね。日経パソコンの方で、社会保険庁のホームペ ージが一番使いやすいと何か載っていたのですごくうれしかったのですけれども、 それができる社会保険庁だから、何かそういうものも見ながら、すぐに答えられる もの。で、アンケート、統計をとって、だれでもすぐにアクセスできるものという ものをぜひお願いしたいと思います。  質問をちょっとばらばら言ってしまったのですけれども、3つお願いしたいと思 います。 ○青柳運営部長  私の方から全体を包括的に答えて、個々のところについて少し補足があれば、課 長の皆さんから補足してもらおうと思います。  今の井戸委員のお尋ねに、まず一言で答えるべきところがあるとすれば、社会保 険庁のオンラインシステムというのは社会保険の仕事をする人間のためにつくられ ていて、例えば相談に見えた方だとか、利用される方のためにつくられていなかっ たと、これは残念ながら認めます。そういう意味では、設計思想というものはもし 何か統一的なものであるとすれば、そういう設計思想でできているというのが一言 で申し上げれば、まずお答えになるだろうと思います。  このことは、これはもう井戸委員は、社労士としてよく御存じだとは思いますが、 例えば相談窓口に行きまして、窓口装置で個々の記録がすぐに引き出せるという形 になっているのですけれども、普通の方はそれを見ても、あるいはそれが印字され たものを見ても、読み方がわからないというような形になっています。もちろん、 窓口の者は、ここはこういうことが書いてあって、あなたの記録はこういうことだ からこうだというご説明をするわけですが、普通の方は見ただけではわからないと いうことが、まさに設計思想というものを端的にあらわしているのだろうと私は理 解をしております。  その上で、幾つかあったことにお答えするとすれば、例えば手引書、お話が出ま した。これは実は、私も分厚い手引書を改めてこの間見せられて、これですぐに本 当に問題が引き出せるのだろうかということが私自身も大変不安になりました。た だ、ああいう手引書がないと窓口の仕事というのは成り立たないだろうと思うので、 実は今日ご説明をした新たな手引書づくりに向けてというのは、業務センターの中 で、手引書自身を例えば業者に任せる、ないしは従来使っているものをそのまま使 うということでは具合が悪いのではないだろうかと。むしろ、現場が一番使いやす い手引書というのをどういうふうにつくっていったらいいだろうかと。こういう発 想に基づいて、非常に迂遠ではありますけれども、テーマの明確化から情報集積、 分析、仕様書の立案、そして調達のための企画競争に至るまで、私どもが、つまり 現場にいる人間の考え方をきちんと集約した上で、一番使いやすい手引書というも のをつくって、しかもそれを随意契約といったような形に安易に流れるのではなく て、企画競争ということを通じて、公正に調達していこうと。こういうことを現実 の形にしようというのが、実はこの資料の意味合いでございました。  したがいまして、これからは社会保険労務士にも使いやすい手引書をぜひつくっ てもらいたいというふうに思っております。  それから、何か余計なことを申し上げるようで大変恥ずかしいのですが、日経パ ソコンにご評価いただいたのですが、すぐその後で、なぜこんなに見やすいホーム ページができているかというと、ベンダーが主導でつくったがために、そういうも のができたのだろうというような形のコメントも実はいただいております。  その意味で、先ほど長官の方からガバナンスの問題、私ども社会保険庁の最大の 問題だというふうにご説明ございましたが、実はIT面におけるガバナンスという 点についても、私ども不足な部分が大変に多いわけでございます。その意味では、 我々がイニシアチブをとって、きちんとつくった設計思想に基づいて、例えば日経 パソコンから今後ご評価いただけるような、そういうところを目指していかなけれ ばいけないのかなというふうに思っておりますので、最後に余計なことをちょっと つけ加えさせていただきました。 ○柳楽社会保険業務センター副所長  業務センターの副所長の柳楽でございます。  私の方から1点だけ、手引書のところでございますが、使われておるかどうかと いうことにつきましては、今部長の方からもご説明ございましたように、いいもの を企画してコンペでつくっていこうということで、平成17年度で考えておりますが、 基本的には、窓口相談に当たっている職員、非常勤職員の、いわばバイブル的な形 でこれを使用しておるということでございます。 ○井戸氏  当然年金が中心になるのですが、例えば私はファイナンシャルプランナーの仕事 をしているから特にそうかもしれないんですけれども、年金以外の例えば公的年金 等控除の改正とか、老年者控除のこととか、そういうような税金、お金のこととい った年金にまつわるようなことというのも非常によく聞かれるところです。そこが、 「その他」に入っているのかなとか、その辺の統計のところ、あるいはマクロ経済 スライドというものができたために、一体幾らもらえるのかというのが、私たちで も結局のところ、20年も先のことなので答えられないわけですよね。そうすると、 非常に年金に対して制度が複雑な上に、実際のところ幾ら手にできるのかが見えな いということで、すごく不安に思われる。そうすると、自分でいくらお金を用意し たらいいのかとか、その辺のご相談も非常に多いのですね。ですから、そういうの にはっきり答えるのはとても難しいのですけれども、ある程度社会保険事務所に行 くと、満足して帰っていただけるというようなものにしていただきたいなというふ うに思っているので、ぜひ「その他」のところの統計をとっていただいて、この手 引書とか、ネットのところに反映していただけたらありがたいと思うのですけれど も。 ○中野企画課長  補足をさせていただきます。  資料1の11ページの相談内容の割合というところで、「その他」というふうに出 しております5%の部分につきましては、苦情など年金制度そのものとは関係のな い事項を、こういった形で整理をいたしております。  今、ご指摘のありましたような事項につきましては、例えば年金制度、あるいは 年金見込額等々の関連の事項だというふうな整理で、この相談内容の割合上は整理 をされております。  それで、今ご指摘のありましたように、具体的にどういった相談内容が現場でお 客様の方から寄せられているのかということについて、詳細な内容の把握をこれか らきちんとして、それに対して的確なお答えができるような整理をしていきたいと。 先ほど部長の方からお話を申し上げました手引書といったものにも、そういった内 容も反映できるものは反映させながら、より質の高い相談を行っていけるような体 制づくりをしていきたいと思います。 ○紀陸氏  資料1の13ページに実現のための方法というのがあります。今お話出ましたけれ ども、この実現のための方法を積極的に手引書の方に反映させようという意図は、 非常に積極的な姿勢が見えてよろしいと思うんですけれども、やはり今のお話のよ うに、何で相談・質問に見えているのかというですね、そこのニーズが明確につか めておれば、ニーズを満たすというのは実はそんなに難しくないはずです。ここの 顧客ニーズのもとはそもそもどこにあるのかという点の把握は非常に大事かと思う ので、その辺は重ねてお願いいたしたいと思います。  それから、それに関連いたしまして、参考資料2−2というのがございますね。 そこの「社会保険事務所におけるサービスに関するアンケート調査」の結果で、29 ページの問22ですが、ここのところに「本日の相談・手続で、再度この事務所など に行くように言われたか」とかがあって、答えで全体の24%の人が「改めてまた来 てくれと言われた」という、こういうような答えになっていています。約4人に1 人の方が「改めて」というふうなことになっておりますが、今後は相談回数がどん どん増えてくるでしょうから、それをできるだけ抑えるために、1回で済むように、 あるいはわざわざ足を運んで来なくても、インターネットか電話で済むようにと、 対応することが大事だと思います。この29ページの回答を見ると、結構数字的には 「改めて」というような答えも出ています。もちろん質問の内容とか、来られた方 の相談の内容によって対応が違ってくる場合もありますので、一律的には無理なの でしょうけれども、できるだけこういうようなものを減らすためにも、相談に来る 人のニーズがどの辺にあるのかをちゃんと把握しておけば、手引書の作成とあわせ て、対応も含めて効率よく対処ができることになるのではないかというふうに思い ます。ニーズ把握をよろしくお願いしたいというふうに重ねて申し上げたいという ふうに存じます。 ○青柳運営部長  今おっしゃっられたこと、全くそのとおりだと思いますので、努力をさせていた だきたいと思います。  私は、たまたま昔見聞きした一つの事例をお伝えさせていただこうということで、 ちょっと手を挙げさせていただいたのですが、よくあるケースが必要な書類を、例 えば自治体関係の住民票であるとか、そういったような書類、これをお持ちになら ずに、ぽんと事務所に飛んで来られて、いや、この申請にはこういう書類が要るの ですよと言われて、それで例えば自治体の窓口へ改めて行かなければいけないと。 こういうようなケースが現にあって、私は浜松でちょっと経験したのですが、その ために浜松の年金相談センターは自治体の、いわば市の窓口と同じ建物にあって、 ちょっとフロア1つおりてもらえれば、自治体の窓口の方でもすぐ発行して、手間 が非常に簡便で済んでいるのだというようなケースがありました。一義的には、例 えば事前に電話等でどういう書類が要るのか、これはホームページでもいいのです が、ある程度シミュレーションをした上で来ていただくというようなことも必要で しょうし、先ほど説明で申し上げたようにターンアラウンド方式、すなわち既にい ろいろなものを印字してしまって、年金を受け取る前に、そういった手続を終えて しまって書類だけというような形にするとか、工夫は引き続きしてまいりたいと考 えております。 ○紀陸氏  基本的に特に被保険者の履歴、そういうものが問題になる場合が多いのではない かと思うのです。できるだけほかの、住基ネットですかね、ああいうものとうまく 連携するとか、そういうことでもって、来訪の手間を減らしていくということが基 本的には大事だと思います。 ○稲上氏  私も同じことを申し上げたいのですが、資料1の11ページをぱっと見ただけでは 被保険者記録何%、年金見込額何%、これはこれで意味がありますけれども、どう いうことが問われたのかというのが、これからはすぐにわかりません。どういうふ うに業務改善をしていったらいいかということが示唆されるようなデータの取り方 と申しますか、場合によっては調査なのかも知れませんけれども、そういうことが 大事かなという印象をもちます。  「その他」について、ご指摘がありましたことは私も全く同じように思います。 社会調査法上、特に「その他」の「その他」というのが何か、その数字が一定の水 準を超えますと、調査が全体として有効でないというふうにも考えなければいけな いので、大事なご指摘だと思います。  ちょっと1つだけ、出ていない論点を申しますと、30ページのアンケートの23と いうところを見ますと、こういう結果はよく理解できますが、「対応職員の説明が わかりやすい」ということ、それから3つほど飛びまして、「対応職員の応対態度 が親切・丁寧であること」と、こういった項目が出ています。  それで、社会保険庁が現在いろいろ積極的に取り組んでおられることは大変よい ことだと思いますが、それが実を結ぶためには実際に相談員の質の訓練というのが とても大事なことでして、サービスの質はかなり相談員の資質・能力・意欲・その 他によると思います。その方たち、ふだんからやっておられると思いますけれども、 先ほどからご指摘ありますように制度もいろいろ複雑に変わってまいりますし、相 談に来られる方は抱えておられる個々の問題もいろいろ難しく、複雑になっていま す。そうすると、相談員の方の資質・能力を向上することは大変大事なことだとい うふうに、当たり前のことですが思います。ですから、その点についてもさらに努 力をしていただく必要があるのではないでしょうか。  それから、もう一つは、ちょっとまた別のことですけれども、ご説明伺っており まして、どこの民間企業でも多少大きな企業であれば、退職をいたします従業員の 人たち、あるいは場合によっては奥さんを含めて、いろいろ研修の機会を持ってい ることがごく普通になっているかと思います。そういう機会に、制度がこういう内 容に変わっている、いろいろ努力を社会保険庁としてなさっているということをお 伝えになることがよいのではないかと思います。例えば先ほどからご説明のことに ついても、私も正直言ってよく知らないことがたくさんありました。そういうこと が行われているのかということ、わからなければ結局窓口に行って相談をすればい いのだということはだれでも知っていると思いますが、その他さまざまなサービス が提供されているということは必ずしもよくわかっていない。ですから、申し上げ たいことは、民間企業などで行われます、名前さまざまでしょうけれども、退職者 にかかわるさまざまな研修の機会に、今お話をいただきましたようなことがうまく 伝わっていくような工夫があれば大変よろしいのではないかというような印象を持 ちました。 ○青柳運営部長  稲上先生の最後におっしゃったことにちょっとかかわることで申し上げますと、 実は厚生年金、健康保険の適用事業所には、社会保険委員という形で、企業の福利 厚生担当者が大体主なのですけれども、そういう方々がいらして、例えば今おっし ゃったように、退職時に会社としていろいろ話をされる際に、あわせて年金につい ても、これは企業によっていろいろばらつきがあるので、すべてということではな いとは思いますが、社会保険委員の方なんかを中心にやっていただいている会社も あるというふうに聞いております。  したがって、社会保険委員の方になるべく最新の情報、社会保険庁のやっておる ことを、私どももお伝えするというふうに努力はしているつもりなのですが、例え ば制度がこう変わったとか、こういう仕組みになっているということは的確にお伝 えするようにしておるのですが、社会保険庁でこんなこともやっていますよという ようなことをPRするのがちょっと下手だったものですから、そういう意味では、 少しこういう運営評議会で話題になったようなことなどもうまくお伝えできるよう に努力をしてまいりたいと考えております。 ○宮武座長  私も、稲上委員がおっしゃいました相談員の資質とか能力の向上ということは大 きなテーマではないかと思います。パソコン上ですぐに伝えることができるような 相談だけではなくて、極めて難しい経歴というか、重複した加入歴とか、あるいは もうほんのわずかで受給権が得られる、得られないというような大変面倒な相談も 多々あると思います。そういう場合、社会保険庁のほとんどの職員が正確に答えら れるプロなのかというと、決してそうではないように聞いております。  かつては、社会保険大学校でかなり厳しい、そういうノウハウを身につける教育 をなさっていたと聞いています。それが今は何か余りやっておられないというふう に聞いておりますが、それはいかがなものか。要するに、職場で自分の携わる業務 についてプロになることが評価されるような職場になっているのかどうかというこ とは大きなポイントではないかと思うのです。そういうことなしに事務的なことを やっていれば済むという職場であれば、相談能力が向上するわけがないわけであり ます。  もう一つお聞きしたいのですけれども、国民年金は要するに社会保険事務所に事 務移管になったわけですが、今でも市町村は国民年金課を置いて、そこで届出の業 務を受付けている。住民にとって社会保険事務所よりも市町村の方がずっとなじみ である行政ですから、場所も知っていて、相談に応じるサービス相当もやっておら れる。非常に丁寧にやっているところと、すぐ社会保険事務所へ行きなさいと言っ ているところと随分落差があるようですけれども、市町村の国民年金課と社会保険 事務所がどういう連携をとってこれからやっていかれるのか。今のところどうなさ るつもりなのかを教えてください。 ○青柳運営部長  では、私の方から。相談の話がお二方から出ましたので、一言つけ加えさせてい ただきますと、ご指摘のとおりであります。実は、相談にいらっしゃる方は多種多 様でありますので、中身さえ理解できればいいという方から、自分がやはりどうい うことで生活をしてきたかというところを、きちんと理解した上で答えてほしいと いう方までいらっしゃるということで、かつてはどちらかというと、若い職員が相 談に対応していたときに、難しい話ばかりするけれども、全然こっちの話を聞いて くれないというような不満があったということも耳にしております。現在、各事務 所の相談コーナー、私も年金週間中に都内の事務所を何カ所か回らせていただきま したが、いわば中高年の方ということで、相談に見える方と同じ目線でお話を承る ことができるような方を中心に今相談員ということで配置しております。したがい まして、相談の中身については、もちろん正確で、かつきちんとお答えできるとい うことは、引き続き研修もしていかなければいけないと思いますが、相談員の方自 身がご相談に来た方と同じ、いわば気持ちで相談に対応できるということも、ます ますこれから求められてくるのかなということを、この相談については私自身も感 じております。  それから、2点目の市町村との関係ということでありますが、はっきり申し上げ て、国民年金に対して非常に熱心に対応していただいている市町村と、それから国 から委託を受けている範囲で機械的に処理をしていただいている市町村と、両方に 分かれているということは私どもも認識をしておるつもりでございます。ただ、こ れは先日、全国の民生部長会議の席上、長官の方からも県・市の部長さん方に申し 上げさせていただいたのですが、実は国民年金の納付率が下がると、将来的には介 護保険の特別徴収のウエートが下がる、すなわち無年金者が増えると、介護保険の 保険料を年金から天引きをする人が減るということになるわけであります。したが いまして、年金の問題は単に国の問題だけではなくて、めぐりめぐって市町村の問 題になるというご認識を私ども数字もお示しをして、長官からも申し上げさせてい ただきましたので、そういう意味での理解を私どもは深めていきたいと思いますし、 逆にそうであるとするならば、市町村にどういう形で情報をお伝えするのが一番い いのかと、これは個人情報という観点がありますから、何でもかんでも市町村だか らということでご提供できるということではないと私は思っておりますけれども、 しかし個人情報の保護を徹底しながら相談に来た方が身近なところで納得をしてお 帰りいただけるようなやり方というのを考えなければいけないだろうと。ただ、そ こは私どもが法律なり、あるいは国の方からこうしろと、あるいはお金でこうして くれというだけではなく、市町村自身がそういう自分たち自身の問題であるという ふうにご認識をいただくことがやはり必要なのかなというふうに思っております。 ○村瀬長官  ちょっと今の件でつけ加えさせていただきますと、基本的には年金相談というの は、やはり市町村ではなくて社会保険事務所がお受けさせていただくという形にな っていまして、そういう点で出張相談というのを各市町村から依頼があった場合に は、定期的に時期を決めてやらせていただいているところは多いですね。出張相談 の依頼がないところというのは、基本的には開催していないか、もしくは事務所へ 来ていただくかと、こういう形だというふうにお考えいただければいいと思うので すね。  それから、あと今おっしゃった中で、相談員の資質を上げるというのはやはり非 常に大事な部分だと思っています。ただ一気に上げることができませんので、現在 は総合案内所というのを設置しまして、総合案内所の中で一義的にどういう相談に お見えになったかをお聞きし、この方は詳しい相談だということであれば、詳しい ことがわかるような人のところのブースへご案内するようにしています。 ○紀陸氏  それに関連してですけれども、この参考2−2のアンケート調査というのは、こ れは初めてこういうのをやったのですか。なお、今、稲上先生のご指摘になった30 ページと13ページに出ているのですが、土日ですね、要望のランクが結構高いとい うことですが、やはり土曜日開くというのはなかなか難しいんですかね。今長官が 言われたように、質問の内容にもかなり簡単なものと、レベルの高いものというの がありますよね。そういう場合に、ATMではないですけれども、仮に土曜日開く のが無理、困難というのであれば、何か簡単な機械だけで答えられるところは答え るとか、あるいは信頼度を上げるためにもう少ししばらくは土曜の午前中だけ、人 のやり繰りをして開庁するとか、というようなことが可能でしょうか。 ○青柳運営部長  土日の開庁については、実を言うと一番ネックになっているのは機械のコンピュ ーターのスケジュールであります。すなわち、土日とか平日も5時以降、別に遊ん でいるわけではなくて、例えば新しい制度改正なんかのときにパソコンのテストを し、あるいはデータベースを回さないと、データの統計処理ができないというよう なことで回すとかということで、正直いってコンピューターを年金相談に割ける時 間帯をどうやってつくるかというのが最大の問題であります。  しかし、今回村瀬長官がいらしてから、とにかくそういうことをやろうというこ とで、いろいろスケジュールをつくり、現実にこういうことで12月からスタートし ておりますので、物理的ネックがあるものの、やはりこれはやろうということでや るかどうかということにかかっているというのが、初めて長官のおかげでわかった というのが、恥ずかしながら実態でございます。 ○紀陸氏  年度内は1月、2月とここに日程が示されています。この後もやれるかどうかと いうことですか。 ○中野企画課長  補足をさせていただいてよろしいでしょうか。  平成17年度につきましても、本日お配りをしております参考資料3の平成17年度 の予算案の中に入っておりますけれども、相談体制の充実ということで、毎週月曜 日における相談時間の延長、それから土日における相談のモデル実施ということで、 予算的な面も手当をいただいておりまして、平成17年度についても取り組むことと いたしております。  ただ、どの事務所で開くのか、どういった時間帯で開いていくのか等の内容につ いては、現在実施をしておりますモデル実施の状況を踏まえながら、新年度4月以 降の体制を具体的に決めていきたいというふうに考えております。 ○龍井氏  質問ですが、年金相談センターというのは、社会保険事務所の年金相談窓口と体 制上というか、機能上は全く変わりないものと見ていいのでしょうか。つまり年金 相談については、社会保険事務所の年金相談窓口と年金相談センター、あわせて全 国約400カ所という位置づけで、別に独自のものがあるわけではないという理解でい いのかという単純な質問が1点目です。と申しますのは、トータルなニーズ、ある いは潜在的ニーズというのは体制が充実すれば充実するほど増えてくるという関係 がありますので、わずか71カ所ではありますけれども、わざわざ社会保険事務所に まで行かなくてもできる。あるいは先ほどもご指摘のあったような出張のこともあ れば、やはりPRというのは、こういう時期だからこそなおさら重要かなと思って います。  2点目は、それと関連をして、市場化テストの話が出ていますが、3つのモデル 事業の一つとして年金電話相談センター事業があります。対象となる年金電話相談 センターは2カ所になるということですが、その間のセンター業務というのはどう いう状況になるのか。それで1年間、他がやってだめだった場合には体制がまた戻 るという、そういう理解でいいのでしょうか。  もう一つは、各項目に書かれていることですが、他のセンター、あるいは他のも のと社会保険事務所の実績と比較し評価を行うとあります。特に相談センターの場 合に、単純に今話題になっていたような相談件数とかという話ではないと思います し、実績を比較し評価をするというのは、どのような内容となるのか、何か今の時 点でこんなことが考えられるということがあれば、もう少し教えてほしいのですが。 ○青柳運営部長  まず、最初に年金相談センターからであります。  年金相談センターは、年金相談の仕事に関していえば、社会保険事務所の相談コ ーナーと全く同じものと考えていただいてよろしいと思います。ただ、年金相談セ ンターの方では、例えばほかの健保の仕事とか、年金相談以外の仕事はやっており ませんので、これはPRが非常に不足しているというお話もございましたが、先ほ どの資料1で申し上げますと、昭和50年ごろから端末を設置した年金相談コーナー を、例えば事務所にまずはつくるし、それから駅なんかにもつくるということで、 私も先ほどちょっと申し上げました浜松の年金相談センターは年金相談センターの 出たてで、全国で2号目ぐらいの時期だったというふうに記憶します。もう10年以 上前でありますけれども。そういうことで、進めていったという経緯がございます。  社会保険事務所は、行っていただければおわかりのように、実は大変狭いところ が大部分、特に都内なんかは非常にこじんまりしております。したがいまして、相 談の皆様が時期的に、季節的にさまざまな年金の通知書なんかをお目にとられてい らっしゃるときに、物理的にとてもさばき切れないという制約を持っている事務所 が大変多うございますので、そういう意味では年金相談の専門のこういうセンター を、特に相談の多い地域にはつくって、利用者の方の利便に供したいというのがも ともとのねらいでございます。全国に必ずしもまだできていないということもあっ て、それぞれの必要な地域では、それなりのご案内をしたり、あるいは大変お待ち いただかなければいけない場合であれば、近くにこういうのもあるので、いかがで すかというお勧めをしたりというような対応が今日までの基本的な対応になってお ると承知をしております。  それから、市場化テストの方のお尋ねでございます。正直申し上げて、私どもも 市場化テストという形でのものを実現するようにということで、降ってわいたよう な話で、どうやったらいいかということに悩んでいる部分はございます。ただ、私 どもは正直に申し上げて、市場化テストが先にありきということで、この社会保険 の仕事を考えているつもりはございません。すなわち、社会保険の仕事をどうやっ てアウトソーシングしていくかという、あるいは外部委託していくかという大きな テーマがまずあって、その際にその一手法として市場化テストというものを活用で きないかというのが、私どものアプローチの仕方でもございました。  したがいまして、先ほど龍井委員からご懸念が寄せられましたし、私どもも正直 いって、やってみないとわからない部分があるというのが、うそ偽りのない正直な ところではございます。しかし、方向として、アウトソーシングをし、外部委託と いうものを拡大していかないと、これからますます増大するニーズに応えていけな いということは、まず間違いない。これだけは共通のご認識を委員の先生方にもい ただけるところではないかと思いますので、そういう観点で私どもとしては、まず はこの市場化テストを進めていきたいと。もし、うまくいくのであれば、広がると ころは広げたいと思いますし、またうまくいかないのであれば、問題をきちんと整 理した上で、より改善を図っていくということが、この問題についての基本的な姿 勢でないかと考えております。 ○村瀬長官  電話相談センターについて話してもらえませんか。 ○青柳運営部長  すみません。今のは一般論でありましたので、電話相談につきましては、一言で いえば、まさに電話相談センターできちんと相談案件をこなしていけたかどうかと いうことが評価の基本的な仕組みになりますので、確かに電話相談の場合、そこで 物事がきちんと完結するためには、個人情報の保護といったような非常にデリケー トな問題もございますので、私どもそういうことにも気をつけながら対応をしてい かなければいけないと思います。  また、電話相談センターが仮にそういう市場化テストという形でなじむのであれ ば、むしろ先ほど申し上げたように件数をもし増大させていくという場合には、こ れは職員の定員であるとか、あるいは非常勤の方であっても、さまざまな予算上の 制約がどうしても絡んでまいりますので、より予算を有効活用しやすいような形と いうのを、少し探ってみるというのも我々に課せられた使命ではないかというふう には考えております。 ○遠賀氏  これは、参考資料2−1でございます。このインターネット等での情報提供、説 明等はすばらしいものだと思います。今後インターネット等を活用する方がますま す増えると思いますし、情報提供等を十分に理解できる人もますます増えてくると 思います。  しかし、現状をみてみますと、今現在高齢の方たちにとって、こういうシステム を理解するのが難しい方も多くいらっしゃると思います。そういう点を少しお考え いただければと思います。 ○青柳運営部長  おっしゃるとおりで配慮してまいりたいと思いますし、特に今高齢者の方という お尋ねもありましたが、例えば障害をお持ちの方であるとか、目や耳が不自由な方 に対して、どうやって実は的確な年金相談をしていくかというのは、私どもにとっ ても大きな課題でありますので、その意味ではそういういろいろな多様な方法を広 く活用して、どんな方にも的確な相談ができるようにするということはおっしゃる とおり、引き続き工夫をしてまいりたいと考えております。 ○紀陸氏  この相談のことではなくて、個人情報のことでもよろしゅうございますか。資料 2で、個人情報の保護の対策についていろいろ書かれているのですが、これはこち らに別途いただいております安全委員会の方でやられたオンラインシステム刷新可 能性に関する調査、ここの中で特にオンラインシステム刷新書では22ページですね。 ここでまとめの項目がいろいろ出ておりますが、こういうものを踏まえて個人情報 保護の対策を構築されようとされているというふうに考えてよろしいのですか。 ○青柳運営部長  まずは、資料2の方は、先ほどもちょっと説明させていただきましたように、こ の4月から行政機関の保有する個人情報保護法に関する法律が改正されるというよ うなことを踏まえ、または昨年のさまざまな不適切事例を踏まえて、当面どのよう に改正していくかということで、対応している方向でございますが、さらに今紀陸 委員からお話のございました参考4の方は、現在のシステムがレガシーというふう にご指摘をされているように、非常に古くて不適切な部分もあるので、そのシステ ム全体を見直していくべきではないかという刷新可能性調査ということを今ご検討 いただいている、その一環でございます。  したがいまして、まずはこの資料2にあるような形で、当面の対応をした上で、 参考4にありますように、個人情報保護の点も含めてレガシーシステムを見直しし ていくということで、今後引き続き将来に向けてこの刷新可能性調査報告のような 方向を目指すべきだと、こういうふうに私ども考えておる次第でございます。 ○紀陸氏  それから、だんだん中身的にすり合わせていくというようなことですか。 ○青柳運営部長  すみません。その意味では現在の私どもが使っているシステムを前提にそれをど ういうふうに直していくかというふうにこの刷新可能性調査をやっていただいてい ますので、連続性を持って考えていただいてよろしいかと思います。 ○紀陸氏  あと1点、もう余り時間がないので、細かい点でございますが、参考7の後ろに 調達業務の件がございますね。本庁の方でやっている調達委員会のご説明があった んですけれども、地方でこの参考7の4ページ目ですか、地方庁で行われる契約審 査会というのですか、ここの仕組みについて伺えればというふうに思うのですが。 ○山田経理課長  資料の4ページ契約審査会でございますけれども、4月から発足させたいという ことで準備を進めてまいりたいと思ってございます。それで、審査会で審査をいた します内容でございますけれども、1ページ目に数字が書いてございますけれども、 全体に非常に随意契約の割合が高いと。ただ、この随意契約については、非常に金 額が少ないものもたくさんございまして、例で申し上げますと、幾つかの事務局が ばらばらに買っているというようなことが結構ございますので、そういうものをで きるだけ事務局なりで一本にまとめて調達できないかと、そういう方向にぜひ持っ ていきたいというふうに思ってございます。そういう関係で、事務局ごとに年間の 調達計画というものをつくりまして、それについてできるだけ競争入札にしつつ、 契約の件数も減らすような方向に持っていくということが1つでございます。  それから、図書・冊子の購入、それからパンフレット・リーフレットの印刷、広 報等に係るビデオにつきましては、事前に必要性なり、あるいは事業運営上どのぐ らいの意味があるのか、調達量についても適切な数なのかどうか、そういった点に ついて事前審査をするということにしております。それにあわせて契約金額が100万 円以上の随意契約については、これ社会保険庁だけではなくて、厚生労働省全体の ルールで100万円以上の随意契約については、事後の審査をした上で、ホームページ で公表をするというルールを導入することにしておりますので、地方庁の分につき ましても契約審査会の方で審査をし、ただこれら契約審査会で今ご説明しましたよ うな審査の内容については、左の方に矢印が書いてございますが、内容について本 庁の方に報告をしてもらい、本庁の方で一度きちっとチェックをすると。そういう 意味で、地方庁任せではなくて本庁でチェックをした上で、ホームページで公表を するということにしております。  それから、その上に契約金額が500万円以上の随意契約と書いてございますが、こ れにつきましても厚生労働省全体のルールとしまして、試行的なという意味合いも あるのですけれども、副大臣の方にご報告をするということになっております。500 万円以上の随意契約につきましては、本庁の調達委員会の方にかけるということで、 当初本庁の調達委員会は契約金額1,600万円以上のものを審査対象にしておりました が、そういうルールを導入するということで、500万円以上に1月から引き下げると いうことにしておりまして、地方庁分の500万円以上の随意契約につきましては、本 庁の調達委員会で審査をし、それを副大臣の方にご報告をすると。そういう仕組み を導入いたしまして、本庁、地方庁全体を含めました競争性・透明性の向上を図っ てまいりたいというふうに考えてございます。 ○紀陸氏  審査会のメンバーの方というのはどういう方々なのですか。 ○山田経理課長  審査会につきましては、基本的には事務局の中で事務局長なりが座長になって、 事務局の中のメンバーを想定しております。  ただ、内容につきましては、先ほどご説明しましたように、本庁の方に一遍挙げ てもらいますので、本庁の方でもきちっとチェックをしたいと思ってございます。 ○紀陸氏  何かよくわからないですね。契約委員会でやられるわけ、中でやられるわけです ね。中でチェックをするということ。 ○山田経理課長  基本的には、本庁のチェックをきかせたいと思っておりまして、非常にありてい に申し上げると、少し言葉が悪いのかもしれませんけれども、地方庁で外部の方を 入れていただいて、ご審査したものをまた本庁でチェックするというのはおこがま しいといいますか、それだとどちらかというと地方庁の方にお任せをするという形 になるのですが、そういう形をとらずに事務的にきちっとチェックをしてくれと。 そのかわり、それを本庁の方でチェックをすると。本庁の方は、外部の方にも入っ ていただいておりますので、そこでチェックをきかせたいと。全体、グリップをき かせたいと、そんな形を考えてございます。 ○紀陸氏  そういうことの方がいい。スムーズになるわけですか。 ○村瀬長官  それと、もう一つは、本庁で一括調達した方が極めてコストが安くなるというの もあります。例えばインプット業務だとか、いろいろなことが各事務局単位でお願 いしているわけですが、それを各事務局単位に競争入札でやっているわけですね。 そういうものについても、例えば本庁としてブロックを決めて一括調達すれば、さ らにコストが下がるというのもございまして、本庁でやれるものはどんどん本庁へ、 地方庁でやれるものについては地方庁で一担当部署ではなくて組織としてやること を考えています。それから、あとホームページで公開するということで、基本的に はやはり事務は余り滞らないのもありますので、透明性をきちっとしてコストを下 げることができる仕組みということで、私はこれでいけるのではないかというふう に思っておりますけれども。 ○宮武座長  安ければいいというだけですむかというと、安かろう、悪かろうというのもある わけで、この調達委員会というのはそういうところも見るということですね。 ○村瀬長官  そういう観点で、コスト的な面で品質を問われなければいけない部分というのは、 今例えば電話督促業務というのを各地区ごとで個人に対してかけさせていただいて います。コストの面で言いますと、全国で約3倍の開きがございますが、安いのが いいかといいますと、今おっしゃったように、電話で督促業務を行った場合には、 電話で納付約束までしていただくのが一番いいわけですね。そうしますと、納付約 束をしていただくような電話をしていただけるところであれば、多少コストが高く ても構わないわけですね。それだけノウハウをお持ちになっている。やはりそこは きちっと、どういう調達方法をとるかということで細部を決めてやりたいと思って いまして、今座長がおっしゃったように、基本的には品質と、それからコストを両 にらみでやると、それをみんなの見る目の中できちっとやっていくと。これが一番 大事なところだと思っております。 3.閉会 ○宮武座長  大分時間が参りましたので、まだご意見があるかと思いますが、次回も予定され ておりますので、本日はここまでにしたいと思います。次回の日程等について事務 局から連絡をお願いいたします。 ○中野企画課長  本日は、年金相談の改善方策、どうしたら年金の相談の質を改善できるかといっ たことなど、さまざまな改善の取り組みにつきましてご意見をいただきまして、大 変ありがとうございます。いただきましたご意見を参考に、これから職務に取り組 んでいきたいと思っております。  次回につきましては、社会保険事業計画などをテーマにいたしまして、2月16日 (水)15時から開催いたしたいと考えておりますので、よろしくお願い申し上げま す。 ○宮武座長  どうも皆さんありがとうございました。それでは、本日の会合は、以上をもちま して終了いたします。 −37−