01/10/11 第11回政府管掌健康保険事業運営懇談会議事録          第11回政府管掌健康保険事業運営懇談会議事録 1 日時 平成13年10月11日(木)      14:00〜16:00 2 場所 厚生労働省専用第24会議室 3 出席した委員・専門委員(敬称略)    稲上、末次、高梨、高野、村上、山本、吉田、佐野、武舎 4 議題 (1)平成12年度政府管掌健康保険収支決算の概要 (2)医療費の動向等 (3)政府管掌健康保険に係る平成14年度予算概算要求 (4)平成14年度保健福祉事業費関係予算概算要求 (5)社会保険庁の事務の実施準則に沿った取組 (6)政府管掌健康保険事業等に関する行政評価・監視結果の概要  (7)その他 5 議事内容 ○稲上座長  本日は、大変お忙しい中を政府管掌健康保険事業運営懇談会にご出席をいただきまし て、誠にありがとうございます。ただいまから懇談会を開催いたします。最初に1件ご 報告があります。これまで当懇談会の専門委員をお務めいただきました名取委員ですけ れども、先般、財団法人社会保険健康事業財団を退職なさいましたので、委員をご退任 になりました。新たに、同じく社会保険健康事業財団の武舎信之常務理事が専門委員に 就任されましたのでご紹介申し上げます。 ○武舎専門委員  武舎でございます。よろしくお願い申し上げます。 ○稲上座長  それでは、本日ご出席いただいております委員の皆様のご紹介をさせていただきます が、本日は末次座長代理、高梨委員、高野委員、村上委員、山本委員、後ほどお見えに なると思いますが吉田委員、佐野専門委員及び武舎専門委員がご出席でございます。城 戸委員、菅谷委員及び高木委員はご都合によりご欠席というようにご連絡をいただいて おります。  なお、今回より、前回のご議論のほか、平成11年4月27日に閣議決定されております 「審議会等の整理合理化に関する基本的計画」も踏まえまして、会議、議事資料及び議 事要旨を原則として公開することにしたいと考えておりますので、ご了承してください ますようにお願い申し上げます。また、今回の議事要旨につきましては、後日、事務局 のほうで原案を作成し、委員の皆様にご確認をいただいた上で公開したいと考えており ますので、ご協力いただけますよう併せてお願い申し上げます。  本日の議題に先立ちまして、事務局の異動がございましたのでご報告いたします。本 年4月1日付けで企画課施設管理室長の片平義信さん、本年7月6日付けで企画課長の 十菱龍さんがそれぞれ就任しておられますのでご紹介いたします。それから、お手元 に、本日、事務局で用意をしております資料のほかに村上委員から『領収書をくださ い』と題したキャンペーンカードがお手元に配られているかと思いますので、ご紹介を させていただきます。村上委員、何かございますか。 ○村上委員  後で申し上げます。 ○稲上座長  それでは、本日の議題に入りたいと思います。初めに、平成12年度の政府管掌健康保 険収支決算の概要及び医療費の動向等について事務局より説明をお願いいたします。 ○田中医療保険課長補佐  お手元の資料のうちの資料1に従いましてご説明いたします。今回平成12年度、介護 保険制度が導入されて初めての決算ということでございます。医療分で1,569億円の赤 字、介護分で24億円の黒字、全体で1,545億円の赤字ということでございまして、平成 5年度以降実質8年連続の赤字となっております。  平成11年度と比較いたしますと、歳入面では厳しい経済情勢を反映いたしまして被保 険者数が平成10年度以降3年連続のマイナス、平均標準報酬月額が、月給に相当するも のですが、平成11年度に続き2年連続のマイナスとなっております。これに伴って保険 料収入が減少しておりまして、これが厳しい財政状況の原因になっております。  歳出の面におきましては、被保険者数の減少に伴い減少をしたこと、平成12年度にお きましては、インフルエンザがあまり流行しなかったこと、そういった事情によりまし て保険給付費が減少しております。また、介護保険制度の導入に伴いまして、老人医療 から介護保険に移行したこと等によりまして、老人保健拠出金が減少をしております。  この結果、歳出の減少が歳入の減少を上回りまして赤字幅が昨年度に比べて1,594億円 改善をしております。しかしながら、この老人保健拠出金と申しますのは、資料の中に も書いておりますが、年度当初でその年の老人医療費、加入者数などの見込みを立てま して、それを基に賦課をされる仕組みになっております。  ところが、ご承知のとおり、介護保険制度の導入に伴う老人医療から介護保険への移 行については実際には十分に進んでいないといった状況がございまして、今回、老人医 療費の実績がその見込みを上回る分につきましては、老人保健拠出金の仕組みといたし まして、2年後の平成14年度の老人保健拠出金で清算をされる仕組みになっておりま す。したがいまして、全体といたしましては政管健保の財政状況は好転したわけではな いものと評価をいたしております。  なお、最後でございますが、平成12年度の事業運営安定資金、いわば、積立金でござ いますが、これにつきましては医療分で6,701億円、介護分で24億円、全体で6,725億円 となっておりまして対前年度比で1,314億円の減少となっております。 ○安部企画課数理調査室長  引き続きまして資料2のご説明を申し上げます。医療費の動向等でございます。1頁 目が被保険者数と平均標準報酬の伸びでございます。これは、各年度の4月から3月の 平均の数字でございます。被保険者数ですが、平成10年度にマイナス1.2%とマイナス に転じましたが、平成12年度平均にいたしますと、まだマイナスではございますが、マ イナス幅が縮小いたしましてマイナス0.3%という結果になっております。また、平均 標準報酬月額ですが、これは平成11年度にマイナス0.6%になりまして、平成12年度、 若干でございますが、縮小幅が縮まりましてマイナス0.4%という結果になっておりま す。  2頁目でございます。これは政管健保の1人当たり医療費及び1人当たり給付費の各 月の対前年同月の伸び率をグラフにしたものです。実線が1人当たり医療費、点線が1 人当たり給付費です。特に、制度改正がない場合はほぼこの2つは平行というか、同じ 数字になります。ただ、真ん中やや左、平成9年から平成10年にかけては、平成9年に 制度改正がありましたのでここは大きく乖離をいたしております。また、ときどき若干 ずれが起きておりますが、これは入院と入院外で給付率が異なっておりますので、入院 と入院外の医療費の伸び率が異なる場合には若干ずれることがございますが、それ以外 は大体平行して推移しております。  直近の動きの特徴的なところを申し上げますと、平成12年度は全体で見ますとインフ ルエンザの流行が11年度に比べましてかなり小そうございました。ただ、これが月別に パターンを見ますとかなり大きく異なっておりまして、平成11年度は1月、2月に非常 に流行いたしまして、3月にはほぼ終息に向かっていた。ところが、平成12年度は逆に 1月、2月はほとんど流行いたしませんでしたが、3月、4月に流行しました。  年度全体で見ますときには今年度のほうが流行は小さかったのですが、3月、4月に 限定いたしますと今年のほうが流行が大きかったという状況がございますので、医療費 のほうもそれを反映いたしまして1月、2月に伸び率が小さくなって、3月、4月は高 いという結果になっており、背景にはそういうことがあるものと考えられます。  また、3頁ですが、これは入院と入院外を分けてお示ししたものでございます。点線 が入院外ですが、これをご覧いただきますと、1月、2月は入院外が非常に大きく落ち 込み、3月に大きく上がるということで、おそらく、ここにインフルエンザの影響が出 ているのではなかろうかと考えられます。  4頁目と5頁目は、ご参考といたしまして医療保険全体の動向を保険局のほうで出し ておりますMEDIASから持ってきた数字、それと並べまして、右側には政管一般が どうなっているかということを並べてお示しをした資料でございます。4頁目が医療費 総額、5頁目が1人当たり医療費です。4頁目の注の2に書いてありますが、この医療 保険全体で見ますと、平成12年度、マイナス2.1%というようにマイナスになっている わけですが、これは介護保険が施行されたことの影響によりまして低くなっているもの でございます。  この医療保険から介護保険に移行した費用について、正確な評価をすることは困難で すけれども、一定の割り切りを行って推計いたしますと約1.7兆円となります。この介 護保険移行分を含めて、医療保険伸び率を見てみますと、このマイナス2.1%がおよそ 3.9%程度になるのではないかと考えられます。 ○稲上座長  平成12年度の収支決算の概要と医療費の動向についてご説明をいただきましたが、た だいまの説明についてご質問あるいはご意見がございましたらお願いいたします。 ○村上委員  前回、私のほうから、政管の運営体制をこういう懇談会ではなく、きちんとした形に してほしい、というご要請をいたしました。これについて、事務局からいろいろな説明 がありましたが、とうてい納得できる説明ではありません。引き続きその運営体制の改 善に向けて要請をしておきたいと思います。といいますのは、この前申し上げました が、20数年前にはこれもなくて、当時は年金の資金運用も何も我々は参加できないとい うことでした。年金については参加体制をつくってくれというので旧大蔵省の中に運営 のための懇談会をつくりました。  これが自主運営に変わりまして、昨年ですか、これがなくなりました。だから、私 は、つくるから看取る、終わりまで全部やりました。ところが、同じようなこととして この懇談会がつくられた経過になっていますが、爾来これは全然変わっていない。とて もではないけれども我々が運営に際して責任を持てるような体制になっていない。ま た、私ども被保険者の意見がきちっと反映される保障もないと、こういう形で20年ほど 続いているわけです。こういうことでは我々被保険者として困る、ということを申し上 げてきているわけです。  過去の経過は経過といたしましても、共済などは自主的に理事会をつくっておやりに なっているわけで、ここには公費が入っているわけで、そういうところが自主的にやれ てなぜ我々が自主的にできないか、という問題は依然としてあるということを申し上げ ておかなければいけないと思います。  それから、『領収書をください』というものを配りましたのは、私ども、かねてか ら、決算のところに関係があるから申し上げますけれども、その他事項の中に医療費の 通知の費用が入っているわけです。これについては、我々もう少し強化をしてほしい。 毎月通知をしてほしい、ということを要求していますが、大体2カ月分しかされていな いということでございます。これは一層強化をしてもらう必要があるということで、2 カ月では意味がないと思っていまして、毎月やってほしい。6倍かかっても100億円ぐ らいで済むのですから、それはそれで要求をしておきたい。  それで、私自身は、医療費通知だけでは不足だということで、私ども自身の運動とし てこういう『領収書をください』というものを昨年800万枚つくりまして、連合構成員 全員に配りました。医者に行ってかかったときにはこれを見せてきちっとした領収書を もらうように、ということで運動も既に5年目に入っているわけです。  これは保険者がやるべきことだと、私は実は思っております。我々自身がやるのは本 当は違っているのかもしれない。保険者機能の1つとしてこういうことをきちっとやっ てほしい、という意味で私どもは自らの運動として始めましたが、本来は保険者機能で やるべきことだと思っております。国保も、これをやりだした所も出始めているようで ございまして、ぜひこれは前向きに検討をお願いしておきたいということです。あと は、予算絡みになりますが、全部言っておきましょうか。 ○稲上座長  予算のことはご説明を伺いましてからにしたほうがよいと思いますが。 ○村上委員  はい。決算絡みではそれだけを申し上げておきたいと思います。 ○稲上座長  いまの時点でお答えをしていただくべきことがありましょうか。 ○岡田医療保険課長  この懇談会の性格のご議論ですけれども、最初に申し上げておきたいのは政府管掌健 康保険は、ご承知のように、主として中小企業の被用者、事業主の方の保険料負担とい うことで運営されているということですので、政管健保の運営に当たりまして、そうし た労使関係の方、中小企業の関係者の方を含めて、有識者の方に幅広くご意見を聞いて その運営の適正化を図っていく必要がある、というように認識をしております。本日開 催しておりますこの懇談会につきましては、そういう観点から関係の方のご意見を聞く 場として設けているという趣旨でございます。  ただ、村上委員からご指摘のありました形で、もう少しきちっとした組織形態にでき ないのかというようなことですが、これにつきましては先般の中央省庁改革の中で、あ まり政策審議会をつくらないように、という政府全体の方針が定められていることもご ざいますのでなかなか難しい面がございますが、引き続き検討をさせていただきたいと 考えております。  医療費通知の点ですが、村上委員からご指摘がありましたように、現在、年間のレセ プトの2カ月分に相当する部分について、医療費がどのぐらいかかったか、ということ で被保険者の方に通知をしようと、いま医療費通知に取り組んでいるところでございま す。年間全部をやる、というようなご指摘でございましたけれども、全部やりますと年 間で約3億を超えるような枚数になりますので、その事務負担とか費用というようなも のも考えていく必要があると考えております。これについては、村上委員のご指摘を踏 まえてどういう形でできるか、さらに検討を進めたいと思っております。  領収書の問題ですけれども、これにつきましては平成12年度の診療報酬改定の際に、 中央社会保険医療協議会の審議を踏まえまして、保険局の医療課から各県の社会保険事 務局に対して、医療費の内容がわかる領収書について各保険医療機関などにおいて体制 を整えその発行に努めるように、というような通知が出されているところでございま す。村上委員のご指摘は、保険者である社会保険庁として何とかできないか、というよ うなことですので、そういった領収書につきまして保険者としてどういうことができる のか。例えば、事業主や被保険者向けにいろいろな広報を行っていることがありますの でそういう中でうまく取り入れるかどうか、などについて具体的に検討を行っていきた いと思っています。 ○村上委員  私は、審議会をつくってくれと言っている覚えはありません。そこは間違えないでく ださい。運営体制について、理事者会みたいなものをつくってくださいと言っているわ けで、審議会をつくってくれと言っている覚えはありませんから。 ○稲上座長  ほかにご意見ございますか。 ○高梨委員  先ほどご説明いただいた頁ではなくて、3頁の所で若干教えてもらいたい点があるの です。後ほどまたご説明いただけるようですけれども、医療制度改革試案というものが 既に出ているわけですが、その中には総報酬制の導入ということが、要するに、ボーナ スもひっくるめて保険料をいただこうという考え方があるので、それに絡んでこの3頁 の所で教えてもらいたいのです。  保険料収入が2つに分かれていて、一般分と介護分とに分かれているわけです。この 一般分の中には標準報酬月額掛ける8.5%の部分と、特別保険料といいますか、ボーナ スに対して、全体としてはこの保険料のほうですから0.8の分だと思いますけれども、 それが入っているわけです。両方トータルしたものがマイナスの443億円減だと。こう いうふうになっているのですが、この443億円をボーナス分と月給分と分けてみればど っちが減っているのか増えているのか。その辺はどうなっているのか、ということを教 えてもらいたいと思います。  それから、その443億円が保険料収入の医療分の減になるのですが、その下のほうに国 庫補助というのがあります。そこの一般分が719億円減っているのですが、保険料収入に 比して国庫補助の減額が720億円ぐらいということで大きいのですが、これはどういう制 度のためにこういうように大きく国庫負担分が減っているのか、ということを教えてい ただきたい。  3つ目として、積立金について1頁の所で6,700億円の残になりましたと。こういうご 説明ですが、この事業運営安定資金の運用の収入、預託していることで運用収入がある のだと思いますが、それはその他の所だろうとは思うのですが、いま運用収入は何を基 準に何パーセントぐらいの収入になっているのかどうなのか。その3点について教えて もらいたいと思います。 ○岡田医療保険課長  最初の保険料収入の443億円ですが、これはご指摘のとおり、標準報酬月額に8.5%を 掛けたものと、特別保険料と呼んでいますが、ボーナスの額に0.8%を掛けたものをこ こで計算しております。3頁の下にありますように、標準報酬月額は減少しております ので、月々の分の保険料は減少しています。ボーナスにつきましても、大体、月収の 1.8カ月強ぐらいのボーナスが全体の平均としてあるわけですが、ボーナス自体の額も 減少している状況です。所要額の金額を申しますと、平成11年度は53万8,840円だった のが平成12年度では52万8,746円ということで、ボーナス分も月給分も減少していると いうような状況でございます。 ○高梨委員  443億円を標準報酬月額分とボーナス分とに分けるとどうなりますか。 ○岡田医療保険課長  それはいま調べます。2つ目の国庫補助の減少ですけれども、国庫補助につきまして はどういう仕組みになっているかをご説明したいと思います。政管の国庫補助は、これ は一般分ですので、全体として3つから構成されています。1つは、保険給付につきま して、保険給付の13%が法定の国庫補助ということになっています。老人保健拠出金の 16.4%が国庫補助でございます。先ほどのボーナス保険料のうちの0.2%相当分を国庫 補助で出すというようなことでございまして、その3者から政府管掌健康保険の国庫負 担は構成されているところでございます。  それで、719億円の減少ですが、これは老人保健拠出金の減額によるものが約450億円 、保険給付等の減額によるものが43億円というような形になっています。さらに、平成 11年度につきましては老人の薬剤定額負担が一時取りやめられていたということがあり まして、その臨時特例措置による波及を国庫で埋めていたのですが、その分が波及減と いうことで226億円減少ということでございます。それから、運用収入ですけれども、 平成12年度は16億円でございます。これは財投の預託金利の金利水準によって計算され ています。 ○高梨委員  預託金利というのですが、どういう運用をしているのかよくわかりません。6,000億円 ぐらいが年度の初めにあるわけですね。そうすると、そのときの預託金利は何年ものを 使っているのですか。短期国債を使っているのですか。それとも、10年国債を使ってい るのですか。あるいは、単純に国債の金利を使っているのか、若干上乗せしているの か。その辺はどうなっているのでしょうか。 ○田中医療保険課長補佐  資金運用部で運用されているわけですが、こちらは数カ月単位の短期のもので運用さ れています。これは、事業運営安定資金というものは資金繰り等にも使われますのであ まり長期のものに使うのは適当ではないということかと思います。 ○高梨委員  それでは、具体的にその金利は幾らなのですか。 ○田中医療保険課長補佐  手元に数字がございませんが、いま金利は大変低くございますので0.0いくつとか、そ のレベルでございます。 ○高梨委員  事業運営安定資金ですから、どこかの月に保険料収入が全くなくなってしまうという ことになれば困りますので、短期的な運用をせざるを得ないという点はわかりますし、 年金とは違いますから、年金と同じような運用をする必要はないとは思いますけれど も、年度で見れば、予算制度があって、その予算制度の中で運用するわけですから、年 度の初めにあった6,000億円ぐらいは3月末だって同じぐらいはあるのが普通ですよね。  そうしてみれば、必ずしも短期の、何ですか、財務省証券と言うのかどうか知りませ んけれども、そんな金利を使うのではなくてもう少し高い金利を要求してもいいような 気がするのです。それはどういうことなのですか。 ○岡田医療保険課長  決算の状況を見ますと、平成11年度で3,000億で、平成12年度については1,500億円 の赤字ということで、年間の資金繰りの関係で3,000億円ぐらいは資金繰りで使っている ということでございます。そういう部分については短期資金で回さなければいけないと いうような状況もございます。残りの余裕資金については、若干、長期で回している部 分がありますが、全体として見れば先ほどのような低い金利でしか運用ができていない ような現状でございます。 ○村上委員  ただ、預託金利といえばもっと高かったはずですよね。年金などの預託金利は、大体 10年物国債のプラス0.2ぐらいになっていましたから。だから、預託金利というのは普 通はもっと高くないとおかしいのです。それでは預託金利ではないですよ。 ○岡田医療保険課長  すみません、こちらのほうは準備不足で十分に資料ができていないので、資料をつく ってまたご説明に上がりたいと思います。ご指摘の点は、もう少ししっかり運用できる 所はする、というようなご指摘だと思いますので、そこについても工夫をさせていただ きたいと思います。 ○高梨委員  事業運営安定資金そのものが6,000数百億円、年度の当初からずっと1年間あるという のではないことはわかりました。それは、要するに、その一部については運用している ということがわかったのですが、一般民間企業でも、長期的な運用をするものと短期運 用をするものと仕分けをして運用しているのです。ですから、この6,000数百億円の中 である一定の部分はかなり長期の、少なくとも1年間は固定できるものがあるはずだと 思うのです。  その場合の運用と短期的な運用のものと、その辺、あるだろうと思うのです。その点 についてもっと有利運用といいますか、その立場で政管の財政そのものは赤字が8年間 も続いているということで悪いわけですから、いくらかでも利子を稼ぐ姿勢が必要では ないかと思うので、ぜひご検討いただきたいと思います。 ○岡田医療保険課長  はい。 ○稲上座長  ほかにございますか。 ○岡田医療保険課長  先ほどの443億円の内訳については、いま直ぐにはわかりませんので、また別途資料を 整えてご説明させていただきたいと思います。 ○稲上座長  それでは、引き続きまして「平成14年度の政管健保の概算要求」、「社会保険庁の事 務の実施準則に沿った取組み」、「政管健保事業に関する行政評価・監視結果の概要」 につきまして、3項目にわたりますが、事務局からご説明をお願いしたいと思います。 ○田中医療保険課長補佐  初めに、政管健保全体の平成14年度予算概算要求につきまして、お手元の資料3に沿 いましてご説明をさせていただきます。1頁目は医療分でございます。こちらは、上の 囲みがありますが、単年度収支で約7,282億円の赤字となり、それまでにある事業運営 安定資金、すなわち、積立金を全額受け入れたとしても、なお4,312億円が不足しま す。さらに、現在、国庫補助繰延と申しまして、過去に一般会計から特別会計の繰り入 れを停止している分がありますが、その残額である約2,500億円の返済につきましては 平成14年度予算要求の中で事項要求という形で要求をしております。これが実現をいた しましても、なお1,812億円が不足をするという厳しい状況になっております。  この数字につきましては、最後の「注」の所を見ていただきたいと思いますが、この 数字は現行制度を前提としております。ただし、予算要求の際には、いわゆるシーリン グという概算要求基準に従って予算要求をしなければならないということから、概算要 求基準に当てはめる形で、許される国庫負担増を各制度に機械的に按分した数値を基に 仮置きをしたものということでございます。したがいまして、年末の平成14年度予算編 成時には、今後取りまとめられる医療制度改革案による財政影響が出てくるかと思いま すので、それを取り込むことによって改めて収支予算を組んでいくといった段取りにな るものでございます。  2頁目が介護分でございます。介護分につきましては、介護納付金を保険料収入で賄 う形になっているわけですけれども、こちらにつきましては平成14年度だけを見ますと 499億円の黒字になっております。これだけの黒字幅が生じる理由ですが、「注1」を 見ていただきたいと思いますけれども、平成12年度に介護保険が導入されました。ただ し、その介護保険料率と一般保険料率を別建てとする法改正につきましては平成12年の 法改正で行ったわけですが、この施行が当初の見込みより遅れたということで、平成12 年度の介護納付金につきましては、一部の納付を猶予するという措置を取っておりま す。  この猶予した分につきましては、平成13年度に全額を納付するということになってい ます。しかしながら、この納付猶予分に対応する保険料収入につきましては、平成13年 度と平成14年度の2カ年にわたって平準化をして徴収するという措置を講じておりま す。したがいまして、形式的には平成14年度は黒字になっておりますが、実は、平成13 年度予算におきましては432億円の赤字になっているという状況でございます。  この介護保険料率につきましては、右側の「備考」にありますけれども、平成13年度 の10.9‰から平成14年度には10.6‰に下がる、ということを考えております。ただ、こ の料率につきましては、今後の介護納付金、被保険者数、標準報酬月額等の動向により まして変更があることをご了承いただきたいと考えております。 ○中澤医療保険課補佐  引き続きまして、同じく平成14年度の概算要求の保健福祉事業費関係予算について主 要な点についてご説明をさせていただきます。資料4をご覧いただきたいと思います。 1点目ですが、生活習慣予防健診事業の要求ですけれども、ご案内のとおり、原則とい たしまして40歳以上の中高年齢の被保険者及び被扶養配偶者に対しまして健康の保持増 進を図る等との観点から実施をさせていただいているものでございます。従来分につき ましては、今日的な財政状況等を勘案いたしまして、その表の中ほどにありますけれど も、平成14年度におきましても平成13年度予算と同様の実施率で要求をさせていただい たところでございます。  また、新たに平成14年度の概算要求におきまして、肝炎対策の一環といたしましてC 型肝炎ウイルスのスクリーニング検査をこの生活習慣病予防健診事業に取り込む形で要 求をさせていただいております。なお、この件に関しましては、後ほど社会保険庁の事 務の実施準則に沿った取組みの中に具体的な資料を添付させていただいておりますの で、その場で改めてご説明をさせていただきたいと思います。  そういうことで、平成14年度の概算要求額といたしまして、ただいま申し上げました C型肝炎のスクリーニングの検査を含めまして591億余の要求とさせていただいたとこ ろでございます。対前年度比7億5,900万円の増額要求をさせていただいたところでござ います。  2点目ですが、社会保険病院等の整備等の経費ですけれども、対前年度に比べまして 7億2,400万円の減ということで、平成14年度概算要求におきましては329億7,000万円 の要求をさせていただいたところでございます。前段に記述をさせていただいています が、政管健保の今日の厳しい財政状況を踏まえまして、建物の基幹整備あるいは維持存 続上必要最小限の整備費を計上させていただいたところでございます。  2頁目ですけれども、3点目といたしまして、その他の保健福祉事業ということで3 点ほど挙げさせていただいております。1つは、高額医療費の貸付事業でございます。 ここにも前書きさせていただいておりますけれども、高額医療費の自己負担分につきま して、被保険者の家計負担の軽減に資するということで実施をさせていただいているも のです。平成14年度の要求におきましては、ここ2、3年の貸付額の増加を踏まえまし て、運用原資の増額と合わせ7億の要求をさせていただいております。対前年度から見 ますと5,900万円ほどの増額要求とさせていただいたところでございます。  2点目に、出産費の貸付事業でございます。これは3月の当懇談会の際にもご説明申 し上げておりますが、本年7月から、少子化対策の一環といたしまして出産育児一時金 または配偶者出産育児一時金の支給が行われるまでの間の経費の負担軽減という趣旨か ら、無利子の貸付事業を実施させていただいたところでございます。平成14年度におき ましては、大幅に対前年度17億1,500万円の減額要求とさせていただいておりますけれ ども、これは平成13年度がスタートですので、当初、約18億円余りの運用原資を予算計 上させていただいております。それを、基本的には高額医療費と同様に、資金を回転さ せる。つまり、貸し出したものの回収金を再度その貸付金に充てるという方法をとって ございますので、平成14年度におきましてはその不足が見込まれる分だけ、あるいはそ の事務費相当分を計上させていただいたということです。対前年度から見ますれば、17 億円余の減額ということで要求をさせていただいたところでございます。  さらには、3点目といたしまして、在宅介護支援事業についてでございます。この点 も、3月の運営懇談会の際にもご説明をさせていただいておりますが、ご案内のとお り、昨年4月の介護保険制度の創設によりまして、前書きの中ほどにもございますが、 この支援対象者の範囲を介護保険の要介護あるいは要支援の認定を受けた場合は政管健 保の在宅介護支援事業の対象から外すということで整理をさせていただいたわけでござ います。  平成12年度、当初はなかなかその見込みが困難であったわけですけれども、結果とし て大幅な減少となりました。こうした12年度の実績を勘案いたしまして、平成14年度は 13年度予算に比べますと3億6,000万円の減額での要求とさせていただいたところでご ざいます。この在宅介護支援事業につきましては、いま現にこの支援をお受けになって おられる方を勘案しながら、事業の進め方についてはまた改めて検討をさせていただき たいと考えているところでございます。以上が、主要な部分についての、保健福祉事業 の概算要求の内容でございます。 ○田中医療保険課長補佐  続きまして、社会保険庁の事務の実施準則に沿った取組みということにつきまして、 お手元の資料5に沿いましてご説明をさせていただきます。1頁目ですが、先般の中央 省庁等改革の中におきまして、府省の長は実施庁、すなわち、主として政策の企画立案 ではなくて、政策の実施に関する機能を担う庁の事務の実施に必要な準則を定めて公表 するというルールが定められています。この中で社会保険庁もその実施庁と位置付けら れているわけでございます。これに基づきまして、厚生労働省本省におきましては、資 料の2頁、3頁の別添1というところですが、社会保険庁の事務の実施基準及び準則が 定め社会保険庁に示されております。  その中では、詳しくはご覧いただきたいのですが、今回お付けしました資料では医療 保険関係の分を抜粋しておりまして、適用事務、保険料徴収事務、保険給付事務、保健 事業、福祉施設事業といった事項に関しまして準則が定められているということでござ います。  1頁に戻りますが、これを受けまして、社会保険庁におきましては、政府管掌健康保 険関係では例えば未適用事業所の適用促進、それから、先ほど説明がありました出産費 貸付事業の実施、レセプト点検調査の充実、生活習慣病予防健診事業におけるC型肝炎 ウイルス検査の実施といったことに取り組むこととしております。 ○中澤医療保険課長補佐  ただいま説明をさせていただきました内容の関連としまして、別添資料の別添2以降 にその主なものについてこれまでの取組みあるいは今後の取組みについて掲記をさせて いただいたものがございますので、それに沿いましてご説明を申し上げます。4頁、別 添2ですが、未適用事業所の適用促進ということです。ご承知のとおり、健康保険制度 あるいは厚生年金保険制度におきましては、法人事業所あるいは常時5人以上を使用す る個人事業所につきましては、適用除外も一部ございますけれども、強制加入というこ とにされておるところでございます。しかしながら、とりわけ5人未満の小規模な事業 所におきましては、事業主さんの理解が得にくい、あるいは保険料負担が困難である等 の理由で加入が進んでいない、意識が低いということで未適用事業所が存在するといっ た状況の中で、私ども社会保険庁といたしましても、かねてから未適用事業所の適用促 進ということで取り組んでまいったわけでございます。  2点目に掲げさせていただいておりますけれども、1つは、この未適用事業所の把握 ということで、登記所の法人登記簿を閲覧して、その適用対象の未適用対象事業所を把 握するといったような取組みを進めてまいっております。また、関連官署、労働基準監 督署ですとか公共職業安定所といったような所に適用勧奨用のリーフレットの配布をさ せていただいております。併せて、この社会保険制度の専門家として社会保険労務士さ んを活用いたしまして巡回説明という形で事業主さんに対するこの制度の周知あるいは ご理解をいただくための説明を実施をしてまいったところでございます。  いずれにいたしましても、この未適用事業所の解消はかねてからの大きな私どもに課 せられた課題でございますので、引き続き、加入勧奨の対象事業所の拡大ですとか、勧 奨あるいは社会保険労務士の巡回説明以後の、フォローアップといったようなものの充 実に努めてまいりたいと考えております。この未適用事業所の把握に関しまして1点申 し上げさせていただきますと、今後の取組みといたしまして、労働保険の適用情報を活 用した、労働サイドとの連携によります未適用事業所の適用促進を進めるべく、現在準 備を進めているところでございます。後ほど、行政評価のご指摘との関連もありますけ れども、これまでの法人登記簿の閲覧のみならず、労働保険との連携も深めてまいりた いと考えているところでもございます。  次に、5頁、別添3ですが、出産費の貸付事業の実施でございます。先ほどもご説明 申し上げましたとおり、本年7月から実施をいたしているわけですけれども、参考まで に、まだ途中段階でございますけれども、平成13年7月スタート以後の貸付の実施件数 を掲記させていただいております。ご参考までにご覧いただければと存じます。  次に、6頁ですが、別添4、レセプト点検調査の充実ということで掲げさせていただ いております。政管健保におきましては、医療費適正化あるいは保険者機能としての大 きな役割としてレセプト点検の充実、強化に努めてまいったわけですけれども、その取 組として、ここにも掲記させていただいておりますけれども、平成6年におきましてレ セプトのデータ化による資格点検業務の効率化を実施いたしたところでございます。従 来、政管健保、約3億枚を超えるレセプトを手作業で点検業務を行っておりましたもの を、資格点検業務に関しましては電子計算機を活用した効率的なレセプト点検を実施す るということで、平成6年度からスタートしたところでございます。  併せて、同年度におきまして、診療報酬明細書等の点検調査要綱というものを策定い たしまして、全国の社会保険事務所に周知を図ったところでございます。さらには、平 成10年度、レセプト点検事務センターの設置ということで掲記をさせていただいており ます。それまでは、このレセプト点検と申しますのは各社会保険事務所単位に処理をし てまいったわけですが、レセプト点検の効率化あるいは点検の質の向上を図るというこ とから、都道府県単位にレセプト点検事務センターを設置いたしまして、一括集中処理 によります事務処理の効率化あるいは点検職員の資質の向上を目的といたしまして全国 に56カ所設置をして今日に至っているわけでございます。  その際、平成6年に策定をいたしました点検要綱の見直しを行いますとともに、レセ プト点検調査員の大幅な増員を図ったところでございます。さらには、平成11年度にお きましては、「保険給付審査医師等を設置」し、レセプトの内容について専門的な見地 からの助言をいただくということで、非常勤の医師を各レセプト点検事務センターに配 置をする、という取組みをさせていただいたところでございます。  さらには、このレセプト点検に関しまして、7頁ですが、別添5ということで「パソ コンを利用したレセプト点検業務の効率化」ということで、その下に、−レセプトの電 子媒体(DVD)化−ということで資料を提出させていただいております。先ほども申 し上げましたけれども、年間3億枚、単純平均をいたしましても1レセプト点検事務セ ンターあたり年間で約700万枚ものレセプトを取扱っているわけです。  この点検手法には、単月あるいは特定、縦覧点検といったような点検方法をそれぞれ のセンターが地域実情に合わせた形で工夫をしながら行っているところですが、その点 検に当たりましてその「目的」あるいは「効果」という所に記述させていただいていま すけれども、レセプト点検をする際に特定のレセプトを抽出し、あるいはそれを配列す るといったようなことを手作業で行っております。  この抽出あるいは配列といった業務が、大変な事務負担となっております。こういっ た作業を軽減することによって内容を充実させていこうということで、現在、このレセ プトの点検業務の電子媒体、DVD化ということに取り組んでいるところでございま す。  その下に簡単な図と絵で表わさせていただいていますけれども、これまでは紙のまま でこういった処理をしていたわけです。これを、OCR装置を使いまして、紙のレセプ トを画像処理いたします。それをDVDという形で収録をいたしまして、パソコンを介 して抽出業務あるいは配列業務といったものを機械的に処理し、さらに点検業務等を充 実させていこうということでこの辺の事務を大幅に効率化した取組みを今後行っていき たいということで現在準備を進めているところでございます。  次の8頁ですが、別添6として、先ほど生活習慣病予防健診事業の平成14年度の概算 要求の際にご説明を申し上げた点ですけれども、厚生労働省といたしまして、C型肝炎 対策が極めて重要な課題ということで、平成12年11月に有識者の会議が設置されました 中で、3月の有識者会議の報告書におきまして、参考として掲記させていただいており ますけれども、読み上げさせていただきます。  「行政としては、こうした研究の成果を踏まえながら、地域や職域における現行の健 康診断等の仕組みを活用できるかどうかについて引き続き検討をしていく必要がある」 というご報告を受けまして、厚生労働省といたしまして、この報告書の具体化に最大限 の努力をするということで、職域における健診として政管健保の生活習慣病予防健診事 業、地域における老人保健法に基づく基本健康審査、この2つの現行の健診実施システ ムの中にこのC型肝炎ウイルスのスクリーニングを取り入れていこうということで予算 要求をさせていただいているところでございます。対象等につきましては、2点目とし て掲げさせていただいております。平成14年度といたしましては約17億8,000万円余の 要求をさせていただいたところでございます。以上が実施準則に沿った具体的な取組み ということでご説明を申し上げさせていただきました。  引き続きまして、資料6に「政府管掌健康保険事業に関する行政評価・監視結果の概 要」ということで資料を提出させていただいたところでございます。この点につきまし ては、平成13年9月13日に総務省行政評価局長の通知によりまして、私どもに対して改 善の通知が示されたところでございます。  その「目的」に記述をさせていただいておりますが、今回のこの行政評価局の実地検 査と申しますのは、平成5年10月に社会保険庁に対して改善勧告がなされたもののその 後の措置状況ということで、本年1月から3月にかけまして17の社会保険事務局、25の 社会保険事務所、17のレセプト点検事務センターについて実地調査が行われた結果を受 けまして、この9月13日に改善要求が通知されたものでございます。  その概要につきまして、1頁から2頁にかけて、その主な要旨を掲げさせていただい ております。1つは、未適用事業所の解消でございます。2頁には、レセプト点検調査 の充実・強化。さらには、第三者行為保険事故の求償事務の的確化。4点目といたしま して、高医療費地域における医療費適正化対策の推進ということでご指摘をいただいた ところでございます。この未適用事業所の解消の把握を始めといたしまして、具体的な 報告書の内容におきましては一定の評価、例えば、先ほども申し上げさせていただきま したけれども、平成5年度の改善勧告以降、資格点検につきましては100%機械処理に よりまして実施しておるというような点。  あるいは、この未適用事業所に関しましても、法務局の登記簿の閲覧以外にも民間情 報を活用する等の、ある意味では積極的な展開をしている事務所、あるいはセンター等 もあるけれども、一部におきましては必ずしもその取組が低調な社会保険事務所あるい はセンターがあるということで、事務所間あるいはレセプト点検事務センター間におき まして格差があるということから改善通知が示されたところでございます。  いずれにいたしましても、私どもも、先ほど申し上げましたように、未適用事業所の 把握につきましてはさらに社会保険庁本庁といたしましても労働保険との連携等を含め ましてその実態把握、実情の把握を含めて、地方庁に対する未適用事業所情報の情報提 供等も含めまして、効率的、効果的な実施に努めてまいりたいと考えているところでご ざいます。  あるいは、レセプト点検、これは医療費の適正化の観点からも、私どもに与えられた 重要なテーマであると考えておりますので、低調なレセプト点検事務センターにつきま してはその改善対策を求めてまいりたいと考えております。この点については後ほど医 療保険課長から、当面の具体的な対応につきましてご説明を申し上げさせていただきた いと思います。いずれにいたしましても、積極的な取組みを進めてまいりたいと考えて おります。  高医療費地域における医療費適正化対策につきましても、保険者としてどういうこと がさらにできるのか。具体的には、これまでのものに加え、さらに被保険者個々に対す る健康診断結果に対する指導とか、あるいは受診に対する指導といったことをデータを 分析する中で的確に行ってまいりたいと考えているところでございます。参考までに今 回のこの9月13日の行政評価局長の通知を受けまして検査対象機関のみならず、全国の 社会保険事務局長に対しましてとりあえず周知を図りますとともに、適切な実施方につ きまして通知をいたしたところでございます。 ○稲上座長  追加的に何かございますか。 ○岡田医療保険課長  先ほどコメントがありましたレセプト点検、特に行政評価・監視結果の通知の中で、 レセプト点検につきまして特定の県が非常に点検率が低いというご指摘がありましたの で、その点について補足的にご説明をさせていただきたいと思っています。いま補佐か ら説明したとおりですが、具体的指摘がありましたレセプト点検の非常に低い所につき ましては社会保険事務局より事情聴取をしまして、その結果を踏まえて改善策を求める ということを既に指示しているところでございます。  それから、レセプト点検事務センターというのは、各事務所から各県のレセプト点検 事務センターに集中したのだと申し上げましたけれども、組織的には各社会保険事務所 の県の中でいちばん重要な所に集めた形になっておりまして、いちばん大きな事務所の 下にレセプト点検事務センターを組織として設けているところでございます。来週に全 国の社会保険事務所長が集まる会議を予定しておりまして、その場でレセプト点検の充 実について改善を求めるというようなことを行いたいと思っております。さらに、各ブ ロックごとに点検事務センターの担当者が集まるような会議が予定されていますので、 その場でもさらにレセプト点検の充実について検討を求めていきたいと思っておりま す。  加えて、実際に各点検事務センターの事務実施の状況について、個別のセンターにつ いて必ずしも十分に把握できなかった、というような反省もありますので、そういう所 について実施状況について適宜把握ができるよう、体制をどう組んでいくかということ についても今後検討を進めてまいりたいと思っております。 ○稲上座長  平成14年度の概算要求から始まりまして非常にたくさんの項目についてご説明をいた だきました。どこからでもよろしいかと思いますが、ご質問ご意見がありましたらお願 いいたします。 ○吉田委員  いろいろお話を承ったのですが、その中で今度の概算要求の内容から申しましても、 社会保険病院等の整備とか、いろいろありますが、こういうものも過去においては社会 保険病院の存在意義が高かったのだと思います。また、高額医療費貸付事業とか在宅介 護の支援事業、それぞれ大変意義のあることをやってこられたのだと思います。出産費 の貸付事業もいよいよ始められるということですし、これも意義のあることだと思いま す。C型肝炎ウイルスの検査の充実を図られるとか、それぞれ立派なことをやってこら れたし、今後もおやりになられることは間違いないと思いますので、その点はまずもっ て感謝したいと思います。  レセプト点検調査の充実についてのご説明を受けまして、ただいまも課長からお話が ありましたが、この点については総務庁の評価でもご説明がありましたけれども、さら に実施の向上を図ることというレセプト点検についてはご指示も出ているようでござい ますが、私ども民間の人間として、今日のお話の中でいちばんびっくりしたと言ったら 失礼なのですが、ショックを受けるのは例えばレセプト点検調査の問題は前から叫ばれ ていて、平成6年から今日までやってきた施策を列挙していただいて平成11年まででこ れだけだと。  この6頁にある別添4のこれだけであると。平成11年から平成12年、平成13年につい て具体的な姿が見えてこない。これを、例えば数字で目標としてこれだけにしていきた いとか、あるいはやり方をこういうように変えたいとか、この充実についての施策が平 成6年から7年ぐらい経ってこの程度。いろいろ問題はあることは十分に承知しており ますが、もう少し具体的にこれを詰めていただきたい。これは現在の財政事情を縷々ご 説明いただいたところから考えてこのレセプト点検調査をさらに充実を図っていただき たい。これが私のお願いでございます。 ○村上委員  レセプト点検のところは同様の意見です。残念ですが、言ったとおりに全然なってい ない。これは約束したこと違反だと思いますから、きちんとやっていただきたい。それ に絡んで、支払基金の審査とか、社会保険庁のレセプト審査の結果によって、過誤請求 があった場合に本人通知することになっていますが、きちんとやられているのかどう か。  それから、私、保険局とだいぶやり合って、最初、保険局の見解では保険者が代行し て、いわゆる本人負担部分2割として払ったが、払いすぎた分を取り返すことはできな いということでした。それは内閣法制局と相談をしてくれ、ということを言いました ら、内閣法制局見解では、保険者が代行してやれる、というご返事をいただいておりま すから、もしやられていないのであればどういうことなのかご説明をいただきたい。そ れから、先ほどご説明があった社会保険病院については、その病院をなくせとは言いま せん。しかし、なぜ政管で持たなければいけないのか。例えば、ある意味で政管の加入 者の人たちより年収が高い健保組合ではどんどん病院をなくしています。国公立病院も 整理統合をやっています。そういう中で社会保険病院が社会的に必要ならば結構なので すが、なぜ貧乏な政管の保険料からやらなければならないのか。必要ならば、きちんと 国の予算でやられればいいと。どうしてそういうことになってしまうのか、ここは納得 がいかない、ということを申し上げなければいけない。  それから、事務準則の関係ですが、これは予算にも関係がありますから質問いたしま す。適用事務に関する事項、これは社会保険庁業務なのか政管の業務なのか。同様に、 保険料徴収事務、これは社会保険庁業務なのか政管業務なのか。保険給付、これは政管 の業務ではないのか。4番の所の福祉事業も政管業務だと思っていますけれども、違っ ていれば指摘してください。  それから、広報、情報公開、相談、これは両方があるだろうと思いますが、私に言わ せれば、ここに書かれていることは、社会保険庁業務のように思います。それはどっち なのかということです。未適用事業所の適用促進、これは私に言わせれば社会保険庁業 務ではないかと思いますが、なぜか事前の説明では事務費が政管から出ていることもあ りますから、そういうことをぜひお伺いしたいということでございます。  それから、財革法絡みであらかじめ申し上げておかないと間に合わなくなったらいけ ませんので。財革法による事務費の保険料からの負担は、近々切れると思います。相当 な金額に上っておりますから、これは財革法というのは時限立法ですから、その場合に はきちんと社会保険庁事務としてやれるようにいまからいろいろと考えておかなければ 困りますよ、ということをあらかじめ申し上げておきます。私の質問に対してお答えい ただいたら私からまた申し上げたいと思います。 ○岡田医療保険課長  最初の医療費が減額された場合の通知の状況ですが、現在はご本人の負担が1万円以 上減額される場合について通知をしていまして、全体では、平成11年度の数字ですが、 全国で1万4千強の件数を通知しているという状況でございます。先ほどの保険課長と のやり取りの件につきましては、我々も十分承知しておりませんので、また保険課とよ く相談をしてご指摘の点についてはさらに検討を進めていきたいと思っております。 ○片平企画課施設管理室長  社会保険病院の件ですけれども、この件につきましては前回のこの場でも同様の話が あったわけでございまして、そのときも私どもの考え方をお話し申し上げたかと思いま すけれども、これまで政府が政管の保険者として設置する病院ということで社会保険診 療の分野におけます模範的、試行的あるいは実験的な取組みをこれからも積極的にやっ ていくのだといった中で、政管が持つ病院としての位置付けをなしていこうということ でこれまでもやってきましたし、これからもそういった方向でやらせていただきたいと いうことでございます。ただ、おっしゃいましたように、政管の財政状況は大変厳しい ものがありますし、今後もこれが続くと考えられるところでございますので、病院のあ り方につきましては、平成9年でしたか、政管健保の保健福祉事業のあり方に関する懇 談会の中でも議論をいただいて一定の提言をいただいているところでございます。今後 におきましても、社会保険病院をどうするかにつきましては検討をしていきたいと考え ております。 ○岡田医療保険課長  適用の事務とか保険料収納、保険給付につきまして、社会保険庁の業務なのか政管の 業務なのかというご質問がございましたが、社会保険庁、政府管掌健康保険、船員保 険、厚生年金保険、国民年金という事務を一体として実施をしておりまして、実際の社 会保険事務所の現場の職員で、特に保険料徴収とか適用につきましては厚生年金と健康 保険は一括に適用しているような事情もありまして、政管健保の事務として取り出すの がなかなか難しい状況にございます。そういう意味で、適用とか保険料徴収という分野 につきましては、政管健保だけではなくて厚生年金も含めて一体として実施されている のが現状だと思います。  ただ、給付の面につきましては、例えばレセプト点検とか医療費通知につきましては 年金の問題ではなくて医療保険の問題という意味で、政管健保の事務というような考え 方ができるのではないかと思います。保健事業とか福祉事業につきましても、政管健保 の事業という形で整理ができるかと思いますが、実態としては、社会保険庁はそういっ た政管、ほかの社会保険の保険者として活動していますので厳密な区分けはなかなか難 しいのではないかと思います。 ○村上委員  社会保険病院の問題ははっきり把握してもらわないと、検討では困るのですよ。後で 資料説明があると思いますが、年間300億円余りのお金が毎年出ていっているわけで す。何か、あれは一部負担を増やそうなどという話もあるわけでしょう。そういう中で 一部負担も上げなければいけない、保険料も上げなければいけないような試案を厚生労 働省事務局当局がつくっているのです。それなのに、300億円余りのお金をここから払 う理由はもうこの時代にはないと思うのです。必要があれば、都道府県なりでお持ちに なったらいいのです。例えば、こんなことを出して申し訳ないですが、農協がやってお られる厚生連ですか、あそこに維持のために補助金を出されているのでしょう。あれは 政令で決まっているのですから、社会保険病院というものを付け加えれば国から補助金 を出せるわけです。貧乏な所へ補助金を出さないで、自前でやっていけ、というのは私 は酷だと思いますよ。  それから、社会保険庁の権能というのは、いわゆる保険料を徴収できるという、一つ の警察権的なものがあるわけですね。これは保険者機能とは少し違うと思うのです。社 会保険庁の権能として持っているのではないか。こう思っているのですが、保険者機能 として強制徴収的にやれるのですか。私は社会保険庁の権能としてやれるのではないか と思っているのですが、違うのですか。それは保険者の権能なのですか。 ○岡田医療保険課長  法律上の整理はもう一回勉強させていただきたいと思うのですが、実際上は政府がや る保険ということですので、保険者であって、かつ、公務員という整理になっています ので、あまり明確に、これは保険者としてやっているのか公務員としてやっているの か、ということを分けることが適当なのかどうか少し疑問に思うのです。そこは少し整 理をさせていただきたいと思います。 ○村上委員  これは基本的なことですからね。今後の財革法絡み、並びに一般事務費がどんどん保 険料に振り替わってきている経過があります。年間千数百億円になっているのでしょう か。本来、社会保険であるならば、事務費は全部国が持つべきものですよね。それがい つの間にか崩されてきて財革法で加速がかかってきている。しかも、私に言わせれば本 来違うものまで、未適用事業所の適用促進などは何で保険者がやらなければいけないの かよくわからないです。それは取り締まる側としての社会保険庁の権能だと思うので す。  そんなに保険者権能があるならばあると言ってくれればやり方があると思うのです。 それは根幹にかかわる問題だからきちんとしてほしいと。それは法律ですから、今日あ まり変なことを言ったら後で大変なことになるでしょうから、それは後でも仕方がない と思いますが、財革法絡み、事務費絡みになるから、余計きちっとしてくれと言ってい るわけです。そこは、そういう意味で、今後財革法絡みの問題は分かることだと思いま すし、どういったところを我々が保険料で持つのか、国で持つのか、今後の問題にかか わる問題ですから、ないがしろにされたらいかんということです。  もう一つ申し上げなければいけないのは、C型肝炎をやるのは結構です。だけど、こ れでやると10年以上かかるのではないか。被保険者数が2,000万。確かに、全員は対象 にならないかもしれないが、それに家族を入れたら相当な数に上りますよね。年間80万 人でやって、こんな悠長なことでC型肝炎対策になるのだろうかと。大臣は3年ぐらい でやりたいとか言っていたのではなかったか。 ○岡田医療保険課長  3年でやる、というご発言があったかどうかというのは私は直接承知してないのです が、省全体として取り組むという中で、そのやり方については既存の健診の制度をうま く活用してできないかということでしたので、そこについては政府管掌健康保険の中に 取り込んでやっていきたいということであります。 ○村上委員  それはいいのです。私は、別に、やるなと言っているわけではなくて、もう少しスピ ードを上げないといけないのではないか。私も、実は、一昨年、C型肝炎だと誤診をさ れまして、私は「C型肝炎って何ですか」と質問をしたことがある。誤診だったからよ かったのですが、これは大変な問題ですよ。だから、こんな悠長な計画でいいのだろう か。反対にこれは急ぐ必要がある。どうせ金をかけるのであれば早くやらなければ。狂 牛病ではないですけれども、後に伸ばせば、発病者が増えてくればどんどん余計なお金 がかかると思いますよ。  それから、レセプト点検の所で1つお伺いしたいのは、11年からやった「医師等の設 置」、ここの医師等はどういう医師等なのですか。医師、薬剤師というのはどこに勤務 されている方々なのでしょうか。 ○中澤医療保険課長補佐  具体的に、以前どこにおられたか、ということにつきましては各社会保険事務局でそ の採用についてお願いをしておりまして、保険庁本庁サイドとして経歴といったような ものにつきましては現在のところ確認をいたしておりません。「等」というのは薬剤師 さんのことを指して「等」という形で表現をさせていただいているところです。 ○村上委員  この人たちは医師会の推薦がなくてもいいのですか。 ○中澤医療保険課長補佐  特にそういった枠をはめた形でのものではございません。 ○村上委員  いや、枠をはめてもらったら困るものですから。 ○中澤沢医療保険課長補佐  もちそんそういう形で。 ○村上委員  そういう変てこりんな枠がかかっているから支払基金が困っているわけだから、そこ は注意をしてやってください。 ○末次座長代理  レセプト点検の話が出ましたので、審査を担当している立場から若干感想めいたこと を申し上げたいと思います。確かに、過去は政管健保のレセプト点検、どちらかという と資格点検中心ということでやってこられたのですが、ここ数年、私のほうからの見方 からするとかなり充実してこられたのではないかなと。特に、縦覧点検、外傷性傷害に ついてのチェック、これはかなりレベルが高くなってきたのではないかなと、こういう ふうに私どもの立場からは見ております。  ただ、政管健保でのいちばんの問題は、資格の問題ではないかな、という気がしてお りまして、中小企業が多いと。特に最近、流動化といいますか、資格の得喪が多いとい うことで、それのチェックは確かに大変な業務になっている、というように見ておりま す。  保険者別に見ても、政管健保は資格の関係でいちばん誤りが多いということになるわ けです。  その原因はいろいろあるわけですけれども、先ほど申し上げたような、そもそも、異 動が多いということが一つあるのですが、それを除いて見てももう少し何か手立てがな いのか。例えば、カード化が議論になったわけですけれども、今日のご説明でカード化 の説明がないのですが、カード化についてはどのようにこれから取り組んでいかれるの か。また、記号番号の誤りが非常に多いわけで、記号番号をもう少しわかり易いものに できないのかどうか。そういう意味での取組みがあるのではないかなと、そういうふう に考えております。  それから、蛇足ですけれども、私ども審査委員は三者構成になっていまして、外から ご覧いただいていろいろとご意見、ご批判もあろうかと思うのですが、結果的には、そ のこと自身が双方の納得の一つの根拠になっているのではないかな、という気がしてお りまして、それ自身、私どもとしては適正に運営していかなければならないと思いま す。それが足枷になっている、という認識でおるわけではございませんので、念のため に一言説明させていただきました。 ○高梨委員  資料3の概算要求の関係で、標準報酬月額、被保険者数、来年度は非常に厳しい状況 を見込んでいるのはしょうがないのかなという感じがいたします。質問ですけれども、 被扶養率といいますか、家族の状況についてはどのように見込んでいるのか。前年と同 じ被扶養率なのか。あるいは、被扶養率の増減を見込んでいるのか教えてもらいたいと 思います。  2つ目には、資料4ですが、いくつかの事業が書いてありますけれども、いずれも社 会保険庁が直接にやっているのではなくて、団体に委託をしてやっているものが多いの だろうと思っています。いま、政府をあげて特殊法人改革ということで、必ずしも特殊 法人だけではなくて認可法人もひっくるめて民営化、あるいは廃止を目指して取り組ま れているわけです。ここの資料4の中で出てきている予防健診事業とか、次の頁で出て きている高額医療費貸付、出産費貸付、介護、これらの事業の委託の対象になっている 所には特殊法人あるいは認可法人があるのかないのか、という点について教えてもらい たいと思います。  3つ目には、レセプトの点検調査の充実ということで、資料5の別添の4の所に書い てあります。この際、平成12年度分でいいのだろうと思いますけれども、いま直ぐでな くて結構なのですが、費用対効果みたいなことを出していただけないでしょうか。要す るに、事務センターを設けることによっての費用がありますね。人件費があるし、庁舎 が拡大している部分があるのかどうかはよくわかりませんが、あるいは、その審査のた めの医師を新たに張り付けたとか、調査員を張り付けたとか、そういう諸々の経費があ るはずです。  一方において、この点検をした結果、誤りがあって指摘をしたという件数あるいは金 額があるはずだと思いますけれども、その辺がどういうようになっているのか。直接、 この費用対効果に直ぐに結び付くということではないにしろ、それがどうなっているの か、という点について次回なりに資料の提出をお願いしたいと思います。 ○岡田医療保険課長  予算上の積算上は扶養率という数字は直接使っておらず、家族の医療費の動向とか、 そういうものを見て全体として推計しております。予算とは離れて全体的な傾向を申し ますと、政府管掌健康保険の扶養率は0.9でございます。被保険者数よりも被扶養者数 のほうが少ないという状況でございまして、これは過去に比べますとかなり長い時間を かけて少しずつ率が下がっている、というような状況でございます。最近はその下がり 方が少し止まっているかな、という印象を持っていますが、現状では0.9という数字に なっております。 ○高梨委員  何で扶養率が変化するかどうか使っていないのかよくわからないのです。1人当たり 医療費という1人当たりというのは、被保険者本人だけではなくて、家族が入っている はずだと思います。違っていればあれですが。介護の納付金を計算するときには、この 2号の本人だけではなくて家族の数もカウントした上で納付金の額を計算しているわけ ですから、被扶養率がどうなっているか、というのは必ずどこかでは使わなければいけ ないことになっているのです。いま直ぐ出せないということならばそれはそれで結構で す。 ○田中医療保険課長補佐  右側に書いてある「1人当たり医療給付費」というのは被保険者1人当たりの医療給 付費でございまして、その中に家族の医療費等も含めて考えている、あくまでも被保険 者1人当たりで考えているということでございます。老健拠出金等の算定が加入者数に 応じて行われている、ということはご指摘のとおりです。 ○中澤医療保険課長補佐  2点目にご質問がございました資料4に関連いたしまして、特殊法人への委託がある のかどうか、というお話がございましたけれども、特殊法人はありません。ただ、これ はすべてではありませんが、それぞれの事項におきまして、私ども、公益法人と申しま すか、都道府県のものも含めまして委託を一部している部分があります。例えば、生活 習慣病予防健診事業ですと社会保険健康事業財団ですとか、高額医療費の貸付事業、出 産費貸付事業につきましては全国社会保険協会連合会。在宅介護支援事業、これは、直 接各都道府県の社会保険事務局が委託契約を結んでいるものですが、都道府県にありま す社会保険協会に委託をしているものでございます。 ○高梨委員  認可法人ではないですね。 ○中澤医療保険課長補佐  違います。公益法人。 ○高梨委員  いわゆる公益法人であって。公益法人の中に認可法人がありますが。 ○岡田医療保険課長  認可法人ではございません。 ○田中医療保険課長補佐  両方とも財団法人ないしは社団法人の民法法人でございます。それから、レセプト点 検調査の費用対効果というご質問がございました。費用のほうの数字は手元にございま せんので、これについては後日整理をさせていただきたいと思いますが、レセプト点検 調査の成果ということでは、そのレセプト点検調査の結果、例えば被保険者資格の喪失 後の受診とか診療報酬の算定なりの誤り等が判明して、レセプト点検事務センターにお いて保険給付費の返還とか、診療報酬請求額の調整を求めたという額につきましてはレ セプト点検事務センターを設置した平成10年度には約986億円に止どまっておりました が、その後、平成11年度には約1,062億円、平成12年度には1,073億円ということで着実 に増加をしているという状況でございます。  それから、少し前に村上委員のほうからありました、保険料の徴収権者ですが、こち らにつきましては健康保険法第71条におきまして、保険者は健康保険事業に要する費用 に充つるため保険料を徴収する、ということになっております。督促や滞納処分につき ましても、主体は保険者が処分をするないしは督促をするという整理がされていますの で、これは健保組合等の自治組織も含めた形で、あくまでも保険料の徴収は保険者の事 務ということで整理をされているということではないかと思います。 ○村上委員  加入者はそれでいいのです。加入していない人を入れるのはどういう権限だと言って いるわけです。 ○岡田医療保険課長  それについては、先ほどの財革法との関係でのご指摘だと思いますので、それも含め てきちんと整理させていただきたいと思います。 ○村上委員  入っているものを保険者が集めるのは当たり前ですよ。未適用の人たちを入れるとい うのは、それはどういう権限が。保険者の権限で、入っていない人を入れる権限がある のか。そこの答えが全然出ていない。 ○岡田医療保険課長  はい。 ○村上委員  ついでに言いますと、何の説明なのかよくわからなかったのですが、老人保健拠出金 があるのですね。2兆4,074億円。これで2つ質問しますが、1つは、平成12年度の清 算部分が幾らあるのですか。2つ目は、それを除いた数字になると思いますが、平成13 年度から比べて何%増で組むのか。ついでで申し訳ありませんが、この2つ。 ○岡田医療保険課長  伸び率については計算をさせていただきますが、平成10年度の概算要求の2兆4,000億 円のうち、清算部分は1,000数百億という形で見込んでおります。 ○村上委員  1,000数百億円ですか。今日、別の所で平成12年度の不足額は1兆円ぐらいあると聞こ えてきたのですが。そうすると、政管にかかってくるのは1,000数百億円なのですか。介 護は2兆1,000億円ぐらい食うと思っていたら1兆7,000億円しかいかなかった。この見 込み違いが4,000億円あると。そもそもの見積り違いは6,000億円で、合わせて1兆円と 。 平成12年度の清算部分ですね。そういう話が今日入ってきたのですが、その場合はどれ だけになるのか。 ○岡田医療保険課長  もし1兆円だとすると、いま申し上げた数字はかなり違うのですが、私どもが保険局 から聞いているのは1,000数百億円と聞いています。 ○村上委員  今日、保険局からそういう説明を聞いたのです。 ○岡田医療保険課長  そうですか。従来来た数字と少し違いますので。 ○稲上座長  そうしましたら、その点は後で整理をしていただきたいと思います。 ○田中医療保険課長補佐  先ほどの老健拠出金の伸び率ですけれども、平成13年度におきましては2兆3,876億円 となっておりますので、伸び率を計算いたしますと0.8%増という形になってございます 。 ○村上委員  それは平成11年度の清算部分が入っているのでしょう。 ○田中医療保険課長補佐  両方、全体のことを申し上げております。 ○村上委員  だから、それを仕分けして言ってくれないと、私ら民間の人間は頭がこんがらがるの です。清算部分を込みでやられると何年度がどうだったかわからない。頭が悪いものだ から、後でいいですから分解してやって示してほしい。 ○岡田医療保険課長  はい、そこは整理してご説明をさせていただきます。 ○稲上座長  ほかにございますか。 ○高野委員  レセプト点検業務の内容ですけれども、これは直ぐにどうということではなくて今後 の方向としてご提案申し上げたいのです。現状では、請求が誤りがないかどうか、支払 いが適切かどうか、というところに重点が置かれていると思います。ただ、このレセプ トを始め被保険者のデータベースは大変貴重ですので、将来的には疾病の予防あるいは どういうポピュレーションにどういうリスクが多いのか。  その生活環境であるとか生活の形態であるとか、あるいは被保険者の社会経済的な条 件。こうしたことによって、病気の偏り、あるいは病気の種類の偏りもありますし病気 の発生の偏りもあると思いますので、将来的には、これだけのデータベースですので、 ぜひ疾病予防の対策。あるいは、こちらから進んで行って、後のほうで出てくることで あれば健康増進ですけれども、そうしたものに使える、耐えるデータベースにしていた だきたいと思います。  いつも指摘される問題点は、そうはいっても実際の病気とレセプトに書かれた診断名 が違うではないか、という議論があるのですが、これは少々違っても分析していく過程 でいろいろな手法がありますので、補正をする手法もありますし、均一化するような手 法もありますので解析の手法はありますので、この膨大な非常に貴重なデータベースを ぜひポジティブに、支払いが間違っているかどうかということから、それはもちろんや るわけですが、一歩進んで疾病の対策そのもののほうへ使えるデータにしていただきた いと思います。 ○稲上座長  議事は以上でございます。「その他」としまして、先月9月25日に公表されました厚 生労働省の「医療制度改革試案」がお手元にあるかと思います。それについて事務局か らご報告があるようですので、ご説明をお願いいたします。 ○田中医療保険課長補佐  お手元に、参考1から参考3まで資料をお配りさせていただいております。こちら は、去る9月25日に厚生労働省として公表いたしました医療制度改革試案でございま す。これにつきましては、今後、これを基に政府与党等で医療制度改革案の取りまとめ に向けた検討を年末の予算編成に向けて進めていくという予定になっているわけでござ います。  このうち、参考1は概要でございます。参考2が改革試案全体という形になっており ます。参考2の頁をめくっていただきながら、政管健保の財政運営に直結する主な事項 だけ紹介をさせていただきたいと思います。初めに、8頁を見ていただきたいと思いま す。そこまでの分は医療提供体制の見直しを書いておりまして、ここから医療保険制度 の改革という部分でございます。8頁で「給付の見直し」ということで(1)ですが、 給付率の一元化ということでございまして、政管を含む被用者保険につきましては給付 率を現行の8割から7割に変更する形になっております。(2)ですが、高額療養費に ついての自己負担限度額を見直す、ということを盛り込んでおります。(3)ですが、 これは高齢者の薬剤一部負担金制度につきましては前回の法改正で廃止されているわけ ですが、高齢者以外の一般の者の薬剤一部負担金について廃止をするということを盛り 込んでございます。  9頁ですが、「保険料の見直し」と書いてございます。これにつきましては、被用者 保険につきまして、現在、基本的には標準報酬とボーナスに分けまして、それぞれ別な 料率を乗じるという形をとっているわけですけれども、平成15年度から総報酬制を導入 いたしまして、月給とボーナスについて同一の料率を乗じるといったことを盛り込んで ございます。これと合わせて、(2)のアの所ですが、政府管掌健康保険につきまして は財政収支の均衡に必要な保険料率を設定したいということを盛り込んでおります。  10頁以降は高齢者医療制度の改革ということでございます。1つ目が、老人医療費の 伸び率管理制度の導入ということでございます。こちらについては、下に括弧書きで書 いてありますが、老人医療費の伸び率の目標値を設定します。これは高齢者の伸びと経 済の伸びを勘案したものでございます。この目標値を踏まえて、この目標が達成できる よう医療の効率化等の推進を図ります。仮に実績が目標値を超過してしまったという場 合には、翌々年度に支払われる診療報酬の額を調整します。そういった仕組みの導入を 盛り込んでおります。これによりまして、被用者保険にとっては老人保健拠出金が抑制 されるという効果が見込まれるわけでございます。  11頁ですが、老人保健制度の対象年齢の見直しということで、2の(1)ですが、老 人保健制度の対象を現行の70歳以上から75歳以上に段階的に引き上げるということを盛 り込んでおります。11頁の後半ですが、患者一部負担の見直しという所で、老人保健制 度の対象者につきましては75歳以上の者ですが、これを1割負担し、特に、高い所得を 有する者にあっては2割負担にするということを盛り込んでおります。  それから、老人保健制度から外れていく70歳から75歳未満の者につきましては定率2 割負担とするということを盛り込んでおります。  12頁ですが、こちらが高齢者の部分の自己負担限度額の見直しということです。低所 得者対策を拡充しながら、外来の患者一部負担の月額上限制というものを廃止するな ど、自己負担限度額の見直しということを盛り込んでおります。一方、老人保健制度に 対する公費負担ですけれども、これを年齢の対象年齢の引き上げに合わせまして公費負 担の割合を現行の3割から5割へ段階的に引き上げていくことを考えております。  13頁ですが、老人保健拠出金の算定方法の見直しということで、老人保健制度は各医 療保険制度から拠出金というものを徴収しまして、それで高齢者全体を支えるという、 いわば財政調整の仕組みになっているわけでございます。(1)のところで「老人加入 率の上限」というものがあります。この上限を超えると老人保健制度による調整の対象 にしないということですが、この老人加入率の上限30%を撤廃するというものでござい ます。  それから、退職者、サラリーマンOBにつきましての老人保健拠出金につきまして は、現在、国民健康保険と退職者医療制度の両者で負担をすることになっているわけで すが、退職者医療制度において負担をする、つまり、被用者保険からの退職者給付拠出 金で賄われる退職者医療制度において負担をするということでございます。こちらは、 被用者保険にとりましては、退職者給付拠出金は増えてしまうわけですが、国民健康保 険の財政が厳しいということに対応するものと聞いております。以後、「診療報酬の見 直し」などが載っておりますが、政管健保の財政に直結する部分としては大体以上のと ころでございます。  参考3という資料がございます。これは、先日の社会保障審議会医療保険部会で提出 した資料を参考にお配りしております。基本的には、中身を見ていただければと思うの ですが、その財政影響の粗い試算のようなものがありますので、そこだけ紹介をさせて いただきます。5頁ですが、これは保険局で試算をしているわけですが、今回の制度改 正をやると、やらなかった場合に比べて医療費全体で約2.1兆円縮減する効果が見込ま れるとされています。  これの政管健保の財政に対する影響ですが、7頁をご覧いただきたいと思います。こ れは、平成14年度から平成19年度までの単年度の収支差を全体で示しております。つま り、簡単に言うと単年度の赤字でございます。これが、今回の医療制度改革試案が実現 いたしますと、斜線部分が下半分程度ありますが、この斜線部分の赤字を解消すること ができるということです。  特に、平成14年度のところに「注1」がありますが、その反対向きの斜線が書いてあ ると思いますけれども、こちらは積立金である事業運営安定資金の取り崩しとか国庫補 助繰延の返還があったという前提でここが埋まりますよ、ということを示しておりま す。残り、15年度から19年度まではまだ白い部分が半分程度残っているわけですが、こ ちらについては、先ほど申し上げた保険料の見直しで対応させていただけないかという 趣旨でございます。ご説明は以上でございます。 ○村上委員  最後のデータはこの前の保険部会で撤回を求めた資料です。こんな人を紛らわせるよ うな資料のつくり方をしてはいかん。増えるのに減るように、騙しのテクニックではな いかということで撤回を求めた資料ですから、それは承知しておいてください。もう一 つは、これは皆さん方に言ってもしょうがないのですが、説明の仕方がまた誤解を受け る説明の仕方をしている。これに基づいて与党等で話合いがされて今後決まっていきま すと。本当にそうなのか。財務省案が出ました。9日の経済財政諮問会議の議論では経 済財政諮問会議で決めるという話になって議論が紛糾したようですが、その話は消えて いないのです。そこは正直に言ってもらわないと、皆さん方は誤解をしてしまうのでは ないですか。これを基に与党で話合いをして決めるなどという話は、最初はそう思った かもしれないが、いまは少し様子が変わっているのですから、そこは正直に言っておか ないと皆さん方が誤解をされると思います。 ○高梨委員  試案についての考え方を言いたいのですが、長くなりますのでそれはやめます。若 干、質問だけさせていただきます。先ほどの予算の説明で、高額療養費の貸付を行う制 度がありますよ、ということで予算額が入れてあります。資料4の2頁の(1)の所で 平成14年度要求が7億円と、こういうことなのです。この試案の中には、高額療養費の 制度を変えるということを含んでいるわけですけれども、仮にその試案の方向で動いた ときには来年度の概算要求の高額療養費の貸付事業のところへの影響といいますか、そ れは考えているのかいないのかという点を1点教えてもらいたいと思います。  それから、試案の中に総報酬制を平成15年度から導入するというのがあるわけです が、先ほど私が言った現在の政管の保険料の中での標準報酬月額の分がいくらで、それ に料率がこれだけかかって、いくらの収入があって、一方、ボーナスは、こういうこと で0.8を掛けてこうなるよという、その辺の基礎数字を早くもらいたいのです。次回の 政管の事業運営懇談会などということではなくて、我々としてもこの試案についての考 え方をきちっと整理する必要があると思っていますので、データをできるだけ早く提供 していただきたい。  もう一つは、総報酬制導入の所で、特別保険料が1%ですね。いまは国庫から0.2が出 ているわけですけれども、その国庫負担はどうなるのか、ということが試案のどこにも 書いてないのです。ここの場で0.2はこうするのだ、という考え方を明らかにしてほし いと思います。 ○村上委員  この改革試案に対して、政管健保保険者としてどうタッチしてきたのかしなかったの か。しなかったとすれば、今後、保険者としてどうするのか。また、それをやる場合 に、この懇談会との関係はどうなるのか。  といいますのは、保険部会に政管健保の代表が入っていません。ほかは、共済も全部 入っているのです。なぜか政管健保の代表が入っていない。だから、理事者を公正にし てもらわないと政管健保の意見がどこの審議会にも出てこない。反映もしないと。こう いう欠陥があるわけですが、その辺についてお答えをお願いいたします。 ○岡田医療保険課長  最初の高額医療費貸付制度の予算ですが、これは概算要求は8月の末にやっています ので、改革試案が公表される前ですので、従前のものを参考にしてつくっているという ことでございます。今後、この改革の動向を見て、必要があれば概算要求の額を見直す ことについては検討をしてみたいと思っております。  試案について、総報酬の導入とか国庫負担のあり方についてですが、基本的には制度 の立案という分野にかかわりますので、基本的には保険局が担当するようなしきいにな っています。我々はその制度を運営するという意味での実施庁という立場でございま す。したがいまして、その具体的内容については保険局のほうでかかわっていくという ことで、我々もいろいろな形で協力はしておりますが、最終的な決定をしていくのは保 険局の権限という問題になろうかと思います。  別途、制度のあり方につきましては社会保障審議会という審議会が設けられておりま して、そこの中の医療保険部会でご議論されることになっております。それとの関係で いきますと、この懇談会よりも、むしろ、制度のあり方を検討する医療保険部会でご議 論されるべき問題ではないかと思っております。 ○高梨委員  先ほど私が申し上げたうち、質問事項にお答えいただきたいのですが、今度の試案の 中に総報酬制の導入について書いてあるわけですが、現在は特別保険料について0.2% の国庫補助があるのですが、それについても社会保険庁の幹部としては言えない。ある いは、聞いていないのであればそれでやむを得ませんけれども、国庫負担はどうなるの かという点についてのお答えもいただけないのですか。 ○岡田医療保険課長  まだ取扱いが確定していない状況ではないかと承知しておりますが。 ○村上委員  保険者として何も発言しない。できないのですか。 ○岡田医療保険課長  いや、できないということではないと思います。 ○村上委員  私は、それを質問しているのです。例えば、私などは、労使代表という形で出ている わけです。誰もいないから政管のことも言わなければいけないと思って言っています が、政管代表という肩書ではないのです。政管を代表される方は誰もいないです。各会 代表、皆いるわけですよ。医師会でも、病院まで今度入おりましたからね。医師会、三 師会のほかに病院代表まで入りました。それだけ入って、政管代表が誰も入らないのは どういうことか。保険者としてどう意思表示をするのか教えてもらわないと困ってしま うのです。 ○岡田医療保険課長  審議会のメンバーの選定というのは保険局のことですので、そちらで決定されること ですが、一応、審議会の場では政管の財政運用はどうだと。将来に向けてどうだ、とい うようなことも含めて検討をされると承知していますので、全く政管のことが取り上げ られないということではないと承知をしています。 ○村上委員  政管を代表して発言する人が誰もいません。ほかは全部いるのですよと。医療保険部 会なのですよ。保険をどうするかなのですよ。私に言わせたら、医療提供側は保険がど うなろうと関係ないはずですよ。要は、どういう取引をするかは中医協でやればいいこ とですから。そういうような所がそこにたんと入っていて、代表が6団体ぐらい入って いますよ。それで、政管代表は誰もいない。それは異常ではないでしょうか。保険者と して何も発言しないのですかと言っているのです。 ○岡田医療保険課長  実質的には、委員という形ではないですが、私も、運営部長も会議に参加しておりま すので、必要があればそういう場で発言することは可能だと思っています。 ○村上委員  どういう発言をするか我々に相談してもらわないと困るのです。保険者なのですよ。 ○冨岡運営部長  この点については、医療保険部会の委員を決めること自体や、審議会なり部会の運営 の事務は、保険局が担当しているものですから、私どもとしては、説明と申しましょう か、そういうことはなかなか難しいのです。ただ、政府管掌健康保険が保険者として、 一つの特徴というよりも、他と違う性格としては政府自身が運営しているということが かなり大きな違いなわけです。いろいろな面で、予算なり保険料といった基本的なもの が国会審議を経て決まるという点でかなり大きな違いがあるわけです。そういった中 で、政府管掌健康保険の事業運営を社会保険庁が厚生年金といったほかの保険制度とと もに運営しているわけなのですが、その意味で保険者であります。  では、その政管健康保険の運営実態から見て、現在、どういうことからその運営状況 が昨今のような財政事情を招いているのかと。また、そういったことからどういった制 度的な改革が必要であろうかと。そういった運営をしている者としての実態、その必要 性、そういったものについては実態を踏まえまして制度立案当局と調整をし、必要な意 見交換をするということは、十分にさせていただいているつもりですし、それは今後と も必要なことだと思っております。 ○村上委員  意見交換をして政管はこう言いました、社会保険庁はこう言いました、ということが 全然ないではないですか。報告ぐらいはあってもいいのではないでしょうか。もう一つ 申し上げておくのは、国の予算で決まっていますというならば、国保組合だって国の予 算で決まっているわけですから、同じような扱いをされてしかるべきです。そっちを自 由にやらせておいて、国の予算で決まっているからということだけではおかしいです よ。時間が長くなるから、もういいです。 ○稲上座長  いろいろと難しい制度問題を私どもの運営懇談会は抱えている、という印象を持って おりますが、先ほど来ご注文、ご質問がいろいろありましたので、特に村上委員がいま お触れになっていることもそうですが、高梨委員から、データを早く提示できるもので あれば次回の運営懇談会に先立って、というようなご注文もありましたので、できるだ けご配慮いただきたいと思います。特にこの際ご発言がございますか。それでは、時間 を過ごしておりますので今日の会合はこれだけにさせていただきたいと思います。どう もありがとうございました。 (問い合わせ先)   社会保険庁運営部医療保険課健康保険管理係    電話(代表)03-5253-1111     (内線)3597、3598