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坂野新長官就任挨拶(厚生労働記者会)

(2007(平成19)年8月31日18:20〜 厚生労働省記者会見場)

《挨拶》

(坂野社会保険庁長官)
社会保険庁長官を拝命いたしました坂野でございます。よろしくお願いをいたします。現在、非常に厳しい国民の目が注がれている中、身の引き締まる思いがしております。年金記録問題など山積する課題の達成に全力を挙げて取り組みたいと考えております。村瀬前長官同様、皆様方のご支援よろしくお願いをいたしたいと思います。以上でございます。

《質疑》

(記者)
就任される時は、柳沢前大臣から具体的にどのような言葉で要請がありましたか。

(長官)
直接柳沢前大臣とは、24日の人事検討会議の終了後に電話でお話をさせていただきました。「社会保険庁長官に内定をしたのでよろしくお願いをしたい」というお話でございました。

(記者)
どんなお気持ちでしたか。

(長官)
私以上に適任の方が沢山いらっしゃるはずだろうと思います。民間の方も含めて優秀な方がいらっしゃる中であえて私をご指名いただいたということでございますので、私としても一旦役人生活を終えた、いわば身を退いたものではございますけれども、そこまでのたってのお話であれば、古くさい言葉で言えば「お礼奉公」ということにもなろうかと思いますが、もう一度現場で働かせていただこうという気持ちになりました。

(記者)
行革の手腕を買われての登用だと思われるのですが、その経験を今後の社会保険庁改革に活かせるとお考えですか。

(長官)
直接社会保険業務に活かせるかということは、なかなか即断即答しかねます。私が携わった行政改革というのは、制度改革とか組織の再編であるとか、そういうようなマクロの見地からの改革というのが多かったわけで、現場の第一線業務を改革するということになれば、それまでの私の職業生活の経験であるとか、あるいは個人的な知識経験も大いに活かしていくしかないと思いますし、まだ着任早々業務の内容を十分に把握できているわけではないのでわかりませんけれども、早く全体を把握してその中で私の知見を活かせる部分がどういうところにあるか考えなければなりません。達観して見れば公務の世界、あるいは民間の世界であろうと、現場でお客様にサービスを差し上げるという仕事でありますので、まさに、利用者の立場から供給する側の理念なり意識のあり方そのものを考えるということですから、私の立場からすれば、そういうことをまずきちんと、職員の方に私の考えを伝え、かつ現場の職員にも理解してもらう努力をするということが一番大切ではないかと思います。

(記者)
官邸では総理からはどのような話がありましたか。

(長官)
特段細かなお話があったわけではございません。しっかり年金記録問題などに取り組んでほしいというお話でございました。

(記者)
就任の打診をお聞きになられて、躊躇されることはありませんでしたか。

(長官)
柳沢前大臣とお話ししたのは、検討会議の後でしたので、そういうことを申し上げることはありませんでした。

(記者)
最初の打診があったのはいつ頃でしたか。

(長官)
経過については、私がお話しすべきことではないと思っておりますが、個人の内心では色々な思いがあったということにしておいてください。

(記者)
長官としてまず第一にどのような仕事から取り組みたいとお考えですか。

(長官)
総理からも例示としてお話があった年金記録問題というのが焦眉の急だろうと思います。国民の方に、できるだけ早く、判りやすくお示しするのが最大の課題、当面の課題だと思います。その他先般の国会で法律が成立しました新しい組織形態への移行ということについても、2年少ししか時間がありませんので、きちんと手順を追って準備を進めなければならないと思います。何よりも、村瀬前長官が3年間本腰を入れて進められた業務改革・意識改革というものを、私も重要な課題として取り組まなければならない。枠組み作りあるいは方向付けというのは3年の間に村瀬前長官が作っておられましたし、リスタートプランというものも職員の参加の下に作り上げられております。そういうものを国民の方々に成果として目に見える形でお示ししていけるような姿にしていかなければならない、そういう段階だと思っております。

(記者)
全国にある社会保険事務所を視察するような予定はありますか。

(長官)
村瀬長官は全部廻られた。これは偉業と言って良いくらいの業績だと思います。私がいつどこへどのように廻れるか、まだ今日の段階ではスケジュールも立っておりませんが、できるだけ現場の第一線に私が赴いて職員の方と対話もしたいし、いろいろな意見に向き合っていきたいという気持ちは強く持っております。

(記者)
庁舎の中に総務省の監視等委員会が作られまして、後輩に監視されるお立場になりますが。

(長官)
そういうことは思ったこともないですね。前に仕事を一緒にした方も、それはそういう関係にあったというだけで、個人的な関係で仕事をするわけではありません。公の立場として、それぞれの職務に照らして、それぞれが確実に役割を果たす、それに尽きると思います。上だ下だ、先輩だ後輩だ、そんなことを、私は気にかけようという意思自体がわいてこない。

(記者)
遠慮なくということですか。

(長官)
監視等委員会は、本当に大切な役割を担われています。十分に監視・ご議論をいただいてしっかりとしたものにしていく、そういう気持ちで一杯です。審議に全面的に協力もいたしますし、ご指示があればいろいろな資料も提供しますし、そういうことでやっていくべきものだと私は思います。私の行政改革の経験として、有識者の方々あるいは外部の方々の批判を受けるということがいかに大切かということは、これまでの私の経験の中でも十分考えさせていただいたことの一つだと申し上げてよろしいかと思います。

(記者)
他省庁出身者が長官になられるのは初めてのケースだと思うのですが、出身省庁が違うことに対する不安はありますか。

(長官)
ありません。公務員生活の中で携わった行政改革の仕事というのは、大半が各省混成チームで最初からやるという仕事がほとんどです。そういう中で仕事をしてまいりましたので、どこの出身の方がいるからこういうことになる、ということを考えることをあまりしてきませんでした。社会保険庁の職員の方は初めての事態で、(民間の方が来られたのが一番大変なことであったと思いますが、役人の経験があるとしても他省庁出身者が来る初めてのことで、)かなりびっくりはしていると思いますが、他省の人だからという色彩での雰囲気は感じませんでした。

(記者)
村瀬前長官の下で、社会保険庁の体質改善がかなり進んできた面もあるとは思いますが、現時点でどのような点がまだ問題として残っていて、どのように改善していかなければならないとお考えですか。

(長官)
今日の段階では、そういうご質問に、まだ具体的にお答えできるほどの整理はできておりません。

(記者)
舛添大臣とはお話になられましたか。

(長官)
29日に人事の閣議口頭了解があった後に、ご挨拶ということで、10分以内ぐらいお話したくらいです。ですから、突っ込んだお話はございませんでした。

(記者)
その時にはどういったお話が出たのでしょうか。

(長官)
社会保険庁改革、特に年金記録の問題というのは本当に大切な問題なので、そういうことについて、前長官に引き続いて、きちんと仕事をしてもらいたい、ということでございました。

〜以上〜


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