社会保険庁
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社会保険業務センター:年金の給付誤りについて


平成17年4月1日(金)
<照会先>
社会保険業務センター
企画調整課 井上、佐野
電話直通 3595−2679(4月1日(金))
電話直通 5344−1109(4月4日(月)以降)


 社会保険庁においては、平成15年6月に公表した厚生年金保険等の年金給付誤りの反省に立って、同年12月から年金給付システムの総点検を実施し、実際にプログラム誤りや事務処理誤りがないかについて検証してきたところである。
 昨年12月にこの総点検の結果、未払い・過払い等の誤りの輪郭を公表させていただいたなかで、この度、対象件数等が明らかになったものについて別添のとおり公表させていただく。
 なお、これらについては、対象となる方々を本年6月の定期支払以降順次特定し、個々にお詫び申し上げ、特に過払いについては、ご本人と十分調整を行わせていただくこととしている。


1 加給年金額に関すること
@ 概要
加給年金額を適正に支給するために、夫婦相互間の情報(氏名、生年月日)をそれぞれの年金受給者原簿に保有することとしているが、この情報が正しく収録されていないために、夫婦の特定ができず、加給年金額の見直し(支給・停止)が行えなかったため、未払い又は過払いが発生していることが判明した。(参考1参照 pdf: 9kb)  
A 原因
配偶者情報収録時の事務処理誤り
B 対象者数
未払い:3,896人
過払い:4,846人
C 未払総額・過払総額
未払総額:約23億円
過払総額:約28億円
D 対応
夫婦相互の受給者原簿を確認のうえ、配偶者情報を正しく収録する。


2 併給調整に関すること
@ 概要
同一人が支給事由の異なる2つ以上の年金の受給権を有する場合は、原則として一方の年金を支給し、他方を支給停止することとされている。この後、いずれかの年金の額が変動したような場合には、選択する年金の見直しを行うことが必要となるが、これを行うための契機となる警告リストが出力されておらず、未払いが発生していることが判明した。
                           (参考2参照 pdf: 13kb)      
A 原因
プログラム誤り〔一部事務処理誤りの可能性あり〕
B 対象者数
376人
C 未払総額
選択により年金額が変動するため総額の集計はできない。
D 対応
事象の契機を捉えて警告リストを出力するようプログラム修正を行う。


3 在職老齢年金に関すること
(1) 記録間の連携不備による未払い又は過払い
@ 概要
老齢厚生年金は、被保険者資格の取得、被保険者期間中の標準報酬月額等の変更及び被保険者資格の喪失を契機として年金額の改定処理が行われることとされている。これらの年金額の改定処理については、基礎年金番号をキーとして被保険者記録と年金受給権者記録との連携を取り、届出を行っていただくことなくシステムで自動処理を行っている。
 しかしながら、基礎年金番号の管理記録に「年金コード」や「加入制度表示」が収録されていない等、相互の情報が不完全であるため、老齢厚生年金の年金額の改定処理が行われず、未払い又は過払いとなっていることが判明した。(参考3参照 pdf: 7kb)
  
A 原因
基礎年金番号導入時の事務処理誤り
B
対象者数
1,101人(未払い・過払いの内訳は不明)
C 未払総額・過払総額
個別に未払い・過払いの真偽について審査が必要であり総額の集計はできない。
D 対応
基礎年金番号の管理記録に「年金コード」等を正しく収録し、被保険者記録に基づく適正な改定処理を行う。

(2) 65歳から支給される老齢厚生年金の裁定誤りによる未払い
@ 概要
老齢厚生年金は、受給権発生月の前月までの被保険者期間を年金額の計算の基礎とすることとされている。
 しかしながら、老齢基礎年金を繰り上げて受給している者については、65歳から支給される老齢厚生年金を裁定する場合、直近までの被保険者記録を反映させずに裁定を行っているため、未払いとなっていることが判明した。(参考4参照 pdf: 8kb) 
A 原因
プログラム誤り〔社会保険業務センターによる委託業者への指示誤り〕
B 対象者数
13人
C 未払総額
約350万円(机上における試算結果により暫定的に算出)
D 対応
当該者に対する65歳の裁定を行う際に、直近までの被保険者記録を反映するよう修正を行う。


4 年金額計算に関すること
@ 概要
 年金制度においては、制度改正による年金額の見直しが行われた場合に、改正後の年金額が改正前の年金額を下回るときは、既得権を保障するために、その間、従前額保障として改正前の年金額で支給するといった経過措置が設けられている。
 具体的には、改正後の額と改正前の額を年金額改定の都度に比較することとなるが、システム上、一旦、改正後の年金額が高額となった年金受給者については、その後の年金額改定において再度の比較は行わない仕様となっていた。
 このため、平成15年度の物価スライド(マイナス改定)により平成6年の制度改正による改正前の年金額が高額となる者が生じ、本来であれば、改正前の年金額を保障すべきであったが、引き続き改正後の年金額を支給していたことから未払いとなっていることが判明した。   
                          (参考5参照 pdf: 12kb)  
A 原因
プログラム誤り〔社会保険業務センターによる委託業者への指示誤り〕
B 対象者数
336人
C 未払総額
約1,260万円(机上における試算結果により暫定的に算出)  
D 対応
常に改正前の年金額との比較を行い、高額となる年金額を支給するよう修正を行う。

5 共済年金関係
@ 概要
 農林共済組合については、平成14年4月に厚生年金保険に統合され、それまでの加入期間は厚生年金保険の被保険者期間と見做されることとされている。
 しかしながら、統合日以降に初めて厚生年金保険の被保険者期間を取得した者について、過去の組合員期間を厚生年金保険の被保険者期間と見做さずに受給要件審査を行っているため、裁定が正しく行われず、過払いとなっていることが判明した。(参考6参照 pdf: 10kb)
 
A 原因
プログラム誤り〔社会保険業務センターによる委託業者への指示誤り〕 
B 対象者数
85人
C 過払総額
約34万円(机上における試算結果により暫定的に算出)
D 対応
当面、手作業により適正な裁定処理を行う。


6 遺族年金に関すること
@ 概要
 遺族年金は、18歳未満の子が受給する場合には複数の受給権者となる場合がある。
 この場合、各々の年金額は受給権者数で除した額とされていることから、受給権者数に変動が生じたときに年金額の見直しを行っている。
 しかしながら、現況届が提出されていないために年金が差止めされているような場合、年齢到達による失権処理が正常に行われず、年金額の見直しが正しく行われないため、未払い又は過払いが生じていることが判明した。(参考7参照 pdf: 9kb)    
A 原因
プログラム誤り〔社会保険業務センターによる委託業者への指示誤り〕  
B 対象者数
未払い:1,728人
過払い:46人
C 未払総額・過払総額
個別に未払い・過払いの真偽について審査が必要であり総額の集計はできない。  
D 受給者間の支給状態を確認したうえで、年金額の見直しを行う。契機を捉えて警告リストを出力するよう修正を行った。




 年金給付システムの総点検を実施し、これまでに公表した給付誤りの事象のうち、対象件数等の確定したものについて、改めて公表いたします。
 
1.老齢基礎年金に係る振替加算の過払いの概要
〔平成16年7月23日公表〕     


@対象者数  1,591人(公表時 約1,800人の疑い)
A過払総額  約16億円

2.加給年金額の過払いの概要〔平成16年8月6日公表〕
@対象者数  2,827人(公表時 約3,400人の疑い)
A過払総額  約8億6千万円

3.年金給付システムの総点検の結果(骨子)
〔平成16年12月17日公表〕    
・事象の概要、原因及び対象件数の概数が明らかになったもの6事象のうち、
 
3. 年金額計算に関すること
@対象者数 265人(公表時 約4,000人の疑い)
A過払総額 約50万円
   
4. 未支給年金に関すること
@対象者数 202人(公表時 約200人の疑い)
A未払総額 約5千万円



年金給付システムの総点検について

1 はじめに
 一昨年の6月に公表した年金給付誤りを契機に、年金給付システムの総点検を行ってきたところである。もとより国民の皆様の生活を支えるべき年金給付において、未払い・過払いといった給付誤りはあってはならないものである。
 これが後で示すような多くの人数・金額となったことについて、深くお詫びし、反省するとともに、今回の総点検を教訓として、より正確なオンライン・システムの構築、事務処理体制の整備を行い、再発防止に全力を挙げていく所存である。
 今後とも、これまでの対応と同様、過誤払いの対象者の方々にお詫び申し上げるとともに、丁寧に内容を説明し、十分ご理解をいただいた上で、過払い等の調整に当たらせていただくこととしている。
 また、万一、新たな過誤払いが判明したときには、速やかに公表するなど、適切な対応を採らせていただくことといたしたい。

2 総点検の作業結果について
(1)総点検の作業内容
総点検作業は、一昨年の6月以降、疑わしい事例を組織的に収集し、以下のような観点から分析するところから始められた。
@ 夫婦相互の情報を基に、加給年金や振替加算を加算又は停止する仕組みとしているが、これが適正に行われているか
A 年金額は、被保険者記録を基に改定及び停止する仕組みとしているが、これが適正に行われているか
B 一人で複数の受給権を持っている者の年金給付が適正に行われているか
C 厚生年金保険に統合された共済組合期間を有する者に対する年金給付が適正に行われているか
D その他、適正な支給であったか

 こうした中から、過誤払いを発生している事象かどうかの検討を慎重に行った上で、対象者を特定し、その後、個々の方に問い合わせるなどして最終的に金額の確定を行うという基本的手順で行ってきている。事象数も多いこともあって、こうした作業を行うためにかなりの長期間を要することとなったものである。

(2)総点検の結果
 今般、総点検を行った結果、一昨年の給付誤りを含めて、27事象の給付誤りが判明した。

 これらの給付誤りによる影響人数・影響額は、
@ 過払いとなった方は、約22,300人で、現在までに確定している影響額は、約91億1,500万円
A 未払いとなった方は、約45,400人で、現在までに確定している影響額は、約288億9,400万円
B 個々の年金受給者の記録を確認しなければ、過払い・未払いが判明しない方は、約12,000人
となっている。
 また、これらを原因別に見ると、
@ プログラム誤りによるものが15事象
(このうち、庁側の指示誤りによるものは13事象、委託業者側の誤りによるものは2事象である。)
A 事務処理誤りによるものが8事象
(このうち、業務センターにおける誤りは3事象、社会保険事務所における誤りは1事象、業務センター及び社会保険事務所双方における誤りは4事象である。)
B 届出漏れによるものが4事象
であった。
3 原因の分析
(1) プログラム誤り
@ プログラム誤りのほとんどは、システムの基本仕様を定める基本設計書(FS)策定時にその原因が集中しており、庁側の指示誤りによるものが多い。典型的な例を挙げれば、委託業者が作成するFSに「警告事故リストの出力」を記載するよう庁が指示すべきものを指示せず、また指示漏れを膨大なFSの中からチェックすることができなかったといったものである。このように誤りがFSの策定時にある場合、その後の詳細設計書の策定、システム・テスト工程においても、誤りを発見することは困難である。
A また、一部には同じく基本設計書の作成段階において、委託業者側から懸案事項の提示、問題提起が行われていたにもかかわらず、そのシステムに及ぼす影響の重要性を認識できずに適切な指示が行われていないものがあった。
B プログラム作成段階において、プログラミングの手法として、計算式のようなものは共通モジュール化して使用することが一般的であるが、これを安易に流用しているケースがあった。
(2) 事務処理誤りについて
@ 事務処理誤りの多くは、情報の確認又は入力漏れや聴き取りなどが不十分であることに起因するものがほとんどである。具体的には、振替加算などを行うために必要とされる情報が記された届出の進達漏れ又は必要な情報の請求者からの確認(聴取)を漏らしていたケースがあった。
A また、収録された配偶者情報等のデータが不備であったにも拘わらず、その後の調査を行っていなかったものがあった。入力した内容が誤っていたもの又は入力すること自体が誤りであったものがあった。
(3) 届出漏れについて
 年金の裁定請求等は、本人の届出等があって行われるのが制度上の原則である。しかしながら、年金の受給権の発生、加給年金額の加算、年金額の改定及び年金の支給停止について、要件に該当しているにもかかわらず、その届出がなされていないといった事例が総点検の中で発見された。

4 背景と問題点
(1) 背景
@ 年金制度は5年に1度の財政再計算を行うこととされており、その際に種々の制度改正が行われてきているのが常態となっており、複雑かつ多岐なものとなっている。
A 従来は、年金給付単独で支給の有無を定めていたものが、他の年金制度の年金の支給情報や配偶者に係る年金の支給情報、他の社会保障制度の支給情報(雇用保険や介護保険)や給与(賞与)の情報が必要とされるようになり、これらの情報に基づき、年金の支給、停止、加算を行う仕組みとなり、年金支給の決定等の事務を行うために必要な情報量は膨大なものとなっている。
B また、長期給付たる年金制度の特徴として、新たな仕組みが講じられても、既得権の保障といった観点から経過措置が設けられ、新たな仕組みと従来の仕組みが長期間併存し、互いに関連するといった状況がある。

(2) プログラム誤り
@ 制度仕様をシステム開発仕様に漏れなく置き換え、FSへの指示を的確に行うためには、制度改正等に伴うシステムへの影響範囲の確認・検証を行わなければならないが、この作業の大部分は人の判断により行ってきており、個人の経験に頼る部分が多い。また、他の大規模システムと比べて人数もスキルも十分とは言えない状況にあり、制度改正等の内容とシステムとの関連を客観的に把握する方法もないため、影響範囲のすべてを確認しきれない、必要とされるシステム開発仕様の内容を漏らす又は誤るといった状況を惹き起こしていた。従来2年前後で定期的に人事異動が行われ、システム分野、特に制度の内容とシステムとの関連を把握している専門的人材を計画的に育成してこなかったことが背景にある。
A システムの安定稼働の観点だけからすれば制度が不変であることが望ましいが、現在の年金制度はそのような状況にない。状況はこれとは反対に頻繁で、大幅な制度改正が行われ、システムの複雑化を生じさせている。
B 法律や政省令などの制度面での仕様確定を待たなければFSの策定、すなわちシステム開発仕様は確定できないが、その決定が遅く、十分な検討を行うだけの開発期間が確保されていない面がある。また、システム開発の途中で制度仕様が変更になり、結果、システム開発仕様を変更し、手戻りとなっている場合があった。
C 高齢化の進展による年金受給者の急増等に対応するためのシステム・インフラの整備と、年金受給者の側のニーズの多様化に対応してきたことも背景的事情として挙げられる。

(3) 事務処理誤り
@ 事務処理誤りには、単純ミスと言えるものも多いが、頻繁で、大幅な制度改正による事務処理内容の複雑化とその内容の決定の遅れにより周知期間が短く、制度内容と端末操作を始めとした事務処理との関連性について、理解不足を生じさせている面がある。
A 事務取扱要領等(事務マニュアル)は、制度改正や業務改善によるシステム開発の内容を十分反映しているとは言えず、また様々なケースが網羅されているわけではないので、担当ごとの理解の程度にバラつきが見られ、個人の経験に依存してしまっている面がある。
B また、事務マニュアルには正しい事務のやり方は記載されていても、そのとおりに事務を行わなかった場合(例えば配偶者情報を当初の裁定時に入力しなかった場合)どのようなことが起きるのかといった視点、すなわちフェイルセイフ的な発想が欠けており、また一連の事務処理の流れが不明確で分かりにくい個所がある。
C この関連で、例えば配偶者情報の入力や年金裁定請求者からの聴き取りが正しく行われないと後の振替加算の過誤払いにつながるといった認識が足りないのではないかと考えられる。
D 旧法による経過措置などオンライン・システムに取り込むことがコスト的に見合わないものなどについては、人的作業で行っている審査があるが、こうした点についても知識の不足やバラつきが生じている。

(4) 届出漏れ
@ 受給権発生後に必要となる届書について保険者から年金裁定時に小冊子が配布されているが、これが十分に活用されておらず、またその記載内容も一般の方にわかりやすいとは言えない場合が多い。
A 保険者が保有してない情報(例えば雇用保険の受給の有無)については本人に届けていただくことが原則であるが、制度が複雑化しており、制度の周知や適正な届出に対する保険者側からのアプローチが不足している。

5 再発防止策と現在の取組み状況
 国が年金給付について責任を有しており、給付誤りはこの観点から言って許されるものではなく、今回の総点検結果を深く反省するとともに、教訓をくみ取って、庁として主体的に再発防止に取り組んでいかなければならない。具体的には、上記のような原因分析、背景と問題点を踏まえて、平成15年12月に公表した再発防止策の取組状況と新たな再発防止策を次のとおり講じることとする。
(1) システム開発の改善策
@ 制度改正等によるシステム開発の際の影響範囲の確認・検証は、個人の経験に頼っている部分が多く、長い時間を必要としていることから、これを的確かつ効率的に行えるよう影響範囲の洗い出し方法の改善を行う。(平成17年度以降)
A システム開発委託先に対する指示は、文書によることを徹底するとともに、指示事項が成果物に正確に反映されていることの相互確認を行うよう改善した。(平成16年度)
B FSでの誤りが通常のテストでは検証できないことにかんがみ、過去のテストデータを類型的に整理するとともに、業務処理機能面からのテストを追加する等によるシステム・テストの充実を図った。(平成16年度)
C 制度設計部局に対し制度改正の際に十分なシステム開発期間を意識した制度仕様の決定と適切なスケジュールの決定を求める。(平成17年度)
D システム開発における人数・スキル不足の解消のため、システムの最適化計画の策定と実施の中で、専門家の確保、養成等の抜本的な体制整備を行う。(平成17年度以降)

(2) 事務処理の改善策
@ 事務マニュアルの充実を図った。また、業務処理の習熟、資質の向上、目的意識の定着を図るための職員研修を充実することとした。(平成 16年度)
A 社会保険業務センターと社会保険事務所等との間の円滑な事務処理の促進、意思の疎通を図るための事務打合せ会を定期的に実施することとした。(平成16年度)
B 今後、ミスや入力漏れをおこしやすい個所を強調したり、過誤事例やいわゆる「ヒヤリハット」事例を積極的に伝えていく。また、QCサークルのような業務の質の向上のための場を意識的に作り出していく。(平成17年度以降)
C 裁定請求者等への聴き取りなど職員でなければできないことについて資質向上を図っていくため、機械化になじむものはシステムに取り込んでいく。(平成17年度以降)

(3) 届出漏れの改善策
@ 届け出なければならない場合や時期をわかりやすく示すなど、読みやすく、わかりやすい広報、お知らせを工夫していく。(平成16年度以降)
A 保険者側からの新たな形での情報提供を行っていく。(加入期間のお知らせ:16年度、裁定請求書のターンアラウンド:17年度、ポイント制:20年度)
B 住民基本台帳ネットワークなど公的情報の活用を視野に届出の縮減を図る。(住民基本台帳ネットワークの活用は平成18年度)

(4) 全般的対応
@ 今後予定されている離婚分割制度の導入等も踏まえ、配偶者情報が夫婦間で食い違っているといったことについて、記録の整備を計画的に進めていく。(平成17年度以降)
A 給付誤りを未然に防止することはもちろんであるが、発生した場合に早期に発見し、対応することで過誤払い額を最小限にすることができ、さらに発見した事例をその後のシステムや事務処理の改善に生かすことができる。こうした観点から、現場での疑わしい事例や受給者の方からの問い合わせを組織的に集め、速やかに対応し、公表する年金給付サーベイランス・システムといったものを検討していく。(平成17年度以降)
 

6 責任の所在等
 基本的な責任の所在については、別紙の事象ごとに示したとおりであるが、庁側に責任があるもののうち、プログラム誤りについては事象の発生時期等をほぼ確定しており、事務処理誤りについても今後可能な限り事象の発生時期、部署等を確定していくこととしている。
(1) 職員の処分の関係については以下のような対応をとることとしている。
@ 平成15年度に生じた厚生年金保険等の給付誤りについては、当該誤りにより、多くの年金受給者等への適正な年金の支払が行われなかったことは、年金受給者等広く国民に対する年金制度の信頼を損なうこととなったものであり、管理監督する職員について処分を行った。
A 平成16年度については、上記の取扱いを踏まえ、調査結果に基づき、厳正な処分を行うこととしている。

(2) 委託業者との関係については、以下のような対応をとることとしている。
@ 委託業者において責任がある場合、契約上の瑕疵担保期間内であれば、損害賠償請求を行う。
A 平成15年度に判明した加給年金の過払いについては、委託業者の責任によるプログラム誤りであったが、瑕疵担保期間を過ぎていたため損害賠償請求は行えなかった。しかしながら、システム開発を行った当事者としての道義的責任がある旨の申し入れがあったことから、システム改修に係る経費及び事務経費について負担していただいた。
B 平成16年度に判明した事象については、委託業者の責任によるプログラム誤り等について詳細な発生原因等を個々に確定しながら、瑕疵担保期間が過ぎている場合であっても、上記の取扱いを踏まえ、今後、費用の負担について協議することとしている。

参考資料・・・ 年金給付誤り関係について(pdf: 23kb)



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