ワーク・ライフ・バランスを向上させる
働く方々の健康確保とワーク・ライフ・バランスの推進のために、「勤務間インターバル制度」を導入しましょう。
勤務間インターバル制度導入で、時間外労働が約 30% 減少
導入事例

株式会社スナップショット

情報通信業
  • ● 設 立: 2001年8月23日
  • ● 事業内容: パッケージソフト開発
  • ● 従業員数: 20 名<男性15 名、女性5名>(2018年6月1日現在)
  • ● 所在地: 愛知県

株式会社スナップショット の勤務間インターバル制度

制度の開始時期
2018年2月
インターバル時間
11時間
対象範囲
全社員
規定根拠
全社員を対象とすることを就業規則に規定

ご回答 - 代表取締役 上拾石弘様 / 管理本部 望月真人様 / システムエンジニア 佐藤達彦様

1.勤務間インターバル制度の実施状況

…いつから勤務間インターバル制度を導入していますか?

2018年の2月です。

…導入前はどのような状況でしたか?

特に繁忙期は作業が深夜におよぶ場合があり、時間外労働が多い社員が数名いました。また、開発しているシステムの制約上サーバーメンテナンスのために夜間勤務が必要な場合もありました。ただし時間外労働自体はもともと少なく、導入直前1ヶ月で時間外労働発生は4名、深夜労働は1名でした。

具体的には、勤務間インターバル制度導入直近月において、時間外労働は、最も多かった者で深夜も合わせて75時間でした。一方で時間外労働が月10時間程度の社員や、ゼロの社員もいたため、特定の社員に時間外労働が発生していたことになります。

深夜作業が発生すると当然十分な睡眠が確保できず、翌日は眠い目をこすりつつ仕事に向かうことになります。作業効率が低下し、さらに時間外労働が発生してしまう悪循環に陥る可能性があります。また平日にオーバーワークが続くと、休日を挟んでも蓄積した疲労を完全に回復するにいたらないこともあります。そんな状況に危機感を持っていました。

…導入した制度はどんな内容でしょうか?

全社員を対象に、終業から次の始業までの間、通勤時間含め11時間の間隔を設けるとしています。またインターバルを取って遅く出社した場合も定時での退社を可としていますので所定労働時間が短縮される場合もありますが、その際も同様の給与支払い対象としています。

勤務間インターバル制度を利用する際の申請手続きなどは特に設けていません。就業規則の改定のみ行い、通常の勤怠打刻以外は特段管理せずに運用は本人に任せています。上長の承認なども設けていません。

…インターバル時間が確保できない場合はどうしていますか?

違反した場合のペナルティなどは定めていませんが、長時間労働の状況は管理者が適宜把握して対応しています。また、出社時刻が繰り下がる場合は社内のホワイトボードに書いたり社内メールで全社員へ共有することが慣例になっています。

2.勤務間インターバル制度の導入経緯

…導入のきっかけ、検討開始のきっかけは何でしょうか?

人にまつわるサービスを提供していますので、労働環境の改善や福利厚生についてはできる限り取り入れていこうと日頃から考えています。特に社員の健康管理を非常に重要視しています。例えば当社では、勤務時間中は喫煙禁止のルールを設けています。私も喫煙者だったのですが、禁煙した結果仕事に集中できるようになったと感じたためです。このように社員にも健康第一を念頭において、仕事に取り組んでほしいという思いが強いですね。

そこで、先ほど申し上げた社員の時間外労働の偏りが発生しているという危機感から、2017年3月に厚生労働省が開催した「勤務間インターバル制度導入セミナー」で情報を得て、導入を決めました。

勤務間インターバル制度以外にも昨年から新たな制度を次々に取り入れています。仕事だけでなく家族との時間を大切にして欲しいと考えていますし、労働時間をきちんと福利厚生や給与に還元していきたいと強く思います。

…制度の導入にあたり、社内からの反発などはありませんでしたか?

意識合わせという意味で、会議室に社員全員を集めて、きちんと顔を合わせて勤務間インターバル制度についての話をしました。規定作成や周知のための時間的な工程はかかりましたが、大きくコストがかかったという印象はありません。

インターバルを取って出社が遅くなる場合には「明日インターバル利用するから、対応お願いします」と周囲に共有しますので、仕事がやりづらいという不満の声もなく、現状トラブルにも発展していません。

3.勤務間インターバル制度の導入による効果

…導入後、どのような効果がありましたか?

導入前後で比較すると、時間外労働は約30%減少しました。勤務間インターバル制度は休息をきちんと取ると決めた「規則」ですから、社員の健康管理意識の向上に役立っていると感じます。この制度を通して、社員の健康確保、時間意識の改革、自己啓発時間確保などに大きな効果があったと思います。

特にプログラマー職は、業務以外に日々の業界研究などが非常に重要です。導入前は帰宅後できるだけ早く寝床につくことだけを考えていましたが、導入後は読書や業界リサーチなど自分の時間をとれるようになりました。このように平日に自分の時間を持てることは非常に有意義だと感じます。また出社の定時は9時半と決まっているため、逆にその時間に出社するために前日深夜までの残業を控える、という意識が芽生えるなど、時間外労働が減少しただけではなく業務効率も向上したと感じます。

こうして短い時間で生産性の高い仕事ができるようになると、それが結果的に競争力や製品開発の向上にもつながります。新しい製品を開発しつつ現在の業務にもあたることができるというサイクルが生まれるのではないかと考えています。

中途採用で入社した社員からは、入社を検討する際に勤務間インターバル制度は目新しくそして魅力的に感じたという声があります。人材確保という視点でも、勤務間インターバル制度を導入していること自体が大きなアピールであり強みだと思います。

…例えばクライアント対応など、導入後の問題はなかったのでしょうか?

勤怠管理ソフトを扱っている会社ですので、こうした働き方改革に関する取組に理解を示してくださるクライアントが多いです。むしろ、勤務間インターバル制度に興味を持っていただき、「実際に運用してみてどうですか?」と尋ねられることもあります。クレーム等も特にありませんし、勤務間インターバル制度導入による欠員の課題等も今のところはありません。

4.今後の課題

…今後の課題について教えてください

繁忙期にどうしても発生してしまう長時間労働についてはまだまだ改善の余地がありますが、これは勤務間インターバル制度のみで解決できる課題ではないと考えています。

例えば1人に集中しがちな業務をどのように分散させるかなどは、全員で顔を合わせて業務フローや連絡経路などを見直し、課題や問題点を一つずつ改善していくという取組が必要です。少人数のベンチャー企業だからこそ、課題について1人ひとりが向き合い、意識を共有・改善していかなければと思います。

5.勤務間インターバル制度の普及に向けて

…制度の普及・定着に向けて必要であると考えられることは何でしょうか?

当社のようなソフトウェア開発をはじめとしたIT業界では、会社の規模にかかわらずまだ勤務間インターバル制度の導入は少ないように感じます。私たちのような勤怠管理を支援している立場としては、少しでもこの制度の内容や効果を分かっていただきたいと、商談会などでできる限り対面で取組を紹介しようと考えています。

当社ではもともと長時間労働への危機感やワーク・ライフ・バランスに関する意識があり、そのため導入前から時間外労働が少なく、また自社ソフトを使って勤怠管理がしっかりできているという強みがありました。こうした風土の企業ならば、ほとんどコストをかけずに勤務間インターバル制度を導入できると思いますし、導入によるメリットは大きいと実感しています。