病院での仕事内容
病院は、人々の体調が悪くなったり、怪我をした場合に24時間365日体制で地域の医療を支えています。病院に勤務する看護職は、以下の診療部門などで各々の役割を果たしています。
※すべての病院に以下の診療部門が全部あるわけではありません。
入院部門は、24時間交替制のチームで患者の命を看守っています。患者が病気とどのようにつき合って生活して行くのか考えられるように支援しています。
外来部門は、体調を崩し苦痛を抱えている患者や在宅療養中の患者に対して、受診の介助や生活指導、次回来院までに安心して過ごせるように関わっています。
検査/放射線(IVR)部門は、診断と治療の介助を行っています。安全、正確かつスムーズに実施されるように心がけ、特に侵襲を伴う場合は患者とのコミュニケーションを密に図り、不安軽減を図っています。
手術室は、疾患の治療のための外科的手術が安全に行われるよう介助しています。
透析室は、患者が安全に安心して透析を受けられるように介助しています。また、透析患者に対し、食事管理や水分管理等、日常生活指導を行っています。
診療所での仕事内容
診療所は、人々が住み慣れた地域で健康的な生活を送ることができるよう地域の医療を支えています。
診療所に勤務する看護職は、主に有床診療所(19人以下の患者を入院させるための施設)と、病床をもたない無床診療所などで、問診、血圧測定、採血、注射、点滴など幅広い業務を行っています。
患者とのコミュニケーションを密に図り、何でも気軽に相談することができる身近な看護が提供されます。
病院 外科病棟の1日の流れ(日勤帯の例)
- 8:30
- 出勤
- 8:30~8:40
- 情報収集
- 8:40~8:50
- 病棟内ミーティング(夜勤者からの申し送り)
- 8:50~9:00
- リーダーナースと業務確認
- 9:00~9:15
- 薬剤準備
- 9:15~10:00
- バイタルサイン測定、点滴交換、清潔ケア、検査・手術対応
- 11:00~11:30
- 食事前準備、排泄介助、リーダーナースへ報告
- 11:30~12:30
- 休憩
- 12:30~13:30
- 配薬、排泄介助、ナースコール対応
- 13:30~15:00
- バイタルサイン測定、点滴交換、清潔ケア、検査・手術対応
- 15:00~15:30
- 患者カンファレンス
- 15:30~16:00
- 指示受け、翌日の検査等予定の確認、検査前日説明
- 16:00~16:30
- 記録
- 16:30~17:00
- 夜勤者への申し送り
- 17:00
- 退勤
どんな人が働いている?働く人のエピソード


【20代/女性】
新卒で病院に就職し、新人研修が多く設けられ、同期とともに技術、知識を習得することができました。
【私のキャリア】
病院(400~499床)
【30代/女性】
経験が10年目を超え、今後のことを考え煮詰まっていたときに、認定看護管理者の教育課程であるファーストレベル研修に参加できたことはとても良い経験となりました。
学んだことを病棟で企画・実践し、成果を出すことができ、やりがいにつながりました。新人教育も歳をとるごとに面倒で苦手でしたが、役割を得て積極的に関わると、新人の成長を身近に感じる機会となり、楽しいと思えるようになりました。
病院(500床以上)
【40代/女性】
私は、病院に勤務しながら看護教員養成講習会に参加しました。その後施設での現任教育を実践するには看護管理の知識が必要だと思い、大学院にすすみ看護管理学分野を修了しました。現在特定行為に係る看護師の研修担当をしております。学べば学ぶほど知らないことが多いことを思いしり、いつまでも学ぶことが必要だと感じています。
病院(300~399床)
【30代/女性】
私は、当初、大学病院に就職しましたが、看護学校時代、実習時に難病の患者さんを受け持ったことがあり、慢性看護に興味を持っていました。夫の転勤をきっかけに慢性期の病院に転職しました。慢性疾患は長期の治療を要し、患者さんの入院生活が長くなります。疾患が同じでも、患者さん一人ひとりADLも違いますし必要なケアも異なります。個別的な看護が求められ、患者さんの生活をご家族とともに創り出すことに魅力を感じています。
病院(500床以上)→病院(100~199床)
【40代/女性】
患者さんの日常に近いところで看護を提供したいと考え、地元の診療所に就職しました。スタッフの数が限られている分、一人で幅広い仕事をこなす必要があり、はじめのうちは大変でしたが、患者さんにも頼りにされるようになり、かえってやりがいを感じます。また、就職した診療所では、保育所の一時保育の開始時間に合わせての出勤や、シフトを考慮してくれたため、とても働きやすく、おかげで勤務を続けられています。
有床診療所
【30代/女性】
私は助産師として、病床数500以上の地域周産期母子医療センターに就職しましたが、結婚を機に退職しました。私自身は病気知らずで患者側の経験がほとんどありませんでしたが、妊娠、出産を通して患者側の経験ができました。 出産はクリニックでしたが、医師と助産師、看護師の丁寧な対応に安心して出産できました。 忙しくても少しの時間でも患者さんの言葉に耳を傾け、一方的に説明するだけでなく聞いてもらえると感じるだけで安心するということを改めて感じました。この経験から、復職にあたっては、より地域に密着した職場で働きたいと思い、今は産婦人科の有床診療所で正職員として勤めています。出産、子育てにより、離職した期間のおかげで、助産師の役割や、支援を求める妊産褥婦とその家族のニーズを知ることができました。全ての出来事、人の優しさに感謝しています。
病院(500床以上)→有床診療所
【50代/女性】
病院の緩和ケアチームや緩和ケア病棟、緩和ケア外来に興味があり、地域の中核病院に就職しておりましたが、母が癌になったため、帰郷することになり、退職して働き先を探しました。母の病気をきっかけに、在宅医療に興味を持ち始め、地域の医療に貢献したい気持ちでいました。たまたま近くに在宅療養支援診療所があり、ここなら、自分にできることやキャリアを積んでいくことができると考えました。今は、やりがいを感じながら働ける喜びをひしひしと感じながら働いております。
病院(400~499床)→無床診療所

厚生労働省「衛生行政報告例」(平成18~28年)