介護をする立場になったら

「仕事と介護の両立支援」担当者からのアドバイス

 親や配偶者等の介護が必要になった場合、できるだけ早く上司と人事に相談しましょう。

 介護休業は、自分が介護をするためのものだけではありません。介護の体制づくりのためのお休みでもあります。まずは、被介護者の方が住んでいる地域包括支援センターに相談し、どのような支援が受けられるのか把握しましょう。介護は一人で抱え込みすぎないことが大切です。
 また、介護休業に入る前に、復帰のめどについて上司や人事担当者と相談することも大切です。できるだけ、これまでの仕事経験を活かし、今後のキャリア形成につながる仕事ができるよう、介護サービスの利用と職場の働き方調整の支援を受けましょう。
 介護を辛いことと決めつけず、「家族との時間を大切にする」「介護の経験を仕事に活かす」といった考え方で前向きにとらえることも有用です。

私たちのエピソード

【50代/女性】

 両親が同時に介護を必要とし、離職を考え上司に相談しました。上司も介護を行っていましたが、勤務をすることが気分転換にもなること、子供の教育費が必要であったため離職しないほうがよいと諭され、離職を思いとどまりました。
 職場で片親を看取り、介護施設に片親を預け、とても忙しい毎日でしたが、仕事を続けることでキャリアは途切れることがありませんでした。また、ほかの病院や介護施設とのやり取りで、詳しくは知らなかった介護のこともわかり、現在の退院支援に活用できています。
【私のキャリア】
有床診療所病院(100~199床)

【50代/女性】

 実父が突然予後不良のがんと診断され、終末期を自分で介護したいと考えました。辞める選択肢はなく看護師長として施設で初めて介護休業を取得しました。自分では何の迷いもなく希望しましたが、今考えると、師長が取得することを快く承諾したことは、看護部にとって大きな決断であり、ありがたいことだと思っています。
 それまで小児領域が希望であり、そこに関連する分野の勤務をしてきました。でも、この実父の終末期看護を経験して自分の看護の興味は大きく変化しました。そして、その翌年に成人病棟(血液内科)に異動になり、そこでの看護はとても自分にとって意味深いものになりました。
 現在は教育担当として職員の教育に携わっていますが、看護のやりがいが広がった経験だと思っています。

【私のキャリア】
病院(500床以上)