ブランクを経て働く

人事担当者からのアドバイス

 看護職として一度は就職したものの、家庭の事情などにより辞めてしまった・・。新しい知識や技術への対応に不安だし、あの忙しい医療現場に戻るのはもう無理・・そう思っていませんか?

 ナースセンターでは、復職に不安がある看護職へ、復職支援研修や就職先の紹介など、復職に向けたサポートを無料で行っています。
また、働く場所は「病院(医療機関)」以外にもたくさんあります!
ここでは離職した期間のある看護職のみなさんに、個別のご事情を踏まえながら免許も活かせる方法をお伝えします。

ブランクのある看護職の皆さんへ

 お住まいの都道府県のナースセンターでは、再就業に向けた研修の受講やあなたの希望に合ったお仕事を探すお手伝いをしています!

ナースセンターとは?

 ナースセンターは、1992年に制定された「看護師等の人材確保の促進に関する法律」に基づき設置されました。
 中央ナースセンターは、厚生労働大臣が日本看護協会を指定し、都道府県ナースセンターは各都道府県知事がそれぞれの都道府県看護協会を指定しています。47都道府県に必ず1つ都道府県ナースセンターがあり、看護職の確保、離職防止、潜在化予防のための就業相談を実施し、職場定着の促進に取り組んでいます。

都道府県ナースセンターの主な事業

 都道府県ナースセンターでは、仕事を探す看護職と施設に無料で職業紹介を行っております。
 また、ブランクがあり、再就業に不安な方には再就業支援研修や、子育て等の離職中の方同士で交流できる交流会(カフェ)等も実施しています。
 これらのナースセンターの情報は、看護師等の届出サイト「とどけるん」に登録すると、定期的に情報提供を受けることもできます。

※サポート内容は都道府県ナースセンターにより一部異なる場合があります。

都道府県ナースセンターに再就業の相談をするには?

 都道府県ナースセンターでは無料職業紹介事業を実施しています。
 看護職の相談員が働く場所や時間、その他あなたが希望する条件を元に、再就業先を探すお手伝いをします。
 無料職業紹介は、ナースセンターへ来所するだけでなく、インターネットでも利用することができます。

ナースセンター無料職業紹介事業 利用の流れ

ハローワークで実施している巡回相談をご活用ください

 都道府県ナースセンターでは、地域のハローワークでナースセンター相談員による巡回相談を実施しております。
 お住まいからナースセンターが遠い場合は、開催地域、日時等をご確認の上、最寄のハローワークでの巡回相談もご活用ください。
 ※詳細はお住まいの都道府県ナースセンターへお問合せください。

離職時等の届出制度をご活用ください

 届出制度とは、保健師・助産師・看護師・准看護師の免許を持ちながら、その仕事に就いていない方に、氏名や連絡先などを都道府県ナースセンターへ届け出ていただく制度です。
 都道府県ナースセンターは、届出情報をもとに離職中の看護師等の方とつながりを持ち、それぞれの状況に応じて、復職に向けた研修、無料の職業紹介、相談員によるアドバイスや情報提供等の支援を行います。

※「看護師等の人材確保の促進に関する法律」が改正され、平成27年10月1日から施行されました(届出は努力義務)。

ナースセンターによる 看護職への復職支援体制

離職時等の届出は看護師等の届出サイト「とどけるん」で!

届出のタイミング(対象者)

  • 病院等を離職した場合
    (病院等:病院、診療所、助産所、介護老人保健施設、指定訪問看護事業を行う事業所)
  • 保健師、助産師、看護師、准看護師の業に従事しなくなった場合
  • 免許取得後、直ちに就業しない場合
  • 現在、業務に従事していない場合

届出方法

スマートフォンやパソコンから、看護師等の届出サイト「とどけるん」に届出事項を入力してください。インターネット利用環境がない方は、書面での届出も可能です。 お近くの都道府県ナースセンターへお問い合わせください。
離職時に、離職する施設が代行して届出を行う場合があります。

eナースセンターにも同時に登録できます

届出の際に、eナースセンターへの登録を希望すると、離職時の届出だけでなく、求職登録も同時に行うことができます。

○ブランクを経て働く人のエピソード

【30代/女性】

 看護師の免許を取得後、地元の市立病院に7年間、小児科病棟に勤めていましたが、結婚と出産を機に退職しました。仕事は続けたかったのですが、夫の仕事の関係で転勤が多く、子供もまだ小学生で看護師として働くことをあきらめかけていました。
 そんな時、ショッピングモールの掲示板に看護師で離職した方の届出制度が始まったというポスターを見かけ、気軽に相談からしてみようと、早速届け出をしました。その後すぐにナースセンターの方からお電話を頂き、復職に興味があるけれど、働く時間が限られてしまうことなど、丁寧に私の状況や希望を伺ってくださった上で、まずは無理せず週2回昼間の2~3時間で働くことを提案いただきました。研修を受講後、現在は小児科クリニックで子供が学校に行っている時間を利用して週に2日、3時間のパート勤務をしています。
 今後も夫の転勤により、移転することもあるかもしれませんが、ナースセンターは47都道府県にあると伺ったので、転居先でもナースセンターで相談して看護師の仕事を続けていきたいと思います。
【私のキャリア】
病院(400~499床)無床診療所

【40代/女性】

 大学卒業後、都内の大学病院で5年間、病棟勤務を行っていましたが、夫の海外赴任に伴い、退職しました。帰国後、子育てがひと段落した頃、同窓会などで看護師として活躍する同級生の姿を見て、「私も看護師としてもう一度働いてみたい」と、漠然と思いました。しかし、離職して約10年余りが経っており、今の技術や知識についていく自信がなく、なかなか行動に踏み切れませんでした。そんな時、ナースセンターが開催する復職支援の交流会の案内を郵便局で見かけ、気軽な気持ちで参加しました。そこで、最近の医療の動向や、ブランクを経て復職した方の体験談などを聞き、自分ももう一度働きたいと思いましたが、同時に技術への不安が生じました。相談員の方にその気持ちを話したところ、復職支援研修をすすめてもらい、受講することにしました。基本的な技術や最新機器の講習を受けた後、病院での実習にも参加し、実際に現場で働くイメージがもてました。研修受講後に再就業先の相談をした際には、私の状況を踏まえて、はじめから頑張らず、段階的に働き方を変えていけばいいことなどのアドバイスをもらい、自宅から近い病院の外来に再就業が決まりました。
 現在、その病院の外来で平日の朝から夕方までパートで働いています。子供がもう少し大きくなったら、常勤として病棟勤務にも復帰したいなと考えています。

【私のキャリア】
病院(500床以上)病院(200~299床)

【30代/女性】

 都内の大学を卒業し、都内の急性期病院の病棟で6年勤めました。
 生まれも育ちも都内だったので、田舎暮らしにあこがれていて、いつか地方の病院で働いてみたいと思っていました。
 そんな時、インターネットで離島医療のサイトを見て興味を持ち、サイトに載っていた県ナースセンターに電話で相談しました。
 離島の病院での仕事だけでなく、社宅の有無や移転後の生活情報など仕事内容だけでなく、移転後の生活も含めて相談に対応していただきました。
 いろいろ検討した結果、いきなり診療所しかない島で看護師として働くのは難しいと思ったので、離島にある病院に就職を決めました。
 現在、転職して2年になります。病棟勤務の傍ら、近隣離島への訪問診療にも同行し、離島の地域医療にも携わっています。お休みの日は海釣りやサイクリングなどで過ごし、離島の自然を満喫しています。

【私のキャリア】
病院(400床~499床)病院(99床以下)