第4回 厚生労働省統計調査の省内事業仕分け 議事録 1 日  時  平成22年12月8日(水)15:00〜17:15 2 場  所  厚生労働省12階 専用第12会議室 3 出席者 (民間有識者(仕分け人)) 阿藤誠、◎阿部正浩、岩田正美、田代雄倬、土屋了介、中山弘、 廣松毅 (五十音順、敬称略、◎:座長) (オブザーバー)   二川総括審議官、大西参事官、篠原政策評価官 (事務局) 高原統計情報部長、岩崎企画課長、早川統計企画調整室長、 中島審査解析室長        4 議  題    (1)統計調査の省内事業仕分けについて    (2)その他 5 議  事 ○事務局 皆様、本日はお忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。  開催に当たりまして、事務局より諸連絡をさせていただきます。  まず本日の資料の確認でございますけれども、本日の資料は「厚生労働省統計調査の省 内事業仕分け 報告案」の1点でございます。  次に本日の出席状況でございますけれども、全員御出席の予定でございますが、ちょっ と到着が遅れている委員がいらっしゃるようです。なお、本日、土屋委員におかれまして は、所用のため16時ごろまでの出席とお伺いしております。  以上でございます。 ○早川統計企画調整室長 定刻になりましたので、ただいまから第4回「厚生労働省統計 調査の省内事業仕分け」を開催させていただきます。  それでは、以後の進行を阿部座長にお願いいたします。 ○阿部座長 早速ですけれども、議事に入らせていただきます。  前回まで3回にわたって仕分けを行ってきたわけですけれども、委員の皆様方からはさ まざまな御意見をちょうだいしました。いただいて御意見を踏まえまして、事務局で報告 書案をとりまとめていただきました。委員の皆さんには事前に配付させていただいており ます。  まずは事務局より配付資料の報告案について御説明をお願いいたします。 ○早川統計企画調整室長 それでは「厚生労働省統計調査の省内事業仕分け 報告案」に ついて、まず読み上げさせていただきまして、その後に若干補足説明をさせていただきま す。  「I 仕分けの視点  1 仕分けに至る背景  経済社会を取り巻く環境が目まぐるしく変化し、国民の価値観や統計情報に対するニー ズが多様化したことを背景に、外観からは把握が困難な事業所(SOHO)の増加や単身 世帯・夫婦共働き世帯の増加等による昼間に在宅する世帯の減少、企業・個人の情報保護 意識の高まりなどがあり、統計調査への協力が国民から得られにくくなっている。  一方、政府の統計行政担当部局は、過去の行政改革の中で、定員が他部局に比して後退 してきた歴史がある。また、予算についても減少傾向にあり、これら定員・予算について は、当省の統計調査をめぐる状況においても同様である。そうした統計リソースの厳しい 制約の中で、時代の変化や社会のニーズに的確に対応した有用な統計の作成及び提供を今 後とも継続的に行うことができるよう、既存統計の充実や効率的な統計の実施、わかりや すい統計調査結果の公表などが求められている。  2 省内事業仕分けの一環としての統計調査の仕分け  1のような状況の中で、厚生労働省では、自ら改革を実施するために厚生労働省の事務・ 事業や所管する独立行政法人、公益法人等の事業などの在り方について、公開、かつ、外 部の視点を入れて議論を行う省内事業仕分けを実施しており、平成22年6月17日の省内事 業仕分けにおいて、毎月勤労統計調査が取り上げられたことを契機に、厚生労働省におけ る統計調査全般についても、省内事業仕分けの一環として、プロジェクト方式で仕分けを 行うこととされた。  この統計調査の事業仕分けに当たっては、専門的・技術的な面での検討が必要であるこ とから、統計の専門家を加えた仕分け人8人により、全4回の検討を行った。  3 仕分けの視点  厚生労働行政は、国民生活の全般にわたる深い関わりをもっており、厚生労働統計調査 は、その行政を推進するために必要不可欠な基礎資料を得るために、人口・世帯、保健衛 生、社会福祉、老人保健、社会保険・社会保障、雇用、賃金・労働時間、労使関係、労働 災害・労働安全衛生といった様々な事象を把握している。社会や経済の実情を的確に示す 統計の存在は、国民に対する説明責任を果たし、『証拠に基づく政策立案』(evidence- based policy making)や実施した政策の評価・検証を行い、政策を改善するために必要 不可欠なものである。また、厚生労働統計調査は、社会生活の全般にわたる基礎的な資料 を提供しており、『国民にとって合理的な意思決定を行うための基盤となる重要な情報』 (統計法第1条)である。  このような厚生労働統計調査について、統計リソースの厳しい制約がある中で、適時的 確に有用性のある公的統計を作成するという視点から、予算額、目的、活用実績、調査の 方法等の一覧を参照しつつ、検討を行った。  II 厚生労働省統計調査の論点等  1 統計調査の実施に関する論点  (1)重複排除について  厚生労働省で実施する全ての統計調査について、調査項目についてどのような改善が考 えられるか、他省庁の所管調査を含め既存統計調査間に重複がないか、調査間の関連付け を強化することにより充実した結果を見出すことが可能か等の観点から検討を進めること が適当である。  (2)効率的な作成について  (ア)行政記録情報の活用について  行政記録情報の活用は、報告者の記入者負担の軽減や統計作成の効率化を図る上で有用 である。このため、調査計画の作成段階において、利用が見込まれる行政記録情報の正確 性にも留意しつつ、当該行政記録の形態や利用のためのコスト面も踏まえ、利用の適否を 検討すべきである。  (イ)オンライン調査の推進について  オンライン調査の導入については、郵送料の削減のみならず、チェック機能を設けるこ とによる回答者の誤記入防止、紙から電子データへの入力作業におけるミスの防止などの 効果がある。統計調査の質の確保と効率的な実施の観点からも、事業所対象か個人対象な のかなど調査の特性を踏まえつつ、費用対効果の検討を行いながら、政府共同利用システ ムのオンライン調査機能等を活用したオンライン調査の推進を図るべきである。  また、既に、オンライン調査を導入している調査については、普及・啓発方法を見直し、 数値目標を設定するなどオンライン化率の向上を図るべきである。  (3)回収率の向上について  厚生労働統計調査の中には、行政施策に必要不可欠な統計情報を得るために、回収率が 50%に達しないが、他の代替データも存在しないことから、実施されている統計調査も見 受けられる。  回収率が低いと非標本誤差が大きくなり、政策判断のみならず国民の社会経済状況の把 握を妨げ、適切な政策運営等の障害のみならず、厚生労働統計の利用価値を低下させる。 統計調査の正確性と有用性の観点からできる限り回収率の向上に努める必要がある。  このため、各統計調査において回収率向上の目標を設定し、その達成に努めることが重 要である。特に、現に回収率の低い統計調査については、期限を付した改善策を図りその 目標達成を促すことが適当である。  なお、回収率の向上に際しては、現在行っている、以下[1]から[4]のような取組をより 一層積極的に実施すべきである。  【回収率向上の取組】  [1]調査票の改善による記入者負担の軽減や検討  ・記入しやすい調査票のレイアウトや調査項目  ・プレプリントの導入  [2]オンライン調査導入による記入ミス防止と報告者負担の軽減  [3]統計調査の理解と協力を得るための説明  ・調査票に記入された事項を統計以外の目的で使用しないことや、記入者の特定ができ ないこと等を記した協力依頼状の添付  ・前回調査時の調査結果(抜粋)を同封することによる統計調査の有用性の啓発  [4]はがきや電話などによる督促、等  (4)統計調査のPRについて  現在、厚生労働省のホームページや広報誌による広報などを実施しているが、『統計調 査に対する国民の理解増進のための行動指針』に基づき、厚生労働省で実施する全ての統 計調査について、統計調査結果の有用性等の周知・広報等を推進すべきである。特に、当 該統計調査が具体的にどの施策にどのように活用されているかを周知することは重要であ り、厚生労働省ホームページ等において記載すべきである。  また、今後策定される『政府統一ロゴタイプ』を厚生労働省で実施する全ての統計調査 について、積極的に活用することも重要である。  (5)統計調査の費用対効果の検証について  統計調査の実施においても、費用対効果の検証は重要な視点である。この場合、統計調 査の費用については、統計調査の調査手法や調査客体数によって概ね自動的に決まってし まう面があること、一方で統計調査の効果については、政策のPDCAサイクルにおける 活用や国民の利用など様々であり、一様に指標化するのは困難な面があることに留意する ことも適当である。  (6)統計調査の利活用度合  (ア)PDCAサイクルでの活用度合いに関する視点  次の[1]から[5]に掲げるような、政策の利活用等について、その状況が低い調査につい ては調査計画の見直しを図るべきである。  [1]政策の実施に直接用いられるのか  [2]施策の具体的な内容の決定に用いられているか  [3]施策の企画立案に基礎資料として用いられているか  [4]政策評価の指標として用いられているか  [5]都道府県等の行政の指針として用いられているか  (イ)国民の利用度合いに関する視点  統計調査はその結果は報告書やホームページ等により公表されているので、国民が容易 に利用することができ、その利用の形態は多種多様で幅広い。全ての国民の利用を行政機 関が把握することはできないため、各々の利用の度合いをどのように数量的に評価するの かが課題となるが、以下[1]及び[2]のような点を参考に判断すべきである。  [1]調査ごとのホームページアクセス状況  [2]各種資料における引用(例えば母子健康手帳の乳幼児身体発育曲線など)」  次は四角に囲んでございますけれども、会議後にメモで記載の要望があった事項という ことで、特に四角で囲ってございます。  「【報告書への記載要望があった事項(P)】  また、統計調査の費用対効果を高めるためには以下の[1]から[4]の観点に配慮すべきと の意見があった。  [1]調査対象や調査目的等が類似した統計調査において、一括で調査を実施することで効 率を高められないか  [2]調査客体の多い統計調査について、削減することでコストを下げられないか  [3]1調査客体当たり単価(経費÷調査客体数)を下げる方策はないか  [4]調査を廃止できないか  ・時系列でみてあまり変化がないもの  ・データ収集が主目的で、さほど利活用されてないもの  2 統計調査の結果提供について  (1)適時・的確な結果の提供について  (ア)公表(報告書)の提供の早期化について  厚生労働統計調査については、公表時期(基準日から公表までの期間)が1年を超える 統計調査や『報告書の公表までの期間』が2年を超える統計調査も見受けられる。  統計調査の有用性の観点からは、できる限り公表の早期化に努める必要があることから、 各統計調査において公表早期化のための目標を設定(概況等の公表が、月次調査で60日以 内、年次・周期調査は1年以内)し、その達成に努めるべきである。  また、報告書の作成に時間を要する場合には、ホームページ公表を優先して早期の公表 を図ることも適当である。  なお、公表の早期化に際しては、現在行っている以下[1]から[5]のような取組等をより 一層積極的に実施すべきである。  【公表早期化のための取組】  [1]関係機関等への調査票の送付を早めるなど、準備段階より作業の効率化を図り、公表 までの時間を短縮  [2]調査票記入者負担軽減を図り、記入しやすい調査票の設計を行い、調査票提出の遅延 を防止  [3]調査票の提出期限の周知徹底  [4]オンライン調査の導入による記入ミスの防止と回収期間の短縮  [5]内検・集計作業の工夫(目検しやすい調査票の設計・無駄のない集計設計等)による データ集計・分析作業の短縮、等  (2)厚生労働統計の活用について  [1]統計への容易なアクセスについて  統計利用者の需要にも十分対応した形で調査結果が入手・利用できるようにするため、 政府統計に関連する情報全体の総合的な窓口である『政府統計の総合窓口』(e-Stat) に厚生労働統計調査を原則掲載することにより、限られた統計リソースの中での統計への 容易なアクセスの実現を図るべきである。  また、現在、統計調査によっては、ホームページに掲載されている情報量が限定的なも のが見受けられるため、調査間で可能な限り統一化を図るとともに、公的統計を利用する 上で必要な情報をホームページ上で適切に提供することを推進すべきである」。  次も先ほどと同じように要望があったということで、四角で囲ってございます。  「【報告者への記載要望があった事項(P)】  厚生労働統計調査の不認知をなくし、一般の統計利用者の認識レベルを高める観点から、 国民生活や社会保障と密着した出生数、貧困率、肥満度、生活保護、失業者数などのデー タについて、時系列データとして『国民生活データ集』のように整理し、わかりやすいパ ンフレットを作成し、統計調査結果を国民目線でPRすべきではないか。  [2]二次的利用の推進について  『公的統計の整備に関する基本的な計画』(平成21年3月13日閣議決定。以下『基本計 画』という。)においても、項費用する統計だけでは統計に対するニーズの多様化・高度 化に必ずしも十分に応えられなくなっており、秘密の保護に配慮しつつ二次的利用に係る 事務処理を適切に実施していくことが必要となっているとされた。  厚生労働統計調査においても、基本計画に則り、二次的利用の推進に取り組むことが適 当である。  III 厚生労働省統計調査への提言  1 別会議での検討について  個々の統計調査に関する技術的検討(調査方法・回収率の向上等)については、専門的 であり検討に時間を要するため別会議で検討すべきである。  厚生労働統計については、省内に、社会保障審議会統計分科会、厚生労働統計の整備に 関する検討会、医療費統計の整備に関する検討会等があり、これらの会議が検討の場とし て考えられる。  なお、基幹統計調査については統計委員会において調査設計の段階から審議されている ことから、別会議では、『II 厚生労働省統計調査の論点等』を踏まえ、一般統計調査に ついて重点的に検討することとすべきである。  2 定期的な見直しについて  上記1の別会議については、各調査について定期的(3〜5年)に見直しを行うことが できるよう、開催時期の工夫を行うことが適当である。  3 統計ガバナンス機能の強化について  現在、厚生労働省で実施する統計調査については、統計情報部がその調整や他省との窓 口機能を担うこととされているが、省内すべての統計について政策的意義を高めるための 助言、指導等の役割を自由文に果たしていない面がある。  このため、本統計仕分けを契機とし、上記別会議の事務局として統計情報部が効果的な 運営に当たることにより、統計の省内ガバナンス機能の強化を図ることが何よりも重要で あることを強調したい」。  案は以上でございます。  若干説明をさせていただきますと、文章にしていく過程で一番最初を「I 仕分けの視 点」という形に名称を変えさせていただいております。前回ここは基本的な考え方という 区分けにしておりましたけれども、全体的な流れから「I 仕分けの視点」という形に変 えさせていただいています。  1、2、3につきましても、統計調査における現状、背景、基本的な視点という形でお 示ししましたが「1 仕分けに至る背景」「2 省内事業仕分けの一環としての統計調査 の仕分け」「3 仕分けの視点」という形で、今回の統計の事業仕分けの流れに至る過程、 位置づけなどがわかるような書きぶりに改めさせていただいております。  IIの「1 統計調査の実施に関する論点」という形になっているところでございますが、 前回お示ししたものでは統計調査の結果作成という形になっておりましたけれども、内容 を見ますと、実施に関する論点の方がふさわしいかと思いまして、そのように改めさせて いただいております。  前回のたたき台では調査精度の向上についてという項目立てをして、その中に回収率の 向上を出すようなつくりにしておりましたけれども、独立性が高いのではないかというこ とで、3ページでございますが「(3)会士優率の向上について」ということで独立して 出しております。  また「(4)統計調査のPRについて」も同じでございます。  たしか意見があったかと思いますけれども、費用につきましては、4ページ目の一番上 のところに「(5)統計調査の費用対効果の検証について」という形で1つ項目を追加し てございます。  「(6)統計調査の利活用度合」につきましては、前回のたたき台ですと、結果提供の 中に出てくるような形になっていましたけれども、作成の過程の中にあった方がいいだろ うということで、こちらの方に場所を移してございます。  4ページ目の下のところに四角で囲ってございますけれども、たたき台をお示しした段 階で皆様いろいろ意見が出たものに関しましては、大体その方向でということで文章を起 こしております。その後、メモをいただいたところについては、こういったものがありま したということでこの中に案として入れてございます。初めて見る委員もいらっしゃると 思いますけれども、書き入れるかどうかについてはこの場で議論していただければと考え ております。  先ほど申し上げましたように「2 統計調査の結果提供について」ということで、利活 用の度合いという形のものは前半の方に持ってきました。現在の形では「(2)厚生労働 統計の活用について」ということで「[1]統計への容易なアクセスについて」と「[2]二次 的利用の推進について」、PRについては前半の方に移動しております。  6ページ目の頭は四角で囲ってありますけれども、こちらも同じでございまして、メモ が出されましたので、それを四角で囲っております。ここも他の委員の方は初めてごらん いだたく部分だと思いますので、こちらについても御議論いただければと考えております。  最後の7ページ目ですけれども「III 厚生労働省統計調査への提言」ということで、 たたき台では統計調査の見直しの在り方という形にしておりましたが、(1)(2)のたた き台の方にありました項目を大きく分けて「1 別会議での検討について」「2 定期的 な見直しについて」と書いております。3につきましては、委員から意見がありましたも ので、ガバナンス機能という言葉を使わせていただいておりますけれども、これを項目と して追加しているということでございます。  資料の説明は以上でございます。 ○阿部座長 ありがとうございました。  本日はこの報告書案をまとめていくことになりますので、委員の皆様からの意見をでき る限り集約して報告書にまとめていきたいと思っておりますので、意見、御質問、忌憚な く御発言いただきたいと思います。  まず本日土屋委員が4時に中座されるということですので、土屋委員からまず全般にわ たって御意見をお伺いしたいと思います。 ○土屋委員 御配慮ありがとうございます。  早速意見を述べさせていただきます。  まずは非常に短期間にきれいにまとめていただいたことに改めて感謝いたします。この 作業は非常に重要ですし、大変いいことだと思います。是非こういう作業をやったこと自 体を国民にアピールできることを考えた方がよろしいのではないかと思います。厚労省が こういうことをやっている。とかく今、悪者扱いされますので、自主的にこういうことを やっているということは是非広めていただきたいと思います。  具体的な問題ですけれども、3ページ目の真ん中辺に「【回収率向上の取組】」とあり ますが、これが自虐的というか否定形が多いんです。  例えば「[3]統計調査の理解と協力を得るための説明」とありながら「調査票に記入さ れた事項を統計以外の目的で使用しないこと」とあります。理解と協力を得るための説明 というのは大変重要で、1番目にもってきて、むしろ各調査の目的、利活用による効果を 丁寧に説明することが真っ先にないといけないのではないか。ポジティブに御説明をして 協力を得るという姿勢が大きく打ち出されるべきだろうと思います。  そのためには、6ページのどなたかの御提案にあったパンフレットがもしつくられるの であれば、そういうものを実際にお見せして、皆さんの協力があるとこういうことができ るんだ。もしパンフレットの中に施策に生かされたようなことがあれば、なお更これは有 用であろう。皆さんの個々の協力が国の政策を変えていくんだということを第一に説明さ れるべきではないかと思います。是非ポジティブな形での書き方にしていただけたらと思 います。実際にはここにあるような細かいことの御努力が必要かと思います。  5ページには「(1)適時・的確な結果の提供について」「(ア)公表(報告書)の提 供の早期化について」であります。月次で60日以内、年次・周期調査で1年以内と書いて ありますけれども、恐らくこれは100%達成しようということが念頭にあって、通常全部 が全部1年かかるとは思えません。比較的早く出るものがある。私も委員長でいろいろ報 告書を出させるときに、1か月以内というと大概29日目か30日目にどさどさとくるんです。 そうではなくて、今までの結果、9割方が集まるような時期を一般的に設定して、残りの 10%については例外扱いをするから、理由を申請しろという形にすると、恐らく年次のも のも数か月というところに設定値が置けるのではないか。ただ、煩雑なものについては例 外を勿論認めます。そうすると、月次調査については、極端な話、1週間以内に出るもの もあれば、9割方ができるのが3週間、4週間であれば、そこをルールとしておいて、残 りのものについては理由を部長に報告しろという方がすっきりするのではないか。また、 国民の目にもかなり早く努力しているんだ、実際に早くやっているところは早く出ている と思いますので、グラフに書けば、多分普通にやれば前の方にたくさんこなければいけな いのが、期限を余り100%というところでやると、そこのところでまだ時間があるから後 でいいんだ、人間とかくそう考えがちではないかと思いますので、是非その点は御検討い ただきたい。  どのぐらいで9割がくるかわかりませんが、よくコンピュータの設計などで、我々はお 薬などを処方するときに、9割方カバーできるものを1画面に出して、残りの10%には次 の画面に展開ということをやっていくと、逆にどんどん1回目の展開で要が済んでしまう んです。そういう誘導するような方向の目標値にしていただきたいということであります。  最後の7ページ目でありますけれども、確かに別会議が幾つか設定されて、専門的な問 題でありますし、技術的なものがそれぞれ異なっておるということはわかるんですけれど も、やはり統計という観点からいくと一元化されるべきである。最後の3行に別会議の事 務局として統計情報部云々とありますけれども、とかく我が国では事務局というとトップ が上にいて、どうしても下働き的に受け取られがちなんですが、アメリカの学会などです と、いわゆるセクレタリージェネラルと称して事務局長が会長とか理事長よりも大きな顔 をして理事会とか会議を仕切ってやっていく。アメリカのセレクタリージェネラルと呼ば れるような事務局長的な、リードできるような立場を、今ですと高原部長に預けるような 形でないと、この3つの別会議の横の連絡というのができないのではないかという気がし ますので、是非その辺は運営要綱というものを大臣名なり次官名でつくっていただいて、 これを省内に周知徹底する。こういう組織図の中で統計が動いているんだということを目 に見える形にするべきではないか。そうしますと、前回言った統計に関しての上位部局的 な意味合いが統計情報部長の下で一元化されているんだということが周知徹底されるので はないかという気がします。  ちょっと戻りますけれども、7ページの「2 定期的な見直しについて」で「定期的 (3〜5年)に見直しを行う」とありますが、これについても省内の報告書が認められて 決定されたら、向こう10年についてローテーション表をつくつてしまうということをやっ て、強制力を持つ形にすることが必要ではないか。  極めて現場のことでありますけれども、是非そこまで徹底して、とかくこういうものは 報告書をまとめると終わったような気がしてしまうものですから、実行の段階まで縛りを つけるような形で、御報告の形にしていただければと思います。  以上であります。 ○阿部座長 ありがとうございました。  重要な御指摘もあったと思いますので、土屋委員がお帰りになる前に意見を是非集約し たいと思います。  まず3ページ目の「【回収率向上の取組】」の[3]の項目を[1]にしたらどうかというこ とですが、委員の皆さんはよろしいですか。多分これが一番にあって、順にずれていくと いう形に変更します。  6ページ目のパンフレットの利用ということで、そもそも6ページ目の「【報告書への 記載要望があった事項(P)】」ということで、そこに書いてあるとおりでございますが、 これを報告書へ記載すべきかどうかを議論した上で、それからにしたいと思います。委員 の皆様からもし御意見があればお願いします。  廣松先生、何かございますか。 ○廣松委員 いいんですか。 ○阿部座長 どうぞ。 ○廣松委員 今の座長の御質問に関しては、私もこれを生かせばいいのではないかと思い ます。ただ、言葉として「厚生労働統計調査の不認知」というのがちょっと気になるとい うか、もう少しいい言葉がないかと先ほどから思っていました。私はここに書いてある趣 旨に関しては賛成です。  それから、一言だけ追加しますと、ちょっと戻って恐縮ですが、3ページの今の[3]を 一番上に上げるということはそれでいいと思いますが、[3]の中の最初の黒ポツで、これ はまさに目的外利用の禁止を書いたものなんです。その前に調査の目的を明確にするとい う大前提があって、その目的以外のことには使わないという趣旨ですので、統計調査に関 しては目的が明確にされており、調査票に記入された事項は統計以外の目的では使用しな いということをつけ加えたらいかがかと思います。 ○阿部座長 ありがとうございました。  ほかに御意見ございますか。  それでは、6ページの四角の中を報告書には記載していく。ただし、文言等については もう少し考えて報告書に記載する。  その上で、3ページ目に6ページのパンフレット等の利用というものが入る。多分[1] の部分に追加することにしたいと思います。  どうぞ。 ○中山委員 6ページ目の話は回収率向上とはまた別な観点だと思います。 ○阿部座長 勿論そうなんですけれども、ただ、それは結果的に回収率の向上にも使える という趣旨です。 ○中山委員 わかりました。  回収率向上の協力を仰ぐときに、その結果がどう使われているのかというところをかな り強調しないと、これは民間の調査もそうなんですけれども、やはりこういう生かされ方 をしていますとか、事例も含めてあると協力するんですが、何のために使われるのか、ど うなるのかわからないというと、みんなまあいいかになってしまうものですから、そこの ところを是非よろしくお願いいたします。 ○阿部座長 多分それを土屋委員がパンフレットを使ってということでお話してくださっ たんだと思います。 ○中山委員 パンフレットの項目はそんなにたくさんの項目はないと思うし、恐らくその 話とここの調査とはまた別なところもあるので、そこがうまく伝わるようにしないと上が らないと思います。 ○阿部座長 わかりました。記載のときにそのようにさせていただきます。  それから、7ページ目で、今、会議が3本走っているということが1のところで記載さ れていますが、その一元化についてということで御発言があったと思います。この辺りは すぐということになるのかどうかわかりませんけれども、もし追加的に御意見があればお 願いします。多分一元化というのは3の方で強く書いた方がいいという気はいたしました。 別会議が現状で3本走っていますけれども、その3本は統計情報部が上位にあって、ガバ ナンスをしていくというイメージでよろしいですか。 ○土屋委員 確かにこの3行で内容は網羅していると思うんですけれども、この文章だけ ですと、そうだったかということで終わってしまうと思います。ですから、これを実際に 実行できるような規定とか省内のものをつくっておかれた方がよろしいのではないかとい うことであります。 ○阿部座長 ありがとうございます。  例えば「2 定期的な見直しについて」の強制力といったところもそういった規定ある いはそういったところで強制しておくということになるわけですね。  どうぞ。 ○土屋委員 恐らくこの3つの分科会とか検討会についてはそれぞれの規定があると思う んですけれども、それらを統括するようなものはないと思います。ですから、一つひとつ ではなくて、お互いの関係とかそういうものに口が出せるものをつくっておかれたらどう かと思います。 ○阿部座長 そういうことで委員の皆様はよろしいでしょうか。  廣松先生、どうぞ。 ○廣松委員 補足をいたしますと、実はこの3つ全部に私が絡んでいるんですが、社会保 障審議会の統計分科会は常置の分科会で、それ以外の2つの検討会はどちらかというと統 計委員会が公表しました基本計画に対する対応を主として議論する検討会でございまして、 これは必ずしも常置ではありません。勿論報告書等は統計委員会にも報告なさると思いま すが、報告書をとりまとめた段階で2つの検討会の存続そのものに関しては恐らく統計情 報部が御判断なさることだろうと思います。一応そういう位置づけになっております。  ただ、これも既にお話があったとおり、社会保障審議会の統計分科会の範囲では、厚生 労働統計のうちの労働分野に関してはカバーできないという形になっていますので、そこ は今後どういうふうにしていくかというのが、ここの一番大きな論点ではないかという気 がいたします。 ○阿部座長 その辺りも踏み込んで書いた方がいいでしょうか。仕分け人の意見ですので、 我々は何を言っても、ある意味それをどこまで実行するかはまた別の機会で議論すればい いと思うんですが、どうしましょうか。踏み込みますか、それともこのような書きぶりに しますか。  阿藤先生、どうぞ。 ○阿藤委員 基本的にはこのような書きぶりだと思います。無理に一元化とか、そういう ことは現状なかなか言えません。 ○阿部座長 それでは、このような形にします。このような形というは、今のような書き ぶりの中で少し土屋委員の意見を取り入れて書き加えることにさせていただきたいと思い ます。どうもありがとうございました。  それでは、元に戻りまして、これからは皆さんに御意見をいただきたいと思います。ま ずIから御意見をちょうだいしたいと思います。「I 仕分けの視点」というところで、 1ページから2ページ目の上の辺りまでです。  阿藤先生、どうぞ。 ○阿藤委員 Iの「1 仕分けに至る背景」ですけれども、最初のパラグラフが何々を背 景に何々の高まりがあり、そして、得られにくくなっているとあるんですが、背景という ところを最初に読んで、むしろ多様化してきたからこそ統計が非常に重要なんだ、特に社 会が複雑化していってそれをとらえる、しかも迅速に対応するという意味の重要性を言っ ているのかと思ったら、背景があって得られにくくなっていると読めてしまうので、ここ はもう少し分けて、重要性なり統計の意義を最初に一言言っていただいて、それから諸般 の事情があって得られにくくなっているという形にしていった方がいいのではないかとい うことがあります。  それから、統計調査への協力が国民から得られにくくなっているということは同じこと なんですけれども、別に国民が嫌々協力しないということでもなくて、単独世帯が増えた り、要するに不在世帯が多くなっているということなので、円滑な調査を実施することが 難しくなっているとか、あるいは十分な精度を持つ調査結果の確保が難しくなっていると いう客観的な書きぶりの方が事情に合っているのではないかという気がします。 ○阿部座長 ありがとうございました。  統計の意義をもう少しというのは、私もそのように思いました。  それから、特に前半の部分で多様化が書かれていて、それで統計がますます重要になっ ているという書き方をした上で、ただ、その一方で、そうした多様化でむしろ統計調査が しにくくなっているという形で書く。皆さんそれでよろしいでしょうか。  ほかにIのところでございますか。どうぞ。 ○田代委員 Iの「1 仕分けに至る背景」の後半の「一方」というところです。「過去 の行政改革の中で、定員が他部局に比して後退してきた歴史がある」とあります。これは 事実だと思うんですが、非常に後ろ向きな感じがするんです。見方によれば、ほかの部局 よりも率先して効率化を進めてきたという見方もできるわけです。本当はやりたいんだけ れども、上から人数を減らせと言われてしようがないんだというニュアンスが非常に強い んです。それが実態かもしれませんが、もうちょっと前向きな、それが今回の事業仕分け の中身につながっていくと思います。言葉、実際の表現は難しんいでしょうけれども、そ の辺は工夫していただきたい。これは事実でしょうけれども、暗いイメージしかなくて、 前向きにやっていくというイメージを入れたどうかと思いました。 ○阿部座長 そうですね。明るく前向きにしましょう。ちょっと考えてみます。  ほかにIでございますか。  皆さんからなげば私から若干補足でございますが、今回の仕分けでは個別統計の仕分け ということではなくて、厚生労働省統計調査全体の仕分けだったということと、今後もし 個別統計を仕分けるのであれば、その視点を議論したということをどこかに1文入れてお いた方がよいと思います。  そういうことでよろしいでしょうか。ありがとうございます。  それでは、続きましてIIについて御意見、御質問があればお願いします。  廣松先生、どうぞ。 ○廣松委員 これは言葉の問題かもしれませんが、ちょっと気になったのはIIの2ページ から3ページにかけて「記入者負担」あるいは「報告者負担」という言葉が混在している ようですので、統一をしていただく必要があると思います。多分同じことを言わんとして いるんだろうと思いますので、チェックしていただいた方がいいと思います。  この言葉に関しては、英語ではResponse burdenです。だから「報告者」ではなくて「 報告負担」というのが一番正確な訳というか言葉だろうと思うんですが、どうも日本語で は「記入者」とか「報告者」のように「者」を付けることが多いようです。どういう訳を 使うかはともかく、とりあえず現在混在しているところを統一していただいた方がいいと 思います。  それから、4ページの(5)のところです。ここで「調査客体」という言葉があります。 例えば上から2行目あるいは枠の中にも「調査客体」という言葉が出てくるんですが、か つては「調査主体」に対して「調査客体」という言い方をしたんですが、最近は調査客体 という言葉に対して抵抗があって「調査対象」という言葉を使うことが多いように思いま す。そういう言葉に変えることによって文章の趣旨が大きく変わることにならなければ、 そういう言葉に変えていただいた方がいいのではないかと思います。  やはり今の4ページの(5)の一番下の「一様に指標化するのは困難な面があることに 留意することも適当である」というのはちょっと気になったというか、そこは例えば「必 要である」とかそういう言葉の方がいいのではないかと思います。  もうちょっと先の方までいってよろしいんでしょうか。5ページ「2 統計調査の結果 提供について」のところで、これも表現上の問題ですが、「(ア)公表(報告書)の提供 の早期化について」のところで「公表時期(基準日)」と書いてあるんですが「基準日」 という言葉がよくわからない。「調査実施日」あるいは「調査期日から公表までの期間」 という意味だと思うのですが、「基準日」という言葉は変えた方がいいのではないかと思 います。  とりあえず以上です。 ○阿部座長 「報告者負担」「記入者負担」のところは「報告負担」ということですね。 ○廣松委員 一般にはどうでしょうかね。「記入者負担」という言い方を今でもしている ところもあります。ただ、これも厳密にいうと、公的に報告を義務づけられている人と実 際に調査票に記入する人とは違うケースが結構あります。例えば事業所の調査では代表者 が報告者義務を負うんですが、記入する人は係の人になっているんだろうと思います。で すから、その辺はこの仕分けの中でどういうことを一番重視して表現するかということに なるかと思います。 ○阿部座長 わかりました。それは考えさせていただきます。  4ページ目の「留意することも適当である」というのは「留意する必要もある」などに 改めます。  5ページ目の「基準日」はどういう意味なのかという御質問でもあろうかと思いますの で、事務局からどういう意味で「基準日」という記載をしているのかお答えいただけます か。 ○早川統計企画調整室長 「基準日」ですけれども、例えば個人でも事業所に対してでも 何日現在の状況を書いてくださいと大体調査票には記載されていると思うんですが、何日 現在の日付を「基準日」と意味しております。 ○阿部座長 わかりました。 ○廣松委員 そうすると、やはり「調査期日」の方がいいですね。例えば国勢調査の調査 期日は10月1日です。実際には1週間前ぐらいから配って、大体10日ぐらいの余裕を見て 回収する。でも、10月1日のことを書いてくださいという意味で、多分施行令等では「調 査期日」という言い方をしているのではないかと思います。 ○阿部座長 それは調べた上であれしてください。  多分この辺りはテクニカルタームも多いし、一般の人が読むときには結構混乱する可能 性がありますので、適宜注釈等をつけ加えさせていただいて、わかりやすくしたいと思い ます。 ○廣松委員 もう一つだけございます。3ページの「(3)回収率の向上について」の第 2パラグラフの「回収率が低いと非標本誤差が大きくなり」というのは余り正確ではなく て、このまま素直にいうと、回収率が低いと標本誤差が大きくなると読めますが、非標本 誤差は回収率に関わらず存在するというのが標本誤差と非標本誤差の定義の違いですから、 ここは「非」を取るか、あるいは「回収率が低いと標本誤差が大きくなると同時にそれ以 外の理由で存在する非標本誤差とも合わせると誤差が大きくなる」という表現の方がいい のではないかという気がします。 ○阿部座長 先ほど私失念していまして、土屋委員から5ページの発表の目標設定の時期 の話で、60日以内、1年以内と画一的に決めるのではなくて、90%を収集できるような時 期に設定してはどうかといった御意見がありましたが、多分それはそういう意味でお書き になったものだと思います。60日と書くと60日となってしまうんです。ただ、意味的にい うと、90%収集できるような状況にある月という意味で書いているのではないかと思った んですけれども、その辺はどうしましょうか。個々の統計によって違うのでね。 ○廣松委員 この60日とか1年というのは、多分総務省の政策統括官室が出しているガイ ドラインの数値だと思います。実績として厚生労働省の統計が何日以内に公表されている か、あるいはどれぐらいの期間で公表されているかということに関しては、恐らく別途調 べていただく必要もあるのではないかと思います。 ○阿部座長 意味のとしては、できるだけ早期に報告しなさい、ガイドラインはこの辺り にありますということをもう少し詳しく丁寧に書くということでよろしいでしょうか。あ りがとうございました。  阿藤委員、どうぞ。 ○阿藤委員 3ページの一番上のパラグラフの「数値目標を設定するなどオンライン化率 の向上を図るべきである」というのはいいんですけれども、具体的に数値目標を設定して オンライン化率を上げる方法は現実に見えているのかどうか。ただ目標を掲げて、実現性 が乏しいということがあるものですから、ちょっと伺っておきたいと思ったのが1つです。  「(3)回収率の向上について」の2番目、先ほど出た「回収率が低いと」というとこ ろの文章で、これは小さな話なんですけれども、その2行目で「社会経済状況の把握を妨 げ」というのは「的確な把握を妨げ」とかそういうことではないかと思います。  その後は「障害となるのみならず」です。これは文章の話です。  それから、次のパラグラフで「各統計調査において回収率向上の目標を設定し」とあっ て、これについては後の方に取組みがあるんですが、その前に低回収率、低い回収率の理 由をよく分析しとか、そういうことを一言入れておくのがよろしいのではないか。目標を 定めるというのは、なぜそういうことが本当に起こっているのかという原因をピンポイン トではないにしても、ある程度分析しておくことが必要ではないかと思いました。  (4)の2行目の「統計調査に対する国民の理解増進のため行動指針」というのが鍵括 弧であったんですが、私自身はよく知らなくて、インターネットで見たら、これは各府省 統計主管部局長の会議で合意されたと書いてあったんですが、これは余り普通の人は知ら ないと思います。どう書くかですけれども、これをこういうふうに鍵括弧で挙げると一体 何だろうと思うのではないかと考えました。  4ページにまいりまして「PDCAサイクル」というものがあるんですが、厚生労働省 の統計の中にはいわゆる国立社会保障・人口問題研究所という研究機関の調査があって、 研究所は研究の目的で、勿論その推計とか実際に行政に直接役立つものもアウトプットと して出していますけれども、その背景にある人口や世帯の動向、家族の動向を分析するの が目的なので、そうするとうまくPDCAサイクルということになじむのかどうか。読み 方ですけれども「[3]施策の企画立案に基礎資料として用いられているのか」という広いも のであればそのまま当てはまりますが、行政の指針などにすぐにつながるわけではない。 その辺りをどうするかということがあるような感じがいたしました。  4ページの一番下の要望事項の中で[1]なんですが、これは前回議論されたことを指して いるのか。例えば共通題目でローテーションでやっていく調査のようなものをそこで差し ているんだとすると、前回も申し上げましたけれども、一括で調査して効率性が高められ るというのは、上の方のタイトルは同じでも中身の調査対象あるいは目的も違うものなの で、そう簡単にはいかないのではないか。違う意見もあるので、余りそこまで踏み込まな い方がいいのではないかという気がいたしました。  5ページの「【公表早期のための取組】」で、それぞれみんな思ったようなものが挙が っているんですが、そもそも統計調査で一番頑張っていただいているのは調査員なんです。 調査員のことをどこかで書いておく必要はないのか。これは廣松先生辺りにお伺いしたい んですが、要するに熱意ある有能な人材、調査員をいかに確保するかとか、トレーニング までできるのかどうか知りませんけれども、事前説明を丁寧にするとかいろんなことがあ ると思うんですが、それによって調査の効率性が随分変わってくる。実際に多分そうだと 思います。そういうこともどこかで書き込めないかという気がいたしました。  以上です。 ○阿部座長 ありがとうございました。  御質問でいいかと思うんですが、3ページ目の一番上のオンライン化率の向上を図る具 体的な方策というものはあるのか、ないのか。 ○早川統計企画調整室長 今回オンライン調査をしているものについて、どういった状況 かということを調べてみたんですけれども、一義的に紙で送って希望する方にIDとパス ワードを送るようなやり方をとっている調査がある。今回の国勢調査もそうでしたけれど も、最初にIDとパスワードを送ってしまうというやり方に変えるというのは1つあるん だろうと発見しました。今回気がついたというか、当たり前みたいなことですけれども、 そういったこともあるということで、まだ若干向上するための方策は考えられるというこ とです。  あと、毎勤の例で1回紹介がありましたけれども、給与とか経理ソフトの中に毎勤に当 たったときにさっとできるようなソフトを仕組んでもらうという形でやれば、普及度合い にもよりますけれども、かなり普及しているということであれば簡単にできるということ も考えられます。 ○阿部座長 そういうことだそうです。 ○阿藤委員 もしそれが有効に働くのであれば勿論書いておいて問題ないと思うんですけ れども、数値目標というと何年までに何パーセントとか、それをやったらどれだけ上がる という見通しがないのに荒唐無稽な目標をつくってもなかなか難しいと思いました。 ○阿部座長 そうすると、数値目標を設定するなどという部分をどう取り扱うかというこ とになると思います。  それについて委員の方から御意見はございませんか。どうぞ。 ○田代委員 数値目標というと今のような問題、疑問があるかもしれませんが、数値目標 がなくて単に向上、頑張りますと言っても何をやっているかわからないという意味で、実 は私が言ったんです。だから、数値目標というのは荒唐無稽なものではなくて、勿論具体 的なこれをやれば10%ぐらい上がるとか15%上がるのではないか、勿論それを証明するの はなかなか難しいと思うんですけれども、やはりそこには目標に対して努力する、それを 実現するためにどうするか必死に考えることが大事なのではないかということで、数値目 標というとすぐに90%とかそんなことを考えているわけではなくて、これは時間がかかる と思います。毎年せいぜい5%とか10%ぐらいのことでも、やはり仕事をする上で目標が あることは非常に大事なのではないかと思って、私はこれを申し上げました。 ○阿部座長 ほかの委員は御意見ありますか。ないと多数決などで決めるんでしょうか。 確かに数値目標をどこに設定するかというのは非常に難しいような気がしますが、なかっ たらいいかというと、ないというのも確かに目標なくやるというのも難しいような気もし ます。ただ、余りここで乱暴なことを言って、適当に数値目標を書いてしまえというのも まずいので、意見を集約したいと思います。  どうぞ。 ○廣松委員 私も残しておいていいのではないかと思います。ただ、先ほど阿藤委員がお っしゃったような御心配からいうと、蛇足かもしれませんけれども、例えば他省庁での数 値などを参考にという言葉を入れることも考えられます。おっしゃった90%とか100%と いうほとんど実現不可能な数値目標ではなくて、ある程度実際に稼働しているというか、 オンラインで行われている調査を参考にという表現を加えてもいいと思います。 ○阿部座長 どうぞ。 ○中山委員 私はやはりここに書いてある「各統計調査において」という言い方でいいと 思います。つまり一律に決められるものではないし、調査の内容であったり、対象であっ たり、方法によってそれぞれ変わってくる。でも、やっている人は多分本来このぐらいあ ってしかるべきという思いがあり、かつ結果をうまく使うためにも、ここに書いてありま すように回収率はある程度保たないと適切な評価ができないという部分もあるでしょうか ら、これは個々に定めるということでよろしいのではないかと私は思います。 ○阿部座長 難しいですね。こういう案でいかがでしょうか。「他省庁の数値をめどにし つつ、各統計において数値目標を設定するなど」です。皆さん意見を集めたようなあれで すけれども、そういうことでいかがでしょうか。ありがとうございます。  それ以降、阿藤委員の御意見は記述の部分があったと思いますので、それはそういう形 にしていただきたいと思います。  3ページ目の「統計調査に対する国民の理解増進のための行動指針」は注釈を入れると いうことで対応すればいいかと思います。  4ページ目の(6)研究目的の調査はどうするのかということなんですが、私の意見を 述べさせていただきますと、やはり[3]の施策の企画立案に基礎資料として用いられるとい うところで含まれるのではないかと思うんですが、それでよろしいですか。 ○阿藤委員 はい。 ○廣松委員 ついでに言いますと、[1]〜[5]の番号ですが、私は現在の[3]を[1]にして、 [1]を[3]にした方が素直ではないかと思います。 ○阿部座長 それでは、そのようにするということでよろしいでしょうか。  四角の中は後で議論することにさせていただいて、ほかの委員から御意見があればお願 いします。どうぞ。 ○田代委員 2点ほどあります。  まず2ページ目の下の方の「(イ)オンライン調査の推進について」を読みますと、オ ンライン調査の導入のメリットは何かというと、郵送料の削減、回答者の誤記入の防止、 紙から電子データへの入力ミスの防止という3つしか書いてないんです。それは確かにあ ると思うんですが、もっと大きな目で見れば、今、実際に行っている調査員のかわりにこ ういうものができれば調査員の費用はなくなるわけですし、本省もあるいは都道府県の中 でもこれに携わっている職員の方がたくさんおられると思うんだけれども、オンラインと いうのはそういうものの削減というか節減といいましょうか、それが非常に大きいと思い ます。  もう一つは、先ほどの公表の時間の問題もありましたけれども、これはうまくやればか なり早い集計というものに結び付いていくんだろうと私は思っています。  ですから、調査員あるいは担当職員の効率化とか、今、言った迅速なデータの集約とか そういうものもこれは大きなメリットの1つになるのではないか。ここでいう郵送料など は金額的には非常に少ないので、それぐらいしかメリットしかないのに何でソフトを使っ てやるんだということにもなりかねませんので、是非この2つは入れていただきたい。こ れが1つ目です。  2つ目は4ページ目の一番上の(5)です。(5)の題は「統計調査の費用対効果の検 証について」という言葉になっているんです。中身を見てみると、費用対効果の検証は重 要な視点であると書いてあります。そのとおりだと思います。しかし、統計調査の費用は、 今、言ったみたいに大体自動的に決まってしまうから、それは余り期待できない。一方、 効果の方は一様に指標化するのは困難な面がある。そうすると、検証するといっても、分 子、分母それぞれが余り意味がないということを言っているに過ぎないのであって、(5) では何が言いたいのかということが私にはちわからなかった。  ここで言われていることはそうだと思います。だから、これを否定するわけではなくて、 その結果こういう問題があるから、例えば費用対効果の検証というのはできないとか、で きないと言ってしまったら言い過ぎかもしれませんけれども、そういうことを言いたいの か。こういう困難はあるけれども、工夫をして、更に検討していかなければいけないとい うことを言いたいのか。その辺はどういう観点なのか。これは私自身の質問です。  以上です。 ○阿部座長 前者も質問ですか。前者は御意見ですね。 ○田代委員 前者は意見です。 ○阿部座長 わかりました。  前者のオンライン調査の導入でのメリットについてもう少しあるのではないかというこ となんですが、私が気になるのは、調査員を完全になくすことができるのかどうかという 点なんです。多分それは無理だろうということなので、今後はわかりませんが、現状を考 えると郵送料の削減というのが適切な表現になるのではないかと思います。現状は調査対 象のところに行ってお渡しをしてくる。その部分が重要なポイントになっているのではな いかと思います。今後調査員をなくすとしたら、どうやって標本に接近するのか。これは 十分考えられていないことだろうと思います。例えば電話をしてできるとか、あるいはメ ールでやるとか、そこのところはまだまだ不十分ではないかと思います。もし私の意見が 間違っていれば御訂正ください。そうだとすると、調査員の費用を削減できるまではちょ っと言い過ぎのような気がいたします。  廣松先生、御意見があればお願いします。 ○廣松委員 考えるタイムスパンをどの程度にするかということに関わると思いますけれ ども、少なくともこの仕分けが目指すあるいは念頭に置いている期間中に、オンライン化 をすることによって調査員の方の手当がそれだけ減るというのはちょっと難しい状況だと いう気がします。 ○阿部座長 どこまで書くかなんですけれどもね。  どうぞ。 ○田代委員 調査員を0にするとかそういうことは勿論考えてはいないんですが、例えば 今10人いる人が20日行っているとしたら、それが半分で済むとかあるいは3分の1で済む とか、そういうことは当然起こるのではないですか。そういうこともなくてやるんだった ら、膨大なソフトコンピュータの開発費用をかけてやっている意味が一体どこにあるのか ということを逆に疑問に思います。 ○高原統計情報部長 御期待に沿わない回答になってしまうかもしれないんですが、以前 お出しした資料で厚生統計調査の一覧をお示ししまして、その中に調査系統が書いてある わけです。調査員調査という方法を使っているもの、郵送調査でやっているもの、その他 の方法でやっているものとあるわけですが、調査員調査でやっているというのはその方に アクセスするために行かないと仕方がないというものについてやっているわけです。お名 前とか住所がわかっているようなところに対しては大体郵送でやっております。調査員調 査をやっているということは、相手がわからないようなところに対してやっているので、 座長がおっしゃったようにアクセス方法がまだないんです。少なくとも配る段階では調査 員に行っていただかなければならないという事情があります。行きは調査員で帰りは郵送 などの方法でカバーしている面もありますので、具体的にオンライン調査を導入したこと によって、調査員の予算の執行を減らせるかあるいは予算そのものを減らせるかというと、 それは現在では難しいのではないかと思います。 ○阿部座長 やりくりをして、もしかしたら調査員調査費用を削減することは可能かもし れませんということだろうと思います。でも、必ず削減できるということは期待できない と思っているので、ここの報告書には書きづらいという気がします。 ○中山委員 私はこういう意思を持ってやるんだということは書いておかないと、いつま で経っても変わらないと思います。例えばこの前お話がありました障害児調査とかかなり デリケートなところは調査員が行かなければいけないでしょうが、歯科の調査といって調 査員が行っているものがあったりしますけれども、対象がビジネスをやっているところだ ったらオンライン化も可能だと思うし、その辺をうまく使い分けることは可能ではないか と思います。したがって、意思としてそれは入れておかないと、いつまで経っても進まな いと思います。  それから、コンピュータによってデータ処理が一括、一元化できるものは本当にそうや っていかないといけない。例えばメーカーなどの場合ですと、世界企業で10兆円、20兆円 の売り上げがあっても1か月で決算を出すわけです。昔はもっとかかっていたものが、ど んどん短縮している。それはコンピュータシステムで、まさしくアフリカの端のところか ら情報を集めてきてやるような仕組みをつくって、短縮化して、コストを下げてやってい るわけですから、同じような観点を部分的に持って進めていかないといつもで経ってもこ の状況は変わらないのではないかと思います。 ○阿部座長 それでは、今のことはオンライン調査に関係なく、調査手法として調査員調 査が必要なのかどうかを検討するという項目を1つ立てるということでいかがですか。例 えば調査員調査を今後も続けるべきなのかどうか。それは郵送調査にできるのか、オンラ イン調査にできるのかということを個々の統計について検討するという項目を立てるとい うことです。そのように聞こえるんですけれども、いかがですか。 ○田代委員 そのような趣旨であれば、それはそれでいいと思います。 ○阿部座長 何か御意見があればお願いします。 ○高原統計情報部長 事務局から申し訳ないんですけれども、私ども実際に調査をやって いる立場からいえば、調査員調査を郵送調査に切り替えれば、おおむね回収率の低下は避 けられないという面がありまして、結局回収率が低下することによる誤差の拡大などを考 えると、かけるお金を減らしたけれども、出てきたものが不安になったということではあ れですので、そういう方法を検討する場合には単にコストの面だけを検討するのではなく て、調査の最終的な正確性といったものも踏まえた検討でなければならないだろうと思っ ております。 ○阿部座長 どうぞ。 ○岩崎企画課長 若干補足させていただきますと、オンライン調査の場合、予算をいろい ろ積み上げる際にオンライン調査の部分が増えて、調査員調査の対象が若干減ることによ り、微々たる額なんですが、そういう微々たる額については若干の節減効果があるという のが現状でございます。 ○阿部座長 多分調査の仕方とそれによる回収率というのは、今、統計部長がおっしゃっ たようなことだろうと思うので、それを勘案してどこに最適値を置くかということは大変 大事なことだと思います。もし調査手法の検討という項目を立てる場合には、そういった ことも併せて記入するということで、そういう項目を1つ立てるということで意見を集約 させていただきます。  どうぞ。 ○廣松委員 2ページは「(2)効率的な作成について」というタイトルになっており、 ここで行政記録情報とオンライン調査が取り上げられているわけですけれども、(2)の ところを今まさに座長がおっしゃったとおり「統計調査の方法について」という形にして、 現状も踏まえて調査員調査のことについて少し触れるという形でいいのではないかと思い ます。 ○阿部座長 もし調査員調査の話ができれば、阿藤委員が5ページのところで御意見され ていた調査員の確保及びトレーニングについても少し触れておくことにしたいと思います が、よろしいでしょうか。  岩田委員、どうぞ。 ○岩田委員 2ページの1の「(1)重複排除について」というところなんですが、これ がわかるようでわからないんです。例えば調査項目で重複があっても、調査対象が違えば それはあり得ます。  また「調査間の関連付け」という書き方もあるわけですが、私が使う立場で困っている のは、1つは厚生労働省の統計調査の中で、今回きれいにまとめていただいたように基幹 調査とその他の調査があります。例えば福祉系の調査ですと、国民生活基礎調査が基幹に なりますので、そこといろんな意味での関連づけができていると、サンプルが小さかった り、特殊な対象でもその中に位置づけることが可能なんです。つまりすごく昔からやって いる調査、例えば生活保護の調査などですと独自な世帯分類をしているんです。その世帯 類型しか出てこないと比較ができないんです。生活保護統計における老人世帯とか母子世 帯とか障害世帯というのは、独自の定義でなされて優先順位なんです。そうすると、その 中に位置づけられないんです。私は細かく見たことはありませんけれども、多分障害とか 母子とかそういうもの、それぞれのセクションがやっている調査は、それぞれの目的で、 それぞれの理由でやるものですから、早くに始まった調査というのは非常にユニークな、 考えられないような分類があるんです。そうすると、非常に使い勝手が悪いんです。しか も、それをばらして利用できるデータを国のレベルでとっていないと思います。福祉事務 所に行かないとわからないような感じになっているんです。  これは2つありました。1つは厚生労働省の中の調査で基幹調査とその他の調査は一定 の構造化をして、その間の調査項目をきちっと定義上すり合わせておいて、なるべく基幹 調査と併せられるところは併せる。独自なものは何かということをきちっと分類して進め る。そうしますと、例えば4ページにあった一括調査とかローテーション調査ができない かという場合にも、場合によってはできる。年金受給者の調査などは年金世帯が多いです から、国民生活基礎調査の拡大版というか何かでできるという感じもしています。勿論滞 納世帯などの問題は別ですけれども、そんな感じもするんですけれども、そういうものが 1つです。  もう一つは、今の目的対象が類似している場合、やめるとか、やめないとか、1つにす るというように対象が違うんだけれども、項目も違って、何ら関連づけができないという 問題もあるんです。そういう問題と対象の項目も類似しているんだけれども、ちょっと違 うというような、こういうものをどういうふうに整理していくかというのは、ユーザーか らすると非常に大きいんです。仮に国民生活データブックみたいなものをつくるとすると、 その辺が非常に難しい問題になって矛盾が出てきてしまうのではないかということをちょ っと心配しています。 ○阿部座長 どうしましょうか。  関連してですか。どうぞ。 ○中山委員 今の最後のところにお話があった4ページ目の四角の中の[1]の一括で調査 を実施することでというところなんですけれども、前回も調査が集中して、調査対象の人 の負荷が増えるというお話と、もう一つは統計に従事する側の負荷の山谷を減らしたいと いうお話がありました。  一方で、今、岩田先生からもお話があったように、同時にやった方が年金などにしても サンプリングが可能な場合もあるでしょうし、別の見方をしたときに、調査対象を分けた 方が負荷は減るんですけれども、例えばクロス分析などをやろうと思ったら、同じ調査対 象でデータを取った方がより正確な内容が把握できるわけであります。  これは私もよくわかりませんけれども、例えばそのときに謝礼を出すということはあり 得ないんでしょうか。ないんですか。実はスポット的な文科省か何かのアンケート調査が あって、そういうものに行くと3,000円の図書カードをくれたりする調査があるわけです。 インセンティブというかモチベーションとセットにして、多少調査負荷が増えるんだけれ どもということはあり得ないんでしょうか。 ○高原統計情報部長 制度論などであればインセンティブを与えるということは考えられ ないことはないと思うんですが、厚生労働省がこれだけの調査をやっている中で、インセ ンティブを付与し出したら統計の予算が数倍にふくれ上がると思います。例えば1万世帯 を対象に3,000円であれば3,000万円です。1つの調査にそんなにお金をかけている例は余 りありません。この調査を見ていただいても、全体の費用がそんなにあるわけではありま せんので、それは到底無理だと思います。  特に特定の調査についてはインセンティブを与え、ほかのものには与えないという形を すると、これはまた問題が発生いたします。私どもとして200円とか300円の程度のものは 特に負荷をかけているところにやるということは可能でありますし、例えば大学などが民 間の調査をやられるときに、統計調査によって何かを得られている場合にはそういうこと はあり得ると思いますが、調査対象に何かを、それも高額のものを差し上げられるという 予算体制には到底ない、無理だと思います。 ○中山委員 わかりました。ただ、一方、調査も件数当たりで見ると、安いのは300円ぐ らいから、高いのは2万円ぐらいまであって、確かに高いものは調査員調査で、かなり項 目が多いということは認識しています。そうやって考えたら3,000円はともかくとして、 負荷によってそういうこともあり得ると思えます。  先ほどお話したように、例えば文科省などは、私も実際に調査のサンプルで調査協力を したんですけれども、それはちゃんとそういう対価があって、それによって公募していま した。 ○阿部座長 多分それは統計ではなくて調査ではないですか。 ○中山委員 なるほどね。統計ではないからということですね。スポット的なものだから それが可能であってということですか。 ○阿部座長 研究調査とかですね。 ○中山委員 なるほどね。 ○阿部座長 それから、ここの統計で単価が違うという話なんですけれども、多分単価が 高いのはなかなか集まらないから単価が高い。あるいは血液検査をされるとかそういった ことで高いのであって、いろんな事情があるのではないかと思います。 ○高原統計情報部長 基本的に統計の予算というのは比較的定形化されていまして、特殊 な事情がない限り、それほど大きな差は発生していないと思います。要するに血液であれ ば、血液を実際に検査機関に持って行って分析していただくためにお金がかかったり、会 場に来て体重をはかるということであれば、来ていただくための費用の負担もあるのでは ないかと思いますが、普通に郵送であったり、調査員調査である場合はそれほど極端な差 が出ることはないと思います。例えば調査票で調査項目が多いと、これは入力のコストが 高くなるとかそれなりの理由でやっておりまして、それほど極端な理由なきばらつきが発 生していると私どもは考えておりません。 ○阿部座長 岩田委員の御意見なんですが、重複排除だけでは済まないということだろう と思います。どういうまとめるかは私の理解が正確でないので、これは引き取らせていた だきます。 ○廣松委員 御参考までに申し上げますと、新しい統計法を作るときにも似たような議論 があって、要するに司令塔の機能なわけです。ここで言っている単なる重複是正だけでは なくて、相互調整も含めた機能が必要であるということだろうと思います。特にこれと7 ページに出てくるいろいろな提言も併せるとそういう機能をもたせる必要があると読めま す。その意味でここの書き方は重複排除についてというかなり限定された書き方になって いるものですから、先ほど岩田委員がおっしゃったような御意見も出てくるんだろうと思 います。そういう趣旨でこの項目が挙げられていると解釈して、少しリライトしていただ ければいいのではないかと思います。 ○阿部座長 そういうことでよろしいでしょうか。 ○岩田委員 特に用語の定義といいますか、ああいうものはデータブックみたいなものを つくるときに、最後にすごく問題になってくると思うので、それは基幹統計がより上位に あるといいますか、なるべくそこに合わせられるものは合わせて、旧来のものと続く意味 で二重に集計できるような調査の体制にすることが大事だと思うので、それをどこかで加 えていただければ、特にそれ以上のことはありません。 ○阿部座長 4ページ目の四角の囲みのあるところですが、若干先生方から御意見をいた だきたいと思っております。  どうぞ。 ○田代委員 先ほど私が言いました2番目の件、4ページの上の「(5)統計調査の費用 対効果の検証について」の文章は、事実はわかるんだけれども、結論はどうなんだという のは、この辺はどういう立場で書かれたかということを教えてください。 ○阿部座長 そうでした。失礼しました。 ○早川統計企画調整室長 費用対効果の検証につきましては、すべきであるという御意見 がありまして、具体的な方法について事務局としてお出しした資料は、ここに記載してい る重要な視点ではあるけれども、特に効果の面については一様に指標化するのは困難では ないかというところで止まっていたという理解で、表現はここまでにしています。そこか ら先については御意見があればという形で、今までの議論はここまでだったのではないか と理解して、この表現にとどめております。 ○田代委員 今までの3回の中ではたしかこのレベルでした。これから先の具体的なこと は私自身も余り持っているわけではないですけれども、ただ、これで止まってしまいます と、一番最後の7ページに提言もあるけれども、ここにもそういうことは余り書かれてい ない。そうすると、大事だけれども問題がある、そうだねで終わってしまうのではないで しょうか。今回の事業仕分けのミッションが何かというのはちょっとあいまいなところが あるんですが、それなりに4回会議をやっているわけですから、非常に重要である、だけ れども現実的には数量化するのは難しいね、そこで止まってしまうと何なんだということ になりませんか。  もし非常に難しいのであれば、これは重要ではあるけれども、分子、分母を定量化する のは難しい。ただ、その件については更に費用対効果がわかるようなものがないかの検討 を続けていくとか一言ないと、報告書の1つ項目の結論としては意味がないのではないか と思います。 ○阿部座長 一般に情報の価値を金銭ではかるというのは難しいと思います。多分強調し たらいいと思うのは、実際に収集した統計を使ってどのような情報を発信することができ ているのか、あるいはできていないのか。今までは余り気にしないところがあったと思い ます。だから、その辺りを少し書き込むということでよろしいですか。  それでは、四角に移りたいと思うんですが、先ほど阿藤委員が[1]については違う意見 があるということでした。私も[2][3][4]については違う意見もあるのではないかと思っ ておりますが、先生方いかがでしょうか。 ○中山委員 まず初めにこれは前回のときに意見があればくださいということがありまし たので、メールでお送りしまして、どう扱うかはお任せしますと申し上げました。私もこ の報告書の中のどこかに入っていたり、入っていなかったりするのかと思っていましたら、 こんなふうに単独で取り上げていただきまして、ありがとうございます。逆にいうと、重 複しているところも出てきてしまっているし、いろいろと御意見があるかと思います。  私の意見としては、ここに書いてある[1][2][3]は「(2)効率的な作成について」の手 法の中で、こういった観点を絶えず持ちながらやっていただければいいのではないかと考 えている部分であります。ですから、ラップすると思われれば吸収してしまっても構わな いと思います。  [4]の調査を廃止できないかというのは、まさしく今の統計調査の非用体効果の中の1 つだと思います。費用対効果をはかるときに、確かに検証そのものは主幹になるので難し いところもあります。例えば重要性であったり、引用されるところが非常に多いとか、ほ かの省庁も含めて極めてたくさんのところが参照しているとか、頻度が高いとか、あるい は波及性があるとか、何らかの指標をもっていけばある程度把握できるのではないかと思 います。  例えば企業の場合も重要度を判定するのはSUG、つまり緊急性とか重要性とか波及性 といったことで評価をしながら優先順位を決めて、少ないものはカットしていくわけであ ります。ですから、そういった見方のことが何らかの方法でできないかと思います。 ○阿部座長 廣松先生、何か御意見ありますか。 ○廣松委員 ここの[1]〜[4]に関して大変気になるのが精度の問題です。具体的にこうい う措置をとった場合、結果として今まで保っていた精度がどこまで保障できるかという点 が大変気になるということです。もしこれをつけ加えるというか本文の中に入れるとする と、その点を意識して、精度面では大きな低下がないように工夫する必要があると、付け 加えていただければと思います。 ○阿部座長 ありがとうございました。  阿藤先生、どうぞ。 ○阿藤委員 例えば[1]というのは先ほど岩田先生が議論されたことにも近いので、2ペ ージの「(1)重複排除について」辺りで、調査対象も目的もほとんどオーバーラップし ているようであれば1本でやれということも当然考えられますけれども、そういう意味で はまさに重複排除の精神にかなったものです。その辺は先ほど書き直すということでした ので、入れ込むことはできるのではないかと思います。  最後のところは非常に大きなあれですけれども、これも上に「(6)統計調査の利活用 度合」があって、先ほどおっしゃったような政策への活用度合いとか国民の利用度度合い とか、つまりこれを判断基準にして考えろということですから、ここまで廃止できないか とか書き込む必要まではないのではないか。結局これは指針ですから、最後の提言のとこ ろでこういうものを生かしてやりなさいということなので、それで十分ではないかという ことです。  [2][3]も考えようによっては、先ほど「(5)統計調査の費用対効果の検証について」 と関係しているものだと思います。だから、ここら辺りに精神を込めるみたいな感じで書 き直していけばよろしいのではないかと思います。 ○阿部座長 このように別出しにせずにどこかに精神を入れ込んでいく。多分[1][2][3] に関してだと思いますが、統計精度の低下につながらないような配慮をすべきということ は明記しておきたいと思います。  ほかにIIで御意見ございますでしょうか。  なければIII、7ページ目で御意見がございましたら、どうぞ。 ○田代委員 先ほどもちょっと申し上げたんですが、この事業仕分け4回に与えられたミ ッションというのは何か。今ごろ言うのも変な話ですが、個別の話もいろいろ出てきまし たし、大きな話も出てきましたし、今日で一応終わりで報告書ということなんですが、問 題点、論点の整理は非常によくできていると思います。私もいろんなことを言いましたけ れども、ほとんどそれを取り入れていただいておりますので、ありがとうございました。 ただ、論点はかなり明確になったんだけれども、これからどうするんですかということを IIIで書きたいということですね。そういうふうに考えてよろしいですね。  「1 別会議での検討について」というのは、別会議が何かというのは私も詳しくはわ かりませんが、4回やってきた会議ではない、仕分けの場ではないということが1つわか ると思います。あといろいろな会議が、今、動いているようですけれども、それとまた別 にするのか、どれにするのか、私は詳しくわかりません。  私が一番恐れているのは報告書が出てしまったらおしまいという感じで、フォローとい いうのがほとんどできていないケースも間々見受けられますので、ここでいう別会議で更 に具体的なものを検討していくというのは、方向としては正しいと思います。 ○阿部座長 済みません。1の1行目なんですが、仕分けの無会議が廃止されるわけでは なくて、ここの統計調査に関する技術的検討については専門的であり検討に時間を要する ため、別会議で検討するということになっているんです。そういうふうに理解してくださ い。 ○田代委員 この会議はたまたま4回で報告書を出すという理解でいいんですか。 ○阿部座長 この後、仕分けが行われるかどうかは仕分け本体でお決めになることではな いかと思いますが、とりあえず我々が与えられた課題は4回で報告書をつくるということ でよかったと思います。ただ、個々の統計調査に関しては技術的問題などいろいろありそ うだということがわかってきたので、別会議でやったらどうでしょうかということで書い てあります。 ○田代委員 わかりました。そういう理解ならそれでわかりました。 ○阿部座長 よろしいですか。  ほかにはございますか。 ○中山委員 全体として見た場合、先ほど岩田先生から基幹調査と独自調査のお話があり ましたけれども、いろんな対象項目を調べている中で、それをマトリックス構造で幹枝、 小枝と分けていったときに、どんなところでどういうアイテムが調査されているかという 一覧表的なものはあるんでしょうか。ちょっと質問になってしまいます。 ○高原統計情報部長 私どもがどんな調査をやっているかというのは、少し落ちている部 分があるかもしれないんですが、ホームページ上でほとんど公開をしております。調査票 についても公開をしておりますので、そういうものを見ていけばできるわけです。  少し誤解があるかもしれない、私の言い過ぎかもしれないんですけれども、統計の場合、 調査項目1つを調べているわけではなくて、例えば世帯調査であれば世帯主の所得が幾ら、 世帯の人数が何人かという2つの項目を調べて、クロスしたときに世帯員3人の世帯主の 所得が幾らであるとか、そういうレベルでつくっていくわけです。そういうものが1枚の 調査票から得られるデータとして、さまざまなクロスができ上がることになるわけです。 ですから、ただ単に世帯主の所得を調べている調査は幾つかあると思いますが、それは全 部ほかの項目とクロスさせることによって別々な情報を取り出していっているわけです。 1つの調査項目というのは所詮1つの材料、部品でありまして、それを組み立てていろん なものができているわけです。賃金についての統計はどんなものがありますとか、世帯に ついての統計はどんなものがありますとか、あるいは年金について調べている統計はどん なものがありますとか、そういう形ではある程度わかるようになっておりますが、それを 超えて全部の項目をもし変えていったら、それは無限に近いような表になってしまいまし て、難しいのではないかと思います。 ○中山委員 そのときに葉っぱまでやるかどうかは別だと思うんですけれども、実は厚労 省のホームページにいろんな統計調査の表題がありまして、これをながめていても、専門 の方でないと何がどこにどう入っているかがよくわからなくて、逆に外からこういうデー タがほしいと思って調べてもどこにあるかがわからないということがありまして、検索の キーワードを入れてもうまく出てこなくて、きっとここら辺にあるんだろうと思って探す とあったみたいなことが結構あるんです。そういう意味で、まず1つは使う側から見てど こにあるかがわかりやすいようにできないかというのが1つの観点です。  もう一つは、調査されている側で全体像がとらえられていて、しかもそれがここだけで はなくて、例えば内閣府とか総務省とか、総務省にも統計局というものがありますから、 そこがコントロールしているんでしょうけれども、やはり全体として物すごい網の目みた いな膨大な量のデータが一体どう見えているのか、どこまで把握されているのかがよくわ からないんです。そういう意味であるんでしょうかという質問です。 ○阿部座長 どうぞ。 ○高原統計情報部長 私が答えるべきかどうか、廣松先生の方がいいのかもしれませんけ れども、基幹統計につきましては重複の排除などをやっています。統計委員会から御意見 があったと覚えているんですが、ポータルサイトをe-GOVという形で統一するとか、 概念の整理をするとかそういったことはできるだけやっているんですが、確かに御指摘の ように統計そのものが膨大過ぎて、細かいものまでいくと調べ切れないところが出てくる。 説明もし切れないところが出てくるのかもしれません。ただ、基幹統計を中心に見ていだ たければ、日本の主な姿というのはわかると思います。特殊、特別な視点で何か詳しいも のを調べたいということであれば、そこに多少無理がかかっていることはあると思います。  厚生労働省のホームページにつきましては、検索機能をもう少し強化してほしいという ことは言われております。これは統計に限らず、ほかの資料も同じことでありますので、 現在ホームページの改善というのは計画しているところでございます。 ○阿部座長 よろしいですか。  廣松委員、どうぞ。 ○廣松委員 申し訳ありません。中座をしなければいけないものですから、最後に一言だ け言わせていただきます。  IIIのところについて、私は基本的にこの3点の整理でいいと思います。特に今までな かった点として「3 統計ガバナンス機能の強化について」は、先ほど司令塔という表現 を使いましたけれども、そこが強調されているというのは評価をしたいと思います。  最後に一言だけよけいなことを言いますと、一番最後の「何よりも重要であることを強 調したい」というところだけ「強調したい」という言葉が付いていますが「重要である」 で止めたらいいのではないかと思います。 ○阿部座長 そのようにしたいと思います。 ○廣松委員 申し訳ありませんでした。これで失礼します。 ○阿部座長 ありがとうございました。  ほかにIIIについて御意見があればお願いします。岩田委員、どうぞ。 ○岩田委員 今と同じところの文言なんですけれども「政策的意義を高めるための助言、 指導」というところで「省内すべての統計について統計としての精度及び政策的意義を高 める」というふうに、統計自体のリーダーシップが必要だと思います。私としては「指導、 助言」の方がいいと思いますが、ちょっと出過ぎていれば「助言、指導」でも構いません けれども、強調したいということを中に少し入れ込んでほしいと思います。 ○阿部座長 ほかにございますか。どうぞ。 ○中山委員 先ほど回りくどい質問をしたんですが、私は「III 厚生労働省統計調査へ の提言」ということで、厚生労働省に限らずほかの省庁も含めてうまく一元化して、どこ に何があるかということがわかりやすくできたらいいのではないかと思います。つまりそ れは総務省、内閣府、厚労省、経産省、文科省いろんなところがいろんな調査をやってい て、かなりラップするところがあって、そこが大変だと思うんですが、しかし、そうやっ てやることで無駄が省ける可能性もありますし、より有機的に、立体的に社会全体を投影 することもできると思いますし、手間がかかってもそういうことをどこかでやっていただ きたいと思います。それは総務省の統計局なのかもしれませんけれども、そこを一元化し、 横通しし、e-Statも含めたシステムの効率的ができるようになったらいいのではな いかと思います。 ○早川統計企画調整室長 中山委員が御指摘の点なんですけれども、5ページ目の下の方 にちょっと出てまいります。「[1]統計への容易なアクセスについて」というところで、 3行目のところの政府統計の総合窓口、e-Statというものが現在ございまして、こ れは厚生労働省に限らず全省庁の統計調査が一覧できるものになっています。例えばこう いった調査項目について調査しているものは何かという検索機能も一応付いてございます。 ただ、投入するのは事務方が投入していますので、ありとあらゆるすべての統計について 検索でヒットするかどうかまではまだ不完全な面があるかもしれませんけれども、現在こ ういった取組みで、物によっては自分で表を集計させるという機能まで付いているものも ありますので、そういったものを逐次充実していくという形でいけば、恐らく委員の御要 望には応えられるのではないかと考えております。 ○中山委員 私の観点としては、ここに項目4として、厚労省に限らず各省庁間の有機的 なとらえ方ができるようなものを考えたらどうかということです。 ○阿部座長 ただ、基幹統計等については既に統計委員会がありますし、そこまで書ける かというと私には自信がないです。今ここで問題にしたいのは基幹統計ではなくて、むし ろ一般統計でやるということですので、そうすると射程は厚生労働省ということになるの ではないかと思います。  ほかの御意見があればお願いします。 ○岩田委員 そうだと思います。基幹統計はいいんですと言ったら変ですけれども、割合 しっかりしているわけです。例えば国民生活基礎調査で一番大きいのは先ほど言った所得 世帯、個人の情報に健康とか介護という情報が一緒に載っている調査は滅多にないわけで、 日本でこれが一番しっかりしているわけですが、一般調査というのは別の目的でそれぞれ されているし、開始時期も全然違うので、先ほどツリーとおっしゃったのはそれをあたか も、今、開始したように少し整理して、国民生活基礎調査のこの部分と連動していくとか、 あるいは客体が非常に小さいですから、当然そこから見出せない母子とか障害者世帯、生 活保護というのは割合が小さいですから、そこに入り切らないものはこういうところに飛 んで、こういう調査で見なければいけないということが概念的にツリーとしてどこかで示 されるといいと思います。これはホームページで公表する云々という話とは別に、障害の 各セクションで自覚してもらうとか、そのように調査を位置づけ使ってもらうというか、 そういう意識が芽生えるのではないかという気がします。 ○中山委員 私も基幹と一般調査という意味で言っているわけではなくて、調査の対象に 対してどうなのかというお話で、実は最近子育てといった関連を深く調べたんですけれど も、実は内閣府がやっているスポット的な調査がトータルが見られてよかったりして、そ うすると厚労省のやっている調査は時系列では部分的に見られるわけですけれども、全体 が把握しにくいという印象を持ちました。そうすると、もっと有機的に全体で見られるよ うなことをどこかでコントロールした方がいいのではないかと思ったわけであります。 ○高原統計情報部長 今、私どもの統計については、ホームページのポータルサイトなど でやっているんですが、多少つくる側からの分類になっているところがないわけではない と思います。ですから、そういった別なポータルの切り口を考えていくことについては検 討してみたいと思います。  岩田先生の御指摘でいえば、国民生活基礎調査をベースにつくっている調査というのは 一般統計と基幹統計の間ができているんですが、そのほかの統計については必ずしもそう なっていないところがあるというのが事実です。こういった個々の統計について審査をし ますし、検討していきますし、その中で1つの視点として組み込んでいって、できるだけ やりたいと思います。連関をつけるために調査項目を増やしたりすると幾つかの問題が発 生すると思いますので、ある程度限界はあると思いますけれども、そういった点は指導、 助言の中で1つの観点として持っていくことはできるだろうと思っております。 ○阿部座長 ほかに御意見ございますか。どうぞ。 ○阿藤委員 6ページに戻るんですけれども、一番下の文章は先ほど出ましたか。「二次 的利用の推進に取り組むことが適当である」というのは、同じように「推進すべきである」 とかにした方がいいと思います。それはもう出ましたか。 ○阿部座長 まだです。 ○阿藤委員 先ほどと同じようなことです。 ○阿部座長 「推進すべきである」ということですね。 ○阿藤委員 それから、7ページですが、全体の構造なんですけれども、特にIIでいろん な論点を議論している。IIIの提言というのはそれとは別というか、IIとIIIの連動性とい うか有機性は何もないような感じで、提言は提言でこの3つすればいいのが、一番時間を かけたのはIIですね。そこを受ける形の文章はなくてよろしいのかどうか。 ○阿部座長 確かにそれは必要かもしれませんけれども、何かありますか。どうぞ。 ○早川統計企画調整室長 IIIの位置づけでございますけれども、1のなお書きのところ でIIのいわゆる論点を踏まえた検討を別会議で行うという形で流れがついていると事務局 としてはとらえています。それに関してどういう周期で見直しをしていくかということと、 事務局の権能といった形で、IIから引き続いて、IIを個別に議論するためのものをどこで やるかということを提言しているという形で整理していると考えています。 ○阿藤委員 何か本末転倒というか、なお書きで書くのではなくて、これが本来前にあっ て、1、2、3というのは具体的な提案ですね。だから、なお書きで中核部分を書いてお くというのはちょっと妙な感じがします。 ○阿部座長 それは適宜修正させていただきます。  ほかにございませんか。  それでは、時間も15分ほど超過してしまいましたので、この報告書は12月13日月曜日に 事業仕分け本体へ報告することになっております。本日いただいた皆さんの意見は報告書 へ反映すべく努力したいと思いますが、もしまだ言い足りないということがございました ら、12月9日木曜日、明日でございますけれども、事務局へメールなり何なりでメモを入 れていただければと思います。その後、報告書は私に一任させていただいて、12月13日ま でには作成をし、報告書を事業仕分け本体へ報告したいと思います。  そういうことでよろしいでしょうか。 ○中山委員 報告書とはちょっと違う話なんですが、最後に一言だけ言わせていただきま す。  今回はどうもありがとうございました。2か月近くお付き合いいただきまして、これが 知りたいという情報に対してお答えいただきまして、ありがとうございました。  高原さんがおっしゃっていましたように、統計というのは非常に大事ですし、これから 世の中がますます複雑になっていく中でまさしく重要度は増すわけであります。  そういう中で、皆さんはよくお仕事をされていると思うんですが、やや印象としてイン プット、入力のところにかなり時間をかけている感じがします。例えばインターネットの 情報収集を見たときにも、仕様書などをつくり、入り口のところにかなりお時間を使って いる印象を持ちました。どちらかというと出口の方でどういうアウトプットをするか、ど う使うかということによりパワーを持っていって出口志向になる。そうすると、入力のと ころでこういう情報は要らないということも出てくるのではないかと思いますし、仕事の コアを後ろ側に持っていって、より付加価値の高いところにお仕事のコアを持っていかれ たらいいと思います。例えばレストランでいうと、シェフが調理して盛りつけて出す方を イメージしながら、そちらへ向かっていったらどうかというふうに、このお付き合いの中 で思いました。  いろいろお役割はあると思いますが、是非そういった付加価値を高めて、モチベーショ ンを高めて、しかも、みんなから見えやすいようにして、このホームページとかこの冊子 は我々がつくっているんだから、みんなこれでわかっているということを強く示していた だきたいと思います。 ○阿部座長 わかりました。ただ、見栄えがよくても何を使っているかわからないとなる と困ってしまうところも確かにありますので、その辺りはバランスではないかと思います。 ○中山委員 蛇足でございますので、是非そんなことでお願いします。ありがとうござい ます。 ○阿部座長 私はつたない司会進行で頼りなかったと思います。毎回時間を超過しまいま して、申し訳ございませんでした。 ○中山委員 毎回私が問題でございます。 ○阿部座長 委員の皆様には大変御迷惑をおかけしました。御容赦いただければと思いま す。  それでは、13日に向けまして報告書をまとめてまいりたいと思いますので、また今後と もよろしくお願いいたします。  それでは、最後に事務局から御連絡をお願いします。 ○高原統計情報部長 改めまして、座長を始め各委員の皆様におかれましては、御多忙の 中、本日も時間を延長するぐらいに熱のこもった御議論をいただきまして、ありがとうご ざいました。  報告書につきましては、座長からもありましたように、修正版ができ上がり次第、委員 の皆様には改めて送付させていただきます。  座長からもありましたように、報告書については来週月曜日13日に事業仕分けの本体に 報告するということで、事務局から報告するという形をとらせていただくこととしており ます。それを踏まえまして、厚生労働統計調査のよりよい改善と発展に役立てていきたい と考えております。  4回に当たりまして、熱意ある御議論をいただきまして、本当にありがとうございまし た。  以上でございます。 ○阿部座長 それでは、本日はこれで終了とさせていただきます。委員の皆さん、どうも ありがとうございました。    照会先 厚生労働省 大臣官房 統計情報部 企画課 統計企画調整室 統計企画係 電話 03-5253-1111(内線7373)