戻る

平成16年11月1日


死亡牛BSE検査で感染が確認された牛における異常プリオンたん白質の蓄積に関する調査研究結果について(Q&A)

 今般、農場段階の死亡牛検査で発見されたBSEの病勢が進行した94か月齢の事例において、末梢神経組織の一部や副腎に異常プリオンたん白質が見つかったという研究が発表されたことから、正しい知識と現状等について理解を深めていただきたく、Q&Aを作成しました。
 今後、本事例に関する知見の進展等に対応して、逐次、本Q&Aを更新していくこととしています。

Q1
 農場段階の死亡牛検査で発見されたBSEの病勢が進行した94か月齢の事例において、末梢神経組織の一部や副腎に異常プリオンたん白質が見つかったという研究が発表されましたが、牛肉は安全なのでしょうか?

A1
 今回、末梢神経組織の一部から異常プリオンたん白質が発見された牛は、本年3月9日、北海道標茶町でわが国11頭目のBSEとしてスクリーニング検査、確認検査いずれも陽性として確認された生後94か月の死亡牛事例です。死亡牛(24か月齢以上の死亡牛はすべてBSE検査を実施)等と畜場で処理されない牛は、食用として出回ることはありません。
 また、我が国では、安全な牛肉を流通させるため、と畜場においてSRM除去、BSE検査を行っており、BSE検査で陽性となった牛は焼却され、食肉として出回ることはありません。

Q2
 BSEにかかった牛の末梢神経組織の一部や副腎から異常プリオンたん白質が発見されたのは、はじめてでしょうか?

A2
 これまでもBSEが相当進行した事例においては、背根神経節、三叉神経節などで異常プリオンたん白質が検出されており、マウス等への脳内接種実験により感染性も確認されています。
 今回の研究結果では、はじめて神経線維や副腎において、異常プリオンたん白質がウエスタンブロット法による検査で微量検出されたものであり、今後、感染性についても研究が行われる予定です。

Q3
 今回の発表を受けて、現在のBSE対策は見直されるのでしょうか?

A3
 現在指定されているSRM(特定危険部位)は、欧州において行われた動物試験で感染性が確認された組織や処理工程で汚染防止が困難な組織です。
 今回、末梢神経組織の一部や副腎で確認された異常プリオンたん白質の量は、現在、SRMに指定されている三叉神経節よりも相当少なく、今後行われる感染性の試験結果や国内外での知見や議論を踏まえ、食品安全委員会のリスク評価に基づき対応することとなります。
 なお、欧州においては、BSEに感染した牛の末梢神経線維を使った動物試験で感染性は認められなかったとの報告が公表されています。

照会先:厚生労働省医薬食品局
食品安全部監視安全課
電話:03-5253-1111
担当:道野(2473)・蟹江(2455)


トップへ
戻る