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医療機関と改正薬事法


ポイント3
医師主導の治験制度
医療機関が主体となって実施する
  治験の届出制度

図



改正薬事法の最後のポイントは医療機関が主体となって実施する治験の届出制度についてです。


医療機関・医師主導の治験について

これまでは、企業が依頼した治験においてのみ、企業が未承認薬物を医療機関に提供することが認められており、企業が依頼した治験以外で、医療機関が未承認薬物を企業から提供をうけることは薬事法上認められていませんでした。
今回の薬事法改正により、医療機関・医師が主体となって行う治験ができるようになります。

これにより以下のような臨床試験が可能となります。

未承認薬物の提供を受けて行う臨床試験
未承認薬物を外部に製造委託し、行う臨床試験 など


これまで、治験は企業が依頼した治験においてのみ、製薬企業が未承認薬物を医療機関に提供することが認められていましたが、企業が依頼した治験以外で、医療機関が未承認薬物を企業から提供をうけることは薬事法に抵触するため、医師が主導の臨床研究に未承認薬物を提供できる枠組みは、治験と、外国からの個人輸入に限られてきた状況があります。
今回の薬事法改正によって、医療機関・医師が主体となって行う治験において未承認薬物を企業から提供を受けられるようになりました。本改正により、(これまでGCPの適用範囲に入っていなかった)医師・医療機関が主体となって行う臨床試験の一部について、GCPの適用範囲を拡大することにより治験として位置付けることで、倫理性・科学性を確保しつつ、企業等外部からの未承認薬物の提供が可能となりました。


医療機関・医師主導の治験を行うに当たって

 前提として、本制度は医薬品の承認申請の資料とする目的で行うものであることにご留意下さい。
治験の実施には、治験責任医師が、いままでの治験の実施と同様に、
(1) 治験計画を作成し、
(2) 院内の治験審査委員会に諮り、
(3) 治験届を提出し、
(4) 被験者の安全性及びデータの信頼性の確保のため、「医薬品の臨床試験の実施の基準」を遵守しなければなりません。


治験を行う際には、大前提として、これまでの治験と同様医薬品の承認申請の資料とする目的で行うものであることにご留意下さい。
また、手続についてもこれまでと同様に
(1) 治験計画を作成すること
(2) 院内の治験審査委員会に諮ること
(3) 治験届を提出すること
(4) 被験者の安全性及びデータの信頼性の確保のため、「医薬品の臨床試験の実施の基準」を遵守することが義務づけられます。


医療機関・医師主導の治験を行う場合の手続きは?

治験計画届出:医師・医療機関が主体となって治験を行うときには、必ず、治験責任医師から「治験計画届出」を提出してください。

薬事法第80条の2 第2項
 治験(厚生労働省令で定める薬物を対象とするものに限る。以下この項において同じ。)の依頼をしようとする者又は自ら治験を実施しようとする者は、あらかじめ、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に治験の計画を届け出なければならない。ただし、当該治験の対象とされる薬物を使用することが緊急やむを得ない場合として厚生労働省令で定める場合には、当該治験を開始した日から三十日以内に、厚生労働省令で定めるところにより、厚生労働大臣に治験の計画を届け出たときは、この限りではない。

 提出先: 医薬品医療機器審査センター

 治験計画届出の提出後30日は、治験届出調査を行うため、治験を実施することはできません。また、届出には、被験薬の安全性等に関する資料の提出が求められます。


医療機関・医師主導の治験を行う場合には、治験責任医師が治験計画届出を医薬品医療機器審査センターに提出しなければなりません。
この届出は治験を実施するにあたり、被験薬の安全性等に関する資料の提出を求めるものです。
また、本制度の実施にあたっては医薬品の臨床試験の実施の基準に従って厳密に行われることが求められています。



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