パブリック・コメント  厚生労働省ホームページ

医療用具添付文書記載要領(案)に寄せられた意見について

平成13年12月
厚生労働省医薬局安全対策課

 医療用具添付文書記載要領(案)について、平成13年8月20日から9月19日までインターネットのホームページを通じてご意見を募集したところ、41通のご意見をいただきました。
 お寄せいただいたご意見とそれらに対する当省の考え方につきまして以下のとおりご報告いたします。とりまとめの都合上、いただいたご意見は、適宜集約したものとしております。
 いただいたご意見については平成14年1月末まで厚生労働省行政相談室にて閲覧することができます。
 なお、パブリックコメントの対象ではない事項に関するご意見も寄せられましたが、パブリックコメントの対象となる事項に限って考え方を示させて頂いております。


1.全般事項についてのご意見

本記載要領の施行にあたり、「医用電気機器の添付文書に記載すべき使用上の注意事項について」(薬発第495号 昭和47年6月1日)は廃止されるのか。
● 薬発第495号(昭和47年6月1日)の内容は、本記載要領の内容と矛盾するものではありませんので、今後も引き続き適用されることとなります。

医療情報システム開発センターのEANコードによる医療材料データベースに付随する等の方法により、医療用医薬品と同様、医療用具の添付文書についてもインターネット等で閲覧できるようにしてはどうか。
● 現時点で、すべての医療用具の添付文書についてインターネット等における閲覧を可能とすることを目的に、添付文書の登録を義務づけることは困難であると考えられるため、今後の対策を検討する上で参考にさせていただきます。

添付文書を各製品に個別に添付するのではなく、添付文書集の冊子を医療機関へ配布するような方法は考慮できないか。
● 法律上、製品と情報は一体化して流通することとなっています。容器又は被包に添付文書に記載すべき事項が全て記載されていることを前提に、添付文書による貼付の必要性についてはクラス分類等のリスク情報を考慮に入れて、対応することとします。

当該添付文書は承認申請時の添付資料として必要か。また、審査の対象となるのか。
● 使用上の注意に代えて添付文書案を添付資料として提出することとします。なお、記載内容は審査時の参考にされるものです。

承認書と添付文書の整合性をはかるため、本記載要領の施行に併せて、「医療用具製造指針の手引き」を改訂していただきたい。
● 次回の改訂に際し、必要事項については整合性を図っていきたいと考えております。

当記載要領についての説明会を開催していただきたい。
● 本記載要領の内容について正しく理解していただくために、機会を捉えて説明を行っていきたいと考えております。

本記載要領の施行時に併せて製品群別(クラス別等)の添付文書の作成例を例示していただきたい。
● 作成例については、業界を中心に類別に作成していただいているとのことですので機会を捉えてご紹介したいと考えております。

本記載要領は直接の容器若しくは被包への記載事項には適用されないとの理解でよいか。
● 本記載要領は、原則として直接の容器若しくは被包への記載事項については想定していませんが、本来、必要な情報を添付文書に記載するという趣旨に鑑み、特例等でやむを得ず容器若しくは被包へ記載する場合にあっては、項目及び内容は本記載要領に準ずるものとなります。なお、その場合、文字の大きさや記載場所等については個々の特性に応じたものとなります。

添付文書の効果を担保するためには、医療機関への添付文書管理の義務化が必要である。
● 今回の記載要領に対する直接のご意見ではありませんが、今後の対策を検討する上で参考にさせていただきます。

特に、使用上の注意に関する記載があちこちに分かれて記載されているため、全体が把握しにくい。
● 本記載要領に係る通知の発出においては、「使用上の注意」に係る内容を一まとめにして発出することと致しました。

本案のようにガイドライン的な方法で規制するほかに,市販後の情報を添付文書に反映させるシステムを確立させていくことも対策の一つとして考えられる。
● 今回の記載要領に対する直接のご意見ではありませんが、今後の対策を検討する上で参考にさせていただきます。


2.概要についてのご意見

(法的位置づけ)

薬事法第63条の2の見出しで使われている「添付文書」と本記載要領の指す「添付文書」は意味が異なっている。薬事法でいう「添付する文書」とはいわゆる「取扱い説明書」を指すこと及び製造物責任法により、安全性の確保及び適正使用の推進のための必要事項は取扱い説明書内に網羅されていることから、添付文書ではなく、取扱い説明書の内容充実が重要である。
● 薬事法第63条の2の見出しの「添付する文書」は、いわゆる「添付文書」及び「取扱い説明書」等の文書を指すと解釈されます。現在、いわゆる「添付文書」が存在する医療用具については、本記載要領に基づいた添付文書の整備を行い、また、いわゆる「取扱い説明書」のみが存在する医療用具についても、あらたに、本記載要領に従ったハイライト情報としての添付文書の作成を行うこととしました。

製造物責任法により、海外の製造元にて作成した取扱い説明書の記載内容と異なる記載をすることは困難である。
● 本記載要領は、医療用具を適正に使用するために必要な情報を医療機関等へ提供するためのガイドラインであり、製造物責任法に抵触すると考えられる事実に反する記載あるいは不十分な記載を求めているものではありません。

(本記載要領の位置づけ)

「機器」、「器材」及び「材料」の定義を示してほしい。
● ご指摘のとおり、区分を行うには定義が必要となりますが、医療用具はその形状や用途によって多種多様となることから、一概に類型化することは困難であるため、上記3種類に分類することはせず、その特性に応じて記載することと致します。

(情報提供文書の要件)

添付文書の作成よりも取扱い説明書の作成を優先したい。
● 添付文書のみに必要な情報がすべて記載できる場合には取扱い説明書を作成する必要はありませんが、添付文書の作成が優先するため、取扱い説明書を作成する場合は、添付文書も作成する必要があります。また、本記載要領は医家向け医療用具に適用するものであり、家庭向け医療用具の添付文書又は取扱い説明書については、本記載要領に準拠するものとしてください。

添付文書と取扱い説明書の両者を1つの冊子として編綴して差し支えないか。
● 添付文書を有効的に使用することができるよう、取扱い説明書とは別に作成してください。

(本記載要領の適用範囲)

紙ゴミの量が増加する等の理由により、クラスI及びクラスIIに分類される一部の品目については、様式の例外的措置を認める等、本記載要領の適用を除外していただきたい。
● 医療用具を適切に使用するための情報提供文書である添付文書の作成は、紙ゴミの量の増加よりも重要な問題と考えています。従って、原則としてすべての医療用具にA4判4枚以内の添付文書が必要ですが、リスクが低いクラス分類I及びリスクが比較的低いクラス分類IIの医療用具については必要に応じて例外的な措置を認めることと致します。

輸入製品のうち、製造元にて各国語(日本語を含む)で記載された添付文書を添付するものについては、本記載要領の適用を除外していただきたい。
● 医療用具を使用する医療機関にとって、国内製造品目と輸入品目との区別はないため、輸入品目であることが適用を除外することの合理的な根拠にはなりません。

在宅用の医家向け医療用具の品目を例示していただきたい。
● インスリン自己注射器、酸素吸入器等があります。

在宅用の医家向け医療用具については、医療機関用の添付文書と患者用の取扱い説明書の2種類を添付する必要があるか。
● 在宅用の医家向け医療用具については、医療機関において当該医療用具を選定し、患者が在宅で使用するという特性があるため、医療機関用の添付文書及び患者用の添付文書又は取扱い説明書が必要です。なお、患者用の添付文書又は取扱い説明書については家庭向け医療用具と同様の取扱いとするため、本記載要領に準拠するものとしてください。

コンタクトレンズについては、医師に対して必要な情報を事前に配布し、使用者に対しては添付文書記載要領に準拠した形で必要な情報を提供することにより本記載要領に準拠した形としたいが差し支えないか。
● コンタクトレンズは医家向け医療用具として承認しているものですが、その特性及び流通実態より、本記載要領の適用外とします。ただし、フィッティングマニュアル等コンタクトレンズの処方に必要な情報提供文書については、本記載要領に準拠して作成し、製品の販売に先立って医療機関へ納付してください。また、患者用の添付文書又は取扱い説明書を作成することとし、この取扱いは、家庭向け医療用具と同様の取扱いと致します。

視力補正用眼鏡レンズは、販売業者の加工を経てメガネとして販売されるため、この加工内容について添付文書に記載することは不可能である。また、「3.添付文書の項目と内容」でいう14)貯蔵方法及び有効期間等、16)保守・点検に係る事項については薬事法上で厚生労働大臣の指定する医療用具のみに限定されている。したがって、「法63条の2の適応を除外する医療用具」、「法に規定した事項のみの記載で十分な医療用具」、「記載要領の整備が必要な医療用具」に分類すべきである。
● 薬事法第63条の2において、すべての医療用具について「使用方法その他使用及び取扱い上の必要な注意」を記載することと定められています。すべての医療用具について、差はあるものの、適正に使用するための必要な注意が存在するため、法の適用を除外しても差し支えない医療用具は存在しません。したがって、原則としてすべての医療用具に添付文書が必要です。なお、保守・点検に係る事項のように法律で記載が義務づけられている医療用具はもとより、その他の医療用具についても適正使用に有用な情報はできるだけ記載することとしました。

(様式等)

A4判4枚以外の様式を認めていただきたい。
● 医療関係者の利便性を考慮し、様式を原則としてA4判4枚以内としました。なお、紙の色は白色とし、向きは縦向きとします。

級数を8ポイント以上とするべきであり、2色刷ではなく級数を大きくすることにより重要な項目を強調することとしたい。また、黄色等を用いること(JIS9101を参考)及び注意喚起シンボルを併用すること(ISO3864-B3.1を参考)は差し支えないか。
● 級数を上げると、記載可能な情報量が減少するため、紙面数上の都合等により、級数を下げる場合にあっては、級数を6ポイント以上とし、特に重要な事項については8ポイント以上とします。また、医療現場の混乱を避けるため、医薬品と同様の項目を赤色とすることにより、色分けを行うことが必要です。取扱い説明書においては、シンボルマークの使用については混乱を起こさない範囲で使用することは差し支えありません。

(添付文書に記載できる製品数)

一承認品目ごとではなく、一製品につき一種類の添付文書を作成するのか。
● 原則として、一製品ごとに一種類の添付文書を作成することとしますが、一承認中に複数の製品が含まれるものであって、複数の製品の組み合わせにより全体として機能する医療用具については、使用者にとってわかりやすい場合等は、複数の製品をとりまとめて一つの添付文書に記載して差し支えありません。

カテーテル等においては一承認中に同一機能を有するもので腔数が異なる仕様があるため、その場合は一承認品目につき一種類の添付文書を作成したい。
● 使用者である医療機関の混乱を招くことのないよう配慮することが必要ですが、同一の添付文書に記載した方がわかりやすい場合にあっては、有効性及び安全性に問題が生じない範囲でとりまとめていただいて差し支えありません。

ここでいう、「複数の異なる承認に基づく一連の製品群」及び「一承認中に複数の品目が含まれるもの」について例示していただきたい。
● 当該記載に該当するかどうか具体的な事例については安全対策課へご相談下さい。

複数の異なる類別許可品等が一つの箱にはいっており、これら一連の医療用具を同一の添付文書にまとめて記載するほうが使用者に理解しやすい場合、これら一連の医療用具をとりまとめ、一つの添付文書として作成しても差し支えないか。この場合、同梱されていない製品がある場合は、「同梱されていない製品がある」旨のみの記載でよいか。
● 同一の添付文書に記載した方がわかりやすい場合にあっては、有効性及び安全性に問題が生じない範囲で取りまとめていただいて差し支えありませんが、判断が困難である場合にあっては安全対策課へご相談下さい。また、原則として、同梱されている製品について過不足無いものとして適当な添付文書を作成するべきですが、その組み合わせの種類の多様性から判断して、当該表記が妥当と考えられる場合は、例外として認められます。ただし、この場合は、その製品の同梱の有無(入り数)を示す文書を別途作成・同梱することが必要です。

(本体と付属品の取扱い)

本体の添付文書に付属品に関する事項を記載することにより、付属品については本記載要領の適用外としていただきたい。
● その付属品が独立して流通する限り、原則としてすべての医療用具に添付文書が必要です。付属品等の位置づけが明確なものについては、販売名において付属品であることを明示することにより、「作成又は改訂年月日」、「承認番号等」、「類別、一般的名称等」、「販売名」、「警告」、「禁忌・禁止」、「包装」及び「製造業者又は輸入販売業者の氏名又は名称及び住所等」を除き、簡略記載して差し支えありません。

(猶予期間)

既存の添付文書とは、薬事法63条の2に規定する「情報提供文書」のことか、また、平成7年6月27日薬務局医療機器開発課長通知以降の添付文書のことか。
● 「既存の添付文書」とは、薬事法63条の2に規定する文書のことです。

猶予期間を延長していただきたい。
● 既に承認又は許可をうけている医家向け医療用具の添付文書の整備についての猶予期間は1年と致します。

本記載要領は、本通知施行後に承認申請又は許可申請する品目に適用することとし、出荷済みの製品については対象外にしていただきたい。
● 既に出荷済みの製品については、本記載要領に基づく添付文書の添付の必要はありませんが、耐久性のある医療用具については、使用者から請求がある場合は、前向きの対応をお願い致します。


3.添付文書の項目と内容及び各項目における注意事項についてのご意見

(一般的な事項)

同一品目については、製造又は輸入している各社で共通項目についての記載を統一するべきである。
● ご指摘のとおり、それぞれの医療用具に固有な点を除き、整合化を図るという取り組みは医療現場での混乱を避けるために重要であると思われます。同種同効製品については、各製品の特性をふまえた記載を行うとともに、統一できる記載については統一することが望ましいと考えます。ただし、承認事項の範囲を逸脱しないよう注意して行ってください。

一部の項目については、取扱い説明書へ記載することにより添付文書への記載は省略したい。また、記載すべき情報がない場合については当該項目を省略して差し支えないか。
● 通知にて示した項目については、添付文書に当該項目の概要と取扱い説明書を参照する旨を記載することで差し支えありません。また、添付文書の項目及び使用上の注意の項目については、できる限り全項目について記載することが望ましいが、記載すべき適切な情報のない場合には「項目名」を含めて省略して差し支えありません。

クラス分類別に必要項目の基準を作成してほしい。
● クラス分類によらず、その医療用具の特性に応じて記載すべき事項が異なることから、クラス別に基準を示すのは困難であると考えています。

承認書内容の記載をすべき項目について承認事項一部変更申請との関連について示していただきたい。
● 添付文書の記載にあたっては、承認事項の範囲から逸脱しないように注意してください。したがって、承認事項一部変更の結果、承認内容と添付文書の記載内容に齟齬が生じる場合は添付文書の改訂が必要です。

「信憑性の高いと判断される文献等」の中に社内資料を含めて差し支えないか。また、信憑性の判断基準を示していただきたい。仮に科学的な裏付けが不十分な場合、記載すべき適切な情報がない場合に相当するか。
● 社内資料を記載しても差し支えありませんが、出典を明記してください。また、信憑性の判断基準については、医療用具の多様性を考慮すると、統一した基準を示すことは困難です。なお、信憑性の高い文献等がない場合は当該項目を省略して差し支えありません。

記載項目の名称及び順序については、2001年3月発行された「取扱い説明書に関する酒井研究」等を参考にして見直していただきたい。特に、「操作方法又は使用方法等」については記載事項が多いため、「使用上の注意」と順序を入れ替えた方がよい。
● 既に医療用医薬品の添付文書において使用されている記載項目及び順序との整合化に配慮し、通知に示すとおりと致しました。「操作方法又は使用方法等」については、添付文書に当該項目の概要及び取扱い説明書を参照する旨を記載することで差し支えありません。

「使用上の注意」と「取扱い上の注意」との違いを示していただきたい。また、「警告」については、添付文書の記載項目及び使用上の注意の記載項目の両方に示されているが、両方の記載項目で示す「警告」の内容は異なるのか。「禁忌・禁止」についても同様の質問が考えられる。
● 当該医療用具の使用にあたっての一般的な注意事項については、原則として「使用上の注意」に記載してください。「取扱い上の注意」に記載すべき事項は通知に示したとおりです。また、「警告」については、添付文書の記載項目にも示され、使用上の注意の項目にも示されていますが、違いはありません。「禁忌・禁止」についても同様です。

本記載要領に基づいて添付文書の整備を行ったあと、不具合報告の際に「不適正使用」「取扱い説明書違反」として不具合報告の対象外とされるのは、どの部分に記載された内容によるのか。
● 「禁忌・禁止」及び「警告」に記載されている注意義務等を怠ったことが唯一の原因等、使用者の瑕疵が明らかな場合は不適正使用にあたり、不具合報告の対象ではありませんが、判断に苦慮する場合は安全対策課へご相談下さい。

添付文書に記載した有効期間終了後の扱いについて、有効期間切れの製品が中古品として販売した業者は薬事法上どのような扱いとなるか。また、有効期間切れの医療機器を医療機関が使い続けた場合、その責任は企業にないものとして考えてよいか。
● 有効期間を過ぎた医療用具を販売した場合については、薬事法第65条違反となる場合があります。また、有効期間を過ぎた医療用具の使用は避けるよう、医療機関へ注意喚起を行うことが必要です。

(作成又は改訂年月)

今回改訂分の一回分のみの記載としたい。
● 改訂履歴を明確にする必要があるため、今回と前回改訂分の記載が必要です。

(承認番号等)

承認及び追加承認の年月日記載、保険収載に関する記載を省略したい。
● 承認番号を記載することとします。ただし、承認を要しない医療用具にあっては許可番号の記載が必要です。また、単回使用の医療用具については「再使用禁止」の記載も必要です。保険収載に関する記載はしないこととしました。

(類別及び一般的名称等)

平成7年薬発第1008号に示す類別及び一般的名称が変更になっても継続的に使用できるのか。
● 平成7年薬発第1008号の内容が変更になった場合は、本項目も変更になります。

「類別」は使用者にとって理解しにくいので記載不要としてほしい。
● 「類別」は医療用具の分類を行ううえで重要な情報であることから記載事項と致しました。

(医家向け、医家向け(在宅治療用)の別)

メーカーが在宅用に製造しているものではなく、病院向けに製造しているものを医師の判断で在宅治療に用いている場合があるが、「医家向け(在宅治療用)」と記載する必要があるのはメーカーが在宅用として製造しているものに限定してよいか。
● 「医家向け」・「医家向け(在宅治療用)」の記載項目は削除致します。

(販売名)

愛称及び略称、組み合わせ製品等の製品名については販売名と明確に区別する条件で併記して差し支えないか。
● 複数の名称を記載することにより混乱を招くおそれのあることから、販売名以外の愛称等の使用は認められません。

販売名と添え字等を明確に区別して表記するよう明示してほしい。
● 添え字については、通知で示すとおり、括弧書きし、級数を下げることにより、販売名と区別して表記してください。

(禁忌・禁止)

「禁止」のみでよい。
● 項目名は多種多様な医療用具に適用するため、「禁忌・禁止」と致します。

(組成・性状・構造等)

有効成分及び分量については、企業のノウハウの部分もあること等により、医療現場において適正に使用するために必要な情報を提供すべき製品のみを対象としていただきたい。
● 本項目名は「形状・構造等」としました。なお、直接体に接触する又は身体に埋め込まれる医療用具については、一般にアレルギーや構成物質の吸収による毒性等の有害事象に対する注意喚起を行う必要があり、このような注意をより明確にするために体に接触する部分の組成を併せて記載することとしました。

(性能、使用目的、効能又は効果)

平成7年薬発第1008号に内容の概略の記載されていない医療用具については承認書に記載された機器の概要を記載することで差し支えないか。
● 承認を要する医療用具については、承認書に記載された性能、使用目的、効能又は効果を記載してください。承認を要しない医療用具については、平成7年薬発第1008号に示される内容の概略について記載することとし、示される内容がない場合にあっては、その一般的名称を記載してください。

クラスIIのディスポーザブル製品の多くは「滅菌済みであるのでそのまま直ちに使用できる。」が承認内容となっているがその記載でよいか。また、承認書の内容に、適切な使用を行うための必要事項等を追記してよいか。
● 添付文書の記載にあたっては、承認内容を正確に記載することが必要です。したがって、承認書の内容に追記する場合は、承認事項一部変更後に行うことが必要です。

「性能、使用目的、効能又は効果」及び「操作方法又は使用方法等」については、一般的名称を記載することにより本項目の内容が明確に認識できるものについては省略可としてほしい。
● 原則として記載することが必要です。

(操作方法又は使用方法等)

クラスIIのディスポーザブル製品の多くは「ディスポーザブル製品であるので1回限りの使用で使い捨て、再使用しない。」が承認内容となっているがその記載でよいか。また、承認書の内容に、医学上認められる範囲で追記してよいか。
● 添付文書の記載にあたっては、承認内容に整合するように注意することが必要です。ただし、「再使用禁止」については、「承認番号等」の項目に記載することと致します。また、当該項目において承認事項の他に追記する必要がある場合には、承認事項一部変更申請完了後に行うことが必要です。

設置方法、組立方法の記載は、医療関係者が直接設置・組立を行う場合のみ記載すればよいか。
● 製造業者等自らが設置又は移設する大規模な装置であって、医療従事者が独自に設置、移設等を行うことがないものについては記載を省略して差し支えありません。

(使用上の注意)

操作方法に関わる事項は「操作方法又は使用方法等」の項目に続いて注意事項を記載してよいか。
● 使用方法に関連する使用上の注意がある場合は、「使用方法に関連する使用上の注意」として「操作方法又は使用方法等」の項目に続けて、承認内容と明確に区別して記載してください。

使用上の注意について「承認内容と明確に区別して記載すること」とあるが、「承認内容と明確に区別」とは具体的にどういうことかわかりづらい。「本文と注意を視覚的に区別できるようなレイアウトにする」という意味か。
● 記載項目を分ける、あるいは小項目を設ける等して区別してください。

(作動・動作原理)

明らかに公知である医療用具については記載不要としたい。
● 原則として記載することが必要ですが、明らかに公知である医療用具については記載不要ものもがあると考えられるため、安全対策課へご相談下さい。

(臨床成績)

本項目の記載にあたっては、承認申請又は市販後臨床試験の結果以外についても信憑性が高いと判断すれば記載して差し支えないか。また、GCPによらないようなその他の臨床試験の結果を記載しても差し支えないか。
● 承認申請時に用いられた臨床成績又は市販後臨床試験の結果と同程度のものがあれば差し支えありませんが、記載する場合には出典を明らかにしてください。

臨床試験の結果は「警告」、「禁忌・禁止」、「作動・動作原理」などへ反映されており、A4判4頁の簡単な記載ではかえって誤解を招くので本項目は必要ない。
● 本記載要領に基づいた添付文書は、ハイライト情報を記載することにより医療従事者へ重要事項をよりわかりやすく伝えるためのものであり、本項目は必要であると考えています。また、臨床試験の結果については、とりまとめて記載して差し支えないので、記載内容が非常に多い場合は、必要に応じて取扱説明書に詳細を記載することとして差し支えありません。

「汎用医療用具」とは、販売数量のきわめて多い医療用具の意味か。
● 通知では「繁用医療用具」としましたが、必ずしも販売量が多いものを示しているわけではなく、比較対照を極めて恣意的に選ばないようにすることを注意喚起したものです。

(貯蔵方法及び有効期間等)

「使用期間」「有効期限」「耐用期限」の定義を示していただきたい。また、用語については、「耐用年数」「連続使用時間」等一般的に使用されているものに変更してほしい。
● 用語については、「使用期間」を、単回使用医療用具(再使用する場合は1回ごと)において使用できる標準的な期間(推奨される連続使用時間)、「有効期間・使用の期限」を、当該医療用具の使用に係る最終期限又は使用できる期間と見直しを致しました。なお、耐久性の医療用具については使用の期限を耐用期間として読み替えるものとします。

「貯蔵方法及び有効期間等の記載にあたっては、原則として科学的な裏付けのあるもので信憑性の高いと判断される文献等に基づく正確な記載が必要」、とあるが、貯蔵方法及び有効期間等はまず承認書と整合させるのが原則ではないか。
● 原則として科学的な裏付けのあるもので信憑性の高いと判断される文献等に基づくものとしますが、承認内容に記載がある場合にあっては、その内容を正確に記載してください。

有効期間の設定が困難である医療用具については省略したい。
● 本項目については該当する医療用具のみ記載することとしているため、科学的かつ合理的に設定できない医療用具については省略して差し支えありません。ただし、滅菌医療用具については、滅菌の保証期間を意味しているので本項目の対象となりえます。

有効期間については保守点検と密接に関連しているので保守点検の項目に記載した方がよい。
● 保守点検と関連がある場合は、保守点検の項目参照等の記載を行い、本項目に記載してください。

有効期間又は耐用年数については、製造物責任法に基づいて原則10年とし、それより短く設定する場合は科学的・合理的な根拠を記載すること又は10年までの安全を担保する方法を添付文書に記載する等にて対応したい。
● 科学的かつ合理的な根拠がない場合は有効期間を原則10年と設定することはできません。

有効期間については外箱記載、あるいは「製造日より○年」としたい。
● 添付文書に有効期間を外箱に記載する旨を記載した場合は、外箱に記載して差し支えありません。なお、「製造日より○年」と記載する場合にあっては、製造日も記載してください。

耐久性は、保守点検の状態に影響を受け、耐久性試験の条件と実使用環境での条件が異なり、表示した耐久期間より短い期間で支障が発生することがあるため、有効期間の設定の方法を示していただきたい。例えば、製品を製造中止した場合、社内にて規定した部品の供給期限を当製品の有効期限としてよいか。また、「有効期間」を「保証期間」ととらえられる可能性があるが、この期間を過ぎた場合の対応は各社で決めてよいか。
● 有効期間・使用の期限とは、適切な保守点検がなされることを前提にした標準的な使用により想定される期間であり、それを越えた使用は避けるべきものとして使用者に対し注意喚起を行ってください。また、保証期間については、薬事法とは別に整理されるべき問題です。

承認書に耐用年数が規定されていない用具に対して、耐用年数の設定及び承認事項一部変更を行うことを不要としていただきたい。また、届出品目については、承認事項一部変更は不要なので「(自己認証)」の記載も不要か。
● 本項目については該当医療用具のみ記載することとしているため、科学的かつ合理的に設定できない医療用具については記載する必要はありません。なお、届出品目については、有効期間・使用の期限を設定する場合は[自己認証(当社データ)による]旨を記載してください。

厚生労働省より、有効期間の記載方法についての指標及び耐久性に係る試験についての指標が出されるのか。
● 今後、耐久性に係る試験については、厚生科学研究等で検討していきたいと考えています。

特定修理医療用具については有効期間を保守・修理対応期限と読み替えたい。
● 特定修理医療用具については耐久期間として考えてください。保守等のサービス期間ではありません。

使用期間は、患者の状態や症例に依存するため、標準的な時間が定められるものや安全上定める必要のあるもの以外については記載不要としていただきたい。使用期間については、「性能、使用目的、効能又は効果」に記載する方が適切である。
● 患者の保護の観点から、想定される標準的な使用期間がある場合には記載する必要がありますが、設定できない場合については記載する必要はありません。また、「性能、使用目的、効能又は効果」については、承認事項を正確に記載することが必要ですので、承認事項に使用期間について記載のある場合はその内容を正確に記載してください。

使用期間はあくまで使用できる「標準的期間」を表記しているのであってその期間内においては不具合が発生しないことを保証しているものではないことを明記してほしい。
● 使用期間とは、適正に使用すれば不具合が生じないことが期待される期間であり、この期間を超えて使用した場合には、健康被害が発生するおそれのあることから、可能な限り、その期間を遵守することが求められるものです。

(保守・点検に係る事項)

ディスポーザブル医療用具について、再使用禁止の旨を「禁忌・禁止」の項への記載のみとし、保守・点検の項は記載不要としてほしい。
● ディスポーザブルの医療用具については再使用禁止の旨を「承認番号等」の項目に記載することとします。

業者による保守点検についても使用者による保守点検と同様、取扱い説明書への記載を認めることを明記してほしい。
● 差し支えありません。

(承認条件)

平成13年2月〜6月頃の承認書に記載されていた「ウシ通知」関係の記載は削除されたい。
● 承認条件を付された医療用具については記載することとします。承認条件を満たした後に当該項目に係る記載を削除してください。

(包装)

包装単位の数量がユーザーの注文に応じて多種存在する場合の記載方法について幅をもたせてほしい。
● 流通において、それ以上小分けを行わないという最小の包装単位が複数存在する場合には、原則として、すべての最小包装単位を記載することが必要です。

医療機器、器材については、通常1個単位で承認されるため、記載不要としていただきたい。
● 本項目は承認内容とは別に流通単位について記載するものです。この単位ごとに添付文書が添付されるものであることから、当該項目の記載は必要です。

(主要文献及び文献請求先)

電話番号がないと利用しにくいのではないか。
● 電話番号も記載することとしました。

(製造業者又は輸入販売業者の氏名又は名称及び住所等)

本項目については薬事法で規定されている事項ではないか。
● ご指摘の点は薬事法第63条に基づく事項であり、その医療用具又はその直接の容器若しくは直接の被包に当該事項を記入してください。本記載要領は法第63条の2に基づく事項について定めたものですので、添付文書にも当該事項を記載してください。

「主要文献及び文献請求先」と統一項目にし、問い合わせ先が異なる場合のみ記載することとしたい。
● 当該項目が同一の場合には項目を列記したうえで統一記載して差し支えありません。

製造業者ではなく、販売会社の氏名、名称及び住所を併記したい。
● 販売会社については、適正使用や安全性確保のための緊急対応が可能であれば、誤解のないよう、製造業者と併記して差し支えありません。

輸入先の企業、国名は省略したい。
● 並行輸入等、医療用具特有の問題を解決する目的もあるため、輸入製品については必要です。

随時とはどの程度か示していただきたい。また、緊急連絡先は携帯電話等でもよいか。
● 形態は問いませんが、必要な時に連絡が取れることが望まれています。

緊急時の連絡先についてはラベル、別紙、空欄の後手書きなど別手段にて対応したい。
● 印字である必要はありませんが、添付文書に記載してください。


4.医療用具の使用上の注意の記載要領について及び使用上の注意の各項目における注意事項についてのご意見

(一般的な事項)

記載項目の定義を明確にしてほしい。
● 定義については通知に示したとおりです。

「警告」「禁忌・禁止」「使用上の注意」「取扱い上の注意」については患者に直接関与する医療機器についての内容であるため、検体検査機器に関する「使用上の注意」の記載上の注意事項を別途検討してほしい。
● 検体検査機器についても記載すべき行為は存在し、検体検査機器についてのみ項目を別途検討する必要はないと考えられます。

(禁忌)

天然ゴムのアレルギーに関しては、平成11年3月25日付けの医薬安第34号にて規定されているため、簡略記載としたい。
● 医薬安第34号に従って記載することが必要です。

(相互作用)

他社の医療用具を併用するなど、臨床上の組み合わせを網羅するのは不可能なため、自社製品及び確認済みの他社製品との組み合わせのみに限定するなど、当該医療用具サイドから求められる包括的注意の記載にとどめたい。
● 使用を限定しない場合はすべての組み合わせを許容したものと医療従事者に受け止められるものであることに注意してください。したがって、併用可能なもの及び併用不可能なものについて、区別して記載してください。

特定の医薬品との組み合わせを注意喚起する項目はどこか。
● 原則として当項目へ記載することとしますが、必要に応じて「警告」又は「禁忌・禁止」の項目に記載してください。

(不具合)

発現頻度については医薬品の添付文書にならって記載し、治験をおこなったもの、再審査を受けたもの等以外については省略して差し支えないか。また、同種の医療用具で知られている不具合はどのような場合に記載する必要があるか。
● 医薬品の記載にならうことで差し支えありませんが、発生頻度までの情報がない場合であっても、医療従事者に対し情報提供すべき不具合情報があれば記載することが必要です。また、当該欄に記載する不具合とは、適正に使用していても発生するものをいい、使用時に注意することによって回避可能であるものについては記載する必要はありません。同種の医療用具の不具合については当該製品についても同様の注意喚起が必要な場合は記載してください。

「不具合」とは有害事象であるか。また、合併症とは異なるのか。
● 本項目は「不具合・有害事象」と致しました。また、医療用具による不具合は「合併症」という言葉で表現するのは適当ではないと考えています。

(高齢者、妊婦、産婦、授乳婦及び小児等への適用)

医療用具は、年齢によってサイズの区別はあるが、本質が年齢によって左右されることはない。
● 構成物質が溶出等により体内へ移行する医療用具については、患者の感受性等に配慮して、使用を避けた方がよい場合もあり得るので、そのような場合には記載してください。また、これに限らず、年齢等によって有効性、安全性が変わる可能性があるものについては記載してください。

薬物代謝とはどのような場合か。
● 通知では、「代謝」としました。


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