パブリック・コメント  厚生労働省ホームページ

確定給付企業年金法施行令案等に寄せられた意見について

平成13年12月17日
厚生労働省年金局
企業年金国民年金基金課

 確定給付企業年金法施行令案及び厚生年金基金令等の一部を改正する政令案について、平成13年11月30日から平成13年12月6日までインターネットのホームページ等を通じてご意見を募集したところ、計14通のご意見をいただきました。
 お寄せいただいたご意見とそれらに対する当省の考え方につきまして以下のとおり御報告致します。とりまとめの都合上、頂いたご意見は、適宜集約しております。
 なお、お寄せいただいたご意見のうち、厚生労働省令の規定に関するものにつきましては、政令の公布後に施行規則案についてパブリックコメントを行う予定ですので、その時点において施行規則案をご覧の上、再度お寄せいただきますようお願いいたします。また、パブリックコメントの対象でない事項に関するご質問等も寄せられましたが、パブリックコメントの対象となる事項に限って考え方を示させていただいております。

いただいた御意見と当省の考え方

(1)非正社員の加入者資格について

 非正社員(季節労働者、派遣労働者、契約社員、パートタイマーなど)の雇用は、増加傾向にあり、確定給付企業年金の制度設計においても、非正社員が加入者となりにくい制約条件や、受給資格を得にくい制約条件はできる限り排除し、制度設計上、非正社員が不利益とならないようにすべき。
 具体的には、「正社員とは別の労働協約又は就業規則等が適用されていること」「正社員との比較で勤務状況、給与体系等の年金数理上のデータが異質であること」を理由に制度から排除されるというような取り扱いができないようにすることが必要ではないか。

 労使合意に基づき、確定給付企業年金を実施する企業の実情に応じた柔軟な制度設計を可能とする観点から、一部の者について不当に差別的なものにならない限り、加入者の資格の設定について制限を設けることは適当でないと考えます。

(2)保証期間の設定について

 生活保障等の観点からすると、年金給付の保証期間をが最長20年というのは短かすぎるのではないか。

 保証期間については、遺族への遺産形成となることを防止する観点から、確定拠出年金の有期年金の支給予定期間が20年以下とされていること等を踏まえて最長20年としたものです。なお、年金給付の支給期間は終身又は5年以上にわたることとなっており、20年を超えて年金給付を支給することは可能となっています。

(3)加入者の掛金負担について

 加入者が任意に掛金を負担しないことを認めれば、制度の設計や運営・管理が非常に煩雑になることから、第35条第1項第3号の規定は見直すべき。

 確定給付企業年金における加入者本人の拠出は課税扱いであり、拠出を強制すると財産権の保護の観点から問題があるため、加入者が掛金の拠出をしない旨を申し出た場合には掛金の負担をしないことを認めることとするものです。

(4)自社株による掛金納付について

 自社株による掛金の納付は、排除しないようにすべき。

 当該自社株が、掛金を金銭に代えて納付することができる株式の要件を満たしていれば、自社株による掛金の納付は排除されていません。

(5)確定給付企業年金の残余財産の分配について

 終了した確定給付企業年金制度の残余財産の清算の例外として生命保険又は生命共済の積立金が規定され、制度終了にかかわらず、生命保険会社又は農業協同組合連合会が事業主等に代わって、終了制度加入者等に対して支給を継続することが認められている。
 このような取扱いは、制度を運営する労使間の合意に基づいて選択的に行われることが適当であり、あらかじめ労使の合意に基づく規約に規定することで選択的に取り扱うことことができるようにすべき。

 当該取扱いは労使合意による規約に基づき選択的に行われるものであり、また、生命保険会社又は農業協同組合連合会が当該取扱いを行うか否かは、事業主又は企業年金基金と生命保険会社又は農業協同組合連合会の間の契約の内容によるものです。

 確定給付企業年金の終了の場合の掛金のうち加入者が負担した額については、終了の事由が加入者の責によらないことから、その従業員拠出金累計額又は元利合計額については、積立金の額から従業員拠出金部分を優先的にその拠出者に分配するなど何らかの保証が必要ではないか。

 確定給付企業年金は給付の内容を約束するものであることから、終了時の残余財産の分配においても、約束された給付を基準として行うこととしているものです。したがって、負担した掛金に着目して何らかの保証を義務付けることはしていませんが、負担した掛金に応じた給付の額となるような給付設計は可能です。


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