パブリック・コメント  厚生労働省ホームページ

「畜水産食品に係る動物用医薬品の残留基準設定品目(プライオリティリスト)」
に対して寄せられたご意見等について

平成13年10月
厚生労働省医薬局
食品保健部基準課

 「畜水産食品に係る動物用医薬品の残留基準設定品目(プライオリティリスト)」については、平成13年7月9日から8月8日まで、ホームページ等を通じてご意見を募集したところ、のべ6件のご意見、ご要望をいただき、ありがとうございました。
 お寄せいただいたご意見等とそれらに対する事務局の考え方について次のとおりとりまとめました。
 お寄せいただきましたご意見等につきましては、とりまとめの便宜上、案件ごとに適宜集約させていただいております。
 今回、ご意見をお寄せいただきました方々のご協力に厚く御礼申し上げます。



「畜水産食品に係る動物用医薬品の残留基準設定品目(プライオリティリスト)」
に対して寄せられたご意見等について

意見1
 本リストに掲載する品目は、最新の科学的水準に合致した安全性評価の資料(『畜水産食品中の残留動物用医薬品などの安全性評価に関する指針(平成7年)』)が揃っていることが大前提です。その上で1)国内において畜水産食品及び原材料の生産に使用が許可されているものの中から、残留する可能性があるもの。2)諸外国で生産に使用が許可されているものの中から、残留した食品・原材料が輸入される恐れのあるもの。これら2点を考慮したものがプライオリティリストであると考えます。今回公表したプライオリティリストの付け方の基準について厚生労働省の考え方を示し、リストに収載された品目の個々の理由について明示されるよう要望いたします。

 ご指摘のとおり、動物用医薬品の残留基準値設定プライオリティリストは、国内外における使用量や残留する可能性について考慮する必要がありますが、残念ながら、国内も含め諸外国で使用されている動物用医薬品の使用量等については、十分な調査が進んでおらず、全てを把握している状態ではないため、今回のプライオリティリスト(案)は、安全性評価のための資料の整備状況を基に選定しています。
 動物用医薬品の使用実態や残留可能性については今後とも、調査方法も含め検討してまいりたいと考えております。

意見2
 国内外で使用実態がある一方、安全性評価による残留基準値が設定されていない動物用医薬品が多く存在します。これらの薬剤が畜水産食品に残留する場合、『残留してはならない。(ゼロ残留)』と解釈すべきか明らかにするよう要望いたします。

 残留基準値が設定されていない抗生物質及び合成抗菌剤は、食品衛生法第7条に基づく食品、添加物等の規格基準により「含有してはならない旨」が規定されています。
 しかし、残留基準値が設定されていない抗生物質及び合成抗菌剤以外の動物用医薬品(内寄生虫用剤、ホルモン剤等)については、そのような一律の規制はありません。

意見3
 残留基準値が設定された場合は公定検査法がセットで公表されています。同様に残留基準値が設定されていない薬剤についても最新の検査法を特定し、公定法での検出限界以下とすべきであると考えます。定期的モニタリング検査などでの監視・強化により、残留検査体制を充実させることが必要と考えます。動物用医薬品の適正使用(使用基準に沿った畜水産物への投与等)については農林水産省と協力をすることが必要です。

 残留動物用医薬品の基準値については、単に公定法での検出限界以下とするのではなく、動物用医薬品が残留した食品を摂取するヒトの安全性確保の観点から、科学的知見に基づき、安全性を十分に考慮に入れ設定し、規制を行うことが適切であると考えております。
 今後とも、残留基準値が設定されていない動物用医薬品について、残留基準の早期拡充に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、農林水産省と連携の上、動物用医薬品の適正使用、都道府県及び検疫所におけるモニタリング検査等による監視により、残留動物用医薬品の安全確保対策に取り組んでいくこととしております。

意見4
 本リストには「1.残留基準値の設定を検討する品目」及び「2.必要な資料が整備され次第、残留基準値設定を検討する品目」が掲載されています。「2」に掲載された品目は資料が揃った段階で「1」の品目に掲載されるのが一般的と考えられます。しかし、過去1997年、1998年に公表されたプライオリティリストには今回の「1」のリストにあるイミドカルブ、クレンブテロール、サラフロキサシン、シフルトリン、α−シペレメトリン、シペレメトリン、ジミナゼン、ダノフロキサシン、デルタメトリン、フルメキシン、ラクトパミンは「2」に掲載さえていません。従って「1」と「2」のリストの分類を明確にする必要性があると考えます。

 残留基準値設定プライオリティリストへの掲載にあたっては、JECFA(Joint FAO/WHO Committee on Food Additives)における評価状況等を考慮し、最新の情報に基づき安全性評価のための資料の整備状況に応じ、「1.整備されているもの」、「2.一部不足しているもの」に分類しています。
  そのため、現時点で安全性評価のための資料が整備されているものは、過去におけるプライオリティリストの掲載に関わらず、「1.残留基準値の設定を検討する品目」に掲載されることになります。

意見5
 本リストは安全性評価資料の収集状況、JECFA(FAO/WHO合同食品添加物専門家委員会)、CCRVDF(コーデックス委員会・食品中動物用薬品残留物部会)の評価状況など、流動的なものであると考えます。これらの情報を本リストに掲載し、最低1年に1回リストの見直しを行い、あわせてパブリックコメントを求めるように要請します。

 畜水産食品中に残留する動物用医薬品の安全性評価については、科学的知見に基づき実施されており、最新の知見に基づきヒトの健康に影響を与えるデータが提出されれば残留基準値の見直しが実施されます。
 ご指摘のとおりJECFA、CCRVDFの評価状況等を勘案し、定期的にプライオリティリストの見直しを行い、パブリックコメントを求めるように検討します。

意見6
 今回、本リストには殺虫剤が数品目掲載されています。α−シプレメトリン、シプレメトリン、フォキシムは、食品の規格としての残留基準値(一般に残留農薬基準と呼ばれる。)の項目では、それぞれα−シペレメトリン、シペレメトリン、ホキシムと表記されています。これらは同じ物質であるため、統一した表記にするように要請いたします。また、用途名の中で、内寄生虫用剤から内部寄生虫用剤と表記が異なっているものも見受けられますので、これらも統一した表記を要望致します。
 なお、今回リストに掲載されたジヒドロストレプロマイシンはジヒドロストレプトマイシンの誤りです。

 薬品名等につきましては、統一した表記を行うように訂正します。


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