パブリック・コメント  厚生労働省ホームページ

平成13年4月13日
厚生労働省

労働安全衛生規則の一部を改正する省令(案)について(回答)

概要 廃棄物焼却施設に従事する労働者に対して、ダイオキシン類へのばく露防止を図るため、労働安全衛生規則の一部の改正を行う。

1 全体的な事項に関するもの

御意見等の内容 件数 御意見等に対する考え方
管理監督を行う現厚生労働省関係部署の役割、体制の規定が必要ではないか。 1件 本省令の施行については、労働基準監督署において行われることとなるが、その役割、体制等については、労働基準法、労働安全衛生法に規定されている。
事業者の定義が明確でない。それぞれ明確に規定すべきではないか。 3件 事業者とは、労働安全衛生法第2条の事業者を言い、事業を行う者で、労働者を使用するものである。本省令の適用の対象となる事業者は、具体的には、焼却施設を管理する事業者、運転、保守点検業務を行う事業者、解体作業を行う事業者である。
複数の規制があると分かりにくいので、現行のダイオキシン類対策特別措置法または廃棄物の処理及び清掃に関する法律を改正することで良いのではないか。 1件 本省令の内容は、労働者の安全と健康確保を目的としたものであるため、労働安全衛生法に基づいて対策を講じていく必要がある。
ダイオキシン類対策特別措置法等他の法令とともに、ダイオキシン類対策を総合的に推進していくこととしている。
特定化学物質等障害予防規則上の規制対象として、発がん物質としての規制を行うべきである。 1件 ダイオキシン類については、必要な規制等を考慮した結果、労働安全衛生規則で規制を行うべきであると判断したものである。

2 省令案の対象に関するもの

御意見等の内容 件数 御意見等に対する考え方
本省令案要綱は、ダイオキシン類特別措置法の対象でない規模の焼却炉についても適用されるのか。 2件 対象とする施設は、ダイオキシン類対策特別措置法の適用対象施設である火床面積が0.5m 以上又は焼却能力50kg/h以上のものであり、それ以下の小規模の炉については、適用しない。
また、解体工事の計画の届出の対象は、火格子面積(火床の水平投影面積)が2m以上又は焼却能力200kg/h以上としている。
小規模の炉への適用は、除外していただきたい。 1件
1時間200kg未満の焼却能力の焼却炉については、解体工事の計画の届出の対象としなくてよいのか。 1件
「解体等」の定義が不明確であり、設備の解体等の業務には、毎年行う定期補修工事、焼却炉の煉瓦の張り替え修理、付属設備であるボイラーの清掃修理及び集じん機内の掃除修理にかかる補修作業の業務は除外されるのか。 7件 解体等の業務とは、
(1) ダイオキシン類対策特別措置法施行令別表第一第五号の廃棄物焼却炉又は集じん機等の設備の解体又は破壊の作業
(2) 上記(1)に係る設備の大規模な撤去を伴う補修・改造の作業であり、毎年行う定期補修等については、解体等の業務には、基本的には含まれない。しかし、既存の建築物を取り壊す補修作業等については、対象となる。
また、炉内等の内部清掃は、保守点検等業務に含まれ、解体等の業務には該当しない。
これらについては、別途通達で示すこととしているが、具体的事案について、どの業務に当たるのか否かについて疑義がある場合は、所轄の労働基準監督署にご相談願いたい。
保守点検等の業務について、炉内、電気集じん機、バグ等の内部清掃も含まれるのか。 1件
対象をダイオキシン類にばく露する可能性のある全ての労働者とされたい。 1件 高濃度のダイオキシン類にばく露されるおそれが高いことが明らかになったのは、現時点においては、廃棄物焼却施設に関連する作業であるため、現在の案どおりとしているものである。

3 特別教育に関するもの

御意見等の内容 件数 御意見等に対する考え方
特別教育の実施について、必要な事項についてご教示願いたい。 1件 詳細については、今後労働安全衛生特別教育規程等で示すこととしている。
ダイオキシン類の特別教育に必要な費用の補助をお願いしたい。 1件 この省令改正による措置は、事業者が事業を行う上で、その使用する 労働者のダイオキシン類ばく露による健康障害を防止するために最低限必要となるものであり、費用援助にはなじまないものであると考える。

4 保護具等に関するもの

御意見等の内容 件数 御意見等に対する考え方
「ダイオキシン濃度に応じた適切な保護具」の具体的内容は? 1件 労働者のばく露防止という観点から、高濃度汚染がある作業場での作業においては、エアラインマスク又は空気呼吸器を使用することは必要であり、呼吸量の変動に即応できないこと等から、プレッシャデマンド形のエアラインマスクを使用するべ きものと考えるが、その他具体的内容については、別途通達等で示すこととしている。
エアラインマスクを着用すると作業効率が落ち、工期が延長することが予想されることについてどのように考えるか。 1件
「ダイオキシン類の測定の結果に応じて」とありますが、その結果が判定基準を超えた場合の具体的防護措置を示していただきたい。 1件
呼吸用保護具として、エアラインマスクを使用する工事の際、全面形面体の電動送風機ホースマスクや一定流量形のエアラインマスクを使用してよいのか。 2件
エアラインマスクを使用するとエアーが足りなくなり、コンプレッサーを別に設ける必要性があると思われる 1件

5 空気中のダイオキシン類測定に関するもの

御意見等の内容 件数 御意見等に対する考え方
測定場所・方法の詳細について記載する必要があると思われる。 2件 別途通達等で示すこととしている。
測定について、義務はあるが、測定頻度については規定しないという表現に改めていただきたい。 1件 測定とは、測定結果判明までを意味しており、適切な保護具の選択等のため、労働者のばく露防止の観点から測定をある一定頻度で行うことは必要と考えており、作業状況等の変化及び現在の粉じんに係る作業環境測定の頻度に準じて、6ヶ月に1度測定が適当と考えている。
測定は、6ヶ月に1回と示されているが、頻度設定の根拠は? 1件
分析結果は、変動が少ないと考えられ、1年間有効としていただきたい 1件
測定とは、測定結果判明までを意味するものということか。 1件
ダイオキシン類測定は、費用が高額であり、費用を援助していただきたい。 2件 本省令改正による措置は、事業者が事業を行う上で、その使用する労働者のダイオキシン類ばく露による健康障害を防止するために最低限必要となるものであり、費用援助にはなじまないものであると考える。
解体対象設備のダイオキシン類汚染状況を把握するための測定結果が出るまで当該施設においてごみの焼却はできないのか。できないとすれば焼却施設が止まっている際の代替措置を考慮願いたい。 6件 解体作業開始前6ヶ月以内に汚染物をサンプリングし、ダイオキシン類濃度を測定した結果を用いて解体作業を行うことができる。
測定結果が出るまでの間、通常の運転を行って差し支えない。
突発的な設備故障があった場合等、ダイオキシン類測定結果が出るまでの期間焼却炉を停止することは困難であり、突発的な修繕に関しては、必要な安全対策を行うことを条件に測定を行うことなく実施できる様、要綱に盛り込んでいただきたい。 4件 突発的な設備故障の場合で構造物の撤去を伴わない場合は、解体作業には当たらないため、測定を行うことなく実施して差し支えない。
ダイオキシン類対策特別措置法の測定結果(1回/年以上)で、定期修繕が可能か。 2件 大規模な構造物の撤去を伴わない定期修繕は、解体作業には当たらず、設備の内部に付着した物の測定は行わなくてよいが、運転、点検等作業として、6ヶ月に1度空気中のダイオキシン類濃度の測定を行わなければならないこととしている。
解体対象設備のダイオキシン類汚染調査について、検体数が多く費用がかかるため、ダイオキシン類濃度が最も高いと思われる除じん設備等の調査に限ることとしていただきたい 2件 焼却設備運転中のダイオキシン類の測定結果等により、除じん装置における含有量が最も高いことが明らかであり、除じん装置においてダイオキシン類含有量が低濃度である場合には、焼却炉本体、廃熱ボイラ、煙突及び煙道におけるサンプリングについては省略しても差し支えない。

6 その他

御意見等の内容 件数 御意見等に対する考え方
フロー図等をつけていただきたい。 1件 飛散を防止するために有効な措置や発散源を湿潤な状態にするのが著しく困難である場合等については、事業者が判断することになるが、その他の具体的な取扱いについては、別途通達等で示すこととしている。
保守点検や解体で生じたダイオキシン類汚染物、付着物の取扱い及び付着物の除去の方法について、教えていただきたい。 3件
汚染物の除去の確認について、具体的にはどのように確認するのか。 1件
湿潤化した際の排水について回収処理する等も事業者に義務付けるべきである。 1件
エアシャワールームが作業場から離れていると粉じんを付着させたまま歩き回る結果となるため、簡易的な除じん室を作業現場の出口に設置すべきである。 1件
ダイオキシン類の実測濃度から毒性等量への変換について、施行規則、告示等にて算出方法を明確に掲示してもらいたい。 1件
耐火物は、火に強く水に弱いので湿潤な状態にできないが、この点についてどのような扱いをすればよいか。 1件
「飛散を防止するために有効な措置を講じた場合」は、誰がいかなる内容でこれを認定するのか。 1件
「発散源を湿潤な状態にするのが著しく困難である場合」とは具体的にどういうときか。また、それを誰が認定するのか。 1件
周辺への影響を防止する対策として関係省庁等との連携によって確保する必要があるのではないか。 1件 関係省庁等と連携して取り組んでいるところである。
ダイオキシン類にばく露した労働者を退職後の健康管理として健康管理手帳を交付する対象とされたい。 1件 健康管理手帳の交付対象業務は、がん等重度の健康障害を引き起こすおそれのある業務であり、その発生リスクが疫学的に有意に高いこと等を要件としている。廃棄物焼却施設関連作業については、現在このような科学的知見は得られていない。

(注)同一の方から複数の御意見が提出された場合には、それぞれを1件として計上しています。
 その他本件と関係ないご意見:5件

担当課室: (厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質調査課 調査班
      03−5253−1111 内線5516)
御意見等お寄せいただき、ありがとうございました。


トップへ
パブリック・コメント  厚生労働省ホームページ