平成13年3月30日
厚生労働省雇用均等・児童家庭局保育課
「保育所入所定員の弾力化等について」は、その通知案について、平成13年3月7日から3月23日までホームページ等を通じて御意見を募集したところ、233件の御意見等をいただき、ありがとうございました。お寄せいただいた御意見等とそれらに対する当課の考え方について、次のとおり御報告いたします。なお、とりまとめの都合上、いただいた御意見等は適宜集約したものとしております。
(○:意見、質問 ●:当課の考え方)
【屋外遊戯場の設置について】
【乳児室及びほふく室の面積について】
【定員の弾力化について】
【公立保育所の業務委託先についての要件の設定について】
【短時間勤務の保育士の配置について】
雇児保第11号
平成13年3月30日
厚生労働省雇用均等・児童家庭局保育課長
保育に欠ける児童が円滑に保育所に入所できるよう、これまで各般の施策を講じ、貴職はじめ関係者においても尽力されているところであるが、この間も保育需要は更に高まってきており、これに対応して、市町村において待機の状況がある場合に、地域の実情に応じつつ保育サービス量の拡大のために一層の取組みを進める必要がある。
今般、下記のとおり、待機児童解消に向けた児童福祉施設最低基準に係る留意事項をとりまとめるとともに、「保育所への入所の円滑化について(平成10年2月13日児保第3号)」の一部を改正することとしたので、御了知いただくとともに、市町村、保育所関係者等に周知して、これらに即した対応を進め、地域において必要とされる保育サービス量の確保が図られるよう、特段の御配慮をお願いしたい。
なお、この通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項の規定に基づく技術的助言である。
1.待機児童解消に向けた児童福祉施設最低基準に係る留意事項
(1) 乳児室及びほふく室の面積について
乳児の保育を行う保育所の乳児室及びほふく室の面積に関しては、「保育所における乳児に係る保育士の配置基準の見直し等について(平成10年4月9日児発第305号)」の2(1)に示されているところであるが、かつての乳児保育指定保育所に係る面積基準(5平方メートル)の故に乳児の待機が多く発生しているのであれば、それは当該通知の趣旨にそぐわないものである。乳児の待機が多い地域においては、児童福祉施設最低基準(昭和23年厚生省令第63号)を満たす限り、積極的に保育に欠ける乳児を受け入れるよう配慮されたい。
また、待機児童が多い地域において、保育所内の余裕室や子育て支援相談室における余裕スペース等を適切な保育環境を有する保育室、乳児室又はほふく室として活用でき得る場合においては、積極的にこれらを活用して児童受入れ能力の拡大が図られるよう配慮されたい。また、このような緊急的取扱いが継続する場合には、必要に応じて、保育室等の拡張整備を行うことや、「社会福祉施設等施設整備費における低年齢児受入拡大を図るための保育所の整備の促進について(平成11年1月7日児発第15号)」による面積加算制度の積極的な活用を図られたい。
おって、模様替え等に要する経費については、その内容に即して、大規模修繕に係る補助、乳児保育促進等事業のうち乳児保育環境改善事業に係る補助、特別保育事業等推進施設に係る補助等の利用が可能である。
(2) 屋外遊戯場について
児童福祉施設最低基準においては、満2歳以上の幼児を入所させる保育所は屋外遊戯場を設けることとされているが、併せて、屋外遊戯場に代わるべき公園、広場、寺社境内等が保育所の付近にあるのであれば、これを屋外遊戯場に代えて差し支えない旨も規定されているところである。土地の確保が困難で保育所と同一敷地内に屋外遊戯場を設けることが困難な都市部等において、屋外遊戯場に代わるべき場所に求められる条件は、次のとおりであり、合理的な理由なくこれら以外の条件を課すことによって保育所の整備が滞らないよう配慮されたい。
2.「保育所への入所の円滑化について」の一部改正
「保育所への入所の円滑化について(平成10年2月13日児保第3号)」 の一部を次のとおり改正する。
「保育所への入所の円滑化について(平成10年2月13日児保第3号)」 の「1 保育所への入所円滑化対策」の(2)中「差し支えないこと。」の後に「また、年度後半(10月以降)は、これらの場合に限らず、認可定員の25%を乗じて得た員数を超えても差し支えないこと。」を加える。
雇児保第10号
平成13年3月30日
厚生労働省雇用均等・児童家庭局保育課長
地方公共団体が設置する保育所の運営業務(施設の維持・保存、利用者へのサービス提供等)については、「規制緩和推進3か年計画」(平成13年3月30日閣議決定)のとおり、事実上の行為として、地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項の適用はなく、同項に規定する公の施設の管理受託者の要件を満たさない民間事業者にも当該業務を委託することは可能である。即ち、保育所の運営業務の委託先主体は、公共団体(一部事務組合等)、公共的団体(社会福祉法人、農業協同組合、生活協同組合等)又は普通地方公共団体が出資している法人で政令で定めるもの(地方自治法施行令第173条の3、地方自治法施行規則第17条)に限られず、これら以外の民間主体(NPO、株式会社等)への委託も可能である。
今般、公立保育所の運営業務を委託する場合の指針について、下記のとおり考え方を整理したので、貴職におかれては、適切に配意願いたい。
なお、この通知は、地方自治法第245条の4第1項に基づく技術的助言であり、また本通知発出に当たって関係省とも相談済みであることを申し添える。
1.委託に関する指針
2.その他
保育所の土地及び建物等を普通財産とした上で、適切な主体に有償又は無償で譲渡又は貸与する場合は、上記の運営委託による場合と異なり、当該保育所の設置者は、地方公共団体ではなく、譲渡又は貸与先となること。
雇児発第218号
平成13年3月30日
厚生労働省雇用均等・児童家庭局長
保育所における短時間勤務の保育士については、「保育所における短時間勤務の保育士の導入について(平成10年2月18日児発第85号厚生省児童家庭局長通知)」により、その導入に当たっての留意点を示してきたところである。
この間、地域の実情に応じた取組を容易にする観点から各般の施策を講じてきたところであるが、保育所本来の事業の円滑な運営を阻害せず、年度途中の保育児童数の変化に柔軟に対応するため、今般、上記局長通知を下記の通り改正することとしたので、通知する。なお、この通知は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4第1項の規定に基づく技術的助言である。
1の(1)の後段として次のように加える。
ただし、年度途中の児童の入退所に伴い最低基準上定数増となる保育士については、短時間勤務の保育士であっても差し支えない。