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じん肺法施行規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令案について(回答)

平成14年1月8日
厚生労働省
概要  じん肺の合併症として原発性肺がんを追加するとともに、健康管理手帳の交付対象にじん肺管理区分が管理2の者を追加する等の改正を行う。
 (別添 じん肺法施行規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱参照)


御意見等の内容 件数 御意見等に対する考え方
 現に粉じん作業以外の作業に常時従事しているもののうち、じん肺管理区分が管理2である労働者について、1年以内ごとに1回、定期に行う一般健康診断の胸部エックス線写真については、肺がんの疑いの有無の診断の有効性を考慮して、直接撮影による胸部エックス線写真撮影としていただきたい。 2件  一般健康診断の胸部エックス線写真については、じん肺健康診断として行うものではないため、直接撮影による胸部エックス線写真撮影を義務付けることは適当ではないと考えられる。
 「肺がんを併発するじん肺の健康管理等に関する検討会」の提言(じん肺有所見者に胸部らせんCT検査及び喀痰細胞診を年1回行うこと)を踏まえて改正するとしているが、要綱では、肺がんの疑いのあるじん肺管理区分が管理2の者に限定して定期外のじん肺健康診断を行わなければならないこととされており、矛盾があるのではないか。
 また、その際、じん肺管理区分が管理3及び管理4の者はどうするのか。
1件  今回の改正は、常時粉じん作業に従事させたことのある者で、現に粉じん作業以外の作業に常時従事しているじん肺管理区分が管理2の者に対して、定期外のじん肺健康診断において胸部らせんCT検査及び喀痰細胞診を年1回行わなければならないこととするものである。
 また、常時粉じん作業に従事するじん肺管理区分が管理2の者及びじん肺管理区分が管理3の者に対しても、今回の改正に伴い、定期のじん肺健康診断の解釈運用を見直すことにより、胸部らせんCT検査及び喀痰細胞診を年1回行わなければならないこととすることを予定している。
 なお、じん肺管理区分が管理4の者は、療養を要することとなるため、じん肺健康診断の対象とはならない。
 「肺がんにかかっている疑いがないと診断されたとき以外のとき」とは、「肺がんの疑いがあると診断されたとき」とどう異なるのか。 1件  「肺がんにかかっている疑いがないと診断されたとき以外のとき」とは「肺がんの疑いがあると診断されたとき」に加え、肺がんにかかっている疑いがあるかないか診断がつかない場合も含むものである。
 改正内容について、以下の者に対して周知徹底を図るべきである。
 じん肺管理区分が管理2又は管理3の労働者
 新たに健康管理手帳を受けることができるじん肺管理区分が管理2の離職者
 医療機関
 事業者
 地方公共団体
7件  御意見を踏まえ、都道府県労働局及び労働基準監督署におけるパンフレットの配布等を通じて、周知徹底を図ってまいりたい。
 じん肺管理区分が管理2の離職者に対する健康管理手帳の交付の徹底を図るべきである。 1件  御意見を踏まえ、じん肺管理区分が管理2の離職者に対し健康管理手帳の交付申請ができることの周知を図ってまいりたい。
 確実な健康管理体制を確立するためにも、医師等に対するじん肺に関する研修を実施していただきたい。 1件  医師等に対するじん肺に関する研修については、従来より実施しているところであり、今後とも実施してまいりたい。
 粉じん作業に3年以上従事した労働者に対しても健康管理手帳を交付するべきである。
 また、この場合、健康管理手帳の交付を受ける者に対するじん肺健康診断の経費については労災保険で支払う現行制度が準用されるのが望ましい。
1件  今回の改正は、じん肺有所見者は肺がんの発生リスクが高いとの医学的根拠に基づき、じん肺管理区分が管理2の離職者にも健康管理手帳を交付対象にすることとしたものである。
 したがって、御意見のように、じん肺有所見者か否かにかかわらず「粉じん作業に3年以上従事した労働者」に対して、一律に健康管理手帳を交付対象にすることは適当ではないと考えられる。
 喀痰細胞診の検査回数について年1回とされているが、「肺がんを併発するじん肺有所見者の健康管理等に関する検討会」の報告によれば、じん肺有所見者の肺がんリスクが3.71と高くなっていることから、年2回とするべきである。 1件  検診の間隔については、日本肺癌学会における専門家による検討結果を踏まえた上で年1回としているものであり、「肺がんを併発するじん肺の健康管理等に関する検討会」の報告においても、喀痰細胞診を年1回行うこと、とされていることから、年1回の喀痰細胞診を実施することが適当と考えられる。
 健康管理手帳の交付対象を拡大することに賛成である。 1件
 その他の御意見(じん肺法施行規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令案に関する御意見でないもの)
 労災補償に関するもの(6件)
 委託診療機関の認定に関するもの(2件)
 標準エックス線フィルムに関するもの(1件)
じん肺管理区分が管理3の離職者に対する健康管理手帳の交付の徹底に関するもの(1件)
10件


担当課:厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課
御意見等お寄せいただき、ありがとうございました。


(別添)
じん肺法施行規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令案要綱

第1 じん肺法施行規則の一部改正
 じん肺の合併症に原発性肺がんを追加すること。
 常時粉じん作業に従事させたことのある労働者で、現に粉じん作業以外の作業に常時従事しているもののうち、じん肺管理区分が管理2である労働者について、1年以内ごとに1回、事業者が定期に行う一般健康診断において、肺がんにかかっている疑いがないと診断されたとき以外のときは、事業者は、定期外のじん肺健康診断を行わなければならないこととすること。
 その他所要の規定の整備を行うこと。

第2 労働安全衛生規則の一部改正
 健康管理手帳を交付する業務のうち粉じん作業に係る業務に関し、健康管理手帳の交付要件として、じん肺管理区分が管理2である者を追加するものとすること。
 その他所要の規定の整備を行うこと。

第3 施行期日
 この省令は、平成15年4月1日から施行するものとすること。ただし、第2については、公布の日から施行するものとすること。
 


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