パブリック・コメント  厚生労働省ホームページ

「児童福祉施設最低基準一部改正」及び「認可外保育施設指導監督基準の一部改正」
に対して寄せられた御意見等について

平成14年12月
厚生労働省雇用均等・児童家庭局保育課

 標記については、平成14年7月3日から平成14年7月30日までインターネットのホームページ等を通じて御意見を募集したところ、御意見をいただき、ありがとうございました。
 お寄せいただいた御意見等とそれらに対する当課の考え方について次のとおり御報告いたします。とりまとめの都合上、いただいた御意見は適宜集約させていただいております。

1.保育室等の設置階・防火構造関係

(御意見)

 2階以上に保育室等(乳児室、ほふく室、保育室又は遊戯室をいう。以下同じ。)を設置する場合の基準を緩和する場合においても、保育室等は原則1階に設置することが望ましいものとすること。

(回答)

 今回の改正は、保育所を建築物の2階以上に設置する事例や需要が増大していることに対応するため、必要な基準の見直しを行ったものですが、従前のとおり、特別の理由のない場合は、保育室等を1階に設置することが望ましいと考えています。

(御意見)

 保育室等の設置は原則3階までとし、支障のない場合等に限り4階以上における設置を認めるものとすること。

(回答)

 今回の改正においては、保育室等を4階以上に設置する場合の基準について、3階以下に設置する場合と比べ、より厳しい基準としています。

(御意見)

 保育室等を2階に設置する場合の建築物として、準耐火建築物を認めることは安全性から問題ではないか。

(回答)

 建築基準法第2条第9号の3イに規定する準耐火建築物と同法同条第9号の2に規定する耐火建築物とは、児童が建築物の2階から屋外まで避難するのに必要な安全性において差異はないものと考えています。
 なお、今回の改正は従来の簡易耐火建築物に相当する建築基準法第2条第9号の3ロに規定する準耐火建築物までを認めるものではありません。

2.避難経路関係

(御意見)

 保育室等を3階に設置する場合の避難経路を屋外避難階段から屋外階段へ緩和することは、児童の安全性確保の観点から問題ではないか。

(回答)

 保育室等を3階に設置する場合は耐火建築物であることを勘案し、緩和することとしたものです。

(御意見)

 積雪寒冷地においては、屋内階段のみを避難経路とすべきではないか。

(回答)

 積雪のある地域において屋外階段を避難経路とする場合は、児童の避難に支障が生じないよう必要な防護措置を講じるものとすることを通知において明記します。

(御意見)

 避難階若しくは避難階相当と認められる人工地盤を避難階と認めること。

(回答)

 建築主事との連携を前提に、建築物の避難階と認められる場合の人工地盤を地上とみなして、最低基準の適用ができることを通知において明記します。

(御意見)

 直通階段及び避難階段の構造について、屋内、屋外の区別をなくすこと。(2方向避難が確保されていればよいのではないか。)

(回答)

 保育所における2方向避難の考え方としては、日常的に用いる階段と避難用の階段の設置を想定しています。避難用階段については、屋外における設置を基本としていますが、今回の改正においては、火災の際に煙に汚染されにくい空間を確保する観点から、現行基準と同等の機能を有する設備として、一定の基準を満たす屋内避難階段を認めることとするものです。

(御意見)

 2、3階に保育室等を設置する場合に特別避難階段に準じた屋内避難階段を要求するのは、建築費を増大させ、保育所の設置促進に逆効果ではないか。

(回答)

 今回の改正においては、火災の際に煙に汚染されにくい空間を確保する観点から、現行基準と同等の機能を有する設備として、一定の基準を満たす屋内避難階段を認めることとしています。

(御意見)

 単独避難ができない児童のいる保育所において、バルコニーを避難手段とすることは適切ではないのではないか。

(回答)

 バルコニーについては、一時的な待避が可能であることや消防隊による救助が期待できることから、避難手段として認めることとしています。バルコニーに関する面積、転落防止の措置等の具体的基準については、通知において明記することとしています。

(御意見)

 避難階以外の階における直通階段までの歩行距離について、内装(下地・仕上)を準不燃材料とした場合は10mの距離加算を適用すること。

(回答)

 内装(下地・仕上)を準不燃材料とした場合であっても、児童の屋外までの避難に必要な安全性確保の点から、距離加算の適用は認められないと考えています。

3.調理室関係

(御意見)

 調理室の防火区画制限の緩和は、保育室等と調理室の間を開放的にし、児童と調理師との交流しやすい環境作りのためには前進だが、防火区画の代替措置の安全性をいかに確保するかが前提条件である。

(回答)

 スプリンクラーの設置等代替措置をとる場合には、児童が調理室に入り、火遊び等を行うことのないよう、必要な進入防止措置を講じる等、児童の安全面の確保に十分に配慮されたい旨通知することとしています。

4.その他

(御意見)

 利用者や専門家による施設の安全性の点検システムを導入すること。

(回答)

 保育所の安全性確保については、第一次的には施設側が防災計画等により自主的に点検すべきものと考えています。
 なお、利用者や専門家による点検としては、例えば、福祉サービスの第三者評価事業の活用が考えられます。(「福祉サービスの第三者評価事業の指針(平成14年4月22日雇児発第0422001号)」において、評価分類として安全管理に係る事項が盛り込まれている。)

照会先)厚生労働省雇用均等・児童家庭局保育課企画法令係(内線7920)


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