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「給水装置の構造及び材質の基準に関する省令の一部を改正する省令案等について」
に対して寄せられたご意見等について

平成14年11月
厚生労働省健康局水道課

 給水装置の構造及び材質の基準に関する省令の一部を改正する省令案及び水道施設の技術的規準を定める省令の一部を改正する省令案に対するご意見等を、平成14年3月20日から平成14年4月19日まで、インターネット等通じて募集したところ、延べ17件のご意見等をいただきました。お寄せいただいたご意見等とそれらに対する当課の考え方は、以下のとおりです。
 なお、お寄せいただいたご意見等につきましては、とりまとめの便宜上、案件ごとに適宜集約させていただいております。
 今回、ご意見等をお寄せいただいた方々のご協力に厚く御礼申し上げます。

ご意見:

 新基準値の設定根拠を示すべき。
当課の考え方:
 末端給水用具については、給水装置からの有害物質の浸出は極力少なくするべきこと、及び水道の原水、浄水処理用薬剤、水道施設並びに給水装置の材料等他の浸出源からの寄与が大きな割合を占める可能性があることから、アメリカNSF規格の考え方に準拠し、十分な安全性を考慮して、滞留状態での補正値が水道水質基準値の10%を超えないこととし、基準値を定めています。
 水道用資機材等からの鉛の浸出等に関する基準についても、同様の考え方から水道水質基準値の10%をもって基準値としています。
 また、銅合金を主要部品の材料として使用している末端給水用具については、鉛、銅及び亜鉛に係る補正値が水道水質基準値の10%を超えるおそれがあります。しかしながら、銅合金は、これまで給水装置材料として広く一般的に使用されてきていること及び加工性等の面から現状において代替材料がないことから、特例として、一般的な水道水中の濃度に給水用具からの浸出を加えても水道水質基準値を超えないと考えられる値を基準値としました。
 一方、給水管及び末端給水用具以外の給水用具に長時間滞留した水は、水洗トイレや風呂において水が使用されるとすべて流出するため、滞留水が実際に飲用される確率は末端給水用具に比して極めて低いことから、滞留状態での補正値が水道水質基準値を超えないこととし、基準値を定めています。
 なお、今回の改正におけるこれらの基準値の考え方は、いずれも従来のものと変更はありません。
ご意見:
 鉛の水質基準が0.01mg/lに強化されても、現行の浸出基準で対応できる。
当課の考え方:
 上述したように、水道水が需要者に供給される過程において、様々な浸出源から有害物質が添加されるおそれがあるため、水道水の安全を確保する観点から水質基準値の10%値を基準値として設定しました。
ご意見:
 銅合金に対する特例措置を撤廃すべき。
当課の考え方:
 銅合金を主要部品の材料として使用している末端給水用具については、鉛に係る浸出値が水質基準値の10%を超えるおそれがありますが、これまで給水装置材料として広く一般的に使用されていること、及び鉛レス合金や表面処理など鉛の浸出量を低減させるための技術が開発されているものの、現時点では浸出性能基準を満たすことが困難なこと等を考慮して、引き続き特例を置くこととしたものです。
 なお、今回の改正では、構造材質基準値の強化に伴い、銅合金に関する基準も強化しています。
 また、水道課としては、この特例の適用は、他に代替材料がなく銅合金を相当程度使用せざるを得ないものに限定されるべきであると考えています。
ご質問:
 コーティング製品のばらつき、経年劣化を如何に評価するか。コーティング製品は認めるべきではないのではないか。
当課の考え方:
 給水装置は、使用されている期間中継続的に給水装置の構造材質基準を満たすべきものであり、設置の段階で、当然に経年劣化まで見越して設置されるべきものであると考えています。コーティング製品については、この基準を満たすことができるものであれば、鉛浸出対策の一手法として認められるべきであると考えます。
ご意見:
 新基準値を国民に対し周知徹底し、交換を促進すべき。
当課の考え方:
 水道課としても、ホームページや水道事業者等との会合の場を通じて積極的に改正の趣旨を周知するとともに、鉛の危険性等についても情報を提供することにより、新基準に適合した製品への交換を促進していきます。
ご意見:
 流通調整のため、省令の施行を延期すべき。
当課の考え方:
 鉛に関する基準の改正は、水道水の安全性ひいては国民の健康を第一に考えたものであり、また、今回の水質基準の改正については平成4年当時から10年後を目途に改正を行うとされてきたものであることから、平成15年4月1日の施行が妥当であると考えています。


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