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指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準、介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準並びに指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営に関する基準の一部改正に対して寄せられた御意見について

厚生労働省老健局計画課

 指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準、介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準並びに指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営に関する基準の一部改正について、平成14年7月2日から7月22日まで厚生労働省のホームページを通じて御意見を募集したところ、計4通の御意見をいただきました。
 お寄せいただいた御意見とそれらに対する当省の考え方について、以下のとおり御報告いたします。なお、寄せられた御意見の中にはパブリック・コメントの対象外の事項に関するものもありましたので、これは除外しております。
 今回、御意見をお寄せいただきました方々の御協力に、厚く御礼申し上げます。

[御意見1]
 いわゆる緊急度の高い者が優先されることに異論はないが、指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準第6条第2項、介護老人保健施設の人員、施設及び設備並びに運営に関する基準第7条第2項並びに指定介護療養型医療施設の人員、設備及び運営に関する基準第8条第2項との整理を明確にしないと混乱するのではないか。

[御意見1についての当省の考え方]
 御指摘の規定は、要介護度や所得の多寡等を理由にサービスの提供を拒否することを禁止するものです。
 一方、今回の基準改正は、入所申込者(入院申込者)の数が空き定員の数より多い場合に、施設に対して、必要性の高い者の優先的な入所(入院)に努めるよう義務付けるものであり、このことは、他の申込者に対してサービスの提供を拒否するわけではありませんから、御指摘の規定との齟齬はありません。
 なお、この点を明確にする観点から関係通知を改正し、サービスの提供を拒否することができる正当な理由がある場合の例示から「ベッド(病床)が空いていない場合」を削除する予定です。

[御意見2]
 介護保険の基本スタンスは自立支援にあり、家族介護の状況は勘案されないことを前提とした評価システムを使用してきた中で、入所要件に家族状況が勘案されると制度に混乱を来すのではないか。また、勘案するのであれば介護評価においてもすべきであるし、しないのであれば介護保険外のシステムを構築する必要があるのではないか。

[御意見2についての当省の考え方]
 御意見は指定介護老人福祉施設についてのものと考えられますが、そもそも指定介護老人福祉施設は、「身体上又は精神上著しい障害があるために常時の介護を必要とし、かつ、居宅においてこれを受けることが困難な者」(基準省令第6条第1項)が入所する施設であり、今回の基準改正では、この居宅において常時の介護を受けることの困難さに関する勘案事項として、「家族の状況」を挙げています。

[御意見3]
 新型ケアハウス及びケアハウス等の特定施設入所者生活介護のような住宅+介護システムと在宅サービスのさらなる拡充により、要介護度の軽い対象者は支えることが可能ではないか。つまり、介護老人福祉施設の利用対象を要介護度の重い人たちに絞る方向での改正も必要ではないか。

[御意見4]
 従前から介護老人保健施設利用者の多くが介護老人福祉施設への入居希望を出し、最終的には介護老人福祉施設に入居されている事実から、双方の対象者には大きな差異は認められないということであり、他方、介護老人保健施設に対する逓減制がなくなり介護老人福祉施設に機能訓練体制加算をつける現在では施設自体にも差がなくなってきているものと思われる。この中で改正案のような幅のありすぎる入所要件をつけるよりも、施設自体を長期療養施設と長期介護施設に整理する時期ではないか。

[御意見3及び御意見4についての当省の考え方]
 御意見3及び御意見4は指定介護老人福祉施設、介護老人保健施設の在り方に関わるものですが、介護保険制度については、施行後5年を目途としてその全般に関して検討が加えられることとなっており(介護保険法附則第2条)、介護保険施設の在り方についてもその際の検討テーマの一つであると考えています。

[御意見5]
 入所の優先順位を判定する統一基準を国が示すなど、詳細なルールを国において設定し、ルールに反する施設については、介護報酬を減額する等のペナルティを課すべきではないか。

[御意見5についての当省の考え方]
 今回の改正後の基準の運用に当たっては、透明性及び公平性が求められるところであり、特に入所希望者が多い指定介護老人福祉施設については、こうした観点から、関係自治体と関係団体が協議して、入所に関する具体的な指針を共同で作成することが適当であると考えており、都道府県に対して、指針の作成・公表に関する留意事項を示すこととしています。

[御意見6]
 各施設に入所優先枠を1〜3床程度設け、行政(福祉事務所なり、介護保険担当課)か第三者機関が運営する入所斡旋センターにおいて優先的な入所(入院)が必要と判断した方について入所の斡旋を行うなどの措置が必要ではないか。

[御意見6についての当省の考え方]
 介護保険制度の下では、施設への入所は、施設と入所者との間の契約に基づいて行われることが基本であり、今回の基準改正も、こうした基本的な考え方に沿って行うこととしております。
 一方、御意見では、優先的に入所を決定するのは入所斡旋センターであり、こうした基本的な考え方に照らして問題があります。


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