ご意見募集  厚生労働省ホームページ

伝達性海綿状脳症に関する牛せき柱を含む食品等の管理方法の試案に対して寄せられた御意見について



平成15年12月
厚生労働省医薬食品局
食品安全部基準審査課


 標記について、平成15年8月13日から10月14日まで、ホームページ等を通じて御意見を募集したところ、63の法人又は個人から、延べ136件の御意見をいただきました。
 お寄せいただいた御意見とそれに対する事務局の考え方について次のとおりとりまとめました。いただいた御意見につきましては、とりまとめの便宜上、適宜要約させていただいております。
 今回御意見をお寄せいただきました方の御協力に厚く御礼申し上げます。



牛せき柱を含む食品等の管理方法の試案に寄せられた御意見及び回答

No. 分類 意見 回答
1 全般  全頭検査に合格していれば安全だという報告は間違いなのか。食肉処理場を出てしまったせき柱は管理できないと聞いている。厚生労働省の責任できちんと管理すべき。また、全頭検査が安心なものでないのであればきちんと説明すべき。(他、同旨8件)  これまでの薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会伝達性海綿状脳症対策部会(以下、審議会という。)での審議によると、特定部位の除去により、推定ではありますが、BSE感染牛の約96%の感染性が除去されており、また、全頭検査によりBSEのリスクは大幅に低下しているものと考えられます。
 しかし、これまでの審議結果や食品安全委員会での評価結果にもあるとおり、背根神経節のリスクはせき髄と同程度であるとされており、食品の安全性を確保する観点から背根神経節の取扱いについて審議会において検討したものです。
 なお、133℃3気圧20分以上の加熱処理については、OIEで肉骨粉の処理条件等に規定されており、103程度のリスクが減少するとの報告がありますが、食品の安全確保、OIE基準との整合性といった観点から、せき柱自体の使用を禁止することとしました。
2 全般  EUは全頭検査を行っていないためせき柱を特定部位と同程度と判断したのではないか。日本ではせき柱のみでなく特定部位について、全頭検査で陰性が確認されたものは通常の処理にすべき。
3 全般  全頭検査を実施していれば安全と言えるのではないか。EU基準をそのまま日本に導入することは消費者に不信感を与える。せき柱を使用しても133℃3気圧20分以上の加熱処理を規定すべき。
4 全般  消費者の安全第一は充分理解できますし、最優先課題ではありますが、なぜ牛せき柱を除去するのか?現在BSE全頭検査を実施しており、検査結果がシロであっても特定部位は焼却しています。この焼却部位も、食しても何ら問題ない部位ですが、消費者の信頼回復の為、断腸の思いで実施しています。しかし、安全委員会の方々は何ら原因追求する事なく、また科学的根拠も示さず、「EUはこうしているから日本も」という論理は判りかねます。日本とEUとは気候、風土、牛の育成の仕方も異なっているのであり、EUが脊柱を除去しているから日本も実施せよでは納得出来ません。また、わずかでも疑いがあれば除去、焼却せよと言わず、業界全体が納得できる説明が必要かと思われます。
安全委員会の方々は、市場を一度位見学しただけで意見を述べず、市場に出向き、我々に指導して頂きたい。
現場も判らず、何の安全委員会か?これでは、単なる評論家と何ら変りないように思います。我々業界は必死で努力しております。もっと、生活そのものに不安を抱えている生産者や、流通業界のおかれている状況を踏まえて、現状に即した対応策を考えて頂きたい。
5 全般  禁止と許可の範囲を明確にするべきである。特にBSE非発生国のせき柱は問題がないことを明確にし、全てのせき柱やエキスの安全性に不安を抱くことのないようにするべきである。(他、同旨3件)  今後とも、規制対象国がBSE発生国であることを明確にし、周知に努めます。
6 全般  エキス等の安心・安全のため、危険部位の確実な除去とそれを証明するシステムを確立すべき。  食品衛生法に基づく規格基準として、BSE発生国の牛せき柱の使用禁止を明確化するとともに、的確な監視指導の実施に努めることとしています。
7 全般  全頭検査でもし脳だけでは検査が出ないというのであれば、せき髄及びそのまわりの初期段階でプリオン物質が出る場所で検査を行えばよいものである。陰性と判断されれば流通しても安全なものであり、OIE基準以上での非活性化が行われているのであれば、流通しても何ら差し支えがないと考えられる。  現在の試験法は、プリオンが最も蓄積しやすい延髄閂部で行うものであって、他の部位で行うことにより、その感度が良くなることはないと考えております。また、No.1の回答のとおり、全頭検査を行ったとしても、今回の規制を導入する必要があると考えられます。
 なお、OIEでは不活性化の基準は肉骨粉に対するもので、食品用には規定されておりません。
8 試案1  試案2は技術的に困難と思われ、試案1で進めるべきである。(他、同旨2件)  審議会での検討の結果、試案1に基づき規制することといたします。
9 試案1  試案1では、部分肉処理において、せき柱除去の際背根神経節に触れないで除去することは不可能である。従って、背根神経節による食肉の汚染は防ぎようがない。  厚生労働科学研究の中間報告によると、ナイフを用いた通常の脱骨処理では問題ないとされています。しかし、吊り除骨、仙骨部分の脱骨では注意を要すると報告されており、これらの場合の注意を通知することとしております。
10 試案1  流通の川上で食肉がついている段階で行うことが安全管理の第一であり、と畜場から流通すると食肉加工工場から食肉店まで流通し、これらの管理・検査をどこが行うのか。(他、同旨1件)  試案2としてと畜場で行う方法を検討しましたが、その採用は未だ適当でないと審議会で判断されたものです。なお、その監視・指導は、地方自治体の食品衛生監視員が行います。
11 試案1  枝肉から骨を除去する工程においてせき柱だけを除去するのは非常に困難である。(他、同旨3件)  脱骨の工程において、せき柱のみの除去を求めているものではなく、せき柱を使用した食品の製造等を禁止するものです。
12 試案1  試案1の(1)の〇の文章中、なお書き以下は、具体的にどのような処理を誰にどのようにすべきかを求めているのか明確にしない状況での試案としての提示は、不適当。その具体的処理を明確にした上で、意見募集をすべき。TSE対策部会においても、そのことを踏まえて審議すべき。  御指摘の箇所は背根神経節による牛肉等の汚染防止であり、これらの規定は食肉からBSE発生国のせき柱を除去する際の規定です。従って、食肉からせき柱を除去する施設は全て対象となります。具体的には、吊り除骨、仙骨部分の脱骨に関する注意等を予定しています。
13 試案1  試案1では除去後のせき柱の処理について規定されていないことから、特定危険部位相当の対応が読み取れない。また、せき柱が流通した場合、町のお肉屋さんまで、完全に指導・監督することは不可能であり、問題となっているのは背根神経節であることから、せき柱は従来同様に有効利用すべきである。  「特定危険部位」はOIE基準の食用とすべきではない部位と同一と考えており、今回の措置は、OIE基準に合致するものと考えています。なお、「特定部位」は牛海綿状脳症対策特別措置法において、と畜場で除去、焼却するものと定義されており、頭部(舌及び頬肉を除く。)、せき髄及び回腸遠位部が指定されています。
 今回、試案2として、と畜場で背根神経節の除去方法を検討しましたが、採用するには至っておらず、試案1の方法により規制することとしたところです。
 なお、食肉販売店は都道府県知事の許可を受けた業種であり、地方自治体において監視・指導を行っております。
14 試案1  試案1の考え方により、背根神経節を含むせき柱の処理を食肉加工工場等で行い、除去したせき柱は特定部位に準ずる扱いとしてしかるべき管理・処理を行うが、最終的な処理方法・場所については国が明確に指示するとともに、管理・処理等のコスト増嵩部分についてはBSE対策特別措置法第9条に基づいて国が措置すること。  今回の規制はBSE発生国の牛せき柱の食品等への使用を禁止するもので、他の用途への使用や、その処理方法について規定するものではなく、そのような規制は食品衛生法の所掌範囲を超えるものと考えております。
 なお、農林水産省とは、4月の審議会での検討をはじめ、適宜、情報提供を行うとともに、6月には審議会の取りまとめ、9月には食品安全委員会の評価結果を通知するなどの対応をしてきたところです。
15 試案1  背根神経節のリスクについては、食品安全委員会において特定危険部位に相当するとされていることから、と畜場法で指定されている特定部位と同じく、全量化成処理若しくは焼却処理される必要がある。しかし、試案1においては、食用に供さないことしか謳っておらず、せき柱を含めた骨の処理方法も決定した上で法の施行を行わなければ、食肉業界に混乱を招くことが予想される。
したがって、せき柱の分離及び管理は加工業者が責任を持って行うこと、分別したせき柱は、死亡牛専用の化成処理場において肉骨粉処理し焼却することとすべきである。
以上の対応において、分別費用や化成処理料等の新たなコストが増嵩するため生産者や関係業者の負担とならないよう、農水省とも連携した国としての対策をとるべきである。
16 試案1  食の安全性からせき柱を危険部位とすることは賛成である。しかし、除去にあたってはと畜場で除去すべきである。
せき柱が市場に流れると他の部位との混入が予想され、エキスメーカー等の牛骨原料を取り扱う企業の信頼性が希薄になり、更に、それを使用する食品メーカーも敬遠することになる。(他、同旨2件)
 試案2としてと畜場で行う方法を検討しましたが、その採用は未だ適当でないと審議会で判断されたものです。なお、今後の検討成果等によっては、審議会において、更なる検討を行うこととしております。
17 試案1  全頭検査を実施していてなぜ骨に危険があるのか。本当に必要であればせき柱のと畜場で管理するべきである。と畜場から枝肉で出荷した後では、管理施設が10倍以上に増えて管理することは不可能である。また、せき柱とそれ以外の骨を分けて管理することは不可能である。(他、同旨6件)  リスクがあるのはせき柱そのものでなく、背根神経節です。これまでの審議会での審議によると、特定部位の除去により、推定ではありますが、BSE感染牛の約96%の感染性が除去されており、また、全頭検査によりBSEのリスクは大幅に低下しているものと考えられます。
 しかし、これまでの審議結果や食品安全委員会での評価結果にもあるとおり、背根神経節のリスクはせき髄と同程度であるとされており、食品の安全性を確保する観点から背根神経節の取扱いについて審議会において検討したものです。
 また、と畜場における対応については、No.10の回答のとおり、現段階において採用することは適当でないと考えております。
18 試案1  やむを得ず、せき柱を食用から排除することになれば、せき柱の取扱いや処理の具体的方法を事前に関係者に提示し、意見を聞くとともに、事業者への周知徹底を図るべきである。  審議会の公開、その議事録や資料の公開とともに、今回の意見募集によって、透明性を確保してきたところですが、今後とも事業者への周知を図ることとしております。
19 試案1  背根神経節の除去は当然であるが、と畜場ですら出来にくいのに、食肉処理場、食肉販売店等で出来るとは思えない。また、試案1、2を見る限り、背根神経節による食肉や内臓の汚染防止のための方法は見つかっていないように思える。まずその方法を検討するべきである。そして特定危険部位と同様にと畜場で除去し、その先には流通させないようにすべきである。  試案2としてと畜場で行う方法を検討しましたが、その採用は未だ適当でないと審議会で判断されたものです。今回の規制は背根神経節の除去を求めるものではなく、BSE発生国の牛せき柱の食品等への使用を禁止するものです。他の用途への使用や、その処理方法について規定するものではなく、そのような規制は食品衛生法の所掌範囲を超えるものと考えております。
20 試案1  食肉処理場等でのせき柱の除去の確認はどこがどのように行うのか。確認はと畜場で行う以外にないのではないか。  今回の規制は、最終的に消費者に販売される食肉について、BSE発生国のせき柱が含まれてはならないと規制するものであって、例えば、四ッ割りの状態で食肉処理場から出荷されるものを禁止するものではありません。
 また、と畜場における対応については、No.10の回答のとおり、現段階において採用することは適当でないと考えております。
21 試案1  新たな処理施設・設備が必要であると考える。  今回の規制はBSE発生国の牛せき柱の食品等への使用を禁止するものであって、それ以上の措置を求めるものではなく、新たな施設・整備が必要とは考えていません。
22 試案1  試案1について、除去作業場は食肉カット場若しくは食肉店と想定されることから、文中の「枝肉」とは骨がついている状態までで、骨を除去した後の名称「牛部分肉」「牛精肉」とするべき。  骨がついている状態か、ついていない状態かが明確になるよう、今後の文書整理に当たりたいと考えております。
23 試案1  試案1による規制を早急に実施するべきである。また、規制が施行する前から関係者に周知し、食品への使用自粛を要請すべきである。  審議会による検討の結果を踏まえ、試案1により規制を行うとともに、それまでの間にあっても、BSE発生国の牛せき柱を用いた食品への製造販売等を自粛するよう通知しました。
24 骨油  ビーフエキス、食用油脂へのせき柱の使用を禁止するべき。試案1の(2)のただし書きを削除するべき。(他、同旨1件)  審議会による審議の結果、ビーフエキス、牛脂等の食品等へのBSE発生国の牛せき柱の使用を禁止することとしています。また、試案1の(2)のただし書きについては、削除することとしました。
25 ゼラチン  他の食品や添加物はせき柱の使用禁止のみであるのに対し、ゼラチンは更に製造基準を設定する理由は何か。  審議会による審議の結果、ゼラチンの製造基準は他の食品と同様、BSE発生国の牛せき柱の使用を禁止することとし、それ以外の事項については設定しないこととします。
26 ゼラチン  OIEで規定されているアルカリ処理ゼラチンの他に酸処理ゼラチンがあり、欧州ゼラチン工業組合(GME)が実施した研究では酸処理、アルカリ処理ともに十分なBSE不活化能を有することが検証されている。また、医薬品のリスク評価では酸処理、アルカリ処理ともリスクはともに低い(-4)とされており、使用部位の管理ができていれば製造基準の設定の必要はないと考える。基準設定に当たってはこれらの研究成果や知見を踏まえた議論をすべきである。
27 ゼラチン  試案1の(2)の〇の文章中、なお書きのゼラチンは、厚生労働省所管の食品、添加物及び器具以外の写真フィルム等の製造基準の設定を厚生労働省が行うことを意味しているのか。
28 エキス  現在流通しているビーフエキスについてBSE異常プリオン汚染の科学的証明を早期に実施するべき。また、OIE基準(133℃20分3気圧)の真実性を裏付けるための科学的検査を実施すべきである。
科学的証明もなく、ビーフエキスの安全性を問うのは論外であり、BSEが日本で発生する以前からOIE基準を取り入れて製造している弊社としてはその真実性に期待している。(他、同旨1件)
 BSEに関するOIE基準の「133℃20分3気圧」は肉骨粉に対するものであり、食品用には規定されておらず、今回の試案1はOIE基準と同等のものであると考えております。
 なお、BSE非発生国の牛せき柱を用いたエキスについては、今回の規制の対象外であり、この点については、今後とも適正な情報提供に努めて参ります。
29 エキス  牛骨エキスは安全であることのリスクコミュニケーションの徹底を図るべき。(他、同旨1件)
30 試案2  試案2について、除去方法の成果を高めるために技術開発を行うこと。
 全頭検査が実施されており、陰性のものについては本来規制対象外とすべきであるが、より安全性を高めるために背根神経節の除去を行うのであれば、現在50%の除去率を更に高めるための技術的開発を行うべき。また、食肉流通段階でのせき柱の除去は現実的に極めて困難であり、多大な費用を要する。
せき柱からの背根神経節の除去については、関係業界の自主的な取組によって、試行がされておりますが、厚生労働省としても、厚生労働科学研究を通じて、技術的な助言等を行っているところであり、今後とも、そのような取組を継続していきたいと考えております。
31 試案2  背根神経節の除去方法を十分検討しないまま、背根神経節を含むせき柱を除去するのは安直すぎる。せき柱の食品等への使用が禁止されれば、肥料や飼料に使用され、畜産副産物の有効利用価値を低減させ、また、せき柱が産業廃棄物となることで公共経費が増大することから、背根神経節の除去方法をもっと真剣に検討すべきである。  せき柱からの背根神経節の除去については、関係業界の自主的な取組によって、試行がされておりますが、厚生労働省としても、厚生労働科学研究を通じて、技術的な助言等を行っているところです。しかしながら、現段階においては、まだ十分な結果が得られておらず、試案1の方法により、規制することとしたところです。
 なお、今回の規制はBSE発生国の牛せき柱の食品等への使用を禁止するもので、他の用途への使用や、その処理方法について規定するものではなく、そのような規制は食品衛生法の所掌範囲を超えるものと考えております。
32 試案2  試案2について、と畜場以外の場所で行えることをと畜場でできないことを明確にしない状況での試案としての提示は、意見を求める判断材料としては不適当。例えば、背根神経節も1つではなく、27対ある中で、除去可能なものと困難なものとの部位を確認し、その対応を区分することも含めて試案として提示すべきであるとともに、TSE対策部会でもこのような観点から審議すべき。 背根神経節を椎骨によって、区分した上で規制を行うことは、実務的に困難ではないかと考えています。
33 試案2  と畜場において、背根神経節の除去を100%に近い状態にするためには相当の作業時間と労力を要するものと推察されるため、と畜場での背根神経節の除去・焼却の義務付けは望ましくない。(他、同旨17件)  せき柱からの背根神経節の除去については、関係業界の自主的な取組によって、試行がされておりますが、厚生労働省としても、厚生労働科学研究を通じて、技術的な助言等を行っているところです。しかしながら、試案2については、現段階においては未だ十分な結果が得られておらず、試案1の方法により、規制することとしたところです。
34 試案2  せき柱そのものにはリスクはないことから、せき柱に規制をかけるのではなく、背根神経節のみを除去する方法を検討するべきである。
35 試案2  試案2について、と畜場で除去すべき。
36 汚染防止  背根神経節の完全除去と除去時の他部位への汚染防止を図るべき。
 試案2は完全除去が可能なのか。完全除去を保証できるようにすべき。試案1は管理対象が広がることから管理方法が重要であり、処理時の汚染防止が重要である。
 せき柱からの背根神経節の除去については、関係業界の自主的な取組によって、試行がされておりますが、厚生労働省としても、厚生労働科学研究を通じて、技術的な助言等を行っているところです。しかしながら、試案2については、現段階においては未だ十分な結果が得られておらず、試案1の方法により、規制することとしたところです。また、その汚染防止については、No.12のとおりです。
37 汚染防止  部分肉処理工程で除骨する際には、髄間にナイフを入れ、剥離する作業でのナイフの交差汚染の可能性がある。従って、と畜場での背根神経節を除去する技術を開発し、試案2の方法が最良である。法制化以前に技術的な難題について議論を早急に行う必要がある。  せき柱からの背根神経節の除去については、関係業界の自主的な取組によって、試行がされておりますが、厚生労働省としても、厚生労働科学研究を通じて、技術的な助言等を行っているところであります。しかしながら、試案2については、現段階においては未だ十分な結果が得られておらず、試案1の方法により、規制することとしたところです。
 なお、汚染問題については、No.12のとおりです。
38 汚染防止  枝肉流通の場合も、接触汚染の可能性が大きいことから汚染防止は困難である。また、せき柱の分別、焼却に係る費用はどの段階で負担するのか極めて大きな問題である。  背根神経節はせき柱の内部にあるため、枝肉流通の場合に他の部位を汚染することはないと考えられます。また、牛せき柱の分別・焼却については、食品衛生法の所掌範囲を超えていると考えております。
39 管理  せき柱の管理と処理方法はセットで考えるべきである。保健所の出先機関である検査所等の指導機関が近くにあると畜場とカット場を併設した施設でカットし、せき柱を区分するべき。また、処理は公的な処分場で対応するよう国で検討するべき。  今回の規制はBSE発生国の牛せき柱の食品等への使用を禁止するもので、他の用途への使用や、その処理方法について規定するものではなく、そのような規定は食品衛生法の所掌範囲を超えるものと考えております。
40 管理  レンダリング工場での混乱を生じないよう、適正で具体的なせき柱の管理・監視方法を検討すべき。(他、同旨1件)
41 管理  せき柱の処理管理については、消費者にリスクが発生することのないよう、また規制により消費者の牛肉消費が減退することのないよう法整備を行うべき。  国民の健康確保に万全を期すため、今回の規制を行うものであり、これらの規制について、消費者を含め、適正な情報提供に努めてまいります。
42 全般  牛せき柱の処理の変更は、牛せき柱のみならず、牛骨全体の処理方法の大幅な変更が不可欠となり、その体制の整備及び社会的負担への対応を国の責任において行うべき。  今回の規制はBSE発生国の牛せき柱の食品等への使用を禁止するもので、他の用途への使用や、その処理方法について規定するものではなく、そのような規制は食品衛生法の所掌範囲を超えるものと考えております。
 なお、農林水産省とは、4月の審議会での検討をはじめ、適宜、情報提供を行うとともに、6月には審議会の取りまとめ、9月には食品安全委員会の評価結果を通知するなどの対応をしてきたところです。農林水産省においては、飼料や肥料での利用について検討を進めており、食品安全委員会の意見を聴いた上で対応することとしていると聞いています。
 厚生労働省では食品の安全に万全を期すとともに農林水産省と連携しBSE対策の推進に努めます。
43 管理  せき柱の管理を従来と異なった方法で行う場合には、焼却の場所の確保と費用、他の骨と分離する場所と容器、せき柱管理に伴う作業効率の低下、有償であったものを費用をかけて処理する事業収益差、管理のための人件費が発生する。これらの問題は省庁縦割りに各省毎に決めるのではなく、政府・国として考えるべきである。食品衛生のみ先行すると、食肉のと畜・部分肉加工の処理に大きな混乱をもたらし、場合によっては骨の処理ができず、食肉処理がストップすることが考えられる。
44 管理  今般の食品安全委員会の評価を踏まえ、特定部位であるせき髄等の食品等への混入防止のため、現在特定部位に対し執られている除去(分離)・焼却を厚生労働省の管理下で行われるようすべき。仮に、厚生労働省の管理下での除去(分離)・焼却を義務化しないとすれば、環境省等関係省庁と連携し、国として整合性の執れた一貫性のあるリスク管理を行うようすべき。(タテ割行政の弊害を是とした断片的な審議は、国としての責任ある行政対応とは相反するもの)
45 管理  せき柱が特定危険部位となった場合、と畜場、カット場で一般骨と分離する必要がある、せき柱の管理責任が発生する、保管場所や保管容器を準備する必要がある、新たな焼却費用が発生することから、次の点について要請する。
(1)保管容器、保管場所の新設への助成
(2)カット処理を外部業者に委託しているため、管理責任をどうするか。
(3)外部へ産業廃棄物として委託していることから、せき柱の焼却費用の負担(他、同旨2件)
46 管理  試案1にはせき柱の管理について規定されていない。せき柱から背根神経節の除去技術が未確立の段階では、せき柱と他の骨の区分、それらの担保等を明確にするべきである。(他、同旨1件)
47 管理  せき柱の焼却の義務化にあたっては以下の対策が必要である。
(1)焼却までの保管施設の確保
(2)焼却費の増大
(3)と畜場外への枝肉搬出のせき柱の取扱い(他、同旨5件)
48 管理  牛肉の流通経路は、複雑であり、枝肉(骨付き)のまま小売段階まで流通し脱骨する場合と小売段階に至る中途で脱骨して部分肉として流通する場合に大別できるが、小売段階に至る中途での脱骨も大規模なカット処理場で行われる場合のほか、小規模な卸業者で家内工業的に行われている場合等多様となっている。ついては、牛せき柱を他の牛骨と分離する場所は、食品等の安全管理を所掌する厚生労働省の管理下で確実に行われるようすべき。(他、同旨1件)
49 管理  エキス工場への入荷後の分別は不可能なので、と畜場で分別する以外、食品に混入することを防ぐことは不可能であり、カット場や小売店でせき柱の管理をさせるのは、と畜場から搬出を許可した厚生労働省の職務放棄ではないか。規制をするならその責任をきっちり取るべきである。  試案2としてと畜場で行う方法を検討しましたが、その採用は未だ適当でないと審議会で判断されたものです。
50 輸入  BSE発生のおそれがある国(EU科学委員会の評価によるレベルI以外の国)からの特定危険部位、せき柱及びこれらを原料とする食品の輸入を規制すべき。  BSE発生国からの食肉はもちろん、BSE発生国の牛由来の原材料を用いた食品の輸入は禁止等の措置を講じているところです。さらに、農林水産省において、各国のBSE発生リスクを評価するため、OIE(国際獣疫事務局)の基準に基づき、BSEステータス評価手法を開発するとともに、これに基づく各国の評価が進められており、当該評価について食品安全委員会の意見を聴いた上で、これに基づきBSE非発生国からの牛肉等の取扱いについて検討することとなります。
51 輸入  このたび発見された8頭目の感染牛が若齢であったことを考えると、輸入されるものの中で、「Tボーン」が除外すべきではない。あくまでも、国内基準と同等に、厳正な検査が実施されているものが同様な条件で流通すべきであるし、そのことが消費者への安心の裏づけになるものと思われる。
52 輸入  BSE発生のおそれがある国からの危険部位の輸入を規制するべき。BSEは潜伏期が長いため、発症前に食用とされていることが考えられる。加えて、非発生国では十分な検査が実施されていない。EU科学委員会の評価レベルI以外の国からの輸入を禁止するべき。
53 調査研究  我が国におけるBSE検査体制、牛肉及び牛由来食品の摂取量等諸外国とは異なる環境を踏まえた、異常プリオンの不活性化処理基準の設定、不活性化技術の開発と評価体制の整備等を行うことも含め、食品等の安全・安心に対する基準を明確化すべき。このためには、国の責任において、新たな実験の開始等による科学的知見の収集に積極的に取り組み、我が国の実態を踏まえた適切な対応をすべき。この場合、BSE発生の原因究明のための発生機序の究明のみに留まらず、食品等として使用可能な安全性の確保のための処理基準の解明のための科学的知見の収集も行うべき。  厚生労働省においては、これまでもプリオン病に関する調査研究を進めてきたところですが、平成14年度から食品分野におけるBSEに関する調査研究を本格的に開始しており、プリオン不活化法の開発等についても実施しているところです。
54 リスク評価  欧州ゼラチン工業組合は、ゼラチン製造工程の化学的処理、加熱処理でのBSE不活化を長年にわたり研究しており、最新の研究成果についてプリオン専門調査会で評価するべきである。また、食品加工工程での実用的な不活化プロセスの検証も重要であり、研究体制の構築、環境整備も検討されたい。  リスク評価については、本年7月に発足した食品安全委員会において実施することとなりましたが、厚生労働省としてもリスク評価に必要な資料の収集を図るとともにステータス評価等を行っている農林水産省とも連携し、食品安全委員会において、科学的知見に基づき、客観的かつ中立公平に評価が実施されるよう必要な協力をしていく考えです。
55 リスク評価  食品安全委員会・プリオン専門調査会が示したせき柱に関する評価は、感染牛の組織に関する科学的議論に基づくものであり、国内における飼料の給餌禁止や全頭検査によるトータルなリスク評価をすべき。
56 リスク評価  特定危険部位はその地域のBSEステイタスや牛の月齢によって異なるものである。せき柱の除去目的は、排除することではなくリスクの低減であり、解釈上の食い違いによる誤解や混乱を避ける意味からも、国際規約や科学的知見に基づき月齢制限を明確にすべきである。仮に、月齢制限しない場合には、その旨を明記すべきであり、その根拠を示す必要がある。
57 リスク評価  試案1や試案2の是非を検討する前に、国産と外国産のリスク評価のありかたについて、明確にするべき。国産だけ、ゼロリスクを追及しても意味がない。
58 リスク評価  同じ厚生労働省の部会では、「カナダでのBSE発生の確認を踏まえた医薬品等のBSEリスク評価の考え方について」において定量的にリスク評価し、BSE発生国であっても血清等に使用できる、としている。この部会では、定量的なリスク評価の検討が不十分ではないか。全頭検査+背根神経節のプリオンの存在+食用の供されるケース+エキスの加圧加熱を加味し総合的に定量的リスク評価を実施するべき。
59 その他  昨年のOIE総会には日本も出席していたはずであり、この問題に対する対応の遅れについては強く抗議する。  平成14年5月のOIE総会における規約改正が同年9月に公表され、食用とすべきでない部位に新たにせき柱が追加されたことを踏まえ、本年1月にドイツ及びイタリアに担当官を派遣して現地調査を行いました。その結果も踏まえて、本年4月に審議会における検討を開始するとともに、本年7月には食品安全委員会にリスク評価を依頼したところです。
60 その他  国際動向などの遅れ、迅速さを欠く対応は遺憾である。OIEでせき柱を危険部位として取り扱うことは昨年の5月の総会で決定されているにもかかわらず、日本での検討開始は今年の4月と、1年以上の遅れを取っている。対応が遅れた原因について、国民・消費者に説明を行うべきである。また、検討が始まった当初からせき柱のリスクについては指摘されているが、不使用の指導などもされていない。消費者の安全に関わる検討は可及的速やかに実施すべきである。早急に対応すべき。
61 その他  当規制の制定にあたりましては、消費者の安全性の確保にあわせ、業界関係者の費用負担軽減策の制定が必須であると考えます。  今回の規制はBSE発生国の牛せき柱の食品等への使用を禁止するもので、他の用途への使用やその処理方法について規定するものではありません。いただいた御意見はこの処理方法、すなわち分別、焼却等に要する負担等に関するものですが、分別、焼却等に関する規定は食品衛生法の所掌範囲を超えているため、4月の審議会における検討の開始から農林水産省に対し適宜、情報提供を行うとともに、6月には審議会のとりまとめ、9月には食品安全委員会の評価結果を通知するなどの対応をしてきたところです。
62 その他  せき柱の問題は安全性確保の観点から必要と思うが、可能な限りスムーズに負担の少ない規制とすべきである。
63 その他  現行のSRM処理により負担を強いられている生産者・食肉センターには、これ以上のコスト負担をかけるべきではない。(他、同旨1件)
64 その他  仮に、せき柱処理が食肉センターに帰属された場合、現在大きな負担となっているSRM焼却費用の負担に加え、新たな経費が発生することとなる。食品衛生上発生するこの新たな費用については、その負担を生産農家に求めることは困難であり、必然的に流通業界・消費者に対して応分の負担を求めることとなるが、現在の流通諸事情を鑑みると、商品価格にこれらの新たな経費を加えることは、イコール競争力の低下となることは明らかであり、ひいては食肉センターの負担となる。
65 その他  特定部位の処理費用は生産者や産地食肉センターが負担している。背骨の管理方法によっては、さらに生産側のコスト負担が発生することになり、経営に甚大な影響が予想される。BSEに伴うコストついては、公的な負担により対応すべきであり、生産者サイドだけが負担することがないような措置をとるべき。
66 その他  具体的な規制の方法、規制により発生する問題(経費負担等)についての対策が明確にされていない。このままでは生産者が費用負担することとなり経営を圧迫する可能性がある。BSEは国の防疫体制の不備により発生したものであり、規定の制定により発生する経費については国が負担すべきである。(他、同旨2件)
67 その他 (1)骨=背骨と捕らえる風潮がひろがることを防止するため、作業者の教育、養成、細心の注意で対応する必要があり、カット作業時間が延長することなどカット費用が増加する。
(2)背骨処分費用が最終発生者の部分肉製造者と食肉店負担になる。
(3)さらにその増加した費用と処分負担額を製品価格に転嫁できる情勢でない。
これらの点について充分なご配意をするべきである。
68 その他  背根神経節を含むせき柱の除去は食肉加工工場等において通常の加工方法で実施されていることから、除去後の区分を適切に行い他の骨、肉、脂肪等に混入させないようにすること、また、エキス等の原料として使用されないように区分、管理する必要がある。
しかし、これらの区分、管理、又はその処理について人的、施設的にも負担が増えることとなることから、これらの費用負担について国において適切な措置を取るべきである。
69 その他  試案1の(2)では、レンダリングによって製造される牛脂等が流通できなくなること、レンダリング原料として使用されている大半の骨の流通がストップすることが想定される。
(1)有償で販売できていた背骨の産廃処理や償却処理費用が発生する。
(2)背骨と一般骨の区分管理を厳格におこなう必要があり、人件費、区分スペースの確保、冷蔵保管施設の拡大等によるコストアップとなる。
(3)区分管理ができないと、一般骨に背骨が混入し、すべての骨を背骨と同様に処分せざるを得ない。
(4)明確な管理方法が示されなければ、全国の食肉処理業で処理に差が生じ、消費者に不安感が残る。
70 その他  規制強化に伴うせき柱を含む骨の処理方法やコスト負担等が問題となる。国民の安全・安心は一つの法律のみで規制できるものではありませんので、厚生労働省の立場だけではなく、農林水産省等とも十分連携をとり、消費者だけでなく、加工・流通業界にとっても安全で安心できる政策を確立すべきである。
71 その他  試案1のような規制をかけるのは食の安全確保の観点から必要なことである。
しかし、すでにSRM処理により、安全確保を支える生産者・食肉センターでは経営が悪化している。これ以上のコスト負担は受け入れられず、また、適正なせき柱の具体的管理・監視方法を考えなければレンダリング工場での受け取り拒否など混乱する。管理方法を確立した上で、新たな処理工場が必要である。
以上より食品の安全確保と生産者及び食肉センターの現状を取り巻く全ての状況を考慮して実効性のある具体的な管理・監視方法を確立すべきである。
72 その他  試案1につきましては試案2よりは現実的だが、次の点での配慮が必要である。
(1)せき柱に付随する肋軟骨と胸骨まで処分する必要があり、今までと逆に処分費用を要する。
(2)処分方法が不明。カット施設は焼却炉を所有しておらず、自家焼却は不可能。
(3)脱骨時、背根神経節にナイフが触れないようにするためには、ロース、ヒレを多く捨てる必要になる。
(4)と畜施設から搬出された枝肉、および除去物の管理は誰が行なうのか。
73 その他  食の安全確保から規制については理解するが、生産者・食肉処理業者に多大な負担を強いることになることから、畜産事業の健全な経営確保も考慮しながら、実効ある具体的な管理・監視方法を確立すべき。(他、同旨1件)
74 その他  せき柱が規制された場合、エキス及び粉末食品製造用の原料牛骨の激減が予測され、経営が困難になる。国として有効利用できる健全な部位の供給を求める。
有機農法に「蒸製骨粉」が使用されており、せき柱の規制により「蒸製骨粉」の不足する事態は避けるべきである。また、ビーフエキスも古くから栄養食として製造されており、BSEの影響により敬遠されるのは遺憾である。
75 その他  管理方法を検討するにあたり、関連して管理の必要が生じる周辺の事柄(飼料や肥料)を考慮して検討するべきである。今回の管理方法は食品のことのみであり、他のことは知らないでは無責任である。
76 その他  カット場でせき柱の除去を行う場合、処分費用の負担や作業工程の増加に伴う費用負担が発生するため、現行どおりの処理方法にすべき。  食品安全委員会において、せき柱の背根神経節のリスクがせき髄と同程度であると評価されているとおり、今回の規制を行うことは妥当であると考えています。
77 その他  リスク管理を検討するTSE対策部会においては、社会的な状況等を踏まえたせき柱の処理について、現行メンバーに加えてリスク管理の専門家を追加する等TSE対策部会メンバーを強化して、リスク管理の審議をすべき。  審議会には、BSEに関する専門家の外、食肉流通に関する専門家、消費者の視点に立った専門家等幅広い分野から参加いただいており、また、今回の審議に当たっては、と畜場、食肉処理場、化製場の視察に加え、関係団体からのヒアリング、さらには実態調査等を実施しております。
78 その他  部会審議について、委員が十分理解しないまま発言しているのではないか、また、審議に際して事前の調査があまりにも不十分である。
79 その他  日本で現在飼育されている牛でBSE羅患牛はどのくらいいると考えているのか。  本年9月30日に農林水産省で開催された第18回牛海綿状脳症(BSE)に関する技術検討会・第7回BSE疫学検討チーム合同検討会の報告によると、2003〜2006年の間にBSE感染牛は、東日本・西日本で10〜20頭、九州地方で8〜13頭程度になると試算されています。
80 その他  現在、第二リン酸カルシウムはOIE基準に基づき「タンパク又は脂肪を含まないもの」に限り飼料、肥料への使用が認められている。ゼラチンの製造工程で副生される第二リン酸カルシウムはタンパク又は脂肪を微量に含むため、せき柱は使用していなくても牛骨から製造されたものは肥料、飼料に使用できません。せき柱のリスク見直しに限らず、BSE保証や規制化にあたっては、関連産業の実態を踏まえた上で検討すべきである。  いただいた御意見については、飼料、肥料の規制を所管している農林水産省へ伝えることとします。


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