家族や友人が認知症になったとき

義母が認知症になった女性の経験  義母73歳 女性57歳

5年前に東京で義妹と暮らしていた義母が認知症を発症し、義妹一人では面倒をみられないとのことで、私たち長男夫婦のところに半ば押しつける形で義母が連れられて来た。義妹の話では、もの忘れが少しあり、言葉が出ないなどの症状にイライラする程度という話だったが、私たちのところに来てすぐ、被害妄想や徘徊がはじまり、私と子供たちへの暴言は長年義母がためていた私への不満をぶつけられているようで、私のこころはずたずたになった。

問題行動は環境の変化や自分の能力の低下に対する不安のあらわれだといわれても、実際にはこころに余裕をもった対応などできず、つい私も強くいい返して義母を興奮させてしまう。

夫が、毎晩義母と子供の頃の話をする時間を作り、話しながら義母の手などをマッサージするようになって、少し義母も落ち着いて、夜も眠れるようになってきたようだ。東京で飼っていた犬をうちで飼うことにしたところ、犬と一緒の散歩になら私の誘いにも同意してくれるようにもなった。

最近では、医師や近所の認知症のご家族のいる方の助言などもあって、介護保険制度サービスでデイケアやショートステイを活用している。おかげで私自身が息を抜く時間をもてるようになった。わずかな時間だが、その時間のおかげで自分を支えられている。

ただ、夫や義妹がもう少し感謝の言葉をいってくれれば励みになるのだが、当たり前のような顔をされるとすべての気力が抜け落ちて行く気がする。

介護者が疲れない工夫を

介護者が疲れてしまうと、患者さんもそれに反応してますます症状が悪化して問題行動が激しくなってしまいます。介護保険制度サービスを活用して、介護者が休養をとれる環境を作ってください。デイケア、ショートステイ、ホームヘルパーの訪問介護など様々なサービスがあります。

当事者同士が話しあう機会を

同じ境遇にいるもの同士が語りあうことも、ストレス軽減に効果的です。患者会などの情報交換や話し合いに参加するのもいいでしょう。

つらいときは介護者も医師に相談を

それでも介護者は、精神的に追いつめられ、うつ状態などになりやすくなっています。苦しいときは医師に相談できる関係を作っておきましょう。

困ったときの相談先