私が統合失調症になったとき

私の経験 32歳・会社員

大学を卒業後、大手建設会社に就職した。2年前から隣の課の男性と社内恋愛をしていたが、半年前に破局。彼は離婚寸前だと言っていたが、それは嘘だった。

忙しい職場だったので、失恋のつらさを忘れるためにも仕事に打ち込むようにしていたが、疲れやすくなってきた。食欲もないし、よく眠れない。1年半の間、誰にも秘密で交際をしてきたつもりだったが、最近は、なんだか職場の人たちが全部知っていて、私のことを軽蔑していると思えてきた。

隣の席のAさんが取引先との電話のなかで「ご存知でしたか?当然ですよね」と言っていたのは私のことだし、休憩時間にBさんが同僚と「あきらめが悪いよね」と言っていたのも私の悪口だ。

昼休みは一人でお弁当を食べるようになった。

ある日、パソコンで調べ物をしていたら、そこに私の悪口が書かれていて、驚いて大声で泣き出してしまった。隣の席のAさんが、私を廊下に連れ出して「疲れているみたいだよ。大丈夫?」と、社内の産業医に連れていってくれた。

産業医からの連絡で、同僚に確認をしたり社内のPCなどをチェックしたが、私の悪口が広まっていたり、書き込みされている事実はないと言う。確かに悪口を聞いているし、PC画面も見ているのでとても信じられない。みんなで口裏を合わせているに違いない。

家族に連絡がいったらしく、精神科の受診をすすめられ、両親に付き添われて受診した。私も、職場での悪口や軽蔑されている環境からのストレスで疲れていると感じていたので、そのことを訴えてみた。精神科医も職場に確認して、軽蔑されているとかPCに悪口が書かれているということはないと言う。とても信じられない。もう、あんな職場で働きたくない。

服薬で症状をコントロールできれば働くこともできる

服薬で症状をコントロールできれば、働くこともできるようになります。
症状が落ち着いた段階で、心理社会療法でストレスへの抵抗力を高めるようにすれば、統合失調症とうまくつきあうことができるようになるでしょう。

周囲の人の適切な援助が重要

統合失調症の人は幻覚や妄想から、周囲の人がみんな自分の敵であるように感じて、自分から孤立してしまいがちです。家族や職場の人の適切な援助によって、治療につなげることが重要です。