家族や友人が摂食障害になったとき

娘が拒食症になった母親の経験 (母48歳・自営業 娘20歳)

20歳になる娘は、拒食症で入院治療を受けています。初潮は小学5年生のときで、その頃はふっくらしていたので、夫は娘をアニメの「ドラえもん」の妹の「ドラミちゃん」と呼ぶようになりました。

夫は酒を飲むと口が軽くなり、娘の初潮のことや、ふくらみかけた胸について、からかいます。娘はそれほど気にしているように見えなかったのですが、小学3年生の弟までが一緒になって「ドラミ」と呼び、体型をからかうようになったため、夫と息子にはやめるように注意しました。でも、あまり効果はなかったようです。

娘は中学生になった頃から、急にやせ始めました。学校に給食はなく、お弁当をもたせていましたが、後で聞いたら、食べずに捨てていたそうです。

まるで成長が止まったように背が伸びず、やせていきました。だけど、まさか昼食をとらないでいたなんて思いもしませんでした。

あまりにやせたので「かくれてダイエットをしているんじゃないの」と、問いただしましたが、娘は否定するだけ。高校に入った頃、低血糖で倒れ、通院させるようにしました。それでも、娘は処方薬を捨てて下剤を飲んだり、吐いたりして、どうにもなりません。自室に閉じこもる「ひきこもり」になってしまいました。

現在の病院には昨年入院しました。私も病院主催の勉強会などに参加するようになり、娘に話を聞くと、拒食が始まった中学生時代のことについて「父や弟にいやらしい目で見られているようで、とても嫌だった」と打ち明けてくれました。

治療を拒否していたのに、入院に応じたのは、家から離れたいという気持ちがあったからとのこと。娘にそれほどつらい思いをさせていたとは、本当にかわいそうなことをしてしまいました。

「退院したら一人暮らしをしたい」と言うので、「先生が一人暮らしをしても大丈夫だと言うならいい」と言いました。娘は入院して半年で体重が40kgまでに増え、5年ぶりに生理がきました。

変化に気づく

摂食障害の人は、本当の感情をかくし、自分の病気も認めません。それでも、外見には以下のような変化が現われます。

このような変化があれば、摂食障害の疑いがあります。医師や地域の相談窓口に相談し、どうしたら治療に導けるか、アドバイスを受けましょう。

摂食障害の人への対応

子どもが摂食障害になると、親は自分が責められているように感じてつらく、早く治すよう急がせてしまいがちですが、強制は禁物です。とりあえず生きていればよいくらいの気持ちで、気長に回復を見守りましょう。

家族も協力者をもつ

相談できる先をなるべく多くもって支えあい、病気についての正しい知識を得るようにしましょう。

困った時の相談先