定例事務次官記者会見概要

(H20.03.19(水)14:02〜14:09 省内会見場)

【広報室】

《次官会議等について》

(次官)

今日の事務次官会議では、厚生労働省関係では、政令が2本かかっております。一つは、「厚生労働省組織令の一部を改正する政令案」でありまして、これは、保険局の所掌事務についての所要の整備と社会・援護局及び保険局に置かれている課の所掌事務の変更等を内容とするものです。趣旨は、高齢者の医療の確保に関する法律、老人保健法が改められましたので、それに伴って所掌事務の整理をしていくというのが中心であります。それからもう一つは、「厚生年金法施行令等の一部を改正する政令案」の改正であります。平成16年の国民年金法等の改正の施行に伴いまして、離婚時における第三号被保険者期間に係る標準報酬の改正等の特例に関して必要な事項を定める。そのために、厚生年金保険法施行令、その他関係政令について必要な規定の整備を行うという内容のものであります。私からは以上です。ご質問がありましたらどうぞ。

《質疑》

(記者)

原爆症についてですが、今回新しい審査基準が決まりましたけれども、その中で基準に当てはまらない人も総合的に判断していくということになりました。大臣は、昨日のぶら下がりの会見でそういった人達もなんとか救いたいというような発言をされていますけれども、積極的にそういう方も認めていくという方向になるのでしょうか。

(次官)

新しい基準をつくって対応していきますが、その基準は、一つは、一定の距離、3.5km以内とか、一定の要件に当てはまる場合には、基本的にはこれは承認すると。そうでない場合には、総合的に判断をしていくということであります。その基準に当てはまらない人を認めるというのではなくて、3.5km以内の人については、基本的には認めて、そうでない人についても総合的に判断をしていこうという基準ができたということであります。3.5kmというのは、ご案内のように、自然界にある放射線のレベルと同じくらいの水準でありますので、それで自然界よりも濃い放射線のレベルというのは3.5km以内ということで線を引いているのであります。新しい基準につきましては、委員の方々も新しく任命して新しい体制で運用することになりますが、今度の改正の趣旨を十分活かせるように対応して参りたいと思っています。

(記者)

先日、社会保険庁の組合のヤミ専従の問題が明らかになりましたが、その中で管理職も黙認していたのではないかという指摘も出ています。それについて処分等どのように考えていらっしゃるのかお願いします。

(次官)

社会保険庁の組合の関係でヤミ専従というのがあるのではないか、この実態を調べるべきであるということは、年金の再生会議の方で指摘がありまして、現在社会保険庁で調べている最中であります。調べましたら、その結果を公表するという段取りにしております。我が方ではまだ調べている最中でありますが、組合側で組合の調べた範囲で発表されたのだと思っております。結果を発表しましたら当然その背景とか状況とか事実関係を確認して然るべき対応をしていかなければならないと思っております。

(記者)

処分も視野にということでしょうか。

(次官)

そうですね。そういうことも含めて実態に即していろんなことを考えなければいけないと思っております。

(記者)

北海道の滝川の通院移送費の関係なのですけれども、つい先程会見があって、事実上多くの生活保護世帯の移送費の打ち切りと厳しい制限をすることにつながるのではないかと、実質的な保護費の引き下げになるのではないかとか、全世調査等の実態調査もしないまま、そういう措置を取るのはおかしい。巨悪の責任を弱い人に転嫁するものではないというような指摘があったのですけれども、こういう拙速なやり方ではないかということに対してお考えを聞かせていただけませんか。

(次官)

生活保護の基準というのは、憲法第25条に基づいて国民の健康で文化的な最低限度の生活を守るための最後の仕組みでありますので、その運用は、適正に行わなければなりません。またその運用のあり方は、国民の目から見て常識的、然るべき形でなければいけないと思っております。北海道の移送費の例ですが、生活保護を受けていない一般の家庭において、通院とかはどうだったろうかと考えますとあの事例に関しては、少し行き過ぎがあったのではないかという感じがするわけであります。国民健康保険法の考え方に照らして、通例の社会保険の中での考え方というものを前提にして、考えるということを基本としたいということであります。もちろん、特殊な個別事情を配慮しなくてはいけないということも時にはあるのかもしれません。確かそれは排除されていないはずだと思います。そういう意味で、誰にも普通の人に常識的に受け入れられる運用にしたと私は考えております。

(記者)

事実上、大勢の人の打ち切りとか制限強化には繋がらないと考えているということでよろしいでしょうか。

(次官)

普通の、通例の場合の医療は受け入れられる状態になっているのではないかと思います。

(了)


トップへ