定例事務次官記者会見概要

(H20.01.31(木)14:01〜14:18 省内会見場)

【広報室】

《次官会議等について》

(次官)

本日の次官会議ですが、厚生労働省関係では法律案が2本かかっております。1本は、「戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案」でありまして、これは、戦没者の父母等の置かれている特別の事情にかんがみて、これらの者に改めて特別給付金を支給するという内容のものであります。もう1本は、「駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案」でありまして、これは、駐留軍関係離職者及び漁業離職者の発生が今後も引き続き起こると予想されることにかんがみて、先程言いました法律の有効期限をそれぞれ5年延長するという中身であります。私の方からは、以上です。

《質疑》

(記者)

中国の冷凍輸入ギョウザから有機リン系の農薬が入っていたということで、その情報の伝達体制について発生から連絡までかなりタイムラグがあったということで大臣が見直しを指示したと思うのですが、今後どのように対応されますか。

(次官)

今回の案件について、今の情報伝達の話も、それから原因の問題もきちんと調査をして、事実関係をきちんと確かめて改善を考える必要があると思っております。まだ断片的な情報でありますが、最初は、若干事件性もあるような感じで警察が受け止めてますから、そういうこともあったのだと思いますが、これは事実関係を確認した上で、改善の方途を考えたいと思っております。

(記者)

検疫体制の見直しというのは、具体的にはどのように取り組まれてどういうふうに点検されるご予定でしょうか。

(次官)

これも原因がはっきり分からないとどういう見直しが良いかということについて結論が出ないわけです。まず原因究明、事実関係の把握が第一だと思っております。それから、それに応じて、例えば、相手国政府に対して要請することもありますし、輸入業者に対して要請する部分もあると思うのです。検疫所側で何ができるかということもあるかもしれません。繰り返しになりますが、原因究明の中身に応じて対策を考えるということで、今の時点では、具体的にこれをというのはまだ決めているわけではありません。

(記者)

はっきりしないまでも、ああいうふうに細かく刻まれたような加工食品に関しては、事実上ほとんどノーチェックだったということに結構ショックを受けている国民も多いと思うのですが。

(次官)

大腸菌の調査とか、冷凍食品の特性に応じた検査というのはやっていないわけではないのですが、農薬の検査はしていなかったということです。これは、加工食品でいろいろ混ざってしまうと果たしてどこまで検査ができるのかということもあるのだと思いますし、それから、逆にそうであれば、製造するところからの工程をみてどんなふうに考えるかということの方が、そっちの方が大事だということもあり得るわけです。今のこの件に関しては、輸入を自粛していますし、市場に出たものは回収に入っていますので、この件に関しては、とりあえずおさえているという状況になっていると思うのですが。繰り返しになりますけども、この先の対策の取り方はやはりきちんと原因究明をできないと、これが一番良い方法だということについての結論というのはなかなか出せないものですから、原因究明をまずはしたいということであります。

(記者)

健康被害の訴えが各保健所等に寄せられていると言われていますけど、厚生労働省としては何か把握されている。

(次官)

保健所からの情報について報告を受けているということ以上のことは私は聞いておりません。

(記者)

原因究明の関係で、中国の工場で何があったのかということが重要なポイントになってくると思うのですが、中国政府との連絡というか情報交換については今後どういう。

(次官)

既に在日の中国大使館を通じてお話をしてまして、向こうの方でも調べるということになっていると聞いております。

(記者)

最初に健康被害が出て、その情報がなかなか国の方にあがってきていないという実態があったように思うのですけども、その点についてはいかがでしょうか。

(次官)

これは、最初に被害の届出があった時に、事件性があるのではないかという判断もあったような感じはするのです。そこは事実関係をきちんと見てみないと軽々に答えが言えないのですけれども、そういう判断の下で、いわゆる食品の中に何かが混入していることによる一般的な食中毒というか、そういう食品事故なのか、そうではない別の事件なのかという判断があったのではないかと思います。そしてこういう場合にどういう対応をし合うのが良いのかというのは、事実関係を確認した上で、その方向、対応策を考えたいと思います。

(記者)

今回のギョウザに限らず、中国からの食品全般に対して非常に信頼性が揺らいで、それで今回の工場とは全く関係なくても中国製の食品を撤去する、もしくは使わないレストラン等もかなり出てきてまして、そうした状況について次官はどのように思われますでしょうか。

(次官)

今回の事件が一体どういうことなのかという原因がきちんと究明されないと、どういう対応を取るべきかということも決まらないわけです。ただ、一般論として中国から来たものが危ないと思えば、いろんな飲食店でその辺を自粛するとか、それはもう通常の行動としては、私はまずはあり得ることだと思うのです。それはお客様に安全にというのが、おそらくお店の基本でしょうから。そういうことはあり得ると思うのですが、ただ、事実関係がきちんと分からないと対応の仕方とか対応方針も決まりません。今度の事故も2ケ所でかなり期間をおいて起こっているわけで、そうすると、やはりこれはなぜこういう形で現れたのかというのもきちんと把握をしていくことが原因の確認に当たるのだと思うので、そういう手順を踏んで考えていくことだと思います。

(記者)

平たく言うと、中国の食べ物は危なくて食べられないと思っている人がたくさんいるわけですけども、それについて。

(次官)

どんなところでも事件が起こればその事件に対して国民が評価するというのはあるわけで、それは、国民の評価ですから。ただ、私どもとしては、この事案が一体どういう原因でどうなのかということがはっきりしないとそれについてのコメントはしようがないかなと思います。

(記者)

今の段階で原因についてはどのように考えられますか。

(次官)

ちょっとそれは分かりません。農薬というか殺虫剤が入っていたという話がありますけれども、製造工程で混入しているのであれば多発する恐れもあるわけです。それがかなり期間をおいて一件ずつ起こっていますから、これはどう考えたらいいかやはり調査してみないと分からないと思うのです。そこをきちんと調査して事実を確認する、これが大事だと思っております。

(記者)

次官は報告をいつ受けられたのですか。

(次官)

昨日の夕方だったと思います。

(記者)

厚生労働省として把握したのは確認ですけど、いつになるのでしょうか。

(次官)

一昨日、29日の夜だと思います。東京都から情報が入りました。

(記者)

原因究明というところを何度も繰り返しおっしゃいましたけど、今のところ中国政府の中国での調査と警察の調査というのが主になっている感じがするのですけれども、厚生労働省としての調査という意味ではどのように原因究明するのでしょうか。

(次官)

これは関係機関と協力し合わないと方法が無いと思います。一つは輸入業者からの話を聞くことであるとか、もちろん警察の持っている情報、それからこの事件の内容、中国側でも情報を得られていると思いますのでそういう情報を多角的に集めてこないとわからないのではないかと思います。この関係の事案は二つかあるいは、ひょっとしたら三つかということですので、事案から調べる範囲というのは限られているわけです。そうすると一般的な国内での流通プロセスを含めて確認をしておくということだと思います。繰り返しになりますが、きちんとした原因究明のいる事件だと思いますので、中国国内の状況については中国側の調査情報を提供してもらって、考えていくことだと思います。

(記者)

やはり厚生労働省に入ってくるのが遅すぎるのではないかと思うのですけれども。

(次官)

これは事件と最初思われたのではないかと思います。

(記者)

事件かどうかはっきりしないわけですよね。疑いがあればすぐに情報をあげさせるというような体制は取れないのですか。今後は。

(次官)

今回の事例を検証して、そういうことについて改善すべきものは改善をしたいと思います。まずは事実関係をどうしたのか、最初に警察に情報が入ったとしたら警察がどう考えたか、どういう連携がとれたのか。そこから事実関係をおさえて対応するということだと思います。

(記者)

検証するのにかなり時間がかかると思うんですけど。

(次官)

いや、事実関係がどうだったかということですから、そんなにゆっくりかけてることでもないと思います。一つの事例が起これば今後に向けて同じ問題のないようにしていくというのが基本ですから、そういう意味ではお互い関係機関もそういう気持ちでいると思いますので、相談をして改善を図れると思っております。それはできるだけ早くやりたいと思っております。

(記者)

具体的に健康被害が輸入食品で起きた疑いがあるとしたら、すぐ厚労省に一件だけであってもあげろということはしないのですか。

(次官)

輸入食品に限らず色々あり得るわけですね。国内の食品にだってあるかもしれません。でもひょっとしたら家庭での管理が悪くてそういうことが起こる可能性もあるわけです。そうするとどういう形が良いのかというのは今回の事例を見ながら適切な仕方というのを考える。こういう疑いが濃いときはこうしましょうとか、事例に即して考えるではないかと思うのです。食品なら何でもかというと、管理が悪ければ管理側の問題かもしれませんし、そういことも起こりうるのですから、今回の事例を検証して改善を考えるということが大事なことだと思っております。

(記者)

食に対する不安が非常に大きく広がっていますけれども、一般の国民に対しては何を呼びかけたいですか。

(次官)

本件を契機にということであれば、やはり本件の事実関係を確認するのが先です。事実がはっきり分からないまま呼びかけるというのは非常に難しいことだと思います。私どもの、行政側の責任で言えば、事実をきちんと確認をして的確な情報なり、的確な対応なり、それを話していくということだと思います。

(記者)

今厚生労働省としては、中国国内の製造段階までに農薬が混入したとみておられる。

(次官)

それはまだ分かりません。調べていく中で確認したいということです。ただ、そういう可能性も皆無ではありませんので、中国大使館を通じて調査をお願いをしているところです。

(了)


トップへ