定例事務次官記者会見概要

(H19.05.24(木)14:21〜14:30省内会見場)

【広報室】

《次官会議等について》

(次官)
   今日の次官会議は、当省案件特段のものはありませんでした。ご質問があればお答えいたします。

《質疑》

(記者)
   いわゆる宙に浮いたというべきか、年金記録の問題ですが、大臣も国会の委員会答弁で調査に乗り出すという形でおっしゃってますが、これまでの庁の答弁からみると、本格的にやるぞという形で大臣は踏み込まれたわけですが、その判断に至った経緯なり、これまで何らかの問題はなかったのかどうかということについてお聞かせ下さい。

(次官)
   もともと、この年金の記録の基本問題というのは、基礎年金番号ができる前はそれぞれの制度で付番をされていたということ、そして基礎年金番号を付番して死亡を確認できるシステムを導入する、ということが、それまでできていなかったことというような状況の下で、こういう統合されていない記録が多々あったということについて、システムをより更新し、より正確に作業していかなければならないという中で、私どもこの問題を重く受け止めて、また国会の審議でも話され、大臣が昨日の方針を出されたような形で誠心誠意この作業を進めていかなければならないというふうに考えております。ただ一点、例えば5000万件あるいは60ないしは65歳から80歳までで1900万件といった数字がありますが、5000万件といった中で、例えば100歳以上の数字を見ますと160万件くらいになるわけですけども、その160万件に相当する100歳以上の生存人口すべてを合わせて3万人くらいでございます。そういうことから、100歳以上の所だけを例にとって、「例えば」の例でございますけれども、そういったような死亡者数というものもその中に含まれていると、死亡というものを確認して落とせるようになっていないということからこういうデータが残っているわけでございまして、十分、中を吟味していって、本当にできる限りの、昨日大臣がご答弁をされました方針に基づいて統合のための具体的な方策というものを検討させていただきたいと思っています。

(記者)
   先週の会見でもおっしゃっていましたが、年齢条項の見直し、18歳に引き下げるべきかという、国民基礎法関連の話ですが、例えば飲酒とかですね、たばこについて年齢を引き下げる是非についてどのようにお考えでしょうか。

(次官)
   飲酒、たばこですか、私は原局からそれについての具体的な考え方を聞いておりませんが、基本的には健康の問題ということを基本にして、いずれにしろ年齢問題というのは、それぞれの年齢を論じる制度ないしはその仕組みの趣旨においてその年齢を判断するということですので、基本的には健康という観点から、より下げる方のが良いのかどうかというような判断基準をとることになると思いますが、いずれにしろ年齢条項は次官レベルの官房副長官が主催する会議で、これから洗い直しを始めるところでございまして、留意点としては、やはり健康に着目してということだと思いますけども、具体的な方向性については、私どもまだ方向を定める段階には至っていません。

(記者)
   事務次官の個人的な見解でもよろしいんですけれども、年齢、健康というところに着目する場合は、どうなんでしょうか、18歳に引き下げるというのは、どう考えたらいいんでしょうか。

(次官)
   どうなんでしょうね。ちょっと年齢問題というのは大変デリケートな問題なので、不用意な発言は、個人的な発言とはいえ差し控えさせていただきたいと思います。

(記者)
   社会保険事務局の指導医療官の汚職事件の関係ですが、今回逮捕された指導医療官だけでなく、指導医療官が指導すべき医師側から、例えば、講演料などの名目で、現金を受け取っているという状態が恒常化しているようです。公務員倫理規定の範囲内で、報告もしていればそれは認めるというのが、今までの姿勢だったようですが、今回の事件で、警察はそれも便宜供与の一環だったというふうに見ているみたいですが、これの是正策等何かお考えでしょうか。

(次官)
   いずれにしろ、私どもが今聞いておりますのは、いわゆる時間外、休日における対応であったということのようですけれども、2万円というルールは守られていなかったのではないかという情報を聞いておりまして、この点については全く、何と言いましょうか、倫理規定違反であり、その観点からも厳正にこの点についてのしきりをつけなくてはいけないと思っております。それから、おのずから時間外とはいえ、立場をわきまえた講演の趣旨といったことを考え、適切な行動をとるべきだと思います。そういう観点から、今回、いわば、この間も申しましたように、事務局長に直接、心して綱紀の粛正にあたれという指示をして、職員一人一人にそれを申し渡しておりますので、おのずから、何と言いましょうか、行政そのものの状況を周知するために行わねばならない講演と、本当に胸に手を当てて、こういうことをやらねばならない講演なのかどうかといったことを峻別するという形で判断をするように、これまで示した方針に基づいて本当に適切な運営が行われるようにさらに指導を徹底してまいりたいと思います。

(記者)
   現行の2万円以下という報酬であれば、不正の温床にはなり得ないというご判断ですか。

(次官)
   一般論として禁止するということではないと思います。やはり様々な行政上の施策の説明といったことを時間外とか休日に行うということは、行政一般として行われている、これを一般的に禁止するというのは、逆に様々なそういう行政が自発的にPRするという、そこまで倫理規定は禁止しているものではないので、それを一般化するということは逆に、何と言いましょうか、倫理規定の趣旨から言って、羮に懲りて膾を吹くということかもしれません。ただ、私は胸に手を当てて、本当にそういうことが必要かどうか、私は判断のつくものだと思います。また、一番重要なことは、承認をいたしますので、おのずからこの厳しい状況の下で、本当に胸に手を当てて、このことはやらなくてはいけない講演か、それとも、ちょっとこれは頼まれてやましいものかというのは、私は本当に判断ができると思います。そういう意味では、承認の運用について厳正な判断をするように、よくよく周知徹底いたしたいと思います。

(了)


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