大臣等記者会見概要  厚生労働省ホームページ

定例事務次官記者会見

(H15.11.13(木)13:59〜14:12 厚生労働省記者会見場)
【広報室】

《次官会議について》

(次官)

 まず、本日の次官会議でございますが、そう多くの案件ございませんで、一般案件2件、件名外案件3件、3件のうち2件が質問主意書に関する当省関係の答弁書でございます。次官会議はその程度でございます。

《その他》

(次官)

 衆議院の総選挙が終了いたしまして、もう11月の半ばですので、暮れの予算編成、事実上様々な来年度の政策方針を決める予算編成がまもなくでございますが、きわめてタイトなスケジュールの中で、当省関係、数多くの案件がございます。各部局それぞれ課題を抱えておりますけれども、暮れに向かいまして、事務方といたしましても気を入れ直して作業に取り組みたいと、こう思います。最大の課題でございます年金制度改革の関連でございますが、これはご案内のことが少なからずあろうかと思いますけれども、来週早々には厚生労働省案を取りまとめて報告し、さらに最終的な政府としての方針決定に持っていきたいということで、今鋭意作業を進めていると、こんな状況でございます。その他の案件につきましても、それぞれの部局で、予算に絡むものは財政当局との事務折衝を重ね、関係審議会でご議論をいただくものにつきましては関係審議会での審議を加速をさせていただいている状況です。いずれにいたしましても、限られた時間でございますが大詰めを迎えておりますので、これから緊張感を持って臨みたい、こんなふうに考えているところでございます。

《質疑》

(記者)

 本日の財政審なのですけれども、年金、介護、医療、生活保護などで各分野にわたって財務省からの方針が示されたわけですけれども、年金について2分の1と高額所得者の問題など、個別について厚生労働省のご見解をお聞かせいただきたいのですが。
(次官)
 具体的に申し上げれば、厚生労働省案の公表をお待ちいただきたい、というのが基本でございますけれども、国庫負担の2分の1につきましては、繰り返し申し上げておりますように、これまでの経緯もございますし、これから先の年金制度の形づくりをする上で最大のポイントでございますから、手法につきましてはいろいろなものがあるわけですが、今回の改正で道筋を付けるということで決意を新たにして臨みたいと考えております。高所得者の問題等につきましても、いろいろ論議があるところで、基本はどうかと問われれば、社会保障制度でございますから、それぞれの生活実態に応じた適切な給付ということも、念頭、視野に入れるべきだと考えますが、例えば年金で申しますとやはり税との関連、税制との関連がございます。筋道で申しますと、私共は個人の全体の所得状況についての調整ということであるならば税の形での対応というのが筋ではなかろうかというふうに考えておりますが、なお、関係する様々なご意見ございますから、引き続き積極的に議論に応じていきたいと考えています。医療は、当面の問題はやはり診療報酬改定ということになろうかと思います。これもなかなか実務的にも政治的にも大変難しい問題でありますし、今中医協で論議がたけなわでございますから、あまり具体的な内容を現時点で申し上げることも出来ませんし、適当でないと思いますけれども、まずは医療経営の実態、いずれ実態調査ということで結果が出てまいりますけれども、それを踏まえて議論をするというのが基本でございましょうし、全体的な社会経済状況というのも充分念頭に入れて議論すべきだと考えております。その他、介護でありますとか生活保護につきましても財務省の提案がございますけれども、いずれについても、ひとつには大きな枠組みでの議論をしたい、場合によっては制度改正に繋がると、もちろん介護なんかは当然制度改正に繋がると思いますが、生活保護も含めてそういう構えでの議論をいたしたいと思っておりますので、そういう意味ではじっくりした議論が必要だというのが基本でございます。ただ、当面予算折衝の過程で個別に議論をすべき事項というのも皆無かと言われますと、それはそれで引き続き議論をしなければいけない項目がいくつかありうるとは思いますけれども、大きな枠組みでじっくりした議論をさせていただいきたい、将来の方向をキチンと見据えた上での結論が出せるような、そういう議論を積み重ねていきたいというのが現状ではないかと考えています。
(記者)
 国庫負担を引き上げるというのは、保険料の将来的な軽減につながるというのが、これまでの厚生労働省のご基調だと思うのですけれども、足もとでは財源を歳出カットで賄うのは極めて厳しいという見方がもっぱらでして、控除の撤廃なのか、税率引き上げなのかわかりませんが、結果的にはこれ増税ということで賄わざるを得ないのかなという判断だと思うのですけれども、そうすると保険料の世界では、仮にそれが将来的に軽減されたとしても、全体としては負担増で、また国民負担率の話になってくるかと思うのですが、厚生労働省としては今どういうふうに整理されているでしょうか。
(次官)
 学理的というか、学問的な議論も必要かと思うのですけれども、ちょっと長いスパンで考えれば、少子高齢化社会、特にこれから到来する少子高齢化社会というのは従来の社会と基本的に違う社会でございますから、そういう社会において社会全体としてどういう費用負担を中心に、社会保障で言えばですけれども、どういう形で費用負担をするかということになりますと、総理が良くいわれますように、保険料か、医療のように自己負担というのもありますけれども何らかの形での個人の負担か、そして税かと、このコンビネーションで対応をしていかざるを得ないのだと思います。ですから国民負担率、これも議論をし始めますと大変深い議論になっていくわけですが、国民負担率を仮に低水準に抑えるということは、基本的には個々人の負担にお願いをする部分を広げるということですから、これも含めて選択の問題だというふうに考えております。我々としては、もちろん国民負担の水準が非常に高い水準になることが社会全体の枠組みとして妥当かということになりますと、出来るだけそれを抑制をするという方向は大事だと思いますけれども、それが故に社会不安であったり、社会保障に対する不信というようなことが生じるような枠組みでは、やはりトータルとしてまたマイナスが生じる。基本的な社会保障制度の安定という部分については、トータルの社会的な負担が仮に増えるとしても、一定程度はご理解をいただけると思うし、必要なことではなかろうか、こういうのがおおざっぱな私どもの考えでございます。
(記者)
 先ほど診療報酬のところで実態調査を踏まえた上で、全体的な経済社会状況を考えなければいけない、需要とかの予想に反してデフレは止まらないわけですけれども、そうした中でマイナス改定もやむなしというような、視野に入れてということなのでしょうか。
(次官)
 そう直截にお尋ねいただきますとなかなか答えにくいのですが、今の時点で具体的な水準を言及するのは、正直避けたいと思いますけれども、決して社会経済状況が急激に好転しているという状況ではないということは、踏まえていかなければならないというふうに考えています。大臣が触れられましたように、数字先にありきという議論は本質的ではないのだろうと思います。診療報酬改定というのはなかなか一朝一夕にはまとまりませんけれども、診療報酬の内容、つまりあり方、診療報酬の中身、それとの関連で議論するというのが本筋ではないかと大臣がおっしゃいましたが、全くその通りだと思っておりまして、そういう点との絡みで考えるという非常に重要な要素がありますから、医療費の上げ幅、下げ幅というのが先にそれだけ議論されるというのは適当ではなかろうと思っております。

(了)


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